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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113835
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】表示装置用マザー基板
(51)【国際特許分類】
   H10K 77/10 20230101AFI20240816BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240816BHJP
   H10K 50/844 20230101ALI20240816BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240816BHJP
   H10K 71/70 20230101ALI20240816BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20240816BHJP
【FI】
H10K77/10
H10K59/10
H10K50/844
G09F9/30 330
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H10K71/70
H10K59/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019065
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 昌
(72)【発明者】
【氏名】田畠 弘志
(72)【発明者】
【氏名】真喜志 康太
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 和之
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107DD89
3K107GG52
3K107GG56
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB02
5C094EA03
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA04
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】一実施形態によれば、表示装置用マザー基板は、検査部を備え、検査部は、一方向に順に並んだ第1パッド、第2パッド、第3パッド、及び、第4パッドと、第1パッドと電気的に接続された第1配線部と、第2パッドと電気的に接続された第2配線部と、第3パッド及び第4パッドに電気的に接続され第1配線部と第2配線部との間に中途部を有する第3配線部と、中途部と電気的に接続された第1隔壁と、第1隔壁を囲み第1配線部及び第2配線部と電気的に接続された第2隔壁と、第1隔壁と第2隔壁との間に配置された有機層と、有機層を覆う上電極と、を備え、第1隔壁及び第2隔壁の各々は、導電材料で形成された下部と、下部の上に配置され下部の側面から突出した上部と、を有し、上電極は、第1隔壁の下部及び第2隔壁の下部に接触している。
【選択図】図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上方に配置された複数のパネル部と、
前記基板の上方において、前記パネル部よりも外側に配置された検査部と、を備え、
前記検査部は、
一方向に順に並んだ第1パッド、第2パッド、第3パッド、及び、第4パッドと、
前記第1パッドと電気的に接続された第1配線部と、
前記第2パッドと電気的に接続された第2配線部と、
前記第3パッド及び前記第4パッドに電気的に接続され、前記第1配線部と前記第2配線部との間に中途部を有する第3配線部と、
前記中途部と電気的に接続された第1隔壁と、
前記第1隔壁を囲み、前記第1配線部及び前記第2配線部と電気的に接続された第2隔壁と、
前記第1隔壁と前記第2隔壁との間に配置された有機層と、
前記有機層を覆う上電極と、を備え、
前記第1隔壁及び前記第2隔壁の各々は、導電材料で形成された下部と、前記下部の上に配置され前記下部の側面から突出した上部と、を有し、
前記上電極は、前記第1隔壁の前記下部及び前記第2隔壁の前記下部に接触している、
表示装置用マザー基板。
【請求項2】
さらに、ループ状に形成された凸状体を備え、
前記第1配線部、前記第2配線部、前記第3配線部、前記第1隔壁、及び、前記第2隔壁は、前記凸状体で囲まれ、
前記第1パッド、前記第2パッド、前記第3パッド、及び、前記第4パッドは、前記凸状体の外に位置している、請求項1に記載の表示装置用マザー基板。
【請求項3】
前記検査部は、さらに、
前記第1配線部と電気的に接続された第1端子と、
前記第2配線部と電気的に接続された第2端子と、
前記中途部と電気的に接続された第3端子と、を備え、
前記第1隔壁の前記下部は、前記第3端子に接触し、
前記第2隔壁は、前記第1端子及び前記第2端子と電気的に接続されている、請求項1に記載の表示装置用マザー基板。
【請求項4】
前記第1パッド、前記第2パッド、前記第3パッド、前記第4パッド、前記第1端子、前記第2端子、及び、前記第3端子は、同一材料で形成されている、請求項3に記載の表示装置用マザー基板。
【請求項5】
前記第1隔壁及び前記第2隔壁の各々の前記下部は、ボトム層と、前記ボトム層と前記上部との間に配置された茎部と、を有し、
前記ボトム層及び前記上部は、前記茎部の側面から突出し、
前記上電極は、前記第1隔壁の前記ボトム層及び前記第2隔壁の前記ボトム層に接触している、請求項1に記載の表示装置用マザー基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置用マザー基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。この表示素子は、薄膜トランジスタを含む画素回路と、画素回路に接続された下電極と、下電極を覆う有機層と、有機層を覆う上電極と、を備えている。有機層は、発光層の他に、正孔輸送層や電子輸送層などの機能層を含んでいる。
このような表示素子を製造する過程において、信頼性の低下を抑制する技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【特許文献6】国際公開第2018/179308号
【特許文献7】米国特許出願公開第2022/0077251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置用マザー基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、表示装置用マザー基板は、
基板と、前記基板の上方に配置された複数のパネル部と、前記基板の上方において、前記パネル部よりも外側に配置された検査部と、を備え、前記検査部は、一方向に順に並んだ第1パッド、第2パッド、第3パッド、及び、第4パッドと、前記第1パッドと電気的に接続された第1配線部と、前記第2パッドと電気的に接続された第2配線部と、前記第3パッド及び前記第4パッドに電気的に接続され、前記第1配線部と前記第2配線部との間に中途部を有する第3配線部と、前記中途部と電気的に接続された第1隔壁と、前記第1隔壁を囲み、前記第1配線部及び前記第2配線部と電気的に接続された第2隔壁と、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間に配置された有機層と、前記有機層を覆う上電極と、を備え、前記第1隔壁及び前記第2隔壁の各々は、導電材料で形成された下部と、前記下部の上に配置され前記下部の側面から突出した上部と、を有し、前記上電極は、前記第1隔壁の前記下部及び前記第2隔壁の前記下部に接触している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
図2図2は、副画素SP1、SP2、SP3のレイアウトの一例を示す図である。
図3図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
図4図4は、給電部PPを示す断面図である。
図5図5は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図6図6は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図7図7は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図8図8は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図9図9は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図10図10は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図11図11は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図12図12は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図13図13は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図14図14は、表示装置用マザー基板100の一例を示す平面図である。
図15図15は、検査部TPを拡大した平面図である。
図16図16は、隔壁パターンPT1、PT2、PT3の一例を示す平面図である。
図17図17は、配線部LN1、LN2、LN3の一例を示す平面図である。
図18図18は、隔壁P10、P20の一例を示す平面図である。
図19図19は、隔壁P30の一例を示す平面図である。
図20図20は、図18のA-A’線に沿った隔壁P10を含む断面図である。
図21図21は、図19のC-C’線に沿った隔壁P30、P40を含む断面図である。
図22図22は、図19のC-C’線に沿った隔壁P30、P40を含む他の断面図である。
図23図23は、図15のD-D’線に沿った凸状体PJ1、PJ2を含む断面図である。
図24図24は、検査装置200の一例を示す図である。
図25図25は、検査部TPを拡大した平面図である。
図26図26は、検査部TPの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向Xと称し、Y軸に沿った方向を第2方向Yと称し、Z軸に沿った方向を第3方向Zと称する。第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面で構成要素を見ることを平面視という。
【0009】
本実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末等に搭載され得る。
【0010】
図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
【0011】
表示装置DSPは、絶縁性の基板10の上に、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAよりも外側の周辺領域SAと、を有する表示パネルPNLを備えている。基板10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限らず、正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
【0013】
表示領域DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを含む。一例では、画素PXは、第1色の副画素SP1、第2色の副画素SP2、及び、第3色の副画素SP3を含む。第1色、第2色、及び、第3色は、互いに異なる色である。なお、画素PXは、副画素SP1、SP2、SP3とともに、あるいは副画素SP1、SP2、SP3のいずれかに代えて、白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0014】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子20と、を備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4と、を備えている。画素スイッチ2及び駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0015】
画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極及びドレイン電極の一方は信号線SLに接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極及びキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3において、ソース電極及びドレイン電極の一方は電源線PL及びキャパシタ4に接続され、他方は表示素子20のアノードに接続されている。
【0016】
なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。例えば、画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタ及びキャパシタを備えてもよい。
【0017】
表示素子20は、発光素子としての有機発光ダイオード(OLED)であり、有機EL素子と称する場合がある。
【0018】
周辺領域SAは、給電部PPと、実装部MPと、を備えている。
給電部PPは、表示素子20のカソードと電気的に接続される給電端子を備えている。
実装部MPは、ICチップやフレキシブルプリント回路基板などの信号源を接続するための実装端子を備えている。
図2は、副画素SP1、SP2、SP3のレイアウトの一例を示す図である。
【0019】
図2の例においては、副画素SP2及び副画素SP3が第2方向Yに並んでいる。副画素SP1及び副画素SP2が第1方向Xに並び、副画素SP1及び副画素SP3が第1方向Xに並んでいる。
【0020】
副画素SP1、SP2、SP3がこのようなレイアウトである場合、表示領域DAには、副画素SP2及び副画素SP3が第2方向Yに交互に配置された列と、複数の副画素SP1が第2方向Yに配置された列とが形成される。これらの列は、第1方向Xに交互に並ぶ。
【0021】
なお、副画素SP1、SP2、SP3のレイアウトは図2の例に限られない。他の一例として、各画素PXにおける副画素SP1、SP2、SP3が第1方向Xに順に並んでいてもよい。
【0022】
表示領域DAには、無機絶縁層5及び隔壁6が配置されている。無機絶縁層5は、副画素SP1、SP2、SP3においてそれぞれ開口AP1、AP2、AP3を有している。
隔壁6は、平面視において無機絶縁層5と重なっている。隔壁6は、開口AP1、AP2、AP3を囲う格子状に形成されている。隔壁6は、無機絶縁層5と同様に副画素SP1、SP2、SP3において開口を有するということもできる。
【0023】
副画素SP1、SP2、SP3は、表示素子20として、それぞれ表示素子201、202、203を備えている。
副画素SP1の表示素子201は、開口AP1とそれぞれ重なる下電極LE1、上電極UE1、及び、有機層OR1を備えている。下電極LE1の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。有機層OR1及び上電極UE1は、隔壁6で囲まれている。有機層OR1及び上電極UE1のそれぞれの周縁部は、平面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR1は、例えば青波長域の光を放つ発光層を含む。
副画素SP2の表示素子202は、開口AP2とそれぞれ重なる下電極LE2、上電極UE2、及び、有機層OR2を備えている。下電極LE2の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。有機層OR2及び上電極UE2は、隔壁6で囲まれている。有機層OR2及び上電極UE2のそれぞれの周縁部は、平面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR2は、例えば緑波長域の光を放つ発光層を含む。
副画素SP3の表示素子203は、開口AP3とそれぞれ重なる下電極LE3、上電極UE3、及び、有機層OR3を備えている。下電極LE3の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。有機層OR3及び上電極UE3は、隔壁6で囲まれている。有機層OR3及び上電極UE3のそれぞれの周縁部は、平面視において無機絶縁層5に重なっている。有機層OR3は、例えば赤波長域の光を放つ発光層を含む。
【0024】
図2の例においては、下電極LE1、LE2、LE3の外形は点線で示し、有機層OR1、OR2、OR3、及び、上電極UE1、UE2、UE3の外形は一点鎖線で示している。なお、図示した下電極、有機層、上電極のそれぞれの外形は、正確な形状を反映したものとは限らない。
【0025】
下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、表示素子のアノードに相当する。上電極UE1、UE2、UE3は、表示素子のカソード、あるいは、共通電極に相当する。
【0026】
下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素SP1の画素回路1(図1参照)に接続されている。下電極LE2は、コンタクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回路1に接続されている。
【0027】
図2の例においては、開口AP1の面積、開口AP2の面積、及び、開口AP3の面積は、互いに異なる。開口AP1の面積が開口AP2の面積よりも大きく、開口AP2の面積が開口AP3の面積よりも大きい。換言すると、開口AP1から露出した下電極LE1の面積は開口AP2から露出した下電極LE2の面積よりも大きく、開口AP2から露出した下電極LE2の面積は開口AP3から露出した下電極LE3の面積よりも大きい。
【0028】
図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
【0029】
回路層11は、基板10の上に配置されている。回路層11は、図1に示した画素回路1などの各種回路と、走査線GL、信号線SL、電源線PLなどの各種配線と、各種絶縁膜と、を含む。回路層11は、有機絶縁層12により覆われている。有機絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化する。
【0030】
下電極LE1、LE2、LE3は、有機絶縁層12の上に配置され、互いに離間している。無機絶縁層5は、有機絶縁層12及び下電極LE1、LE2、LE3の上に配置されている。無機絶縁層5の開口AP1は下電極LE1に重なり、開口AP2は下電極LE2に重なり、開口AP3は下電極LE3に重なっている。下電極LE1、LE2、LE3の周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。下電極LE1、LE2、LE3のうち、互いに隣接する下電極の間では、有機絶縁層12が無機絶縁層5により覆われている。下電極LE1、LE2、LE3は、有機絶縁層12に設けられたコンタクトホールを通じて副画素SP1、SP2、SP3のそれぞれの画素回路1に接続されている。なお、有機絶縁層12のコンタクトホールは、図3では省略するが、図2のCH1、CH2、CH3に相当する。
【0031】
隔壁6は、無機絶縁層5の上に配置された導電性を有する下部61と、下部61の上に配置された上部(笠)62と、を含む。なお、下部61は、後述する例のように、無機絶縁層5の上に配置されたボトム層と、ボトム層と上部62との間に配置された茎部と、を有していてもよい。
【0032】
図の右側に示した隔壁6の下部61は、開口AP1と開口AP2との間に位置している。図の左側に示した隔壁6の下部61は、開口AP2と開口AP3との間に位置している。上部62は、下部61よりも大きい幅を有している。上部62の両端部は、下部61の側面よりも突出している。このような隔壁6の形状は、オーバーハング状と呼ばれる。
【0033】
有機層OR1は、開口AP1を通じて下電極LE1に接触し、開口AP1から露出した下電極LE1を覆うとともに、その周縁部が無機絶縁層5の上に位置している。上電極UE1は、有機層OR1を覆い、下部61に接触している。
【0034】
有機層OR2は、開口AP2を通じて下電極LE2に接触し、開口AP2から露出した下電極LE2を覆うとともに、その周縁部が無機絶縁層5の上に位置している。上電極UE2は、有機層OR2を覆い、下部61に接触している。
【0035】
有機層OR3は、開口AP3を通じて下電極LE3に接触し、開口AP3から露出した下電極LE3を覆うとともに、その周縁部が無機絶縁層5の上に位置している。上電極UE3は、有機層OR3を覆い、下部61に接触している。
【0036】
図3の例においては、副画素SP1はキャップ層CP1及び封止層SE1を有し、副画素SP2はキャップ層CP2及び封止層SE2を有し、副画素SP3はキャップ層CP3及び封止層SE3を有している。キャップ層CP1、CP2、CP3は、それぞれ有機層OR1、OR2、OR3から放たれた光の取り出し効率を向上させる光学調整層としての役割を有している。
【0037】
キャップ層CP1は、上電極UE1の上に配置されている。
キャップ層CP2は、上電極UE2の上に配置されている。
キャップ層CP3は、上電極UE3の上に配置されている。
【0038】
封止層SE1は、キャップ層CP1の上に配置され、隔壁6に接触し、副画素SP1の各部材を連続的に覆っている。
封止層SE2は、キャップ層CP2の上に配置され、隔壁6に接触し、副画素SP2の各部材を連続的に覆っている。
封止層SE3は、キャップ層CP3の上に配置され、隔壁6に接触し、副画素SP3の各部材を連続的に覆っている。
【0039】
図3の例においては、有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1のそれぞれの一部は、副画素SP1の周囲の隔壁6の上に位置している。これらの部分は、有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1のうち開口AP1に位置する部分(表示素子201を構成する部分)から離間している。
同様に、有機層OR2、上電極UE2、及び、キャップ層CP2のそれぞれの一部は、副画素SP2の周囲の隔壁6の上に位置し、これらの部分は、有機層OR2、上電極UE2、及び、キャップ層CP2のうち開口AP2に位置する部分(表示素子202を構成する部分)から離間している。
同様に、有機層OR3、上電極UE3、及び、キャップ層CP3のそれぞれの一部は、副画素SP3の周囲の隔壁6の上に位置し、これらの部分は、有機層OR3、上電極UE3、及び、キャップ層CP3のうち開口AP3に位置する部分(表示素子203を構成する部分)から離間している。
【0040】
封止層SE1、SE2、SE3の端部は、隔壁6の上に位置している。図3の例においては、副画素SP1、SP2間の隔壁6の上に位置する封止層SE1、SE2の端部同士が離間し、副画素SP2、SP3間の隔壁6の上に位置する封止層SE2、SE3の端部同士が離間している。
【0041】
封止層SE1、SE2、SE3は、樹脂層13によって覆われている。樹脂層13は、封止層14によって覆われている。封止層14は、樹脂層15によって覆われている。
【0042】
無機絶縁層5は、例えば、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)などの無機絶縁材料で形成されている。
【0043】
封止層SE1、SE2、SE3、及び、封止層14は、例えばシリコン窒化物(SiNx)で形成されている。なお、封止層SE1、SE2、SE3、及び、封止層14は、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)または酸化アルミニウム(Al)などの他の無機絶縁材料で形成されてもよい。
【0044】
一例では、無機絶縁層5は、封止層SE1、SE2、SE3とは異なる材料で形成されている。なお、無機絶縁層5が封止層SE1、SE2、SE3と同一材料で形成されている場合がありうる。
【0045】
隔壁6の下部61は、導電材料で形成され、上電極UE1、UE2、UE3と電気的に接続されている。隔壁6の上部62は、例えば導電材料によって形成されているが、絶縁材料で形成されてもよい。下部61は、上部62とは異なる材料で形成されている。
【0046】
下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)などの酸化物導電材料で形成された透明電極と、銀などの金属材料で形成された金属電極とを含む多層体である。
【0047】
有機層OR1は、発光層EM1を含む。有機層OR2は、発光層EM2を含む。有機層OR3は、発光層EM3を含む。発光層EM1、発光層EM2、及び、発光層EM3は、互いに異なる材料で形成されている。一例では、発光層EM1は、青波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM2は、緑波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM3は、赤波長域の光を放つ材料によって形成されている。
また、有機層OR1、OR2、OR3の各々は、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などの複数の機能層を含む。
【0048】
上電極UE1、UE2、UE3は、例えば、マグネシウム及び銀の合金(MgAg)などの金属材料で形成されている。
【0049】
キャップ層CP1、CP2、CP3は、複数の薄膜の多層体である。複数の薄膜は、いずれも透明であり、しかも、互いに異なる屈折率を有している。
【0050】
なお、回路層11、有機絶縁層12、及び、無機絶縁層5は、表示領域DA及び周辺領域SAに亘って配置されている。また、隔壁6は、表示領域DAから周辺領域SAに延出している。
【0051】
図4は、給電部PPを示す断面図である。
【0052】
給電部PPは、図1に示したように、周辺領域SAに設けられている。
給電部PPは、給電端子PTを備えている。給電端子PTは、有機絶縁層12の上に配置されている。給電端子PTは、表示素子のカソードにコモン電圧を供給するための端子である。給電端子PTは、例えば、図3に示した下電極LE1、LE2、LE3と同一材料で形成されている。給電端子PTの周縁部は、無機絶縁層5で覆われている。
無機絶縁層5は、給電端子PTを露出する開口AP10を有している。
【0053】
隔壁6は、無機絶縁層5の上に配置され、給電部PPに延出している。給電部PPにおいて、隔壁6の下部61は、開口AP10を介して給電端子PTの接触している。これにより、表示領域DAの上電極UE1、UE2、UE3は、隔壁6を介して給電端子PTと電気的に接続される。上電極UE1、UE2、UE3には、給電端子PTからコモン電圧が供給される。
【0054】
次に、図5乃至図13を参照して、表示装置DSPの製造方法について説明する。なお、図5乃至図13においては、有機絶縁層12よりも下方の図示を省略している。
【0055】
まず、図5に示すように、有機絶縁層12の上に、副画素SP1の下電極LE1、副画素SP2の下電極LE2、副画素SP3の下電極LE3を形成する。
その後、無機絶縁材料を堆積して、下電極LE1、LE2、LE3を覆う無機絶縁層5を形成する。ここでは、無機絶縁材料として、例えば、シリコン酸窒化物(SiON)が適用される。無機絶縁層5は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成される。無機絶縁層5は、表示領域DAのみならず周辺領域SAにも形成される。
【0056】
続いて、図6に示すように、無機絶縁層5の上に位置し導電材料で形成された下部61と、下部61の上に位置し下部61の側面から突出した上部62と、を有する隔壁6を形成する。
【0057】
隔壁6を形成する工程は、まず、無機絶縁層5の上に、導電層を含む下層を形成した後に、下層の上に上層を形成する。下層の導電層は、モリブデン、アルミニウムなどの導電材料で形成する。上層は、導電材料で形成してもよいし、絶縁材料で形成してもよい。
その後、上層の上に位置する所定の形状のレジストをマスクとしてエッチングを行うことにより、上層及び下層を順にパターニングする。これにより、隔壁6が形成される。隔壁6の下部61は、下層をパターニングすることで形成され、上部62は、上層をパターニングすることで形成される。
【0058】
続いて、図7に示すように、無機絶縁層5をパターニングすることにより、下電極LE1を露出する開口AP1、下電極LE2を露出する開口AP2、下電極LE3を露出する開口AP3を形成する。
【0059】
続いて、表示素子201を形成する。
【0060】
まず、図8に示すように、隔壁6をマスクとして、下電極LE1の上に、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層(EM1)、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などの各層を形成するための材料を順次蒸着して、有機層OR1を形成する。
その後、隔壁6をマスクとして、有機層OR1の上に、マグネシウム及び銀の混合物を蒸着して、上電極UE1を形成する。上電極UE1は、有機層OR1を覆い、下部61に接触している。
その後、隔壁6をマスクとして、上電極UE1の上に、高屈折率材料及び低屈折率材料を順に蒸着して、キャップ層CP1を形成する。
その後、CVDにより無機絶縁材料を堆積して、キャップ層CP1及び隔壁6を連続的に覆うように、封止層SE1を形成する。ここでは、無機絶縁材料として、例えば、シリコン窒化物(SiN)が適用される。
【0061】
有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1は、少なくとも表示領域DAの全体に形成され、副画素SP1だけでなく副画素SP2、SP3にも配置されている。有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1は、オーバーハング状の隔壁6によって分断される。
【0062】
有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1がそれぞれ蒸着によって形成される際に、蒸着源から放たれた材料は、上部62によって遮られる。このため、上部62の上には、有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1のそれぞれの一部が積層される。上部62の上に位置する有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1の各々は、下電極LE1の直上に位置する有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1から離間している。
【0063】
続いて、図9に示すように、封止層SE1の上に、所定の形状のレジストR1を形成する。レジストR1は、副画素SP1とその周囲の隔壁6の一部に重なっている。
【0064】
続いて、図10に示すように、レジストR1をマスクとしてエッチングを行うことにより、レジストR1から露出した封止層SE1、キャップ層CP1、上電極UE1、及び、有機層OR1を順次除去する。これにより、副画素SP2の下電極LE2及び副画素SP3の下電極LE3が露出する。
【0065】
続いて、図11に示すように、レジストR1を除去する。これにより、副画素SP1に表示素子201が形成される。
【0066】
続いて、図12に示すように、表示素子202を形成する。表示素子202を形成する手順は、表示素子201を形成する手順と同様である。すなわち、下電極LE2の上に、発光層EM2を含む有機層OR2、上電極UE2、キャップ層CP2、及び、封止層SE2を順に形成する。その後、封止層SE2の上にレジストを形成し、このレジストをマスクとしてエッチングを行うことにより、封止層SE2、キャップ層CP2、上電極UE2、及び、有機層OR2が順次パターニングされる。このパターニングの後、レジストを除去する。これにより、副画素SP2に表示素子202が形成され、副画素SP3の下電極LE3が露出する。
【0067】
続いて、図13に示すように、表示素子203を形成する。表示素子203を形成する手順は、表示素子201を形成する手順と同様である。すなわち、下電極LE3の上に、発光層EM3を含む有機層OR3、上電極UE3、キャップ層CP3、及び、封止層SE3を順に形成する。その後、封止層SE3の上にレジストを形成し、このレジストをマスクとしてエッチングを行うことにより、封止層SE3、キャップ層CP3、上電極UE3、及び、有機層OR3が順次パターニングされる。このパターニングの後、レジストを除去する。これにより、副画素SP3に表示素子203が形成される。
【0068】
その後、図3に示した樹脂層13、封止層14、及び、樹脂層15を順に形成する。これにより、表示装置DSPが完成する。
【0069】
なお、以上の製造工程においては、最初に表示素子201が形成され、次に表示素子202が形成され、最後に表示素子203が形成される場合を想定したが、表示素子201、202、203の形成順はこの例に限られない。
【0070】
次に、複数の表示装置DSPを一括して製造するための表示装置用マザー基板100について説明する。
【0071】
図14は、表示装置用マザー基板100の一例を示す平面図である。
【0072】
表示装置用マザー基板100は、大型の基板10の上に、複数のパネル部100Pと、複数の検査部TPと、を備えている。複数のパネル部100Pは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列されている。検査部TPは、パネル部100Pよりも外側の余白に配置されている。図示した例では、検査部TPは、基板10のうち、第2方向Yに延出した余白10Yに配置されている。
【0073】
表示装置用マザー基板100をカットラインに沿って割断することで取り出されるパネル部100Pの各々は、図1に示した表示パネルPNLに相当する。つまり、パネル部100Pの各々は、図1に示したように、表示領域DA及び周辺領域SAを有している。また、パネル部100Pの各々は、図3に示したように、回路層11、有機絶縁層12、無機絶縁層5、隔壁6、下電極LE1、LE2、LE3、有機層OR1、OR2、OR3、上電極UE1、UE2、UE3、キャップ層CP1、CP2、CP3、封止層SE1、SE2、SE3などを備えている。
【0074】
検査部TPは、拡大して示すように、青の副画素SP1に対応した検査部TPBと、緑の副画素SP2に対応した検査部TPGと、赤の副画素SP3に対応した検査部TPRと、確認用の検査部TPVと、を備えている。検査部TPB、TPG、TPR、TPVは、第2方向Yに並んでいる。
【0075】
検査部TPB、TPG、TPR、TPVの各々は、テスト素子群(Test Element Group)TEGと、テスト素子群TEGと電気的に接続された4個のパッドPDと、を備えている。4個のパッドPDは、検査装置200に設けられた4個のプローブPBにそれぞれ接触する。図示した例では、4個のプローブPBは、第2方向Yに等ピッチで並んでいる。また、4個のパッドPDは、第2方向Yに等ピッチで並んでいる。パッドPDのピッチは、プローブPBのピッチと等しい。
【0076】
検査部TPBは、副画素SP1において隔壁6と上電極UE1とのコンタクト抵抗を管理するために使用される。
検査部TPGは、副画素SP2において隔壁6と上電極UE2とのコンタクト抵抗を管理するために使用される。
検査部TPRは、副画素SP3において隔壁6と上電極UE3とのコンタクト抵抗を管理するために使用される。
検査部TPVは、検査装置200の動作確認を行うために使用される。
【0077】
表示装置用マザー基板100に設けられた複数の検査部TPは、いずれも、拡大して示した検査部TPと同一仕様で形成されている。
【0078】
なお、図示した例では、検査部TPB、TPG、TPR、TPVは、第2方向Yにおいて一列に並んでいるが、複数の列に並んでいてもよい。
【0079】
また、検査装置200のプローブPBが第1方向Xに並んでいる場合、検査部TPB、TPG、TPR、TPVの各々パッドPDが第1方向Xに並んだレイアウトを適用することができる。この場合、基板10の余白を小さくする観点で、検査部TPは、基板10のうち、第1方向Xに延出した余白10Xに配置されることが望ましい。
【0080】
図15は、検査部TPを拡大した平面図である。
【0081】
検査部TPB、TPG、TPR、TPVの周囲の4か所には、アライメントマークAMが設けられている。アライメントマークAMは、図14に示した検査装置200のプローブPBと各検査部のパッドPDとの位置合わせなどに使用される。
【0082】
検査部TPB、TPG、TPR、TPVの各々のテスト素子群TEGは、ループ状に形成された凸状体PJ1で囲まれている。凸状体PJ1は、ループ状に形成された他の凸状体PJ2で囲まれている。凸状体PJ1は、凸状体PJ2から離間している。
【0083】
検査部TPB、TPG、TPR、TPVの各々のパッドPDは、凸状体PJ1、PJ2の外側に位置している。
【0084】
ここで、検査部TPBについてより具体的に説明する。
【0085】
検査部TPBにおいて、パッドPD1、PD2、PD3、PD4は、第2方向Yにおいて等ピッチで順に並んでいる。テスト素子群TEGは、パッドPD1と電気的に接続された配線部LN1と、パッドPD2と電気的に接続された配線部LN2と、パッドPD3及びパッドPD4と電気的に接続された配線部LN3と、を備えている。配線部LN3は、配線部LN1と配線部LN2との間に位置する中途部LNMを有している。
【0086】
また、テスト素子群TEGは、隔壁パターンPT1、PT2、PT3を備えている。
隔壁パターンPT1は、配線部LN1に重畳している。
隔壁パターンPT2は、配線部LN2に重畳している。後に詳述するが、隔壁パターンPT2は、隔壁パターンPT1と繋がっている。
隔壁パターンPT3は、配線部LN3の中途部LNMに重畳している。
これらの隔壁パターンPT1、PT2、PT3は、図3に示した表示領域DAの隔壁6と同一工程で形成される。また、隔壁パターンPT1、PT2、PT3は、凸状体PJ1で囲まれている。
【0087】
パッドPD1、PD2、PD3、PD4は、凸状体PJ1、PJ2の外側に位置している。配線部LN1、LN2、LN3、及び、隔壁パターンPT1、PT2、PT3は、凸状体PJ1で囲まれている。
【0088】
他の検査部TPG、TPR、TPVについては、詳細な説明を省略するが、検査部TPBと同様に構成されている。
【0089】
図16は、隔壁パターンPT1、PT2、PT3の一例を示す平面図である。なお、配線部LN1、LN2、LN3は、一点鎖線で示している。
隔壁パターンPT1は、格子状に形成されている。隔壁パターンPT1は、中途部LNMに隣接する位置に隔壁P10を有している。
隔壁パターンPT2は、格子状に形成されている。隔壁パターンPT2は、中途部LNMに隣接する位置に隔壁P20を有している。また、隔壁パターンPT1及び隔壁パターンPT2は、一体的に形成され、互いに繋がっている。
隔壁パターンPT3は、中途部LNMに重畳する島状の隔壁P30を有している。隔壁P30は、隔壁パターンPT1、PT2から離間している。
【0090】
図17は、配線部LN1、LN2、LN3の一例を示す平面図である。ここでは、図16の実戦で囲んだ領域における配線部LN1、LN2、LN3の一部を示している。
配線部LN1は、複数の開口部OP1を有し、格子状に形成されている。
配線部LN2は、複数の開口部OP2を有し、格子状に形成されている。
配線部LN3の中途部LNMは、複数の開口部OP3を有している。
図16に示した隔壁パターンPT1、PT2、PT3は、それぞれ図17に示す配線部LN1、LN2、LN3に重畳している。
【0091】
図18は、隔壁P10、P20の一例を示す平面図である。ここでは、中途部LNMの図示を省略し、配線部LN1、LN2は、一点鎖線で示している。
【0092】
中継電極RL1及び端子TM1は、配線部LN1と隔壁P10との間に位置している。二点鎖線で示す中継電極RL1は、コンタクトホールCH11を介して配線部LN1に接触している。破線で示す端子TM1は、配線部LN1の開口部OP1に重畳し、コンタクトホールCH12を介して中継電極RL1に接触している。隔壁P10は、コンタクトホールCH13を介して端子TM1に接触している。これにより、隔壁P10は、端子TM1及び中継電極RL1を介して、配線部LN1と電気的に接続されている。
【0093】
中継電極RL2及び端子TM2は、配線部LN2と隔壁P20との間に位置している。二点鎖線で示す中継電極RL2は、コンタクトホールCH21を介して配線部LN2に接触している。破線で示す端子TM2は、配線部LN2の開口部OP2に重畳し、コンタクトホールCH22を介して中継電極RL2に接触している。隔壁P20は、コンタクトホールCH23を介して端子TM2に接触している。これにより、隔壁P20は、端子TM2及び中継電極RL2を介して、配線部LN2と電気的に接続されている。
【0094】
隔壁P10及び隔壁P20は、接続用の隔壁PC1、PC2を介して電気的に接続されている。隔壁P10、P20、PC1、PC2は、一体的に形成されている。これにより、配線部LN1は、配線部LN2と電気的に接続されている。
【0095】
図19は、隔壁P30の一例を示す平面図である。
【0096】
中継電極RL3及び端子TM3は、配線部LN3の中途部LNMと隔壁P30との間に位置している。二点鎖線で示す中継電極RL3は、コンタクトホールCH31を介して配線部LN3に接触している。破線で示す端子TM3は、配線部LN3の開口部OP3に重畳し、コンタクトホールCH32を介して中継電極RL3に接触している。隔壁P30は、コンタクトホールCH33を介して端子TM3に接触している。これにより、隔壁P30は、端子TM3及び中継電極RL3を介して、配線部LN3と電気的に接続されている。
【0097】
隔壁P30は、ループ状に形成された隔壁P40で囲まれている。隔壁P40は、中途部LNMに重畳している。また、隔壁P40は、図18に示した接続用の隔壁PC2と一体的に形成されている。つまり、隔壁P40は、配線部LN1、LN2、端子TM1、TM2、隔壁P10、P20と電気的に接続されている。一方、隔壁P30は、隔壁P40から離間している。このため、配線部LN3は、配線部LN1、LN2とは電気的に接続されていない。
【0098】
図20は、図18のA-A’線に沿った隔壁P10を含む断面図である。
【0099】
絶縁層IL1は、基板10の上に配置されている。絶縁層IL2は、絶縁層IL1の上に配置されている。絶縁層IL3は、絶縁層IL2の上に配置されている。絶縁層IL4は、絶縁層IL3の上に配置されている。絶縁層IL5は、絶縁層IL4の上に配置されている。
【0100】
配線部LN1は、絶縁層IL5の上に配置されている。絶縁層IL6は、配線部LN1の上に配置されている。絶縁層IL7は、絶縁層IL6の上に配置されている。
中継電極RL1は、絶縁層IL7の上に配置され、絶縁層IL6、IL7を貫通するコンタクトホールCH11において、配線部LN1に接触している。有機絶縁層12は、中継電極RL1及び絶縁層IL7の上に配置されている。
端子TM1は、有機絶縁層12の上に配置され、有機絶縁層12を貫通するコンタクトホールCH12において、中継電極RL1に接触している。無機絶縁層5は、端子TM1及び有機絶縁層12の上に配置されている。
【0101】
隔壁P10の下部110は、無機絶縁層5の上に配置され、無機絶縁層5を貫通するコンタクトホールCH13において、端子TM1に接触している。これにより、隔壁P10は、配線部LN1と電気的に接続される。
図示した例では、下部110は、ボトム層111と、茎部112と、を有している。ボトム層111は、無機絶縁層5の上に配置され、コンタクトホールCH13において、端子TM1に接触している。茎部112は、ボトム層111の上に配置されている。上部120は、茎部112の上に配置されている。ボトム層111及び上部120は、茎部112の側面112Sから突出している。
【0102】
絶縁層IL1、IL2、IL3、IL4、IL5、IL7は、シリコン窒化物やシリコン酸化物などで形成された無機絶縁層である。絶縁層IL6は、有機絶縁層である。絶縁層IL1~IL7は、パネル部100Pにも延出し、図3に示した回路層11に含まれる。
【0103】
配線部LN1及び中継電極RL1は、モリブデン層及びアルミニウム層の積層体、あるいは、チタン層及びアルミニウム層の積層体として形成されている。
端子TM1は、下電極LE1などと同一材料で形成されている。
【0104】
なお、図18のB-B’線に沿った隔壁P20を含む断面は、実質的に図20に示した断面と同様であり、説明を省略する。
【0105】
図21は、図19のC-C’線に沿った隔壁P30、P40を含む断面図である。
【0106】
中途部LNMを含む配線部LN3は、絶縁層IL5の上に配置されている。
中継電極RL3は、絶縁層IL7の上に配置され、絶縁層IL6、IL7を貫通するコンタクトホールCH31において、配線部LN3に接触している。
端子TM3は、有機絶縁層12の上に配置され、有機絶縁層12を貫通するコンタクトホールCH32において、中継電極RL3に接触している。
隔壁P30の下部310は、無機絶縁層5の上に配置され、無機絶縁層5を貫通するコンタクトホールCH33において、端子TM3に接触している。これにより、隔壁P30は、中途部LNMと電気的に接続される。
図示した例では、下部310は、ボトム層311と、茎部312と、を有している。ボトム層311は、無機絶縁層5の上に配置され、コンタクトホールCH33において、端子TM3に接触している。茎部312は、ボトム層311の上に配置されている。上部320は、茎部312の上に配置されている。ボトム層311及び上部320は、茎部312の側面312Sから突出している。
【0107】
上記の通り配線部LN1、LN2と電気的に接続された隔壁P40は、隔壁P30から離間している。
【0108】
隔壁P40の下部410は、無機絶縁層5の上に配置され、隔壁P30の下部310から離間している。下部410は、下部310と同様に、ボトム層411と、茎部412と、を有している。
茎部412は、ボトム層411の上に配置されている。上部420は、茎部412の上に配置されている。ボトム層411及び上部420は、茎部412の側面412Sから突出している。
【0109】
配線部LN3及び中継電極RL3は、モリブデン層及びアルミニウム層の積層体、あるいは、チタン層及びアルミニウム層の積層体として形成されている。
端子TM3は、端子TM1、TM2、パッドPD1、PD2、PD3、PD4、下電極LE1などと同一材料で形成され、透明電極と、金属電極とを含む多層体である。
【0110】
図22は、図19のC-C’線に沿った隔壁P30、P40を含む他の断面図である。
【0111】
図22の断面図は、図8乃至図11を参照して説明した表示素子201の形成工程を経て、有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1が形成された状態を示している。
【0112】
有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1は、隔壁P30、P40の上にそれぞれ配置されるとともに、隔壁P30と隔壁P40との間にも配置される。
隔壁P30と隔壁P40との間において、有機層OR1は、無機絶縁層5の上に配置されている。また、上電極UE1は、有機層OR1を覆い、隔壁P30の下部310あるいはボトム層311に接触し、かつ、隔壁P40の下部410あるいはボトム層411に接触している。このため、互いに離間していた隔壁P30及び隔壁P40は、上電極UE1を介して電気的に接続される。キャップ層CP1は、上電極UE1の上に配置されている。封止層SE1は、キャップ層CP1を覆い、隔壁P30、P40に接触している。
【0113】
隔壁P30、P40は、図3に示した隔壁6と同様に形成される。また、隔壁P30と隔壁P40との間の上電極UE1も、図3に示した上電極UE1と同様に形成される。このため、上電極UE1を介して隔壁P30と隔壁P40との間の抵抗を測定することにより、実質的に、副画素SP1における上電極UE1と隔壁6とのコンタクト抵抗を確認することができる。
【0114】
図23は、図15のD-D’線に沿った凸状体PJ1、PJ2を含む断面図である。
【0115】
凸状体PJ1、PJ2の各々は、絶縁層IL6、IL7、有機絶縁層12、及び、無機絶縁層5によって形成されている。絶縁層IL6、IL7、及び、有機絶縁層12は、それぞれ不連続に形成されている。無機絶縁層5は、パッドPD2と凸状体PJ2との間、凸状体PJ2と凸状体PJ1との間、及び、凸状体PJ1と配線部LN2との間において、絶縁層IL5に接触している。
【0116】
これらの凸状体PJ1、PJ2は、図3に示した樹脂層13、15をせき止める機能を有する。
例えば、図15に示した検査部TPBのテスト素子群TEGには、表示素子201と同様に、有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1が形成される。また、検査部TPGのテスト素子群TEGには、表示素子202と同様に、有機層OR2、上電極UE2、キャップ層CP2、及び、封止層SE2が形成される。また、検査部TPRのテスト素子群TEGには、表示素子203と同様に、有機層OR3、上電極UE3、キャップ層CP3、及び、封止層SE3が形成される。これらの各種薄膜のうち、材料を蒸着することによって形成された各種蒸着膜は、基板からの剥離を抑制する観点で、図3に示した樹脂層13、封止層14、及び、樹脂層15で覆われる。テスト素子群TEGは、凸状体PJ1、PJ2で囲まれているため、テスト素子群TEGの上に塗布された樹脂層13、15は、硬化するまでの間に、凸状体PJ1、PJ2によって広がりが制限される。
【0117】
パッドPD2は、導電層CD21~CD25を介して、配線部LN2と電気的に接続されている。
【0118】
導電層CD24は、絶縁層IL2と絶縁層IL3との間に位置し、凸状体PJ1、PJ2と交差している。
導電層CD23は、パッドPD2と凸状体PJ2との間において、絶縁層IL4と絶縁層IL5との間に位置し、絶縁層IL3、IL4を貫通するコンタクトホールにおいて導電層CD24に接触している。
導電層CD25は、凸状体PJ1と配線部LN2との間において、絶縁層IL4と絶縁層IL5との間に位置し、絶縁層IL3、IL4を貫通するコンタクトホールにおいて導電層CD24に接触している。
【0119】
導電層CD22及び配線部LN2は、絶縁層IL5と絶縁層IL6との間に位置し、配線部LN1などと同一材料で形成されている。導電層CD22は、絶縁層IL5を貫通するコンタクトホールにおいて導電層CD23に接触している。配線部LN2は、絶縁層IL5を貫通するコンタクトホールにおいて導電層CD25に接触している。
【0120】
導電層CD21は、中継電極RL1などと同一材料で形成され、導電層CD22に接触している。
パッドPD2は、端子TM1などと同一材料で形成され、導電層CD21に接触している。パッドPD2は、無機絶縁層5から露出し、検査装置200のプローブPBと接触可能である。
【0121】
なお、図15に示したパッドPD1と配線部LN1との接続構造、パッドPD3と配線部LN3との接続構造、及び、パッドPD4と配線部LN3との接続構造は、パッドPD2と配線部LN2との接続構造と同様であり、説明を省略する。
【0122】
次に、検査装置200について説明する。
【0123】
図24は、検査装置200の一例を示す図である。
【0124】
プローブPB1、PB2、PB3、PB4は、それぞれパッドPD1、PD2、PD3、PD4と接触する。プローブPB1及びプローブPB4は、定電流電源に接続されている。プローブPB2及びプローブPB3は、電圧計に接続されている。
【0125】
上記の通り、パッドPD1及びパッドPD2は、配線部LN1、隔壁パターンPT1、隔壁パターンPT2、及び、配線部LN2を介して互いに電気的に接続され、また、隔壁P40と電気的に接続されている。パッドPD3及びパッドPD4は、配線部LN3を介して互いに電気的に接続され、また、隔壁P30と電気的に接続されている。
【0126】
隔壁P30及び隔壁P40に接触する上電極UE1が形成された場合、パッドPD2とパッドPD3との間の電圧を測定することで、上電極UE1と隔壁P30、P40とのコンタクト抵抗を測定することができる。
【0127】
すなわち、検査装置200では、定電流電源で電流を流し、電流値を測定した後に、電圧計で電圧値を測定する。そして、測定した電流値及び電圧値に基づいて、上電極UE1と隔壁P30、P40との間のコンタクト抵抗が算出される。
算出した抵抗値に基づいて、表示素子201、202、203の各々における上電極と隔壁とのコンタクト抵抗を管理(間接的な測定)することができる。また、算出した抵抗値に基づいて、上電極と隔壁との接続不良の有無も、確認することができる。
【0128】
検査方法の一例について説明する。ここでの検査とは、コンタクト抵抗の管理、及び、接続不良の有無の確認を含む。
【0129】
まず、表示素子201を形成するとともに検査部TPBのテスト素子群TEGも形成する。その後、検査部TPBのパッドPDに検査装置200のプローブPBを接触させ、コンタクト抵抗を算出する。このとき、表示装置用マザー基板100に設けられた複数の検査部TPBにおいて、同様にコンタクト抵抗を算出する。これにより、表示装置用マザー基板100の全域での表示素子201の検査が可能となる。
【0130】
その後、表示素子202を形成するとともに検査部TPGのテスト素子群TEGも形成する。その後、検査部TPGのパッドPDに検査装置200のプローブPBを接触させ、コンタクト抵抗を算出する。このとき、複数の検査部TPGにおいて、同様にコンタクト抵抗を算出する。これにより、表示装置用マザー基板100の全域での表示素子202の検査が可能となる。
【0131】
その後、表示素子203を形成するとともに検査部TPRのテスト素子群TEGも形成する。その後、検査部TPRのパッドPDに検査装置200のプローブPBを接触させ、コンタクト抵抗を算出する。このとき、複数の検査部TPRにおいて、同様にコンタクト抵抗を算出する。これにより、表示装置用マザー基板100の全域での表示素子203の検査が可能となる。
【0132】
その後、樹脂層13等で、検査部TPB、TPG、TPRの各テスト素子群TEGを覆う。
【0133】
このように、割断する以前の表示装置用マザー基板100の検査部TPにおいて、表示素子201、202、203の検査を行うことができ、信頼性の低下が抑制される。また、品質が基準を満たさない製品の後工程への流出が防止され、歩留まりの低下が抑制される。また、表示装置用マザー基板100に設けられた複数の検査部TPが同一仕様で形成されているため、検査装置200による検査の自動化・インライン化が可能となる。
【0134】
上記の構成例においては、例えば、パッドPD1は第1パッドに相当し、パッドPD2は第2パッドに相当し、パッドPD3は第3パッドに相当し、パッドPD4は第4パッドに相当する。
配線部LN1は第1配線部に相当し、配線部LN2は第2配線部に相当し、配線部LN3は第3配線部に相当する。
隔壁P30は第1隔壁に相当し、隔壁P40は第2隔壁に相当する。
端子TM1は第1端子に相当し、端子TM2は第2端子に相当し、端子TM3は第3端子に相当する。
【0135】
次に、検査部TPの他の構成例について説明する。
【0136】
図25は、検査部TPを拡大した平面図である。
【0137】
パッドPD11、PD12、PD13、PD14、PD15、PD16は、第2方向Yにおいて等ピッチで並んでいる。
配線部LN11は、パッドPD11と電気的に接続されている。配線部LN12は、パッドPD12と電気的に接続されている。配線部LN13は、パッドPD13と電気的に接続されている。配線部LN14は、パッドPD14と電気的に接続されている。配線部LN15は、パッドPD15と電気的に接続されている。配線部LN16は、パッドPD16と電気的に接続されている。
【0138】
隔壁パターンPT11は、配線部LN11に重畳している。隔壁パターンPT12は、配線部LN12に重畳している。隔壁パターンPT13は、配線部LN13に重畳している。隔壁パターンPT14は、配線部LN14に重畳している。隔壁パターンPT15は、配線部LN15に重畳している。隔壁パターンPT16は、配線部LN16に重畳している。
隔壁パターンPT11、PT12、PT13、PT14、PT15、PT16は、互いに接続され、凸状体PJ1、PJ2で囲まれている。また、隔壁パターンPT11、PT12、PT13、PT14、PT15、PT16の各々は、詳述しないが、図2に示した表示領域DAの隔壁6と同様の格子状に形成されている。
【0139】
例えば、パッドPD12は、表示素子201が形成された後に、表示素子201の品質を管理するための検査装置と接続される。同様に、パッドPD13は、表示素子202が形成された後に、表示素子202の品質を管理するための検査装置と接続される。同様に、パッドPD14は、表示素子203が形成された後に、表示素子203の品質を管理するための検査装置と接続される。
【0140】
検査部TPVは、検査装置200の動作確認を行うために使用される。検査部TPVの4つのパッドPDは、第2方向Yにおいて等ピッチで並び、互いに電気的に接続されている。
【0141】
検査部TPPは、表示素子201、202、203の各々の上電極と隔壁6とのコンタクト抵抗を管理するために使用される。
検査部TPPのパッドPD1、PD2、PD3、PD4は、第2方向Yにおいて等ピッチで並んでいる。また、パッドPD1、PD2、PD3、PD4、及び、検査部TPVの4個のパッドPDは、一列に並んでいる。
【0142】
パッドPD1は、パッドPD11と電気的に接続されている。
パッドPD2は、パッドPD16と電気的に接続されている。
パッドPD3及びパッドPD4は、配線部LN3と電気的に接続されている。配線部LN3は、配線部LN11と配線部LN12との間に位置する中途部LNMを有している。
【0143】
隔壁パターンPT3は、配線部LN3の中途部LNMに重畳している。隔壁パターンPT3は、島状に形成され、隔壁パターンPT11と隔壁パターンPT12とを接続する他の隔壁パターンで囲まれている。隔壁パターンPT3を含む領域については、図16乃至図21を参照して説明したのと同様の構造を有している。そして、上記の検査装置200を用いて同様の検査を行うことができる。
【0144】
このような構成例においては、例えば、パッドPD1は第1パッドに相当し、パッドPD2は第2パッドに相当し、パッドPD3は第3パッドに相当し、パッドPD4は第4パッドに相当する。
配線部LN11は第1配線部に相当し、配線部LN12は第2配線部に相当し、配線部LN3は第3配線部に相当する。
【0145】
図26は、検査部TPの変形例を示す平面図である。
図26に示す変形例は、図25に示した例と比較して、検査部TPP及び検査部TPVが第1方向Xに並んでいる点で相違している。なお、検査部TPVの4個のパッドPDは、第2方向Yにおいて等ピッチで並び、また、検査部TPPのパッドPD1、PD2、PD3、PD4は、第2方向Yにおいて等ピッチで並んでいる。
このような変形例のレイアウトを適用しても、上記の検査装置200を用いて同様の検査を行うことができる。
【0146】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置用マザー基板を提供することができる。
【0147】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置用マザー基板を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置用マザー基板も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0148】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0149】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0150】
DSP…表示装置 DA…表示領域 SA…周辺領域
10…基板 12…有機絶縁層
5…無機絶縁層 AP1、AP2、AP3…開口
6…隔壁 61…下部 62…上部
SP1、SP2、SP3…副画素
201、202、203…表示素子(有機EL素子)
LE1、LE2、LE3…下電極
UE1、UE2、UE3…上電極
OR1、OR2、OR3…有機層
100…表示装置用マザー基板 100P…パネル部 TP…検査部
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