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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113867
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ヒューズ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/143 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
H01H85/143
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019116
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 滉将
(72)【発明者】
【氏名】杉本 恵一
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA05
5G502BB07
5G502BC05
5G502BD20
5G502CC25
5G502CC48
(57)【要約】
【課題】金属異物の発生を抑制できる接続構造を有したヒューズ装置を提供する。
【解決手段】ヒューズ装置に、第1ヒューズ端子31および第2ヒューズ端子32を有するヒューズ30と、第1ヒューズ端子31が嵌め込まれた第1接続端子11と、第2ヒューズ端子32が嵌め込まれた第2接続端子21と、を備える。そして、第1、第2接続端子11、21にスリットを備えると共に、ヒューズ30側にも、第1、第2ヒューズ端子31、32にスリット31a、32aを備える。そして、第1ヒューズ端子31にて第1接続端子11が挟持されると共に第1接続端子11によって第1ヒューズ端子31が挟持され、第2ヒューズ端子32にて第2接続端子21が挟持されると共に第2接続端子21によって第2ヒューズ端子32が挟持されるようにする。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズ装置であって、
第1ヒューズ端子(31)および第2ヒューズ端子(32)を有するヒューズ(30)と、
前記第1ヒューズ端子が嵌め込まれた第1接続端子(11)と、
前記第2ヒューズ端子が嵌め込まれた第2接続端子(21)と、を有し、
前記第1接続端子は、前記第1ヒューズ端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、前記第1ヒューズ端子が前記第1接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第1スリット(11a)が形成され、
前記第2接続端子は、前記第2ヒューズ端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、前記第2ヒューズ端子が前記第2接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第2スリット(21a)が形成され、
前記第1ヒューズ端子は、前記第1接続端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、該第1ヒューズ端子が前記第1接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第3スリット(31a)が形成され、
前記第2ヒューズ端子は、前記第2接続端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、該第2ヒューズ端子が前記第2接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第4スリット(32a)が形成され、
前記第1スリットに前記第3スリットが嵌め込まれていて前記第1ヒューズ端子にて前記第1接続端子が挟持されていると共に前記第1接続端子によって前記第1ヒューズ端子が挟持され、
前記第2スリットに前記第4スリットが嵌め込まれていて前記第2ヒューズ端子にて前記第2接続端子が挟持されていると共に前記第2接続端子によって前記第2ヒューズ端子が挟持されている、ヒューズ装置。
【請求項2】
前記第1ヒューズ端子は、前記第3スリットの深さ方向において前記第3スリットの幅が変化させられることにより、該第3スリットの入口側において該第3スリットの幅方向の内側に突き出した第1挟持部(31b)を備え、
前記第1ヒューズ端子のうち前記第1挟持部が形成された位置での前記第3スリットの幅(Wa)が前記第1接続端子における前記第1ヒューズ端子に嵌め込まれる部分の厚み(T1)より小さくされることで、前記第1挟持部に前記第1接続端子が挟持され、
前記第2ヒューズ端子は、前記第4スリットの深さ方向において前記第4スリットの幅が変化させられることにより、該第4スリットの入口側において該第4スリットの幅方向の内側に突き出した第2挟持部(32b)を備え、
前記第2ヒューズ端子のうち前記第2挟持部が形成された位置での前記第4スリットの幅が前記第2接続端子における前記第2ヒューズ端子に嵌め込まれる部分の厚みより小さくされることで、前記第2挟持部に前記第2接続端子が挟持されている、請求項1に記載のヒューズ装置。
【請求項3】
前記第1ヒューズ端子のうち前記第1挟持部よりも該第1ヒューズ端子の先端側では、前記第1挟持部が形成された位置での前記第3スリットの幅よりも該第3スリットの幅が広くされていて、該第3スリットの入口側の角部にテーパ状部(31c)が形成され、
前記第2ヒューズ端子のうち前記第2挟持部よりも該第2ヒューズ端子の先端側では、前記第2挟持部が形成された位置での前記第4スリットの幅よりも該第4スリットの幅が広くされていて、該第4スリットの入口側の角部にテーパ状部(32c)が形成されている、請求項2に記載のヒューズ装置。
【請求項4】
前記第1ヒューズ端子のうち前記第1挟持部よりも前記第3スリットの深さ方向の深い位置では、前記第1挟持部が形成された位置での前記第3スリットの幅よりも該第3スリットの幅が広くされており、
前記第2ヒューズ端子のうち前記第2挟持部よりも前記第4スリットの深さ方向の深い位置では、前記第2挟持部が形成された位置での前記第4スリットの幅よりも該第4スリットの幅が広くされている、請求項2または3に記載のヒューズ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒューズが接続端子に電気的および物理的に接続された接続構造を有するヒューズボックスや電気接続箱などのヒューズ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のヒューズ装置に用いられているヒューズは、ヒューズ端子が平板状になっている。また、ヒューズ端子が接続される接続端子は、先端にスリットが形成された音叉形状とされている。そして、接続端子のスリット内に平板状のヒューズ端子を挿入することで、接続端子にヒューズ端子が挟持され、ヒューズ端子と接続端子とが電気的および物理的に接続される接続構造とされている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-134752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記形状の場合、ヒューズの保持力を確保するために、接続端子によるヒューズ端子の挟持力を強くする必要があるため、挿抜時にヒューズ端子と接続端子との接触部分が削れ、金属異物が発生する可能性がある。
【0005】
本開示は、金属異物の発生を抑制できる接続構造を有したヒューズ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のヒューズ装置は、第1ヒューズ端子(31)および第2ヒューズ端子(32)を有するヒューズ(30)と、第1ヒューズ端子が嵌め込まれた第1接続端子(11)と、第2ヒューズ端子が嵌め込まれた第2接続端子(21)と、を有して構成される。第1接続端子は、第1ヒューズ端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、第1ヒューズ端子が第1接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第1スリット(11a)が形成され、第2接続端子は、第2ヒューズ端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、第2ヒューズ端子が第2接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第2スリット(21a)が形成され、第1ヒューズ端子は、第1接続端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、該第1ヒューズ端子が第1接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第3スリット(31a)が形成され、第2ヒューズ端子は、第2接続端子が嵌め込まれた部分が平板状とされ、該第2ヒューズ端子が第2接続端子に嵌め込まれている方向を深さ方向とする第4スリット(32a)が形成されている。そして、このような構造において、第1スリットに第3スリットが嵌め込まれていて第1ヒューズ端子にて第1接続端子が挟持されていると共に第1接続端子によって第1ヒューズ端子が挟持され、第2スリットに第4スリットが嵌め込まれていることで第2ヒューズ端子にて第2接続端子が挟持されていると共に第2接続端子によって第2ヒューズ端子が挟持されている。
【0007】
このように、第1接続端子と第1ヒューズ端子については、それぞれ第1スリットと第3スリットを備えることで互いに挟持する構造にできる。同様に、第2接続端子と第2ヒューズ端子については、それぞれ第2スリットと第4スリットを備えることで互いに挟持する構造にできる。
【0008】
このため、一方の端子当たりに必要な挟持力を小さくできる。これにより、ヒューズを第1、第2接続端子に対して挿抜する際に、第1、第2ヒューズ端子と第1、第2接続端子との接触部分が削れることを抑制できる。したがって、ヒューズの挿抜時の金属異物の発生を抑制することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、第1ヒューズ端子は、第3スリットの深さ方向において第3スリットの幅が変化させられることにより、該第3スリットの入口側において該第3スリットの幅方向の内側に突き出した第1挟持部(31b)を備え、第1ヒューズ端子のうち第1挟持部が形成された位置での第3スリットの幅(Wa)が第1接続端子における第1ヒューズ端子に嵌め込まれる部分の厚み(T1)より小さくされることで、第1挟持部に第1接続端子が挟持されている。また、第2ヒューズ端子は、第4スリットの深さ方向において第4スリットの幅が変化させられることにより、該第4スリットの入口側において該第4スリットの幅方向の内側に突き出した第2挟持部(32b)を備え、第2ヒューズ端子のうち第2挟持部が形成された位置での第4スリットの幅が第2接続端子における第2ヒューズ端子に嵌め込まれる部分の厚みより小さくされることで、第2挟持部に第2接続端子が挟持されている。
【0010】
このように、第1ヒューズ端子に形成された第3スリットのうち第1挟持部が位置する部分の幅を第1接続端子における第1ヒューズ端子が嵌め込まれる部分の厚みよりも小さくしている。このため、第1挟持部において挟持力を発生させられ、第1接続端子を挟持できる。第2接続端子についても同様であり、第2ヒューズ端子の第2挟持部によって第2接続端子を挟持できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、第1ヒューズ端子のうち第1挟持部よりも該第1ヒューズ端子の先端側では、第1挟持部が形成された位置での第3スリットの幅よりも該第3スリットの幅が広くされていて、該第3スリットの入口側の角部にテーパ状部(31c)が形成されている。また、第2ヒューズ端子のうち第2挟持部よりも該第2ヒューズ端子の先端側では、第2挟持部が形成された位置での第4スリットの幅よりも該第4スリットの幅が広くされていて、該第4スリットの入口側の角部にテーパ状部(32c)が形成されている。
【0012】
このように、第1ヒューズ端子や第2ヒューズ端子に、テーパ状部を備えている。このため、第1ヒューズ端子を第1接続端子に嵌め込む際や第2ヒューズ端子を第2接続端子に嵌め込む際に、金属異物を発生させることが抑制されつつ容易に嵌め込むことが可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、第1ヒューズ端子のうち第1挟持部よりも第3スリットの深さ方向の深い位置では、第1挟持部が形成された位置での第3スリットの幅よりも該第3スリットの幅が広くされている。また、第2ヒューズ端子のうち第2挟持部よりも第4スリットの深さ方向の深い位置では、第2挟持部が形成された位置での第4スリットの幅よりも該第4スリットの幅が広くされている。
【0014】
このような構成とすることで、第1、第2ヒューズ端子が弾性変形し易くなる。したがって、尚更に第1ヒューズ端子を第1接続端子に嵌め込む際や第2ヒューズ端子を第2接続端子に嵌め込む際に、金属異物を発生させることが抑制されつつ容易に嵌め込むことが可能となる。
【0015】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態にかかるヒューズ装置の部分断面図である。
図2A】第1接続端子の一側面図である。
図2B】第1、第2接続端子の斜視図である。
図3A】ヒューズの正面図である。
図3B図3Aに示すヒューズの右側面図である。
図4A】ヒューズを第1、第2接続端子に嵌め込んだ様子をヒューズの正面側から示した図である。
図4B図4Aをヒューズの右側面側から示した図である。
図5A】従来構造のヒューズの正面図である。
図5B図5Aに示すヒューズの右側面図である。
図6】従来構造の第1接続端子の一側面図である。
図7A】従来構造においてヒューズを第1、第2接続端子に嵌め込んだ様子をヒューズの正面側から示した図である。
図7B図7Aをヒューズの右側面側から示した図である。
図8A】第2実施形態にかかる回路基板に第1、第2接続端子を組付けた様子を示す図である。
図8B図8A中の1組の第1、第2接続端子の近傍を拡大した部分拡大図である。
図8C図8A中の第1接続端子の一側面図である。
図8D図8A中の第1、第2接続端子の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0018】
(第1実施形態)
図1図4A図4Bを参照して、本実施形態にかかるヒューズ装置について説明する。なお、図1は、ヒューズ装置の部分拡大断面図で、ヒューズ装置のうちの第1、第2バスバー10、20における第1、第2接続端子11、21とヒューズ30との接続部近傍のみを示している。実際には図1で示した部分の下方にもヒューズ装置を構成する部分があるが、図中では省略してある。
【0019】
図1に示すように、樹脂などの絶縁材料で構成されたケース40内に、第1、第2バスバー10、20とハウジング50が配置されている。ケース40には、ヒューズ収容部41が形成され、このヒューズ収容部41内にヒューズ30が配置され、第1、第2バスバー10、20における第1、第2接続端子11、21に嵌め込まれることで第1、第2接続端子11、21にヒューズ30が電気的および物理的に接続されている。
【0020】
第1、第2バスバー10、20は、ヒューズ30との接続が行われる第1、第2接続端子11、21がハウジング50から露出するようにして、ハウジング50と一体化、もしくはハウジング50とケース40との間に挟持されて配置される。
【0021】
例えば、第1バスバー10は、樹脂成形などによってハウジング50と一体化されており、第1接続端子11よりもケース40の内側に配置された第1支持部12がハウジング50内に埋め込まれた構造とされている。これにより、第1接続端子11が第1支持部12を介してハウジング50に支持されている。具体的には、第1接続端子11は、ハウジング50からヒューズ収容部41側に向けて立設されており、ケース40におけるヒューズ収容部41の底面43から突き出して、ケース40の外側より露出させられている。また、第1バスバー10は、第1接続端子11よりもケース40の内側に配置された第1支持部12が第1接続端子11に対して垂直に屈曲させられている。さらに、第1支持部12のうち第1接続端子11に繋がる側と反対側が第1接続端子11と反対側に垂直に屈曲させられて第1接続部13とされる。
【0022】
第1バスバー10は、製造方法について限定されないが、例えば平板状の金属をプレス加工することなどによって形成されている。第1接続端子11のうちの図1の紙面法線方向および紙面上下方向と平行な面が平板状の金属の平面部分によって構成されており、第2バスバー20における第2接続端子21と対向配置されている。第1バスバー10における第1接続端子11の詳細構造については後述する。
【0023】
また、第2バスバー20は、例えばハウジング50とケース40との間に挟持される、もしくはハウジング50と一体化されることで、ケース40に対して固定される。具体的には、第2接続端子21は、ハウジング50からヒューズ収容部41側に向けて立設されており、ケース40におけるヒューズ収容部41の底面から突き出して、ケース40の外側より露出させられている。また、第2バスバー20は、第2接続端子21よりもケース40の内側に配置された第2支持部22が第2接続端子21に対して垂直に屈曲させられている。さらに、第2支持部22のうち第2接続端子21に繋がる側と反対側が第2接続端子21と反対側に垂直に屈曲させられて第2接続部23とされる。そして、第2支持部22がハウジング50におけるヒューズ収容部41側の壁面に当接すると共に、第2接続部23がハウジング50とケース40との間に挟持されている。これにより、第2接続端子21が第2支持部22を介してハウジング50に支持されている。
【0024】
第2バスバー20は、製造方法について限定されないが、例えば平板状の金属をプレス加工することなどによって形成されている。第2接続端子21のうちの図1の紙面法線方向および紙面上下方向と平行な面が平板状の金属の平面部分によって構成されており、第1バスバー10における第1接続端子11と対向配置されている。第2バスバー20における第2接続端子21の詳細構造については後述する。
【0025】
なお、図1中には図示されていないが、第1、第2バスバー10、20の第1、第2接続部13、23は、ハウジング50の外部に引き出されたり、他の部品に繋がる配線に電気的に接続されたりしている。例えば、ヒューズ装置がヒューズボックスの場合には、第1、第2接続部13、23は外部に引き出されて、それぞれ、外部に備えられるバッテリや制御回路などに接続される外部接続端子とされる。また、ヒューズ装置が電磁継電器の場合には、第1、第2接続部13、23は電磁継電器を構成するいずれかの電気部品や配線に電気的に接続されるか、もしくは外部接続端子とされる。
【0026】
ヒューズ30は、第1、第2バスバー10、20を通じて供給される電流が過大になることを抑制する電気部品であり、過電流が流れようとすると、溶断されることで第1、第2バスバー10、20の間の電流の流れを遮断する。
【0027】
ヒューズ30は、図1図2Aおよび図2Bに示す第1、第2ヒューズ端子31、32、図3Aに示す溶断部33および絶縁ケース34を有した構成とされている。
【0028】
第1、第2ヒューズ端子31、32は、例えば平板状の金属をプレス加工することによって構成されている。第1ヒューズ端子31が第1バスバー10の第1接続端子11と接続され、第2ヒューズ端子32が第2バスバー20の第2接続端子21と接続されることで、ヒューズ30が第1バスバー10と第2バスバー20とを電気的に接続している。なお、第1、第2ヒューズ端子31、32の詳細構造については後述する。
【0029】
また、溶断部33は、過電流が所定時間以上流れようとすると溶断されることで、第1バスバー10と第2バスバー20との間の電気的接続を遮断する役割を果たす。例えば、溶断部33は、第1、第2ヒューズ端子31、32よりも溶断され易くされ、第1、第2ヒューズ端子31、32と同じ金属材料で構成されていても異なる金属材料で構成されていても良い。例えば、溶断部33は、第1、第2ヒューズ端子31、32と異なる材料で、これらよりも電流経路の断面積が小さくなるように構成され、シート抵抗が第1、第2ヒューズ端子31、32より高くされることで溶断され易くなっている。
【0030】
絶縁ケース34は、溶断部33を覆うと共に第1、第2ヒューズ端子31、32のうち第1、第2バスバー10、20と接続される端子部の周囲の部分を覆っている。絶縁ケース34は、例えば透明樹脂など、溶断部33の溶断状態が確認可能な材料で構成されている。本実施形態では、絶縁ケース34は、図1の紙面法線方向から見た形状がT字状とされている。そして、絶縁ケース34は、第1、第2ヒューズ端子31、32のうちの第1、第2接続端子11、21との接続部と反対側を覆っていると共に、第1ヒューズ端子31のうちの第2ヒューズ端子32側の部分と第2ヒューズ端子32のうちの第1ヒューズ端子31側の部分を覆っている。
【0031】
このように構成されたヒューズ30が第1、第2ヒューズ端子31、32の先端側を図1の紙面下方を向けて紙面上方からヒューズ収容部41内に嵌め込まれている。そして、ヒューズ30がヒューズ収容部41内に収容されるようにして、第1、第2ヒューズ端子31、32が第1、第2接続端子11、21に接続されている。より詳しくは、平板状で構成された第1ヒューズ端子31の平面と平板状で構成された第1接続端子11の平面がほぼ直交するように交差させた状態とされている。また、平板状で構成された第2ヒューズ端子32の平面と平板状で構成された第2接続端子21の平面がほぼ直交するように交差させた状態とされている。この状態で、第1、第2ヒューズ端子31、32が第1、第2接続端子11、21に嵌め込まれることでそれぞれ電気的および物理的に接続されている。
【0032】
ケース40は、ヒューズ装置の外形を構成しており、このケース40内にハウジング50や第1、第2バスバー10、20などが収容されて、ヒューズ装置が構成されている。ケース40の形状については任意であるため、ヒューズ収容部41近傍以外については図示を省略してあるが、ハウジング50と共に第1、第2バスバー10、20が収容されて、これらがケース40に対して固定されるようになっている。
【0033】
図1に示すように、ケース40におけるヒューズ収容部41は、ケース40のうちハウジング50や第1、第2バスバー10、20における第1、第2接続端子11、21以外の部分を収容している壁面に対して立設された構造とされている。具体的には、ヒューズ収容部41は、ヒューズ30の収容空間を囲む収容壁42によって構成されている。収容壁42は、少なくともヒューズ30の収容空間のうちのヒューズ30を挟んだ図1の紙面左右方向の両側に備えられている。また、収容壁42は、ヒューズ30の収容空間のうちのヒューズ30を挟んだ図1の紙面法線方向の両側にも備えられていても良いが、ヒューズ30の挿抜を容易にするために、ヒューズ30の少なくとも一部が露出する形状になっている。また、収容壁42のうちヒューズ収容部41の底面43からの突出量は、概ねヒューズ30をヒューズ収容部41に収容した際のヒューズ30の底面43からの突出量と等しくされている。
【0034】
ケース40のうちヒューズ収容部41の底面43を構成する部分には、2つの挿通孔44、45が備えられている。挿通孔44に第1接続端子11が嵌め込まれており、挿通孔45に第2接続端子21が嵌め込まれている。そして、底面43より第1、第2接続端子11、21がヒューズ収容部41内に突き出して配置されている。なお、底面43のうち第1接続端子11と第2接続端子21との間に位置する部分には、ヒューズ収容空間側に突き出した支持壁46が備えられている。支持壁46が絶縁ケース34と当接することでヒューズ30のヒューズ収容部41への挿入量が規制されている。
【0035】
ハウジング50は、第1、第2バスバー10、20と共にケース40の内部に収容され、ケース40の内部に固定されている。ハウジング50は、絶縁材料で構成されており、例えば樹脂成形などによって形成されている。なお、ハウジング50は、1部材で構成されていても、複数部材で構成されていても良く、第1バスバー10を支持する部分と第2バスバー20を支持する部分が別部材で構成されていても良い。
【0036】
次に、第1、第2バスバー10、20の第1、第2接続端子11、21およびヒューズ30の第1、第2ヒューズ端子31、32の構造の詳細について説明する。なお、第1接続端子11と第2接続端子21は同様の構造とされている。図2A図2B図4Aおよび図4Bを参照して第1接続端子11について説明するが、第2接続端子21も同様である。また、第1ヒューズ端子31と第2ヒューズ端子32も同様の構造とされている。図3A図3B図4Aおよび図4Bを参照して第1ヒューズ端子31について説明するが、第2ヒューズ端子32も同様である。
【0037】
図1に示すように、第1接続端子11は、底面43から突き出しており、図2Aおよび図2Bに示すように、この突き出した部分の先端がスリット11aを形成した音叉形状、換言すればV字形状とされている。このスリット11aに第1ヒューズ端子31が嵌め込まれる。図2Bに示すように、第1接続端子11の厚み、つまり図2Aの紙面法線方向の寸法は、T1とされている。
【0038】
スリット11aは、第1スリットに相当し、第1ヒューズ端子31が第1接続端子11に嵌め込まれる方向を深さ方向として形成されている。スリット11aの幅は、スリット11aの深さ方向において変化させられており、スリット11aの入口側において第1ヒューズ端子31を挟持する部分の第1幅W1が第1ヒューズ端子31の後述する厚みTaよりも小さくされている。また、スリット11aは、入口側の幅W1の部分よりも深い位置において、幅広とされて幅W2とされている。このため、スリット11aの入口側において、第1ヒューズ端子31はスリット11aの幅方向内側に突き出し、この突き出した部分が挟持部11bとなって、第1ヒューズ端子31を挟持する。
【0039】
また、本実施形態では、スリット11aの深さ方向においてスリット11aの幅を変化させているが、同じ幅であっても良い。ただし、本実施形態のように、スリット11aの入口側よりも深い位置において幅を広げ、第1接続端子11におけるスリット11aの幅方向両側の部分の寸法を入口側よりも小さくすることで、その部分で第1接続端子11が弾性変形し易くなる。
【0040】
スリット11aの入口側では、挟持部11bのうち第1ヒューズ端子31と当接する部分よりも第1接続端子11の先端側、つまり第1接続端子11の最も先端側において、先端側に向ってスリット11aの幅を広くしてテーパ状部11cを構成している。スリット11aのうちテーパ状部11cとされた部分では、挟持部11bのうち第1ヒューズ端子31と当接する部分から第1接続端子11の最も先端側に向って徐々に幅が拡げられている。その幅の拡がり方は、一定であっても良いが、本実施形態では、第1接続端子11の先端に向うほど拡がり度合いが大きくされている。このため、第1接続端子11のうちスリット11aの入口側の角部が丸まった形状でテーパ状部11cが構成されている。
【0041】
さらに、第1接続端子11の先端のうち両角部、つまりスリット11aから離れた角部11dも丸められている。このため、第1、第2接続端子11、21を挿通孔44、45に嵌め込んで第1、第2バスバー10、20およびハウジング50をケース40に収容する組付け時に、第1、第2接続端子11、21がケース40を傷つけることなどが抑制される。これにより、第1、第2接続端子11、21の干渉による異物の発生を抑制できる。
【0042】
なお、上記したように、第2接続端子21も第1接続端子11と同様の形状とされており、図2Bに示したように、第2スリットに相当するスリット21a、挟持部21b、テーパ状部21cおよび角部21dを有した形状とされている。
【0043】
一方、図3Aおよび図3Bに示すように、第1ヒューズ端子31は、絶縁ケース34から露出しており、この露出した部分の先端がスリット31aを形成した音叉形状、換言すればV字形状とされている。このスリット31aの部分が第1接続端子11のスリット11aに嵌め込まれる。第1ヒューズ端子31の厚み、つまり図3Bの紙面左右方向の寸法は、Taとされている。
【0044】
スリット31aは、第3スリットに相当し、第1ヒューズ端子31が第1接続端子11に嵌め込まれる方向を深さ方向として形成されている。スリット31aの幅は、スリット31aの深さ方向において変化させられており、スリット31aの入口側の第1幅Waが第1接続端子11の厚みT1よりも小さくされている。また、スリット31aは、入口側の幅Waの部分よりも深い位置において、幅広とされて幅Wbとされている。このため、スリット31aの入口側において、第1ヒューズ端子31はスリット31aの幅方向内側に突き出し、この突き出した部分が挟持部31bとなって、第1ヒューズ端子31を挟持する。この挟持部31bが第1挟持部に相当する。
【0045】
また、本実施形態では、スリット31aの深さ方向においてスリット31aの幅を変化させているが、同じ幅であっても良い。ただし、本実施形態のように、スリット31aの入口側よりも深い位置において幅を広げ、第1ヒューズ端子31におけるスリット31aの幅方向両側の部分の寸法を入口側よりも小さくすることで、その部分で第1ヒューズ端子31が弾性変形し易くなる。
【0046】
スリット31aの入口側では、挟持部31bのうち第1ヒューズ端子31と当接する部分よりも第1ヒューズ端子31の先端側、つまり第1ヒューズ端子31の最も先端側において、先端側に向ってスリット31aの幅を広くしてテーパ状部31cを構成している。スリット31aのうちテーパ状部31cとされた部分では、挟持部31bのうち第1ヒューズ端子31と当接する部分から第1ヒューズ端子31の最も先端側に向って徐々に幅が拡げられている。その幅の拡がり方は、一定であっても良いが、本実施形態では、第1ヒューズ端子31の先端に向うほど拡がり度合いが大きくされている。このため、第1ヒューズ端子31のうちスリット31aの入口側の角部が丸まった形状でテーパ状部31cが構成されている。
【0047】
さらに、第1ヒューズ端子31の先端のうち両角部、つまりスリット31aから離れた角部31dも丸められている。このため、ヒューズ30をヒューズ収容部41内に収容する際に、第1、第2ヒューズ端子31、32が収容壁42を傷つけることなどが抑制される。これにより、第1、第2ヒューズ端子31、32の干渉による異物の発生を抑制できる。
【0048】
なお、上記したように、第2ヒューズ端子32も第1ヒューズ端子31と同様の形状とされている。そして、第2ヒューズ端子32も、図3Aに示したように、第4スリットに相当するスリット32a、第2挟持部に相当する挟持部32b、テーパ状部32cおよび角部32dを有した形状とされている。
【0049】
このように構成された第1接続端子11と第1ヒューズ端子31とが嵌合され、第2接続端子11と第2ヒューズ端子32とが嵌合されることで、ヒューズ30が第1バスバー10と第2バスバー20との間に電気的に接続された構造となっている。そして、第1接続端子11と第1ヒューズ端子31の少なくとも一方、さらには第2接続端子21と第2ヒューズ端子32の少なくとも一方に、テーパ状部11c、21c、31c、32cを備えている。このため、第1ヒューズ端子31を第1接続端子11に嵌め込む際や第2ヒューズ端子32を第2接続端子21に嵌め込む際に、金属異物を発生させることなく容易に嵌め込むことが可能となる。
【0050】
さらに、スリット11a、21aの入口側よりも深い位置において幅を広げ、第1、第2接続端子11、21におけるスリット11a、21aの幅方向両側の部分の寸法を入口側よりも小さくしてある。このため、第1、第2接続端子11、21が弾性変形し易くなる。また、スリット31a、32aの入口側よりも深い位置において幅を広げ、第1、第2ヒューズ端子31、32におけるスリット31a、32aの幅方向両側の部分の寸法を入口側よりも小さくしている。このため、第1、第2ヒューズ端子31、32が弾性変形し易くなる。したがって、尚更に第1ヒューズ端子31を第1接続端子11に嵌め込む際や第2ヒューズ端子32を第2接続端子21に嵌め込む際に、金属異物を発生させることが抑制されつつ容易に嵌め込むことが可能となる。
【0051】
図4Aおよび図4Bは、これらの嵌合状態を示している。また、これらの図中に、挟持力が働いている部分をハッチングで示してある。
【0052】
上記したように、第1接続端子11に形成されたスリット11aのうち挟持部11bが位置する部分の幅W1を第1ヒューズ端子31の厚みTaよりも小さくしている。このため、挟持部11bにおいて挟持力を発生させられ、第1ヒューズ端子31を挟持できる。第2接続端子21についても同様であり、第2接続端子21の挟持部21bによって第2ヒューズ端子32を挟持できる。
【0053】
また、第1ヒューズ端子31に形成されたスリット31aのうち挟持部31bが位置する部分の幅Waを第1接続端子11の厚みT1よりも小さくしている。このため、挟持部31bにおいて挟持力を発生させられ、第1接続端子11を挟持できる。第2ヒューズ端子32についても同様であり、第2ヒューズ端子32の挟持部32bによって第2接続端子21を挟持できる。
【0054】
このように、第1接続端子11と第1ヒューズ端子31については、互いの挟持部11b、31bによって互いを挟持でき、双方で挟持する構造にできる。同様に、第2接続端子21と第2ヒューズ端子32についても、互いの挟持部21b、32bによって互いを挟持でき、双方で挟持する構造にできる。
【0055】
このため、一方の端子当たりに必要な挟持力を小さくできる。これにより、ヒューズ30を第1、第2接続端子11、21に対して挿抜する際に、ヒューズ30の第1、第2ヒューズ端子31、32と第1、第2接続端子11、21との接触部分が削れることを抑制できる。したがって、挿抜時の金属異物の発生を抑制することが可能となり、ヒューズ装置のどこかの部位への金属異物の付着を抑制できる。また、ヒューズ30の挿抜性を向上させることも可能となる。
【0056】
さらに、第1接続端子11にスリット11aを設けると共に第1ヒューズ端子31にスリット31aを設けて、互いのスリット11a、31aが嵌合する形態とされている。同様に、第2接続端子21にスリット21aを設けると共に第2ヒューズ端子32にスリット32aを設けて、互いのスリット21a、32aが嵌合する形態とされている。このため、図4Aに示すように、第1接続端子11を第1ヒューズ端子31に嵌め込む際の挟持部11bの摺動量や、第2接続端子21を第2ヒューズ端子32に嵌め込む際の挟持部21b、32bの摺動量を距離L1aと小さくできる。また、図4Bに示すように、第1ヒューズ端子31を第1接続端子11に嵌め込む際の挟持部31bの摺動量や、第2ヒューズ収容部32を第2接続端子21に嵌め込む際の挟持部32bの摺動量を距離L1bと小さくできる。
【0057】
図5A、5B、図6図7Aおよび図7Bを参照して、これらの摺動量について従来構造と比較して説明する。図5Aおよび図5Bに示すように、従来のヒューズJ30では、第1ヒューズ端子J31、第2ヒューズ端子J32にはスリットが備えられていない。また、図6に示すように、第1、第2接続端子J11、J21に設けたスリットJ11a、J21aの深さを本実施形態よりも深くし、第1ヒューズ端子J31、第2ヒューズ端子J32が深い位置まで嵌め込めるようにしている。そして、図7Aおよび図7Bに示すように第1、第2接続端子J11、J21の挟持部J11b、J21bにて、第1、第2ヒューズ端子J31、J32を挟持する構造としている。
【0058】
このため、図7Aおよび図7Bに示すように、第1ヒューズ端子J31や第2ヒューズ端子J32の先端からヒューズJ30を第1接続端子J11や第2接続端子J21へ嵌め込み終了するまでの挟持部J11b、J21bの摺動量が距離L2となり、距離L1a、L1bより大きくなる。
【0059】
距離L1a、L1bを距離L2より小さくできることから、従来と比較して、本実施形態の方が第1、第2ヒューズ端子31、32を第1、第2接続端子11、21に嵌め込むことによる金属異物の発生を抑制できる。勿論、本実施形態の場合、挟持箇所が従来構造よりも多くなることから、挟持箇所の摺動量の総和は従来とあまり変わらない可能性がある。しかしながら、挟持箇所1箇所当たりの挟持力を従来構造より小さくできるため、金属異物の発生を抑制する効果が得られる。
【0060】
さらに、本実施形態の場合、従来構造と比較して第1接続端子11と第1ヒューズ端子31との接触箇所や第2接続端子21と第2ヒューズ端子32との接触箇所の数を増やせる。具体的には、図7Aおよび図7Bに示すように、従来構造では、第1接続端子J11と第1ヒューズ端子J31との接触箇所は2点であり、第2接続端子J21と第2ヒューズ端子J32との接触箇所も2点である。これに対して、本実施形態の場合、第1接続端子11と第1ヒューズ端子31との接触箇所は4点であり、第2接続端子21と第2ヒューズ端子32との接触箇所も4点である。このため、本実施形態の構造の場合、従来構造と比較して接触面積が増えて導電性が向上し、接触抵抗に起因する発熱を低減することも可能となる。なお、図7A図7B中において、ハッチングで示した部分は、挟持力が働いている部分をハッチングで示してある。
【0061】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して第1接続端子11、第2接続端子21の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0062】
第1実施形態では、ケース40におけるヒューズ収容部41にヒューズ30を配置する構造としたが、本実施形態では、回路基板に対して第1接続端子11、第2接続端子21を取付ける構造とする。
【0063】
具体的には、図8A図8Dに示すように、回路基板100には、複数の開口部101~106が形成されている。開口部101~106は、一方向を長手方向とする長方形状の孔とされている。開口部101、103、105は、各長手方向を同方向に向けて所定間隔開けて一列に並べられている。同様に、各開口部102、104、106も、各長手方向を同方向に向けて所定間隔開けて一列に並べられている。そして、開口部101と開口部102は、互いの長手方向と直交する方向に並べられ、それぞれの長辺が対向するように配置されている。また、開口部103と開口部104も、互いの長手方向と直交する方向に並べられ、それぞれの長辺が対向するように配置されている。さらに、開口部105と開口部106も、互いの長手方向と直交する方向に並べられ、それぞれの長辺が対向するように配置されている。
【0064】
一方、第1接続端子11や第2接続端子21は、共に、第1実施形態で説明したような第1バスバー10や第2バスバー20に備えられたものではなく、一部品として単体で備えられている。本実施形態の場合、第1接続端子11や第2接続端子21を3組備えてあり、それぞれを開口部101と開口部102、開口部103と開口部104、開口部105と開口部106に組付けている。
【0065】
具体的には、図8Bに示すように、第1接続端子11および第2接続端子21には、スリット11a、21aが形成された一方の先端部と反対側の先端部に、開口部101~106と対応する大きさの嵌込部11e、21eが備えられている。嵌込部11e、21eは開口部101~106と対応する寸法とされているが、先端側は、開口部101~106の長手方向の寸法が先端に向かうほど小さくされた先細り形状とされている。また、嵌込部11e、21eのうちの先端側も、開口部101~106の長手方向と直交する方向の寸法も先端に向かうほど小さくされた先細り形状とされている。これらにより、嵌込部11e、21eを開口部101~106に嵌め込み易くしてある。さらに、嵌込部11e、21eのうちの先端の中央位置に切欠き11g、21gが形成されており、嵌込部11e、21eを開口部101~106により嵌め込み易くしてある。
【0066】
また、第1、第2接続端子11、21のうち嵌込部11e、21eよりもスリット11a、21aが形成された先端部側には、開口部101~106の長手方向寸法よりも大きくされたストッパ部11f、21fが備えられている。
【0067】
このような構造により、本実施形態の第1、第2接続端子11、21が構成されており、嵌込部11e、21eを開口部101~106に嵌め込むことにより、回路基板100に第1、第2接続端子11、21が組付けられている。
【0068】
そして、回路基板100には、図示しない複数の配線パターンが形成されている。組付けられた第1、第2接続端子11、21が回路基板100に備えられた配線パターンに電気的に接続されており、ヒューズ30が回路に組み込まれるようになっている。なお、回路基板100が図示しないケースに収容されるが、ケースの蓋部を開けると第1、第2接続端子11、21が露出するようになっている。これにより、ヒューズ30を第1、第2接続端子11、21に対して挿抜できるようになっている。
【0069】
このように、回路基板100に対して第1、第2接続端子11、21を組付ける構造とすることもできる。この場合にも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(他の実施形態)
本開示は、上記した実施形態に準拠して記述されたが、当該実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0071】
例えば、上記各実施形態で説明したヒューズ30における第1、第2ヒューズ端子31、32の形状については一例を挙げたのであり、他の形状であっても構わない。つまり、第1、第2ヒューズ端子31、32にスリット31a、32aが備えられ、第1、第2接続端子11、21に形成されたスリット11a、21aに嵌め込まれる構造で、双方の挟持部11b、21b、31b、32bで挟持する構造であれば良い。
【0072】
一例を挙げると、テーパ状部31c、32cについては備えていなくても良いし、テーパ状部31c、32cを備える場合も丸まった形状に限らず、他の形状、例えば直線状でも良い。また、挟持部31b、32bで挟持力を集中させて第1、第2接続端子11、21を挟持できるように、スリット31a、32aの幅を深さ方向において変化させているが、一定であっても良い。
【0073】
同様に、上記各実施形態で説明したヒューズ30を接続する第1、第2接続端子11、21の形状についても一例を挙げたのであり、他の形状であっても構わない。つまり、第1、第2接続端子11、21にスリット11a、21aが備えられ、第1、第2ヒューズ端子31、32に形成されたスリット31a、32aに嵌め込まれる構造で、双方を挟持部11b、21b、31b、32bで挟持する構造であれば良い。
【0074】
一例を挙げると、テーパ状部11c、21cについては備えていなくても良いし、テーパ状部11c、21cを備える場合も丸まった形状に限らず、他の形状、例えば直線状でも良い。また、挟持部11b、21bで挟持力を集中させて第1、第2ヒューズ端子31、32を挟持できるように、スリット11a、21aの幅を深さ方向において変化させているが、一定であっても良い。
【0075】
また、各挟持部11b、21b、31b、32bについても、厚みを他の部分と異ならせることもできる。例えば、各挟持部11b、21b、31b、32bの先端に行くほど先細りとなるようにしても良い。さらに、第1、第2接続端子11、21や第1、第2ヒューズ端子31、32のうち各挟持部11b、21b、31b、32bと当接する部分を凹面形状としても良い。
【0076】
また、第1ヒューズ端子31や第2ヒューズ端子32を平板状で構成したが、これらのうち少なくとも第1、第2接続端子11、21と接続される部分が平板状になっていれば良い。同様に、第1接続端子11や第2接続端子21を平板状で構成したが、これらのうち少なくとも第1、第2ヒューズ端子31、31と接続される部分が平板状になっていれば良い。
【0077】
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0078】
10、20…第1、第2バスバー、11、21…第1、第2接続端子、11a、21a…スリット、11b、21b…挟持部、11c、21c…テーパ状部、11d、21d…角部、11e、21e…嵌込部、11f、21f…ストッパ部、11g、21g…切欠き、12、22…第1、第2支持部、13、23…第1、第2接続部、30…ヒューズ、31、32…第1、第2ヒューズ端子、31a、32a…スリット、31b、32b…挟持部、31c、32c…テーパ状部、31d、32d…角部、33…溶断部、34…絶縁ケース、40…ケース、41…ヒューズ収容部、42…収容壁、43…底面、44、45…挿通孔、46…支持壁、50…ハウジング、100…回路基板、101~106…開口部
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D