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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113870
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】フィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/09 20060101AFI20240816BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20240816BHJP
   H01F 27/00 20060101ALI20240816BHJP
   H01G 4/40 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H03H7/09 Z
H01F17/00 D
H01F27/00 S
H01G4/40 321
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019123
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾形 誠
【テーマコード(参考)】
5E070
5E082
5J024
【Fターム(参考)】
5E070AA05
5E070AB10
5E082AA01
5E082BB01
5E082DD08
5E082FF05
5E082FG26
5J024AA01
5J024BA11
5J024CA02
5J024CA04
5J024CA06
5J024CA09
5J024DA04
5J024DA29
5J024DA33
5J024EA03
5J024KA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の共振器を含むフィルタ装置において、非通過帯域の減衰特性を向上させる。
【解決手段】フィルタ装置100は、複数の積層体110と、入力端子T1と、出力端子T2と、接地端子GNDと、接地電極PG1と、共振器RC1~RC3と、配線パターンPL21,PL22と、を備える。共振器RC1~RC3は、入力端子から出力端子への信号伝達経路に配置されている。各共振器は、キャパシタ電極と、インダクタ経路とを含む。キャパシタ電極は、接地電極とともにキャパシタを構成する。共振器RC2のインダクタ経路は、キャパシタ電極PC2と接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含む。配線パターンPL1は、共振器RC1のインダクタ経路および第1線路を接続する。配線パターンPL3は、共振器RC3のインダクタ経路および第2線路を接続する。配線パターンPL2は、第1線路と第2線路とを接続する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置であって、
複数の誘電体層を含む積層体と、
前記積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、
前記接地端子に接続された接地電極と、
前記積層体の内部において、互いに磁気結合し、前記入力端子から前記出力端子への信号伝達経路に配置された第1共振器、第2共振器および第3共振器とを備え、
前記第1共振器~前記第3共振器の各々は、
前記接地電極に対向して配置され、前記接地電極とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極と、
当該キャパシタ電極と前記接地電極とを接続するインダクタ経路とを含み、
前記第2共振器のインダクタ経路は、前記第2共振器のキャパシタ電極と前記接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含み、
前記フィルタ装置は、
前記第1共振器のインダクタ経路および前記第1線路を接続する第1配線パターンと、
前記第1線路および前記第2線路を接続する第2配線パターンと、
前記第3共振器のインダクタ経路および前記第2線路を接続する第3配線パターンとをさらに備え、
前記第2配線パターンは、前記第1線路における前記第1配線パターンの接続位置とは異なる位置において、前記第1線路と前記第2線路とを接続している、フィルタ装置。
【請求項2】
前記第2配線パターンは、前記第2線路上における前記第3配線パターンの接続位置とは異なる位置において、前記第1線路と前記第2線路とを接続している、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記第2配線パターンは、前記第2共振器のキャパシタ電極である、請求項1または2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記第1線路および前記第2線路の各々は、
前記キャパシタ電極に接続された第1電極と、
前記接地電極に接続された第2電極と、
当該第1電極と当該第2電極とを接続する平板電極とを含む、請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記第1配線パターンは、前記第1線路の平板電極に接続されており、
前記第2配線パターンは、前記第1線路の第1電極および前記第2線路の第1電極に接続されており、
前記第3配線パターンは、前記第2線路の平板電極に接続されている、請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
前記第1配線パターンは、前記第1線路の第1電極に接続されており、
前記第2配線パターンは、前記第1線路の平板電極および前記第2線路の平板電極に接続されており、
前記第3配線パターンは、前記第2線路の第1電極に接続されている、請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
前記第2配線パターンは、前記第2共振器のキャパシタ電極と、前記第1線路および前記第2線路の平板電極との間の誘電体層に配置されており、
前記フィルタ装置は、前記第2共振器のキャパシタ電極と前記第2配線パターンとを接続する第3電極をさらに備え、
前記第1線路の第1電極は、前記第2配線パターンおよび前記第1線路の平板電極に接続されており、
前記第1線路の第2電極は、前記第2配線パターンおよび前記第2線路の平板電極に接続されている、請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
前記第1配線パターンは、前記第1線路の第1電極に接続されており、
前記第3配線パターンは、前記第2線路の第1電極に接続されている、請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
前記第1配線パターンは、前記第1線路の平板電極に接続されており、
前記第3配線パターンは、前記第2線路の平板電極に接続されている、請求項7に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
前記第3共振器と磁気結合または電磁結合するように配置された第4共振器をさらに備える、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項11】
フィルタ装置であって、
複数の誘電体層を含む積層体と、
前記積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、
前記接地端子に接続された接地電極と、
前記積層体の内部において、互いに磁気結合し、前記入力端子から前記出力端子への信号伝達経路に配置された第1共振器、第2共振器、第3共振器および第4共振器とを備え、
前記第1共振器~前記第4共振器の各々は、
前記接地電極に対向して配置され、前記接地電極とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極と、
当該キャパシタ電極と前記接地電極とを接続するインダクタ経路とを含み、
前記第2共振器のインダクタ経路は、前記第2共振器のキャパシタ電極と前記接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含み、
前記第3共振器のインダクタ経路は、前記第3共振器のキャパシタ電極と前記接地電極との間において、電気的に並列接続された第4線路および第5線路を含み、
前記フィルタ装置は、
前記第1共振器のインダクタ経路および前記第1線路を接続する第1配線パターンと、
前記第1線路および前記第2線路を接続する第2配線パターンと、
前記第2線路および前記第5線路を接続する第3配線パターンと、
前記第4共振器のインダクタ経路および前記第4線路を接続する第4配線パターンと、
前記第4線路および前記第5線路を接続する第5配線パターンとをさらに備え、
前記第2配線パターンは、前記第1線路上の、前記第1配線パターンとは異なる位置において、前記第1線路と前記第2線路とを接続しており、
前記第5配線パターンは、前記第4線路上の、前記第4配線パターンとは異なる位置において、前記第4線路と前記第5線路とを接続している、フィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はフィルタ装置に関し、より特定的には、バンドパスフィルタにおける非通過帯域の減衰特性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-77784号公報(特許文献1)には、複数の絶縁体層が積層された積層体に、互いに異なる通過帯域を有する2つのフィルタ回路が形成されたダイプレクサが開示されている。特許文献1に記載されたダイプレクサのハイバンド側のフィルタ回路は、互いに磁気結合した複数の共振器を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-77784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたハイバンド側のフィルタ回路においては、3つの共振器同士が共通の平板電極により接続されており、この構成により共振器間の磁気結合の結合度が高められている。磁気結合の結合度が強くなると、共振器によって発生する減衰極を通過帯域に近づけることができるので、通過帯域の端部における減衰の急峻性を高めることができる。その一方で、磁気結合の結合度が強くなると、当該減衰極の減衰量(減衰深さ)が小さくなり、非通過帯域において、所望の減衰量が確保できなくなる場合がある。そのため、フィルタ回路に要求される仕様によっては、特許文献1のように共通の平板電極により共振器を接続する構成では、所望のフィルタ特性が実現できない場合が生じ得る。
【0005】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の共振器を含むフィルタ装置において、非通過帯域の減衰特性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に係るフィルタ装置は、複数の誘電体層を含む積層体と、積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、接地端子に接続された接地電極と、第1共振器~第3共振器と、第1配線パターン~第3配線パターンとを備える。第1共振器~第3共振器は、積層体の内部において、互いに磁気結合し、入力端子から出力端子への信号伝達経路に配置されている。第1共振器~第3共振器の各々は、キャパシタ電極と、インダクタ経路とを含む。キャパシタ電極は、接地電極に対向して配置され、接地電極とともにキャパシタを構成する。インダクタ経路は、当該キャパシタ電極と接地電極とを接続する。第2共振器のインダクタ経路は、第2共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含む。第1配線パターンは、第1共振器のインダクタ経路および第1線路を接続する。第3配線パターンは、第3共振器のインダクタ経路および第2線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路における第1配線パターンの接続位置とは異なる位置において、第1線路と第2線路とを接続する。
【0007】
本開示の他の局面に係るフィルタ装置は、複数の誘電体層を含む積層体と、積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、接地端子に接続された接地電極と、第1共振器~第4共振器と、第1配線パターン~第5配線パターンとを備える。第1共振器~第4共振器は、積層体の内部において、互いに磁気結合し、入力端子から出力端子への信号伝達経路に配置されている。第1共振器~第4共振器の各々は、キャパシタ電極と、インダクタ経路とを含む。キャパシタ電極は、接地電極に対向して配置され、接地電極とともにキャパシタを構成する。インダクタ経路は、当該キャパシタ電極と接地電極とを接続する。第2共振器のインダクタ経路は、第2共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含む。第3共振器のインダクタ経路は、第3共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第4線路および第5線路を含む。第1配線パターンは、第1共振器のインダクタ経路および第1線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路および第2線路を接続する。第3配線パターンは、第2線路および第5線路を接続する。第4配線パターンは、第4共振器のインダクタ経路および第4線路を接続する。第5配線パターンは、第4線路および第5線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路上の、第1配線パターンとは異なる位置において、第1線路と第2線路とを接続している。第5配線パターンは、第4線路上の、第4配線パターンとは異なる位置において、第4線路と第5線路とを接続している。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るフィルタ装置においては、第2共振器を構成するインダクタ経路が並列接続された2つの線路(第1線路,第2線路)を有しており、第1共振器と第1線路とを接続する配線パターン(第1配線パターン)と、当該2つの線路を接続する配線パターン(第2配線パターン)とが、第1線路上の異なる位置で第1線路に接続されている。このような構成とすることによって、第1配線パターンおよび第2配線パターンが第1線路上の同じ位置で接続される場合に比べて、第1共振器と第3共振器との間の磁気結合の結合度を弱めることができる。そのため、第1共振器と第3共振器との間の磁気結合によって生じる減衰極の減衰量を大きくできる。したがって、複数の共振器を含むフィルタ装置において、非通過帯域の減衰特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1のフィルタ装置が適用される高周波フロントエンド回路を有する通信装置のブロック図である。
図2】実施の形態1のフィルタ装置の等価回路図である。
図3】実施の形態1のフィルタ装置の外形斜視図である。
図4図3のフィルタ装置の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
図5】実施の形態1および比較例のフィルタ装置のフィルタ特性を説明するための図である。
図6】変形例1のフィルタ装置の概略構成図である。
図7】変形例2のフィルタ装置の概略構成図である。
図8】変形例3のフィルタ装置の概略構成図である。
図9】変形例4のフィルタ装置の概略構成図である。
図10】変形例5のフィルタ装置の概略構成図である。
図11】変形例6のフィルタ装置の概略構成図である。
図12】変形例7の第1例のフィルタ装置の概略構成図である。
図13】変形例7の第2例のフィルタ装置の概略構成図である。
図14】実施の形態2のフィルタ装置における上面側の配線パターンの配置を説明するための平面図である。
図15】変形例8のフィルタ装置の平面図である。
図16】変形例9のフィルタ装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
[実施の形態1]
(通信装置の基本構成)
図1は、実施の形態1のフィルタ装置100が適用される高周波フロントエンド回路20を有する通信装置10のブロック図である。通信装置10は、たとえば、スマートフォンに代表される携帯端末、あるいは、携帯電話基地局である。
【0012】
図1を参照して、通信装置10は、アンテナ12と、高周波フロントエンド回路20と、ミキサ30と、局部発振器32と、D/Aコンバータ(DAC)40と、RF回路50とを備える。また、高周波フロントエンド回路20は、バンドパスフィルタ22,28と、増幅器24と、減衰器26とを含む。なお、図1においては、高周波フロントエンド回路20が、アンテナ12から高周波信号を送信する送信回路を含む場合について説明するが、高周波フロントエンド回路20はアンテナ12を介して高周波信号を受信する受信回路を含んでいてもよい。
【0013】
通信装置10は、RF回路50から伝達された送信信号を高周波信号にアップコンバートしてアンテナ12から放射する。RF回路50から出力された送信信号である変調済みのデジタル信号は、D/Aコンバータ40によってアナログ信号に変換される。ミキサ30は、D/Aコンバータ40によってデジタル信号からアナログ信号に変換された送信信号を、局部発振器32からの発振信号と混合して高周波信号へとアップコンバートする。バンドパスフィルタ28は、アップコンバートによって生じた不要波を除去して、所望の周波数帯域の送信信号のみを抽出する。減衰器26は、送信信号の強度を調整する。増幅器24は、減衰器26を通過した送信信号を、所定のレベルまで電力増幅する。バンドパスフィルタ22は、増幅過程で生じた不要波を除去するとともに、通信規格で定められた周波数帯域の信号成分のみを通過させる。バンドパスフィルタ22を通過した送信信号は、アンテナ12から放射される。
【0014】
上記のような通信装置10におけるバンドパスフィルタ22,28として、本開示に対応したフィルタ装置を採用することができる。
【0015】
(フィルタ装置の構成)
図2は、フィルタ装置100の等価回路図である。図2を参照して、フィルタ装置100は、入力端子T1と、出力端子T2と、接地端子GNDと、共振器RC1~RC3を備える。共振器RC1~RC3の各々は、インダクタおよびキャパシタが並列接続されたLC並列共振器である。
【0016】
共振器RC1は、入力端子T1と接地端子GNDとの間に直列に接続されたインダクタL11,L12と、当該インダクタL11,L12に並列に接続されたキャパシタC1とを含む。
【0017】
共振器RC3は、出力端子T2と接地端子GNDとの間に直列に接続されたインダクタL31,L32と、当該インダクタL31,L32に並列に接続されたキャパシタC3とを含む。
【0018】
共振器RC2は、インダクタL12,L21,L22,L32およびキャパシタC2とを含む。インダクタL21,L22は、インダクタL11とインダクタL12との間の接続ノードN1と、インダクタL31とインダクタL32との間の接続ノードN3との間に、直列に接続される。キャパシタC2は、インダクタL21およびインダクタL22の間の接続ノードN2と、接地端子GNDとの間に接続される。言い換えれば、接続ノードN2と接地端子GNDとの間に、インダクタL12,L21,L22,L32により構成されるインダクタ経路と、キャパシタC2とが並列に接続されて、LC並列共振器が構成されている。
【0019】
なお、インダクタL12は、共振器RC1および共振器RC2で共用されている。また、インダクタL32は、共振器RC2および共振器RC3で共用されている。
【0020】
各共振器同士は、磁気結合により結合している。このように、フィルタ装置100は、入力端子T1と出力端子T2との間に、互いに磁気結合する3段の共振器が配置された構成を有している。各共振器の共振周波数を調整することによって、フィルタ装置100は、所望の周波数帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタとして機能する。
【0021】
図2の等価回路に示されるように、共振器RC1および共振器RC2は、接続ノードN1において直接接続されている。また、共振器RC2および共振器RC3は、接続ノードN3において直接接続されている。一方で、共振器RC1および共振器RC3は、共振器RC2におけるインダクタL21,L22を介して接続されている。そのため、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度は、共振器RC1と共振器RC2との間の結合度、ならびに、共振器RC2と共振器RC3との間の結合度に比べて弱くなっている。
【0022】
図2おける「共振器RC1~RC3」は、本開示における「第1共振器」~「第3共振器」の一例である。なお、「共振器RC1」を「第3共振器」とし、「共振器RC3」を「第1共振器」としてもよい。共振器RC2における「インダクタL12,L21」の経路が本開示の「第1線路」の一例であり、「インダクタL22,L32」の経路が本開示の「第2線路」の一例である。
【0023】
図3はフィルタ装置100の外観斜視図であり、図4はフィルタ装置100の積層構造の一例を示す分解斜視図である。
【0024】
図3および図4を参照して、フィルタ装置100は、複数の誘電体層LY1~LY6が積層方向に積層された、直方体または略直方体の積層体110を備えている。誘電体層LY1~LY6は、たとえば低温同時焼成セラミックス(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)などのセラミック、あるいは樹脂により形成されている。積層体110の内部において、各誘電体層に設けられた複数の電極、および、誘電体層間に設けられた複数のビアによって、LC並列共振器のインダクタおよびキャパシタが構成される。なお、本明細書において「ビア」とは、異なる誘電体層に設けられた電極を接続するために、誘電体層中に設けられる導体を示す。ビアは、たとえば、導電ペースト、めっき、および/または金属ピンなどによって形成される。
【0025】
なお、以降の説明においては、積層体110における誘電体層LY1~LY6の積層方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直であって積層体110の長辺に沿った方向を「X軸方向」とし、積層体110の短辺に沿った方向を「Y軸方向」とする。また、以下では、各図におけるZ軸の正方向を上側、負方向を下側と称する場合がある。
【0026】
積層体110の上面111(誘電体層LY1)には、フィルタ装置100の方向を特定するための方向性マークDMが配置されている。積層体110の上面111から、長辺方向に沿った側面113,114を通って下面112(誘電体層LY6)まで、当該フィルタ装置100と外部機器とを接続するための外部端子(入力端子T1、出力端子T2および接地端子GND)が配置されている。入力端子T1、出力端子T2および接地端子GNDの各々は、X軸方向から平面視した場合に、略C字形状の断面を有する平板形状の電極である。
【0027】
積層体110には外部端子として端子T0も配置されている。本明細書においては、当該端子T0は内部回路と接続されていないダミー端子であるが、たとえばフィルタ装置100がダイプレクサとして構成される場合には、端子T0は他のフィルタ回路の出力端子として用いられ得る。なお、上記の外部端子は、下面112に配置されたLGA(Land Grid Array)端子であってもよい。この場合、積層体110内に設けられたビアによって、各外部端子と積層体110内の他の要素とが接続される。
【0028】
フィルタ装置100は、図2で説明したように、LC並列共振器である共振器RC1~RC3を含んだ構成を有している。より具体的には、共振器RC1は、ビアV10と、キャパシタ電極PC1と、平板電極PL1とを含む。共振器RC2は、ビアV20,V21と、キャパシタ電極PC2と、平板電極PL1,PL2とを含む。共振器RC3は、ビアV30と、キャパシタ電極PC3と、平板電極PL2とを含む。
【0029】
入力端子T1は、側面113において、誘電体層LY4に配置されたキャパシタ電極PC1に接続されている。キャパシタ電極PC1は、積層体110を法線方向(X軸方向)から平面視した場合に略L字形状を有しており、誘電体層LY5の広範囲にわたって配置された接地電極PG1と部分的に重なっている。接地電極PG1は、側面113,114において、接地端子GNDに接続されている。キャパシタ電極PC1および接地電極PG1によって、図2におけるキャパシタC1が構成される。
【0030】
キャパシタ電極PC1は、ビアV10によって、誘電体層LY2に配置された平板電極PL1に接続されている。平板電極PL1は、図4の例においては、3つの端部を有する変形した略F字形状を有する電極である。平板電極PL1の第1端部に、ビアV10が接続されている。平板電極PL1の第2端部は、側面114において接地端子GNDに接続されている。ビアV10と、平板電極PL1の第1端部から接地端子GNDに至る経路とによって、図2におけるインダクタL11,L12を含むインダクタ経路が構成される。
【0031】
平板電極PL1の第3端部には、ビアV20が接続されている。ビアV20は、平板電極PL1と、誘電体層LY4に配置されたキャパシタ電極PC2とを接続している。積層体110を積層方向から平面視した場合に、キャパシタ電極PC2の一部は、誘電体層LY5に配置された接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC2および接地電極PG1によって、図2におけるキャパシタC2が構成される。また、ビアV20と、平板電極PL1における第3端部から接地端子GNDに至る経路とによって、図2におけるインダクタL12,L21を含むインダクタ経路が構成される。
【0032】
キャパシタ電極PC2には、ビアV21がさらに接続されている。ビアV21は、誘電体層LY2に配置された平板電極PL2に接続されている。図4の例においては、平板電極PL2は、3つの端部を有する変形した略Y字形状を有する電極である。略Y字形状の電極の第1端部に、ビアV21が接続される。また、平板電極PL2の第2端部は、側面113において接地端子GNDに接続されている。ビアV21と、平板電極PL2における第1端部から接地端子GNDに至る経路とによって、図2におけるインダクタL22,L32を含むインダクタ経路が構成される。
【0033】
平板電極PL2の第3端部には、ビアV30が接続されている。ビアV30は、平板電極PL2と、誘電体層LY4に配置されたキャパシタ電極PC3とを接続している。
【0034】
積層体110を積層方向から平面視した場合に、キャパシタ電極PC3の一部は、誘電体層LY5に配置された接地電極PG1と重なっている。キャパシタ電極PC3および接地電極PG1によって、図2におけるキャパシタC3が構成される。また、ビアV30と、平板電極PL2における第3端部から接地端子GNDに至る経路とによって、図2におけるインダクタL31,L32を含むインダクタ経路が構成される。
【0035】
キャパシタ電極PC3は、ビアV35によって、誘電体層LY2に配置された平板電極PL3に接続されている。平板電極PL3は、積層体110を積層方向から平面視した場合に略L字形状を有している。平板電極PL3の第1端部にビアV35が接続されている。平板電極PL3の第2端部は、側面114において、出力端子T2に接続されている。
【0036】
なお、図4における「ビアV20」および「ビアV21」は、本開示の第1線路における「第1電極」および第2線路における「第1電極」にそれぞれ対応する。平板電極PL1が接続される「接地端子GND」の側面114の部分は、第1線路における「第2電極」に対応する。また、平板電極PL2が接続される「接地端子GND」の側面113の部分は、第2線路における「第2電極」に対応する。
【0037】
複数の共振器を有するフィルタ装置においては、共振器間における磁気結合の結合度を強くすると、共振器によって発生する減衰極を通過帯域に近づけることができ、それによって通過帯域の端部における減衰の急峻性を高めることができる。その一方で、磁気結合の結合度が強くなると、当該減衰極の減衰量が小さくなり、非通過帯域において所望の減衰量が確保できなくなる場合がある。そのため、フィルタ装置に要求される仕様によっては、共通の平板電極により共振器を接続する構成では、所望のフィルタ特性が実現できない場合が生じ得る。
【0038】
そこで、実施の形態1においては、3段構成の共振器を有するフィルタ装置において、2段目の共振器におけるインダクタ経路を2つの線路で構成し、各線路において1段目の共振器および3段目の共振器が接続される位置とは異なる位置で、当該2つの線路が接続された構成を採用する。これにより、3つの共振器を共通の電極で互いに接続する場合に比べて、1段目の共振器から3段目の共振器までの経路が長くなるので、1段目の共振器と3段目の共振器の磁気結合の結合度を選択的に弱めることができる。
【0039】
図5は、実施の形態1のフィルタ装置100および比較例のフィルタ装置100Xのフィルタ特性を説明するための図である。図5の上段には、実施の形態1および比較例のフィルタ装置における誘電体層LY2の電極配置の例が示されている。図5の中段には、各フィルタ装置を簡略化した概略構成図(モデル図)が示されている。図5の下段には、各フィルタ装置における挿入損失が示されている。図5の下段においては、実線LN10がフィルタ装置100の場合の特性を示しており、破線LN11がフィルタ装置100Xの場合の特性を示している。
【0040】
なお、図5および後述する図6図13で示されるモデル図においては、図4の側面113,114に配置される接地端子GNDがビアの形式で表現されている。また、説明を容易にするために、各共振器は、キャパシタ電極に接続されるビアと、接地端子GNDに対応するビアと、これらのビアを接続する平板電極とを組み合わせた構成で記載されている。モデル図においては、各共振器が個別のビアおよび平板電極により構成され、共振器同士が個別の平板電極で接続された記載となっているが、実際の構造においては、図4に示されるように、接地端子GNDおよび/または平板電極の一部が2つの共振器で共通化されている場合もあり得る。
【0041】
図5を参照して、比較例のフィルタ装置100Xにおいては、共振器RC2のキャパシタ電極PC2から1つのビアV20Xによって、誘電体層LY2の平板電極PL1Xに接続されている。平板電極PL1Xは、共振器RC1~RC3によって共用されており、共振器RC2におけるビアV20Xに加えて、共振器RC1のビアV10および共振器RC3のビアV30も接続されている。すなわち、各共振器間は、平板電極PL1Xによって接続されている。中段の概略構成図においては、共振器RC1の平板電極PL11と共振器RC2の平板電極PL20Xとを接続する配線パターンPL13、および、共振器RC2の平板電極PL20Xと共振器RC3の平板電極PL21とを接続する配線パターンPL23が、平板電極PL20Xの同じ位置で接続されている。そのため、共振器RC1から共振器RC3までの線路長は、配線パターンPL13と配線パターンPL23との和となる。
【0042】
一方で、実施の形態1のフィルタ装置100においては、共振器RC2には、分離された平板電極PL1,PL2が、ビアV21,V22によってそれぞれ接続されている。そのため、中段の概略構成図においては、共振器RC1から共振器RC3までの線路長は、配線パターンPL13,PL23に加えて、ビアV20,V21、および、キャパシタ電極PC2におけるビアV20とビアV21との間の距離の和となる。このように、フィルタ装置100における共振器RC1と共振器RC3とを接続する線路長が、フィルタ装置100Xにおける線路長よりも長くなるため、フィルタ装置100における共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度は、フィルタ装置100Xの場合に比べて弱くなる。
【0043】
3つの共振器を含むフィルタ装置100の構成の例においては、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合によって、たとえば通過帯域よりも低周波数側における、通過帯域に最も近い減衰極が生じ得る。共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度が強くなると、減衰極が生じる周波数が通過帯域に近づくため、通過帯域の低周波数側の端部における減衰が急峻となるが、その反面、減衰極における減衰量が少なくなる(図5下段の領域AR1)。そのため、図5の下段の破線LN11のように、3.0GHz以下の非通過帯域においても挿入損失が30dB以下となる領域が発生し、要求される減衰特性が満たされない可能性がある。
【0044】
逆に、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度が弱くなると、減衰極が発生する周波数が低くなり、通過帯域の低周波数側の端部における急峻性はやや緩和されるものの、減衰極における減衰量は大きくなる(図5下段の領域AR2)。そのため、3.0GHz以下の非通過帯域においても30dB以上の挿入損失を達成することができる。
【0045】
以上のように、実施の形態1のフィルタ装置100のように、2段目の共振器RC2のインダクタを2つの線路で構成し、1段目の共振器RC1および/または3段目の共振器RC3との接続位置と、2つの線路の接続位置とを異ならせることによって、共振器RC1と共振器RC2との間の磁気結合、および、共振器RC2と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を高く維持したまま、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を弱めて、所望の減衰特性を実現することができる。
【0046】
なお、一般的に、減衰特性における急峻性と減衰量については、磁気結合の結合度に対してトレードオフの関係にあるため、要求仕様に応じて各共振器間を接続する配線パターンの位置を変更して共振器間の相対的な結合度を調整することによって、所望の減衰特性を実現することができる。
【0047】
<変形例>
以下の図6図13を用いて、フィルタ装置における共振器間の接続状態の変形例について説明する。上述のように、図6図13においては、フィルタ装置を構成する共振器の概略構成図(モデル図)を示す。
【0048】
(変形例1)
変形例1においては、共振器RC2におけるキャパシタ電極の構成の他の例について説明する。図6は、変形例1のフィルタ装置100Aの概略構成図である。
【0049】
図6を参照して、フィルタ装置100Aにおいては、図5のフィルタ装置100における共振器RC2のキャパシタ電極PC2が、キャパシタ電極PC2Aに置き換わった構成となっている。なお、図6において、図5で示したフィルタ装置100のモデル図と重複する要素の説明は繰り返さない。
【0050】
フィルタ装置100におけるキャパシタ電極PC2は、接地電極PG1に対向した1つの平板電極によって構成されていた。一方で、変形例1のフィルタ装置100Aにおけるキャパシタ電極PC2Aは、複数の平板電極PC21,PC22,PC23によって構成されている。
【0051】
より詳細には、ビアV20,V21の下方側の端部には、接地電極PG1に対向した平板電極PC21,PC22がそれぞれ接続されている。そして、ビアV20,V21の端部よりも上面111側であって平板電極PC21,PC22に近接した位置において、ビアV20およびビアV21が平板電極PC23によって接続されている。なお、平板電極PC21,PC22と接地電極PG1との対向面積は、フィルタ装置100のキャパシタ電極PC2と接地電極PG1との対向面積を同程度に設定される。
【0052】
このような構成により、平板電極PC21,PC22,PC23で構成されるキャパシタ電極PC2Aは、フィルタ装置100におけるキャパシタ電極PC2と同様に機能する。そして、フィルタ装置100Aにおいても、共振器RC2のインダクタ経路の2つの線路同士の接続位置と、共振器RC1,RC3の共振器RC2への接続位置とを異ならせることによって、図5の比較例のフィルタ装置100Xに比べて共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を弱めることができるので、所望の減衰特性を実現することができる。
【0053】
なお、変形例1において、キャパシタ電極PC2Aは、本開示における第2共振器の「キャパシタ電極」および「第2配線パターン」に対応する。
【0054】
(変形例2)
変形例2においては、キャパシタ電極PC2に加えてさらに他の平板電極を用いて、共振器RC2のインダクタ経路の2つの線路同士を接続する構成について説明する。
【0055】
図7は、変形例2のフィルタ装置100Bの概略構成図である。フィルタ装置100Bにおいては、実施の形態1のフィルタ装置100の構成に加えて、共振器RC2のビアV20とV21とを接続するための配線パターンPL50が設けられている。配線パターンPL50は、平板電極PL1,PL2が配置される誘電体層と、キャパシタ電極PC2が配置される誘電体層との間の誘電体層において、ビアV20,V21と接続されている。
【0056】
このような構成の場合、共振器RC1と共振器RC3との間の接続距離が、実施の形態1のフィルタ装置100に比べてやや短くなる。すなわち、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度は、フィルタ装置100と比較例のフィルタ装置100Xとの間の中間的な強さとなる。したがって、配線パターンPL50の位置を調整することによって、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を調整することができる。
【0057】
なお、フィルタ装置100Bにおいては、配線パターンPL50によってビアV20とビアV21とを接続する例を示したが、配線パターンPL50によって側面に配置された接地端子GND同士を接続してもよい。
(変形例3)
変形例3においては、共振器RC2のインダクタ経路の2つの線路が、キャパシタ電極PC2とは異なる位置で分岐する構成について説明する。
【0058】
図8は、変形例3のフィルタ装置100Cの概略構成図である。フィルタ装置100Cにおいては、平板電極PL1,PL2とキャパシタ電極PC2とを接続する部分が、ビアV20C,V21C,V25および配線パターンPL51によって構成されている。
【0059】
より詳細には、配線パターンPL51は、キャパシタ電極PC2よりも上方の誘電体層に配置されており、ビアV25によってキャパシタ電極PC2と接続されている。そして、ビアV20Cによって平板電極PL1と配線パターンPL51が接続され、ビアV21Cによって平板電極PL2と配線パターンPL51が接続されている。言い換えれば、共振器RC2のインダクタ経路の2つの線路において、平板電極PL1,PL2からキャパシタ電極PC2までの経路の一部が共用化されている。
【0060】
このような構成においても、変形例2の場合と同様に、共振器RC1と共振器RC3との間の接続距離が、実施の形態1のフィルタ装置100に比べてやや短くなるので、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度が、フィルタ装置100と比較例に比べて弱くなる。したがって、配線パターンPL51の位置を調整することによって、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を調整することができる。
【0061】
変形例3における「配線パターンPL51」は本開示における「第2配線パターン」に対応する。変形例3における「ビアV25」は、本開示における「第3電極」に対応する。
【0062】
(変形例4)
実施の形態1および変形例1~3においては、共振器RC1と共振器RC2との間、および、共振器RC2と共振器RC3と間は、上面111側の誘電体層に配置された平板電極PL1の配線パターンPL13および平板電極PL2の配線パターンPL23によってそれぞれ接続されていた。変形例4においては、共振器RC1と共振器RC2との間の接続、および、共振器RC2と共振器RC3との間の接続が、上面側の平板電極とは異なる位置で行なわれる構成について説明する。
【0063】
図9は、変形例4のフィルタ装置100Dの概略構成図である。フィルタ装置100Dにおいては、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンPL13Dは、平板電極PL11と接地電極PG1とを接続する接地端子GNDと、平板電極PL12と接地電極PG1とを接続する接地端子GNDとを接続している。同様に、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23Dは、平板電極PL21と接地電極PG1とを接続する接地端子GNDと、平板電極PL22と接地電極PG1とを接続する接地端子GNDとを接続している。なお、共振器間で接地端子GNDの一部または全部が共用される場合には、配線パターンPL13D,PL23Dに対応する電極が実質的に配置されない場合がある。
【0064】
また、図9の例では、共振器RC2のインダクタ経路の2つの線路の接続は、平板電極PL12と平板電極PL22とを接続する配線パターンPL52によって実現されている。なお、配線パターンPL52が配置される位置は図9の位置には限られず、配線パターンPL13D,PL23Dと異なる位置であれば任意の位置とすることができる。また、実施の形態1のように、キャパシタ電極PC2を配線パターンPL52として用いてもよい。
【0065】
このような構成においても、共振器RC1と共振器RC3との間の接続距離が、変形例のフィルタ装置100Xに比べて長くなる。したがって、図5の比較例のフィルタ装置100Xに比べて共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を弱めることができるので、所望の減衰特性を実現することができる。
【0066】
なお、配線パターンPL13DがビアV10とビアV20とを接続し、配線パターンPL23DがビアV21とビアV30とを接続する構成であってもよい。
【0067】
変形例4における「配線パターンPL13D」、「配線パターンPL52」および「配線パターンPL23D」は、本開示における「第1配線パターン」、「第2配線パターン」および「第3配線パターン」にそれぞれ対応する。
【0068】
(変形例5)
上述の実施の形態1および変形例1~4のフィルタ装置においては、共振器間を接続する配線パターンによって、キャパシタ電極に接続されるビア同士、あるいは、接地端子同士が接続される構成となっていた。変形例5においては、共振器間を接続する配線パターンによって、キャパシタ電極に接続されるビアと接地端子とが接続される構成について説明する。
【0069】
図10は、変形例5のフィルタ装置100Eの概略構成図である。フィルタ装置100Eにおいては、共振器RC2におけるインダクタ経路のY軸方向の配置が、実施の形態1のフィルタ装置100とは逆になっており、キャパシタ電極PC2に接続されるビアV20,V21が、接地端子GNDよりもY軸の正方向に配置されている。そして、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンPL13によって、共振器RC1のビアV10と、共振器RC2の第1線路の接地端子GNDとが接続されている。同様に、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23によって、共振器RC3のビアV30と、共振器RC2の第2線路の接地端子GNDとが接続されている。共振器RC2の第1線路および第2線路は、キャパシタ電極PC2によって接続されている。
【0070】
このような構成においても、共振器RC1と共振器RC3との間の接続距離が、変形例のフィルタ装置100Xに比べて長くなる。したがって、図5の比較例のフィルタ装置100Xに比べて共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を弱めることができるので、所望の減衰特性を実現することができる。
【0071】
なお、図10における共振器RC2の配置は、説明を容易にするための一例であり、同様の接続構成が実現できれば、当該配置には限定されない。たとえば、実施の形態1のフィルタ装置100の配置において、配線パターンPL13が、共振器RC1のビアV10と共振器RC2の接地端子GNDとを接続する構成であってもよい。あるいは、配線パターンPL13が、共振器RC1の接地端子GNDと共振器RC2のビアV20とを接続する構成であってもよい。
【0072】
(変形例6)
変形例6においては、共振器RC1および共振器RC2の接続態様と、共振器RC2および共振器RC3の接続態様が異なる場合の構成について説明する。
【0073】
図11は、変形例6のフィルタ装置100Fの概略構成図である。フィルタ装置100Fにおいては、共振器RC2の2つの線路を接続する配線パターンPL53と、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23とは、共振器RC2の平板電極PL22の同じ位置に接続されている。一方、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンPL13Fは、配線パターンPL53よりも下方側の誘電体層において、ビアV10とビアV20とを接続している。このような構成においても、比較例のフィルタ装置100Xの場合よりも、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度が弱くなるので、非通過帯域における減衰特性を向上させることができる。
【0074】
なお、図11の例においては、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンが、配線パターンPL53と異なる位置で共振器RC2と接続されていたが、これに代えて、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23が、配線パターンPL53と異なる位置で共振器RC2と接続される構成であってもよい。
【0075】
変形例6における「配線パターンPL13F」、「配線パターンPL53」および「配線パターンPL23」は、本開示における「第1配線パターン」、「第2配線パターン」および「第3配線パターン」にそれぞれ対応する。
【0076】
(変形例7)
実施の形態1および変形例1~6で説明した各フィルタ装置は、共振器間を接続する配線パターン、および、共振器RC2の2つの線路を接続する配線パターンの少なくとも1つが異なる誘電体層に配置される構成を有していた。変形例7においては、これらの配線パターンが同じ誘電体層に配置される構成について説明する。
【0077】
図12は、変形例7の第1例のフィルタ装置100Gの概略構成図である。また、図13は、変形例7の第2例のフィルタ装置100Hの概略構成図である。
【0078】
図12のフィルタ装置100Gにおいては、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンPL13、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23、および、共振器RC2の2つの線路を接続する配線パターンPL54は、比較例のフィルタ装置100Xと同じく、各共振器の平板電極PL11,PL12,PL21,PL22と同じ誘電体層に配置されている。しかしながら、フィルタ装置100Gの場合には、配線パターンPL13,PL23は、ビアV20およびビアV21において共振器RC2とそれぞれ接続されており、一方で共振器RC2の2つの線路を接続する配線パターンPL54は、2つの線路における接地端子GND同士を接続している。言い換えると、配線パターンPL13は共振器RC2の平板電極PL12上の異なる位置において配線パターンPL54と接続されており、配線パターンPL23は共振器RC2の平板電極PL22上の異なる位置において配線パターンPL54と接続されている。
【0079】
図13のフィルタ装置100Hにおいては、共振器RC1と共振器RC2とを接続する配線パターンPL13H、共振器RC2と共振器RC3とを接続する配線パターンPL23H、および、共振器RC2の2つの線路を接続する配線パターンPL55は、各共振器の平板電極PL11,PL12,PL21,PL22が配置される誘電体層よりも下方の同じ誘電体層に配置されている。ただし、配線パターンPL13H,PL23Hは、各共振器の接地端子GND同士を接続しており、一方配線パターンPL55は、共振器RC2のビアV20とビアV21とを接続している。
【0080】
以上のようなフィルタ装置100G,100Hのいずれの構成においても、比較例のフィルタ装置100Xよりも、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度が弱くなるので、減衰特性を向上させることができる。
【0081】
フィルタ装置100Gにおいては、「配線パターンPL13」、「配線パターンPL54」および「配線パターンPL23」が、本開示における「第1配線パターン」、「第2配線パターン」および「第3配線パターン」にそれぞれ対応する。また、フィルタ装置100Hにおいては、「配線パターンPL13H」、「配線パターンPL55」および「配線パターンPL23H」が、本開示における「第1配線パターン」、「第2配線パターン」および「第3配線パターン」にそれぞれ対応する。
【0082】
[実施の形態2]
上記の実施の形態1および変形例1~7においては、フィルタ装置が3段の共振器により構成される場合について説明したが、本開示の特徴は4段以上の共振器を有するフィルタ装置にも適用することが可能である。
【0083】
図14は、実施の形態2のフィルタ装置100Iにおける上面側の配線パターンの配置を説明するための平面図である。たとえば図4で示した積層体110のような場合には、図14は誘電体層LY2の平面図である。
【0084】
図14を参照して、当該誘電体層においては、略L字形状を有する帯状の平板電極PL1A,PL3Aの間に、略U字形状を有する帯状の平板電極PL2Aが配置されている。
【0085】
略L字形状の平板電極PL1Aの一方の端部E11には、共振器RC1を構成するビアV10が接続されている。平板電極PL1Aの屈曲部分には、接地ビアVG1が接続されている。平板電極PL1Aの他方の端部E12には、共振器RC2を構成するビアV20が接続されている。積層体110の下方の誘電体層において、ビアV10は、接地電極PG1とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極PC1に接続されており、接地ビアVG1には接地電極PG1が接続されている。また、ビアV20には、接地電極PG1とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極PC2が接続されている。
【0086】
略U字形状の平板電極PL2Aにおける一方の端部E21は、平板電極PL1Aの端部E12に隣接し、かつ離間して配置されている。平板電極PL2Aの端部E21には、共振器RC2を構成するビアV21が接続されている。当該ビアV21は、キャパシタ電極PC2に接続されている。
【0087】
平板電極PL2Aにおける2つの屈曲部分には、接地ビアVG2,VG3がそれぞれ接続されている。接地ビアVG2,VG3は、接地電極PG1に接続されている。平板電極PL2Aにおける他方の端部E22には、共振器RC3を構成するビアV30が接続されている。ビアV30には、接地電極PG1とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極PC3が接続されている。
【0088】
略L字形状の平板電極PL3Aの一方の端部E31には、共振器RC4を構成するビアV40が接続されている。平板電極PL3Aの屈曲部分には、接地ビアVG4が接続されている。平板電極PL3Aの他方の端部E32には、共振器RC3を構成するビアV31が接続されている。ビアV40には、接地電極PG1とともにキャパシタを構成するキャパシタ電極PC4が接続されており、接地ビアVG4には接地電極PG1が接続されている。また、ビアV31にはキャパシタ電極PC3が接続されている。
【0089】
このような構成においては、共振器RC2は、インダクタ経路として、キャパシタ電極PC2からビアV20,平板電極PL1Aおよび接地ビアVG1を介して接地電極PG1に至る第1線路、および、キャパシタ電極PC2からビアV21,平板電極PL2Aおよび接地ビアVG2を介して接地電極PG1に至る第2線路を有している。同様に、共振器RC3は、インダクタ経路として、キャパシタ電極PC3からビアV30,平板電極PL2Aおよび接地ビアVG3を介して接地電極PG1に至る第1線路、および、キャパシタ電極PC3からビアV31,平板電極PL3Aおよび接地ビアVG4を介して接地電極PG1に至る第2線路を有している。
【0090】
そして、共振器RC1は、平板電極PL1Aによって共振器RC2の第1線路に接続されている。共振器RC2の第2線路は、平板電極PL2Aによって共振器RC3の第1線路に接続されている。共振器RC3の第2線路は、平板電極PL3Aによって共振器RC4に接続されている。
【0091】
共振器RC1から共振器RC3への経路は、ビアV20,V21およびキャパシタ電極PC2を経由するため、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度は、平板電極PL1Aと平板電極PL2Aとを直接接続した場合よりも弱くなる。同様に、共振器RC2から共振器RC4への経路は、ビアV30,V31およびキャパシタ電極PC3を経由するため、共振器RC2と共振器RC4との間の磁気結合の結合度は、平板電極PL2Aと平板電極PL3Aとを直接接続した場合よりも弱くなる。なお、これとともに、共振器RC1と共振器RC4との間の結合度も、平板電極PL1A、平板電極PL2Aおよび平板電極PL3Aを直接接続した場合よりも弱くなる。
【0092】
したがって、実施の形態1の場合と同様に、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合、共振器RC2と共振器RC4との間の磁気結合、および共振器RC1と共振器RC4との間の磁気結合によって生じる減衰極の減衰量を増加させることが可能となる。
【0093】
なお、図14における接地ビアについては、実施の形態1のように、積層体の側面に配置された接地端子を用いることも可能である。
【0094】
実施の形態2における「共振器RC1」~「共振器RC4」は、本開示における「第1共振器」~「第4共振器」にそれぞれ対応する。実施の形態2において、ビアV20から接地ビアVG1を介して接地電極PG1に至る線路は、本開示における「第1線路」に対応する。実施の形態2において、ビアV21から接地ビアVG2を介して接地電極PG1に至る線路は、本開示における「第2線路」に対応する。実施の形態2において、ビアV31から接地ビアVG4を介して接地電極PG1に至る線路は、本開示における「第4線路」に対応する。実施の形態2において、ビアV30から接地ビアVG3を介して接地電極PG1に至る線路は、本開示における「第5線路」に対応する。
【0095】
(変形例8)
図15は、変形例8のフィルタ装置100Jの平面図である。フィルタ装置100Jにおいては、実施の形態2のフィルタ装置100Iにおける平板電極PL2Aと平板電極PL3Aとが接続され、共振器RC3においてキャパシタ電極PC3に接続されるビアが1つとされた構成となっている。すなわち、共振器RC2と共振器RC4とが、共通の平板電極PL2Bによって直接接続されており、共振器RC2と共振器RC4との間の磁気結合が強められた構成となっている。言い換えると、フィルタ装置100Jは、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合および共振器RC1と共振器RC4との間の磁気結合の結合度が弱められた構成となっている。
【0096】
したがって、フィルタ装置100Jにおいては、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合、および、共振器RC1と共振器RC4との間の磁気結合によって生じる減衰極の減衰量を増加させることが可能となる。
【0097】
(変形例9)
実施の形態2および変形例8のフィルタ装置においては、4つの共振器同士がすべて電極で接続されて磁気結合された構成の例について説明した。変形例9においては、4段の共振器を有するフィルタ装置において、3つの共振器が磁気結合しており、残りの1つの共振器は電磁界結合により結合する構成について説明する。
【0098】
図16は、変形例9のフィルタ装置100Kの平面図である。フィルタ装置100Kは、実施の形態2のフィルタ装置100Iにおける共振器RC3と共振器RC4とが非接続とされ、共振器RC3のビアV31が削除された構成に対応する。これにより、共振器RC3と共振器RC4との間の磁気結合がなくなり、共振器RC3と共振器RC4とは電磁界結合による結合となる。そのため、共振器RC4と、それ以外の共振器RC1~RC3との間の結合が弱くなる。
【0099】
なお、共振器RC1~RC3については、実施の形態2のフィルタ装置100Iと同様に、共振器RC2が、キャパシタ電極PC2から異なるビアを用いた2つの線路を有しており、各線路において共振器RC1または共振器RC3が接続される位置とは異なる位置で、当該2つの線路同士が接続された構成となっている。そのため、共振器RC1と共振器RC3との間の磁気結合の結合度を弱めることができる。
【0100】
なお、フィルタ装置100Kにおいては、共振器RC4が残りの共振器RC1~RC3と電磁界結合する構成について説明したが、それに代えて、共振器RC1が残りの共振器RC2~RC4と電磁界結合する構成としてもよい。
【0101】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0102】
(第1項)一態様に係るフィルタ装置は、複数の誘電体層を含む積層体と、積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、接地端子に接続された接地電極と、第1共振器~第3共振器と、第1配線パターンおよび第2配線パターンとを備える。第1共振器~第3共振器は、積層体の内部において、互いに磁気結合し、入力端子から出力端子への信号伝達経路に配置されている。第1共振器~第3共振器の各々は、キャパシタ電極と、インダクタ経路とを含む。キャパシタ電極は、接地電極に対向して配置され、接地電極とともにキャパシタを構成する。インダクタ経路は、当該キャパシタ電極と接地電極とを接続する。第2共振器のインダクタ経路は、第2共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含む。第1配線パターンは、第1共振器のインダクタ経路および第1線路を接続する。第3配線パターンは、第3共振器のインダクタ経路および第2線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路における第1配線パターンの接続位置とは異なる位置において、第1線路と第2線路とを接続する。
【0103】
(第2項)第1項に記載のフィルタ装置は、第3共振器のインダクタ経路および第2線路を接続する第3配線パターンをさらに備える。第2配線パターンは、第2線路上における第3配線パターンの接続位置とは異なる位置において、第1線路と第2線路とを接続している。
【0104】
(第3項)第1項または第2項に記載のフィルタ装置において、第2配線パターンは、第2共振器のキャパシタ電極である。
【0105】
(第4項)第2項に記載のフィルタ装置において、第1線路および第2線路の各々は、キャパシタ電極に接続された第1電極と、接地電極に接続された第2電極と、当該第1電極と当該第2電極とを接続する平板電極とを含む。
【0106】
(第5項)第4項に記載のフィルタ装置において、第1配線パターンは、第1線路の平板電極に接続されている。第2配線パターンは、第1線路の第1電極および第2線路の第1電極に接続されている。第3配線パターンは、第2線路の平板電極に接続されている。
【0107】
(第6項)第4項に記載のフィルタ装置において、第1配線パターンは、第1線路の第1電極に接続されている。第2配線パターンは、第1線路の平板電極および第2線路の平板電極に接続されている。第3配線パターンは、第2線路の第1電極に接続されている。
【0108】
(第7項)第4項に記載のフィルタ装置において、第2配線パターンは、第2共振器のキャパシタ電極と、第1線路および第2線路の平板電極との間の誘電体層に配置されている。フィルタ装置は、第2共振器のキャパシタ電極と第2配線パターンとを接続する第3電極をさらに備える。第1線路の第1電極は、第2配線パターンおよび第1線路の平板電極に接続されている。第1線路の第2電極は、第2配線パターンおよび第2線路の平板電極に接続されている。
【0109】
(第8項)第7項に記載のフィルタ装置において、第1配線パターンは、第1線路の第1電極に接続されている。第3配線パターンは、第2線路の第1電極に接続されている。
【0110】
(第9項)第7項に記載のフィルタ装置において、第1配線パターンは、第1線路の平板電極に接続されている。第3配線パターンは、第2線路の平板電極に接続されている。
【0111】
(第10項)第1項~第9項のいずれか1項に記載のフィルタ装置は、第3共振器と磁気結合項または第電磁結合するように配置された第4共振器をさらに備える。
【0112】
(第11項)一態様に係るフィルタ装置は、複数の誘電体層を含む積層体と、積層体に配置された入力端子、出力端子および接地端子と、接地端子に接続された接地電極と、第1共振器~第4共振器と、第1配線パターンと、第2配線パターンと、第4配線パターンと、第5配線パターンとを備える。第1共振器~第4共振器は、積層体の内部において、互いに磁気結合し、入力端子から出力端子への信号伝達経路に配置されている。第1共振器~第4共振器の各々は、キャパシタ電極と、インダクタ経路とを含む。キャパシタ電極は、接地電極に対向して配置され、接地電極とともにキャパシタを構成する。インダクタ経路は、当該キャパシタ電極と接地電極とを接続する。第2共振器のインダクタ経路は、第2共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第1線路および第2線路を含む。第3共振器のインダクタ経路は、第3共振器のキャパシタ電極と接地電極との間において、電気的に並列接続された第4線路および第5線路を含む。第1配線パターンは、第1共振器のインダクタ経路および第1線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路および第2線路を接続する。第3配線パターンは、第2線路および第5線路を接続する。第4配線パターンは、第4共振器のインダクタ経路および第4線路を接続する。第5配線パターンは、第4線路および第5線路を接続する。第2配線パターンは、第1線路上の、第1配線パターンとは異なる位置において、第1線路と第2線路とを接続している。第5配線パターンは、第4線路上の、第4配線パターンとは異なる位置において、第4線路と第5線路とを接続している。
【0113】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
10 通信装置、12 アンテナ、20 高周波フロントエンド回路、PC21~PC23,PL1~PL3,PL11,PL12,PL1A,PL1X,PL21,PL22,PL20X,PL2A,PL2B,PL3A 平板電極、22,28 バンドパスフィルタ、24 増幅器、26 減衰器、30 ミキサ、32 局部発振器、40 D/Aコンバータ、50 RF回路、100,100A~100K,100X フィルタ装置、110 積層体、111 上面、112 下面、113,114 側面、AR1,AR2 領域、C1~C3 キャパシタ、DM 方向性マーク、E11,E12,E21,E22,E31,E32 端部、GND 接地端子、L11,L12,L21,L22,L31,L32 インダクタ、LY1~LY6 誘電体層、N1~N3 接続ノード、PC1~PC4,PC2A キャパシタ電極、PG1 接地電極、PL13,PL13D,PL13F,PL13H,PL23,PL23D,PL23H,PL50~PL55 配線パターン、RC1~RC4 共振器、T0~T2 端子、V10,V20,V20C,V20X,V21,V21C,V22,V25,V30,V31,V35,V40 ビア、VG1~VG4 接地ビア。
図1
図2
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