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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113874
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20240816BHJP
   F24F 6/02 20060101ALI20240816BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20240816BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20240816BHJP
【FI】
F24F6/00 B
F24F6/02 B
F24F8/22
F24F8/80 400
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019129
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】591239003
【氏名又は名称】株式会社SANKA
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】神子島 岩男
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055AA07
3L055BC01
3L055CA04
3L055DA11
(57)【要約】
【課題】UVランプで効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプを適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置を提供すること。
【解決手段】加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプを、下方から上方に直線的に案内する非蛇行上下方向案内路部の上部であって且つ案内誘導整流させる広大空間案内路部の上部に配設した加湿装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクから随時補給される加熱用水槽部の水が加熱部により加熱されて水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
この水蒸気発生部で発生する前記水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気が装置機体上部の吹き出し部に蛇行案内誘導されて冷却される蛇行案内路部と、
この蛇行案内路部により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気を、前記装置機体外へ放出させる前記吹き出し部と
前記蛇行案内路部内を蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプと、が備えられている構成である加湿装置であって、
前記蛇行案内路部に前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する非蛇行上下方向案内路部が設けられているとともに、この非蛇行上下方向案内路部の上部と連通しこの非蛇行上下方向案内路部の下部より横方向または前後方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つこの非蛇行上下方向案内路部を上昇してくる前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部が設けられていて、
前記非蛇行上下方向案内路部の上部であって前記広大空間案内路部の上部に、下方に紫外線を照射して前記非蛇行上下方向案内路部を上昇してくる前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプが配設されていて、
前記広大空間案内路部の上部と前記吹き出し部とが連通されている構成であることを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部に、前記蛇行案内路部が設けられていて、
この蛇行案内路部の下部に、前記加熱用水槽部と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部非蛇行上下方向案内路部と、この下部非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を蛇行案内誘導する途中蛇行案内路部とが設けられていて、
前記蛇行案内路部の上部に、前記途中蛇行案内路部に連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記非蛇行上下方向案内路部が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項3】
前記非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部は、縦方向に比べて横方向または前後方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていて、この広大空間案内路部の端部の上部に前記吹き出し部が連通状態に配設されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項4】
前記非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部は、横方向または前後方向に比べて縦方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項5】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部、またはこの加熱用水槽部と前記蛇行案内路部との間の案内路部、またはこの蛇行案内路部の下部に、送風部により前記装置機体外から導入される外気と前記水蒸気とが混合され冷却される混合冷却部が設けられ、前記外気が前記装置機体内に導入され前記混合冷却部に送風案内誘導されて前記水蒸気と混合されて前記水蒸気が冷却され、この外気と混合され冷却される前記水蒸気または水滴を含む加湿用混合気である前記加湿用水蒸気は、前記蛇行案内路部により上部へ蛇行案内誘導されこの間でさらに冷却され、前記吹き出し部から前記装置機体外へ放出される構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気式(スチーム式)の加湿装置(加湿器)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで様々な方式の加湿器が開発されているが、ヒーターで水を加熱して水蒸気を発生させ、この水蒸気や水滴(霧)を含む加湿用水蒸気を噴出(放出)させて室内を加湿する蒸気式加湿器は、その加湿能力が高く好評である。
【0003】
このような蒸気式加湿器において、出願人は、特許文献1に示すように、送風装置や外気混合構造や蛇行案内構造などを施して外気と混合した加湿用水蒸気を冷却し送風放出することで、室内を安全にして短時間広範囲に衛生的な加湿用水蒸気で万遍なく加湿できる蒸気式加湿器を開発した。
【0004】
またさらにこのような蒸気式加湿器は、加湿能力が高く、煮沸消毒効果もあり衛生的ではあるが、前述のように外気を取り込んで混合し蛇行案内路部により十分に冷却する構成とする場合には、さらに前記加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果あるいは抗菌効果を付与するUVランプを設けることが望ましい。
【0005】
しかし、単に案内路部内に向けて紫外線を照射するだけではその効果が十分期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-116878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題をも解決するもので、水蒸気発生部で多量に生成される高温の水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気を吹き出し部(噴出口)に蛇行案内誘導して冷却し装置機体外に放出させることができるとともに、さらにUVランプを設けて装置機体外に放出する前の加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、またさらにこのUVランプを、加湿用水蒸気が上昇してくる非蛇行上下方向案内路部の上部であって案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部の上部に配設した構成とすることで、UVランプで効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプを上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
本発明は、タンク1から随時補給される加熱用水槽部2の水が加熱部により加熱されて水蒸気を発生させる水蒸気発生部3と、この水蒸気発生部3で発生する前記水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気が装置機体上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されて冷却される蛇行案内路部5と、この蛇行案内路部5により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気を、前記装置機体外へ放出させる前記吹き出し部4と前記蛇行案内路部5内を蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプ6と、が備えられている構成である加湿装置であって、前記蛇行案内路部5に前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する非蛇行上下方向案内路部7が設けられているとともに、この非蛇行上下方向案内路部7の上部と連通しこの非蛇行上下方向案内路部7の下部より横方向または前後方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つこの非蛇行上下方向案内路部7を上昇してくる前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部8が設けられていて、前記非蛇行上下方向案内路部7の上部であって前記広大空間案内路部8の上部に、下方に紫外線を照射して前記非蛇行上下方向案内路部7を上昇してくる前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプ6が配設されていて、前記広大空間案内路部8の上部と前記吹き出し部4とが連通されている構成であることを特徴とする加湿装置に係るものである。
【0010】
また前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部に、前記蛇行案内路部5が設けられていて、この蛇行案内路部5の下部に、前記加熱用水槽部2と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部非蛇行上下方向案内路部9と、この下部非蛇行上下方向案内路部9の上部と連通し横方向または前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を蛇行案内誘導する途中蛇行案内路部10とが設けられていて、前記蛇行案内路部5の上部に、前記途中蛇行案内路部10に連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記非蛇行上下方向案内路部7が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0011】
また前記非蛇行上下方向案内路部7の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部8は、縦方向に比べて横方向または前後方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部7の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部7の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていて、この広大空間案内路部8の端部の上部に前記吹き出し部4が連通状態に配設されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0012】
また前記非蛇行上下方向案内路部7の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部8は、横方向または前後方向に比べて縦方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部7の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部7の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0013】
また前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部、またはこの加熱用水槽部2と前記蛇行案内路部5との間の案内路部、またはこの蛇行案内路部5の下部に、送風部11により前記装置機体外から導入される外気と前記水蒸気とが混合され冷却される混合冷却部12が設けられ、前記外気が前記装置機体内に導入され前記混合冷却部12に送風案内誘導されて前記水蒸気と混合されて前記水蒸気が冷却され、この外気と混合され冷却される前記水蒸気または水滴を含む加湿用混合気である前記加湿用水蒸気は、前記蛇行案内路部5により上部へ蛇行案内誘導されこの間でさらに冷却され、前記吹き出し部4から前記装置機体外へ放出される構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【0014】
また前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2と前記吹き出し部4との間に設ける前記蛇行案内路部5は、前記装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な管パーツ13からなる構成とされていて分解掃除自在な構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、水蒸気発生部で多量に生成される高温の水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気を吹き出し部(噴出口)に蛇行案内誘導して冷却し装置機体外に放出させることができるとともに、さらにUVランプを設けて装置機体外に放出する前の加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、またさらにこのUVランプを、加湿用水蒸気が上昇してくる非蛇行上下方向案内路部の上部であって案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部の上部に配設した構成とすることで、UVランプで効率よく効果的に放出前の加湿用水蒸気に殺菌効果や抗菌効果を付与できる上に、このUVランプを上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与でき、常にきわめて衛生的な加湿用水蒸気を放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1の概略構成外観図である。
図2】実施例1の正面から見た説明図である。
図3】実施例1の側面から見た説明断面図である。
図4】実施例1の要部の下部から見た説明斜視断面図である。
図5】実施例2の概略構成外観図である。
図6】実施例2の正面から見た説明図である。
図7】実施例2の側面から見た説明断面図である。
図8】実施例2の要部の下部から見た説明斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0018】
装置機体内の水蒸気発生部3で多量の水蒸気が発生する。すなわち、タンク1から随時補給される水蒸気発生部3の加熱用水槽部2の水は、たとえば加湿量を高めるため高出力ヒーターを採用した加熱部で加熱され短時間で多量の水蒸気が生成され、上部の吹き出し部4へと案内誘導される。
【0019】
この水蒸気発生部3で発生する水蒸気の放出量(加湿量)は多量であり高温であるが、たとえば送風部11により装置機体外から引き込み導入される外気と混合冷却部12で混合され冷却され、さらにこの混合冷却部12で発生する多量の水蒸気または水滴(霧)を含む加湿用水蒸気(加湿用混合気)は、蛇行案内路部5により上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されるがその間でも冷却される。
【0020】
すなわち、この蛇行案内路部5により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気は、たとえば前記外気との混合とこの蛇行案内により、たとえば案内路長が長くなるだけでなく内面に衝突する蛇行案内誘導により、十分に冷却される(たとえば70度以下の安全な温度に低下した状態となる)。そしてこの安全な温度に冷却された加湿用水蒸気(加湿用混合気)は、上部の吹き出し部4からたとえば前記送風部11の送風により装置機体外へ送風飛散されることとなる。
【0021】
このようにしてたとえば送風部11により衛生的な加湿用水蒸気を短時間にして広範囲に送風飛散でき、室内を容易にして万遍なく加湿できることとなる。
【0022】
またしかも本発明は、この装置機体外に放出する加湿用水蒸気に紫外線を照射して殺菌効果や抗菌効果を付与し高めるUVランプを設けているから、さらに衛生的である。
【0023】
その上、本発明は単に蛇行案内路部5の上部にこのUVランプを設けるだけでなく、加湿用水蒸気が上昇してくる非蛇行上下方向案内路部7の上部であって案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部8の上部に配設した構成としている。
【0024】
そのため、直線的に上昇案内してくる加湿用水蒸気に紫外線を上方から下方に向けて照射するから、常に長期に加湿用水蒸気に紫外線を照射でき、また広大空間案内路部8で整流されるまたは停留する加湿用水蒸気にも上方から照射するため、さらに一層常に長期に紫外線を照射できることになるから、UVランプで効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与することができる。
【0025】
そしてさらに、本発明ではこのUVランプを上記適所に配設する簡易な構成で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、蛇行冷却しつつもきわめて衛生的な加湿用水蒸気を放出できることとなる優れた蒸気式の加湿装置となるものである。
【実施例0026】
本発明の具体的な実施例1について図1図4に基づいて説明する。
【0027】
本実施例では、取り換え補給自在なカートリッジ式タンク1から補給路を介して水が随時補給される加熱用水槽部2に、この水槽部2内の水を短時間で加熱して多量の水蒸気を発生させる高出力ヒーターを加熱部として底部に設けた水蒸気発生部3を、装置機体の下部に設けた構成としている。
【0028】
また、この水蒸気発生部3で発生する水蒸気が装置機体外から、外気導入用兼送風用の送風装置(送風部11)により引き込み導入される外気と混合され冷却される混合冷却部12を、この水蒸気発生部3の上部に設けた構成としている。
【0029】
本実施例では、この混合冷却部12を、前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部、すなわちこの加熱用水槽部2と上部の蛇行案内路部5との間の広大空間案内路部(蛇行案内路部5の基部ともいえる)に設けた構成としている。
【0030】
具体的には、装置機体の下部の水蒸気発生部3の側部に、前記送風部11(ファン)を設け、この送風部11により外気を装置機体内に引き込むとともに送風して、この外気が外気案内路を介して水蒸気発生部3の加熱用水槽部2の下部あるいは側部をまわってこの加熱用水槽部2の上部の前記混合冷却部12に案内送風され水蒸気と混合する構成としている。
【0031】
すなわち、本実施例では、この広大空間案内路部である混合冷却部12内に送風導入された外気と水蒸気とがここで混合撹拌され、水蒸気は冷却され、この外気と混合され冷却された前記水蒸気または水滴(霧)を含む加湿用混合気(加湿用水蒸気)は、この混合冷却部12が下部と連通する蛇行案内路部5に送風案内誘導され、そして上部の吹き出し部4へと蛇行案内誘導され、その間でもさらにこの加湿用水蒸気は冷却され、上部の吹き出し部4から外方へ送風飛散される構成としている。
【0032】
さらに説明すれば、本実施例は、水蒸気発生部3の上部の混合冷却部12で、多量に発生する高温の水蒸気に外気が、この外気の送風導入により撹拌接触して冷却されるとともに、この水蒸気または水滴を含む外気混合の加湿用水蒸気を生じさせて、これが蛇行案内路部5により上部の吹き出し部4に蛇行案内誘導されることで、この間でさらに冷却される構成とし、この蛇行案内誘導され冷却された前記加湿用水蒸気を上部の吹き出し部4から前記送風部11の送風力により送風飛散させる構成としている。
【0033】
また、本実施例の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2と前記吹き出し部4との間に設ける前記蛇行案内路部11は、単に上方に案内する直管状とせずに、蛇行あるいは迂回案内する蛇行案内管状に構成している。具体的には加湿用水蒸気を横方向または前後方向に案内したり管路を狭めたりした構成として蛇行部分を形成し加湿用水蒸気が管内面に衝突するような天面部や傾斜面部を形成して、管路長が長くなるだけでなくこの内面衝突により温度低下が十分に生じるように構成している。
【0034】
また本実施例では、このように構成した蛇行案内管状の蛇行案内路部5を、装置機体のパネルを外して内部から取り出し自在または露出自在で、且つ装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な樹脂製管パーツ13からなる樹脂製の誘導管で構成して、これらパーツ分解により分解掃除自在な構成とし、良好に衛生を保てる構成としている。
【0035】
また本実施例の前記蛇行案内路部5は、上部に前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する非蛇行上下方向案内路部7を設け、この非蛇行上下方向案内路部7の上部(上半部)と連通しこの非蛇行上下方向案内路部7の下部より前後幅が後方に長く路容積が大きい広大空間であって、且つこの非蛇行上下方向案内路部7を上昇してくる前記加湿用水蒸気をこの広大空間で案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部8を設けた構成とし、この上部(広大空間案内路部8の先端部上部)に、加湿用水蒸気を装置機体外に放出する前記吹き出し部4を連通状態に配設した構成としている。
【0036】
そして本実施例では、この直線的に上昇案内する非蛇行上下方向案内路部7の最上部であって広大空間案内路部8の基部上部に、下方に紫外線を照射して前記非蛇行上下方向案内路部7を上昇してくる前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプ6を配設した構成としている。
【0037】
さらに説明すると、装置機体の下部の前記水蒸気発生部3の前記加熱用水槽部2の上部に外気と水蒸気とが混合する前記混合冷却部12の上部に連通状態に前記蛇行案内路部5を設けた構成としている。
【0038】
そして本実施例では、この蛇行案内路部5の下部に、前記加熱用水槽部2の上部の広大空間路部である前記混合冷却部12と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部非蛇行上下方向案内路部9と、この下部非蛇行上下方向案内路部9の上部と連通し前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を水平蛇行案内誘導する途中蛇行案内路部10とを設け、さらにこの上部すなわち蛇行案内路部5の上部に、前記途中蛇行案内路部10の端部と連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記非蛇行上下方向案内路部7を設け、この非蛇行上下方向案内路部7の上部と連通し後方向に伸びる前記広大空間案内路部8を設けた構成としている。
【0039】
また本実施例のこの広大空間案内路部8は、縦方向に比べて前後方向が後方に長くあるいは同等でも非蛇行上下方向案内路部7と合わせると前後方向に長くこの非蛇行上下方向案内路部7の下部の路容積より大きい広大空間に設定した構成であり、この広大空間案内路部8の後方端部の上部に折り返し蛇行案内部を介して前記吹き出し部4を連通状態に配設した構成としている。
【0040】
したがって本実施例では、前記蛇行案内路部5内を蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプ6を単に蛇行案内路部5の上部に設けるのではなく、このUVランプ6をこの非蛇行上下方向案内路部7の最上部であって広大空間案内路部8の最基部上部に設けた構成としている。
【0041】
さらに本実施例では、このUVランプ6を広大空間案内路部8の上部に沿って前後方向の後方に向けて非蛇行上下方向案内路部7の前後方向幅と同等以上に突設した構成としている。
【0042】
したがって、本実施例では単に蛇行案内路部5の上部にこのUVランプを設けた構成でなく、加湿用水蒸気が上昇してくる非蛇行上下方向案内路部7の上部であって案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部8の上部に配設した構成であるため、直線的に上昇案内してくる加湿用水蒸気に紫外線を上方から下方に向けて照射するから、常に長期に加湿用水蒸気に紫外線を照射でき、また広大空間案内路部8で整流されるまたは停留する加湿用水蒸気にも上方から照射するため、さらに一層常に長期に紫外線を照射できることになるから、UVランプ6で効率よく効果的に殺菌効果や抗菌効果を付与し高めることができ、蛇行冷却しつつもきわめて衛生的な加湿用水蒸気を放出できることとなるものである。
【実施例0043】
また本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0044】
本実施例では、実施例1と同様な構成であるが、前記非蛇行上下方向案内路部7の上部と連通し前後方向に伸びる前記広大空間案内路部8は、前方向に伸びこの前後方向に比べて縦方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部7の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部7の下部より路容積が大きい広大空間に設定した構成であり、本実施例では、前記UVランプ6をこの非蛇行上下方向案内路部7の最上部であって縦長の広大空間案内路部8の最上部に設けた構成とし、さらに本実施例では非蛇行上下方向案内路部7の横方向に突設した構成としている。
【0045】
したがって、この実施例2も実施例1と同様の作用効果を果たす。
【0046】
尚、本発明は、本実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0047】
1 タンク
2 加熱用水槽部
3 水蒸気発生部
4 吹き出し部
5 蛇行案内路部
6 UVランプ
7 非蛇行上下方向案内路部
8 広大空間案内路部
9 下部非蛇行上下方向案内路部
10 途中蛇行案内路部
11 送風部
12 混合冷却部
13 管パーツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクから随時補給される加熱用水槽部の水が加熱部により加熱されて水蒸気を発生させる水蒸気発生部と、
この水蒸気発生部で発生する前記水蒸気または水滴を含む加湿用水蒸気が装置機体上部の吹き出し部に蛇行案内誘導されて冷却される蛇行案内路部と、
この蛇行案内路部により蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気を、前記装置機体外へ放出させる前記吹き出し部と
前記蛇行案内路部内を蛇行案内誘導される前記加湿用水蒸気に紫外線を照射するUVランプと、が備えられている構成である加湿装置であって、
前記蛇行案内路部に前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する非蛇行上下方向案内路部が設けられているとともに、この非蛇行上下方向案内路部の上部と連通しこの非蛇行上下方向案内路部の下部より横方向または前後方向の幅が長く路容積が大きい広大空間であって且つこの非蛇行上下方向案内路部を上昇してくる前記加湿用水蒸気を案内誘導整流または案内誘導滞留させる広大空間案内路部が設けられていて、
前記非蛇行上下方向案内路部の上部であって前記広大空間案内路部の上部に、下方に紫外線を照射して前記非蛇行上下方向案内路部を上昇してくる前記加湿用水蒸気に紫外線を照射する前記UVランプが配設されていて、
前記広大空間案内路部の上部と前記吹き出し部とが連通されている構成であることを特徴とする加湿装置。
【請求項2】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部に、前記蛇行案内路部が設けられていて、
この蛇行案内路部の下部に、前記加熱用水槽部と連通し前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する下部非蛇行上下方向案内路部と、この下部非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸び前記加湿用水蒸気を蛇行案内誘導する途中蛇行案内路部とが設けられていて、
前記蛇行案内路部の上部に、前記途中蛇行案内路部に連通状態にして前記加湿用水蒸気を下方から上方に直線的に案内する前記非蛇行上下方向案内路部が設けられている構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項3】
前記非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部は、縦方向に比べて横方向または前後方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていて、この広大空間案内路部の端部の上部に前記吹き出し部が連通状態に配設されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項4】
前記非蛇行上下方向案内路部の上部と連通し横方向または前後方向に伸びる前記広大空間案内路部は、横方向または前後方向に比べて縦方向が同等もしくは長く前記非蛇行上下方向案内路部の上部を含めてこの非蛇行上下方向案内路部の下部より路容積が大きい広大空間に設定されていることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項5】
前記装置機体の下部の前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部の上部、またはこの加熱用水槽部と前記蛇行案内路部との間の案内路部、またはこの蛇行案内路部の下部に、送風部により前記装置機体外から導入される外気と前記水蒸気とが混合され冷却される混合冷却部が設けられ、前記外気が前記装置機体内に導入され前記混合冷却部に送風案内誘導されて前記水蒸気と混合されて前記水蒸気が冷却され、この外気と混合され冷却される前記水蒸気または水滴を含む加湿用混合気である前記加湿用水蒸気は、前記蛇行案内路部により上部へ蛇行案内誘導されこの間でさらに冷却され、前記吹き出し部から前記装置機体外へ放出される構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
【請求項6】
前記水蒸気発生部の前記加熱用水槽部と前記吹き出し部との間に設ける前記蛇行案内路部は、前記装置機体の分離または開閉に際して分離連結自在な管パーツからなる構成とされていて分解掃除自在な構成であることを特徴とする請求項1記載の加湿装置。