(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113878
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】液体用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/06 20060101AFI20240816BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20240816BHJP
B65D 33/01 20060101ALI20240816BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20240816BHJP
B65D 51/16 20060101ALI20240816BHJP
B65D 47/30 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B65D77/06 C
B65D30/10 B
B65D33/01
B65D5/02 K
B65D51/16 100
B65D47/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019135
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】522475409
【氏名又は名称】株式会社AKAMATSU
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】赤松 重秀
【テーマコード(参考)】
3E060
3E064
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB02
3E060BA03
3E060BB07
3E060BC02
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE12
3E060CE13
3E060CE18
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA14
3E060DA17
3E060DA23
3E060EA03
3E060EA20
3E064AB03
3E064AD26
3E064BA26
3E064BC04
3E064EA21
3E064EA30
3E064FA04
3E064HD01
3E064HE02
3E064HE03
3E064HM01
3E064HM02
3E064HN65
3E064HR01
3E064HS07
3E067AA03
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA06C
3E067BA12B
3E067BB02C
3E067BB15B
3E067BC07B
3E067CA07
3E067EB32
3E067EB33
3E067EB34
3E067EE50
3E067EE59
3E067FA04
3E067FB15
3E067FC01
3E084AA05
3E084AA12
3E084AA25
3E084AB01
3E084BA03
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084GB17
3E084KA06
3E084KB01
3E084LA15
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】
保管スペースを無駄なく利用でき、しかも収容された水を食器等の洗浄、手洗い等にも容易に使用することが可能な液体用容器を提供する。
【解決手段】
液体用容器1を流し台Kに載せて、コック22aがシンクKaに臨む状態とする。蓋体22のコック22aを回動させることで吐出口19を開閉できるので、水道の蛇口と同様に使用することが可能である。よって、収容された水を食器等の洗浄、手洗い等にも容易に使用することができる。また、容器本体13内の銀イオン水を使い切った後は蓋体23を外して、やかんYなどを用いて水を給液口15から入れる。従って、液体用容器1は当初入れられていた銀イオン水を使い切った後においても水道の蛇口と同様に使用することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性を有し多段に積むことが可能な外箱と、前記外箱に収容され前記外箱の内部空間形状に沿った形状に形成された柔軟性を有する貯水可能な容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ開閉することができる給液口と、前記容器本体の側面に設けられ開閉することができる吐出口と、前記外箱の上面に形成され前記給液口を露出させることができる露出用穴と、前記外箱の側面に形成され前記吐出口を露出させることができる露出用穴を具備することを特徴とする液体用容器
【請求項2】
請求項1に記載した液体用容器において、外箱には給液口と吐出口を露出させる露出用穴が設けられ、前記露出用穴は保管時には閉じた状態となっており、使用時に開いた状態とすることを特徴とする液体用容器
【請求項3】
請求項1または2に記載した液体用容器において、保管時に吐出口を閉鎖する閉鎖用の蓋体が取り付けられ、使用時に前記閉鎖用の蓋体に替えて開閉コック付きの蓋体が取り付けられることを特徴とする液体用容器
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した液体用容器において、給液口を閉鎖する蓋体は容器本体に空気を流入させることができる空気流入穴が設けられ、前記空気流入穴は保管時では閉じた状態となっており、使用時に開いた状態とすることを特徴とする液体用容器
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した液体用容器において、外箱は段ボール製であることを特徴とする液体用容器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水等を収容する液体用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
災害時等の非常時に備えて飲料水等が備蓄されているが、その殆どはペットボトルに入れられたものである。ペットボトルは所定本数ずつ段ボール箱等に収容されて包装され、その状態で倉庫等に複数個積み上げて保管される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、段ボール箱に収容されたペットボトルどうしの間には隙間があるため保管スペースを完全に利用できないという問題がある。
また、非常時において水は飲用のみならず、食器等の洗浄、手洗い等にも必要であるが、ペットボトル入りのものでは食器等の洗浄、手洗い等に使用し難い。
更に空になったペットボトルに水を入れて使用する場合も想定されるが、ペットボトル1本毎に水を入れる作業は手間がかかり面倒である。
また、特許文献1に開示された非常時に水を収容して用いる液体の運搬袋があるが、この運搬袋の給排水口は袋の上部に設けられているため水を排出する際には運搬袋を持ち上げて傾ける必要があり、一人で食器等の洗浄、手洗い等に用いることは殆ど不可能である。
本発明は、上記従来の問題点に着目して為されたものであり、保管スペースを無駄なく利用でき、しかも収容された水を食器等の洗浄、手洗い等にも容易に使用することが可能な液体用容器の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、剛性を有し多段に積むことが可能な外箱と、前記外箱に収容され前記外箱の内部空間形状に沿った形状に形成された柔軟性を有する貯水可能な容器本体と、前記容器本体の上面に設けられ開閉することができる給液口と、前記容器本体の側面に設けられ開閉することができる吐出口と、前記外箱の上面に形成され前記給液口を露出させることができる露出用穴と、前記外箱の側面に形成され前記吐出口を露出させることができる露出用穴を具備することを特徴とする液体用容器である。
【0006】
好ましくは、外箱には給液口と吐出口を露出させる露出用穴が設けられ、前記露出用穴は保管時には閉じた状態となっており、使用時に開いた状態とすることを特徴とする液体用容器である。
【0007】
好ましくは、保管時に吐出口を閉鎖する閉鎖用の蓋体が取り付けられ、使用時に前記閉鎖用の蓋体に替えて開閉コック付きの蓋体が取り付けられることを特徴とする液体用容器である。
【0008】
好ましくは、外箱は段ボール製であることを特徴とする液体用容器である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液体用容器によれば、保管スペースを無駄なく利用できる。
また、収容された水等の液体を食器等の洗浄、手洗い等にも容易に使用することが可能となる。
更に、水等の液体を補充する作業を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る液体用容器の斜視図である。
【
図2】
図1の液体用容器を構成する容器本体の斜視図である。
【
図3】
図1の液体用容器の外箱に形成される易破断部の構成及び使用方法を説明するための図である。
【
図4】
図1の液体用容器の使用方法を説明するための斜視図である。
【
図5】
図1の液体用容器を流し台に置いて使用する状態を説明するための斜視図である。
【
図6】
図1の液体用容器を流し台に置いて使用する状態を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る液体用容器1を図面にしたがって説明する。
符号3は段ボールによって構成された外箱を示し、この外箱3は高さ寸法300mm、幅・奥行寸法300mmの立方体に形成されている。
外箱3は角筒状の本体3a、この本体3aの上端部の
図1において前後方向の互いに対向する部位には内フラップ3b、3cが設けられ、左右方向の互いに対向する部位には外フラップ3d、3eが設けられている。
本体3aの下端部にも内フラップ3b、3c、外フラップ3d、3eが上端部側と同様に設けられているが図示を省略する。
【0012】
外箱3の上面を構成する外フラップ3eの中央部分には、後述するように露出用穴5を形成するためのミシン目からなる易破断部7が形成されている。
図3に拡大して示すように易破断部7は八角形部7a、この八角形部7aに連なり左右方向へ向かって斜め上方へ延びる傾斜部7b、7c、八角形部7aの上辺の中心から上方へ垂直の延びる垂直部7d、垂直部7dの上端に連なり左右方向へ水平に延びる水平部7eからなる。
【0013】
外箱3の
図1において前面(側面)の下端部の左右方向中心部分には、後述するように露出用穴9を形成するための易破断部11が形成されている。
易破断部11は形成された部位が異なるのみで、易破断部7と実施的に同様の構成なので、易破断部7の説明で用いた符号を付して、その説明を省略する。
【0014】
外箱3には容器本体13が収容されており、この容器本体13は外箱3の内部空間形状に沿った形状に形成され柔軟性を有するポリエチレン系の合成樹脂によって構成されている。容器本体13は貯水可能であり、その上面の
図2において左寄りの前後方向の中央部分には容器本体13の内部に連通する筒状部14が取り付けられ、この筒状部14の開口が給液口15となっている。筒状部14の外周部の先端部分には雄ネジ(図示せず)が形成されている。また、筒状部14の外周部にはフランジ14b、14cが間隔を開けて設けられている。
筒状部14は凹部16の中心部分に備えられているので、筒状部14の上端は容器本体13の上面と略同じ高さとなっている。
【0015】
符号17は蓋体を示し、この蓋体17の内周部には雌ネジ(図示せず)が形成されている。この蓋体17の雌ネジが筒状部14の雄ネジに螺合することで蓋体17が筒状部14に取り付けられて給液口15が閉じられる。従って、給液口15は蓋体17によって開閉することができるようになっている。
【0016】
また、容器本体13の前面下部の左右方向中央部分には、容器本体13の内部に連通する筒状部18が取り付けられ、この筒状部18の開口が吐出口19となっている。筒状部18は取り付けられた部位が異なるのみで、筒状部14と実施的に同様の構成なので、筒状部18については筒状部14の説明で用いた符号を付して、その説明を省略する。
筒状部18は凹部20の中心部分に備えられているので、筒状部18の上端は容器本体13の前面と略同じ高さとなっている。
【0017】
符号21は蓋体を示し、この蓋体21の内周部には雌ネジ(図示せず)が形成されている。この蓋体21の雌ネジが筒状部18の雄ネジ(図示せず)に螺合することで蓋体21が筒状部18に取り付けられて吐出口19が閉じられる。従って、吐出口19は蓋体21によって開閉することができるようになっている。
【0018】
符号22はコック22a付きの蓋体を示し、このコック付きの蓋体22の内周部には雌ネジ(図示せず)が形成されている。この蓋体22の雌ネジが筒状部18の雄ネジに螺合することで蓋体22が筒状部18に取り付けられると吐出口19が閉じられる。また、コック22aを回動させることで吐出口19を開閉できるようになっている。
【0019】
外箱3の底面側の内フラップ3b、3c、更に外フラップ3d、3eを閉じて図示しない粘着テープによって固定する。
そして、筒状部18に蓋体21を取り付けて吐出口19を閉じた状態とした容器本体13を外箱3の上面側の開口から入れる。次いで、給液口15から銀イオン水を注入して、蓋体17の雌ネジを給液口15の雄ネジに螺合して締める。これにより給液口15が閉じられる。
【0020】
そして、上面側の内フラップ3b、3c、外フラップ3d、3eを閉じて、外フラップ3b、3cが開かないように粘着テープによって固定する。銀イオン水によって満たされた容器本体13は外箱3の内部空間形状に沿った形状となるので、外箱3の内部空間の殆どが水の収容のために利用されることになる。
また、容器本体13を外箱3に収容して、内フラップ3b、3c、外フラップ3d、3eを閉じた状態では、給液口15は易破断部7に対応する部位に位置することなる。また、吐出口19は易破断部11に対応する部位に位置することなる。
また、前述のように給液口15、吐出口19は凹部16、20の中心部分に備えられているので、容器本体13を外箱3に収容する際に邪魔になることはない。
【0021】
なお、必要に応じて外箱3に結束バンドを掛けて固定することで、内フラップ3b、3c、外フラップ3d、3eが不用意に開くのをより完全に防止すると共に結束バンドを持ち手として使用できる。
液体用容器1を倉庫等に保管する場合は、多段に積み上げる。前述のように外箱3の内部空間の殆どが水の収容のために利用されており、外箱3は容器本体13に銀イオン水を満たした状態で、多段に積むことができる剛性を有しているので、倉庫の保管スペースを有効に利用することができる。
【0022】
次に、液体用容器1に収容された銀イオン水を利用する方法を説明する。
まず、易破断部7を指で押すことで破断させて、
図3(a)に示すように八角形部7aに囲まれた部分を除去する。また、
図3(b)に示すように傾斜部7b、7c、垂直部7a及び水平部7eを破断することで形成された開閉片10a、10bを左右に開く。そして、
図3(c)に示すように八角形部7aに囲まれた部分を除去することで形成された露出用穴5に筒状部14を嵌め込む。この際、フランジ14b、14cの間に露出用穴5の縁部を挟み込む。次いで
図3(d)に示すように開閉片10a、10bを閉じて、開閉片10a、10bの縁部もフランジ14b、14cに挟み込む。これにより筒状部14を固定する。
また、易破断部11も破断し、易破断部7の場合と同様にして露出用穴9を形成して筒状部18を固定する。
露出用穴5、露出用穴9は八角形部7aを除去するまでは閉じた状態となっている。従って、外箱3内に埃等の異物が入るのを防止することができる。
【0023】
次に、外箱3を90°転がすように動かして、筒状部18が露出している面が上側を向く状態とする。次いで、蓋体21を外して、コック付きの蓋体22を筒状部18に取り付ける。そして、
図4に示すように外箱3を筒状部18が側方を向く状態に戻す。
また、必要に応じて蓋体17を空気抜き穴付きの蓋体23に交換する。
図5に示すように液体用容器1を流し台Kに載せて、コック22aがシンクKaに臨む状態とする。
蓋体22のコック22aを回動させることで吐出口19を開閉できるので、水道の蛇口と同様に使用することが可能である。よって、収容された水を食器等の洗浄、手洗い等にも容易に使用することができる。
【0024】
図6に示すように容器本体13内の銀イオン水を使い切った後は蓋体23を外して、やかんYなどを用いて水を給液口15から入れる。
このように液体用容器1では、容器本体13に簡単に水を入れることが可能である。しかも、液体用容器1は当初入れられていた銀イオン水を使い切った後においても水を注入すれば水道の蛇口と同様に使用することができる。
なお、外箱3は段ボール製であることから故紙として容易に再生することができる。また、容器本体13は空になった状態では小さく畳むことが可能なのでスペースをあまり取ることなく保管することが可能である。
【0025】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、外箱、容器本体のサイズは上記したもの限定されず、変更することが可能である。また、銀イオン水以外の液体を収容してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の液体用容器は、容器の製造、販売業に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0027】
1…液体用容器 3…外箱 3a…本体
3b、3c…内フラップ 3d、3e…外フラップ
5、9…露出用穴 7、11…易破断部
7a…八角形部 7b、7c…傾斜部
7d…垂直部 7e…水平部 10a、10b…開閉片
13…容器本体 14…筒状部 14b、14c…フランジ
15…給液口 16…凹部 17…蓋体 18…筒状部
19…吐出口 20…凹部 21…蓋体
22…コック付きの蓋体 22a…コック
23…空気抜き穴付きの蓋体 K…流し台
Ka…シンク Y…やかん