(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113885
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ピッキングシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019151
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】西本 陽平
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522AA03
3F522BB02
3F522BB03
3F522BB06
3F522CC01
3F522CC03
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE16
3F522FF02
3F522FF21
3F522FF27
3F522HH02
3F522HH04
3F522HH13
3F522HH36
3F522HH37
3F522JJ01
3F522KK07
3F522LL57
3F522LL58
(57)【要約】
【課題】ピッキングの正確性及び作業効率を向上させることができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム1は、一方向に搬送されてくる出荷容器(容器)Sを、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留させる貯留搬送部21bと、搬送装置3と、貯留搬送部21bに貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知する報知部5と、コントローラ6と、を備え、貯留搬送部21bは、複数の出荷容器Sのいずれもがそれぞれの貯留位置から搬送装置3に払い出されることが可能に、且つ、一方向における下流側から詰めた状態で出荷容器Sを貯留することが可能に構成されており、コントローラ6は、貯留搬送部21bから搬送装置3に出荷容器Sが払い出されると、払い出された出荷容器Sのスペースに上流側容器STを移動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に搬送されてくる容器を、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留させる貯留搬送部を有し、前記貯留搬送部に貯留される複数の前記容器のそれぞれに対して物品が収容可能に設けられたピッキングステーションと、
前記貯留搬送部から払い出された前記容器を搬送する搬送装置と、を備えるピッキングシステムであって、
前記貯留搬送部において前記一方向に並んだ状態で貯留される複数の前記容器のそれぞれを区別できるような情報を報知する報知部と、
前記貯留搬送部及び前記報知部を制御するコントローラと、を備え、
前記貯留搬送部は、前記一方向に並んだ状態で貯留される複数の前記容器のいずれもが、それぞれの貯留位置から前記搬送装置に払い出されることが可能に、且つ、前記一方向における下流側から詰めた状態で前記容器を貯留することが可能に構成されており、
前記コントローラは、
前記貯留搬送部において前記一方向に並ぶ複数の前記容器の位置に基づいて前記報知部による報知態様を変化させ、
前記貯留搬送部から前記搬送装置に前記容器が払い出されると、払い出された前記容器のスペースに、前記スペースよりも前記一方向における上流側に位置する前記容器である上流側容器を移動させる、ピッキングシステム。
【請求項2】
前記ピッキングステーションは、前記貯留搬送部に搬送される前記容器の前記一方向における長さを計測する計測部を有し、
前記コントローラは、前記貯留搬送部から前記搬送装置に払い出された前記容器の前記一方向における長さに基づいて、前記上流側容器を前記一方向における前記下流側に搬送する際の前記貯留搬送部の駆動量を制御する、請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記報知部は、前記貯留搬送部において前記一方向に沿って設けられたLEDテープであり、
前記コントローラは、複数の前記容器のそれぞれにおける前記一方向に占める位置を区別できるように前記LEDテープを点灯させる、請求項1又は2に記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記貯留搬送部において貯留される複数の前記容器は、
前記ピッキングステーションにおいて前記物品が収容される前記容器である対象容器と、
前記ピッキングステーションにおいて前記物品が収容されない前記容器である非対象容器と、を含み、
前記コントローラは、前記対象容器同士の離間距離が第1距離、且つ、前記対象容器と前記非対象容器との離間距離が前記第1距離よりも長い第2距離となる状態で貯留するように、前記貯留搬送部を制御する、請求項1又は2に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
前記ピッキングステーションは、前記ピッキングステーションにおいて前記容器に前記物品を入れたことを示す情報である投入情報を取得する取得装置を有し、
前記コントローラは、
前記投入情報に基づいて、前記ピッキングステーションにおいて収容されるべき前記物品の全てが前記容器に収容されたか否かを判定し、
前記ピッキングステーションにおいて収容されるべき前記物品の全てが前記容器に収容されたと判定した場合、前記容器を払い出し可能であることを示す情報を前記報知部に報知させる、請求項1又は2に記載のピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、ピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、特許文献1に記載のピッキングシステムが知られている。このピッキングシステムは、作業者により容器(出荷容器)に物品が収容されるピッキングステーション(仕分け部)と、物品の収容が完了した容器がピッキングステーションから払い出される搬送装置(出荷ライン)と、を備える。ピッキングステーションにおいて、作業者は、搬送装置(ピッキングライン)によって搬送されてくる搬送容器から物品を取り出し、貯留搬送部における停止位置に位置する容器に物品を収容する作業を行う(以下、このような作業を「ピッキング」とも称する。)。このようなピッキングにおいて、作業者は、貯留搬送部に搬送された複数の容器のそれぞれに対し、複数の容器のそれぞれに割り付けられたオーダーで要求される種類、数量の物品を収容するピッキング手法(マルチピッキング)を採りうる。物品の収容が完了した容器は、搬出コンベアによって貯留搬送部の停止位置から搬送装置に払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチピッキングの作業効率を向上させる観点からは、貯留搬送部に貯留させる容器の数を増加させることが求められる。しかし、上記従来のピッキングシステムにおいて貯留搬送部に貯留させる容器の数を増加させた場合、一方向に沿って並ぶ容器の滞留長が長くなるので、ピッキング時の作業者の移動距離が長くなり、ピッキングの作業効率が低下する。特に、作業者が搬送貯留部の一方向における最上流側端部に配置された容器に物品を収容する場合に、作業効率の低下が顕著となる。また、上記ピッキングシステムでは、作業者が複数の容器のそれぞれに対し物品を収容するため、作業者が物品を収容する容器を誤る可能性がある。このため、ピッキングの正確性を向上させることが求められる。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、ピッキングの作業効率及び正確性を向上させることができるピッキングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るピッキングシステムは、一方向に搬送されてくる容器を、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留させる貯留搬送部を有し、貯留搬送部に貯留される複数の容器のそれぞれに対して物品が収容可能に設けられたピッキングステーションと、貯留搬送部から払い出された容器を搬送する搬送装置と、を備えるピッキングシステムであって、貯留搬送部において一方向に並んだ状態で貯留される複数の容器のそれぞれを区別できるような情報を報知する報知部と、貯留搬送部及び報知部を制御するコントローラと、を備え、貯留搬送部は、一方向に並んだ状態で貯留される複数の容器のいずれもが、それぞれの貯留位置から搬送装置に払い出されることが可能に、且つ、一方向における下流側から詰めた状態で容器を貯留することが可能に構成されており、コントローラは、貯留搬送部において一方向に並ぶ複数の容器の位置に基づいて報知部による報知態様を変化させ、貯留搬送部から搬送装置に容器が払い出されると、払い出された容器のスペースに、スペースよりも一方向における上流側に位置する容器である上流側容器を移動させる。
【0007】
この構成のピッキングシステムでは、容器の貯留位置によらず各貯留位置から搬送装置に容器を払い出すことが可能に構成され、払い出された容器のスペースに上流側容器を詰めることが可能に構成されている。これにより、払い出されたスペースに上流側容器を詰めることができない構成と比較して、一方向における容器の貯留領域が短くなり、ピッキング時において作業者が対象となる容器にまで移動する際の移動距離を小さくできる。この結果、ピッキングの作業効率を向上させることができる。また、この構成のピッキングシステムでは、例えば作業者に対し、貯留搬送部において貯留される複数の容器のそれぞれを区別できるような情報を報知する。これにより、作業者が貯留搬送部に並ぶ複数の容器を容易に区別できるようになるので、ピッキングの正確性を向上させることができる。
【0008】
本発明の一側面に係るピッキングシステムでは、ピッキングステーションは、貯留搬送部に搬送される容器の一方向における長さを計測する計測部を有してもよい。コントローラは、貯留搬送部から搬送装置に払い出された容器の一方向における長さに基づいて、上流側容器を一方向における下流側に搬送する際の貯留搬送部の駆動量を制御してもよい。この構成では、貯留搬送部に搬送される容器の一方向における長さに基づいて貯留搬送部の駆動量が適切に制御されるので、貯留搬送部において互いに隣り合う容器間距離の調整が可能になる。
【0009】
本発明の一側面に係るピッキングシステムでは、報知部は、貯留搬送部において一方向に沿って設けられたLEDテープであってもよい。コントローラは、複数の容器のそれぞれにおける一方向に占める位置を区別できるようにLEDテープを点灯させてもよい。この構成では、複数の容器のそれぞれにおける一方向に占める位置を、例えばLEDテープを色分けして点灯させる。これにより、例えば作業者が複数の容器を容易に区別できるので、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0010】
本発明の一側面に係るピッキングシステムでは、貯留搬送部において貯留される複数の容器は、ピッキングステーションにおいて物品が収容される容器である対象容器と、ピッキングステーションにおいて物品が収容されない容器である非対象容器と、を含んでもよい。コントローラは、対象容器同士の離間距離が第1距離、且つ、対象容器と非対象容器との離間距離が第1距離よりも長い第2距離となる状態で貯留するように、貯留搬送部を制御してもよい。この構成では、対象容器と非対象容器との離間距離が対象容器同士の離間距離よりも大きくなるため、例えば作業者が対象容器と非対象容器とを一層容易に区別することができる。これにより、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0011】
本発明の一側面に係るピッキングシステムでは、ピッキングステーションは、ピッキングステーションにおいて容器に物品を入れたことを示す情報である投入情報を取得する取得装置を有してもよい。コントローラは、投入情報に基づいて、ピッキングステーションにおいて収容されるべき物品の全てが容器に収容されたか否かを判定し、ピッキングステーションにおいて収容されるべき物品の全てが容器に収容されたと判定された場合、容器を払い出し可能であることを示す情報を報知部に報知させてもよい。この構成では、貯留搬送部において容器に収容されるべき物品の全てが容器に収容されたときに、例えば作業者は、貯留搬送部から搬送装置に払い出し可能な容器を容易に認識できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、ピッキングの正確性及び作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係るピッキングシステムの概略構成を示す構成図である。
【
図2】
図2は、
図1中のピッキングステーションを拡大して示す構成図である。
【
図3】
図3は、
図1中のピッキングステーションを拡大して示す構成図である。
【
図4】
図4は、
図1中のピッキングステーションを拡大して示す構成図である。
【
図5】
図5は、
図3中の表示部により表示される画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態に係るピッキングシステムの動作の一例を説明する図である。
図6(b)は、
図6(a)に示す動作の後の動作の一例を説明する図である。
【
図7】
図7(a)は、
図6(b)に示す動作の後の動作の一例を説明する図である。
図7(b)は、
図7(a)に示す動作の後の動作の一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、
図7(b)に示す動作の後の動作の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して一実施形態に係るピッキングシステム1を説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1は、実施形態に係るピッキングシステム1の概略構成を示す構成図である。実施形態に係るピッキングシステム1は、例えば工場、物流倉庫内において、オーダーに基づいて物品Bを出荷容器(容器)Sに収容(ピッキング)するためのシステムである。ピッキングシステム1は、在庫容器Cに収容された物品Bを作業者Pのもとに搬送する。作業者Pは、出庫された在庫容器Cから物品Bを取り出し、出荷容器Sごとに割り付けられたオーダーに応じて出荷容器Sに物品Bを収容する。物品Bが収容された出荷容器Sは、出荷場にまで搬送され、例えば、店舗、又は家庭等にトラック等の車両で搬送される。
【0016】
ピッキングシステム1は、マルチピッキング及びシングルピッキングを行うことで、出荷容器Sに物品Bを収容する。マルチピッキングとは、複数の出荷容器Sのそれぞれに割り付けられたオーダーに基づいて、同一の種類の物品Bを複数の出荷容器Sに連続して収容してから、別の同一の種類の物品Bを複数の出荷容器Sに連続して収容するピッキング手法を言う。シングルピッキングとは、1つの出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいて、オーダーで要求される種類、数量の物品を出荷容器Sに収容するピッキング手法を言う。マルチピッキングは、複数のオーダーで要求される物品をシングルピッキングよりも少ない出庫回数で出庫するため、シングルピッキングよりもピッキングの作業効率を向上できるとされる。
【0017】
物品Bは、例えば、店舗、又は家庭等に搬送される製品であってもよい。物品Bは、例えば、製品を収容した段ボール、又はコンテナ等の包装容器であってもよい。物品Bの種類、個数、及び大きさは、特に限定されない。在庫容器Cは、例えば、複数のオーダーに応じた物品Bをまとめて収容する。換言すれば、在庫容器Cは、例えば、いわゆるトータルピッキングをされた後の複数の物品Bを収容する。在庫容器Cは、複数の種類の物品Bを収容していてもよく、1つの種類の物品Bを収容していてもよい。在庫容器Cは、例えば、プラスチック製であってもよく、段ボールであってもよい。在庫容器Cの幅、高さ、容量、及び材料は、特に限定されない。出荷容器Sは、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに応じた物品Bを収容する。出荷容器Sは、例えば、プラスチック製であってもよく、段ボールであってもよい。出荷容器Sの幅、高さ、容量、及び材料は、特に限定されない。
【0018】
図1に示されるように、ピッキングシステム1は、ピッキングステーション2と、搬送装置3と、出庫装置4と、報知部5(
図2参照)と、コントローラ6とを備える。ピッキングステーション2では、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいて、出荷容器Sに物品Bが収容される。ピッキングステーション2では、例えば、作業者Pがピッキングを行う。ピッキングステーション2は、複数(
図1の例では3つ)設けられている。複数のピッキングステーション2は、搬送装置3の搬送方向に沿って配列されている。ピッキングステーション2の詳細については、後述する。ピッキングステーション2では、出荷容器Sが一方向に搬送される。
【0019】
搬送装置3は、出荷容器Sを一方向(図中の一方向矢印)に搬送する。搬送装置3は、例えば、第1方向Dに延びるベルトコンベア又はローラコンベアであってもよい。搬送装置3の種類は、特に限定されない。搬送装置3は、ピッキングステーション2との間で出荷容器Sを受け渡し可能である。搬送装置3は、
図1では図示されていないが、上流側において受け渡された空の出荷容器Sを、一方向における下流側に搬送する(以下、一方向における下流側を単に「下流側」、一方向における上流側を単に「上流側」と称する。)。また、搬送装置3は、ピッキングステーション2から払い出された物品Bが収容された出荷容器Sを、下流側に搬送する。搬送装置3は、空の出荷容器S又は上流側のピッキングステーション2で物品Bが収容された出荷容器Sをピッキングステーション2に受け渡すことができる。また、搬送装置3は、ピッキングステーション2から払い出された物品Bが収容された出荷容器Sを、他のピッキングステーション2に受け渡すことができる。搬送装置3は、
図1では図示されていないが、物品Bの収容が完了した出荷容器Sを、例えばトラック等の車両に積み込む場所に搬送する。
【0020】
出庫装置4は、作業者Pに向けて在庫容器Cを出庫する。出庫装置4は、例えば、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに応じた物品Bを収容する在庫容器Cを作業者Pに向けて出庫する。本実施形態では、出庫装置4は、ピッキングステーション2に対応して、複数(
図1の例では3つ)設けられている。出庫装置4は、物品Bを収容した在庫容器Cを保管する保管部41と、保管部41から作業者Pに在庫容器Cを搬送する出庫コンベア42とを有する。保管部41は、例えば、在庫容器Cを載置するためのラック(不図示)と、ラックに載置された在庫容器Cを出庫コンベア42に渡すクレーン(不図示)とを有してもよい。但し、出庫装置4の構成は、特に限定されない。
【0021】
図2は、
図1中のピッキングステーション2を拡大して示す構成図である。
図2は、一方向(搬送方向)における長さが全て同じ出荷容器Sであるときの、貯留搬送部21bにおける出荷容器Sの貯留状態を示している。
図2に示されるように、ピッキングステーション2は、搬送部21と、計測部22と、取得装置23と、表示部24とを有する。
【0022】
搬送部21は、搬送装置3から受け渡された出荷容器Sを一方向に搬送することで、出荷容器Sを作業者Pのもとに搬送する。本実施形態の搬送部21は、ローラコンベアである。搬送部21は、一対の支持部(不図示)と、一対の支持部に回転可能に両端が支持される複数のローラRと、各ローラRを駆動する駆動部Rdとを有する。搬送部21は、例えば、出荷容器Sが載置された少なくとも1つのローラRを、ローラRに対応する駆動部Rdを駆動させることで出荷容器Sを搬送する。搬送部21は、搬送部21の上流側を構成する導入部21aと、搬送部21の下流側を構成する貯留搬送部21bとを有する。
【0023】
導入部21aは、搬送装置3から受け渡された出荷容器Sを貯留搬送部21bにまで搬送する。貯留搬送部21bは、複数の出荷容器Sを一方向に並んだ状態で貯留することが可能である。貯留搬送部21bは、一方向に搬送されてくる出荷容器Sを、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留させる。貯留搬送部21bは、下流側から詰めた状態で出荷容器Sを貯留することができるように構成されている。
図3は、一方向における長さが異なる出荷容器Sが含まれるときの、貯留搬送部21bにおける出荷容器Sの貯留状態を示している。貯留搬送部21bは、
図3に示されるように、一方向における長さが異なる出荷容器Sが含まれる場合も、一方向における下流側から詰めた状態で出荷容器Sを貯留する。
【0024】
本実施形態では、貯留搬送部21bは、一方向に沿って貯留された複数の出荷容器Sを、独立して搬送可能な構成とすることで、下流側から詰めた状態で出荷容器Sを貯留する。「独立して搬送可能である」とは、複数の出荷容器Sのうち任意の出荷容器Sのみを選んで搬送可能であることを言う。貯留搬送部21bは、例えば、任意の出荷容器Sが載置された少なくとも1つのローラRを、ローラRに対応する駆動部Rdを駆動させることで回転させる。これにより、貯留搬送部21bは、一方向に沿って貯留された複数の出荷容器Sを独立して搬送可能である。
【0025】
本実施形態では、貯留搬送部21bは、最大で3つの出荷容器Sを貯留することが可能である。貯留搬送部21bの一方向における長さは、例えば、1000mm以上且つ2000mm以下(一例として1500mm)である。作業者Pは、貯留搬送部21bに貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれに対して物品Bを収容可能である。
【0026】
以下、説明の便宜のため、貯留搬送部21bに貯留された複数の出荷容器Sのうち、最も下流側に貯留された出荷容器Sを第1出荷容器S1と称することがある。第1出荷容器S1よりも上流側に貯留され、第1出荷容器S1に一方向に隣接する出荷容器Sを第2出荷容器S2と称することがある。貯留搬送部21bに貯留された出荷容器Sのうち、最も上流側に貯留された出荷容器Sを第3出荷容器S3と称することがある。
【0027】
貯留搬送部21bは、一方向に並んだ状態で貯留される複数の出荷容器Sのいずれもが、それぞれの貯留位置から搬送装置3に払い出されることが可能に構成されている。第1出荷容器S1は、第1出荷容器S1の貯留位置から搬送装置3に払い出されることが可能である。第2出荷容器S2は、第2出荷容器S2の貯留位置から搬送装置3に払い出されることが可能である。第3出荷容器S3は、第3出荷容器S3の貯留位置から搬送装置3に払い出されることが可能である。
【0028】
本実施形態では、貯留搬送部21bは、自動での払い出しが可能であり、隣り合うローラRの間に、搬送装置3に向かって出荷容器Sを搬送する払い出しコンベヤ(図示せず)が設けられている。払い出しコンベヤは、幅方向に出荷容器Sを搬送するベルトコンベヤ又はローラコンベヤであり、ローラRの搬送面の上方に進出する進出位置と、ローラRの搬送面の下方の退避位置との間で進退可能に設けられている。ローラコンベヤは、出荷容器Sの払い出し時に進出位置に進出し、出荷容器Sを下方から支持して搬送装置3に向かって搬送する。
【0029】
本実施形態では、搬送部21に含まれる導入部21aの構成と、搬送部21に含まれる貯留搬送部21bの構成とは、払い出しコンベヤの有無を除き互いに同一である。しかし、搬送部21は、導入部21aにおいて出荷容器Sを貯留搬送部21bに向けて一方向に沿って搬送可能であればよく、貯留搬送部21bにおいて貯留された複数の出荷容器Sを独立に搬送可能であればよい。例えば、導入部21aがベルトコンベアであり、貯留搬送部21bがローラコンベアであってもよい。
【0030】
計測部22は、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測する。計測部22は、貯留搬送部21bよりも上流側に設けられている。本実施形態では、計測部22は、光電センサを含んで構成されている。計測部22は、光Lを出射する投光器25と、投光器25から出射された光Lを検出する受光器26とを含む。投光器25は、搬送部21の一方向(搬送方向)と水平方向に直交する方向(以後、「幅方向」とも称する。)の一方側に設けられている。受光器26は、搬送部21の幅方向の他方側であって、投光器25と幅方向に対向する位置に設けられている。
【0031】
導入部21aが出荷容器Sを下流側に搬送する過程で、投光器25が出射する光Lの光路上に出荷容器Sが差し掛かり、出荷容器Sが光Lを遮る結果、受光器26が光Lを検出しなくなる。また、投光器25が出射する光Lの光路上から出荷容器Sが離れると、出荷容器Sが光Lを遮らなくなる結果、受光器26が光Lを再度検出する。受光器26が光Lを検出しなくなってから再度光Lを検出するまでの時間と、搬送部21に含まれるローラRの駆動量(出荷容器Sの搬送量)とに基づいて、計測部22は、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測する。
【0032】
取得装置23は、投入情報を取得する。投入情報は、ピッキングステーション2において出荷容器Sに物品Bを入れたことを示す情報である。本実施形態では、作業者Pが出荷容器Sに物品Bを入れるため、投入情報は、ピッキングステーション2において作業者Pが出荷容器Sに物品Bを入れたことを示す情報を含む。取得装置23は、例えば、物品Bに貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダであってもよい。物品Bに貼付されたバーコードは、例えば、物品Bの種類に関する情報を示す。出荷容器Sに収容される物品Bの種類を示す情報は、例えば、物品Bの名称を示す情報、及び、物品Bを一意に特定するIDを示す情報の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0033】
表示部24は、ピッキングに関する指示を示す情報を表示すると共に、作業者Pによる操作を受け付ける。本実施形態では、表示部24は、作業者Pによる操作を受け付けることで、出荷容器Sに対する物品Bの収容を完了したことを示す情報である収容完了情報を入力される。本実施形態では、表示部24は、タッチパネルである。表示部24は、タッチパネルに限定されず、例えばタブレット又はスマートフォン等の携帯情報端末であってもよい。また、表示部24は、作業者Pによる操作を受け付ける入力部を有してもよい。入力部は、例えば、キーボード及びマウス等の入力インタフェイスであってもよい。この場合、表示部24は、デスクトップ型のパーソナルコンピュータのディスプレイであってもよい。
【0034】
図5は、
図2中の表示部24により表示される画像IMの一例を示す図である。表示部24は、画像IMを表示する。
図5に示されるように、画像IMは、方式表示領域71と、指示表示領域72と、外観表示領域73と、作業完了ボタンSBとを有する。
【0035】
方式表示領域71は、ピッキングの方式を示す情報を表示する部分である。本実施形態では、方式表示領域71は、ピッキングステーション2においてマルチピッキングを行うか、シングルピッキングを行うかについて、作業者Pに対する指示を表示する。方式表示領域71は、ピッキングステーション2でマルチピッキングが行われる場合、例えば、「PIC方式:マルチオーダーピッキング」と表示し、ピッキングステーション2でシングルピッキングが行われる場合、例えば、「PIC方式:シングルオーダーピッキング」と表示する。
【0036】
指示表示領域72は、作業者Pにピッキング作業の詳細を示す部分である。指示表示領域72は、容器表示領域74と、種類情報表示領域75と、数量表示領域76とを有する。
【0037】
容器表示領域74は、ピッキング対象となる出荷容器Sを区別可能にする情報を表示する部分である。容器表示領域74は、物品Bが収容される出荷容器Sに対応する色彩を示す情報を表示する部分である色彩表示領域77と、物品Bが収容される出荷容器Sの貯留位置を示す情報を表示する貯留位置表示領域78とを有する。
【0038】
本実施形態では、色彩表示領域77は、物品Bが収容される出荷容器Sの貯留位置に対応するLEDテープ51の部分の点灯色に基づいて、点灯色と同一の色を表示する。
図5の例では、第1出荷容器S1に対応するLEDテープ51の部分の点灯色(例えば赤色)を色彩表示領域77が表示する。色彩表示領域77に表示される色がLEDテープ51の点灯色と同一の色である場合、作業者Pは、物品Bを収容する出荷容器Sを感覚的に理解することができるので、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0039】
本実施形態では、貯留位置表示領域78は、物品Bが収容される出荷容器Sの貯留位置を1~3の番号で表示する。番号は、貯留搬送部21bの下流側から数えた場合の出荷容器Sの順番を示している。
図5の例では、貯留位置表示領域78は「貯留位置1」との表示をしており、物品Bが収容される出荷容器Sの貯留位置が第1出荷容器S1の貯留位置であることを示している。1~3の番号は、物品Bが収容される出荷容器Sの貯留位置に対応するLEDテープ51の部分の点灯色と同一の色で表示されてもよい。
【0040】
種類情報表示領域75は、作業者Pがピッキングすべき物品Bの種類に関する情報を表示する部分である。本実施形態では、種類情報表示領域75は、物品Bの名称を示す情報、及び、物品Bを一意に特定するIDを示す情報の双方を表示する。
【0041】
数量表示領域76は、作業者Pがピッキングすべき物品Bの個数に関する情報を表示する部分である。本実施形態では、数量表示領域76は、作業者Pが出荷容器Sに収容すべき物品Bの数量を示す情報に加え、作業者Pが出荷容器Sに収容した物品Bの数量を示す情報と、出荷容器Sに収容すべき物品Bの数量までの残りの数量を示す情報とを表示する。
【0042】
作業者Pが収容した物品Bの数量は、取得装置23により取得された投入情報に基づいて取得することができる。数量表示領域76は、例えば、ピッキングステーション2において出荷容器Sに収容すべき物品Bが収容されていない状態では、PIC数を0個と表示する。数量表示領域76は、作業者Pが物品Bに配置されたバーコードを取得装置23に読み取らせることで取得装置23が投入情報を取得したとき、PIC数を1個増加させると共に残数を1個減少させるように表示内容を切り替える。
【0043】
なお、表示部24は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーと、取得装置23により取得された投入情報とに基づいて、出荷容器Sに収容された物品Bの数量を示す情報、又は、出荷容器Sに収容される残りの物品Bの数量を示す情報のみを表示してもよい。
【0044】
外観表示領域73は、作業者Pが出荷容器Sに収容すべき物品Bの外観を示す情報を表示する。外観表示領域73は、例えば、物品Bの写真を出荷容器Sに収容される物品Bの外観を示す情報として表示する。外観表示領域73は、例えば、物品Bの外観を示すイラスト又はホログラムを出荷容器Sに収容される物品Bの外観を示す情報として表示してもよい。
【0045】
作業完了ボタンSBは、収容完了情報を入力するためのボタンである。本実施形態では、作業完了ボタンSBが作業者Pにより押下されることで、収容完了情報が入力される。一例として、作業者Pは、LEDテープ51の点滅を確認することで搬送装置3に払い出し可能な出荷容器Sを認識し、作業完了ボタンSBを押下することで収容完了情報を入力する。
【0046】
図2に示されるように、報知部5は、貯留搬送部21bにおいて一方向に並んだ状態で貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知する。本実施形態では、報知部5は、さらに、出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能であることを示す情報を報知する。
【0047】
本実施形態では、報知部5は、貯留搬送部21bの幅方向における一方側に一方向に沿って設けられたLEDテープ51である。LEDテープ51は、一例として、一方向に延びる基板(不図示)と、基板に一方向に沿って配列された複数のLED(不図示)とを含む。本実施形態では、LEDテープ51は、LEDを点灯又は消灯させる。また、LEDテープ51は、LEDを異なる色(一例として赤色、青色、及び黄色の3色)に点灯させる。
【0048】
図2に示されるように、LEDテープ51は、第1出荷容器S1における一方向に占める貯留位置に対応する部分を赤色に点灯し、第2出荷容器S2における一方向に占める貯留位置に対応する部分を青色に点灯し、第3出荷容器S3における一方向に占める貯留位置に対応する部分を黄色に点灯している。なお、
図2では、便宜上、LEDテープ51において赤色に点灯している部分が太線のハッチング、青色に点灯している部分が細線のハッチング、黄色に点灯している部分がドットハッチングで図示されている。
【0049】
LEDテープ51は、
図3に示されるように、一方向における長さが異なる出荷容器Sが含まれる場合も、第1出荷容器S1における一方向に占める貯留位置に対応する部分を赤色に点灯し、第2出荷容器S2における一方向に占める貯留位置に対応する部分を青色に点灯し、第3出荷容器S3における一方向に占める貯留位置に対応する部分を黄色に点灯している。すなわち、LEDテープ51は、出荷容器Sの位置、一方向における長さに基づいて、点灯態様が切り替わる。
【0050】
作業者Pは、LEDテープ51の点灯位置及び色を確認することで、第1出荷容器S1、第2出荷容器S2、及び第3出荷容器S3をそれぞれ区別することができる。また作業者Pは、LEDテープ51が複数の色に点灯していることを確認することで、貯留搬送部21bに搬送された3つの出荷容器Sの全てに物品Bを収容するマルチピッキングを行うべきことを認識できる。
【0051】
ここで、シングルピッキング時における報知部5の報知態様を説明する。
図4は、
図1中のピッキングステーション2を拡大して示す構成図である。
図4の例では、LEDテープ51は、第1出荷容器S1における一方向に占める貯留位置に対応する部分のみが赤色に点灯している。LEDテープ51は、マルチピッキング時と異なり、第2出荷容器S2及び第3出荷容器S3における一方向に占める貯留位置に対応する部分を点灯させていない(消灯している)。作業者Pは、LEDテープ51の点灯態様を確認することで、第1出荷容器S1のみに物品Bを収容し、第2出荷容器S2及び第3出荷容器S3に物品Bを収容しないシングルピッキングを行うべきことを認識できる。
【0052】
本実施形態では、LEDテープ51は、搬送装置3に払い出し可能な出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を点滅させる。
図2の例では、LEDテープ51は、第2出荷容器S2における一方向に占める貯留位置に対応する部分(青色に点灯している部分)を点滅させている状態を示している。作業者Pは、LEDテープ51の点滅位置及び色を確認することで、第2出荷容器S2を貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能であることを認識することができる。
【0053】
コントローラ6は、例えば、外部との信号の入出力等を行う入出力インタフェイス、処理を行うためのプログラム及び情報等が記憶されたROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、CPU(Central Processing Unit)及び通信回路等を有する。コントローラ6は、CPUが出力する信号に基づいて、入力データをRAMに記憶し、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムを実行することで各種処理を実行する。
【0054】
コントローラ6は、ピッキングステーション2、搬送装置3、出庫装置4、及び報知部5を制御する。コントローラ6は、ピッキングステーション2、搬送装置3、出庫装置4及び報知部5に対して、有線又は無線によって通信可能に設けられている。コントローラ6は、例えば、搬送装置3の一部に配置されていてもよい。コントローラ6の配置位置は、特に限定されない。
【0055】
コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、一方向に搬送されてくる出荷容器Sを、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留搬送部21bに貯留させる。本実施形態では、コントローラ6は、計測部22を制御することで、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測させる。コントローラ6は、計測部22によって取得された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、出荷容器S同士の離間距離を所定の距離とした状態で貯留搬送部21bに貯留させる。
【0056】
コントローラ6は、貯留搬送部21bに貯留される複数の出荷容器Sのうち、ピッキングステーション2において物品Bが収容される出荷容器Sである対象容器SO同士の離間距離と、ピッキングステーション2において物品Bが収容されない出荷容器Sである非対象容器SUと対象容器SOとの離間距離とが互いに異なるように貯留搬送部21bを制御する。本実施形態では、コントローラ6は、対象容器SO同士の離間距離が第1距離X1、且つ、対象容器SOと非対象容器SUとの離間距離が第1距離X1よりも大きい第2距離X2となる状態で貯留するように、貯留搬送部21bを制御する。なお、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、非対象容器SU同士の離間距離を出荷容器Sの一方向の長さと等しい距離としてもよい。非対象容器SU同士の離間距離は、特に限定されない。
【0057】
コントローラ6は、報知部5を制御することで、貯留搬送部21bにおいて一方向に並んだ状態で貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知させる。本実施形態では、コントローラ6は、計測部22により計測された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、複数の出荷容器Sのそれぞれにおける一方向に占める位置を区別できるように、報知部5であるLEDテープ51を点灯させる。また、コントローラ6は、報知部5を制御することで、貯留搬送部21bにおける一方向に並ぶ複数の出荷容器Sの位置に基づいて報知部5による報知態様を変化させる。
【0058】
コントローラ6は、取得装置23から投入情報を取得する。コントローラ6は、投入情報に基づいて、貯留搬送部21bに貯留された出荷容器Sごとに、ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたか否かを判定する。ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたと判定した場合、コントローラ6は、出荷容器Sを払い出し可能であることを示す情報を報知部5に報知させる。本実施形態では、コントローラ6は、LEDテープ51を制御することで、払い出し可能な出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を点滅させる。
【0059】
コントローラ6は、貯留搬送部21bから搬送装置3に出荷容器Sが払い出されると、払い出された出荷容器Sのスペースに上流側容器STを移動させる。上流側容器STは、スペースよりも上流側に位置する出荷容器Sである。例えば、
図2~
図4の例では、第1出荷容器S1の上流側容器STは第2出荷容器S2であり、第2出荷容器S2の上流側容器STは第3出荷容器S3である。コントローラ6は、貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、上流側容器STを下流側に搬送する際の貯留搬送部21bの駆動量を制御する。
【0060】
続いて、ピッキングシステム1の動作の一例を説明する。まず、
図1に示されるように、コントローラ6は、搬送装置3を制御することで、搬送装置3から一のピッキングステーション2に含まれる搬送部21に出荷容器Sを搬送させる。また、コントローラ6は、ピッキングステーション2に対応する出庫装置4を制御することで、ピッキングステーション2に搬送された出荷容器Sに割り付けられたオーダーに応じた物品Bを収容する在庫容器Cを保管部41から出庫させ、出庫コンベア42を介して作業者Pのもとに出庫させる。
【0061】
続いて、
図6(a)に示されるように、コントローラ6は、搬送部21に含まれる導入部21aを制御することで、搬送装置3から受け渡された出荷容器Sを貯留搬送部21bにまで搬送させる。ここでは、対象容器SOと非対象容器SUとの両方が搬送装置3から搬送部21に受け渡される。コントローラ6は、計測部22に含まれる受光器26が投光器25から出射された光Lを検出しなくなってから再度光Lを検出するまでの時間と、搬送部21に含まれるローラRの駆動量とに基づいて、コントローラ6は、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測部22に計測させる。
【0062】
続いて、
図6(b)に示されるように、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、導入部21aによって搬送されてくる出荷容器Sを、搬送されてきた順番に並んだ状態で貯留搬送部21bに貯留させる。コントローラ6は、対象容器SO同士の離間距離が第1距離X1、且つ、対象容器SOと非対象容器SUとの離間距離が第1距離X1よりも大きい第2距離X2となる状態で貯留するように、貯留搬送部21bを制御する。
【0063】
貯留搬送部21bに出荷容器Sを搬送するに際し、コントローラ6は、計測部22により計測された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、貯留搬送部21bに含まれるローラRの駆動量を制御する。これにより、コントローラ6は、貯留搬送部21bによる出荷容器Sの搬送距離を制御する。例えば、第2出荷容器S2を貯留搬送部21bに搬送するに際し、コントローラ6は、計測部22により計測された第1出荷容器S1の一方向における長さに基づいて、第2出荷容器S2と第1出荷容器S1との離間距離が第1距離X1又は第2距離X2となるように第2出荷容器S2を貯留搬送部21bに搬送させる。第3出荷容器S3を貯留搬送部21bに搬送する際のコントローラ6の制御も同様である。
【0064】
図2及び
図3に示されるように、出荷容器Sの全てが対象容器SOである場合、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、出荷容器S同士の距離を第1距離X1とした状態で貯留搬送部21bに貯留させる。
図4に示されるように、出荷容器Sのうち第1出荷容器S1が対象容器SOであり、第2出荷容器S2及び第3出荷容器S3が非対象容器SUである場合、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、第1出荷容器S1と第2出荷容器S2との距離が第2距離X2とした状態で貯留搬送部21bに貯留させる。
【0065】
続いて、コントローラ6は、報知部5を制御することで、貯留搬送部21bにおいて一方向に並んだ状態で貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知させる。本実施形態では、コントローラ6は、複数の出荷容器Sのそれぞれにおける一方向に占める位置を区別できるように、報知部5であるLEDテープ51を点灯させる。コントローラ6は、計測部22により計測された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、ピッキングステーション2において物品Bが収容される出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分をLEDテープ51に点灯させる。
【0066】
図2及び
図3に示されるように、コントローラ6は、マルチピッキングの場合には、LEDテープ51を制御することで、第1出荷容器S1における一方向に占める貯留位置に対応する部分を赤色に点灯させ、第2出荷容器S2における一方向に占める貯留位置に対応する部分を青色に点灯させ、第3出荷容器S3における一方向に占める貯留位置に対応する部分を黄色に点灯させる。
【0067】
図4に示されるように、コントローラ6は、シングルピッキングの場合には、LEDテープ51を制御することで、第1出荷容器S1における一方向に占める貯留位置に対応する部分を赤色に点灯させる。マルチピッキングの場合と異なり、コントローラ6は、LEDテープ51を制御することで、第2出荷容器S2及び第3出荷容器S3における一方向に占める貯留位置に対応する部分を点灯させない(消灯させる)。
【0068】
コントローラ6は、表示部24を制御することで、ピッキングに関する指示を示す情報を表示させる。コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいて、ピッキングの方式を示す情報、出荷容器Sに収容される物品Bの種類及び数量を示す情報、並びに、出荷容器Sの貯留位置を示す情報(
図5参照)を表示部24に表示させる。
【0069】
続いて、作業者Pは、表示部24により表示されたピッキングに関する指示を示す情報に基づいて、在庫容器Cに収容された物品Bを取り出し、取り出した物品Bを貯留搬送部21bに貯留された出荷容器Sに収容する。このとき、作業者Pが物品Bに配置されたバーコードを取得装置23であるバーコードリーダに読み取らせることで、取得装置23が投入情報を取得する。
【0070】
コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーと、取得装置23により取得された投入情報とに基づいて、貯留搬送部21bに貯留された出荷容器Sごとに、出荷容器Sに収容された物品Bの数量を示す情報、及び、出荷容器Sに収容される残りの物品Bの数量を示す情報を表示部24に表示させる。コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーと、取得装置23により取得された投入情報とに基づいて、ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたか否かを判定する。
【0071】
ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが各出荷容器Sに収容されたと判定した場合、コントローラ6は、出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能であることを示す情報を報知部5に報知させる。具体的には、コントローラ6は、報知部5であるLEDテープ51を制御することで、払い出し可能な出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を点滅させる。
【0072】
作業者Pは、出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能であることを示す情報に基づいて、表示部24を介して収容完了情報を入力する。作業者Pは、例えば、表示部24に表示された画像IMに含まれる作業完了ボタンSBを押下することで、収容完了情報を入力する。
【0073】
図7(a)に示されるように、表示部24が作業者Pによる操作を受け付けることで収容完了情報を入力されたとき、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、物品Bの収容を完了した出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出させる。コントローラ6は、搬送装置3を制御することで、貯留搬送部21bから払い出された出荷容器Sを下流側に搬送させる。
【0074】
図7(b)に示されるように、貯留搬送部21bから搬送装置3に出荷容器Sが払い出されると、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、払い出された出荷容器Sのスペースに上流側容器STを移動させる。コントローラ6は、貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、上流側容器STを下流側に搬送する際の貯留搬送部21bの駆動量を制御する。本実施形態では、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、上流側容器STを下流側に向けて、搬送装置3に払い出された出荷容器Sの一方向における長さと等しい距離搬送させる。
【0075】
続いて、
図8に示されるように、コントローラ6は、貯留搬送部21bにおいて一方向に並ぶ複数の出荷容器Sの位置に基づいて、報知部5による報知態様を変化させる。本実施形態では、コントローラ6は、報知部5であるLEDテープ51を制御することで、上流側容器STを下流側に搬送した後の出荷容器Sの貯留位置に基づいて、複数の出荷容器Sのそれぞれにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を点灯させる。
【0076】
続いて、ピッキングシステム1の作用効果を説明する。上記実施形態のピッキングシステム1では、出荷容器Sの貯留位置によらず各貯留位置から搬送装置3に出荷容器Sを払い出すことが可能に構成され、払い出された出荷容器Sのスペースに上流側容器STを詰めることが可能に構成されている。これにより、払い出されたスペースに上流側容器STを詰めることができない構成と比較して、一方向における出荷容器Sの貯留領域が短くなり、ピッキング時において作業者Pが対象となる出荷容器Sにまで移動する際の移動距離を小さくできる。この結果、ピッキングの作業効率を向上させることができる。
【0077】
また、ピッキングシステム1では、例えば作業者Pに対し、貯留搬送部21bにおいて貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知する。これにより、作業者Pが貯留搬送部21bに並ぶ複数の出荷容器Sを容易に区別できるようになるので、ピッキングの正確性を向上させることができる。また、出荷容器Sが搬送装置3に払い出され、貯留搬送部21bが上流側容器STを搬送することで出荷容器Sの位置が変化した場合でも、貯留搬送部21bにおいて一方向に並ぶ複数の出荷容器Sの位置に基づいて、報知部5による報知態様が変化する。この結果、貯留搬送部21bが出荷容器Sを搬送した場合でも、作業者Pが貯留搬送部21bに並ぶ出荷容器Sを容易に区別することができる。
【0078】
上記実施形態のピッキングシステム1では、ピッキングステーション2は、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測する計測部22を有する。コントローラ6は、貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出された出荷容器Sの一方向における長さに基づいて、上流側容器STを下流側に搬送する際の貯留搬送部21bの駆動量を制御する。この構成では、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さに基づいて貯留搬送部21bの駆動量が適切に制御されるので、貯留搬送部21bにおいて互いに隣り合う出荷容器S間の距離の調整が可能になる。
【0079】
上記実施形態のピッキングシステム1では、報知部5は、貯留搬送部21bにおいて一方向に沿って設けられたLEDテープ51である。コントローラ6は、複数の出荷容器Sのそれぞれにおける一方向に占める位置を区別できるようにLEDテープ51を点灯させる。この構成では、複数の出荷容器Sのそれぞれにおける一方向に占める位置を、例えばLEDテープ51を色分けして点灯させる。これにより、例えば作業者Pが複数の出荷容器Sを容易に区別できるので、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0080】
上記実施形態のピッキングシステム1では、貯留搬送部21bにおいて貯留される複数の出荷容器Sは、ピッキングステーション2において物品Bが収容される出荷容器Sである対象容器SOと、ピッキングステーション2において物品Bが収容されない出荷容器Sである非対象容器SUと、を含む。コントローラ6は、対象容器SO同士の離間距離が第1距離X1、且つ、対象容器SOと非対象容器SUとの離間距離が第1距離X1よりも長い第2距離X2となる状態で貯留するように、貯留搬送部21bを制御する。この構成では、対象容器SOと非対象容器SUとの離間距離が対象容器SO同士の離間距離よりも大きくなるため、例えば作業者Pが対象容器SOと非対象容器SUとを一層容易に区別することができる。これにより、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0081】
上記実施形態のピッキングシステム1では、ピッキングステーション2は、ピッキングステーション2において出荷容器Sに物品Bを入れたことを示す情報である投入情報を取得する取得装置23を有する。コントローラ6は、投入情報に基づいて、ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたか否かを判定し、ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたと判定された場合、出荷容器Sを払い出し可能であることを示す情報を報知部5に報知させる。この構成では、貯留搬送部21bにおいて出荷容器Sに収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたときに、例えば作業者Pは、貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能な出荷容器Sを容易に認識できる。
【0082】
以上、本発明の一側面の実施形態について説明したが、本発明の一側面は上記実施形態に限られない。
【0083】
コントローラ6が貯留搬送部21bを制御することで複数の出荷容器Sを一方向に沿って貯留させた後、コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、複数の出荷容器Sのうち一部の出荷容器Sを上流側に後退させてもよい。例えば、ピッキングステーション2では出荷容器Sに複数種類の物品Bが収容される場合がある。複数種類の物品Bには、複数の出荷容器Sの全てに収容される物品Bである全部収容物品と、複数の出荷容器Sのうち一部の出荷容器Sにしか収容されない物品Bである一部収容物品とが含まれることがある。この場合、コントローラ6は、例えば、一部収容物品よりも先に全部収容物品が出荷容器Sに収容されるようなオーダーを出し、全部収容物品の収容が完了したと判定した場合、以後、一部収容物品が収容されない出荷容器Sを上流側に後退させるように貯留搬送部21bを制御してもよい。この場合、作業者Pは、全部収容物品が収容される出荷容器Sと一部収容物品が収容されない出荷容器Sとを一層容易に区別することができる。これにより、ピッキングの正確性を一層向上させることができる。
【0084】
コントローラ6が一部収容物品よりも先に全部収容物品が出荷容器Sに収容されるようなオーダーを出し、全部収容物品の収容が完了したと判定した場合、コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいてLEDテープ51を制御することで、一部収容物品が収容されない出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を消灯させてもよい。
【0085】
コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいて、出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を、出荷容器Sに収容される物品Bの種類ごとに異なる色にLEDテープ51を点灯させてもよい。この場合、コントローラ6は、共通の種類の物品Bが収容される複数の出荷容器Sにおける一方向に占める貯留位置に対応する部分を、互いに同一の色にLEDテープ51を点灯させてもよい。
【0086】
上記実施形態では、報知部5が貯留搬送部21bにおいて一方向に沿って設けられたLEDテープ51である例を説明した。しかし、報知部5は、貯留搬送部21bにおける複数の出荷容器Sのそれぞれの貯留位置に対応して設けられた複数のランプ付きボタンであってもよい。
【0087】
ランプ付きボタンは、一例として、押しボタンと、所定の色に点灯可能なランプとを有してもよい。この場合、コントローラ6がランプ付きボタンを制御することで、複数のランプ付きボタンのランプの点灯色を互いに異ならせる。これにより、コントローラ6は、貯留搬送部21bにおいて一方向に並んだ状態で貯留される複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を作業者Pに対して報知させる。
【0088】
コントローラ6は、ピッキングステーション2において収容されるべき物品Bの全てが出荷容器Sに収容されたと判定した場合、例えば、ランプ付きボタンを制御することで、ランプを点滅させる。これにより、コントローラ6は、出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出し可能であることを示す情報を報知部5に報知させる。
【0089】
作業者Pは、例えば、ランプが点滅していることを確認した後、ランプ付きボタンのボタンを押下することで、収容完了情報を入力してもよい。コントローラ6は、収容完了情報が入力されたとき、貯留搬送部21bを制御することで、貯留搬送部21bから搬送装置3に出荷容器Sを払い出させてもよい。
【0090】
報知部5は、プロジェクションマッピングにより、貯留搬送部21bに貯留された複数の出荷容器Sのそれぞれを区別できるような情報を報知してもよい。この場合、報知部5は、例えば、貯留搬送部21bの上方に設けられ、下方に位置する出荷容器Sに所定の図形、文字、及び記号等を投影するプロジェクタであってもよい。また、報知部5は、作業者Pに装着され、作業者Pの視界に対して所定の情報を表示する情報端末であってもよい。情報端末は、例えばスマートグラスである。当該情報端末は、例えば、出荷容器Sに配置されたICタグ等から取得した位置情報に基づいて、複数の出荷容器Sを色分けして作業者Pの視界に表示してもよい。
【0091】
上記実施形態では、コントローラ6が貯留搬送部21bを制御することで、出荷容器Sを貯留搬送部21bから搬送装置3に払い出させる例を説明した。しかし、貯留搬送部21bから搬送装置3への出荷容器Sの払い出しは、例えば、作業者Pが行ってもよい。この場合、作業者Pは、搬送装置3に払い出し可能な出荷容器Sを幅方向に沿って搬送装置3に向けて押し出すことで、出荷容器Sを搬送装置3に払い出してもよい。また、この場合、コントローラ6は、収容完了情報が入力されたときに、収容完了情報に基づいて、報知部5を制御することで、出荷容器Sを払い出し可能であることを示す情報を報知部5に報知させてもよい。
【0092】
上記実施形態では、計測部22が投光器25と受光器26とを有する光電センサを含む例を説明した。上記実施形態では、受光器26が投光器25から出射された光Lを検出しなくなってから再度光Lを検出するまでの時間と、搬送部21に含まれるローラRの駆動量とに基づいて、計測部22が貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測した。しかし、計測部22の構成及び動作は特に限定されず、適宜変更可能である。
【0093】
計測部22は、例えば、投光器25及び受光器26に加え、搬送部21の上流側に設けられた距離センサを含んでもよい。当該距離センサは、搬送方向に沿って出荷容器Sに向けて光を出射する光源部と、光源部から出射され、出荷容器Sで反射した光を検出する受光部とを有してもよい。この場合、例えば、投光器25が出射する光Lの光路上に出荷容器Sが差し掛かることで受光器26が光Lを検出しなくなった時に、距離センサが、距離センサから出荷容器Sまでの距離を計測する。これにより、計測部22は、距離センサから投光器25(又は受光器26)までの距離と、距離センサから出荷容器Sまでの距離とに基づいて、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測してもよい。
【0094】
また、計測部22は、例えば、互いに異なる位置及び方向から同じ位置を撮像することで2つの視差画像を取得するステレオカメラと、当該ステレオカメラにより取得された視差画像から距離画像を生成する距離画像生成部と、を含んでもよい。距離画像生成部は、例えば、同じタイミング(時点)でステレオカメラにより撮像されたフレームである2つの視差画像から、被写体までの距離(奥行)を含む3次元情報が関連付けられた距離画像を生成する。ステレオカメラは、例えば、貯留搬送部21bの上方に設けられ、下方に位置する出荷容器Sを撮像してもよい。この場合、計測部22は、距離画像生成部により生成された距離画像に基づいて、貯留搬送部21bに搬送される出荷容器Sの一方向における長さを計測する。
【0095】
コントローラ6は、搬送装置3により搬送されている出荷容器Sのうち、対象容器SOのみを選んでピッキングステーション2に含まれる搬送部21に搬送してもよい。この場合、例えば、コントローラ6は、出荷容器Sに割り付けられたオーダーに基づいて、ピッキングステーション2において出荷容器Sに物品Bが収容されるか否か(つまり出荷容器Sが対象容器SOであるか否か)を判定する。そして、ピッキングステーション2において出荷容器Sに物品Bが収容されると判定した場合、コントローラ6は、搬送装置3を制御することで、対象容器SOを搬送部21に搬送してもよい。
【0096】
コントローラ6は、貯留搬送部21bを制御することで、非対象容器SUの下流側の隙間を対象容器SOの下流側の隙間よりも大きくしてもよい。ここで「出荷容器Sの下流側の隙間」とは、一の出荷容器Sと、一の出荷容器Sの下流側に位置し、且つ一の出荷容器Sと一方向に隣接する他の出荷容器Sとの距離を言う。
【0097】
上記実施形態では、ピッキングステーション2において作業者Pが出荷容器Sに物品Bを収容する例を説明した。しかし、出荷容器Sへの物品Bの収容は、例えば、6軸ロボットのようなピッキング装置により行われてもよい。
【0098】
上記実施形態では、バーコードが物品Bに配置され、取得装置23が当該バーコードを読み取り可能なバーコードリーダである例を説明した。しかし、物品Bには、QRコード(登録商標)のような二次元コードが配置されていてもよい。この場合、取得装置23は、二次元コードを読み取り可能なバーコードリーダであってもよい。
【0099】
上記実施形態では、表示部24により表示される画像の一例として画像IMを説明した。しかし、表示部24により表示される画像の内容、表示領域の配置は、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0100】
1…ピッキングシステム、2…ピッキングステーション、3…搬送装置、5…報知部、6…コントローラ、21b…貯留搬送部、22…計測部、23…取得装置、51…LEDテープ、B…物品、D…第1方向、S…出荷容器(容器)、SO…対象容器、ST…上流側容器、SU…非対象容器、X1…第1距離、X2…第2距離。