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特開2024-113908情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113908
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20240816BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/5375 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20240816BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/79
A63F13/5375
A63F13/428
A63F13/533
A63F13/46
A63F13/58
A63F13/87
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019181
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
(72)【発明者】
【氏名】惠良 栞
(57)【要約】
【課題】マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を可能にする手法を提供する。
【解決手段】情報処理装置に、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得する取得部と、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの視線に関する情報を表示する表示制御部と、を設ける。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得する取得部と、
第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示する表示制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、第1プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に、第2プレイヤに対する案内情報の候補を提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記案内情報の候補のうち第1プレイヤによって選択された案内情報を、第2プレイヤが操作する端末に通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、第2プレイヤの前記視線に関する情報に関連する前記プレイ画面上の位置に、前記案内情報を表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1プレイヤの前記情報から、第1プレイヤによる第2プレイヤの所定の状況の視認が検出された場合、
前記表示制御部は、第2プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に所定のメッセージを表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1プレイヤの前記情報から、第1プレイヤによる第2プレイヤの所定の状況の視認が検出された場合、当該所定の状況の出現中、第2プレイヤが操作する第2オブジェクトを操作する権限を第1プレイヤに移管する権限移管部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
第2プレイヤと第3プレイヤが視認している領域が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方が操作する端末に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内する案内部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記案内部は、第2プレイヤと第3プレイヤのうちゲーム上のパラメータが低い方のプレイヤに対し前記他の領域を案内する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記案内部は、第2プレイヤと第3プレイヤが操作する端末に、前記他の領域を視認するプレイヤを定める会話の案内を出力する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、第2プレイヤと第3プレイヤが視認している領域が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内するための情報を第1プレイヤの端末に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、第1プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に、前記取得部により取得された前記情報に基づく支援の対象とする他のプレイヤの候補を選択可能に提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤの前記情報を前記プレイ画面に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
第2プレイヤがプレイ画面上で操作する第2オブジェクトのパラメータを減少させるゲームオブジェクトと所定の位置関係を満たす当該第2オブジェクトを、第2プレイヤが視認していない場合、
前記表示制御部は、第2プレイヤに前記第2オブジェクトの移動を案内するための情報を第1プレイヤのプレイ画面上に表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、第1プレイヤから取得された前記情報と第2プレイヤから取得された前記情報が所定の条件を満たす場合、前記プレイ画面の所定の領域に対して所定の操作を実行するための案内の候補を提示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサが、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得させる処理と、
プロセッサが、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示させる処理と、
を実行する情報処理方法。
【請求項16】
プロセッサに、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得させ、
プロセッサに、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの注視点を追跡する技術(いわゆるアイトラッキング技術)がある。例えば特許文献1には、ゲームプレイの対象であるキャラクタをプレイヤが注視している時間に応じて、ゲームパラメータの変化度合いを異ならせる等の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6622832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存のアイトラッキング技術は、検知された注視点とプレイヤとの関係が一対一に限定されている。
【0005】
本発明は、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得する取得部と、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの視線に関する情報を表示する表示制御部と、を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】情報端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】ディスプレイと同じ面に配置されたカメラを使用する視線検知技術を説明する図である。(A)はプレイヤがディスプレイの左辺付近を視認している場合を示し、(B)はプレイヤがディスプレイの中央付近を視認している場合を示し、(C)はプレイヤがディスプレイの右辺付近を視認している場合を示す。
図4】実施の形態1で使用するサーバの機能上の構成例を説明する図である。
図5】プレイヤ情報のデータ例の一部を説明する図である。
図6】注視位置情報のデータ例を説明する図である。
図7】プレイヤP1とプレイヤP2が視認しているプレイ画面と注視範囲の関係を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末とプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面の例を示し、(B)はサーバが認識しているプレイ画面を示す。
図8】プレイヤ別のプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図9】表示制御部の第2機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図10】表示制御部の第2機能に基づくプレイ画面の他の表示例を説明する図である。
図11】表示制御部の第2機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図12】表示制御部の第2機能に基づくメッセージの提示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図13】表示制御部の第3機能に基づくメッセージの表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図14】表示制御部の第4機能に基づくメッセージの表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図15】表示制御部の第5機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図16】表示制御部の第5機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の他の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図17】表示制御部の第6機能に基づくプレイヤP1のプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図18】表示制御部の第7機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の表示例を説明する図である。(A1)、(A2)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B1)、(B2)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図19】表示制御部の第8機能に基づく表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)、(C)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面を示す。
図20】表示制御部の第8機能に基づく他の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)、(C)はプレイヤP1の情報端末とプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面を示す。
図21】実施の形態2で使用するサーバの機能上の構成例を説明する図である。
図22】権限移管部の処理機能を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面であり、(C)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図23】権限移管部によるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)、(B)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図24】権限移管部によるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴ユーザの情報端末に表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイをゲームオーバーしたプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図25】実施の形態3で使用するサーバの機能上の構成例を説明する図である。
図26】領域案内部の第1機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP3の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図27】スコアが低い方のプレイヤに案内を表示する例を説明する図である。(A)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP3のプレイ画面であり、(B)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP4のプレイ画面である。
図28】プレイヤ間の会話を促すチャット欄を表示する例を説明する図である。(A)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP3とプレイヤP4のプレイ画面であり、(B)はテキスト入力中のプレイヤP3のプレイ画面であり、(C)はプレイヤP4のプレイ画面である。
図29】表示制御部の第9機能を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末に表示されるプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP2の情報端末に表示されるプレイ画面を示す。
図30】実施の形態4に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図31】実施の形態4で使用するサーバの機能上の構成例を説明する図である。
図32】注視位置情報のデータ例を説明する図である。
図33】ユーザU1とユーザU2が視認しているコンテンツ画面と注視範囲の関係を説明する図である。(A)はユーザU1の情報端末とユーザU2の情報端末に表示されるプレイ画面の例を示し、(B)はサーバが認識しているコンテンツ画面を示す。
図34】配信ユーザU1の情報端末と視聴ユーザU2の情報端末におけるコンテンツ画面の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末に表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末に表示されるコンテンツ画面である。
図35】配信ユーザU1の情報端末と視聴ユーザU2の情報端末におけるコンテンツ画面の他の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末に表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末に表示されるコンテンツ画面である。
図36】配信ユーザU1の情報端末と視聴ユーザU2の情報端末におけるコンテンツ画面の他の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末に表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末に表示されるコンテンツ画面である。
図37】配信ユーザU1によるプレゼンの進行を支援するコンテンツ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているプレイ画面を示し、(B)は配信ユーザU1の情報端末に表示されるプレイ画面である。
図38】協同配信の場合におけるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバが認識しているコンテンツ画面を示し、(B)は配信ユーザU2の情報端末に表示されるプレイ画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
後述する実施の形態は、本発明を実施するための形態の一例にすぎず、本発明の実施の形態は、後述する形態例に限定されない。
従って、本発明の技術的範囲は、後述する実施の形態に記載された範囲に限定されない。例えば実施の形態に記載された内容に種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、後述する各種の機能部は、例えばCPU(=Central Processing Unit)、MPU(=Micro Processing Unit)、GPU(=Graphics Processing Unit)、DSP(=Digital Signal Processor)その他のプロセッサによるプログラムの実行を通じて実現される。
【0010】
<用語>
まず、実施の形態で使用する用語について説明する。
「プログラム」は、OS(=Operating System)やアプリケーションプログラムの総称として使用する。
「ゲーム」は、コンピュータゲームをいう。ゲームの舞台となる仮想の空間を「ゲーム空間」という。ゲーム空間の舞台には、例えば仮想の街や仮想の国がある。ゲーム空間は二次元空間でも三次元空間でもよい。
「プレイヤ」は、情報端末の操作を通じてゲームをプレイするユーザをいう。
【0011】
プレイヤが操作する情報端末には、専用機と汎用機がある。
専用機には、例えばゲームセンター等に設置される据え置き型のゲーム機がある。
汎用機には、例えばプレイヤによる携帯や装着が可能なスマートグラス、ヘッドセット、スマートフォンがある。スマートグラスは、小型のディスプレイと、ディスプレイに表示された画像を網膜上に結像する導光部品とを備える眼鏡型のデバイスである。他の汎用機には、ノート型、デスクトップ型、タブレット型のコンピュータ、家庭用ゲーム機がある。情報端末は、ゲームの実行が可能であればよい。
【0012】
ゲームを実行する情報端末には、プレイヤが操作する情報端末(以下「プレイヤの端末」ともいう。)の他、インターネットその他のネットワーク上に配置されるサーバがある。
サーバでゲームを実行する場合、プレイヤの端末は、いわゆる入出力装置として使用される。すなわち、プレイヤの端末は、ゲームに関連する画像の表示と操作の入力に使用される。
なお、一部のゲームに関するデータが情報端末に格納されており、その情報端末に格納されているデータとサーバに格納されているゲームのデータの双方を利用してゲームを実行してもよい。また、ゲームに関するデータの全てが情報端末に格納される場合には、ゲームのプレイに関する画像データを情報端末からサーバにアップロードし、アップロードされた画像データをサーバが他のユーザにストリーミング配信してもよい。
【0013】
「プレイ画面」は、プレイヤの表示装置に表示される画像をいう。表示装置は、プレイヤの操作する端末と一体化されていてもよいし、別体として構成されていてもよい。プレイ画面は、一般には動画像である。もっとも、プレイ画面として静止画像が表示されることを妨げない。また、換言すれば、プレイ画面は、プレイヤがプレイするゲームの画面ともいえる。
プレイ画面には、プレイヤによるプレイ中にライブ配信される画像と、タイムシフト配信される画像がある。プレイ画面の配信には、ストリーミング配信が用いられる。
以下では、ライブ配信される画像とタイムシフト配信される画像を区別する目的で、タイムシフト配信される画像を「リプレイ動画」と呼ぶことがある。なお、ライブ配信される画像とリプレイ動画を総称して「プレイ動画」とも呼ぶ。
プレイ画面(プレイ動画)は、プレイヤ本人に限らず、他のプレイヤや視聴ユーザによる視聴が可能である。
以下では、プレイ画面(プレイ動画)を視聴するプレイヤ以外のユーザを「視聴ユーザ」といい、視聴ユーザが操作する情報端末を「視聴ユーザの端末」という。
視聴ユーザが同時に視聴可能なプレイ画面は基本的に1つである。視聴ユーザと視聴中のプレイ画面(又はプレイヤ)との関係は、サーバにより管理される。
【0014】
サーバで実行されるゲームには、例えば一部又は全てのゲームデータをサーバに格納し、ゲームを操作するプレイヤからの操作を情報端末から受け付けることで実行可能なゲームがある。
ソーシャルゲームは、SNS(=Social Networking Service)の要素を取り入れた複数人でプレイが可能なゲームである。
ゲームのプレイの形態には、1人のプレイヤによる単独プレイ(以下「シングルプレイ」ともいう。)と、所定関係にある複数のプレイヤによるプレイ(以下「マルチプレイ」ともいう。)がある。
ゲームにより、シングルプレイのみが可能な場合、マルチプレイのみが可能な場合、シングルプレイとマルチプレイの選択が可能な場合がある。
【0015】
マルチプレイ型のゲームには、例えば他のプレイヤと対戦するゲーム(以下「対戦型ゲーム」という。)と、ゲームの結果を他のプレイヤと競うゲーム(以下「競争型ゲーム」ともいう。)、協同して共通の目的(例えばゲームのクリア)の達成を目指すゲーム(以下「協同型ゲーム」ともいう。)がある。なお、競争型ゲームであっても、ゲーム内に他のプレイヤとの対戦プレイを含む場合がある。
協同型ゲームの場合、複数人のプレイヤが1つのプレイ画面を共有してもよい。協同型ゲームの場合、複数人のプレイヤは1つのゲーム空間を共有し、各プレイヤに設定される仮想カメラからゲーム空間を撮影したゲーム画像を各プレイヤにプレイ画面として提供してもよい。従って、協同型ゲームの場合、プレイヤと視聴ユーザの関係は1対1ではない。
【0016】
以下で想定する実施の形態では、プレイヤの少なくとも1人はユーザであるが、プレイヤの少なくとも1人をプロセッサが代行してもよい。この形態は、シングルプレイに見えるが、マルチプレイゲームの1類型である。
以下で想定する実施の形態では、例えばマルチプレイゲームをプレイする他のプレイヤのプレイを支援するプレイヤを「第1プレイヤ」といい、支援を受けるプレイヤを「第2プレイヤ」という。
【0017】
第1プレイヤと第2プレイヤの関係は、マルチプレイゲームの開始前又は開始時に設定してもよいし、マルチプレイゲームの開始後に設定してもよい。
また、各プレイヤのプレイの履歴やプレイヤの属性等に基づいてサーバが自動的に設定してもよい。
プレイの履歴に基づくプレイヤ間の関係の設定では、プレイの対象であるマルチプレイゲームのプレイ回数が多いプレイヤを第1プレイヤとしてもよく、過去のプレイで同じマルチプレイゲームをクリアした履歴を有するプレイヤを第1プレイヤとしてもよく、過去のプレイで同じマルチプレイゲームをプレイした際のスコアが高いプレイヤやランキングの順位が高いプレイヤを第1プレイヤとしてもよい。この場合、第2プレイヤは、第1プレイヤ以外のプレイヤとする。
【0018】
属性に基づくプレイヤ間の関係の設定では、各プレイヤがプレイに使用するプレイヤキャラクタ(以下「プレイヤキャラ」という。)の種類、能力、HP、スキルの大きさ等に着目し、予め定めた規則に基づいて第1プレイヤを決定してもよい。例えばHPやスキルが相対的に大きいプレイヤを第1プレイヤとし、HPやスキルが相対的に小さいプレイヤを第2プレイヤとしてもよい。
属性に基づくプレイヤ間の関係の設定では、各プレイヤが属するチームの異同に基づいて第2プレイヤを決定してもよい。例えば第1プレイヤと同じチームに属するプレイヤを第2プレイヤに設定してもよい。
【0019】
なお、第1プレイヤと第2プレイヤの関係は、マルチプレイゲームをプレイする全てのプレイヤについて1つであるとは限らない。
例えばプレイヤAは、プレイヤBとの関係では第1プレイヤであるが、プレイヤCとの関係では第2プレイヤでもよい。同様に、プレイヤBは、プレイヤAとの関係では第2プレイヤであるが、プレイヤCとの関係では第1プレイヤでもよい。
【0020】
以下で想定する実施の形態の場合、第1プレイヤと第2プレイヤの関係は、マルチプレイゲーム毎に設定され、マルチプレイゲームのプレイが終了すると、設定された関係はリセットされる。
この他、プレイ画面を配信するプレイヤを「配信ユーザ」ということがある。また、視聴ユーザのうち、視聴対象である配信ユーザとゲーム上で競うプレイヤを「参加ユーザ」ということがある。
【0021】
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、ゲームを実行するサーバ10と、プレイヤや視聴ユーザが操作する情報端末20A、20B、20C、20D、20Xと、これらを通信可能に接続するネットワークNとで構成される。
【0022】
図1では、プレイヤの一例として、プレイヤP1、プレイヤP2、プレイヤP3、プレイヤP4を示している。プレイヤを4名とするのは、説明上の都合であり、実際には、3名以下のプレイヤでもよいし、5名以上のプレイヤが存在してもよい。
一方、視聴ユーザは、複数名でも0名でもよい。
以下では、プレイヤと視聴ユーザを区別しない場合、単にユーザという。
【0023】
図1に示す情報処理システム1の場合、サーバ10には、プレイヤP1が操作する情報端末20Aと、プレイヤP2が操作する情報端末20Bと、プレイヤP3が操作する情報端末20Cと、プレイヤP4が操作する情報端末20Dと、視聴ユーザが操作する情報端末20XがネットワークN経由でサーバ10と接続されている。
以下では、情報端末20A、20B、20C、20D、20Xを総称して「情報端末20」という。
ネットワークNは、例えばインターネット、LAN(=Local Area Network)、4Gや5G等の移動通信システムである。なお、ネットワークNは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。また、有線ネットワークと無線ネットワークの混在型でもよい。
【0024】
サーバ10は、1又は複数のコンピュータから構成される。サーバ10は、オンプレミス型のサーバでもよいし、クラウド型のサーバでもよい。クラウド型のサーバには、例えばIaaS(=Infrastructure as a Service)、PaaS(=Platform as a Service)、SaaS(=Software as a Service)がある。サーバ10は、情報処理装置の一例である。
情報端末20は、サーバ10が提供する配信サービスを利用するユーザが操作する端末である。
情報端末20は、例えばスマートフォン、タブレット型の端末、ノート型の端末、デスクトップ型の端末、ゲーム端末の他、ヘッドマウント型の端末(いわゆるヘッドセット)、メガネ型の端末(いわゆるスマートグラスやARグラス)である。情報端末20は、ネットワークNとの通信機能を備えている。図1では、情報端末20がスマートフォンの場合を表している。
【0025】
<サーバのハードウェア構成>
サーバ10は、端末全体の動作を制御するプロセッサ11と、メモリ12と、補助記憶装置13と、通信インタフェース14とで構成される。なお、プロセッサ11と各デバイスは、バスその他の信号線15を通じて接続される。
プロセッサ11は、例えばCPUである。もっとも、プロセッサ11は、MPU、GPU、DSPその他のプロセッサでもよい。
メモリ12は、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)やプロセッサ11のワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)で構成される。
【0026】
補助記憶装置13は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置13には、ゲームプログラムの他、例えばゲーム空間の情報、ゲームに参加しているプレイヤの情報、各プレイヤのプレイ画面、プレイ画面を視聴中の視聴ユーザの情報、プレイ動画が記憶される。
プレイヤや視聴ユーザの情報は、アカウントその他の各ユーザを特定する情報に紐づけられる。なお、補助記憶装置13は、サーバ10に対して外付けされていてもよいし、ネットワークN上に存在してもよい。
通信インタフェース14は、情報端末20等の外部の端末との通信を可能にするデバイスである。通信インタフェース14には、通信に使用するネットワークNに応じた通信を実現する機能が求められる。
【0027】
<情報端末のハードウェア構成>
図2は、情報端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
情報端末20は、プロセッサ211と、メモリ212と、補助記憶装置213と、ディスプレイ214と、カメラ215と、操作ボタン216と、通信インタフェース217とで構成される。なお、プロセッサ211と各デバイスは、バスその他の信号線で接続されている。
プロセッサ211は、例えばCPUである。もっとも、プロセッサ11は、MPU、GPU、DSPその他のプロセッサでもよい。
【0028】
メモリ212は、BIOS等が記憶されたROMやプロセッサ211のワークエリアとして用いられるRAMで構成される。
補助記憶装置213は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置213には、例えばプログラムが記憶される。スマートフォンやスマートグラス等のように情報端末20の筐体が小さい場合、補助記憶装置213には半導体ストレージが採用される。
【0029】
ディスプレイ214は、プレイ画面等の表示に使用される液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイである。ディスプレイ214の表面には、ディスプレイ214の視聴を妨げない薄膜式のタッチセンサが配置されることがある。タッチセンサは、入力デバイスの一例である。ディスプレイ214とタッチセンサが一体化したデバイスはタッチパネルと呼ばれる。
なお、ディスプレイ214は、情報端末20に対して外付けされるモニタでもよいし、プロジェクターのようにプレイヤの前方にプレイ画面を投影する装置でもよい。
【0030】
カメラ215は、被写体の画像を光学的に撮像するデバイスである。本実施の形態におけるカメラ215は、少なくともゲームをプレイ中のプレイヤの目を撮像の対象に含む。なお、カメラ215は複数個でもよい。
カメラ215は、プレイヤの目の撮像専用である必要はない。例えば情報端末20がヘッドセットやスマートグラスの場合、カメラ215は、プレイヤのジェスチャーの撮像に用いてもよい。カメラ215は、視聴ユーザの目の撮像にも使用される。
操作ボタン216は、情報端末20に対する操作の入力に用いられるデバイスである。操作ボタン216には、例えば電源ボタン、音量ボタン、ジョイスティック、ゲームパッド、キーボード、マウスがある。
【0031】
通信インタフェース217は、サーバ10等の外部の端末との通信を可能にするデバイスである。通信インタフェース217には、通信に使用するネットワークNに応じた通信を実現する機能が求められる。
この他、情報端末20は、慣性センサ、加速度センサ、磁気センサ、マイク、スピーカを備えてもよい。
【0032】
なお、プレイヤの視線方向の検知に赤外線を使用する場合、情報端末20には、赤外線LEDと赤外線カメラが用意される。赤外線を使用する視線検知技術は角膜反射法とも呼ばれ、角膜上における赤外線レーザの照射位置を基準点とし、この基準点と動点(瞳孔)との位置関係から視線を検知する。
この他、プロジェクターでプレイ画面が投影される場合のように、プレイヤが視認するプレイ画面のサイズが大きい場合には、プレイヤの頭部の向きの検知によりプレイヤの視線方向を検知してもよい。
【0033】
図3は、ディスプレイ214と同じ面に配置されたカメラ215を使用する視線検知技術を説明する図である。(A)はプレイヤがディスプレイ214の左辺付近(x1,y1)を視認している場合を示し、(B)はプレイヤがディスプレイ214の中央付近(x2,y2)を視認している場合を示し、(C)はプレイヤがディスプレイ214の右辺付近(x3,y3)を視認している場合を示す。
図3(A)、(B)及び(C)に示す目元の画像は、ディスプレイ214と対面した状態でゲームをプレイするプレイヤの目元をカメラ215で撮像された画像である。
本実施の形態におけるカメラ215は、可視光カメラである。可視光カメラで撮像した画像からプレイヤの視線を検知する場合、基準点として目尻等を採用し、動点として瞳孔の外縁や虹彩の外縁を採用する。この場合も、基準点に対する動点の位置関係により視線を検知する。
【0034】
<サーバの機能構成>
続いて、サーバ10の機能構成について説明する。
図4は、実施の形態1で使用するサーバ10の機能上の構成例を説明する図である。なお、図4に示す機能構成は、プログラムの実行を通じて実現される機能部の一例である。
サーバ10は、視線情報取得部111と、表示制御部112と、記憶部120とを有している。
このうち、記憶部120は、メモリ12(図1参照)と補助記憶装置13(図1参照)により実現される。
【0035】
<記憶部に記憶される情報>
機能部の説明に先立ち、記憶部120に記憶される情報の一例を説明する。
図4に示す記憶部120には、プレイヤ情報121、視聴ユーザ情報122、ゲーム情報123、注視位置情報124等が記憶されている。
プレイヤ情報121は、ゲームをプレイするプレイヤの情報である。図1の例であれば、プレイヤP1やプレイヤP2に対応する情報である。
【0036】
プレイヤ情報121には、例えばプレイヤを特定するユーザID(以下「プレイヤID」という。)、プレイヤがプレイに操作する情報端末20を特定する情報(例えばIPアドレス)、プレイ中のゲームを特定するID(すなわちゲームID)、プレイヤの操作に応じてゲーム空間内で行動するオブジェクト(すなわちアバターやプレイヤキャラ)のゲーム空間内における位置情報、ゲームのプレイで取得したポイント、付与された特典の情報、付与された報酬の情報が含まれる。特典には、例えばポイント、経験値、称号、攻撃力、HP、属性等のレベルアップ、他のゲームで使用可能な武器、魔法その他の能力、新たな属性等がある。
報酬には、例えば電子マネー、暗号資産、ゲーム内通貨、法定通貨、ポイントがある。
【0037】
図5は、プレイヤ情報121のデータ例の一部を説明する図である。
図5に示すプレイヤ情報121は、プレイヤID121A、IPアドレス121B、ゲームID121C、プレイヤキャラの位置情報121D、協同プレイヤID121E、プレイステータス121Fで構成されている。
IPアドレス121Bは、情報端末20を特定する情報の一例である。IPアドレスに代えてMAC(Media Access Control address)アドレスを使用してもよい。
ゲームID121Cには、プレイヤがプレイするゲームを特定するゲームIDが記録される。プレイヤがゲームをプレイしていない場合、ゲームID121Cは空欄となる。
【0038】
協同プレイヤID121Eは、マルチプレイゲーム内でチームを形成している他のプレイヤを特定する情報である。
図5の場合、プレイヤIDが「P1001」のプレイヤと「P1002」のプレイヤがチームを形成している。このため、プレイヤIDが「P1001」のプレイヤの協同プレイヤID121Eには「P1002」が記録され、プレイヤIDが「P1002」のプレイヤの協同プレイヤID121Eには「P1001」が記録されている。
なお、他のプレイヤとチームを形成していない場合、協同プレイヤID121Eは空欄となる。図5の場合、プレイヤIDが「P1003」のプレイヤとプレイヤIDが「P1004」のプレイヤの協同プレイヤID121Eは空欄である。
【0039】
プレイステータス121Fは、各プレイヤのプレイ上のステータスを表す情報である。例えば「プレイ中」、「ゲームクリア」、「ゲームオーバー」が示されている。
図5の場合、プレイヤID121Aが「P1002」であるプレイヤのプレイステータス121Fはゲームオーバーであり、プレイヤID121Aが「P1004」であるプレイヤのプレイステータス121Fはゲームクリアであり、他のプレイヤのプレイステータス121Fはプレイ中である。
【0040】
視聴ユーザ情報122は、プレイ画面を視聴する視聴ユーザの情報である。
視聴ユーザ情報122には、例えば視聴ユーザを特定するユーザID(以下「視聴ユーザID」ともいう。)、視聴ユーザが操作する情報端末20を特定する情報(例えばIPアドレス)、視聴対象であるプレイ画面を特定するID(例えばIPアドレス)、視聴対象であるプレイ画面に紐づけられたプレイヤを特定するプレイヤIDが含まれる。
ゲーム情報123は、ゲームを特定するゲームID、ゲームを構成するクエストを特定するクエストID、ゲーム空間のレイアウトに関する情報、ゲームの進行に関する情報、クエストで出現する敵キャラの情報を含む。
【0041】
注視位置情報124は、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤが注視しているプレイ画面内の位置(すなわち座標等)を記録する情報である。
注視位置は、プレイヤが意図的に視認している位置をいい、点又は範囲で定義される。よく知られているように、人間の眼球には意図的な動きと、意図しない(すなわち無意識的な)動きがある。視線検知の初期段階では、プレイヤの意図しない視線の動きも含まれている。
【0042】
そこで、本実施の形態では、検出された位置が所定時間(例えば数十ミリ秒)以上留まっている範囲の中心座標を「注視位置」として記録する。このように、各種のログでは、少なくとも数十ミリ秒から数百ミリ秒を単位として各時点の情報が記録される。
図6は、注視位置情報124のデータ例を説明する図である。
図6に示す注視位置情報124は、ゲームID124A、プレイヤID124B、注視位置ログ124Cで構成される。
ここでのプレイヤID124Bは、プレイヤID121A(図5参照)と共通である。
注視位置ログ124Cには、時間毎の注視位置が記録される。
【0043】
<機能部で実行される処理>
以下では、図4に示す視線情報取得部111と表示制御部112で実行される基本的な処理機能について説明する。
各機能部に用意されている詳細な処理機能については、想定される処理動作例と関連付けて適時説明する。
【0044】
<視線情報取得部>
視線情報取得部111は、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得する機能部である。
ここでの「視線に関する情報」は、例えばプレイ画面上の注視位置を与える座標等の情報である。従って、プレイ画面以外を視認する情報は除外される。
視線に関する情報は、例えば注視位置ログ124Cから所定の時間間隔(例えば1秒毎)でサンプリングした注視位置や所定の時間間隔(例えば1秒毎)に算出した注視位置の平均値を含んでもよい。
【0045】
この他、視線に関する情報には、プレイ画面上でプレイヤが注視しているオブジェクト(例えば敵キャラ、敵キャラからの攻撃、ゲーム空間の背景や景色を構成するオブジェクト、武器や乗り物等のプレイヤが選択的に使用可能なアイテム、メニュー画面)、特定のオブジェクトを視認している時間長、注視位置の移動に現れるパターン(例えば移動の速度、移動の経路、注視される範囲)を含めてもよい。
また、ここでのマルチプレイゲームは、プレイヤの注視位置を使用したプレイヤの支援が想定されるゲームをいう。従って、プレイヤの注視位置を使用したプレイヤの支援を想定しないゲームは除外される。
ここでの視線情報取得部111は、特許請求の範囲における「取得部」の一例である。
【0046】
<表示制御部>
表示制御部112は、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの視線に関する情報を表示する機能部である。
ここでの「第1プレイヤ」には、例えば他のプレイヤのプレイを支援するプレイヤを想定する。また、「第2プレイヤ」には、例えば他のプレイヤからプレイの支援を受けるプレイヤを想定する。
【0047】
本実施の形態では、第1プレイヤとして、同じマルチプレイゲームをプレイしている第2プレイヤよりもプレイの技量が高いプレイを想定する。なお、第2プレイヤは、マルチプレイゲームに参加しているプレイヤのうち第1プレイヤを除く全員である必要はない。例えば同じマルチプレイゲームをプレイしているプレイヤの人数が4名の場合、第2プレイヤの人数は1名でも2名でもよい。従って、表示制御部112が第1プレイヤのプレイ画面上に表示する第2プレイヤの視線に関する情報は、1つでも複数でもよい。
この他、表示制御部112は、第1プレイヤのプレイ画面上に本人(すなわち第1プレイヤ)の視線に関する情報を表示する機能を有してもよい。
【0048】
<プレイ画面の表示例>
以下、視線情報取得部111(図4参照)と表示制御部112(図4参照)により実現されるプレイ画面の表示例について説明する。
【0049】
<基本画面>
図7は、プレイヤP1とプレイヤP2が視認しているプレイ画面と注視範囲の関係を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20AとプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面の例を示し、(B)はサーバ10が認識している注視範囲を示す。
図7に示すプレイ画面には、プレイヤP1が操作するプレイヤキャラと、プレイヤP2が操作するプレイヤキャラと、敵キャラと、敵キャラの攻撃を示す矢印と、特殊攻撃の発動ゲージとが含まれている。
【0050】
ここでの特殊攻撃は、例えば標準的な攻撃よりも敵キャラに与えるダメージが大きい攻撃、発動条件を満たすことでプレイヤ単位やチーム単位で発動が可能になる攻撃をいう。
図7の発動ゲージは、着色部分の長さで発動条件を満たすか否かを表している。因みに、発動ゲージに着色部分が無い状態が初期状態であり、着色部分が発動ゲージの右端まで達した状態(フル状態)が発動条件を満たすことを意味する。
【0051】
図7の場合、発動ゲージの着色部分の右端はほぼ中央であるので、発動条件は満たしていない。着色部分の長さは、予め定めた条件を満たすことで増加する。例えばプレイ時間に比例して着色部分の長さが増加する。また例えばプレイヤの攻撃が敵キャラにダメージを与えると着色部分の長さが増加する。
【0052】
ここでの注視範囲は、注視位置を点ではなく範囲として管理する場合を想定している。注視範囲は、ある時間内に検知された注視位置が含まれる範囲を表している。
図7では注視範囲を円により表している。円の大きさは注視範囲の大きさを表している。図7の場合、プレイヤP1の注視範囲を表す円が、プレイヤP2の注視範囲を表す円よりも大きい。このことは、同じ時間内における注視位置の移動範囲がプレイヤP1の方がプレイヤP2よりも広いことを意味する。
因みに、注視範囲を表す形状は任意である。その場合、注視範囲の表現に用いる形状の面積の大きさが、ある時間内に検知された注視位置が含まれる範囲の大きさを表すことになる。
【0053】
図7では、プレイヤP1の注視範囲は点線で示し、プレイヤP2の注視範囲は破線で示している。すなわち、プレイヤP1とプレイヤP2の注意範囲を表す円の線種を変えて表現している。
因みに、図7における線種の違いは説明上の都合であり、サーバ10(図1参照)は、プレイヤ別の注視範囲の違いを、注視範囲に付されたIDやラベルにより識別する。
図7の場合、プレイヤP1のプレイヤキャラはプレイ画面内の左側に位置する一方、プレイヤP2のプレイヤキャラはプレイ画面内の右側に位置している。
【0054】
プレイヤP1の注視範囲は、プレイヤP2のプレイヤキャラを含んでいるが、プレイヤP2の注視範囲は、プレイ画面の中央付近にあり、自身が操作するプレイヤキャラも、プレイヤP1のプレイヤキャラも、敵キャラも含んでいない。
なお、敵キャラからはプレイヤP2のプレイキャラの方向には、敵キャラの攻撃を示す矢印が表示されている。敵キャラの攻撃は、やがてプレイヤP2のプレイキャラに到達する可能性があるが、現時点では到達していない。
【0055】
図7に示す表示からは、これらの事象が読み取れる。なお、図7に示すプレイ画面には、説明上の都合により、他のプレイヤ(すなわちプレイヤP3、プレイヤP4のプレイヤキャラ)は表示されていない。
【0056】
<表示例1>
図8は、プレイヤ別のプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図8には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0057】
図8の場合、プレイヤP1のプレイ画面にプレイヤP2の注視範囲が表示される点で、プレイヤP2のプレイ画面と相違している。
この注視範囲の表示は、表示制御部112(図4参照)の制御により実現されている。この表示により、プレイヤP1は、プレイヤP2がプレイ画面内のどこを注視しているかをリアルタイムで把握することができる。
【0058】
図8の場合、プレイヤP1は、プレイヤP2が自身(すなわちプレイヤP2)のプレイヤキャラを見ていないことは把握する。
一方で、プレイヤP1は、図7(B)に示すように、プレイヤP2のプレイヤキャラを注視しており、敵キャラからの攻撃がプレイヤP2のプレイヤキャラに届きそうなことも把握している。
以上の情報から、プレイヤP1は、プレイヤP2のプレイヤキャラが敵キャラからの攻撃を受けそうなことにプレイヤP2が気付いていないことに気付くことが可能となる。
【0059】
この判断は、プレイヤP1のプレイ画面上に、プレイヤP2の注視範囲が表示されることで実現される技術的な効果である。
例えばプレイヤP1とプレイヤP2が隣り合っている場合やプレイヤP1とプレイヤP2が直接会話できる距離にいる場合、プレイヤP1は、プレイヤP2に直接話しかけることにより、危機が迫っていることをプレイヤP2に知らせることができる。
【0060】
<表示例2>
ところで、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤP1とプレイヤP2は、会話が可能な距離にいるとは限らない。その場合には、プレイヤP1からプレイヤP2への情報の伝達には情報端末20間の通信を利用する必要がある。
このための機能の1つとして、表示制御部112は、第1プレイヤが操作する情報端末20のプレイ画面上に、第2プレイヤに対する案内情報の候補を提示する第1機能を有している。
また、表示制御部112は、案内情報の候補のうち第1プレイヤによって選択された案内情報を、第2プレイヤが操作する情報端末20に通知する第2機能を有している。
【0061】
図9は、表示制御部112の第2機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図9には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0062】
図9の場合、プレイヤP1のプレイ画面の左上隅には案内情報300が表示されている。図9の場合、案内情報300には「P2への案内」とのタイトルと、プレイヤP2に提示する内容の候補1~3とが表示されている。
なお、案内情報300に表示される内容の候補は3つに限らず、1つでも、2つでも、4つ以上でもよい。なお、候補の数が多い場合には、スクロールバーを用いて案内情報300の表示範囲に収まるようにしてもよい。
【0063】
これらの候補のうちの1つがプレイヤP1により選択され、その後、送信の実行が指示されると、選択された候補がサーバ10経由でプレイヤP2の情報端末20Bに送信される。
図9では、上から3つ目の候補である「3.自機に注意」が矩形で囲まれている。この矩形は選択状態を表している。
図9の場合、選択可能な内容の候補が一覧表示されているが、候補の表示の仕方は一覧形式に限らない。
【0064】
図10は、表示制御部112の第2機能に基づくプレイ画面の他の表示例を説明する図である。図10には、図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図10の場合、時間の経過に伴って、プレイ画面上の案内情報300A、300B、300Cが順番に切り替わっている。
因みに、案内情報300Aには「右下は危険」、案内情報300Bには「回避!」、案内情報300Cには「自機に注意」の文字が候補として示されている。
【0065】
図11は、表示制御部112の第2機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図11には、図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11の場合、プレイヤP1のプレイ画面では上から1つ目の候補である「1.右下は危険」が矩形で囲まれている。この状態でプレイヤP1が送信を指示すると、選択された候補の内容に対応するメッセージ310が、宛先であるプレイヤP2のプレイ画面にポップアップ表示されている。図11の場合、メッセージ310は、プレイヤP2のプレイ画面のほぼ中央にポップアップ表示されている。
【0066】
メッセージ310のポップアップ表示は、プレイヤP2の注意を引く。
その結果、プレイヤP2は、メッセージ310に記述された「右下は危険」に気づき、自身が操作するプレイヤキャラを、敵キャラの攻撃から退避するように移動させることが可能になる。
なお、メッセージ310がポップアップ表示される位置は、プレイ画面のほぼ中央に限らない。例えばメッセージ310は、プレイ画面の予め定めた位置(プレイ画面の四隅等)やランダムに決定した位置にポップアップ表示してもよい。
また、図9図11に示す例では、プレイヤP1が選択する内容の候補が定型文(又はスタンプ)の場合について説明したが、プレイヤP1が自由に入力した文をプレイヤP2のプレイ画面上にポップアップ表示してもよい。
【0067】
ところで、プレイヤP1が送信を指示した内容のプレイヤP2に対する伝達はプレイ画面上の表示に限らない。
図12は、表示制御部112の第2機能に基づくメッセージの提示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図12には、図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12の場合、プレイヤP1が送信を指示した内容である「右下は危険」は、プレイヤP2の情報端末20Bのスピーカから音声320で出力されることになる。ここでの音声出力に代えて、メッセージの内容に対応するメロディやブザーを出力してもよいし、メッセージの内容に対応する振動を出力してもよい。
【0068】
<表示例3>
表示例2は、メッセージ310のポップアップ表示を重視しているが、メッセージ310の表示のサイズや表示の形態によってはプレイヤP2に気付かれない可能性もある。特に、メッセージ310がポップアップ表示された位置がプレイヤP2の注視範囲から離れている場合やメッセージ310の表示サイズが小さい場合、プレイヤP2によるメッセージ310の見落としリスクがある。
そこで、表示制御部112は、視線に関する情報に関連するプレイ画面上の位置に、案内情報300を表示する第3機能を設けてもよい。
【0069】
図13は、表示制御部112の第3機能に基づくメッセージ310の表示例を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図13には、図11との対応部分に対応する符号を付して示している。
図13の場合、メッセージ310は、プレイヤP2の注視範囲と重なる位置にポップアップ表示されている。このため、プレイヤP2は、メッセージ310のポップアップ表示に気づき易くなる。その結果、プレイヤP2は、敵キャラからの攻撃から、自身が操作するプレイヤキャラを退避させることが可能になる。
【0070】
なお、メッセージ310がポップアップ表示される領域は、プレイヤP2の注視範囲に含まれる、又は、一部が重なることが望ましい。ここでのプレイヤP2の注視範囲に含まれる位置やプレイヤP2の注視範囲の一部と重なる位置は、視線に関する情報に関連するプレイ画面上の位置の一例である。
もっとも、メッセージ310がポップアップ表示される領域とプレイヤP2の注視範囲との間に隙間があっても(重なる領域がなくても)、メッセージ310のポップアップ表示される位置がプレイヤP2の注視範囲の近傍であればよい。注視範囲の近傍であれば、プレイヤP2は、メッセージ310のポップアップ表示に気づき易いためである。なお、ここでのプレイヤP2の注視範囲の近傍も、視線に関する情報に関連するプレイ画面上の位置の一例である。
【0071】
<表示例4>
前述した表示例の場合、プレイヤP1がプレイしながらプレイヤP2と会話できる環境を除き、プレイヤP2に対するメッセージ310のポップアップ表示には、プレイヤP1による所定の操作(例えば候補の選択と送信の操作)が必要になる。
そのため、プレイヤP1の操作に要する時間だけプレイヤP2の操作が遅れてしまう。しかも、プレイヤP1は、リアルタイムでマルチプレイゲームをプレイしているので、プレイヤP2に提示する候補の選択と送信の操作が後回しになる可能性がある。
【0072】
しかし、プレイヤP1がプレイヤP2の危機等に気づいてから所定の操作が完了するまでの時間が長くなると、それだけ、プレイヤP2が自身の危機等に気付くのが遅れ、前述した例であれば、プレイヤP2のプレイヤキャラが敵キャラからの攻撃によりダメージを受けてしまう。
そこで、第1プレイヤの視線に関する情報から、第1プレイヤによる第2プレイヤの所定の状況の視認が検出された場合、表示制御部112は、第2プレイヤが操作する情報端末20Bのプレイ画面上に所定のメッセージを表示する第4機能を設けてもよい。
【0073】
図14は、表示制御部112の第4機能に基づくメッセージ310Aの表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図14には、図7及び図13との対応部分に対応する符号を付して示している。
すなわち、図14の場合、支援する側であるプレイヤP1の注視範囲が支援を受ける側であるプレイヤP2のプレイヤキャラに向かう敵キャラの攻撃を含むことを発動条件(すなわち所定の状況)として、メッセージ310AがプレイヤP2のプレイ画面に自動表示されている。
【0074】
このように、プレイヤP2のプレイ画面上へのメッセージ310Aの表示には、プレイヤP1による何らの操作も必要されない。このため、プレイヤP1がプレイヤP2のプレイヤキャラの危機等に気付くと同時にプレイヤP2のプレイ画面上にメッセージ310Aを表示することが可能になる。その結果、プレイヤP2は、自身のプレイヤキャラの退避行動は遅滞なく開始することが可能になる。
なお、メッセージ310Aの自動表示には、プレイヤP1のプレイ画面上へのプレイヤP2の注視範囲の表示も必要としない。もっとも、プレイヤP2の注視範囲をプレイヤP1のプレイ画面上に表示することを妨げない。
【0075】
因みに、前述の発動条件(すなわち所定の状況)には、支援を受ける側であるプレイヤP2の注視範囲に又はその近傍に、敵キャラからの攻撃が含まれていないことを要求してもよい。換言すると、プレイヤP2が気付いていない危機その他の所定の状況にプレイヤP1が気付いていることを発動条件としてもよい。
もっとも、前述の発動条件(すなわち所定の状況)には、支援を受ける側がスコアを得るチャンスのように、プレイ上の有利な状況を含めてもよい。
【0076】
表示例4の場合、メッセージ310Aは自動表示であるので、プレイヤP1がメッセージ310Aの内容を選択することも、内容を入力することもできない。
もっとも、危機等の内容はプレイヤP2のプレイの状況によって異なるため、表示制御部112は、所定の状況に対して事前に用意されているメッセージ310Aを読み出してプレイヤP2のプレイ画面上に表示すればよい。
【0077】
<表示例5>
ここでは、支援する側であるプレイヤP1のプレイ画面に支援を受ける側のプレイヤP2の注視範囲が表示される他の条件について説明する。
前述の例では、プレイヤP1の支援を受けるプレイヤP2が事前に設定されている場合を想定しているが、表示例5においては、各プレイヤの属性情報に基づいて支援する側となるプレイヤP1と支援を受ける側となるプレイヤP2を自動的に設定する。
そこで、表示制御部112には、所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤの視線に関する情報(例えば注視範囲)をプレイ画面に表示する第5機能を設ける。
【0078】
「所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤ」には、例えば対象プレイヤと同じチーム属性を有するプレイヤがある。
他のプレイヤの視線に関する情報がプレイ画面上に表示されるプレイヤには、例えばチーム内の特定の役割(例えばリーダー)を要求してもよいが、チーム内の特定の役割は不要としてもよい。チーム内の特定の役割が不要な場合、同じチームに属する各プレイヤには、同じチームに属する他のプレイヤの視線に関する情報(例えば注視範囲)が互いに表示される。
【0079】
また、「所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤ」には、例えば生徒の属性を有するプレイヤがある。
他のプレイヤの視線に関する情報がプレイ画面上に表示されるプレイヤには、例えば「教師の属性を有する」ことや「リーダーの属性を有する」ことを要求してもよいし、「生徒の属性を有しない」ことを要求してもよい。前者は積極的な要件であり、後者は消極的な要件である。これらの役割は、マルチプレイゲーム毎にプレイヤ間で定まる役割でもよいし、マルチプレイゲームとは無関係に定まるプレイヤに固有の役割でもよい。
【0080】
図15は、表示制御部112の第5機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図15には、図7及び図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15の場合、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤは、プレイヤP1、プレイヤP2、プレイヤP3、プレイヤP4の4名である。このため、サーバ10が認識しているプレイ画面上には、4名分の注視範囲が表示されている。
【0081】
図15の場合、プレイヤP1とプレイヤP3はチームAに属している。また、プレイヤP2とプレイヤP4はチームBに属しており、その旨が属性として記録されている。
なお、同じチームに属するプレイヤは、協同プレイヤである。従って、各プレイヤと協同プレイするプレイヤのIDは、プレイヤ情報121(図4参照)の協同プレイヤID121E(図5参照)に記録される。チーム属性は、属性情報の一例である。図15では、単に「属性」と記述している。
【0082】
図15の場合、プレイヤP1のプレイ画面には、プレイヤP1と同じチームに属するプレイヤP3の注視範囲が表示されている。
このように、第5機能を有する表示制御部112は、各プレイヤの属性情報に着目し、他のプレイヤの注視範囲の表示を制御する。具体的には、特定の属性を有する他のプレイヤの注視範囲をプレイ画面に表示し、特定の属性を有しない他のプレイヤの注視範囲をプレイ画面に表示しない。
【0083】
このため、マルチプレイゲームに参加する全てのプレイヤ間で第1プレイヤと第2プレイヤの関係を事前に定めずに済む。結果的に、マルチプレイゲームの開始前におけるプレイヤの設定の手間や設定に要する時間の短縮が可能になる。
なお、異なるチームの注視範囲はプレイ画面に表示されない。
【0084】
図16は、表示制御部112の第5機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の他の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図16には、図15との対応部分に対応する符号を付して示している。
図16の場合も、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤは、プレイヤP1、プレイヤP2、プレイヤP3、プレイヤP4の4名である。このため、サーバ10が認識しているプレイ画面上には、4名分の注視範囲が表示されている。
【0085】
図16の場合、プレイヤP1の属性は指導者であり、プレイヤP2とプレイヤP4の属性は生徒であり、プレイヤP3の属性は「その他」である。
このため、指導者であるプレイヤP1のプレイ画面には、指導対象であるプレイヤP2とプレイヤP4の注視範囲が表示されている。その結果、プレイヤP1は、プレイヤP2とプレイヤP4の注視範囲の観点からもプレイを支援できる。
なお、属性の違いにより注視範囲の表示の態様を変更してもよい。例えば「チーム」の場合と「指導者と生徒」の場合とで、注視範囲の表示色、輝度、点滅の速さ等を変更してもよい。注視範囲の表示態様の違いにより、プレイヤP1は、表示に用いた属性情報を推測することが可能になる。
【0086】
ところで、他のプレイヤが複数名である場合に、特定のプレイヤのプレイのみを支援したい場合がある。例えば敵キャラからの攻撃を受けるのは複数名のうちの1名だけの場合である。
この場合、プレイヤP1のメッセージ310(図11参照)は、特定の1名には意味があるが、その他のプレイヤには意味がない。むしろ、メッセージ310(図13参照)のポップアップ表示が、関係のないプレイヤのプレイの邪魔になる可能性もある。
そこで、表示制御部112には、第1プレイヤ(プレイヤP1)が操作する情報端末20Aのプレイ画面上に、視線情報取得部111により取得された視線に関する情報に基づく支援の対象とする他のプレイヤの候補を選択可能に提示する第6機能を設ける。
【0087】
図17は、表示制御部112の第6機能に基づくプレイヤP1のプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図17には、図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
図17の場合も、4名のプレイヤがマルチプレイゲームをプレイしており、プレイヤP1の属性は指導者であり、プレイヤP2とプレイヤP4の属性は生徒である。
【0088】
図17の場合、敵キャラからの攻撃が向かっているのは、プレイヤP2のプレイヤキャラである。このため、プレイヤP1のメッセージ310(図11参照)が、プレイヤP2とプレイヤP4のプレイ画面にポップアップされると、関係のないプレイヤP4には迷惑である。
そこで、表示制御部112は、第6機能に基づいて、プレイヤP1のプレイ画面上に、支援の対象とするプレイヤの候補を選択可能に提示する選択画面330を表示している。なお、この選択画面330は、支援の対象となる候補が複数名の場合にのみ表示され、支援の対象が1名の場合には表示されない。
【0089】
図17の場合、支援の対象となる候補はプレイヤP2とプレイヤP4の2名であるので、「P2」ボタンと「P4」ボタンが選択画面330に用意されている。なお、支援の対象となる候補が3名以上の場合には人数分の選択ボタンが表示される。
図17に示す選択画面330には、「送信先を選択してOKを押してください」との説明文に加え、「OK」ボタンも配置されている。
【0090】
プレイヤP1が「P2」ボタンと「P4」ボタンのいずれかを選択して「OK」ボタンを押すと、続いて案内情報300(図9参照)がプレイヤP1のプレイ画面に表示され、通知する内容が選択される。もっとも、通知する内容の選択後に選択画面330が表示されてもよい。
もっとも、選択されたプレイヤに通知する内容は、画像認識で検知した危機等に基づいて、表示制御部112が自動的に決定してもよい。
【0091】
なお、プレイヤP2とプレイヤP4の両方にメッセージ310(図11参照)を表示させたい場合も考えられる。その場合には、「P2」ボタンと「P4」ボタンの両方を選択した状態で「OK」ボタンを操作すればよい。
この第6機能により、プレイヤP1は、その都度、通知先を選択することが可能になる。
一方で、第6機能に基づく選択画面330の表示は、事前に支援先を選択する場合にも使用できる。
【0092】
<表示例6>
続いて、支援する側であるプレイヤP1のプレイ画面に支援を受ける側のプレイヤP2の注視範囲が表示されるタイミングについて説明する。
前述の例では、プレイヤP1のプレイ画面上に、プレイヤP1の支援を受けるプレイヤP2の注視範囲が常に表示される場合について説明したが、常に表示されると、プレイヤP1のプレイの邪魔になる可能性がある。
【0093】
そこで、表示制御部112には、第2プレイヤ(プレイヤP2)がプレイ画面上で操作する第2オブジェクト(プレイヤキャラ)のパラメータを減少させるゲームオブジェクト(敵キャラの攻撃)と所定の位置関係を満たす第2オブジェクトを、第2プレイヤが視認していない場合、第2プレイヤに第2オブジェクトの移動を案内するための情報(例えば案内表示)を第1プレイヤ(プレイヤP1)のプレイ画面上に表示する第7機能を設ける。
なお、プレイヤキャラのパラメータは、例えばHP、ゲームスコア、発動ゲージ、スキルその他である。
【0094】
図18は、表示制御部112の第7機能に基づく他のプレイヤの注視範囲の表示例を説明する図である。(A1)、(A2)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B1)、(B2)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図18には、図15との対応部分に対応する符号を付して示している。
図18(A1)、(B1)は、プレイヤP2が自身のプレイヤキャラに対する敵キャラの攻撃に気づいている場合である。この場合、プレイヤP1のプレイ画面には、プレイヤP2の注視範囲等は表示されていない。
【0095】
一方、図18(A2)、(B2)は、プレイヤP2が自身のプレイヤキャラに対する敵キャラの攻撃に気づいていない場合である。実際、プレイヤP2は、プレイヤP1のプレイヤキャラの近辺を視認しており、プレイヤP2のプレイヤキャラに対する敵キャラの攻撃に気づいていない。
この場合、プレイヤP1のプレイ画面上には、支援の対象者であるプレイヤP2の注視範囲に加え、案内情報300がポップアップ表示されている。なお、案内情報300の表示内容は表示例2と同じである。
【0096】
もっとも、表示例2の表示の場合には、プレイヤP1の注視範囲が、図7(B)に示すように、プレイヤP2のプレイヤキャラや敵キャラの攻撃を含んでいたが、表示例6の表示は、プレイヤP1の注視範囲がプレイヤP2のプレイヤキャラや敵キャラの攻撃を含まない場合にも実行される。
すなわち、表示例6の場合には、プレイヤP1が、プレイヤP2のプレイヤキャラの危機等に気づいていなくても案内情報300が表示される。このため、プレイヤP2のプレイヤキャラに危機等が迫っている状況をプレイヤP1が気づいているという偶然を必要としない。その分、プレイヤP1は自身のプレイに集中しながらも、プレイヤP2に危機等が迫っている場合には、確実にプレイヤP2を支援することが可能になる。
【0097】
<表示例7>
前述の表示例では、第1プレイヤ(プレイヤP1)は支援のみ、第2プレイヤ(プレイヤP2)は支援を受けるのみの関係であったが、両プレイヤの注視範囲が所定の条件を満たす場合には、プレイヤP1とプレイヤP2に対して特典が付与されてもよい。
ここでの特典には、例えば特殊攻撃を想定する。特殊攻撃には、プレイヤP1やプレイヤP2の通常攻撃よりも威力が大きい意味や連携攻撃の意味がある。威力の大きさには、例えば敵キャラに与えるダメージが通常攻撃よりも大きい、ダメージが及ぶ敵キャラの数が通常攻撃よりも大きいがある。
【0098】
そこで、表示制御部112には、第1プレイヤ(プレイヤP1)から取得された視線に関する情報(注視範囲)と第2プレイヤ(プレイヤP2)から取得された視線に関する情報(注視範囲)が所定の条件を満たす場合、プレイ画面の所定の領域に対して所定の操作を実行するための案内の候補を提示する第8機能を設ける。
【0099】
図19は、表示制御部112の第8機能に基づく表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)、(C)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面を示す。図19には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図19(A)では、プレイヤP1の注視範囲とプレイヤP2の注視範囲に重なりが生じている。このプレイヤP1の注視範囲とプレイヤP2の注視範囲の重なりは、「所定の条件を満たす場合」の一例である。
【0100】
もっとも、図19(A)の時点では、特殊攻撃の発動ゲージがフルではないので、特殊攻撃は発動しない。
このため、図19(B)に示すプレイ画面には、プレイヤP1に対して、プレイヤP2と視線を合わせるように促すメッセージ340が表示されている。ここでのメッセージ340は、「二人の視線が合うと特殊攻撃が発動可能になるぞ」である。なお、図19(B)の発動ゲージの長さは、図19(A)の発動ゲージよりも長くなっている。
なお、表示制御部112は、メッセージ340を、プレイヤP2のプレイ画面にも表示してもよい。
【0101】
やがて、特殊攻撃の発動ゲージの長さがフル状態になると、表示制御部112は、プレイヤP1のプレイ画面上に、特殊攻撃の発動が可能であることを示す通知350を表示する。図19(C)の場合、通知350には、「特殊攻撃を発動しますか」とのテキストと、「YES」ボタンと、「NO」ボタンが配置される。「YES」ボタンの操作は特殊攻撃の発動を意味し、「NO」ボタンの操作は特殊攻撃の発動の保留を意味する。
因みに、「YES」ボタンは、「所定の操作」の一例である。従って、通知350は、「所定の操作を実行するための案内」の一例である。
【0102】
ところで、図19の場合、プレイヤP1のプレイ画面には、プレイヤP2の注視範囲が表示されるので、プレイヤP1は、プレイヤP2の注視範囲の表示を標的として自身の視線を追従させることにより、特殊攻撃の発動ゲージの長さを効率的に増やすことができる。
ただし、この手法の場合、プレイヤP1が一方的にプレイヤP2の注視範囲を追従しているだけであり、プレイヤP2は特殊攻撃の発動ゲージの長さの増加に寄与していない。
【0103】
図20は、表示制御部112の第8機能に基づく他の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)、(C)はプレイヤP1の情報端末20AとプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面を示す。図20には、図19との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0104】
図20の場合、プレイ画面上には、プレイヤP1とプレイヤP2の視線を合わせるための標的360が表示されている。また、図20に示すプレイ画面には、注釈370が表示されている。注釈370には、「マークに視線を重ねると、特殊攻撃が発動するぞ」と記述されている。
標的360と注釈370は、プレイヤP1とプレイヤP2のプレイ画面にも表示される。このため、プレイヤP1とプレイヤP2は、協同ゲームの感覚で、特殊攻撃の発動ゲージの長さを増加させることができる。
【0105】
<実施の形態2>
続いて、実施の形態2に係る情報処理システム1について説明する。
なお、システム構成などは、基本的に実施の形態1と同じである。以下では、実施の形態1と相違する処理動作や機能について説明する。
前述の実施の形態1の場合、支援を受けるプレイヤP2は、プレイヤP1からのメッセージに従って自身のプレイヤキャラに迫っている危機等を回避する必要があった。
しかし、プレイヤP2が初心者の場合等、突然のメッセージに驚いて正しく操作できないことも起こり得る。また、そもそもプレイヤP1からのメッセージに気付かない可能性もある。
【0106】
図21は、実施の形態2で使用するサーバ10の機能上の構成例を説明する図である。図21には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
図21に示すサーバ10には、権限移管部113が追加されている。
権限移管部113は、第1プレイヤ(プレイヤP1)の視線に関する情報から、第1プレイヤ(プレイヤP1)による第2プレイヤ(プレイヤP2)の所定の状況の視認が検出された場合、所定の状況の出現中、第2プレイヤ(プレイヤP2)が操作する第2オブジェクト(プレイヤキャラ)を操作する権限を第1プレイヤ(プレイヤP1)に移管する機能部である。
【0107】
「所定の状況」には、例えばプレイヤP2のプレイヤキャラに向かう敵キャラからの攻撃にプレイヤP1が気付いているが、プレイヤP2は気づいていない場合がある。
なお、「所定の状況」には、プレイヤP2のプレイヤキャラに向かう敵キャラからの攻撃にプレイヤP1が気付いたことを含めてもよいし、プレイヤP2のプレイヤキャラに向かう敵キャラからの攻撃にプレイヤP2が気付いていないことを含めてもよい。
前述したように、「所定の状況」は、基本的にプレイヤP2のプレイの進行が不利になる状況を想定しているが、プレイヤがスコアを得るチャンスのように、プレイ上の有利な状況を含めてもよい。
【0108】
ところで、本実施の形態における権限移管部113は、支援を受ける側であるプレイヤP1の注視範囲で所定の状況が発生していることを移管の前提条件とする。従って、プレイヤP2が所定の状況に気付いている場合にも、操作の権限の移管が実行される。
また、操作の権限の移管であるので、権限が移管されると、第2プレイヤ(プレイヤP2)は、自身のプレイヤキャラを操作できなくなる。
なお、権限の移管は、所定の状況の出現中に限られる。従って、プレイヤP1による代行操作等により所定の状況が終了すると、第2プレイヤのプレイヤキャラを操作する権限は、プレイヤP1からプレイヤP2に移管される。すなわち、プレイヤP2にプレイヤキャラを操作する権限が戻される。
【0109】
図22は、権限移管部113の処理機能を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面であり、(C)はプレイヤP2の情報端末20Bに表示されるプレイ画面である。図22には、図15との対応部分に対応する符号を付して示している。
図22の場合、サーバ10は、プレイヤP1の注視範囲とプレイヤP2の注視範囲をプレイ画面上で認識している。
また、図22(A)に示すサーバ10は、プレイヤP1の注視範囲に、敵キャラからの攻撃が向かう先にプレイヤP2が操作するプレイヤキャラが含まれることを検出している。
【0110】
この場合、サーバ10は、自動的に、プレイヤP2のプレイヤキャラを操作する権限をプレイヤP1に移管する。
その結果として、プレイヤP1のプレイ画面には、図22(B)に示すように、操作の権限が移管されたことを示す案内400がポップアップ表示される。図22(B)の場合、案内400には、プレイヤP2のプレイヤキャラの図形と「を操作可能!」と記述されている。
この案内400が表示されている間、プレイヤP1は、プレイヤP2のプレイヤキャラを操作することが可能である。
【0111】
一方、プレイヤP2のプレイ画面には、図22(C)に示すように、操作の権限が移管されたことを示す案内410がポップアップ表示される。図22(C)の場合、案内410には、「P1が操作中」と記述される。この案内410の表示により、プレイヤP2は、自身の操作がプレイヤキャラの動作に反映されない原因を理解できる。
なお、案内410が表示されても、プレイヤP1が実際にプレイヤP2のプレイヤキャラを操作しているとは限らない。
【0112】
操作の権限が移管されたプレイヤP1は、自身のプレイヤキャラとプレイヤP2のプレイヤキャラの両方の操作が可能な状態にある。
ただし、両方のプレイヤキャラの操作が可能な状態であっても、プレイヤP1は、自身の操作でどちらのプレイヤキャラが動作するのかが分からないのでは、かえってプレイヤP1が混乱する可能性が生じる。
そこで、操作対象をプレイヤP1が選択できるようにする。
【0113】
図23は、権限移管部113によるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)、(B)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図23には、図22との対応部分に対応する符号を付して示している。
図23(A)の場合、プレイ画面の左上隅に、プレイヤP2のプレイヤキャラの図形と「をタップすると、操作可能!」との説明420が表示されている。
【0114】
すなわち、図23(A)の場合には、プレイ画面上でプレイヤP2のプレイヤキャラをタップすると、それ以降におけるプレイヤP1の操作がプレイヤP2のプレイヤキャラの操作として受け付けられることになる。
なお、プレイヤP1が自身のプレイヤキャラの操作に戻したい場合、自身のプレイヤキャラを画面上でタップする。
【0115】
ところで、タップによる受け付けが可能であるのは、情報端末20Aのディスプレイ214(図2参照)の表面にタッチセンサが配置されている場合である。すなわち、プレイ画面のタップが選択操作として有効であるのは、表示画面がタッチパネルで構成される場合に限られる。
従って、情報端末20Aのディスプレイ214(図2参照)の表面にタッチセンサが配置されていない場合やプレイヤとディスプレイ214との距離の関係でタップが難しい場合には、その他の操作との組み合わせにより操作対象の選択を可能とする。例えばキーボードの特定キーの操作で操作対象を切り替えてもよいし、プレイ画面に表示される不図示のソフトキーの操作で操作対象を切り替えてもよい。
【0116】
図23(B)の場合には、プレイ画面上でプレイヤP2のプレイヤキャラの隣にコントローラのアイコン430が表示されており、コントローラのアイコン430が表示されている間は、プレイヤP2のプレイヤキャラの操作として受け付けられることが示されている。
この場合、プレイヤP1が特定の切り替え操作を行うと、プレイ画面上のコントローラのアイコン430を画面上から消してもよいし、グレーアウト表示に切り替えてもよい。
なお、コントローラのアイコン430は、バーチャルコントローラとして実際に操作可能な態様で表示されてもよい。バーチャルコントローラは、プレイヤP1による操作が可能なサイズでプレイ画面上に表示される。
【0117】
図24は、権限移管部113によるプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)は視聴ユーザの情報端末20Xに表示されるプレイ画面であり、(B)はプレイをゲームオーバーしたプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図24には、図23との対応部分に対応する符号を付して示している。
前述の表示例は、いずれもマルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤP1が、自身のプレイヤキャラの操作と並行してプレイヤP2のプレイヤキャラを操作する場合を想定しているが、マルチプレイゲームによっては、並行しての操作が難しい場合も考えられる。
図24(A)及び図24(B)は、このような場合を想定している。
【0118】
図24(A)に示す表示は、事前の指定や事前の抽選により代行操作が依頼される可能性があることに同意した視聴ユーザXのプレイ画面を想定している。
図24(A)の表示中、視聴ユーザXは、プレイヤP2のプレイヤキャラを操作する権限を取得して、プレイヤP2の代わりに、プレイヤP2のプレイヤキャラを操作することができる。この結果、プレイヤP1の負担の軽減が可能になる。
図24(B)に示す表示は、ゲームオーバーやゲームクリアにより、操作するオブジェクトを有さないプレイヤP1のプレイ画面である。図24(B)では、プレイヤP1はプレイを終了しているので、プレイ画面には、プレイヤP1のプレイヤキャラが表示されていない。
【0119】
<実施の形態3>
続いて、実施の形態3に係る情報処理システム1について説明する。
なお、システム構成などは、基本的に実施の形態1と同じである。以下では、実施の形態1と相違する処理動作や機能について説明する。
前述の実施の形態1の場合、プレイヤP1は、支援の対象であるプレイヤP2のプレイが有利になるように又は不利にならないように支援する場合を想定している。
しかし、協同プレイの場合に、マルチプレイゲームに参加しているチーム全体のプレイを有利にする又は不利を低減するような支援が必要になる場合が考えられる。
【0120】
図25は、実施の形態3で使用するサーバ10の機能上の構成例を説明する図である。図25には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
図25に示すサーバ10には、領域案内部114が追加されている。
領域案内部114は、第2プレイヤ(プレイヤP2)と第3プレイヤ(プレイヤP3)が視認している領域(注視範囲)が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方が操作する情報端末20に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内する機能部である。なお、領域案内部114は、特許請求の範囲における「案内部」の一例である。
【0121】
領域案内部114は、プレイヤP1と同じチームに属するプレイヤが複数名いる場合を想定している。領域案内部114の機能を説明する都合上、複数名のプレイヤの1名をプレイヤP2とし、別の1名をプレイヤP3としている。
マルチプレイゲームによっては、敵キャラがプレイ画面の様々な地点から攻撃を仕掛けてくる場合がある。この場合、敵キャラをいち早く発見して攻撃に備えるためにも、同じチームに属する複数名のプレイヤの注視範囲が可能な限りプレイ画面の全体に分散していることが望ましい。換言すると、複数名のプレイヤの注視範囲が重複している場合には、他の領域を視認するように案内する機能が求められる。そのための機能が領域案内部114である。
【0122】
図26は、領域案内部114の第1機能に基づくプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10が認識しているプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP3の情報端末20Cに表示されるプレイ画面である。図26には、図17との対応部分に対応する符号を付して示している。
図26の場合、4名のプレイヤがマルチプレイゲームをプレイしており、4名が同じチームを構成する場合を想定している。
このため、プレイヤP1、プレイヤP2、プレイヤP3、プレイヤP4の注視範囲がプレイ画面の全体に分散されることがチーム全体の利益となる。
【0123】
図26(A)の場合、プレイヤP1、プレイヤP2、プレイヤP3、プレイヤP4の注視範囲は、プレイ画面の下半分や右側に偏っている。また、プレイヤP3とプレイヤP4の注視範囲が重なっている。
なお、注視範囲が重なるとは、予め定めた時間(例えば1秒)以上重なる場合を想定する。例えば数ミリ秒程度の重なりは、偶然の重なりとも考えられるためである。
また、注視範囲が重なる状態の判定条件として、各プレイヤの注視範囲が予め定めた時間(例えば1秒)以上、プレイ画面上でほぼ静止している状態を追加で要求してもよい。プレイ画面内における視線の移動が多いプレイヤの場合には、他のプレイヤの注視範囲との予め定めた時間以上の重なりが一時的な事象で終わる可能性が比較的高いためである。
【0124】
図26(A)の状況を検知した領域案内部114は、図26(B)に示すように、注視範囲が重複しているプレイヤP3とプレイヤP4のいずれかに注視範囲を変更するように案内500をポップアップ表示する。
図26(B)の場合、領域案内部114は、プレイヤP3が操作する情報端末20Cのプレイ画面上に、4名の誰もが視認していない領域(すなわちプレイ画面の上半分の中央と左側)の視認を求める案内をポップアップ表示している。図26(B)の場合、案内500には「誰も見ていません。ここを見てください。」と記載されている。
【0125】
この案内500のポップアップ表示により、案内を受けたプレイヤP3は、案内に従って視線の方向を変更する可能性が高く、案内500の表示前に比して、プレイ画面内で視認されていない領域が少なくなる。また、注視範囲が重なっているプレイヤP3とプレイヤP4の双方に案内500が表示されるのではなく、いずれか一方にのみ表示されるので、プレイヤP3とプレイヤP4の視線が案内500で通知された領域で重なるリスクが回避される。
なお、図26(B)では、プレイヤP3とプレイヤP4のうちプレイヤP3のプレイ画面上に案内500がポップアップ表示されているが、案内500が表示されるプレイヤをランダムに決定してもよい。
【0126】
ところで、案内500をポップアップ表示するプレイヤは、予め定めた規則に従って決定してもよい。
例えば領域案内部114には、第2プレイヤと第3プレイヤのうちマルチプレイゲーム上のパラメータが低い方のプレイヤに対し、他の領域を案内する第1機能を設けてもよい。
ここでのパラメータには、例えば事象が発生した時点におけるスコアの他、各プレイヤが操作するプレイヤキャラのHPレベル、能力値、倒した敵の数、敵に与えたダメージ量を使用する。
【0127】
図27は、スコアが低い方のプレイヤに案内500を表示する例を説明する図である。(A)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP3のプレイ画面であり、(B)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP4のプレイ画面である。
図27の場合、プレイヤP3のスコアは1000であるのに対し、プレイヤP4のスコアは100である。このため、スコアが低い方のプレイヤP4のプレイ画面に案内500が表示されている。
【0128】
前述した第1機能では、注視範囲が重なっている複数名のプレイヤのスコアに着目しているが、対象者間の会話(又は相談)により、視線を移動するプレイヤを決定してもよい。
そこで、領域案内部114には、第2プレイヤと第3プレイヤが操作する端末に、他の領域を視認するプレイヤを定める会話の案内を出力する第2機能を設けてもよい。
図28は、プレイヤ間の会話を促すチャット欄510を表示する例を説明する図である。(A)は注視範囲が他のプレイヤと重なっているプレイヤP3とプレイヤP4のプレイ画面であり、(B)はテキスト入力中のプレイヤP3のプレイ画面であり、(C)はプレイヤP4のプレイ画面である。図28には、図27との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0129】
図28(A)では、注視範囲の重複を検知したサーバ10が、会話を促すチャット欄510をプレイヤP3とプレイヤP4のプレイ画面に表示している。
図28(A)の場合、チャット欄510には、「ここを見ている人がいないよ」、「P3とP4で相談して」と記述されている。なお、チャット欄510は、対象プレイヤのみに表示され、チャット欄510に記入されたテキストは、チャット欄510が表示されたプレイヤ間でのみ共有される。
図28(B)の場合、チャット欄510の下には文字入力パッド520が表示され、入力欄に、プレイヤP3が入力中の文字列が表示されている。ここでは、「P4さん」とだけ入力されている。
【0130】
図28(C)のチャット欄510には、プレイヤP3が入力を確定した文字列が追加されている。また、入力者を示すプレイヤP3のアカウントに紐づけられているアイコンが表示されている。
図28(C)の表示は、一般的なチャットアプリと同じである。従って、プレイヤP3とプレイヤP4は、いずれが注視範囲を変更するかを相談して決めることが可能になる。これにより、注視範囲が重複している複数名のプレイヤの自主的な分担決めが可能になる。
【0131】
前述の表示例は、領域案内部114が注視範囲を変更するプレイヤを決定する場合とプレイヤ間の会話で注視範囲を変更するプレイヤを決定する場合について説明したが、プレイを支援するプレイヤP1が注視範囲を変更するプレイヤを決定してもよい。
そこで、表示制御部112には、第2プレイヤと第3プレイヤが視認している領域が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内するための情報を第1プレイヤの情報端末20Aに表示する第9機能を設けてもよい。
【0132】
図29は、表示制御部112の第9機能を説明する図である。(A)はプレイヤP1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面を示し、(B)はプレイヤP3の情報端末20Cに表示されるプレイ画面を示す。図29には、図13図15との対応部分に対応する符号を付して示している。
図29(A)における問い合わせ530のポップアップ表示は、領域案内部114のように複数のプレイヤの注視範囲の重なりを検出した場合だけでなく、プレイ画面上で注視範囲が存在しない一塊の領域が検出された場合にも実行される。一塊の領域は、例えば面積が閾値上の領域をいう。
【0133】
ポップアップ表示の条件として注視範囲の重なりを要しないため表示制御部112の機能として説明するが、領域案内部114の機能に含めてもよい。
図29(A)の場合、複数名のプレイヤの注視範囲の重なりを検出した表示制御部112が、他のプレイヤのプレイを支援するプレイヤP1のプレイ画面上に問い合わせ530をポップアップ表示している。
問い合わせ530には、「ここを誰も見ていません。」、「P3に依頼しますか?」との文と、「YES」ボタンと、「NO」ボタンとが表示されている。
図29(A)では、注視範囲がプレイヤP4と重なっているプレイヤP3が候補として選択されている。
【0134】
「YES」ボタンが操作された場合、図29(B)に示すように、問い合わせ530の候補先に依頼540がポップアップされる。図29(B)の場合、依頼540には「P1から、ここを見るように依頼が届きました」と記載されている。
一方、「NO」ボタンが操作された場合、問い合わせ530の候補が変更される。例えば「P4に依頼しますか?」のように候補が変更される。なお、続けて「NO」ボタンが操作された場合には、未表示の他の候補や既表示の候補に表示を切り替えてもよいし、問い合わせ530の表示を消してもよい。この場合、誰にも見られていない領域が残ることになる。もっとも、プレイヤの注視範囲はマルチプレイゲームの進行に応じて常に変化するため、同じ候補を繰り返し表示しなくてもよい。
【0135】
<実施の形態4>
前述の実施の形態1~3では、マルチプレイゲームをプレイするプレイヤを想定したが、本実施の形態では、ゲーム以外の動画の配信時におけるユーザの注視範囲を配信者の操作画面に表示する場合について説明する。
図30は、実施の形態4に係る情報処理システム1Aの構成例を示す図である。
【0136】
図30に示す情報処理システム1Aは、動画像を配信するサーバ10Aと、ユーザが操作する情報端末20(20A、20B、20C、20D、20E)と、これらを通信可能に接続するネットワークNとで構成される。
情報処理システム1Aの基本構成は、実施の形態1で説明した情報処理システム1と同じである。
【0137】
ここでの動画像は、複数名のユーザに対応する情報端末20に配信されるコンテンツであればよい。例えばプレゼンテーション資料、講演や会議の様子を撮像した画像、演奏会を撮像した画像でもよい。
図30の場合、ユーザU1が配信ユーザであり、その他のユーザU2、U3、U4、U5は視聴ユーザである。
なお、配信ユーザは複数名でもよい。例えばユーザU2は、ユーザU1と協同して動画を配信してもよい。
サーバ10Aのハードウェア構成も、実施の形態1で説明したサーバ10と同じである。
【0138】
図31は、実施の形態4で使用するサーバ10Aの機能上の構成例を説明する図である。図31には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。なお、図31に示す機能構成は、プログラムの実行を通じて実現される機能部の一例である。
サーバ10Aは、視線情報取得部111と、表示制御部112と、記憶部130とを有している。この構成は、実施の形態1と同じである。なお、視線情報取得部111と表示制御部112の処理機能のうちゲームに関係しない部分は、本実施の形態でも有効である。その場合、プレイヤをユーザと読み替える。
【0139】
本実施の形態と前述した実施の形態との相違点は、記憶部130に記憶される情報の内容である。
本実施の形態の場合、マルチプレイゲームを前提としないので「プレイヤ」の概念がない。このため、記憶部130には、配信ユーザ情報131、視聴ユーザ情報132、配信コンテンツ133、注視位置情報134等が記憶されている。
配信ユーザ情報131と視聴ユーザ情報132は、いずれもユーザID、サーバ10Aとの接続に使用する情報端末20のIPアドレスと、配信ステータス等が記録される。例えば配信ステータスが「あり」のユーザが配信ユーザであり、「なし」のユーザが視聴ユーザである。
【0140】
配信コンテンツ133は、配信される動画像(コンテンツ)を特定する情報である。配信コンテンツ133には、例えば配信対象であるファイルのファイル名や格納場所を示す情報、動画像の配信や視聴を許可するユーザIDや所属先その他の条件が含まれる。
図32は、注視位置情報134のデータ例を説明する図である。
図32に示す注視位置情報134は、コンテンツID134A、ユーザID134B、注視位置ログ134Cで構成される。
ここでのユーザID134Bは、実施の形態1におけるプレイヤID124B(図6参照)に対応し、注視位置ログ134Cは、実施の形態1における注視位置ログ124C(図6参照)に対応する。
【0141】
<基本画面>
図33は、ユーザU1とユーザU2が視認しているコンテンツ画面と注視範囲の関係を説明する図である。(A)はユーザU1の情報端末20AとユーザU2の情報端末20Bに表示されるコンテンツ画面の例を示し、(B)はサーバ10Aが認識しているコンテンツ画面を示す。
図33に示すコンテンツ画面は、プレゼンテーションの資料を例示している。コンテンツ画面の上部には矩形の挿絵A、B、Cが配列され、下部には3行の文が配置されている。
図33の場合、ユーザU1の注視範囲は点線で示され、ユーザU2の注視範囲は破線で示されている。
【0142】
<表示例1>
図34は、配信ユーザU1の情報端末20Aと視聴ユーザU2の情報端末20Bにおけるコンテンツ画面の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末20Aに表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末20Bに表示されるコンテンツ画面である。図34には、図33との対応部分に対応する符号を付して示している。
図34(A)を確認した配信ユーザU1は、視聴ユーザU2が挿絵Cを見ていることを気付くことが可能である。なお、配信ユーザU1は、図33(B)に示したように、3行の文を注視している。
【0143】
もっとも、配信ユーザU1が、視聴ユーザU2との注視範囲の不一致に気付かなくても、表示制御部112は、図34(B)に示すように、問い合わせ600を表示する。図34の場合、問い合わせ600には、「U2に案内しますか」との文と、「YES」ボタンと、「NO」ボタンとが表示されている。
本実施の形態の場合、配信ユーザU1から「YES」ボタンの操作を受け付けると、表示制御部112は、図34(C)に示すように、配信ユーザU1の注視範囲との不一致を視聴ユーザU2に通知する。
【0144】
具体的には、注視範囲の不一致を単に通知するだけでなく、配信ユーザU1の注視範囲に対応する領域を示す案内610を視聴ユーザU2のコンテンツ画面にポップアップ表示する。案内610のポップアップ表示により、視聴ユーザU2は、配信ユーザU1が説明している領域等に気付くことができる。また、配信ユーザU1も、注目して欲しい領域を視聴ユーザU2に対して直接知らせることが可能になる。
これに対し、配信ユーザU1から「NO」ボタンの操作を受け付けた場合、表示制御部112は、視聴ユーザU2のコンテンツ画面の表示を維持する。
【0145】
この表示例1によれば、表示制御部112は、視聴ユーザU2が視認している領域を自身のコンテンツ画面上で確認できる。また、配信ユーザU1は、自身の注視範囲との不一致を視聴ユーザU2に知らせたい場合にも、自身のコンテンツ画面に自動的にポップアップされる問い合わせ600の「YES」ボタンをタップするだけで実現できる。特に、表示例1では、問い合わせ600により「YES」ボタンのタップで実行される処理動作が明示されるので、配信ユーザU1が意図する確実な操作が可能になる。
【0146】
<表示例2>
前述した表示例1の場合には、注視範囲の不一致を検出した表示制御部112が、配信ユーザU1のコンテンツ画面上に問い合わせ600を自動的にポップアップ表示しているが、不一致が検出されるたびに問い合わせ600がポップアップ表示されると、配信ユーザの操作の邪魔になることがある。例えば問い合わせ600のポップアップ表示の頻度が高い場合である。また、配信ユーザが重要と考える場面でのみ視聴ユーザU2に対して注視範囲の変更を求めたい場合がある。
【0147】
そこで、表示制御部112には、配信ユーザU1から特定の操作を受け付けた場合にのみ、配信ユーザU1の注視範囲を視聴ユーザU2に通知する機能を設けてもよい。
図35は、配信ユーザU1の情報端末20Aと視聴ユーザU2の情報端末20Bにおけるコンテンツ画面の他の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末20Aに表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末20Bに表示されるコンテンツ画面である。図35には、図34との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0148】
図35(A)に示すコンテンツ画面は、図34(A)に示すコンテンツ画面と同じである。
図35の場合、配信ユーザU1がコンテンツ画面をタップすると、表示制御部112は、配信ユーザU1の注視範囲を知らせる案内610を、視聴ユーザU2のコンテンツ画面にポップアップ表示する。
なお、案内610の表示位置は、配信ユーザU1がタップした位置が優先される。多くの場合、タップ位置は配信ユーザU1の注視範囲と一致すると考えられる。
【0149】
図36は、配信ユーザU1の情報端末20Aと視聴ユーザU2の情報端末20Bにおけるコンテンツ画面の他の表示例を説明する図である。(A)、(B)は配信ユーザU1の情報端末20Aに表示されるコンテンツ画面であり、(C)は視聴ユーザU2の情報端末20Bに表示されるコンテンツ画面である。図36には、図35との対応部分に対応する符号を付して示している。
図36の場合、視聴ユーザU2に対する表示の形態が、図35と異なっている。図35(C)では、配信ユーザU1の注視範囲に重ねるように案内610が表示されていたが、図36(C)では、配信ユーザU1の注視範囲を矢印と説明文620で通知している。この表示の場合、視聴ユーザU2による注視範囲の視聴を妨げずに済む。
【0150】
<表示例3>
前述の表示例は、視聴ユーザU2に対し、配信ユーザU1の注視範囲を通知することを重視しているが、注視範囲の不一致が生じる原因には、配信ユーザU1の説明の仕方や読むスピードに問題があることがある。
そこで、表示制御部112には、視聴ユーザU2の注視範囲と配信ユーザU1の注視範囲の不一致が検出された場合に、配信ユーザU1のコンテンツ画面上に配信ユーザU1の進行に関するアドバイスを提示する機能を設けてもよい。
【0151】
図37は、配信ユーザU1によるプレゼンの進行を支援するプレイ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10Aが認識している注視範囲を示し、(B)は配信ユーザU1の情報端末20Aに表示されるプレイ画面である。図37には、図34との対応部分に対応する符号を付して示している。
表示制御部112は、図37(A)に示すように配信ユーザU1と視聴ユーザU2との間に注視範囲の不一致を検出すると、不一致の原因を解析する。
【0152】
図37(A)の場合は、配信ユーザU1が既に説明を終えた領域を視聴ユーザU2が視認している場合である。この原因には、配信ユーザU1の説明のスピードが早すぎることが考えられる。もっとも、不一致の原因は、注視範囲の位置関係だけでなく、配信ユーザU1の読むスピードと推奨スピードとの比較なども参考になる。
このため、図37(B)では、配信ユーザU1のコンテンツ画面に「もう少しゆっくり説明しましょう」とのアドバイス630が表示されている。
【0153】
一方、配信ユーザU1が説明していない領域を視聴ユーザU2が視認している場合、配信ユーザU1の説明のスピードが遅すぎる可能性がある。この場合、表示制御部112は、配信ユーザU1のコンテンツ画面に「もう少し早く説明しましょう」とのアドバイス630を表示する。
なお、アドバイス630の内容は、説明のスピードに限らず、説明の順番についてのアドバイスでもよい。
【0154】
<表示例4>
前述の表示例では、配信ユーザU1と視聴ユーザU2の注視範囲の異同を前提にしているが、協同配信ユーザである配信ユーザU1と配信ユーザU2の注視範囲の異同についても適用が可能である。
例えば配信ユーザU1の説明後に、配信ユーザU2の説明が予定されている場合、説明の切り替えの付近では、配信ユーザU2の注視範囲が配信ユーザU1の注視範囲に近いことが、スムーズな説明の引継のためにも望ましい。
【0155】
そこで、表示制御部112には、複数名の配信ユーザが順番に説明する場合に、次に説明する配信ユーザU2の注視範囲が説明中の配信ユーザU1の注視範囲と一致しないとき、配信ユーザU1のコンテンツ画面上に配信ユーザU1の進行に関するアドバイスを提示する機能を設けてもよい。
【0156】
図38は、協同配信の場合におけるコンテンツ画面の表示例を説明する図である。(A)はサーバ10Aが認識しているコンテンツ画面を示し、(B)は配信ユーザU2の情報端末20Bに表示されるコンテンツ画面である。図38には、図33との対応部分に対応する符号を付して示している。
図38(A)の場合、配信ユーザU1の注視範囲はコンテンツ画面の3行の文の領域であるのに対し、配信ユーザU2の注視範囲は挿絵Cの領域であり、注視範囲の不一致が生じている。特に、配信ユーザU1の注視範囲が引継の直前の領域である場合、注視範囲が一致しない状態のままでは、説明のスムーズな引継に支障が生じる可能性がある。
【0157】
そこで、図38(B)では、配信ユーザU1の特別な操作が無くても、「ここを見よう」等の案内610が自動的に表示されている。
【0158】
<他の実施の形態>
発明の形態は、前述した実施の形態に限らない。例えば各実施の形態の要素を適宜組み合わせることも可能である。ここでの組み合わせには、各実施の形態の要素の削除も含む。
(1)例えば前述の実施の形態では、プレイヤの視線方向の検知に使用するカメラ215とプレイ画面が表示されるディスプレイ214が同じ筐体面に一体的に配置された情報端末20について説明したが、必ずしも同じ筐体面に配置される必要はない。
例えばプレイヤの視線方向の検知に使用するカメラ215は、別デバイスとして情報端末20に対して外付けされる構成でもよい。
【0159】
(2)また、前述の実施の形態では、他のプレイヤの所定の状況を視認しているプレイヤが1名(例えばプレイヤP1)だけの場合を想定している。すなわち、あるプレイヤのプレイを支援するプレイヤが1名の場合を想定している。しかし、あるプレイヤのプレイを支援するプレイヤが複数名の場合も考えられる。この場合、何らの制限がないと、あるプレイヤに対する複数名のプレイヤの支援が重なる可能性が生じる。
このような場合には、支援者としての複数名のプレイヤのうちの1名からの所定メッセージだけ支援対象であるプレイヤのプレイ画面に表示してもよい。
【0160】
この機能があれば、重複した所定のメッセージや矛盾した内容(例えば相反する内容や受け取ったプレイヤが迷う内容)が所定メッセージとして支援対象のプレイヤのプレイ画面に表示される事態を回避できる。
また、この表示は先着順としてもよい。例えばあるプレイヤに対して所定のメッセージが表示されている場合には、遅れて受け付けた他のプレイヤからの所定のメッセージは取り消せば、重複した表示を回避できる。
【0161】
(3)また、支援を受けるプレイヤ(例えばプレイヤP2)を支援する他のプレイヤが複数名いる場合には、支援を受けるプレイヤの注視範囲を表示するプレイヤを複数名のプレイヤの中から1名に限定してもよい。この機能を実行すれば、支援を受けるプレイヤ(例えばプレイヤP2)の注視範囲を確認可能な他のプレイヤが1名に限定できるため、前述した実施の形態と同様の制御を実現できる。
【0162】
なお、支援を受けるプレイヤ(例えばプレイヤP2)の注視範囲を確認可能な他のプレイヤを1名に限定する手法には、例えばマルチプレイゲームの開始前又は開始時に設定した属性等に基づいて1名に限定する方法、支援を受けるプレイヤのプレイヤキャラとのゲーム空間上での距離が最も近いプレイヤキャラのプレイヤに限定する方法、マルチプレイゲームのゲーム空間のうち支援を受けるプレイヤのプレイ画面内にプレイヤキャラが存在する他のプレイヤに限定する方法、マルチプレイゲームのプレイが終了していないプレイヤに限定する方法、マルチプレイゲームのプレイが終了しているプレイヤに限定する方法がある。
【0163】
(4)前述の実施の形態では、プレイ中のプレイヤのプレイ画面上に、支援を受ける他のプレイヤの注視範囲を表示する場合について説明したが、支援を受ける他のプレイヤの注視範囲を表示するプレイ画面は、プレイの終了後に再生されるリプレイ動画上に表示してもよい。この種の機能があれば、過去のプレイ時における注視範囲のプレイ画面上の表示を次回のプレイのための作戦の立案等に使用できる。また、この種の機能があれば、過去のプレイ時における注視範囲のプレイ画面上での表示を、教育や指導のための資料として活用することができる。
【0164】
(5)前述の実施の形態では、各プレイヤの操作がリアルタイムで反映されるマルチプレイゲームを想定しているが、各プレイヤの操作権が順番に移動するマルチプレイヤを想定してもよい。この場合、操作権が回ってくるまでの間に取得された各プレイヤの注視位置ログ124Cの解析処理(例えば統計処理)の結果を「視線に関する情報」として用いてもよい。
【0165】
(6)前述の実施の形態では、各プレイヤが1体のプレイヤキャラを操作する場合について説明したが、各プレイヤが複数体のプレイヤキャラを操作してもよい。すなわち、プレイヤが複数体のプレイヤキャラで構成されるデッキを用いてプレイする場合にも適用できる。この場合、プレイヤキャラ別に各プレイヤの視線の集中量(例えば注視時間)を評価した結果を「視線に関する情報」として表示してもよいし、複数体のプレイヤキャラの集合としての視線の集中量を評価した結果を「視線に関する情報」として表示してもよい。また、プレイヤキャラ別のプレイヤキャラの操作を支援する情報を表示してもよい。
【0166】
<まとめ>
以下に、実施の形態で説明した情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴を示す。
[汎用課題]
本発明の目的の1つは、他のユーザの視線を利用した操作を可能にすることである。
【0167】
[付記1]に対応する課題
本発明の目的の1つは、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を可能にすることである。
[付記1]
マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得する取得部と、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示する表示制御部と、を有する情報処理装置。
この情報処理装置により、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報を共有できる。
【0168】
[付記2]に対応する課題
本発明の目的の1つは、共有された第2プレイヤの視線情報に基づいた支援を可能にすることである。
[付記2]
前記表示制御部は、第1プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に、第2プレイヤに対する案内情報の候補を提示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、共有された第2プレイヤの視線情報に基づいた支援が可能にできる。
【0169】
[付記3]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第2プレイヤに対して第1プレイヤの支援の内容を通知することである。
[付記3]
前記表示制御部は、前記案内情報の候補のうち第1プレイヤによって選択された案内情報を、第2プレイヤが操作する端末に通知する、付記2に記載の情報処理装置。
これにより、第2プレイヤに対して第1プレイヤの支援の内容を通知できる。
【0170】
[付記4]に対応する課題
本発明の目的の1つは、支援した内容が第2プレイヤにより実行され易くすることである。
[付記4]
前記表示制御部は、第2プレイヤの前記視線に関する情報に関連する前記プレイ画面上の位置に、前記案内情報を表示する、付記3に記載の情報処理装置。
これにより、支援した内容が第2プレイヤにより実行され易くできる。
【0171】
[付記5]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第1プレイヤが所定の状況を視認したことに応じて、第2プレイヤの端末に所定のメッセージを表示させることである。
[付記5]
第1プレイヤの前記情報から、第1プレイヤによる第2プレイヤの所定の状況の視認が検出された場合、前記表示制御部は、第2プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に所定のメッセージを表示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第1プレイヤが所定の状況を視認したことに応じて、第2プレイヤの端末に所定のメッセージを表示できる。
【0172】
[付記6]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第2プレイヤの代わりに第2オブジェクトをプレイ可能にすることである。
[付記6]
第1プレイヤの前記情報から、第1プレイヤによる第2プレイヤの所定の状況の視認が検出された場合、当該所定の状況の出現中、第2プレイヤが操作する第2オブジェクトを操作する権限を第1プレイヤに移管する権限移管部を更に有する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第2プレイヤの代わりに第2オブジェクトをプレイ可能にできる。
【0173】
[付記7]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤが視認する画面を分散することである。
[付記7]
第2プレイヤと第3プレイヤが視認している領域が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方が操作する端末に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内する案内部を更に有する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、複数のプレイヤが視認する画面を分散できる。
【0174】
[付記8]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視認するゲーム領域を変更するプレイヤを一人に限定することである。
[付記8]
前記案内部は、第2プレイヤと第3プレイヤのうちゲーム上のパラメータが低い方のプレイヤに対し前記他の領域を案内する、付記7に記載の情報処理装置。
これにより、視認するゲーム領域を変更するプレイヤを一人に限定できる。
【0175】
[付記9]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視認する領域を変更するプレイヤを一人に限定することである。
[付記9]
前記案内部は、第2プレイヤと第3プレイヤが操作する端末に、前記他の領域を視認するプレイヤを定める会話の案内を出力する、付記7に記載の情報処理装置。
これにより、視認する領域を変更するプレイヤを一人に限定できる。
【0176】
[付記10]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第1プレイヤによる他のプレイヤの支援を容易にすることである。
[付記10]
前記表示制御部は、第2プレイヤと第3プレイヤが視認している領域が重複する場合、第2プレイヤ及び第3プレイヤの少なくとも一方に対し、誰にも視認されていない他の領域の視認を案内するための情報を第1プレイヤの端末に表示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第1プレイヤによる他のプレイヤの支援を容易にできる。
【0177】
[付記11]に対応する課題
本発明の目的の1つは、支援者が支援する他のプレイヤを選択することである。
[付記11]
前記表示制御部は、第1プレイヤが操作する端末の前記プレイ画面上に、前記取得部により取得された前記情報に基づく支援の対象とする他のプレイヤの候補を選択可能に提示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、支援者が支援する他のプレイヤを選択できる。
【0178】
[付記12]に対応する課題
本発明の目的の1つは、所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤを支援することである。
[付記12]
前記表示制御部は、所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤの前記情報を前記プレイ画面に表示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、所定の属性情報に関連付けられた他のプレイヤを支援できる。
【0179】
[付記13]に対応する課題
本発明の目的の1つは、第2プレイヤが操作する第2オブジェクトのパラメータが減少する状況時に第1プレイヤが第2プレイヤを支援することである。
[付記13]
第2プレイヤがプレイ画面上で操作する第2オブジェクトのパラメータを減少させるゲームオブジェクトと所定の位置関係を満たす当該第2オブジェクトを、第2プレイヤが視認していない場合、前記表示制御部は、第2プレイヤに前記第2オブジェクトの移動を案内するための情報を第1プレイヤのプレイ画面上に表示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、第2プレイヤが操作する第2オブジェクトのパラメータが減少する状況時に第1プレイヤが第2プレイヤを支援できる。
【0180】
[付記14]に対応する課題
本発明の目的の1つは、複数のプレイヤを対象とした所定の操作が可能になったことを案内することである。
[付記14]
前記表示制御部は、第1プレイヤから取得された前記情報と第2プレイヤから取得された前記情報が所定の条件を満たす場合、前記プレイ画面の所定の領域に対して所定の操作を実行するための案内の候補を提示する、付記1に記載の情報処理装置。
これにより、複数のプレイヤを対象とした所定の操作が可能になったことを案内できる。
【0181】
[付記15]に対応する課題
本発明の目的の1つは、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を可能にすることである。
[付記15]
プロセッサが、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得させる処理と、プロセッサが、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示させる処理と、を実行する情報処理方法。
この情報処理方法により、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報を共有できる。
【0182】
[付記16]に対応する課題
本発明の目的の1つは、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報の共有を可能にすることである。
[付記16]
プロセッサに、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得させ、プロセッサに、第1プレイヤが操作する端末のプレイ画面上に、第1プレイヤと共にマルチプレイゲームをプレイする第2プレイヤの前記情報を表示させる、処理を実行させるプログラム。
このプログラムにより、マルチプレイゲームをプレイする複数のプレイヤ間における視線に関する情報を共有できる。
【0183】
[付記17]に対応する課題
本発明の目的の1つは、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にすることである。
[付記17]
共通の画面を視聴している複数のユーザの画面上の視線に関する情報を取得する取得部と、配信ユーザが操作する端末の画面上に、配信ユーザと共通の画面を視聴している視聴ユーザの視線に関する情報を表示する表示制御部と、を有する情報処理装置。
この情報処理装置により、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にできる。
【0184】
[付記18]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視聴ユーザに対する配信ユーザの案内を支援することである。
[付記18]
表示制御部は、配信ユーザが操作する端末の画面上に、視聴ユーザに対する案内情報の候補を提示する、付記17に記載の情報処理装置。
これにより、視聴ユーザに対する配信ユーザの案内を支援できる。
【0185】
[付記19]に対応する課題
本発明の目的の1つは、視聴ユーザによる配信画像の視聴を支援することである。
[付記19]
配信ユーザの視線に関する情報と第2ユーザの視線に関する情報が所定の条件を満たす場合、表示制御部は、視聴ユーザが操作する端末の画面上に所定のメッセージを表示する、付記17に記載の情報処理装置。
これにより、視聴ユーザによる配信画像の視聴を支援できる。
【0186】
[付記20]に対応する課題
本発明の目的の1つは、配信ユーザによる配信を支援することである。
[付記20]
配信ユーザの視線に関する情報と第2ユーザの視線に関する情報が所定の条件を満たす場合、表示制御部は、配信ユーザが操作する端末の画面上に所定のメッセージを表示する、付記17に記載の情報処理装置。
これにより、配信ユーザによる配信を支援することができる。
【0187】
[付記21]に対応する課題
本発明の目的の1つは、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にすることである。
[付記21]
プロセッサが、共通の画面を視聴している複数のユーザの画面上の視線に関する情報を取得させる処理と、プロセッサが、配信ユーザが操作する端末の画面上に、配信ユーザと共通の画面を視聴している視聴ユーザの視線に関する情報を表示させる処理と、を実行する情報処理方法。
この情報処理方法により、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にできる。
【0188】
[付記22]に対応する課題
本発明の目的の1つは、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にすることである。
[付記22]
プロセッサに、マルチプレイゲームをプレイ中のプレイヤのプレイ画面上の視線に関する情報を取得させ、プロセッサに、配信ユーザが操作する端末の画面上に、配信ユーザと共通の画面を視聴している視聴ユーザの視線に関する情報を表示させる、処理を実行させるプログラム。
このプログラムにより、他のユーザの視線を利用した処理の実行やユーザの操作を可能にできる。
【符号の説明】
【0189】
1、1A…情報処理システム、10、10A…サーバ、11、211…プロセッサ、12、212…メモリ、13、213…補助記憶装置、14、217…通信インタフェース、15…信号線、20、20A、20B、20C、20D、20E、20X、…情報端末、111…視線情報取得部、112…表示制御部、113…権限移管部、114…領域案内部、120、130…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
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図28
図29
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