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特開2024-113915携帯型のコード読取装置およびコード読取方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113915
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】携帯型のコード読取装置およびコード読取方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G06K7/10 376
G06K7/10 436
G06K7/10 380
G06K7/10 408
G06K7/10 416
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019189
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】大村 悠太
(72)【発明者】
【氏名】野内 康介
(72)【発明者】
【氏名】福本 佳幸
(57)【要約】
【課題】鏡面性ワークのワーク表面への光源Eの映り込みを抑制する。
【解決手段】コード読取装置は、拡散部材から照射された光が鏡面性のワーク表面で正反射した光を受光するとともに、コードに対応する部分に照射された光を拡散反射させることで、コード画像を生成する。ワーク表面にカメラ31Aのピントが一致している状態において、ワーク表面からの正反射光がカメラ31Aに受光されるように、カメラ31Aに対して拡散部材の位置および角度が固定され、光源Eは、カメラ31Aが正反射光を受光した際に光源Eがカメラ31Aに映り込まないように、拡散部材の後端より奥から拡散部材に向けて光を照射する
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コードが付された鏡面性のワーク表面に面状の光を照射し、前記ワーク表面で正反射した光を受光するとともに、前記コードに対応する部分に照射された光を拡散反射させることで、コード画像を生成する携帯型のコード読取装置であって、
第1光源と、
前記ワーク表面で反射した光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズにより集光された光を受光して前記コード画像を生成する第1カメラと、
前記第1カメラから離間するにつれて徐々に広がる傾斜形状を有し、前記第1光源から出射された光を拡散して前記ワーク表面に向けて拡散光を射出する拡散部材と、
を備え、
前記ワーク表面に前記第1カメラのピントが一致している状態において、前記ワーク表面からの正反射光が前記第1カメラに受光されるように、前記第1カメラに対して前記拡散部材の位置および角度が固定され、
前記第1光源は、前記第1カメラが前記正反射光を受光した際に前記光源が前記第1カメラに映り込まないように、前記拡散部材の後端より奥、又は手前から前記拡散部材に向けて光を照射、又は前記第1光源と拡散部材との間の光路上に設けられた反射部材を介して前記拡散部材に光を照射する、
ことを特徴とする携帯型のコード読取装置。
【請求項2】
前記第1光源を含む複数の光源が配置された照明基板をさらに備え、
前記照明基板は、前記複数の光源のそれぞれから射出された光が前記拡散部材に到達する位置および角度に配置されている、
請求項1に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項3】
前記照明基板は、前記正面視において、前記拡散部材の前記傾斜形状の後端より後ろ側に配置されている、
請求項2に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項4】
前記照明基板は、前記正面視において、前記第1カメラの上側に設けられた上側領域と、前記第1カメラの右側において前記上側領域から下側に延設された右側領域と、前記第1カメラの左側において前記上側領域から下側に延設された左側領域とを有する逆U字形状の光源配置部を有し、
前記複数の光源は前記光源配置部内に配置されて、前記右側領域に配置された光源、前記上側領域に配置された光源および前記左側領域に配置された光源を含む、
請求項3に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項5】
前記照明基板と前記拡散部材との間の隙間を覆って光を反射する反射フレームをさらに備え、
前記拡散部材は、前記複数の光源から射出されて前記反射フレームに入射することなく当該拡散部材に直接入射した光を拡散させた拡散光と、前記複数の光源から射出されて前記反射フレームで反射された光を拡散させた拡散光とを、前記ワーク表面に向けて射出する、
請求項2ないし4のいずれか一項に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項6】
前記第1カメラの視野内の所定範囲を示す第1照準光を前記ワーク表面に照射する第1エイマーと、
前記第1照準光との位置関係により前記ワーク表面までの距離を示す第2照準光を前記ワーク表面に照射する第2エイマーと、
をさらに備え、
前記ワーク表面に前記第1カメラのピントが一致する状態に近づくにつれて、前記第1照準光の中心と前記第2照準光の中心との距離が近づき、
前記第1エイマーおよび前記第2エイマーは、前記第1照準光の中心と前記第2照準光の中心とが重なることで、前記ワーク表面に前記第1カメラのピントが一致している状態であるとともに、前記第1カメラが前記ワーク表面からの前記正反射光を受光していることを示す
請求項1に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項7】
前記第1照準光の波長と前記第2照準光の波長とは異なる、
請求項6に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項8】
前記正面視において、前記第1エイマーおよび前記第2エイマーは前記集光レンズの側方に配置され、
前記第1エイマーは、前記集光レンズの光軸に交差する方向に前記第1照準光を射出し、
前記第2エイマーは、前記集光レンズの光軸に交差する方向に前記第2照準光を射出する、
請求項6に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項9】
前記第1エイマーは、プリズムの作用を有するレンズを有し、前記第1照準光が射出される方向を前記レンズのプリズムの作用によって前記集光レンズの光軸に交差する方向に屈折させる、
請求項8に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項10】
前記拡散部材は、シボ加工が施された加工面を有し、光が前記加工面を通過するのに伴って前記加工面によって拡散される、
請求項1に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項11】
第2光源を有し、前記第2光源が射出した光を拡散させずに前記ワーク表面に照射する直接照明部と、
前記直接照明部によって照射されて前記ワーク表面で反射された光を受光することでコード画像を生成する第2カメラと、
をさらに備え、
前記正面視において、前記第1カメラは、前記第2カメラの下側に配置され、
前記拡散部材のうち、前記第1光源から射出された光を拡散する領域は、前記第2カメラより上側に配置される、
請求項1に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項12】
前記光軸方向において、前記拡散部材の後端は前記集光レンズに対して前側にオフセットして配置される、
請求項1に記載の携帯型のコード読取装置。
【請求項13】
コードが付された鏡面性のワーク表面に面状の光を照射し、前記ワーク表面で正反射した光を受光するとともに、前記コードに対応する部分に照射された光を拡散反射させることで、コード画像を生成するコード読取方法であって、
第1光源から射出された光を拡散部材に入射させる工程と、
前記光を前記拡散部材に拡散させる工程と、
前記拡散部材によって拡散された光を前記ワーク表面に照射する工程と、
前記ワーク表面で反射した光を集光レンズによって集光する工程と、
前記集光レンズにより集光された光を受光して前記コード画像を生成する工程と、
を備え、
前記拡散部材は、前記第1カメラから離間するにつれて徐々に広がる傾斜形状を有し、前記第1光源から出射された光を拡散して前記ワーク表面に向けて拡散光を射出し、
前記ワーク表面に前記第1カメラのピントが一致している状態において、前記ワーク表面からの正反射光が前記第1カメラに受光されるように、前記第1カメラに対して前記拡散部材の位置および角度が固定され、
前記第1光源は、前記第1カメラが前記正反射光を受光した際に前記光源が前記第1カメラに映り込まないように、前記拡散部材の後端より奥、又は手前から前記拡散部材に向けて光を照射、又は前記第1光源と拡散部材との間の光路上に設けられた反射部材を介して前記拡散部材に光を照射する、
ことを特徴とするコード読取方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コードが設けられたワーク表面に光を照射して当該ワーク表面で反射された光をカメラによって受光することでコード画像を生成するコード読取技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、バーコードを読み取るバーコードリーダーが記載されている。このバーコードリーダーは、LED等の光源から射出された光を拡散部材によって拡散することで均一化された光をバーコードに照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US7537164
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光源と拡散部材とが近いと、鏡面性のワーク表面に光源が映り込んでしまうため、コードが映るべきところに光源が映ったコード画像が生成される場合があった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光源から射出されて拡散部材で拡散された光を用いてコード画像を生成する際に、コード画像への光源の映り込みを抑制可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯型のコード読取装置は、コードが付された鏡面性のワーク表面に面状の光を照射し、ワーク表面で正反射した光を受光するとともに、コードに対応する部分に照射された光を拡散反射させることで、コード画像を生成する携帯型のコード読取装置であって、第1光源と、ワーク表面で反射した光を集光する集光レンズと、集光レンズにより集光された光を受光してコード画像を生成する第1カメラと、第1カメラから離間するにつれて徐々に広がる傾斜形状を有し、第1光源から出射された光を拡散してワーク表面に向けて拡散光を射出する拡散部材と、を備え、ワーク表面に第1カメラのピントが一致している状態において、ワーク表面からの正反射光が第1カメラに受光されるように、第1カメラに対して拡散部材の位置および角度が固定され、第1光源は、第1カメラが正反射光を受光した際に光源が第1カメラに映り込まないように、拡散部材の後端より奥、又は手前から拡散部材に向けて光を照射、又は第1光源と拡散部材との間の光路上に設けられた反射部材を介して拡散部材に光を照射する。
【0007】
本発明に係るコード読取方法は、コードが付された鏡面性のワーク表面に面状の光を照射し、ワーク表面で正反射した光を受光するとともに、コードに対応する部分に照射された光を拡散反射させることで、コード画像を生成するコード読取方法であって、第1光源から射出された光を拡散部材に入射させる工程と、光を拡散部材に拡散させる工程と、拡散部材によって拡散された光をワーク表面に照射する工程と、ワーク表面で反射した光を集光レンズによって集光する工程と、集光レンズにより集光された光を受光してコード画像を生成する工程と、を備え、拡散部材は、第1カメラから離間するにつれて徐々に広がる傾斜形状を有し、第1光源から出射された光を拡散してワーク表面に向けて拡散光を射出し、ワーク表面に第1カメラのピントが一致している状態において、ワーク表面からの正反射光が第1カメラに受光されるように、第1カメラに対して拡散部材の位置および角度が固定され、第1光源は、第1カメラが正反射光を受光した際に光源が第1カメラに映り込まないように、拡散部材の後端より奥、又は手前から拡散部材に向けて光を照射、又は第1光源と拡散部材との間の光路上に設けられた反射部材を介して拡散部材に光を照射する。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明では、光源から射出されて拡散部材で拡散された光への光源の映り込みを抑制することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】コード読取装置の構成を模式的に示す側面図。
図2図1のコード読取装置が備える電気的構成の概略を示すブロック図。
図3】ヘッド部の具体的な外観構成を示す斜視図。
図4】ヘッド部に設けられた照明部に係る具体的な構成を分解して示す分解斜視図。
図5A】照明基板の構成を模式的示す正面図。
図5B】反射部材の構成を模式的に示す正面図。
図5C】互いに取り付けられた反射部材および照明基板の構成を模式的に示す正面図。
図5D】拡散部材と配置パネルの構成を模式的に示す正面図。
図5E】拡散部材と当該拡散部材に隠れる照明基板を重ねて模式的に示す正面図。
図5F図5Eの拡散部材および照明基板に反射部材をさらに重ねて模式的に示す正面図。
図6A】エイマー照射部の動作を模式的に示す図。
図6B】エイマー照射部のLD照射部の構成を模式的に示す図。
図6C】エイマー照射部のLED照射部の構成を模式的に示す図。
図7】前後方向における反射部材と照明基板との位置関係を模式的に示す側面図。
図8】鏡面性ワークのワーク表面に付されたコードと、当該コードをコード読取装置により撮像して得られたコード画像とを模式的に示す図。
図9】コード読取装置の第1変形例を模式的に示す側面図。
図10】コード読取装置の第2変形例を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1はコード読取装置の構成を模式的に示す側面図であり、図2図1のコード読取装置が備える電気的構成の概略を示すブロック図である。ここでは、ワークWの表面Wfに付されたコードをコード読取装置1によって読み取るためにワークWの表面Wfにコード読取装置1が対向した状態において、コード読取装置1に対してワークW側を前側Sfとし、コード読取装置1に対してワークWの反対側を後ろ側Sbとする前後方向Dfsを適宜示す。
【0011】
図1に示すように、コード読取装置1は、ヘッド部11、グリップ部12およびグリップエンド部13を備える。グリップ部12は、ヘッド部11とグリップエンド部13との間で、前後方向Dfsに交差する軸方向Daに延設されている。換言すれば、ヘッド部11はグリップ部12の一端に対して設けられ、グリップエンド部13はグリップ部12の他端(一端の逆の端)に対して設けられる。ヘッド部11はヘッド本体111を有し、グリップ部12はグリップ本体121を有し、グリップエンド部13はグリップエンド本体131を有し、ヘッド本体111、グリップ本体121およびグリップエンド本体131は、コード読取装置1に内蔵される各部を収納するハウジング14を構成する。ユーザは、コード読取装置1のグリップ本体121を把持することで、コード読取装置1を携帯することができる。
【0012】
ヘッド部11のヘッド本体111は、前側Sfに開いた開口112を有し、開口112の後ろ側Sb(換言すれば奥側)の端には配置パネル113が設けられている。コードの読み取りの際には、開口112がワークWの表面Wfに対向するとともに、配置パネル113が開口112を介してワークWの表面Wfに対向する。また、ヘッド部11は、図2に示す照明部2、撮像部3、距離計測部4、エイマー照射部5およびディスプレイSPを有する。これら照明部2、撮像部3、距離計測部4、エイマー照射部5およびディスプレイSPは、ヘッド部11に収納される。特に、照明部2の一部、撮像部3、距離計測部4およびエイマー照射部5は、配置パネル113に設けられている。
【0013】
照明部2は、ワークWの表面Wfに照明光Liを照射し、撮像部3は、ワークWの表面Wfからの反射光Lrをカメラ31Aあるいは31Bにより撮像してコード画像Icを生成する。照明光Liは、照明部2から開口112を介してワークWの表面Wfに照射され、反射光Lrは、ワークWの表面Wfで照明光Liを反射することで生成され、反射光Lrは、ワークWの表面Wfから開口112を介して撮像部3のカメラ31Aあるいは31Bに入射する。
【0014】
照明部2は、拡散照明部27、直接照明部28および偏光照明部29を有する。拡散照明部27は光源Eを有し、光源Eから射出された光を拡散してからワークWの表面Wfに照射する。直接照明部28は光源281を有し、光源281から射出された光を拡散せずにワークWの表面Wfに直接照射する。偏光照明部29は光源291を有し、光源291から射出された光を偏光してからワークWの表面Wfに照射する。かかる照明部2の詳細は後述する。
【0015】
撮像部3は、2個のカメラ31A、31Bを有する。カメラ31A、31Bのそれぞれは、ワークWの表面Wfに対向する対物レンズである集光レンズによって反射光Lrを固体撮像素子に集光する。固体撮像素子は、集光レンズによって集光された反射光Lrを受光することで、コード画像Icを生成する。
【0016】
距離計測部4は、当該距離計測部4から開口112を介してワークWの表面Wfに照射した光が、ワークWの表面Wfで反射されて、開口112を介して当該距離計測部4に戻るまでの時間を計測することで、ワークWの表面Wfまでの距離を計測する。エイマー照射部5は、コード読取装置1の読み取り位置を示す可視光(エイマー)を、開口112を介してワークWの表面Wfに照射する。ディスプレイSPはユーザに対して情報を表示する。
【0017】
グリップ部12は、グリップ本体121の前側Sfに設けられたトリガスイッチ122を有する。ユーザは、グリップ本体121を手で握りながら、トリガスイッチ122を指で操作することができる。
【0018】
また、コード読取装置1は、当該コード読取装置1の各部を制御するコントローラ6と、当該コード読取装置1において使用されるデータや生成されたデータを記憶する記憶部7とを備える。コントローラ6および記憶部7は、ハウジング14内に収納される。コントローラ6はプロセッサ、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。記憶部7はROM(Read
Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。
【0019】
コントローラ6は、ワークWの表面Wfに照明光Liを照射する照明動作を照明部2に実行させるとともに、反射光Lrを固体撮像素子により受光してコード画像Icを生成する撮像動作を撮像部3に実行させる。さらに、コントローラ6は、撮像部3によって生成されたコード画像Icを取得して、当該コード画像Icをデコードする。こうして、照明部2による照明動作、撮像部3による撮像動作およびコントローラ6によるデコードといった一連の動作によってコード読取が実行される。例えば、コントローラ6は、ユーザによるトリガスイッチ122の操作を検知すると、コード読取を実行する。コード読取の結果、すなわちコントローラ6がコード画像Icをデコードした結果であるデコード結果Rdは、記憶部7に記憶される。
【0020】
続いては、ヘッド部11の構成、特にヘッド部11に設けられた照明部2の構成について詳述する。図3はヘッド部の具体的な外観構成を示す斜視図であり、図4はヘッド部に設けられた照明部に係る具体的な構成を分解して示す分解斜視図である。図3および図4では、長さ方向Dlおよび幅方向Dwが示されている。ここで、長さ方向Dlおよび幅方向Dwは互いに直交するとともに、それぞれ前後方向Dfsに交差する。また、長さ方向Dlの一方側Dl1(グリップエンド部13からヘッド部11に向かう側)と、長さ方向Dlの他方側Dl2(一方側Dl1の逆側)が示され、幅方向Dwの一方側Dw1と、幅方向Dwの他方側Dw2(一方側Dw1の逆側)が示されている。
【0021】
照明部2は、拡散部材21と、拡散部材21に後ろ側Sbから取り付けられた反射部材23と、反射部材23に後ろ側Sbから取り付けられた照明基板25とを有する。拡散部材21および反射部材23は、上述のヘッド部11の一部を構成する。
【0022】
拡散部材21は、前側Sfに開いた上記の開口112を囲む壁面である開口規定部を有する。開口規定部は、長さ方向Dlにおいて、開口112の一方側Dl1に設けられたトップ拡散プレート212と、開口112の他方側Dl2に設けられたボトム拡散プレート213とを有する。さらに、開口規定部は、幅方向Dwにおいて、開口112の一方側Dl1に設けられた右拡散プレート214と、開口112の他方側Dl2に設けられた左拡散プレート215とを有する。幅方向Dwにおいてトップ拡散プレート212の両側の端部は、右拡散プレート214および左拡散プレート215に向かって他方側Dl2に屈曲する。また、長さ方向Dlにおいて、右拡散プレート214の他方側Dl2の端部は、ボトム拡散プレート213に向かって他方側Dw2に屈曲し、左拡散プレート215の他方側Dl2の端は、ボトム拡散プレート213に向かって一方側Dw1に屈曲する。
【0023】
トップ拡散プレート212、右拡散プレート214および左拡散プレート215は、後ろ側Sbから前側Sfへそれぞれを透過する光を拡散して、前側Sfへ射出する。具体的には、トップ拡散プレート212、右拡散プレート214および左拡散プレート215それぞれの後ろ側Sbの背面(光の入射面)にシボ加工が施され、このシボ加工が施された背面によって光が拡散される。ただし、トップ拡散プレート212、ボトム拡散プレート213、右拡散プレート214および左拡散プレート215に光拡散機能を持たせる構成はシボ加工に限られず、例えばこれらを拡散性の高い乳白色の材質を用いることで光拡散機能を持たせてもよい。
【0024】
前後方向Dfsの前側Sfに向かうに連れて、カメラ31Aの集光レンズ311A(図5D図5E図5F)の光軸Acに交差する断面における開口112の面積が広くなるように、開口112を規定する各プレート212、213、214、215は前後方向Dfsに対して傾斜する傾斜形状(本実施形態ではテーパー形状)を有する。換言すれば、光軸方向の前側Sf(ワークW側)に向かうに連れて光軸Acから離間するように各プレート212、213、214、215は光軸に対して傾斜するテーパー形状を有する。なお、各プレート212、213、214、215の当該光軸に対して傾斜する形状は、直線のテーパー形状に限らず、曲線形状であっても良い。
【0025】
また、拡散部材21は、各プレート212、213、214、215の前側Sfの端から外側に突出するフランジ219を有する。つまり、前側Sfから見て、フランジ219は開口112の周縁に設けられている。
【0026】
照明基板25は、このようにテーパー形状を有するプレート212、213、214、215より後ろ側Sbに配置される。この照明基板25は、基板251と、基板251の前側Sfの面に配列された複数の光源Eを有する。光源Eは、例えばLED(Light Emitting Diode)であり、トップ拡散プレート212、右拡散プレート214あるいは左拡散プレート215に向けて前側Sfに光を射出する。光源Eから射出されてトップ拡散プレート212、右拡散プレート214あるいは左拡散プレート215に後ろ側Sbから入射した光は、当該拡散プレート212、214あるいは215の通過に伴って拡散されて、当該拡散プレート212、214あるいは215から前側Sfに射出される。
【0027】
反射部材23は、前後方向Dfsにおいて拡散部材21と照明基板25との間に配置される。この反射部材23は、照明基板25の光源Eから射出されて拡散部材21に向かう光の経路を長さ方向Dlの一方側Dl1から覆うトップカバー232と、当該光の経路を幅方向Dwの一方側Dw1から覆う右カバー234と、当該光の経路を幅方向Dwの他方側Dw2から覆う左カバー235とを有する。トップカバー232、右カバー234および左カバー235のそれぞれは、照明基板25から前後方向Dfsの前側Sfに延設される。特にトップカバー232は、照明基板25から、拡散部材21のフランジ219の一方側Dl1の端部まで延設されている。これらトップカバー232、右カバー234および左カバー235は光を反射する。
【0028】
さらに、反射部材23は、長さ方向Dlにおいてトップカバー232の他方側Dl2に設けられた仕切プレート236を有する。この仕切プレート236は、照明基板25から前後方向Dfsの前側Sfに延設される。仕切プレート236は、幅方向Dwにおいて右カバー234と左カバー235との間で延設され、長さ方向Dlにおいてトップカバー232と仕切プレート236との間にはスリット237(隙間)が設けられている。
【0029】
図5Aは照明基板の構成を模式的示す正面図である。図5Aに示すように、基板251は、幅方向Dwに延設されたメイン基板部252と、メイン基板部252の一方側Dw1の端部から長さ方向Dlの他方側Dl2に延設された右基板部254と、メイン基板部252の他方側Dw2の端部から長さ方向Dlの他方側Dl2に延設された左基板部255とを有する。
【0030】
メイン基板部252には、幅方向Dwに所定幅で設けられたトップ光源領域Btと、トップ光源領域Btより長さ方向Dlの他方側Dl2で幅方向Dwに所定幅で設けられたセンタ光源領域Bcが設けられている。トップ光源領域Btでは、複数の光源Eが所定のピッチ(トップピッチ)で幅方向Dwに配列されており、センタ光源領域Bcでは、複数の光源Eがトップピッチより長いセンタピッチで幅方向Dwに配列されている。このようなピッチの違いから、トップ光源領域Btに配列される光源Eの個数は、センタ光源領域Bcに配列される光源Eの個数より多い。この構成により、トップ光源領域Btからトップ拡散プレート212に入射する光量と、トップ光源領域Btと比較してトップ拡散プレート212に近くに位置するセンタ光源領域Btからトップ拡散プレート212に入射する光量との均一性を向上させている(後述の図7を参照)。なお、ここの例では、センタピッチはトップピッチの2倍であるが、これらのピッチの具体的な比率はこれに限られない。
【0031】
右基板部254の他方側Dl2の端部は、幅方向Dwの他方側Dw2に屈曲する。また、右基板部254には、当該右基板部254の形状に沿った右光源領域Brが設けられており、当該右光源領域Brに複数の光源Eが配列されている。右光源領域Brに配列される光源Eの個数は、トップ光源領域Btに配列される光源Eの個数よりも少なく、センタ光源領域Bcに配列される光源Eの個数よりも少ない。
【0032】
左基板部255の他方側Dl2の端部は、幅方向Dwの一方側Dw1に屈曲する。また、左基板部255には、当該左基板部255の形状に沿った左光源領域Blが設けられており、当該左光源領域Blに複数の光源Eが配列されている。左光源領域Blに配列される光源Eの個数は、右光源領域Brに配列される光源Eの個数と等しい。
【0033】
図5Bは反射部材の構成を模式的に示す正面図である。上述の通り、反射部材23は、トップカバー232、右カバー234および左カバー235を有する。トップカバー232は、幅方向Dwに延設され、右カバー234は、トップカバー232の幅方向Dwの一方側Dw1の端から長さ方向Dlの他方側Dl2に延設され、左カバー235は、トップカバー232の幅方向Dwの他方側Dw2の端から長さ方向Dlの他方側Dl2に延設される。さらに、反射部材23は、右カバー234と左カバー235との間で幅方向Dwに延設された仕切プレート236を有し、長さ方向Dlにおいてトップカバー232と仕切プレート236との間には矩形状のスリット237が空いている。
【0034】
この反射部材23に対して、照明基板25が前後方向Dfsの後ろ側Sbから対向する(図5C)。図5Cは互いに取り付けられた反射部材および照明基板の構成を模式的に示す正面図である。図5Cに示すように、トップ光源領域Btに配列された各光源Eは、仕切プレート236より長さ方向Dlの一方側Dl1に位置してスリット237に対向する一方、センタ光源領域Bcに配列された光源Eは、仕切プレート236より長さ方向Dlの他方側Dl2に位置する。そのため、センタ光源領域Bcの光源Eから射出された光が、トップ光源領域Btの光源Eから射出された光の経路に進入するのが仕切プレート236によって抑止される。また、トップ光源領域Btの光源Eから射出された光が、センタ光源領域Bcの光源Eから射出された光の経路に進入するのが仕切プレート236によって抑止されている。
【0035】
図5Dは拡散部材と配置パネルの構成を模式的に示す正面図であり、図5Eは拡散部材と当該拡散部材に隠れる照明基板を重ねて模式的に示す正面図であり、図5F図5Eの拡散部材および照明基板に反射部材をさらに重ねて模式的に示す正面図である。図5Eおよび図5Fでは、照明基板25は破線で示されている。
【0036】
上述の通り、開口112の後ろ側Sbの端には配置パネル113が設けられている。拡散部材21のトップ拡散プレート212は、長さ方向Dlにおいて配置パネル113の一方側Dl1に位置し、ボトム拡散プレート213は、長さ方向Dlにおいて配置パネル113の他方側Dl2に位置し、右拡散プレート214は、幅方向Dwにおいて配置パネル113の一方側Dw1に位置し、左拡散プレート215は、幅方向Dwにおいて配置パネル113の他方側Dw2に位置する。
【0037】
図5Eから分かるように、トップ光源領域Btあるいはセンタ光源領域Bcの光源Eから射出された光は、主としてトップ拡散プレート212に入射する。さらに、図5Fから分かるように、トップ光源領域Btの光源Eが射出した光は、仕切プレート236の一方側Dl1を通過してトップ拡散プレート212に入射し、センタ光源領域Bcの光源Eが射出した光は、仕切プレート236の他方側Dl2を通過してトップ拡散プレート212に入射する。また、右光源領域Brの光源Eから射出された光は主として右拡散プレート214に入射し、左光源領域Blから射出された光は主として左拡散プレート215に入射する。トップ拡散プレート212、右拡散プレート214および左拡散プレート215は光拡散性を有しており、トップ拡散プレート212、右拡散プレート214および左拡散プレート215が、それぞれ光源Eから入射した光を拡散させることで、均一な拡散光がワークWの表面Wfに対して照射される。なお、トップ拡散プレート212、ボトム拡散プレート213、右拡散プレート214および左拡散プレート215それぞれのうち、配置パネル113に隣接する光吸収領域520(図5Dおよび図5Eでハッチングされた範囲)は、黒色で塗られているか、あるいは黒色の材料で構成されており、詳細は後述する。
【0038】
つまり、トップ光源領域Btの光源Eから射出された光は、トップ拡散プレート212によって拡散された後に、トップ拡散プレート212からワークWの表面Wfに向けて照明光Liとして射出される。センタ光源領域Bcの光源Eから射出された光は、トップ拡散プレート212によって拡散された後に、トップ拡散プレート212からワークWの表面Wfに向けて照明光Liとして射出される。右光源領域Brの光源Eから射出された光は、右拡散プレート214によって拡散された後に、右拡散プレート214からワークWの表面Wfに向けて照明光Liとして射出される。左光源領域Blの光源Eから射出された光は、左拡散プレート215によって拡散された後に、左拡散プレート215からワークWの表面Wfに向けて照明光Liとして射出される。こうして光源Eからの光は、拡散部材21を通過するのに伴って、拡散部材21により拡散される。また、拡散部材21で光を拡散することで生成される拡散光は、均一な照明光LiとしてワークWの表面Wfに照射される。
【0039】
このように、拡散部材21のトップ光源領域Bt、センタ光源領域Bc、右光源領域Brおよび左光源領域Blは、互いに異なる角度で拡散部材21からワークWの表面Wfへ向けて照射される照明光Liを生成する。これに対して、照明部2を制御するコントローラ6は、トップ光源領域Bt、センタ光源領域Bc、右光源領域Brおよび左光源領域Blのうち、光源Eから光を射出する点灯領域を変更することができる。こうして、点灯領域を変更することで、拡散光を照明光LiとしてワークWの表面Wfに入射させる角度を変更することができる。
【0040】
このように、拡散部材21、反射部材23および照明基板25によって上述の拡散照明部27(図2)が構成されている。さらに、上述の通り、照明部2は、光源からの光を拡散せずにワークWの表面Wfに向けて直接照射する直接照明部28と、偏光した光をワークWの表面Wfに向けて照射する偏光照明部29とを有する。図5Eおよび図5Fに示すように、これら直接照明部28および偏光照明部29は、配置パネル113に配置されている。
【0041】
したがって、コントローラ6は、拡散照明部27の光源Eを点灯させて拡散光をワークWに照射する「拡散照明」と、直接照明部28の光源281を点灯させて光源からの光を拡散せずにワークWに照射する「直接照明」と、偏光照明部29の光源291を点灯させて偏光された光をワークWに照射する「偏光照明」とを選択的に照射することができる。
【0042】
上述の通り、撮像部3は、2台のカメラ31A、31Bを有し、これらカメラ31A、31Bは配置パネル113に設けられている。具体的には、図5Eおよび図5Fに示すように、ヘッド部11には、カメラ31Aおよびカメラ31Bそれぞれの集光レンズ311A、311B(対物レンズ)が配置パネル113の各開口部に対応して設けられている。長さ方向Dlにおいて、カメラ31Aの集光レンズ311Aとトップ拡散プレート212との間にカメラ31Bの集光レンズ311Bが位置する。カメラ31Aは、ワークWの表面Wfからの反射光Lrを集光レンズ311Aによって固体撮像素子に集光して、当該固体撮像素子にコード画像Icを生成させる。同様に、カメラ31Bは、ワークWの表面Wfからの反射光Lrを集光レンズ311Bによって固体撮像素子に集光して、当該固体撮像素子にコード画像Icを生成させる。この際、カメラ31Aは狭視野カメラであるのに対して、カメラ31Bは広視野カメラであり、カメラ31Aの視野はカメラ31Bの視野より狭い。そのため、各カメラが備えるイメージセンサの画素数が等しい場合、カメラ31Aが撮像するコード画像Icの解像度は、カメラ31Bが撮像するコード画像Icの解像度よりも高い。一般的にDPM(Direct Part Marking)コードのサイズは、通常のラベルに付されたコードのサイズに比べて小さい。したがって、カメラの視野に占めるDPMコードの割合をできるだけ高くして、解像度の高いコード画像が得られるように、狭視野のカメラ31AによりDPMコードを撮像することが好ましい。
【0043】
また、配置パネル113には、距離計測部4が設けられている。距離計測部4は、TOF(Time of Fight)方式の距離センサ41を有し、距離センサ41は、カメラ31A、31Bの視野に向けて光を射出する発光部43と、カメラ31A、31Bの視野から戻ってきた光を検出する受光部42とを有し、発光部42が光を射出してから受光部42が光を受光するまでの時間に基づき、カメラ31A、31Bの視野に存在する物体(ワークWを含む)までの距離を計測する。
【0044】
さらに、配置パネル113には、エイマー照射部5のLD照射部51およびLED照射部52が設けられている。具体的には、図5Eおよび図5Fに示すように、LD照射部51のレンズ511と、LED照射部52のレンズ521とが配置パネル113に嵌め込まれている。幅方向Dwにおいて、LD照射部51(レンズ511)は、カメラ31A、31Bの一方側Dw1に配置され、LED照射部52(レンズ521)は、カメラ31A、31Bの他方側Dw2に配置される。
【0045】
図6Aはエイマー照射部5の動作を模式的に示す図である。LD照射部51は、中心点で交差する2本の線状の可視光で構成されるエイマー光L51を、カメラ31Aの視野に存在する物体(ワークWを含む)に照射する。エイマー光L51は、カメラ31Aの視野内の所定範囲を示す。また、LED照射部52は略矩形状の可視光で構成されるエイマー光L52を当該物体に照射する。エイマー照射部5は、エイマー光L51およびエイマー光L52により当該物体までの距離を示す。例えばエイマー光L51は赤色を有し、エイマー光L52は緑色を有する。コード読取装置1に対して当該物体が近いと、図6Aの「近い」の欄に示すようにエイマー光L51の中心点に対してエイマー光L52が一方側にずれる。コード読取装置1に対して当該物体の距離が適正であると、図6Aの「適正」の欄に示すようにエイマー光L51の中心点とエイマー光L52とが重なる。コード読取装置1に対して当該物体が遠いと、図6Aの「遠い」の欄に示すようにエイマー光L51の中心点に対してエイマー光L52が他方側にずれる。特に、ワーク表面がカメラ31Aのピントと一致する状態に近づくにつれて、エイマー光L51の中心とエイマー光L52の中心とが近づき、ワーク表面がカメラ31Aのピントと一致する状態でエイマー光L51の中心とエイマー光L52の中心とが重なるように、エイマー照射部5は構成されている。つまり、エイマー光L51およびエイマー光L52は、エイマー光L51の中心とエイマー光L52の中心とが重なることで、ワーク表面にカメラ31Aのピントが一致した状態であるとともに、カメラ31Aがコード画像Icを生成可能であることを示すことができるため、ユーザは良好なコード画像Icが得られるタイミングを容易に把握することができる。
【0046】
ところで、正面視において、LD照射部51は集光レンズ311Aの一方側Dw1に配置され、LED照射部52は集光レンズ311Aの他方側Dw2に配置される。このような配置関係において、集光レンズ311Aの視野内にエイマー光L51、L52のそれぞれを照射するために、LD照射部51およびLED照射部52のそれぞれは、エイマー光L51およびエイマー光L52を、集光レンズ311Aの光軸Acに対してDw方向に傾けて射出する。つまり、LD照射部51は、エイマー光L51の光が前側Sfに進行するにつれて他方側Dw2に移動するように(つまり、光軸Acに近づくように)、集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向にエイマー光L51を射出する。また、LED照射部52は、エイマー光L52の光が前側Sfに進行するにつれて一方側Dw1に移動するように(つまり、光軸Acに近づくように)、集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向にエイマー光L52を射出する。このようにエイマー光L51、L52の光を曲げる構成について、次に説明する。
【0047】
図6Bはエイマー照射部のLD照射部の構成を模式的に示す図である。このLD照射部51は、LD(Laser Diode)である光源からの光をレンズ511によってL51の十字形状に成形することで、エイマー光L51を照射する。このレンズ511は、図6Bの「十字成形レンズ」の欄に示すレンズの機能と、「プリズム」の欄に示すプリズムの機能とを兼ね備える。ここで、十字成形レンズの機能とは、十字成形レンズの光軸に平行に入射した光を十字形状に成形する機能を意味し、当該光を十字成形レンズによって集光した光束の主光線の進行方向は、当該光の進行方向と一致する。また、プリズムの機能とは、所定の入射角度で入射してきた光を、当該入射角度と異なる射出角度で射出する機能を意味する。したがって、十字成形レンズの機能とプリズムの機能とを兼ね備えるレンズ511は、入射光を、当該入射光の光軸に交差する方向に屈折させつつ十字形状に成形する。このようにエイマー光L51をDw2方向に傾けて照射することで、カメラ31Aの集光レンズ311Aのうち、当該集光レンズ311Aの光学的特性(例えば収差等)が良好な中央部分に対応するカメラ31Aの視野に対してエイマー光L51を照射できる。なお、エイマー光L51は、特に十字形状に限られるものではない。
【0048】
図6Cはエイマー照射部のLED照射部の構成を模式的に示す図である。LED照射部52は、レンズ521と、LED(Light Emitting Diode)である光源522と、レンズ521と光源522との間に設けられた絞り523とを有する。レンズ521は十字成形レンズであり、レンズ521、絞り523および光源522は、レンズ521の光軸と交差する方向に配列されている。したがって、レンズ521は、当該レンズ521の光軸と交差する方向から絞り523を介して入射してきた光を集光する。このようにエイマー光L52をDw1方向に傾けて照射することで、カメラ31Aの集光レンズ311のうち、当該集光レンズ311の光学的特性が良好な中央部分に対応するカメラ31Aの視野に対してエイマー光L52を照射できる。
【0049】
図7は前後方向における反射部材と照明基板との位置関係を模式的に示す側面図である。図7に示す光軸Acは、カメラ31Aの集光レンズ311Aの光軸Acである。図7に示すように、トップ拡散プレート212は、前後方向Dfsにおいて、後ろ側Sbの端である後端Tpbと、前側Sfの端である前端Tpfとを有する。このトップ拡散プレート212は、後端Tpbから前端Tpfに向かうに連れて光軸Acからの距離Δが長くなる形状TPを有する。なお、トップ拡散プレート212と光軸Acとの距離は、当該光軸Acに直交する方向における光軸Acとトップ拡散プレート212との間隔で定義できる。照明基板25は、前後方向Dfsにおいて形状TP(すなわち、トップ拡散プレート212)の後端Tpbより後ろ側Sbに配置されており、照明基板25の光源Eは、後端Tpbより後ろ側Sbからトップ拡散プレート212に向けて光を照射する。
【0050】
特に、トップ光源領域Btの光源Eから射出された光は、仕切プレート236の一方側Dl1を通過してトップ拡散プレート212に到達する。この際、光源Eからトップ拡散プレート212に直接入射する光Le1と、光源Eから射出された後にトップカバー232の内壁で反射されてからトップ拡散プレート212に入射する光Le2と、仕切プレート236の内壁で反射されてからトップ拡散プレート212に入射する光Le3がトップ拡散プレート212を通過して、当該トップ拡散プレート212によって拡散される。図示しないが、センタ光源領域Bcの光源Eから射出された光は、トップ拡散プレート212に直接入射する光と、仕切プレート236の内壁で反射された光とが、トップ拡散プレート212によって拡散される一方で、光吸収領域520で吸収される。このように、光吸収領域520は、拡散部材21のオフセット部分を通過した光がカメラ31A、31Bへの迷光となることを抑制する。
【0051】
また、図7に示されるように、前後方向Dfsにおいて、配置パネル113はテーパー形状TPの後端Tpbより後ろ側Sbにオフセット量Fだけずれて配置されている。したがって、配置パネル113に配置されたカメラ31A、31B、直接照明部28、偏光照明部29、距離センサ41、LD照射部51およびLED照射部52も、テーパー形状TPの後端Tpbより後ろ側Sbにオフセット量Fだけずれて配置される。また、配置パネル113は、開口112の端面に対して傾斜しており、互いに非平行な配置となっている。これにより、ヘッド部11(開口112)の端面とワーク表面Wfとが略平行になった状態において、ワーク表面Wfで反射されたカメラ31Aの光軸Acは、拡散部材21のトップ拡散プレート212に向かうように構成されている。
【0052】
ところで、上述の通り、コントローラ6は、照明基板25の光源Eを点灯させて拡散光をワークWに照射する「拡散照明」と、直接照明部28の光源を点灯させてワークWに照射する「直接照明」と、偏光照明部29の光源を点灯させてワークWに照射する「偏光照明」とを選択的に照射することができる。これら拡散照明、直接照明および偏光照明の使い分けは例えば次のように行われる。
【0053】
直接照明は、ラベルに印刷されたバーコード等のコードを照らすために照射される。コントローラ6は、コードが付されたラベル(ワークW)の表面Wfに直接照明部28が射出する光を照明光Liとして照射して、広視野のカメラ31Bが生成するコード画像Icを取得する。偏光照明も、直接照明と同様に、ラベルに印刷されたバーコード等のコードを照らすために照射される。コントローラ6は、コードが付されたラベル(ワークW)の表面Wfに偏光照明部29が射出する光を照明光Liとして照射しつつ、広視野のカメラ31Bが生成するコード画像Icを取得する。そして、コントローラ6は、直接照明あるいは偏光照明に基づき生成されたコード画像Icをデコードすることで、デコード結果Rdを生成する。
【0054】
拡散照明は、鏡面性のワークWの表面WfにDPM(Direct Part Marking)によって付されたコード(DPMコード)を照らすために照射される。コントローラ6は、照明基板25から射出されて拡散部材21によって拡散された拡散光を照明光Liとして、DPMコードが付されたワークWの表面Wfに照射して、狭視野のカメラ31Aが生成するコード画像Icを取得する。この際、ワークWの表面Wfにカメラ31Aのピントが一致した状態で、カメラ31Aは、ワークWの表面Wfで正反射された反射光Lrを集光レンズ311Aで集光して固体撮像素子によって受光することで、コード画像Icを生成する。換言すれば、かかる動作が実行できるように、カメラ31Aに対する拡散部材21の位置および角度が固定されている。図8に示すように、照明光Liは、鏡面性の表面Wfに設けられた窪み、つまりDPMコードのドット801では拡散され、ドット801以外の表面Wfでは鏡面反射(正反射)されるため、ドット801からは拡散光Ldが反射され、ドット801以外の表面Wfからは正反射光Lrが反射される。したがって、このコード画像Icは、DPMコード(例えば、ドット801)に対応する部分811の輝度値がワークWの表面Wfに対応する部分812の輝度値よりも低いコード画像である。そして、コントローラ6は、拡散照明に基づき生成されたコード画像Icをデコードすることで、デコード結果Rdを生成する。
【0055】
以上のように構成された実施形態では、光源E(第1光源)から射出された光を拡散部材21によって拡散することで生成された照明光LiがワークWの表面Wf(ワーク表面)に照射されて、ワークWの表面Wfで反射された反射光Lrが集光レンズ311Aで集光される。そして、カメラ31A(第1カメラ)が集光レンズ311Aによって集光された光を固体撮像素子により受光して、コード画像Icを生成する。また、拡散部材21は、集光レンズ311Aの光軸Acの前側Sfに向かうに連れて光軸Acから離間するように前後方向Dfs(光軸方向)に対して傾斜するテーパー形状TPを有し、光軸をワーク表面で反射させた軸に対して垂直方向において拡散部材21の長さが確保されている。このような拡散部材21のテーパー形状TPに対して、光源Eに対しては、次の構成が具備されている。
【0056】
つまり、光源Eは、前後方向Dfsの前側Sfからの正面視において拡散部材21のテーパー形状TPの後端Tpbより後ろ側の位置から拡散部材21に向けて光を照射する。かかる構成では、光軸をワーク表面で反射させた軸に対して垂直方向において長さが確保された反射部材23の後端Tpbよりさらに後ろ側の位置から、光源Eが拡散部材21に向けて光を照射する。したがって、光が光源Eから射出されて拡散部材21によって拡散されるまでに進行する距離を長く確保できる。光源Eは、カメラ31Aが正反射光を受光した際に光源Eがカメラに映り込まないように、拡散部材21の後端(例えば、テーパー形状TPの後端でも良いし、オフセット部分の後端でも良い)より奥から拡散部材21に向けて光を照射する。その結果、光源Eからの光が拡散部材21に入射する段階で十分に広がっているため、鏡面性のワーク表面への光源E(例えば、光源Eの外形など)の映り込みを抑制することが可能となっている。
【0057】
また、複数の光源Eが配置された照明基板25が具備されており、照明基板25は、複数の光源Eのそれぞれから射出された光が拡散部材21に到達する位置および角度に配置されている。
【0058】
特に、照明基板25は、正面視において、拡散部材21のテーパー形状TPの後端Tpbより後ろ側に配置されている。
【0059】
また、照明基板25は、正面視において、カメラ31Aの上側に設けられたメイン基板部252(上側領域)と、カメラ31Aの右側においてメイン基板部252から下側に延設された右基板部254(右側領域)と、カメラ31Aの左側においてメイン基板部252から下側に延設された左基板部255(左側領域)とを有する逆U字形状の基板251を有する。そして、複数の光源Eは基板251内のメイン基板部252、右基板部254および左基板部255に渡って配列されている。かかる構成では、カメラ31Aの下側に光源Eを配置するためのスペースを設ける必要がない。そのため、カメラ31Aの上側に拡散部材21のためのスペースを確保して拡散部材21(特に、トップ拡散プレート212)の面積を広く取りつつ、コード読取装置1の小型化を図ることができる。
【0060】
また、照明基板25と拡散部材21との間の隙間を覆って光を反射する反射部材23(反射フレーム)が具備されており、拡散部材21は、複数の光源Eから射出されて反射部材23で反射することなく当該拡散部材21に直接入射した光Le1を拡散させた拡散光と、複数の光源Eから射出されて反射部材232で反射された光Le2を拡散させた拡散光と、仕切プレート236で反射された光Le3を、ワークWの表面Wfに向けて射出する。かかる構成では、拡散部材21で拡散された光の均一性をさらに向上させることが可能となる。
【0061】
また、カメラ31Aの視野内の所定範囲を示すエイマー光L51(第1照準光)をワークWの表面Wfに照射するLD照射部51(第1エイマー)と、エイマー光L51との位置関係によりワークWの表面Wfまでの距離を示すエイマー光L52(第2照準光)をワークWの表面Wfに照射するLED照射部52(第2エイマー)とが具備されている。そして、集光レンズ311AとワークWの表面Wfとの距離と集光レンズ311Aの焦点距離との差が小さいほど、エイマー光L52がエイマー光L51の中心に近接し、ワークWの表面Wfに集光レンズ311Aの焦点が一致した状態で、エイマー光L52はエイマー光L51の中心に照射される。かかる構成では、ユーザは、エイマー光L51とエイマー光L52との位置関係を視認しつつコード読取装置1を操作することで、集光レンズ311AのピントをワークWの表面Wfに的確に合わせることができる。
【0062】
また、エイマー光L51の波長(赤色の波長)とエイマー光L52の波長(緑色の波長)とは異なる。かかる構成では、エイマー光L51とエイマー光L52とを容易に区別することができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0063】
また、正面視において、LD照射部51およびLED照射部52は集光レンズ311Aの側方に配置される。このような配置関係において、カメラ31Aの視野中央部にエイマー光L51、L52のそれぞれを照射するために、LD照射部51は、集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向にエイマー光L51を射出し、LED照射部52は、集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向にエイマー光L52を射出する。かかる構成では、ユーザは、エイマー光L51とエイマー光L52との位置関係を視認しつつコード読取装置1を操作することで、集光レンズ311Aのうち光学的特性が良好な部分(中央部分)をコードに対して位置合わせすることが可能となる。
【0064】
また、LD照射部51は、十字成形レンズの作用とプリズムの作用とを有するレンズ511を有する。そして、エイマー光L51が射出される方向をレンズ511のプリズムの作用によって集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向に屈折させる。かかる構成では、十字成形レンズの作用を有するレンズ511がプリズムの作用を兼ねて、集光レンズ311Aの光軸Acに交差する方向に光を屈折させるため、コード読取装置1の小型化を図ることができる。
【0065】
また、拡散部材21は、シボ加工が施された背面(加工面)を有し、光が背面を通過するのに伴って、背面によって拡散される。かかる構成では、拡散部材21で拡散された光の均一性をさらに向上させることが可能となる。
【0066】
また、光源281(第2光源)を有し、光源281が射出した光を拡散させずにワークWの表面Wfに照射する直接照明部28と、直接照明部28によって照射されてワークWの表面Wfで反射された光を受光することでコード画像Icを生成するカメラ31Bとが具備されている。そして、正面視において、カメラ31Aは、カメラ31Bの他方側Dl2(下側)に配置される。また、拡散部材21のうち、トップ光源領域Btあるいはセンタ光源領域Bcの光源E(第1光源)から射出された光を拡散するトップ拡散プレート212は、カメラ31Bの一方側Dl1(上側)に配置される。かかる構成では、正面視において、拡散部材21のうちトップ光源領域Btあるいはセンタ光源領域Bcの光源E(第1光源)から射出された光を拡散するトップ拡散プレート212(拡散領域)とカメラ31Aとの間には、カメラ31Bが設けられている。おり、換言すれば、トップ拡散プレート212とカメラ31Aとの間隔が広く確保されている。したがって、鏡面として機能するワークWの表面Wfを介してカメラ31Aからトップ拡散プレート212を見た場合において、カメラ31Aの視野に対するトップ拡散プレート212の面積比率を高められる。これにより、拡散部材21のサイズを相対的に小さくできるため、装置自体の小型化が可能となる。
【0067】
また、前後方向Dfsあるいは光軸方向において、拡散部材21の後端Tpb(図7)は集光レンズ311Aに対して前側にオフセットして配置される。これにより、拡散部材21をワーク側により近づけることができるため、カメラ31Aの視野に対してトップ拡散プレート212の面性比率を高めることができ、DPMコードを明視野的に読み取ることが容易となる。かかる構成では、拡散部材21の当該オフセット部分を通過した光がカメラ31A、31Bへの迷光となることを抑制するため、当該オフセット部分に上述の光吸収領域520が設けられている。また、迷光防止のため、集光レンズに反射防止コーティングを施しても良い。
【0068】
以上に説明するように本実施形態では、コード読取装置1が本発明の「コード読取装置」の一例に相当し、表面Wfが本発明の「ワーク表面」の一例に相当し、ワークWが本発明の「ワーク」の一例に相当し、トップ光源領域Btおよびセンタ光源領域Bcの光源Eが本発明の「第1光源」の一例に相当し、集光レンズ311Aが本発明の「集光レンズ」の一例に相当し、カメラ31Aが本発明の「第1カメラ」の一例に相当し、集光レンズ311Aの光軸Acが本発明の「光軸」の一例に相当し、前後方向Dfsが本発明の「光軸方向」の一例に相当し、テーパー形状TPが本発明の「傾斜形状」の一例に相当し、拡散部材21が本発明の「拡散部材」の一例に相当し、ヘッド部11が本発明の「ヘッド部」の一例に相当し、照明基板25が本発明の「照明基板」の一例に相当し、メイン基板部252が本発明の「上側領域」の一例に相当し、右基板部254が本発明の「右側領域」の一例に相当し、左基板部255が本発明の「左側領域」の一例に相当し、基板251が本発明の「光源配置部」の一例に相当し、反射部材23が本発明の「反射フレーム」の一例に相当し、エイマー光L51が本発明の「第1照準光」の一例に相当し、LD照射部51が本発明の「第1エイマー」の一例に相当しエイマー光L52が本発明の「第2照準光」の一例に相当し、LED照射部52が本発明の「第2エイマー」の一例に相当し、直接照明部28が本発明の「直接照明部」の一例に相当し、カメラ31Bが本発明の「第2カメラ」の一例に相当する。
【0069】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、偏光照明部29により偏光照明の照射時に、左拡散プレート215で拡散されることで無偏光となって照射される光を減らすため、左拡散プレート215の一部(例えば前側Sfの端部等)を黒色に仕上げることで当該偏光照明を吸収させるようにしてもよい。
【0070】
また、拡散部材21と光源Eとの配置関係を図9あるいは図10に示すように、適宜変更することができる。
【0071】
図9はコード読取装置の第1変形例を模式的に示す側面図である。第1変形例では、一対の照明基板261が幅方向Dwからトップ拡散プレート212(拡散部材)を挟むように、トップ拡散プレート212に隣接して配置されており、各照明基板261には光源Eが設けられている。また、トップ拡散プレート212に後ろ側Sbから対向するように、反射ミラー262が設けられている。そして、照明基板261の光源Eは、反射ミラー262に向けて光を射出する。光源Eから射出された光は、反射ミラー262によってトップ拡散プレート212に向けて反射されて、トップ拡散プレート212を透過する(図9の光Lm1)。この光Lm1がトップ拡散プレート212の透過に伴って拡散されて、拡散光としてワークWの表面Wfに照射される。つまり、本変形例では、カメラ31Aが正反射光を受光した際に光源がカメラ31Aに映り込まないように、光源と拡散部材との間の光路上に設けられた反射部材を介して拡散部材に光を照射する構成となっている。
【0072】
つまり、第1変形例では、光源E(第1光源)が、正面視においてトップ拡散プレート212(拡散部材)に後ろ側Sbから対向するように配置された反射ミラー262(反射部材)に向けて光を照射して反射ミラー262で反射された光をトップ拡散プレート212に入射させる。このように、光源Eから射出された光は、反射ミラー262を経由してからトップ拡散プレート212に入射する。したがって、光が光源Eから射出されてトップ拡散プレート212によって拡散されるまでに進行する距離を長く確保できる。その結果、光源Eから射出されてトップ拡散プレート212で拡散された光への光源Eの映り込みを抑制することが可能となっている。
【0073】
図9はコード読取装置の第2変形例を模式的に示す側面図である。第2変形例では、前後方向Dfsにおいて、トップ拡散プレート212の後ろ側Sbに光源Eを設ける代わりに、トップ拡散プレート212の前側Sfに光源Eが設けられている。具体的には、トップ拡散プレート212の前側Sfに照明基板263が配置され、この照明基板263に光源Eが設けられている。そして、照明基板263の光源Eは、トップ拡散プレート212の前側Sfの面に向けて光を射出する。光源Eから射出された光は、トップ拡散プレート212によって拡散されて、その一部の光が前側Sfへと進行する(図9の光Lm2)。この光Lm2がトップ拡散プレート212での反射に伴って拡散されて、拡散光としてワークWの表面Wfに照射される。つまり、本変形例では、カメラ31Aが正反射光を受光した際に光源がカメラ31Aに映り込まないように、拡散部材の手前から拡散部材に向けて光を照射する構成となっている。なお、照明基板263は、ボトム拡散プレート213上に配置されていても良い。
【0074】
つまり、第2変形例では、光源E(第1光源)は、正面視においてトップ拡散プレート212(拡散部材)の前側Sfからトップ拡散プレート212に向けて光を照射する。かかる構成では、トップ拡散プレート212の前側Sfの面(前面)で反射・拡散された光が、トップ拡散プレート212から射出される。その結果、光源Eから射出されてトップ拡散プレート212で拡散された光への光源Eの映り込みを抑制することが可能となっている。
【産業上の利用可能性】
【0075】
この発明は、コードが設けられたワーク表面に光を照射して当該ワーク表面で反射された光をカメラによって受光することでコード画像を生成する技術全般に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…コード読取装置
Wf…表面Wf
W…ワーク
Bt…トップ光源領域
Bc…センタ光源領域
E…光源(第1光源)
311A…集光レンズ
31A…カメラ(第1カメラ)
Ac…光軸
Dfs…前後方向(光軸方向)
TP…テーパー形状
21…拡散部材
11…ヘッド部
25…照明基板
252…メイン基板部(上側領域)
254…右基板部(右側領域)
255…左基板部(左側領域)
251…基板(光源配置部)
23…反射部材(反射フレーム)
L51…エイマー光(第1照準光)
51…LD照射部(第1エイマー)
L52…エイマー光(第2照準光)
52…LED照射部(第2エイマー)
28…直接照明部
31B…カメラ(第2カメラ)

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10