(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113928
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240816BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240816BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240816BHJP
B60L 1/00 20060101ALI20240816BHJP
G01C 21/36 20060101ALI20240816BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240816BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240816BHJP
B60R 16/033 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/00 P
H02J7/00 302D
B60L50/60
B60L58/12
B60L1/00 L
G01C21/36
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
B60R16/033 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019211
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 龍一
【テーマコード(参考)】
2F129
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD21
2F129DD35
2F129DD36
2F129DD46
2F129DD48
2F129DD49
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE83
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF20
2F129GG28
2F129HH12
5G503AA04
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA02
5G503DA13
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD04
5H030AA01
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF41
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC24
5H125CA18
5H125EE27
5H125EE51
5H125EE70
(57)【要約】
【課題】車両に載せられたポータブル電源が充電されていなかったり、満充電でなかったりするときに、ポータブル電源を自動的に充電することができる充電制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ情報取得部12は、目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源40が備えるバッテリ44の充電状態をポータブル電源40から取得する。車両情報取得部13は、少なくとも車両が備える車両電源に関する情報を取得する。電力供給量算出部151は、車両が目的地まで走行することに支障をきたさない、車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量を算出する。充電命令部152は、バッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電が必要であると判定すると、充電制御部42に、電力供給量以下の電力量で車両電源50からバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう命令する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得するバッテリ情報取得部と、
少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両情報取得部が取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出する電力供給量算出部と、
前記バッテリ情報取得部から取得した前記バッテリの充電状態に基づいて前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令する充電命令部と、
を備える充電制御装置。
【請求項2】
前記車両情報取得部は、前記車両電源に関する情報に加えて、前記車両の走行に関する情報と前記車両内の電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方を取得し、
前記電力供給量算出部は、前記車両電源に関する情報と、前記車両の走行に関する情報と前記電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方とに基づいて、前記電力供給量を算出する
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記車両が電気自動車であるとき、前記車両電源に関する情報は、前記電気自動車が備える走行用バッテリのバッテリ容量と前記走行用バッテリの残充電量とを含む情報である請求項1または2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得し、
前記車両より少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得し、
取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出し、
取得した前記バッテリの充電状態に基づいて前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令する
充電制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得するステップと、
前記車両より少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得するステップと、
取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出するステップと、
取得した前記バッテリの充電状態に基づいて、前記バッテリの充電が必要であるか否かを判定するステップと、
前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令するステップと、
を実行させる充電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプ等の屋外活動で使用するポータブル電源を車両に載せて、車両で屋外活動に出かけることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-94607号公報
【特許文献2】特表2022-509045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポータブル電源を車両に載せたときにポータブル電源が充電されていなかったり、満充電でなかったりすることがある。このような場合でも、ユーザが充電量の管理に気を使うことなく、ポータブル電源を自動的に充電することができる充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラムの登場が望まれる。
【0005】
1またはそれ以上の実施形態は、車両に載せられたポータブル電源が充電されていなかったり、満充電でなかったりするときに、ポータブル電源を自動的に充電することができる充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様は、目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得するバッテリ情報取得部と、少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得する車両情報取得部と、前記車両情報取得部が取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出する電力供給量算出部と、前記バッテリ情報取得部から取得した前記バッテリの充電状態に基づいて前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令する充電命令部とを備える充電制御装置を提供する。
【0007】
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様は、目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得し、前記車両より少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出し、取得した前記バッテリの充電状態に基づいて前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令する充電制御方法を提供する。
【0008】
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様は、コンピュータに、目的地が設定されている車両に載せられているポータブル電源が備えるバッテリの充電状態を前記ポータブル電源から取得するステップと、前記車両より少なくとも前記車両が備える車両電源に関する情報を取得するステップと、取得した情報に基づいて、前記車両が前記目的地まで走行することに支障をきたさない、前記車両電源から前記ポータブル電源へと供給可能な電力供給量を算出するステップと、取得した前記バッテリの充電状態に基づいて、前記バッテリの充電が必要であるか否かを判定するステップと、前記バッテリの充電が必要であると判定すると、前記ポータブル電源が備える充電制御部に、前記電力供給量以下の電力量で前記車両電源から前記バッテリへと電力を供給して前記バッテリを充電するよう命令するステップとを実行させる充電制御プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
1またはそれ以上の実施形態の充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラムによれば、車両に載せられたポータブル電源が充電されていなかったり、満充電でなかったりするときに、ポータブル電源を自動的に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る充電制御装置を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る充電制御装置の変形例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る充電制御装置の動作、第1実施形態に係る充電制御方法、第1実施形態に係る充電制御プログラムがコンピュータに実行させる処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る充電制御装置を示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、ユーザのスケジュールの第1の例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、ユーザのスケジュールの第2の例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る充電制御装置の変形例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る充電制御装置の動作、第2実施形態に係る充電制御方法、第2実施形態に係る充電制御プログラムがコンピュータに実行させる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、各実施形態に係る充電制御装置、充電制御方法、及び充電制御プログラムについて、添付図面を参照して説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1において、ユーザ端末10Aは通信網30を介して、カーナビゲーション装置20、ポータブル電源40、及びECU(Electronic Control Unit)60と通信する。ECU60は車両内に設けられている。ECU60は、CAN(Controller Area Network)のバスで通信網30と接続されていてもよい。ECU60は複数であってもよい。通信網30は、携帯電話通信網、無線LAN、またはブルートゥース(登録商標)のいずれかである。無線LANは、IEEE 802.11規格に準拠する、いわゆるWi-Fiであってもよい。通信網30は無線に限定されず、有線であってもよい。
【0013】
ユーザ端末10Aは、第1実施形態に係る充電制御装置として機能する。ユーザ端末10Aは、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、またはスマートフォンによって構成することができる。ユーザ端末10Aは、バッテリ情報取得部12、車両情報取得部13、経路情報取得部14、制御部15、表示部16、通信部17を備える。制御部15は、電力供給量算出部151、充電命令部152、表示制御部153を有する。カーナビゲーション装置20は、通信部21及び経路探索部22を備える。カーナビゲーション装置20は、車両内に取り付けられている。
【0014】
ポータブル電源40は、通信部41、充電制御部42、バッテリ状態監視部43、バッテリ44を備える。車両は、電子機器または電気機器のプラグを挿入するアウトレットを備えている。ポータブル電源40は車両のトランク等のいずれかの位置に載せられており、ポータブル電源40のプラグをアウトレットに挿入可能である。ポータブル電源40のプラグがアウトレットに挿入されることによりポータブル電源40が車両電源50に接続されている状態で、バッテリ44は車両電源50から供給される電力で充電されることがある。
【0015】
ポータブル電源40は、シガーソケット用のプラグが車両に備えられているシガーソケットに接続されてもよい。この場合、シガーソケット用のプラグがシガーソケットに挿入されることによりポータブル電源40が車両電源50に接続されている状態で、バッテリ44は車両電源50から供給される電力で充電されることがある。
【0016】
車両電源50とは、車両が走行用のバッテリに充電された電力でモータを駆動して走行する電気自動車(いわゆるバッテリEV)であれば、走行用のバッテリである。車両がエンジンで走行する自動車であれば、車両電源50は、車両に搭載されている発電機である。車両がエンジンで走行する自動車であれば、車両電源50は、発電機が発電する電力を貯蔵するバッテリであってもよい。
【0017】
ユーザ端末10Aにおいて、バッテリ情報取得部12は、通信部17及び通信網30を介して、ポータブル電源40からバッテリ44の充電状態を取得する。バッテリ情報取得部12は、カーナビゲーション装置20に車両の目的地が設定されて、経路情報取得部14が、経路探索部22が探索した経路情報を取得しているときに、バッテリ44の充電状態を取得するように構成されていてもよい。
【0018】
ポータブル電源40において、バッテリ状態監視部43はバッテリ44の状態を監視している。バッテリ44の状態とは、バッテリ44の充電の状態である。バッテリ情報取得部12は、通信部41、通信網30、及び通信部17を介して、バッテリ状態監視部43よりバッテリ44の状態を取得する。バッテリ情報取得部12は、適宜のタイミングでバッテリ状態監視部43よりバッテリ44の状態を取得すればよく、所定時間ごとにバッテリ44の状態を取得してもよい。
【0019】
車両情報取得部13は、ECU60より、少なくとも車両が備える車両電源に関する情報を取得する。車両電源に関する情報とは、車両の電力供給情報である。電力供給情報は、車両電源50が出力可能な電力量を含む。車両電源50が出力可能な電力量は、車両電源50が出力可能な電流量及び電圧値であってもよい。車両が電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車であるとき、電力供給情報は、電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車が備える走行用バッテリのバッテリ容量と走行用バッテリの残充電量とを含む。車両がエンジンで走行する自動車であるとき、電力供給情報は、発電機による発電で発生することができる単位時間当たりの電力量である。
【0020】
車両情報取得部13は、ECU60より電力供給情報を取得する代わりに、車両の種類に応じた電力供給情報を保持するデータベースを参照し、ユーザがいずれかの電力供給情報を選択することによって電力供給情報のうちの一部の情報を取得してもよい。車両情報取得部13は、電気自動車またはプラグインハイブリッド自動車の走行用バッテリのバッテリ容量、エンジンで走行する自動車の発電機による発電で発生することができる単位時間当たりの電力量のような車両固有の情報を、車両の種類に応じた電力供給情報を保持するデータベースを参照して取得してもよい。
【0021】
車両情報取得部13は、車両電源に関する情報に加えて、車両の走行に関する情報を取得するのがよい。車両の走行に関する情報とは、車両の走行速度であってもよく、車両が高速道路を走行しているのか一般道を走行しているのかの走行道路の種別であってもよい。車両の走行速度とは、所定時間における平均速度であるのがよい。車両情報取得部13は、車両電源に関する情報に加えて、エアコンディショナまたはカーオーディオ等の車両内の電力消費機器の使用に関する情報を取得するのがよい。車両情報取得部13は、車両電源に関する情報に加えて、車両の走行に関する情報と電力消費機器の使用に関する情報との双方を取得するのがよいが、車両電源に関する情報に加えて、車両の走行に関する情報と電力消費機器の使用に関する情報との少なくとも一方を取得してもよい。
【0022】
経路情報取得部14は、通信網30及び通信部17を介して、経路探索部22が探索した経路情報を取得する。経路情報は車両が目的地に到着するまでの時間を含み、経路情報取得部14は目的地に到着するまでの時間を取得する。経路情報取得部14は、カーナビゲーション装置20より車両が目的地に到着するまでの時間のみを取得してもよい。車両情報取得部13が、車両が高速道路を走行しているのか一般道を走行しているのかの走行道路の種別を取得する代わりに、経路情報取得部14が走行道路の種別を取得することも可能である。
【0023】
制御部15には、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態、車両情報取得部13が取得した少なくとも車両電源に関する情報、経路情報取得部14が取得した経路情報が入力される。電力供給量算出部151は、車両電源50が出力可能な電力量と、車両が目的地に到着するまでの時間とに基づいて、車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量を算出する。車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量とは、車両が目的地まで走行することに支障をきたすことなく、ポータブル電源40に供給することができる電力量である。
【0024】
車両が電気自動車であれば、車両電源50が出力可能な電力量は走行用のバッテリの残充電量である。従って、車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量は、走行用のバッテリの残充電量から車両が目的地に到達するのに必要な電力量を減算した電力量である。車両がエンジンで走行する自動車であれば、車両電源50が出力可能な電力量は発電機によって供給可能な電力量である。車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量は、発電機によって供給可能な電力量から車両が走行するのに必要な電力量を減算した電力量である。このときの電力量は単位時間当たりの電力量であってよい。
【0025】
車両が電気自動車である場合を例とすると、電気自動車の電費は車両が目的地に到達するのに必要な電力量に影響を与える。従って、電力供給量算出部151には、車両の走行に関する情報と車両内の電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方、好ましくは双方を入力するのがよい。電力供給量算出部151は、車両電源に関する情報と、車両の走行に関する情報と電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方、好ましくは双方に基づいて、電力供給量を算出するのがよい。
【0026】
充電命令部152は、バッテリ情報取得部12から取得したバッテリ44の充電状態に基づいて、バッテリ44の充電が必要であるか否かを判定する。充電命令部152がバッテリ44の充電が必要であると判定すると、通信部17、通信網30、及び通信部41を介して、充電制御部42にバッテリ44の充電の開始を命令する。このとき、充電命令部152は、電力供給量算出部151が算出した電力供給量以下の電力量で、車両電源50からポータブル電源40のバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう充電制御部42に命令する。
【0027】
充電命令部152は、バッテリ44が満充電でなければバッテリ44を充電する必要があると判定してもよいし、バッテリ44の充電量が所定の充電量以下であるときにバッテリ44を充電する必要があると判定してもよい。
【0028】
このように、充電命令部152は、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいて、バッテリ44の充電が必要であるか否かを判定する。充電命令部152は、バッテリ44の充電が必要であると判定すると、通信部17、通信網30、及び通信部41を介して、充電制御部42に、車両電源50からバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう命令する。
【0029】
充電命令部152は、ポータブル電源40に接続され、ポータブル電源40から供給される電力で動作する機器の情報に基づいて、目的地で必要なポータブル電源40の必要電力量を算出するのがよい。充電命令部152は、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電量が必要電力量に満たないと判定されるとき、ポータブル電源40に、バッテリ44を少なくとも必要電力量を満たすまで充電するよう命令するのがよい。充電命令部152は、電力供給量以下でバッテリ44を充電できるのであれば、ポータブル電源40にバッテリ44を満充電するよう命令してもよい。
【0030】
充電命令部152は、車両が目的地に到着するまでの時間が長くなるほどバッテリ44を充電する充電速度を遅く、短くなるほど充電速度を速くするよう、充電制御部42に、目的地に到着するまでの時間に応じた充電速度で充電するよう命令するのがよい。充電命令部152は、充電制御部42に、バッテリ44を、目的地に到着するまでの時間に応じて少なくとも2段階の充電速度で充電するよう命令すればよい。充電命令部152は、車両が目的地に到着するまでの時間に応じて充電速度を連続的に変化させて、充電制御部42に、到着するまでの時間に最も適した充電速度で充電するよう命令してもよい。
【0031】
このように、車両が目的地に到着するまでの時間が長いとき、バッテリ44の充電速度を遅くすれば、バッテリ44は急速に充電されないのでバッテリ44の劣化を抑えることができる。また、バッテリ44の充電速度を遅くして、車両電源50からバッテリ44へと供給する単位時間当たりの電力量が少なくすれば、車両が走行するのに必要な電力量が何らかの理由で急激に増大しても、車両の走行に影響を与えにくくすることができる。なお、渋滞の有無等によって車両が目的地に到着するまでの時間が変化した場合には、目的地に到着するまでの時間の変化に対応させて充電速度を変更するのがよい。
【0032】
表示制御部153は、充電命令部152が充電制御部42にバッテリ44を充電するよう命令すると、表示部16にバッテリ44の充電を開始したことを文章または画像で表示してユーザに通知するよう制御する。表示部16及び表示制御部153は通知部の一例である。表示部16が文章または画像を表示してユーザにバッテリ44の充電を開始したことを通知する代わりに、またはそれに加えて、スピーカが発する音声によってバッテリ44の充電を開始したことをユーザに通知してもよい。スピーカ及び音声発生制御部は通知部の他の例である。
【0033】
充電制御部42は、充電の開始の命令を受けて、車両電源50から供給される電力によってバッテリ44を充電するよう制御する。バッテリ情報取得部12は、バッテリ状態監視部43より取得したバッテリ44の状態に基づき、バッテリ44の充電が完了したと判定すると、制御部15にバッテリ44の充電が完了した旨を通知する。充電命令部152は、充電制御部42に充電の終了を命令する。表示制御部153は、充電命令部152が充電制御部42にバッテリ44の充電を終了するよう命令すると、表示部16にバッテリ44の充電を終了したことを文章または画像で表示してユーザに通知するよう制御する。
【0034】
以上のように、充電制御装置として機能するユーザ端末10Aによれば、車両に載せられたポータブル電源40が充電されていなかったり、満充電でなかったりするときに、ポータブル電源40を自動的に充電することができる。
【0035】
ユーザ端末10Aにおけるバッテリ情報取得部12、車両情報取得部13、経路情報取得部14が、制御部15内に設けられていてもよい。制御部15は、マイクロコンピュータの中央処理装置(CPU)で構成されていてもよい。少なくとも電力供給量算出部151及び充電命令部152は、CPUが、コンピュータプログラムである充電制御プログラムを実行することによる機能として実現されていてもよい。バッテリ情報取得部12~経路情報取得部14、電力供給量算出部151、充電命令部152、及び表示制御部153は、CPUが、コンピュータプログラムである充電制御プログラムを実行することによる機能として実現されていてもよい。充電制御プログラムは、ユーザ端末10Aが備える非一時的な記憶媒体に記憶され、CPUが充電制御プログラムを実行する。
【0036】
<第1実施形態の変形例>
図2に示す第1実施形態の変形例は、第1実施形態におけるユーザ端末10Aとカーナビゲーション装置20とを一体化させたユーザ端末120Aによって、ポータブル電源40のバッテリ44を監視し、必要に応じてバッテリ44の充電を命令する。ユーザ端末120Aは充電制御装置として機能する。
図2において、
図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図2において、ユーザ端末120Aは、カーナビゲーション装置20の経路探索部22と同様の機能を有する経路探索部18を備える。経路探索部18は、経路探索部18が探索した目的地までの経路を示す経路情報を制御部15に供給する。経路情報は車両が目的地に到着するまでの時間を含む。バッテリ情報取得部12、車両情報取得部13、及び制御部15は、
図1に示す第1実施形態におけるそれらと同様に動作する。第1実施形態の変形例において、経路探索部18は、CPUが充電制御プログラムを実行することによる機能として実現されていてもよいし、CPUが、充電制御プログラムとは別のコンピュータプログラムを実行することによる機能として実現されていてもよい。
【0038】
カーナビゲーション装置20に充電制御装置の機能を実装することも可能である。
【0039】
以上のように、
図1に示すユーザ端末10Aまたは
図2に示すユーザ端末120Aは、次のような構成を備える。バッテリ情報取得部12は、車両の目的地が設定されて車両が目的地に向けて走行しているとき、車両に載せられているポータブル電源40が備えるバッテリ44の充電の状態をポータブル電源40から取得する。車両情報取得部13は、少なくとも車両が備える車両電源50に関する情報を取得する。車両情報取得部13は、車両内のECU60から車両電源50に関する情報を取得してもよいし、外部のデータベース等から車両電源50に関する情報を取得してもよい。
【0040】
電力供給量算出部151は、車両情報取得部13が取得した情報に基づいて、車両が目的地まで走行することに支障をきたさない、車両電源50からポータブル電源40へと供給可能な電力供給量を算出する。充電命令部152は、バッテリ情報取得部12から取得したバッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電が必要であると判定すると、充電制御部42に、電力供給量以下の電力量で車両電源50からバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう命令する。
【0041】
車両情報取得部13は、車両電源50に関する情報に加えて、車両の走行に関する情報と車両内の電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方を取得することが好ましい。電力供給量算出部151は、車両電源に関する情報と、車両の走行に関する情報と電力消費機器の使用に関する情報とのうちの少なくとも一方とに基づいて、電力供給量を算出することが好ましい。
【0042】
車両が電気自動車である場合を例とすれば、車両電源50に関する情報は、電気自動車が備える走行用バッテリのバッテリ容量と走行用バッテリの残充電量とを含む情報である。
【0043】
<第1実施形態(変形例を含む)に係る充電制御装置の動作、充電制御方法、充電制御プログラム>
図3に示すフローチャートを用いて、第1実施形態に係る充電制御装置の動作、第1実施形態に係る充電制御方法、第1実施形態に係る充電制御プログラムがコンピュータ(CPU)に実行させる処理を説明する。
【0044】
図3において、ユーザ端末10Aまたは120Aが動作を開始すると、制御部15は、ステップS3にて、ポータブル電源40のバッテリ44の状態(充電量)を取得する。制御部15(充電命令部152)は、ステップS4にて、バッテリ44の充電が必要か否かを判定する。バッテリ44の充電が必要なければ(NO)、制御部15は処理を終了させる。
【0045】
ステップS4にてバッテリ44の充電が必要であれば(YES)、制御部15(充電命令部152)は、ステップS5にて、電力供給情報を取得して充電電流量を設定する。制御部15は、ステップS6にて、ポータブル電源40が車両電源50に接続されているか否かを判定する。ポータブル電源40が車両電源50に接続されていなければ(NO)、制御部15は、ステップS9にて、ポータブル電源40が車両電源50に接続されていないことを表示部16に表示することによってユーザに通知して、制御部15は処理を終了させる。
【0046】
ステップS6にてポータブル電源40が車両電源50に接続されていれば(YES)、制御部15(充電命令部152)は、ステップS7にて、ポータブル電源40にバッテリ44の充電を命令して、バッテリ44の充電を開始させる。制御部15は、ステップS8にて、バッテリ44の充電が完了したか否かを判定する。バッテリ44の充電が完了していなければ(NO)、制御部15はステップS8の処理を繰り返す。バッテリ44の充電が完了していれば(YES)、制御部15は処理を終了させる。
【0047】
図3においては、ステップS7にてバッテリ44の充電を開始するとき、及びステップS8にてバッテリ44の充電を完了したときの、表示部16によるユーザへの通知に関する処理の図示を省略している。
【0048】
<第2実施形態>
図4に示す第2実施形態において、
図1に示す第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略することがある。
図4において、ユーザ端末10Bは、第2実施形態に係る充電制御装置として機能する。ユーザ端末10Bは、スケジュール取得部11、バッテリ情報取得部12、車両情報取得部13、経路情報取得部14、制御部15、表示部16、通信部17を備える。
【0049】
ユーザ端末10Bにおいて、スケジュール取得部11は、通信部17及び通信網30を介して、外部のクラウド等に保存されているスケジュール表を閲覧して、ユーザのスケジュールを取得する。スケジュール取得部11は、スケジュール取得部11自体がユーザの行動のスケジュールを管理することによって、ユーザのスケジュールを取得するスケジュール管理部であってもよい。
【0050】
図5Aに示す第1の例のように、ユーザのスケジュールとして、ある日の17時から19時までキャンプが設定されている。
図5Bに示す第2の例のように、ユーザのスケジュールとして、ある日の17時から19時までポータブル電源40の使用が設定されていてもよい。
図5Aに示すスケジュールのキャンプは、車両に載せられているポータブル電源40を使用する可能性がある行事の一例である。
図5Aに示すスケジュールも、ポータブル電源40の使用が予定されているスケジュールであるとする。
【0051】
ユーザとは、ユーザ端末10Bの所有者、ポータブル電源40の所有者、車両の運転者、車両の搭乗者いずれであってもよい。ユーザは複数であってもよい。ユーザは、予め登録された1またはそれ以上のユーザであってもよい。
図5Aまたは
図5Bに示すスケジュール表に、複数のユーザのスケジュールが登録されていてもよい。
【0052】
スケジュール取得部11は、取得したスケジュールから、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているスケジュールを抽出する。スケジュール表に複数のユーザのスケジュールが登録されている場合、少なくとも一人のユーザのスケジュールに、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されていれば、そのスケジュールを抽出すればよい。
【0053】
スケジュール取得部11は、ポータブル電源40の使用が想定されるキーワードを保持しておき、キーワードに基づいて、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているスケジュールを抽出してもよい。スケジュール取得部11の外部のメモリにキーワードを記憶させておき、スケジュール取得部11がメモリに記憶されているキーワードを参照してもよい。スケジュール取得部11または外部のメモリに、ポータブル電源を使用する行事の名称、ポータブル電源に接続されて使用される機器の名称等をキーワードとするテーブルを記憶させてもよい。ユーザがスケジュールを登録する際に、ポータブル電源40の使用をチェックする項目が設定されてもよい。
【0054】
スケジュール取得部11は、スケジュール表から全てのスケジュールを取得するのみであってもよい。この場合、スケジュール判定部が、スケジュール取得部11が取得したスケジュールを判定して、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているスケジュールを抽出してもよい。スケジュール判定部は、ユーザ端末10B内に設けられていてもよいし、ユーザ端末10Bの外部に設けられていてもよい。
【0055】
外部のクラウド等に保存されているスケジュール表に登録されているスケジュールの内容をユーザ端末10Bの外部に設けられているスケジュール判定部が判定し、スケジュール取得部11が、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているスケジュールのみを取得してよい。
【0056】
バッテリ情報取得部12は、通信部17及び通信網30を介して、ポータブル電源40からバッテリ44の充電状態を取得する。バッテリ情報取得部12は、
図5Aまたは
図5Bに示すようなスケジュールに基づき、ポータブル電源40の使用が予定されているときに、バッテリ44の充電状態を取得するように構成されていてもよい。
図5Aに示すようにポータブル電源40の使用が直接的に設定されていない場合であっても、スケジュール取得部11(またはスケジュール判定部)はポータブル電源40の使用の可能性があると判定してもよい。
【0057】
車両情報取得部13及び経路情報取得部14の動作は、第1実施形態におけるそれらの動作と同じである。制御部15には、スケジュール取得部11が取得したユーザのスケジュール、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態、車両情報取得部13が取得した少なくとも車両電源に関する情報、経路情報取得部14が取得した経路情報が入力される。制御部15に入力されるユーザのスケジュールは、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているスケジュールである。
【0058】
電力供給量算出部151の動作は、第1実施形態におけるその動作と同じである。充電命令部152は、スケジュール取得部11が取得したスケジュールに基づいて、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているとき、必要に応じて、充電制御部42にバッテリ44を充電するよう命令する。
【0059】
充電命令部152は、バッテリ情報取得部12から取得したバッテリ44の充電状態に基づいて、バッテリ44の充電が必要であるか否かを判定する。充電命令部152がバッテリ44の充電が必要であると判定すると、通信部17、通信網30、及び通信部41を介して、充電制御部42にバッテリ44の充電の開始を命令する。このとき、充電命令部152は、電力供給量算出部151が算出した電力供給量以下の電力量で、車両電源50からポータブル電源40のバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう充電制御部42に命令する。
【0060】
充電命令部152は、バッテリ44が満充電でなければバッテリ44を充電する必要があると判定してもよいし、バッテリ44の充電量が所定の充電量以下であるときにバッテリ44を充電する必要があると判定してもよい。
【0061】
充電命令部152は、
図5Aに示すようなポータブル電源40を使用する可能性がある行事の時間、または
図5Bに示すようなポータブル電源40の使用が設定されている時間に基づいて、目的地で必要なポータブル電源40の必要電力量を算出してもよい。充電命令部152は、ポータブル電源40の必要電力量を算出して、バッテリ44の充電量が必要電力量に満たないときに、バッテリ44を充電する必要があると判定してもよい。
【0062】
図5Aに示すスケジュールのように行事のみが設定されている場合には、目的地で必要なポータブル電源40の必要電力量は厳密には分からないが、使用する電力量を想定することにより必要電力量をある程度の精度で算出することが可能である。
図5Bに示すスケジュールの場合も同様である。スケジュールの第3の例として、ポータブル電源40を使って使用する電気機器が設定されていてもよい。例えば、17時から19時までホットプレートを使用すると設定されていれば、充電命令部152は使用する電力量を高精度に算出することが可能である。
【0063】
このように、充電命令部152は、スケジュール取得部11が取得したスケジュールに基づいてポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているとき、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいて、バッテリ44の充電が必要であるか否かを判定する。充電命令部152は、バッテリ44の充電が必要であると判定すると、通信部17、通信網30、及び通信部41を介して、充電制御部42に、車両電源50からバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう命令する。
【0064】
充電命令部152は、ポータブル電源40に接続され、ポータブル電源40から供給される電力で動作する機器の情報に基づいて、目的地で必要なポータブル電源40の必要電力量を算出するのがよい。充電命令部152は、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電量が必要電力量に満たないと判定されるとき、ポータブル電源40に、バッテリ44を少なくとも必要電力量を満たすまで充電するよう命令すればよい。充電命令部152は、電力供給量以下でバッテリ44を充電できるのであれば、ポータブル電源40にバッテリ44を満充電するよう命令してもよい。
【0065】
以上のように、充電制御装置として機能するユーザ端末10Bによれば、ポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているにもかかわらず、車両に載せられたポータブル電源40が充電されていなかったり、満充電でなかったりするときに、ポータブル電源40を自動的に充電することができる。
【0066】
スケジュール取得部11~経路情報取得部14、電力供給量算出部151、充電命令部152、及び表示制御部153は、CPUが、コンピュータプログラムである充電制御プログラムを実行することによる機能として実現されていてもよい。充電制御プログラムは、ユーザ端末10Bが備える非一時的な記憶媒体に記憶され、CPUが充電制御プログラムを実行する。
【0067】
<第2実施形態の変形例>
図6に示す第2実施形態の変形例は、第2実施形態におけるユーザ端末10Bとカーナビゲーション装置20とを一体化させたユーザ端末120Bによって、ポータブル電源40のバッテリ44を監視し、必要に応じてバッテリ44の充電を命令する。ユーザ端末120Bは充電制御装置として機能する。
図6において、
図4と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図6において、ユーザ端末120Bは、カーナビゲーション装置20の経路探索部22と同様の機能を有する経路探索部18を備える。経路探索部18は、経路探索部18が探索した目的地までの経路を示す経路情報を制御部15に供給する。経路情報は車両が目的地に到着するまでの時間を含む。スケジュール取得部11、バッテリ情報取得部12、車両情報取得部13、及び制御部15は、
図4に示す第2実施形態におけるそれらと全く同様に動作する。第2実施形態の変形例において、経路探索部18は、CPUが充電制御プログラムを実行することによる機能として実現されていてもよいし、CPUが、充電制御プログラムとは別のコンピュータプログラムを実行することによる機能として実現されていてもよい。
【0069】
カーナビゲーション装置20に充電制御装置の機能を実装し、カーナビゲーション装置20がユーザ端末からユーザのスケジュールを取得するように構成することも可能である。
【0070】
以上のように、
図4に示すユーザ端末10Bまたは
図6に示すユーザ端末120Bは、次のような構成を備える。スケジュール取得部11は、ユーザのスケジュールを取得する。バッテリ情報取得部12は、ポータブル電源40が備えるバッテリ44の充電状態をポータブル電源40から取得する。
【0071】
充電命令部152は、スケジュール取得部11が取得したスケジュールに基づいてポータブル電源40の使用が設定されているかポータブル電源40の使用の可能性がある行事が設定されているとき、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電が必要であるか否かを判定する。充電命令部152は、バッテリ44の充電が必要であると判定すると、充電制御部42に、車両電源50からバッテリ44へと電力を供給してバッテリ44を充電するよう命令する。
【0072】
充電命令部152は、ポータブル電源40に接続され、ポータブル電源40から供給される電力で動作する機器の情報に基づいて、目的地で必要なポータブル電源40の必要電力量を算出することが好ましい。充電命令部152は、バッテリ情報取得部12が取得したバッテリ44の充電状態に基づいてバッテリ44の充電量が必要電力量に満たないと判定されるとき、ポータブル電源40に、バッテリ44を少なくとも必要電力量を満たすまで充電するよう命令することが好ましい。
【0073】
充電命令部152は、バッテリ44を、車両が目的地に到着するまでの時間に応じた充電速度で充電するよう命令することが好ましい。車両が目的地に到着するまでの時間が長くなるほどバッテリ44を充電する充電速度を遅く、車両が目的地に到着するまでの時間が短くなるほど充電速度を速くするよう、充電制御部42に、バッテリ44を少なくとも2段階の充電速度のうちの選択した充電速度で充電するよう命令すればよい。
【0074】
<第2実施形態(変形例を含む)に係る充電制御装置の動作、充電制御方法、充電制御プログラム>
図7に示すフローチャートを用いて、第2実施形態に係る充電制御装置の動作、第2実施形態に係る充電制御方法、第2実施形態に係る充電制御プログラムがコンピュータ(CPU)に実行させる処理を説明する。
【0075】
図7において、ユーザ端末10Bまたは120Bが動作を開始すると、スケジュール取得部11は、ステップS1にて、ユーザのスケジュールを取得する。制御部15は、ステップS2にて、スケジュール取得部11からポータブル電源40を使用するスケジュールを取得したか否かを判定する。ポータブル電源40を使用するスケジュールを取得しなければ(NO)、制御部15は処理を終了させる。
【0076】
ステップS2にてポータブル電源40を使用するスケジュールを取得すれば(YES)、制御部15は、ステップS3にて、ポータブル電源40のバッテリ44の状態(充電量)を取得する。制御部15(充電命令部152)は、ステップS4にて、バッテリ44の充電が必要か否かを判定する。バッテリ44の充電が必要なければ(NO)、制御部15は処理を終了させる。
【0077】
ステップS4にてバッテリ44の充電が必要であれば(YES)、制御部15(充電命令部152)は、ステップS5にて、電力供給情報を取得して充電電流量を設定する。制御部15は、ステップS6にて、ポータブル電源40が車両電源50に接続されているか否かを判定する。ポータブル電源40が車両電源50に接続されていなければ(NO)、制御部15は、ステップS9にて、ポータブル電源40が車両電源50に接続されていないことを表示部16に表示することによってユーザに通知して、制御部15は処理を終了させる。
【0078】
ステップS6にてポータブル電源40が車両電源50に接続されていれば(YES)、制御部15(充電命令部152)は、ステップS7にて、ポータブル電源40にバッテリ44の充電を命令して、バッテリ44の充電を開始させる。制御部15は、ステップS8にて、バッテリ44の充電が完了したか否かを判定する。バッテリ44の充電が完了していなければ(NO)、制御部15はステップS8の処理を繰り返す。バッテリ44の充電が完了していれば(YES)、制御部15は処理を終了させる。
【0079】
図7においても、ステップS7にてバッテリ44の充電を開始するとき、及びステップS8にてバッテリ44の充電を完了したときの、表示部16によるユーザへの通知に関する処理の図示を省略している。
【0080】
<発展的構成例>
以上説明した第1及び第2実施形態においては、車両が目的地に向けて走行しているときにバッテリ44の状態を確認するように構成しているが、車両が走行する前の任意のタイミングにおいて、バッテリ44の状態を確認するように構成することも可能である。
【0081】
バッテリ情報取得部12は、スケジュール取得部11が取得するユーザのスケジュールに従って、スケジュールに設定されている行事に必要な電力量を取得し、ポータブル電源40よりバッテリ44の充電の状態を取得する。制御部15は、バッテリ44の充電が必要であるときに、充電に必要な車両の走行時間を算出する。表示制御部153は、目的地までの走行時間が、充電に必要な車両の走行時間より短いときに、表示部16にその旨を表示してユーザに通知する。
【0082】
本発明は以上説明した第1または第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0083】
10A,10B,120A,120B ユーザ端末
11 スケジュール取得部
12 バッテリ情報取得部
13 車両情報取得部
14 経路情報取得部
15 制御部
16 表示部
17,21,41 通信部
20 カーナビゲーション装置
18,22 経路探索部
30 通信網
40 ポータブル電源
42 充電制御部
43 バッテリ状態監視部
44 バッテリ
50 車両電源
60 ECU
151 電力供給量算出部
152 充電命令部
153 表示制御部