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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113949
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】商品陳列什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240816BHJP
   A47B 97/00 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019249
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 文秀
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 亮
(72)【発明者】
【氏名】益田 裕介
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA12
3B118BB04
3B118DA31
3B118FA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】陳列された商品の販売促進を行うためにディスプレイ等の電気製品を設置する。
【解決手段】商品陳列什器は、複数の棚を備え、少なくとも一つの棚は、少なくとも電気部品を内部に収納できる収納部となっており、収納部の上面は、商品を載置する上板で覆われており、上板は、開閉自在に取り付けられ、収納部の上面を開放できるものであり、収納部の背面は開口しており、開口から電気部品の配線を収納部外に引き出し可能になっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棚を備え、少なくとも一つの棚は、少なくとも電気部品を内部に収納できる収納部となっており、収納部の上面は、商品を載置する上板で覆われており、上板は、開閉自在に取り付けられ、収納部の上面を開放できるものであり、収納部の背面は開口しており、開口から電気部品の配線を収納部外に引き出し可能になっている商品陳列什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等で使用される商品陳列什器に関する。
【背景技術】
【0002】
商品陳列什器は、特許文献1に記載されているように、店舗において各種商品を陳列するのに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-81715
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の商品陳列什器は、販売促進のために各種商品が目立つように工夫して陳列している。
しかしながら、商品を目立たせるには、陳列の工夫だけでは限界がある。
このため、陳列された商品の販売促進を行うためにディスプレイ等の電気製品を設置したいとの要望があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するために請求項1記載による商品陳列什器は、複数の棚を備え、少なくとも一つの棚は、少なくとも電気部品を内部に収納できる収納部となっており、収納部の上面は、商品を載置する上板で覆われており、上板は、開閉自在に取り付けられ、収納部の上面を開放できるものであり、収納部の背面は開口しており、開口から電気部品の配線を収納部外に引き出し可能になっている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、前述の構成により、陳列された商品の販売促進を行うためにディスプレイ等の電気製品を設置できる商品陳列什器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】商品陳列什器の斜視図であり、上棚(棚)の収納部を開放した状態を示す。
図2図1の中央縦断面図である。
図3図2の要部拡大図である。
図4】商品陳列什器の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の商品陳列什器1を説明する。
以下の説明では、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0009】
[商品陳列什器の構成]
商品陳列什器1は、図1および図2に示すように、下段側の下棚10の背面側左右端にそれぞれ支柱11が取り付けられており、支柱11の背面側に背面パネル12が配置されていると共に、支柱11の前面には、上段側の上棚(棚)2と中段側の中棚(棚)3を備えている。
【0010】
下棚10は、支持脚を兼ねるものであり、支柱11から前方へ張り出すように設けられている。
左右の支柱11は、それぞれ前面に上棚(棚)2および中棚(棚)3の背面側に突設されたブラケット13のフック部130が係合する係合孔14が複数設けられている。
上棚(棚)2および中棚(棚)3は、図3に示すように、ブラケット13のフック部130を係合孔14に係合させることで、左右の支柱11の前面に設置される。
【0011】
背面パネル12は、格子形状に形成された網状のものであり、左右の支柱11の背面にわたると共に、上下方向のほぼ全域に至る大きさに形成されている。
上棚(棚)2よりも上方の背面パネル12の前面には、ブラケット15を介して電気製品としてのディスプレイdが取り付けられており、このディスプレイdに上棚(棚)2および中棚(棚)3に陳列された商品の紹介動画や紹介画像などを映し出すようにしている。
ブラケット15は、背面側にフック部150が突設されていると共に、左右ブラケット13の前面側にわたる支持部151が設けられており、ブラケット15のフック部150を係合孔14に係合させることで支柱11の前面に取り付けられている。
ディスプレイdは、背面側をブラケット15の支持部151に引っ掛けることで、設置される。
ディスプレイdに映し出される商品は、主に、顧客が立ったままで商品を取れる上棚(棚)2や中棚(棚)3に陳列するのが好ましいが、この商品は、下棚10にも陳列してもよい。
背面パネル12は、網状のものに限るものではなく、板状のものとしてもよい。
【0012】
[上棚(棚)および中棚(棚)の構成]
上棚(棚)2は、少なくとも電気部品eを内部に収納できる収納部20となっている。
収納部20は、上面200から底部201の背面側の端部にわたり開放されており、上面200が商品を載置陳列する上板21で覆われている。
また、収納部20は、上面200を上板21で覆った状態で背面側が開口され、この開口202から電気部品eとディスプレイdにわたる配線e1を収納部20外に引き出し可能になっている。
【0013】
収納部20の前面には、電気製品としてのサブディスプレイd1が取り付けられている。
サブディスプレイd1は、図3に図示されているように収納部20の前面に取り付けられたブラケット204を介して取り付けられている。
収納部20の前面には、サブディスプレイd1と電気部品eにわたる配線e1を挿通する挿通孔203が設けられている。
配線e1は、挿通孔203に挿通されて収納部20の前面のサブディスプレイd1と収納部20内の電気部品eにわたり接続される。
【0014】
ここで、電気部品eは、電源タップ、変圧器やルーター等が含まれ、配線e1は、電力ケーブルやLANケーブル等が含まれる。
また、電気製品は、ディスプレイd、サブディスプレイd1の他、照明器具や音響設備等が含まれる。
【0015】
上板21は、収納部20に対して上下方向の着脱により開閉自在に取り付けられており、開くことで収納部20の上面200を開放できるようになっている。
収納部20は、上板21を取り外して開放された上面200から電気部品eの出し入れをすることができ、配線e1の配線作業を行うことができる。
また、収納部20は、接続時に余った部分の配線e1を収納することができる。
上板21は、収納部20に対して定位置を保持する保持手段(図示せず)により、上面200を覆った状態を保持することが好ましい。
また、上板21は、収納部20に対して回動可能に軸支することで開閉自在としてもよい。
【0016】
本実施形態の中棚(棚)3は、上棚(棚)2と同じ構成を有するものであるため、説明は省略する。
なお、同一部位の符号については、上棚(棚)2の収納部20、上板21、上面200、底部201、開口202、挿通孔203を中棚(棚)3では、それぞれ収納部30、上板31、上面300、底部301、開口302、挿通孔303として説明すると共に、図面に記載する。
【0017】
本発明の収納部20および上板21を有する棚は、ディスプレイdに最も近い上棚(棚)2が好ましい。
また、収納部20および上板21を有する棚は、作業者が作業しやすい高さの棚が選ばれてもよい。
収納部20および上板21を有する棚を上棚(棚)2にすることによって、ディスプレイdへの配線作業が行いやすくなる。
この場合、中棚(棚)3と下棚(棚)10は、収納部30および上板31を備えていない通常の棚板が用いられる(図示せず)。
下棚(棚)10は、上棚(棚)2と同じく、収納部20および上板21を備えたものとしてもよい(図示せず)。
電気部品eの収納は、上棚(棚)2の収納部20に限らず、中棚(棚)3の収納部30に電気部品eを収納することもできる。
【0018】
上棚(棚)2および中棚(棚)3を設置した状態では、上棚(棚)2の開口202および中棚(棚)3の開口302と背面パネル12の前面との間に、支柱11の前後幅と同等の隙間sが形成される。
この隙間sは、開口202、302から引き出される配線e1を上下・左右方向に這わせるときに通過させるものである。
【0019】
[商品陳列什器の電気製品セッティング方法]
次に、商品陳列什器1の電気製品セッティング方法の一例を説明する。
なお、以下の説明は、セッティング順を説明するものでない。
【0020】
(ディスプレイおよびサブディスプレイの設置)
ディスプレイdは、商品陳列什器1の上棚(棚)2の上方の背面パネル12の前面に設置する。
サブディスプレイd1は、上棚(棚)2の収納部20の前面および中棚(棚)3の収納部30の前面に設置する。
【0021】
(電気部品の設置)
上棚(棚)2の上板21を取り外して収納部20の上面200を開放する。
本実施形態においては、上棚(棚)2の収納部20内に電気部品(電源タップ、ルーター等)eを収納している。
また、中棚(棚)3の上板31は、上棚(棚)2の上板21と一緒に取り外しておくとよい。
【0022】
(配線作業)
配線作業は、上棚(棚)2および中棚(棚)3における収納部20、30の上面200、300を開放した状態で行う。収納部20、30の背面側は開口202、302となっているため、配線e、e1を通す作業は簡単である。
配線作業については、必要とする配線e1を、対応する電気部品eとディスプレイdおよびサブディスプレイd1にわたり接続する。
また、床に設けられた電源コンセント(図示せず)やLANケーブル接続口(図示せず)からの配線e1は、これらに対応する電気部品eに接続する。
【0023】
配線e1は、上棚(棚)2の収納部20における開口202となる背面側から引き出すようにする。
一部の配線e1は、隙間sを利用して上方向に這わせて、ディスプレイdに接続し、他の一部の配線e1は、収納部20内から挿通孔203に挿通してサブディスプレイd1に接続する。
さらに、残りの他の配線e1は、隙間sを利用して下方向に這わせて、中棚(棚)3の収納部30における開口302となる背面側から収納部30内に至らせると共に、収納部30内から挿通孔303に挿通してサブディスプレイd1に接続する。
【0024】
電気部品eには、床に設けられた電源コンセントやLANケーブル接続口に接続された配線e1が接続される(図示せず)。
電気部品eに接続された配線e1をディスプレイdおよびサブディスプレイd1に接続する作業は、上板21を取り外した状態で行ってもよいし、上板21を被せた状態で行ってもよい。
【0025】
(上板を被せる作業)
上板21、31は、上棚(棚)2および中棚(棚)3における収納部20、30の上面200、300に被せることで、収納部20、30を覆い、棚としての機能を有する上棚(棚)2および中棚(棚)3を構成する。
上板21、31を被せる作業は、少なくとも、電気部品eが収納部20に収納され、電気部品eに接続された配線e1が開口202、302および挿通孔203、303から外側にある状態で行う。
また、上板21、31で収納部20、30を覆うと、開口202、302から配線e1が引き出された状態となる。
【0026】
[商品陳列什器の効果]
以上の構成とする商品陳列什器1は、上棚(棚)2が上板21で覆われた収納部20を有し、中棚(棚)3が上板31で覆われた収納部30を有しており、この収納部20及び/又は収納部30に電気部品eを収納することができる。
また、商品陳列什器1は、上棚(棚)2の収納部20に電気部品eを収納した場合、電気部品eが上棚(棚)2の上方の背面パネル12に設置したディスプレイdと近くなるため、配線e1の垂れ下がり部分が短くなり、配線e1を目立たせないようにできる。
また、電気部品eが上棚(棚)2の収納部20に収納されていると、電気部品eとディスプレイdが近くなるためノイズの影響を受けにくく、しかも、電気部品eとしての無線ルーターの電波状態が良好になる。
【0027】
収納部20、30は、上板21、31を取り外すことによって上面200、300を開放できるため、開放された上面200、300から収納部20、30に対して電気部品eの収納及び取り出しができると共に、開放された上面200、300から収納部20内で配線作業を行うことができる。
また、収納部20、30は、上面200、300を上板21、31で覆った状態で、背面側に開口202、302が形成されるため、この開口202、302から電気部品eに接続された配線e1を収納部20、30外に引き出すことができる。
開口202、302から引き出された配線e1は、開口202、302と背面パネル12の間の隙間sを通過させて上下・左右に這わせることができるため、配線作業や接続作業を容易に行うことができる。
また、収納部20、30は、前面の挿通孔203、303に配線e1を挿通して、前面に取り付けられたサブディスプレイd1に接続するため、配線e1を目立たせないようにすることができる。
また、収納部20、30は、接続時に余った部分の配線e1を収納することができるため、配線e1の露出を抑制することができる。
【0028】
すなわち、商品陳列什器1は、電気部品eの設置場所を考慮することなく、しかも露出させることなく設置できると共に、配線e1を目立たせることなくディスプレイd、d1に容易に接続できる。
したがって、商品陳列什器1は、電気部品eや配線e1に邪魔されずに、商品の販売促進に有効なディスプレイd、d1を設置できると共に、商品をきれいに陳列することができるため、商品の販売促進に極めて効果的なものである。
【0029】
[商品陳列什器の変形例]
図4に示す変形例の商品陳列什器1Aは、前述した商品陳列什器1と同じ構成を有する什器本体10Aの一側面に、第2のサブディスプレイd2を有する箱体bを設けたものである。
なお、商品陳列什器1と重複する部位については、同符号を付すことにより、説明は省略する。
【0030】
第2のサブディスプレイd2は、画面正面が箱体bの側面と同じ方向となるように設けられており、ディスプレイdの画面正面と直交する方向となるようにされている。
箱体bは、商品陳列什器1Aの側面の前後幅と略同等の幅を有するものであり、第2のサブディスプレイd2に配線e1が接続できるようにされている。
また、箱体bは、背面パネル12に取り付けられたディスプレイdの上端よりも低く、上棚よりも高い高さを有するものである。
【0031】
このような商品陳列什器1Aは、例えば、第2のサブディスプレイd2を店舗入り口に向けて商品陳列什器1Aを設置すると、入店した顧客が第2のサブディスプレイd2に写った商品の動画や画像が目に入るため、当該商品が陳列された商品陳列什器1Aに誘導させやすい。
そして、第2のサブディスプレイd2に映し出された商品の動画や画像を見て誘導された顧客を、ディスプレイd及びサブディスプレイd1と対面すると共に、陳列された商品と対面する位置に誘導し、ディスプレイd及びサブディスプレイd1に映し出された動画や画像を見せながら商品に注目させることができる。
したがって、商品陳列什器1Aは、前述の商品陳列什器1と同じ作用効果を有する商品の販売促進に極めて効果的なものである。
【0032】
第2のサブディスプレイd2に表示される動画や画像は、ディスプレイdやサブディスプレイd1に表示される動画や画像と内容がリンクしていることが好ましい。
例えば、第2のディスプレイd2に商品が表示され、ディスプレイdに向かって視線を誘導するように商品が動く。次いで、ディスプレイdは、第2のディスプレイd2の視線誘導されたその動きに同期した動画を表示するなどすると効果的である。
特に、第2のサブディスプレイd2とディスプレイdで表示するコンテンツを同期させる場合には、ディスプレイdを高い位置に設けることが好ましい。商品陳列什器1Aの側方からディスプレイdの少なくとも一部が見えるような高さに配置することで、第2のサブディスプレイd2とディスプレイdが同時に顧客の目に入る。
【0033】
以上、本発明に係る実施形態について、図面を参照して詳述し、多様な変更可能な態様を説明してきたが、具体的な構成は、これらの実施の態様に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0034】
また、前述の実施例および多様な態様は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0035】
1:商品陳列什器
2:上棚(棚)
3:中棚(棚)
20:収納部
30:収納部
21:上板
31:上板
200:上面
300:上面
202:開口
302:開口
e:電気部品
e1:配線
図1
図2
図3
図4