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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113950
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 7/00 20210101AFI20240816BHJP
   G03B 17/38 20210101ALI20240816BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240816BHJP
【FI】
G03B7/00
G03B17/38 B
G03B15/00 T
G03B15/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019251
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭介
【テーマコード(参考)】
2H002
【Fターム(参考)】
2H002GA16
(57)【要約】
【課題】被写体の搬送効率を高く保つことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置10は、搬送部20と、撮像部30と、制御部40とを備える。搬送部20は、搬送面22を有する。搬送部20は、搬送面22上に載置された被写体12を搬送する。撮像部30は、被写体12を撮像する。制御部40は、撮像部30を制御する。撮像部30は、撮像部30の合焦面32が搬送面22に対して傾斜するように配置されている。制御部40は、被写体12が合焦面32と交差するときに、撮像部30に被写体12を撮像させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送面を有し、前記搬送面上に載置された被写体を搬送する搬送部と、
前記被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部を制御する制御部と
を備え、
前記撮像部は、前記撮像部の合焦面が前記搬送面に対して傾斜するように配置されており、
前記制御部は、前記被写体が前記合焦面と交差するときに、前記撮像部に前記被写体を撮像させる、撮像装置。
【請求項2】
前記撮像部よりも搬送上流側に配置されており、前記被写体の高さを測定する高さ測定部と、
前記被写体の前記搬送面上での移動時間を測定する移動時間測定部と、
前記被写体の高さに基づいて、前記被写体が前記合焦面と交差するまでの合焦時間を算出する合焦時間算出部と
を更に備え、
前記制御部は、前記移動時間が前記合焦時間に達したときに、前記撮像部に前記被写体を撮像させる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像部よりも搬送上流側に配置されており、前記被写体の高さを測定する高さ測定部と、
前記被写体の前記搬送面上での移動距離を測定する移動距離測定部と、
前記被写体の高さに基づいて、前記被写体が前記合焦面と交差するまでに移動する距離を合焦距離として算出する合焦距離算出部と
を更に備え、
前記制御部は、前記移動距離が前記合焦距離に達したときに、前記撮像部に前記被写体を撮像させる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記高さ測定部は、レーザセンサ、赤外線センサ、及びカメラ装置の少なくとも1つを含む、請求項2又は請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記被写体に光を照射する照明部を更に備え、
前記照明部は、前記撮像部が前記被写体を撮像するときに前記被写体に光を照射する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像部が撮像した画像を解析する画像解析部を更に備え、
前記画像解析部は、前記画像において合焦している前記被写体について、予め定められた検査基準を満たしているか否かを判定する、請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被写体を撮像する画像入力装置が記載されている。特許文献1においては、被写体は搬送手段により一定方向に移動する。また、被写体までの撮像距離が撮像前に検知される。そして撮像時に、画像入力装置は、検知した距離データに応じて自動的にピントを合わせるオートフォーカスを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-262785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、オートフォーカスが行われる際には、ピントを合わせるための機械的(メカ的)な動作が行われる。例えば特許文献1の画像入力装置は、オートフォーカスを行う際、リニアアレイCCD(Charge Coupled Device)の搭載されたプリント板を、リニアステッピングモータによって前後に移動することでピントを合わせる。被写体の大きさに応じて、オートフォーカスが完了するまでに要するオートフォーカス待ち時間は異なる。しかしながら、オートフォーカス待ち時間に応じて、搬送手段による被写体の移動速度が調整される必要があり、被写体の搬送効率が低下してしまうことがある。
【0005】
上記の問題点に鑑み、本開示は、被写体の搬送効率を高く保つことができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面によれば、撮像装置は、搬送部と、撮像部と、制御部とを備える。搬送部は、搬送面を有する。搬送部は、搬送面上に載置された被写体を搬送する。撮像部は、被写体を撮像する。制御部は、撮像部を制御する。撮像部は、撮像部の合焦面が搬送面に対して傾斜するように配置されている。制御部は、被写体が合焦面と交差するときに、撮像部に被写体を撮像させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一局面の撮像装置によれば、搬送部による被写体の搬送効率を低下させることなく、撮像部は合焦した、所謂ピントの合った被写体の画像を撮像することができ、被写体の搬送効率を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】撮像装置の一例の構成を概略的に示す構成図である。
図2】回路構成の概略を示すブロック図である。
図3】合焦面と被写体との関係を示す図である。
図4】制御部による制御の一例を示すフロー図である。
図5】撮像開始条件を決定する処理の一例を示すフロー図である。
図6】撮像開始条件を決定する処理の別例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
まず、図1を参照して撮像装置10の構成について説明する。図1は、撮像装置10の一例の構成を概略的に示す構成図である。撮像装置10は例えば、工場などの、商業製品を製造する設備において、検品などのために、製造された商業製品を撮像して商業製品の状態を確認する装置である。
【0011】
図1の撮像装置10は、搬送部20と、撮像部30と、制御部40とを備える。搬送部20は、搬送面22を有する。そして搬送部20は、搬送面22上に載置された被写体12を搬送する。搬送部20は例えば、ベルトコンベヤ装置である。搬送面22は例えば、ベルトコンベヤ装置用ベルトの上面である。被写体12は例えば、設備内で製造される商業製品である。具体例としては、衛生用品のマスクが、被写体12として搬送部20によって搬送される。
【0012】
図1の搬送部20は、搬送面22上の被写体12を、搬送経路に沿った方向、図1では図中の右側へ搬送する。搬送部20は例えば、被写体12を一定の搬送速度Wで搬送させる。あるいは搬送部20は、搬送と停止を交互に繰り返すタクト搬送方式で被写体12を搬送する。以下においては、搬送部20による搬送速度Wが一定であるものとして説明を行う。なお、タクト搬送の時間平均速度が搬送速度Wであってもよい。
【0013】
図1の搬送部20は、駆動部25と、計測部26を有する。駆動部25は、搬送部20を動作させることにより、搬送面22上の被写体12を搬送させるための動力源である。駆動部25は例えば、ベルトコンベヤ装置用ベルトを循環駆動させるモータである。計測部26は、搬送部20の動作量を計測する。計測部26は例えば、ロータリーエンコーダである。
【0014】
撮像部30は、被写体12を撮像する。撮像部30は例えば、CCDカメラ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどのカメラ装置である。
【0015】
図1において撮像部30は、搬送面22よりも上方に配置されている。そして、撮像部30は、撮像部30の合焦面32が搬送面22に対して傾斜するように配置されている。合焦面32は、撮像部30の焦点が合う面領域である。撮像部30は、合焦面32に位置する物体を撮像した場合、ピントの合った画像を撮像することができる。合焦面32は、撮像部30の光軸31と直交する。撮像部30がカメラ装置である場合、光軸31は、カメラ装置の撮像レンズの光軸である。従って、撮像部30は、光軸31が搬送面22の垂線に対して傾斜するように配置されているともいえる。撮像部30は、合焦面32が搬送面22に対して予め定められた角度をなすように配置されることが好ましい。
【0016】
制御部40は、撮像部30を制御する。制御部40は例えば、PC(Personal Computer)などの、電子制御を実行することが可能な機器である。
【0017】
制御部40は、被写体12が合焦面32と交差するときに、撮像部30に被写体12を撮像させる。被写体12が合焦面32と交差するとき、撮像部30の焦点が被写体12に対して合う。従って撮像部30は、被写体12に対してピントの合った画像を撮像することができる。
【0018】
そして、合焦面32が搬送面22に対して傾斜しているため、被写体12がどのような高さであっても、被写体12は搬送面22上のいずれかの位置で合焦面32と交差する。従って、撮像部30は、ピントを合わせるための機械的な動作を行わなくとも、搬送面22上のいずれかの位置で、被写体12に対してピントの合った画像を撮像することができる。ピントを合わせるための機械的な動作が必要ないため、撮像部30が被写体12に対してピントを合わせる際に、オートフォーカス待ち時間が必要ない。
【0019】
よって、図1の撮像装置10においては、搬送部20による被写体12の搬送速度Wをオートフォーカス待ち時間に応じて調整する必要がない。すなわち、撮像装置10によれば、搬送部20による被写体12の搬送効率を低下させることなく、撮像部30は合焦した被写体12の画像を撮像することができ、被写体12の搬送効率を高く保つことができる。
【0020】
撮像装置10は更に、高さ測定部52を備える。高さ測定部52は、撮像部30よりも搬送上流側に配置されている。高さ測定部52は、被写体12の高さを測定する。高さ測定部52は例えば、レーザ又は赤外線を被写体12の上方から照射して被写体12の高さ平面16と搬送面22との間の距離を測定するレーザセンサ又は赤外線センサを含む。なお高さ測定部52は被写体12の高さを測定可能なものであればよい。高さ測定部52は例えば、被写体12の側方から被写体12の画像を取得して、画像解析により被写体12の高さを算出するカメラ装置を含んでいてもよい。なお、高さ測定部52に含まれるカメラ装置は、撮像部30とは別のカメラ装置である。例えば被写体12の天面14が平坦である場合にはレーザ測定器又は赤外線センサで被写体12の正確な高さが測定できる。一方、被写体12に大きな凹凸がある場合、あるいは被写体12の表面に色彩及び模様が印刷されている場合などでも、画像解析による高さ算出が可能である。
【0021】
また撮像装置10は更に、照明部54を備える。照明部54は、被写体12に光を照射する。照明部54は例えば、ストロボ装置である。照明部54は、撮像部30が被写体12を撮像するときに被写体12に光を照射する。撮像部30が被写体12を撮像するとき、被写体12は合焦面32と交差しているため、被写体12に撮像部30のピントが合っている、すなわち合焦しているタイミングで、撮像に適した照明が被写体12に与えられる。
【0022】
次に、図1及び図2を参照して、撮像装置10の回路構成の概略について説明する。図2は、回路構成の概略を示すブロック図である。図2に示されているように、制御部40は、記憶部41と、演算部42と、通信部43を備える。
【0023】
記憶部41は、各種データを記憶する。記憶部41は例えば、RAM(Random Access Memory)などの記憶装置である。演算部42は、記憶部41に記憶されているプログラムデータに従って各種演算を行う。演算部42は例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサである。
【0024】
通信部43は、制御部40と、他の構成要素との間で通信を行う通信インタフェースユニットである。制御部40は、通信部43を介して、駆動部25と通信して、記憶部41に記憶されている搬送速度Wで搬送部20を動作させる。また制御部40は、通信部43を介して、計測部26が計測する搬送部20の動作量を受信する。
【0025】
また制御部40は、通信部43を介して、撮像を行うタイミングを撮像部30に指示する。また制御部40は、通信部43を介して、高さ測定部52の測定した被写体12の高さを受信する。また制御部40は、通信部43を介して、光を照射するタイミングを照明部54に指示する。
【0026】
また制御部40は、移動時間測定部45、移動距離測定部46、合焦時間算出部47、合焦距離算出部48、画像解析部49を備える。移動時間測定部45、移動距離測定部46、合焦時間算出部47、合焦距離算出部48、画像解析部49は例えば、記憶部41に記憶されて演算部42によって実行されるプログラムデータを含む。なお、移動時間測定部45、移動距離測定部46、合焦時間算出部47、合焦距離算出部48、画像解析部49のそれぞれの機能は、それぞれ制御部40とは別の独立したプロセッサによって実行されてもよい。
【0027】
移動時間測定部45は、被写体12の搬送面22上での移動時間を測定する。移動距離測定部46は、被写体12の搬送面22上での移動距離を測定する。合焦時間算出部47は、被写体12の高さに基づいて、被写体12が合焦面32と交差するまでの合焦時間を算出する。合焦距離算出部48は、被写体12の高さに基づいて、被写体12が合焦面32と交差するまでに移動する距離を合焦距離として算出する。また、画像解析部49は、撮像部30が撮像した画像を解析する。
【0028】
次に、図2及び図3を参照して、被写体12の高さに基づいて合焦時間の算出方法と合焦距離の算出方法とについて説明する。図3は、合焦面32と被写体12との関係を示す図である。図3において、被写体12が高さ測定地点51に位置するときに、高さ測定部52によって高さH1が測定される。
【0029】
移動時間測定部45は例えば、被写体12が高さ測定部52によって高さH1を測定された時刻からの経過時間を、被写体12の移動時間として測定する。また移動距離測定部46は例えば、計測部26が計測する搬送部20の動作量に基づいて、被写体12が高さ測定地点51から搬送面22上を移動した距離を被写体12の移動距離として測定する。
【0030】
被写体12が合焦面32に交差する位置は、被写体12の天面14に平行な高さ平面16と、合焦面32との交点37の位置に相当する。高さ測定地点51と交点37との間の水平距離が、被写体12が合焦面32と交差するまでに移動する合焦距離Y1である。
【0031】
合焦面32が搬送面22に対して予め定められた角度をなす場合、合焦距離算出部48は、被写体12の高さH1と、合焦面32の角度及び位置に基づいて、合焦距離Y1を算出することができる。
【0032】
また、合焦面32の正確な角度が不明な場合であっても、合焦距離算出部48は、合焦距離を算出することができる。例えば、高さH1を有する被写体12の合焦距離Y1と、高さH2を有する被写体17の合焦距離Y2とが測定されていれば、合焦距離算出部48は任意の高さH3を有する被写体(図示せず)について合焦距離Y3を算出することができる。
【0033】
撮像装置10の利用者は、撮像部30の撮像する画像を確認しながら、高さH1を有する被写体12と、高さH2を有する被写体17を実際に搬送面22上で移動させる。撮像部30が高さH1を有する被写体12に対して合焦したとき、被写体12は、高さ平面16と、合焦面32との交点37に位置している。同様に、撮像部30が高さH2を有する被写体17に対して合焦したとき、被写体17は、高さ平面19と、合焦面32との交点38に位置している。なお高さ平面19は被写体17の天面18に平行な面である。
【0034】
高さ測定地点51と交点37との間の水平距離が、被写体12の合焦距離Y1として記憶部41に記憶される。また、高さ測定地点51と交点38との間の水平距離が、被写体17の合焦距離Y2として記憶部41に記憶される。合焦距離算出部48は、下記の数式によって、任意の高さH3を有する被写体の合焦距離Y3を算出することができる。なお合焦距離Y3は、高さ測定地点51と交点39のとの間の水平距離である。
【0035】
Y3=(Y1×(H2-H3)+Y2×(H3-H1))/(H2-H1)
【0036】
以下においては、高さH1を有する被写体12に対して行われる処理について説明する。高さH1を有する被写体12が、高さ測定地点51から搬送速度Wで搬送される場合、合焦時間算出部47は、下記の数式によって、被写体12が、高さ測定地点51を通過してから、合焦面32と交差するまでの合焦時間Tを算出することができる。
【0037】
T=Y1/W
【0038】
なお制御部40は、高さH1、搬送速度W、合焦面32と搬送面22との間の角度などを基にして合焦時間Tを算出することも可能である。制御部40は、移動時間測定部45が測定する被写体12の移動時間が、合焦時間Tに達したときに、撮像部30に被写体12を撮像させるとよい。
【0039】
被写体12が合焦面32と交差するタイミングは、被写体12の高さH1によって異なるが、被写体12の移動時間が、合焦時間Tに達したときに撮像が行われることで、被写体12が合焦面32と交差するとき、すなわち合焦するタイミングで撮像が行われる。
【0040】
また制御部40は、移動距離測定部46が測定する被写体12の移動距離が、合焦距離Y1に達したときに、撮像部30に被写体12を撮像させてもよい。
【0041】
被写体12が合焦面32と交差する位置、すなわち交点37は、被写体12の高さH1によって異なる。しかし交点37がどのような位置にあっても、撮像装置10においては、被写体12の移動距離が、合焦距離Y1に達したときに撮像が行われることで、被写体12が交点37に来たとき、すなわち合焦するときに撮像が行われる。
【0042】
以上のようにして、撮像装置10は撮像部30が被写体12に対して合焦した、すなわちピントの合った状態で撮像を行うことができる。撮像によって得られた画像は、画像解析部49に入力されて解析される。搬送面22上に複数の被写体12が存在する場合、画像には複数の被写体12が写り込むが、画像において合焦する被写体12は、撮像された際に合焦面32と交差していた被写体12のみである。
【0043】
例えば解析対象となる被写体12がマスクの場合、搬送面22上に載置される姿勢はマスクごとに異なるため、高さもマスクごとに異なる。すなわち、搬送面22上において撮像部30に対して合焦する位置は被写体12ごとに異なるが、撮像装置10は、被写体12がどのような高さであっても、解析対象の被写体12に対して合焦した画像を画像解析部49へ入力することができる。
【0044】
画像解析部49は、画像において合焦している被写体12について、予め定められた検査基準を満たしているか否かを判定する。予め定められた検査基準とは例えば、被写体12と、記憶部41に予め記憶されている標準画像との間の差異が、予め定められた許容範囲内に収まるか否か、である。
【0045】
例えば被写体12が衛生用品のマスクである場合、標準的なマスクの画像が標準画像として記憶部41に記憶される。そして、標準画像のマスクと、被写体12のマスクとの間に大きな差異がなければ、被写体12は検査基準を満たすものと判定される。一方、被写体12のマスクに汚れがあるなどの原因で、標準画像のマスクに対して大きな差異がある場合は、被写体12は検査基準を満たさないものと判定される。
【0046】
撮像装置10が、商業製品を製造する工場などにおいて用いられる装置である場合には、検査基準を満たす被写体12のみが出荷されるとよい。そして、検査基準を満たさない被写体12は修正のために回収されるとよい。
【0047】
次に、図1図2図3図4を用いて、制御部40による制御の流れについて説明する。図4は、制御部40による制御の一例を示すフロー図である。
【0048】
まず、被写体12が搬送面22上で搬送開始される(START)。ステップS10において、被写体12が高さ測定地点51に到達したことが検出される。例えば、高さ測定部52の測定可能範囲内に被写体12が進入してきたときに、高さ測定部52が、被写体12が高さ測定地点51に到達したことを検出することができる。なお、高さ測定部52とは別に、被写体12の位置を検出する近接センサなどのセンサが搬送面22に設けられていてもよい。
【0049】
制御部40は、ステップS11において、撮像開始条件を決定する。撮像開始条件とは、撮像部30による撮像が実行されるための条件である。具体的には、被写体12の移動時間が合焦時間Tに達したとき、あるいは、被写体12の移動距離が合焦距離Y1に達したときが撮像開始条件となる。
【0050】
撮像開始条件が決定されたら、制御部40は、ステップS12に進み、撮像開始条件が満たされたか否かを判定する。すなわち、被写体12の移動時間が合焦時間Tに達したか否か、あるいは、被写体12の移動距離が合焦距離Y1に達したか否かが判定される。
【0051】
撮像開始条件が満たされていない場合(ステップS12でNO)、制御部40はステップS12を繰り返す。撮像開始条件が満たされた場合(ステップS12でYES)、制御部40はステップS13に進み、撮像部30に被写体12を撮像させる。なお、撮像部30に被写体12を撮像させるとき、制御部40は、被写体12に光を照射するように、照明部54に指示を行ってもよい。
【0052】
また、制御部40は、撮像部30に被写体12を撮像させることよって得られた画像を、画像解析部49に入力して、被写体12が予め定められた検査基準を満たしているか否かを判定させてもよい。
【0053】
撮像部30に被写体12を撮像させた後は、制御部40は、次に被写体12が高さ測定地点51に到達するまで待機する(END)。
【0054】
次に、図3図4図5を参照して、撮像開始条件としての合焦時間Tを算出する処理について説明する。図5は、図4のステップS11において撮像開始条件を決定する処理の一例を示すフロー図である。
【0055】
撮像開始条件の決定処理が開始されると(START)、ステップS20において、制御部40は、高さ測定部52に被写体12の高さH1を測定させる。そして制御部40は、ステップS21に進み、被写体12の高さH1、搬送速度W、合焦面32と搬送面22との間の角度などを基に、合焦時間Tを算出する。合焦時間Tが算出されたら、制御部40は撮像開始条件の決定処理を終了する(END)。
【0056】
次に、図3図4図6を参照して、撮像開始条件としての合焦距離Y1を算出する処理について説明する。図6は、図4のステップS11において撮像開始条件を決定する処理の一例を示すフロー図である。
【0057】
撮像開始条件の決定処理が開始されると(START)、ステップS30において、制御部40は、高さ測定部52に被写体12の高さH1を測定させる。そして制御部40は、ステップS31に進み、被写体12の高さH1、搬送速度W、合焦面32と搬送面22との間の角度などを基に、合焦距離Y1を算出する。合焦距離Y1が算出されたら、制御部40は撮像開始条件の決定処理を終了する(END)。
【0058】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。但し、本開示は、上記の実施形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示は撮像装置を提供するものであり、本開示は産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0060】
10 撮像装置
12 被写体
14 天面
16 高さ平面
17 被写体
18 天面
19 高さ平面
20 搬送部
22 搬送面
25 駆動部
26 計測部
30 撮像部
31 光軸
32 合焦面
37 交点
38 交点
39 交点
40 制御部
41 記憶部
42 演算部
43 通信部
45 移動時間測定部
46 移動距離測定部
47 合焦時間算出部
48 合焦距離算出部
49 画像解析部
51 高さ測定地点
52 高さ測定部
54 照明部
図1
図2
図3
図4
図5
図6