(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113954
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 29/12 20060101AFI20240816BHJP
F04B 39/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F04C29/12 C
F04B39/00 102U
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019256
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋本 諒
(72)【発明者】
【氏名】上田 健史
(72)【発明者】
【氏名】多田 直人
(72)【発明者】
【氏名】森田 雄大
【テーマコード(参考)】
3H003
3H129
【Fターム(参考)】
3H003AA05
3H003AB04
3H003AC03
3H003BB08
3H003CE01
3H129AA04
3H129AA13
3H129AB03
3H129BB21
3H129BB32
3H129CC09
3H129CC26
3H129CC30
(57)【要約】
【課題】圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振の影響を低減する。
【解決手段】実施形態の圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部を収納する圧縮機筐体と、圧縮部の吸入部と接続されるアキュムレータ筐体と、圧縮機筐体と、アキュムレータ筐体とを連結するホルダ部材と、を備える。ホルダ部材は、圧縮機筐体の外周面に沿って形成され、外周面と当接する第1面を有する筐体対向部と、外周面に沿う方向からアキュムレータ筐体側に屈曲し、筐体対向部から延びるように形成されてアキュムレータ筐体に当接してアキュムレータ筐体を支持する腕部と、ホルダ部材と圧縮機筐体とが接合された接合部と、を有する。接合部には、腕部において外周面に沿う方向からアキュムレータ筐体側に屈曲する部位における圧縮機筐体側の側面である第2面の少なくとも一部が含まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮部を収納する圧縮機筐体と、
前記圧縮部の吸入部と接続されるアキュムレータ筐体と、
前記圧縮機筐体と、前記アキュムレータ筐体とを連結するホルダ部材と、を備え、
前記ホルダ部材は、
前記圧縮機筐体の外周面に沿って形成され、前記外周面と当接する第1面を有する、筐体対向部と、
前記外周面に沿う方向から前記アキュムレータ筐体側に屈曲し、前記筐体対向部から延びるように形成されて前記アキュムレータ筐体に当接して当該アキュムレータ筐体を支持する腕部と、
前記ホルダ部材と前記圧縮機筐体とが接合された接合部と、を有し、
前記接合部には、前記腕部において前記外周面に沿う方向から前記アキュムレータ筐体側に屈曲する部位における前記圧縮機筐体側の側面である第2面の少なくとも一部が含まれる、
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記接合部は、前記第1面と、前記第2面とに跨るように形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記圧縮機筐体と、前記アキュムレータ筐体とは互いに円筒形状であり、
前記第1面は、前記圧縮機筐体から見て前記アキュムレータ筐体側に向かって凸状に形成され、
前記第2面は、前記アキュムレータ筐体から見て当該アキュムレータ筐体の径方向の外側に向かって凸状に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記接合部は、前記圧縮機筐体の軸方向に複数設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記ホルダ部材において前記アキュムレータ側の第3面には、前記圧縮機筐体に向かって窪んだ凹部が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記凹部は、前記第3面において、前記第1面の裏側の側面と、前記第2面の裏側の側面とに跨って形成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記接合部を通る水平面において、
前記腕部における、前記アキュムレータ筐体に当接して前記圧縮機筐体に最も近い箇所を第1点とし、
前記第2面における、前記圧縮機筐体の径方向で前記第1点よりも内側に位置し、且つ、前記圧縮機筐体の周方向で最も外側に位置する、箇所を第2点とし、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記第1点を通る線を第1半直線とし、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記第2点を通る線を第2半直線としたとき、
前記接合部は、前記圧縮機筐体の周方向において、少なくとも一部が前記第1半直線と、前記第2半直線との間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記接合部を通る水平面において、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記アキュムレータ筐体の外周面と接する接線を第3半直線としたとき、
前記第3半直線は、前記圧縮機筐体の周方向において、前記第1半直線と、前記第2半直線との間に位置する、
ことを特徴とする請求項7に記載の圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調機や冷凍機に用いられる圧縮機として、冷媒の吐出部及び冷媒の吸入部が設けられ、吸入部から吸入された冷媒を圧縮する圧縮部を収容する圧縮機筐体と、圧縮部を駆動するモータと、吸入部に接続されたアキュムレータと、を備えた密閉型圧縮機が知られている。この密閉型圧縮機においては、アキュムレータ容器が、圧縮機筐体の外周面に固定されたホルダによって圧縮機筐体に対して固定される従来技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、圧縮部の駆動時に生じる圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振の影響を十分に低減できず、アキュムレータの振動が大きいという問題がある。
【0005】
例えば、上記の特許文献1では、ホルダの溶接部よりも周方向の外側に、ホルダと圧縮機筐体との接触面が設けられることで、曲げ剛性を増加させて共振時の振幅を低減している。しかしながら、圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振周波数は、ホルダの溶接部よりも周方向の外側に圧縮機筐体との接触面を設けたとしても、実際には、圧縮機筐体とホルダとが溶接される溶接部を片持ち梁の固定部分と見做したときの梁の長さで決まると考えられる。
【0006】
すなわち、ホルダの溶接部よりも周方向の外側に圧縮機筐体との接触面を設けたとしても、圧縮機筐体の振動時には、ホルダの接触面が振動で浮き上がって圧縮機筐体と接触しない状態が発生し、その状態ではホルダの接触面と圧縮機筐体との間に隙間が生じてしまう。
【0007】
その結果、圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振周波数(固有値)を決める梁の長さは、上記のホルダにおける、圧縮機筐体との溶接部からアキュムレータとの接触点までの長さとなる。したがって、特許文献1のようにホルダの溶接部よりも周方向の外側に圧縮機筐体との接触面を設けたとしても、圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振周波数を決める梁長さは変化せず大きいままである。
【0008】
そして、共振周波数を決める梁長さが大きいときには、圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振周波数(固有値)が低いため、例えば圧縮機の運転回転数域(運転時に取り得る圧縮機の回転数の範囲)の2倍までの周波数域において、共振の影響による振動が増大しやすい。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、圧縮機筐体の振動に伴うアキュムレータの共振の影響を低減することができる圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様による圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部を収納する圧縮機筐体と、圧縮部の吸入部と接続されるアキュムレータ筐体と、圧縮機筐体と、アキュムレータ筐体とを連結するホルダ部材と、を備える。ホルダ部材は、圧縮機筐体の外周面に沿って形成され、外周面に当接する第1面を有する筐体対向部と、外周面に沿う方向からアキュムレータ筐体側に屈曲し、筐体対向部から延びるように形成されてアキュムレータ筐体に当接してアキュムレータ筐体を支持する腕部と、ホルダ部材と圧縮機筐体とが接合された接合部と、を有する。接合部には、腕部において外周面に沿う方向からアキュムレータ筐体側に屈曲する部位における圧縮機筐体側の第2面の少なくとも一部が含まれる。
【発明の効果】
【0011】
開示の技術によれば、アキュムレータの共振の影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の一例を示す縦断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の圧縮部(回転軸を除く)を上方から見た分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の一例を示す上面図である。
【
図4】
図4は、接合前のホルダ部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、接合前のホルダ部材を当接面側から見た図である。
【
図6】
図6は、
図5の点線部分の断面構造を示す断面図である。
【
図7】
図7は、プロジェクション溶接の様子を説明する説明図である。
【
図8】
図8は、実施形態のホルダ部材と圧縮機筐体との接合部の断面構造を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態の接合部を模式的に説明する説明図である。
【
図10】
図10は、比較例(従来)の接合部を模式的に説明する説明図である。
【
図11】
図11は、実施形態と比較例とで運転中のアキュムレータ加速度を比較するグラフである。
【
図12】
図12は、実施形態と比較例とでハンマリング結果を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる圧縮機を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する圧縮機は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0014】
図1は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の一例を示す縦断面図である。
図2は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の圧縮部(回転軸を除く)を上方から見た分解斜視図である。
【0015】
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10内の下部に配置されたロータリ型の圧縮部12と、圧縮部12の上方に配置され、回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、圧縮機筐体10の側面に対して固定される縦置き円筒状のアキュムレータ25(アキュムレータ筐体25a)と、圧縮機筐体10の下部に固定されロータリ圧縮機1全体を支持する筐体ベース(取付脚)310と、を備えている。アキュムレータ25(アキュムレータ筐体25a)は、その内部空間が、下吸入管104とアキュムレータ下湾曲管31Sとを介して下シリンダ121Sの下吸入室131Sに接続される。同様に、アキュムレータ25(アキュムレータ筐体25a)は、その内部空間が、上吸入管105とアキュムレータ上湾曲管31Tとを介して上シリンダ121Tの上吸入室131Tに接続される。筐体ベース(取付脚)310には、複数の弾性支持部材330が係止される。
【0016】
また、圧縮機筐体10の上部中央には、圧縮機筐体10を貫通して冷媒を空気調和機の冷媒回路(冷凍サイクル)に吐出するための吐出管(吐出部)107が備えられ、アキュムレータ25の上部中央にはアキュムレータ25のアキュムレータ筐体25aを貫通して冷媒を空気調和機の冷媒回路(冷凍サイクル)の吸入側配管256から吸入するためのアキュムレータ入口管255が備えられている。
【0017】
モータ11は、外側にステータ111と内側にロータ112を備え、ステータ111は圧縮機筐体10の内周面に焼嵌めにより固定され、ロータ112は圧縮部12の回転軸15に焼嵌めにより固定されている。
【0018】
回転軸15は、上偏心部152Tの上方の主軸部153が上端板160Tに設けられた主軸受部161Tに回転自在に軸支され、下偏心部152Sの下方の副軸部151が下端板160Sに設けられた副軸受部161Sに回転自在に軸支され、下偏心部152S及び上偏心部152Tがそれぞれ下ピストン125S及び上ピストン125Tに回転自在に軸支されることによって、ロータリ型の圧縮部12全体に対して回転自在に支持されるとともに、回転によって下ピストン125S及び上ピストン125Tを公転運動させる。
【0019】
図2に示すように、圧縮部12は、上から上端板カバー170T、上端板160T、上シリンダ121T、中間仕切板140、下シリンダ121S、下端板160S、下端板カバー170Sを積層して構成され、圧縮部12全体は上下から、略同心円上に配置された複数の通しボルト174,175及び補助ボルト176によって固定されている。
【0020】
下シリンダ121Sには、下吸入管104と嵌合する下吸入孔135Sが設けられている。上シリンダ121Tには、上吸入管105と嵌合する上吸入孔135Tが設けられている。また、下シリンダ121Sの下シリンダ室130Sには、下ピストン125Sが配置されている。上シリンダ121Tの上シリンダ室130Tには、上ピストン125Tが配置されている。
【0021】
下シリンダ121Sには、下シリンダ室130Sから径方向の外方へ延びる下ベーン溝128Sが設けられ、下ベーン溝128Sには下ベーン127Sが配置されている。上シリンダ121Tには、上シリンダ室130Tから径方向の外方へ延びる上ベーン溝128Tが設けられ、上ベーン溝128Tには上ベーン127Tが配置されている。
【0022】
下シリンダ121Sの外側面には、周方向で下ベーン溝128Sと重なる位置に、下シリンダ室130Sに貫通しない深さで下スプリング穴124Sが設けられ、下スプリング穴124Sには下スプリング126Sが配置されている。上シリンダ121Tの外側面には、周方向で上ベーン溝128Tと重なる位置に上シリンダ室130Tに貫通しない深さで上スプリング穴124Tが設けられ、上スプリング穴124Tには上スプリング126Tが配置されている。
【0023】
下シリンダ室130Sは、中間仕切板140と下端板160Sとによって上下方向から閉じられている。上シリンダ室130Tは、上端板160Tと中間仕切板140とによって上下方向から閉じられている。
【0024】
下シリンダ室130Sは、下ベーン127Sが下スプリング126Sによって下ピストン125Sの外壁に押し付けられることによって、下吸入孔135Sに連通する下吸入室131Sと、下端板160Sに設けられた下吐出孔190Sに連通する下圧縮室133Sと、に区画されている。上シリンダ室130Tは、上ベーン127Tが上スプリング126Tによって上ピストン125Tの外壁に押し付けられることによって、上吸入孔135Tに連通する上吸入室131Tと、上端板160Tに設けられた上吐出孔190Tに連通する上圧縮室133Tと、に区画されている。
【0025】
下吐出孔190Sの出口側には、下端板160Sと下端板カバー170Sとの間に下端板カバー室180Sが形成され、下端板カバー室180Sは、下端板161Sに凹部(図示せず)を備え、この凹部には、下吐出孔190Sを逆流して下圧縮室133Sに冷媒が流れ込むのを防止する下吐出弁200Sと下吐出弁200Sの開度を規制する下吐出弁押さえ201Sが収容されている。下端板160Sと下端板カバー170Sとは互いに密着固定されている。
【0026】
上吐出孔190Tの出口側には、上端板160Tと上端板カバー170Tとの間に上端板カバー室180Tが形成され、上端板カバー室180Tは、上端板161Tに凹部181Tを備え、凹部181Tには、上吐出孔190Tを逆流して上圧縮室133Tに冷媒が流れ込むのを防止する上吐出弁200Tと上吐出弁200Tの開度を規制する上吐出弁押さえ201Tが収容されている。上端板160Tと上端板カバー170Tとは互いに密着固定されている。
【0027】
次に、回転軸15の回転による冷媒の流れを説明する。下シリンダ室130S内において、回転軸15の回転によって回転軸15の下偏心部152Sに嵌合された下ピストン125Sが下シリンダ室130Sの内壁に沿って公転することにより、下吸入室131Sが容積を拡大しながらアキュムレータ25を経由して下吸入管104から冷媒を吸入する。同様に、上シリンダ室130T内において、回転軸15の回転によって回転軸15の上偏心部152Tに嵌合された上ピストン125Tが上シリンダ室130Tの内壁に沿って公転することにより、上吸入室131Tが容積を拡大しながらアキュムレータ25を経由して上吸入管105から冷媒を吸入する。
【0028】
また、下圧縮室133Sが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が下吐出弁200Sの外側の下端板カバー室180Sの圧力より高くなると、下吐出弁200Sが開いて下圧縮室133Sから下端板カバー室180Sへ冷媒が吐出される。同様に、上圧縮室133Tが容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が上吐出弁200Tの外側の上端板カバー室180Tの圧力より高くなると、上吐出弁200Tが開いて上圧縮室133Tから上端板カバー室180Tへ冷媒が吐出される。
【0029】
下端板カバー室180Sに吐出された冷媒は、冷媒通路孔136(
図1参照)及び上端板カバー室180Tを通って上端板カバー吐出孔172T(
図1参照)から圧縮機筐体10内部に吐出される。上端板カバー室180Tに吐出された冷媒は、上端板カバー吐出孔172Tから圧縮機筐体10内部に吐出される。
【0030】
圧縮機筐体10内部に吐出された冷媒は、ステータ111外周に設けられた当該ステータ111の上下方向全体に亘って形成される切欠き(図示せず)、又は、ステータ111の巻線部の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間、を通ってモータ11の上方に導かれ、圧縮機筐体10上部の吐出管107から吐出側配管108へ吐出される。
【0031】
図3は、実施形態にかかるロータリ圧縮機の一例を示す上面図である。
図3に示すように、圧縮部12を収容する圧縮機筐体10と、アキュムレータ筐体25aとは、いずれも円筒形状である。この円筒形状の圧縮機筐体10と、アキュムレータ筐体25aとは、溶接による接合部40により圧縮機筐体外周面10aに接合されたホルダ部材30と、アキュムレータ筐体25の外周面に巻き付けられる留具35と、ホルダ部材30と留具35とを係合するボルト34と、を介して連結される。
【0032】
ホルダ部材30は、例えば金属で形成され、筐体対向部31と腕部32とを有する。筐体対向部31は、圧縮機筐体10の外周面である圧縮機筐体外周面10aに沿って形成され、この圧縮機筐体外周面10aに当接する。腕部32は、筐体対向部31の両端のそれぞれから連続するように形成され、圧縮機筐体10から離れる方向に延びている。腕部32は、第1折返部33aと第2折返部33bとを有する。第1折返部33aは、筐体対向部31から連続するように形成されるとともに、圧縮機筐体外周面10aに沿う方向からアキュムレータ筐体25a側に屈曲し、腕部32におけるアキュムレータ筐体25aとの当接部32bに向かって延びるように形成される。第2折返部33bは、第1折返部33aから連続するように形成され、腕部32におけるアキュムレータ筐体25aとの当接部32bから、アキュムレータ筐体25aから離れる方向に向かって延びるように形成されている。
【0033】
ホルダ部材30は、腕部32におけるアキュムレータ筐体25a側の側面(第3面)がアキュムレータ筐体25aの外周面と当接する。
図3ないし
図5に示すように、ホルダ部材30の両端から延びる2つの腕部32のうち一方の腕部32における第2折返部33bには、例えば、留具35の一方の端部が係止される切欠きまたは孔が形成される。ホルダ部材の両端から延びる2つの腕部32のうち他方の腕部32の第2折返部33bには、例えば、留具35の他方の端部をボルト34により締結するためのボルト孔が形成される。互いに連結されたホルダ部材30と留具35とがアキュムレータ筐体25aを間に挟むように保持することで、アキュムレータ筐体25aが圧縮機筐体10に対して固定される。
【0034】
留具35は、例えば薄板状の金属により形成され、
図3に示すように、アキュムレータ筐体25aの外周面に巻き付けられる。前述のように、留具35の一方の端部は、例えば、筐体対向部31の一端から延びる腕部32に形成された切欠きまたは孔に引っ掛けられることで、ホルダ部材30に対して係止される。留具35の他方の端部は、例えば、筐体対向部31の他端から延びる腕部32に形成されたボルト孔に通されるボルト34によって、ホルダ部材30に対して締結される。
【0035】
図4は、接合前のホルダ部材30の斜視図である。
図4に示すように、筐体対向部31は、円筒形状の圧縮機筐体10の圧縮機筐体外周面10aと当接する、円弧状の当接面31a(第1面)を有する。当接面31aは、圧縮機筐体外周面10aに沿うような円弧状、すなわち、圧縮機筐体10から見てアキュムレータ筐体25a側に向かって凸状に形成される。また、筐体対向部31は、この当接面31aとは反対側の側面である、アキュムレータ筐体25a側の内面31b(第3面)を有する。当接面31aには、内面31b側からのプレス加工などによりダボ41(突起部)が形成されている。
【0036】
図5は、接合前のホルダ部材30を当接面31a側から見た図である。
図5に示すように、ダボ41は、筐体対向部31の当接面31aにおいて、圧縮機筐体外周面10aと沿う方向からアキュムレータ筐体25a側(図面奥側)にホルダ部材30が屈曲する位置に形成されている。具体的には、ダボ41は、
図5において左側および右側の両方の当接部31と第1折返部33aの境界となる位置(後述する変曲点Q1と重なる位置)において、圧縮機筐体10の軸方向(図面上下方向)に複数(図示例では2つ)並べて形成されている。
【0037】
図6は、
図5の点線部分のA-A断面図であり、言い換えれば、
図5の点線部分の断面構造を矢印方向から見た断面図である。
図6に示すように、変曲点Q1は、ホルダ部材30における圧縮機筐体10側の側面において、圧縮機筐体外周面10aに沿う方向からアキュムレータ筐体25a側への屈曲が始まる点を示す。屈曲面32a(第2面)は、ホルダ部材30における圧縮機筐体10側の側面の変曲点Q1を境にして当接面31a(第1面)と連続する面であり、アキュムレータ筐体25a側に屈曲する部位(第1折返部33a)における圧縮機筐体10側の側面である。例えば、
図3および
図6に示すように、屈曲面32a(第2面)は、アキュムレータ筐体25aから見て、円筒形状のアキュムレータ筐体25aの径方向外側に向かって凸形状に形成される。
【0038】
ダボ41は、屈曲面32a(第2面)の少なくとも一部を含むように形成されている。本実施形態では、ダボ41は、変曲点Q1を含めて、圧縮機筐体10から見てアキュムレータ筐体25a側に向かって凸状に形成される当接面31a(第1面)と、アキュムレータ筐体25aから見て円筒形状のアキュムレータ筐体25aの径方向外側に向かって凸形状に形成される屈曲面32a(第2面)と、の両方に跨るように形成されている。
【0039】
ホルダ部材30は、例えば一枚の平板状の部材をプレス加工で屈曲させることにより、筐体対向部31や第1折返部33aや第2折返部33bが形成される。上述のホルダ部材30の形成時には、例えばホルダ部材30が平板状の状態で先にダボ41をプレス加工等により形成しておき、その後にプレス加工でホルダ部材30を今度は屈曲させることにより、ホルダ部材30のダボ41(突起部)を、筐体対向部31の当接面31a(第1面)と腕部32(第1折返部33a)の屈曲面32a(第2面)との境界部分である変曲点Q1に近づけて配置することができる。
【0040】
ホルダ部材30は、当接面31aを圧縮機筐体10の圧縮機筐体外周面10aに当接させた上で、プロジェクション溶接を行うことで圧縮機筐体10に接合される。
図7は、プロジェクション溶接の様子を模式的に説明する説明図である。
【0041】
図7に示すように、プロジェクション溶接では、当接面31aを圧縮機筐体外周面10aに当接させた上で、プロジェクション溶接電極50をホルダ部材30に内面31b側から押し付ける。この時、ホルダ部材30の当接面31a上に形成されたダボ41が、圧縮機筐体外周面10aに当接することとなる。ついで、プロジェクション溶接では、プロジェクション溶接電極50に大きな電圧を印加することで、圧縮機筐体外周面10aと当接するダボ41に大電流が集中的に流れ、電気抵抗による発熱でダボ41を溶かして接合部40を形成させ、圧縮機筐体10にホルダ部材30を接合させる。
【0042】
図8は、実施形態のホルダ部材30と圧縮機筐体10とにおける接合部40の断面構造を示す断面図である。
図9は、接合部40を模式的に説明する説明図である。
図8、
図9に示すように、ホルダ部材30と、圧縮機筐体10とは、上述したプロジェクション溶接によって、ホルダ部材30のダボ41(突起部)があった位置、すなわち、屈曲面32aの少なくとも一部を含む箇所(本実施形態では、当接面31a(第1面)と、屈曲面32a(第2面)とに跨る位置)に形成された接合部40で接合される。
【0043】
また、
図8に示すように、凹部42は、プレス加工等によりダボ41を形成する際に内面31b側からの押圧で形成された、圧縮機筐体10側に向かって窪んだ凹みである。凹部42は、ダボ41に対応する内面31b側の側面(すなわち、当接面31aの裏側の側面)と、屈曲面32aの裏側の側面と、に跨って形成される。
【0044】
図10は、比較例(従来)の接合部を模式的に説明する説明図である。
図10に示すように、従来のホルダ部材300における圧縮機筐体10との接合部400は、接合部400の全体が圧縮機筐体外周面10aに位置している(言い換えれば、接合部400の全体が、筐体対向部の当接面(第1面)と腕部(第1折返部)の屈曲面(第2面)との境界部分である変曲点Q1よりも、周方向の内側に位置している)ため、前述した共振周波数を決める梁長さは大きいままである。
【0045】
これに対し、本実施形態では、
図9に示すように、ホルダ部材30における圧縮機筐体10との接合部40は、腕部32の屈曲部分(第1折返部33a)の圧縮機筐体10側の側面である屈曲面32aの少なくとも一部を含むように位置することで、圧縮機筐体外周面10aの周方向において従来よりも外側にある。このため、本実施形態では、前述した共振周波数を決める梁長さが短くなり、圧縮機筐体10の振動に伴う、ホルダ部材30に連結されたアキュムレータ25の共振周波数(固有値)を、より高くできる。したがって、本実施形態では、ロータリ圧縮機1の運転回転数(圧縮部12の振動数)の2倍程度までの周波数域に対して、より高周波側に共振周波数が移行するので、当該周波数域内での共振の影響が小さくなり、圧縮機筐体10の振動に伴うアキュムレータ25の振動を低減することができる。
【0046】
図11は、運転中のアキュムレータ25に生じる、圧縮機筐体10まわりの周方向への加速度(アキュムレータ加速度)の測定結果を、実施形態と比較例とで比較したグラフである。
図11における横軸は圧縮機回転数[rps]であり、縦軸はアキュムレータに生じる圧縮機筐体10の周方向への加速度[m/s2]である。グラフG1は、実施形態にかかるロータリ圧縮機1の運転中の測定結果を例示するグラフである。グラフG2は、従来のロータリ圧縮機の運転中の測定結果を例示するグラフである。
図11に示すように、比較例を示すグラフG2に対して、実施形態を示すグラフG1では、比較例で特に加速度[m/s2]の値が大きかった圧縮機回転数が60~140[rps]の範囲でのアキュムレータ加速度を大きく低減できている。
【0047】
図12は、実施形態と比較例とで比較したハンマリング試験の結果を例示するグラフである。
図12における横軸は、ハンマリング試験(対象物をハンマで打撃することで加振し、加振の結果として対象物に生じる加速度を計測することで、対象物の周波数応答特性を調べる試験)時における振動の周波数であり、縦軸はFRF(Frequency Response Function:周波数応答関数)[dB/m/s2/N]である。グラフG3は、実施形態にかかるロータリ圧縮機1のハンマリング試験の結果を例示するグラフである。グラフG4は、比較例(従来)のロータリ圧縮機のハンマリング試験の結果を例示するグラフである。
図12に示すように、比較例を示すグラフG4では、300[Hz]付近に構造固有値(共振周波数)が存在する(周波数応答関数のピークが存在する)のに比べて、実施形態を示すグラフG3では、構造固有値(共振周波数)が高周波側へ(実施形態では330[Hz]付近へ)移動(シフト)している。すなわち、本実施形態では、比較例(従来)に比べて共振周波数を高く(固有値を大きく)できている。このため、本実施形態を示すグラフG3では、ロータリ圧縮機1の通常の運転条件における運転回転数の2倍までの周波数域(例えば、ロータリ圧縮機1の通常の運転条件での圧縮機回転数が0~140[rps]の範囲のときは、回転数の2倍の周波数0~280[Hz]の範囲)において、特に周波数応答関数の値が大きい280[Hz]付近でのFRFが、比較例を示すグラフG4に比べて約10[dB/m/s2/N]小さくなっている。すなわち、上記の構造固有値(330[Hz])に近い、ロータリ圧縮機1の運転回転数の2倍の周波数域における高周波側(280[Hz]付近)で、共振の影響による振動が特に改善されている。その結果、
図11に示すように、本実施形態のロータリ圧縮機1では、比較例に比べて共振の影響によってアキュムレータ筐体25aに生じる加速度が小さくなり、圧縮機筐体10の振動に伴う、ホルダ部材30に連結されたアキュムレータ筐体25aの共振の影響を低減し、アキュムレータ筐体25aの振動を抑制することができる。
【0048】
(実施形態の圧縮機の効果)
上述したように、本実施形態のロータリ圧縮機1は、冷媒を圧縮する圧縮部12を収納する圧縮機筐体10と、圧縮部12の吸入部と接続されるアキュムレータ筐体25aと、圧縮機筐体10とアキュムレータ筐体25aとを連結するホルダ部材30と、を備える。ホルダ部材30は、筐体対向部31と、腕部32と、接合部40と、を有する。筐体対向部31は、圧縮機筐体10の外周面である圧縮機筐体外周面10aに沿って、形成される。筐体対向部31は、圧縮機筐体外周面10aと当接する当接面31a(第1面)を有する。腕部32は、圧縮機筐体外周面10aに沿う方向からアキュムレータ筐体25a側に屈曲し、筐体対向部31から延びるように形成されてアキュムレータ筐体25aに当接して当該アキュムレータ筐体25aを支持する。接合部40は、ホルダ部材30と圧縮機筐体10とが接合される部分である。腕部32において圧縮機筐体外周面10aに沿う方向からアキュムレータ筐体25a側に屈曲する部位(第1折返部33a)における圧縮機筐体10側の側面を屈曲面32a(第2面)としたとき、接合部40には、屈曲面32a(第2面)の少なくとも一部が含まれる。
【0049】
これにより、ホルダ部材30における圧縮機筐体10との接合部40は、腕部32の屈曲部分(第1折返部33a)の圧縮機筐体10側の側面である屈曲面32a(第2面)の少なくとも一部を含むように位置するので、圧縮機筐体外周面10aの周方向において従来よりも外側に溶接部40を位置させることができる。このため、本実施形態では、前述した共振周波数を決める梁長さが短くなり、圧縮機筐体10の振動に伴うアキュムレータ25(アキュムレータ筐体25a)の共振周波数(固有値)をより高くできる。したがって、ロータリ圧縮機1の運転回転数の例えば2倍程度までの周波数域に対して、より高周波数側に共振周波数(固有値)が移行する。これにより、実施形態では、圧縮機筐体10の振動に伴うアキュムレータ筐体25aの共振の影響によってアキュムレータ筐体25aに生じる加速度が、比較例に比べて小さくなる。その結果、圧縮機筐体10の振動に伴う、ホルダ部材30に連結されたアキュムレータ筐体25aの共振の影響が低減され、ロータリ圧縮機1の運転回転数に対応する周波数域内におけるアキュムレータ25(アキュムレータ筐体25a)の振動を抑えることができる。
【0050】
なお、より具体的には、接合部40は、
図3に示すように、接合部40を通る水平面において、次のような条件を満たす位置に設けられることが好ましい。
・腕部32における、アキュムレータ筐体25aに当接して圧縮機筐体10に最も近い箇所を点P1とする。
・屈曲面32aにおける、圧縮機筐体10の径方向で点P1よりも内側に位置し、且つ、圧縮機筐体10の周方向で最も外側に位置する、箇所を点P2とする。
・圧縮機筐体10の中心を点Oとする。
・点Oを始点として点P1を通る線を半直線L1とする。
・点Oを始点として点P2を通る線を半直線L2とする。
・接合部40は、圧縮機筐体10まわりの周方向において、少なくとも一部が半直線L1と半直線L2との間に位置する。
【0051】
このような、接合部40の位置および位置関係とすることで、腕部32を可能な限り周方向の外側に配置できるとともに、前述した梁(腕部32における共振周波数に関係する部分)の長さを短くできる。また、接合部40の周方向の間隔が広くなり、固定をより強固なものとすることができるとともに、接合部40を腕部32により近づけられる。このため、前述した共振周波数(固有値)をより大きくできる。
【0052】
さらに、次のような条件を満たす位置に設けられることが特に好ましい。
・点Oを始点としてアキュムレータ筐体25aの外周面と接する接線を半直線L3とする。
・半直線L3は、圧縮機筐体10まわりの周方向において、半直線L1と、半直線L2との間に位置する。
【0053】
このような、接合部40の位置および位置関係とすることで、腕部32を可能な限り周方向の外側に配置できるとともに、前述した梁(腕部32における共振周波数に関係する部分)の長さを短くできる。また、接合部40の周方向の間隔が広くなり、固定をより強固なものとすることができるとともに、接合部40を腕部32により近づけられる。このため、前述した共振周波数(固有値)をより大きくできる。
【符号の説明】
【0054】
1…ロータリ圧縮機
10…圧縮機筐体
10a…圧縮機筐体外周面
11…モータ
12…圧縮部
15…回転軸
25…アキュムレータ
25a…アキュムレータ筐体
30…ホルダ部材
31…筐体対向部
31a…当接面(第1面)
31b…内面(第3面)
31S…アキュムレータ下湾曲管
31T…アキュムレータ上湾曲管
32…腕部
32a…屈曲面(第2面)
32b…当接部
33…折返部
33a…第1折返部
33b…第2折返部
34…ボルト
35…留具
40…接合部
41…ダボ
42…凹部
50…プロジェクション溶接電極
104…下吸引管
105…上吸引管
107…吐出管
111…ステータ
112…ロータ
121S…下シリンダ
121T…上シリンダ
124S…下スプリング穴
124T…上スプリング穴
125S…下ピストン
125T…上ピストン
126S…下スプリング
126T…上スプリング
127S…下ベーン
127T…上ベーン
128S…下ベーン溝
128T…上ベーン溝
130S…下シリンダ室
130T…上シリンダ室
131S…下吸入室
131T…上吸入室
133S…下圧縮室
133T…上圧縮室
135S…下吸入孔
135T…上吸入孔
136…冷媒通路孔
140…中間仕切板
151…副軸部
152S…下偏心部
152T…上偏心部
153…主軸部
160S…下端板
160T…上端板
161S…副軸受部
161T…主軸受部
170S…下端板カバー
170T…上端板カバー
172T…上端板カバー吐出孔
174…通しボルト
175…通しボルト
176…補助ボルト
180S…下端板カバー室
180T…上端板カバー室
181T…凹部
190S…下吐出孔
190T…上吐出孔
200S…下吐出弁
200T…上吐出弁
201S…下吐出弁押さえ
201T…上吐出弁押さえ
255…アキュムレータ入口管
300…ホルダ部材
400…接合部
310…筐体ベース(取付脚)
330…弾性支持部材
G1~G4…グラフ
L1~L3…半直線
O、P1、P2…点
Q1…変曲点
【手続補正書】
【提出日】2024-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮する圧縮部を収納する圧縮機筐体と、
前記圧縮部の吸入部と接続されるアキュムレータ筐体と、
前記圧縮機筐体と、前記アキュムレータ筐体とを連結するホルダ部材と、を備え、
前記ホルダ部材は、
前記圧縮機筐体の外周面に沿って形成され、前記外周面と当接する第1面を有する、筐体対向部と、
前記外周面に沿う方向から前記アキュムレータ筐体側に屈曲し、前記筐体対向部から延びるように形成されて前記アキュムレータ筐体に当接して当該アキュムレータ筐体を支持する腕部と、
前記ホルダ部材と前記圧縮機筐体とが接合された接合部と、を有し、
前記接合部には、前記腕部において前記外周面に沿う方向から前記アキュムレータ筐体側に屈曲する部位における前記圧縮機筐体側の側面である第2面の少なくとも一部が含まれ、
前記接合部を通る水平面において、
前記腕部における、前記アキュムレータ筐体に当接して前記圧縮機筐体に最も近い箇所を第1点とし、
前記第2面における、前記圧縮機筐体の径方向で前記第1点よりも内側に位置し、且つ、前記圧縮機筐体の周方向で最も外側に位置する、箇所を第2点とし、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記第1点を通る線を第1半直線とし、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記第2点を通る線を第2半直線としたとき、
前記接合部は、前記圧縮機筐体の周方向において、少なくとも一部が前記第1半直線と、前記第2半直線との間に位置する、
ことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記接合部の少なくとも一部が前記圧縮機筐体の周方向において前記第1半直線と前記第2半直線との間に位置することにより、前記第2半直線上に前記接合部の端がある場合より前記ホルダにおける前記第1点から前記接合部までの長さが短い、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記接合部は、前記第1面と、前記第2面とに跨るように形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記圧縮機筐体と、前記アキュムレータ筐体とは互いに円筒形状であり、
前記第1面は、前記圧縮機筐体から見て前記アキュムレータ筐体側に向かって凸状に形成され、
前記第2面は、前記アキュムレータ筐体から見て当該アキュムレータ筐体の径方向の外側に向かって凸状に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記接合部は、前記圧縮機筐体の軸方向に複数設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記ホルダ部材において前記アキュムレータ側の第3面には、前記圧縮機筐体に向かって窪んだ凹部が形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記凹部は、前記第3面において、前記第1面の裏側の側面と、前記第2面の裏側の側面とに跨って形成される、
ことを特徴とする請求項5に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記接合部を通る水平面において、
前記圧縮機筐体の中心を始点として前記アキュムレータ筐体の外周面と接する接線を第3半直線としたとき、
前記第3半直線は、前記圧縮機筐体の周方向において、前記第1半直線と、前記第2半直線との間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。