(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113986
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】検出装置、および検出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
G01P 15/00 20060101AFI20240816BHJP
B60C 23/04 20060101ALI20240816BHJP
G01P 15/18 20130101ALI20240816BHJP
G01L 5/24 20060101ALN20240816BHJP
【FI】
G01P15/00 Z
B60C23/04 130D
G01P15/18
G01L5/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019316
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小杉 正則
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA01
2F051AB06
(57)【要約】
【課題】加速度センサを用いて物体に取り付けられる検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることである。
【解決手段】検出装置は、物体に取り付けられる。検出装置は、加速度センサと制御装置と電源部とを備える。制御装置は、加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、送信モードよりも電力の消費が小さい省電力モードと、加速度センサの検出値を第2期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信する送信モードとに制御可能である。制御装置は、省電力モードに制御されている状態で取得した加速度センサの検出値が第1条件を満たしたことに基づいて、省電力モードから送信モードへと切り替える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に取り付けられ、前記物体に関する情報を検出する検出装置であって、
少なくとも1軸以上の加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサの検出値を取得する制御装置と、
前記制御装置に電力を供給する電源部とを備え、
前記制御装置は、
少なくとも前記加速度センサを稼働可能な電力が前記電源部より供給される送信モードと、前記送信モードよりも前記電源部から供給される電力の消費が小さい省電力モードとに制御可能であり、
前記省電力モードにおいて、前記加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、
前記送信モードにおいて、前記加速度センサの検出値を前記第1期間よりも短い第2期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信し、
前記省電力モードに制御されている状態で取得した前記加速度センサの検出値が第1条件を満たしたことに基づいて、前記省電力モードから前記送信モードへと切り替える、検出装置。
【請求項2】
前記加速度センサは、第1方向および第2方向の2軸の加速度を検出可能であって、前記第1方向の加速度と前記第2方向の加速度との合成ベクトルである第1合成ベクトルの大きさを検出値として検出し、
前記第1合成ベクトルは、第1平面に沿う方向の合成ベクトルであり、
前記第1条件は、前記第1合成ベクトルの大きさが変化することである、請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記加速度センサは、第1方向、第2方向、および第3方向を含む3軸以上の加速度を検出可能であって、前記第1方向の加速度と前記第2方向の加速度との合成ベクトルである第1合成ベクトルの大きさ、および、前記第1方向または前記第2方向の加速度と前記第3方向の加速度との合成ベクトルである第2合成ベクトルの大きさを検出値として検出し、
前記第1合成ベクトルは、第1平面に沿う方向の合成ベクトルであり、
前記第2合成ベクトルは、前記第1平面と直交する第2平面に沿う方向の合成ベクトルであり、
前記第1条件は、前記第1合成ベクトルの大きさおよび前記第2合成ベクトルの大きさが変化することである、請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第1条件は、
前記省電力モード中の第1タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第1範囲内であり、
前記第1タイミングから前記第1期間が経過した後の第2タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第2範囲内となることである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第1条件は、
第1タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第1範囲内であり、
前記第1タイミングから前記第1期間が経過したときの第2タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第2範囲内であり、かつ、
前記第2タイミング後の第3タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第3範囲内となることである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記加速度センサの検出値を前記第1期間よりも短い第3期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信しない第1操作検出モードに制御可能であり、
前記第1タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が前記第1範囲内であり、前記第2タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が前記第2範囲内であるときに前記省電力モードから前記第1操作検出モードへと切り替え、
前記第1操作検出モードは、前記省電力モードよりも前記電源部から供給される電力の消費が大きく、前記送信モードよりも前記電源部から供給される電力の消費が小さいモードである、請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記加速度センサを格納するための筐体をさらに備え、
前記筐体には、前記検出装置が前記物体に取り付けられるべき方向を、鉛直方向を基準として示すマーカが付されている、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記送信モードに制御されている状態で取得した前記加速度センサの検出値が第2条件を満たす場合、前記送信モードから前記省電力モードへと切り替える、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項9】
前記第2条件は、
前記送信モード中の第4タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第4範囲内であり、
前記第4タイミングから前記第2期間が経過した後の第5タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第5範囲内となることである、請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記第2条件は、
第4タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第4範囲内であり、
前記第4タイミングから前記第2期間が経過したときの第5タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第5範囲内であり、かつ、
前記第5タイミング後の第6タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が第6範囲内となることである、請求項8に記載の検出装置。
【請求項11】
前記制御装置は、
前記加速度センサの検出値を前記第2期間よりも短い第4期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信する第2操作検出モードに制御可能であり、
前記第4タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が前記第4範囲内であり、前記第5タイミングにおいて取得された前記加速度センサの検出値が前記第5範囲内であるときに前記送信モードから前記第2操作検出モードへと切り替える、請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
物体に取り付けられ、前記物体に関する情報を検出する検出装置の制御方法であって、
前記検出装置は、
少なくとも1軸以上の加速度を検出する加速度センサと、
前記加速度センサの検出値を取得する制御装置と、
前記制御装置に電力を供給する電源部とを備え、
前記制御装置は、
少なくとも前記加速度センサを稼働可能な電力が前記電源部より供給される送信モードと、前記送信モードよりも前記電源部から供給される電力の消費が小さい省電力モードとに制御可能であり、
前記省電力モードにおいて、前記加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、
前記送信モードにおいて、前記加速度センサの検出値を前記第1期間よりも短い第2期間ごとに取得し、前記物体の状態を示す情報を外部機器へ送信し、
前記制御方法は、
前記省電力モードに制御されている状態で前記加速度センサの検出値を取得するステップと、
取得した前記加速度センサの検出値が第1条件を満たしたか否かを判定するステップと、
前記第1条件が満たされたと判定する場合、前記省電力モードから前記送信モードへと切り替えるステップとを含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出装置、および検出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪に取り付けられ、車輪の状態を検出する検出装置が知られている。たとえば、特許文献1(特開2016-188769号公報)には、車輪の状態を検出する検出装置としてナット緩み装置が開示されている。
【0003】
特許文献1のナット緩み装置は、加速度センサ、温度センサ、歪センサなどの複数のセンサを備え、これらの複数のセンサを用いてナットの緩みを検出する。特許文献1のナット緩み装置は、ナットの緩みが生じているか否かを示す検出結果を、運転席に設けられた表示装置などの外部の機器へと送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような車輪に取り付けられる検出装置は、ユーザによって車輪に取り付けられた後に、ユーザからの操作を受け付けたことに応じて車輪状態の検出結果の送信を開始する。たとえば、検出装置は、無線発信可能な特殊な装置から特定の信号を受け付けたことに基づいて車輪状態の検出結果の送信を開始する。または、検出装置は、検出装置自体に設けられた機械式のスイッチ等の特殊な装置がON状態に操作されることによって、車輪状態の検出結果の送信を開始する。
【0006】
しかしながら、車輪状態の検出結果を送信するか否か等の制御モードを切り替えるために、上述のような特殊な装置が設けられると、検出装置の製造コストは増大し得る。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車輪等の物体に取り付けられる検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様による検出装置は、物体に取り付けられ、物体に関する情報を検出する検出装置である。検出装置は、少なくとも1軸以上の加速度を検出する加速度センサと、加速度センサの検出値を取得する制御装置と、制御装置に電力を供給する電源部とを備える。制御装置は、少なくとも加速度センサを稼働可能な電力が電源部より供給される送信モードと、送信モードよりも電源部から供給される電力の消費が小さい省電力モードとに制御可能であり、省電力モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、送信モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間よりも短い第2期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信し、省電力モードに制御されている状態で取得した加速度センサの検出値が第1条件を満たしたことに基づいて、省電力モードから送信モードへと切り替える。
【0009】
上記態様によれば、検出装置は、加速度センサの検出値に基づいて物体の状態の検出結果を送信すべき期間か否かを判定して、制御されるべき制御モードを判定する。そのため、物体に取り付けられる検出装置において、特殊な装置を用いることなく制御モードを切り替えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、物体に取り付けられる検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1における検出装置100が適用される車両10の構成を模式的に示す図である。
【
図2】車輪51に取り付けられているナットN11をX軸の正方向側から見たときの断面図である。
【
図3】検出装置の構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】車輪に取り付けられていない検出装置を示す図である。
【
図5】車輪に取り付けられている検出装置を示す図である。
【
図6】実施の形態1における省電力モードから送信モードへの切替処理を説明するための図である。
【
図7】実施の形態1における省電力モードから送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
【
図8】実施の形態1における送信モードから省電力モードへの切替処理を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1における送信モードから省電力モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】実施の形態2における車輪に取り付けられていない検出装置を示す図である。
【
図11】実施の形態2における車輪に取り付けられている検出装置を示す図である。
【
図12】実施の形態2における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理を説明するための図である。
【
図13】実施の形態2における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
【
図14】実施の形態2における送信モードから第2操作検出モードを介した省電力モードへの切替処理を説明するための図である。
【
図15】実施の形態2における送信モードから第2操作検出モードを介した省電力モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
【
図16】実施の形態3における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0013】
[実施の形態1]
<検出装置の概要>
図1は、実施の形態1における検出装置100が適用される車両10の構成を模式的に示す図である。実施の形態1における検出装置100は、加速度センサを用いてナットの緩みを検出する装置である。なお、検出装置100は、ナットの緩みを検出する装置に限られない。本開示における検出装置100は、たとえば、タイヤの空気圧、温度などを含む種々の車輪の状態を検出する検出装置に対して適用され得る。また、検出装置100は、車両ではなく、たとえば、エレベータのプーリ、ベルトコンベアの滑車、遊園地等に設置されるコーヒーカップおよびメリーゴーランド、および、公園等に備えられる回転式遊具などに含まれるナットの緩みを検出する装置であり得る。もしくは、検出装置100は、高架橋などの壁面に取り付けられ、高架橋に発生する振動レベルを検出する装置であってもよい。すなわち、検出装置100は、物体に取り付けられ、物体に関する情報を検出する装置であればよい。
【0014】
方向FRは、車両10の進行方向である。
図1には、車両10の右側面が示されている。
図1には、フロント右側の車輪51と、リア右側の車輪52とが示されている。なお、以降の説明においては、鉛直方向を「Z軸方向」とし、Z軸方向に垂直な方向であって車両10の前進方向に沿った方向を「X軸の正方向」とし、さらにX軸方向およびZ軸方向に垂直な方向を「Y軸方向」とする。また、各図におけるZ軸の正方向を上側、Z軸の負方向を下側と称し、X軸の正方向を前側、X軸の負方向を後側と称し、Y軸の正方向を右側、Y軸の負方向を左側と称する場合がある。
【0015】
車輪51は、タイヤTr1、ホイールW1、およびナットN11~N15を含む。車輪52は、タイヤTr2、ホイールW2、およびナットN21~N25を含む。実施の形態1では、ナットN11に対して検出装置100が取り付けられている。
図1の例におけるナットN11は、六角ナットである。実施の形態1の検出装置100は、ナットN11を保護するナットキャップとして取り付けられている。
【0016】
図1の例では、複数のナットのうちナットN11にだけ検出装置100が取り付けられている例が図示されている。ある局面では、他のナットN12~N15、ナットN21~N25の各々にも本実施の形態における検出装置100が取り付けられていてもよい。また、
図1の例では、検出装置100はナットキャップとして車輪に取り付けられているが、ナットキャップである必要はなく、ホイールW1に固定されてホイールW1の状態を検出する装置であってもよい。
【0017】
図1の例において、検出装置100は加速度センサを用いて、ナットN11の回転角を検出する。検出装置100は、検出したナットN11の回転角からナットN11が緩んでいるか否かを判定する。検出装置100は、ナットN11が緩んでいるか否かを示す検出結果を車両10の走行中に表示装置201へと送信する。
【0018】
表示装置201は、検出装置100から受信した検出結果をユーザに表示する。表示装置201は、運転手または同乗者が視認することが可能な位置に配置される。表示装置201は、たとえば、車内インストルメントパネルに配置される。これにより、検出装置100は、ナットN11が緩んでいるか否かを示す検出結果をユーザに報知することができる。
【0019】
図2は、車輪51に取り付けられているナットN11をX軸の正方向側から見たときの断面図である。ホイールW1は、ナットN11を含む複数のナットによりホイールハブ250aに締結されている。ナットN11は、ホイール穴221に挿入された状態のホイールW1にボルト250を締結させる。ホイールW1には、ボルト250が挿入されるホイール穴221が設けられる。ナットN11とホイールW1との間には、ワッシャ243が設けられている。
【0020】
上述したように、検出装置100は、ナットキャップとしてナットN11に取り付けられている。検出装置100を構成する筐体Hs1は、六角ナットであるナットN11の周囲を囲むように配置されている。後述する
図4において、ナットN11および検出装置100の外観斜視図が示されている。
【0021】
図2に戻り、検出装置100の筐体Hs1は、Y軸の正方向側に開口Op1を有する。なお、筐体Hs1では開口Op1が形成されなくともよい。すなわち、Y軸の正方向側が閉じていることによって、筐体Hs1はナットN11が露出しないように覆っていてもよい。検出装置100は、筐体Hs1内に、制御装置101、電源部102、および加速度センサ103を有する。実施の形態1において、加速度センサ103は、一軸の加速度を検出するセンサである。
【0022】
図3は、検出装置100の構成を説明するためのブロック図である。検出装置100は、
図2にて説明した制御装置101、電源部102、加速度センサ103に加えて、送信回路CTおよびアンテナA2を備える。
【0023】
検出装置100は、加速度センサ103を用いてナットN11の回転角を検出し、ナットN11に緩みが生じているか否かを判定する。検出装置100は、判定結果を示す情報をアンテナA2から
図1に示す表示装置201に対して送信可能に構成されている。なお、検出装置100が判定結果を示す情報が出力される外部機器は、車内の表示装置201に限られない。当該外部機器は、車内または車輪51に設けられたLEDライトまたはスピーカであってもよい。また、検出装置100の外部機器に対する情報の出力方法は、無線での送信に限られず、有線を介した送信であってもよい。
【0024】
制御装置101は、記憶部20と、処理部21と、タイマ22とを有する。記憶部20は、たとえば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。処理部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、入出力バッファとを含んで構成される。処理部21は、ROMに格納されているプログラムをRAMに展開して実行する。ROMに格納されているプログラムには、処理部21により実行される各種処理が記述されている。
【0025】
電源部102は、たとえば、ボタン電池などの一次電池である。すなわち、検出装置100の筐体Hs1には、ボタン電池を格納するスペースが設けられている。制御装置101は、電源部102から供給される電力で作動する。電源部102は、外部から容易には充電することができないように構成されている。そのため、実施の形態1の検出装置100では、作動時間を極力少なくして制御装置101の消費電力を抑えることが望ましい。
【0026】
制御装置101は、送信回路CTを制御して、検出結果を示す情報を含む電波を送信するときに電力を消費する。この観点から、検出装置100が車輪51に取り付けられていない場合などの検出結果を送信する必要がない状況において、制御装置101はアンテナA2からの電波の送信を行わないことが望ましい。すなわち、検出装置100は、状況に応じて、検出結果を送信するモードか検出結果の送信しないモードかに切り替えることが望ましい。このような検出装置100の制御モードを切り替えるため、特殊な装置を用いることが考えられる。
【0027】
特殊な装置とは、たとえば、外部から所定の電波信号を検出装置100に対して送信することによって検出装置100の制御モードを切り替える装置である。また、特殊な装置は、たとえば、検出装置100自体に設けられた機械的なスイッチであり得る。このような特殊な装置を検出装置100に実装すると、検出装置100の製造コストが増大し得る。
【0028】
<省電力モードと送信モードについて>
以下では、電波を送信すべき期間と、電波を送信すべきでない期間とを特殊な装置を用いることなく制御装置101によって判別されることにより、検出装置100の制御モードの切り替えを行う例を説明する。電波を送信すべき期間とは、たとえば、検出装置100が車輪51に取り付けられている期間である。電波を送信すべきでない期間とは、たとえば、検出装置100が車輪51に取り付けられていない期間である。
【0029】
電波を送信すべき期間において、検出装置100は「送信モード」と称される状態に制御される。電波を送信すべきでない期間において、検出装置100は「省電力モード」と称される状態に制御される。
【0030】
省電力モードとは、車輪状態を示す情報を含む電波を送信せず、送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を所定の頻度で繰り返すモードである。すなわち、省電力モードでは、車輪状態の検出は行われず、送信モードに切り替えるべきか否かだけが判定されている。省電力モードは、加速度センサ103を駆動することを含む検出装置100の機能に対して供給する電力を通常時(送信モード)よりも低下させた状態である。一方で、送信モードとは、車輪状態を示す情報を含む電波を送信し、省電力モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を、省電力モードにおける判定処理の実行頻度よりも高い頻度で繰り返すモードである。すなわち、送信モードでは、車輪状態の検出を行いつつ、省電力モードに切り替えるべきか否かも判定されている。送信モードでは、少なくとも加速度センサ103が稼働するように電力が供給される。
【0031】
図4は、車輪51に取り付けられていない検出装置100を示す図である。以下では、車輪51に取り付けられていない検出装置100の状態を「非装着状態」と称する。検出装置100は、非装着状態であるとき、加速度センサ103の検出値を電波として表示装置201に送信する必要はない。そのため、非装着状態では、消費電力のより小さい省電力モードに制御されることが望ましい。
【0032】
以下では、省電力モードに制御される条件を説明する。具体的には、制御装置101は、加速度センサ103の検出値に基づいて、検出装置100の制御モードを省電力モードに制御することを決定する。
【0033】
図4には、平面Gr1上に載置された状態の検出装置100およびナットN11の外観斜視図が示されている。
図4におけるZ軸方向は、
図1および
図2と同様に鉛直方向を示す。平面Gr1は、XY平面と平行な面である。
【0034】
六角ナットであるナットN11は、
図4に示される面Sf11,Sf12,Sf13を含む6つの側面を有する。同様に、検出装置100の筐体Hs1も、面Sf21,Sf22,Sf23を含む6つの側面を有する。筐体Hs1は、開口Op1を有する六角形の筒形状を有する。
【0035】
図4に示されるように、加速度センサ103は、面Sf22を構成する筐体Hs1の内部に配置されている。加速度センサ103は、第1方向の加速度を検出する。第1方向は面Sf22の法線方向である。
図4の例では、第1方向は、Y軸の正方向である。地球の重力はZ軸方向に対して生じ、
図4の例において加速度センサ103の検出方向はZ軸方向と直交するY軸の正方向であるため、加速度センサ103の検出値は0G近傍となる。
【0036】
実施の形態1の検出装置100において、検出装置100の梱包箱の表面または説明書等には、鉛直方向に対して
図4に示される向きで運搬、保管されるべきことが記載される。そのため、検出装置100が非装着状態であるとき、一般的に、加速度センサ103の検出値が0G近傍となる方向で運搬、保管されることが多くなる。実施の形態1では、たとえば、マーカMk1を用いて非装着状態であるときの検出装置100の向きがユーザに示される。
【0037】
筐体Hs1のZ軸の正方向側にはマーカMk1が付されている。マーカMk1は、面Sf22と隣接した面に付されている。たとえば、検出装置100の梱包箱の表面または説明書等には「車輪に装着せずに検出装置を運搬、保管するとき、マーカMk1が上方向を向くように検出装置を配置してください。」という注意書きが付される。
【0038】
これにより、検出装置100が工場にて出荷された後、ユーザが購入して車輪51に装着するまでの間、一般的に検出装置100は、鉛直方向に対して
図4に示される向きで配置されることとなる。これにより、非装着状態である場合、加速度センサ103の検出値は0G近傍になる。
【0039】
言い換えれば、加速度センサ103の検出値が0G近傍である場合、検出装置100は非装着状態であり、電波を送信する必要はないことが想定される。そこで、省電力モードに制御される条件は、加速度センサ103の検出値が0Gを基準とした所定の範囲内となることとして設定される。具体的には、制御装置101は、加速度センサ103の検出値が、たとえば-0.2G~+0.2Gの範囲であるときに検出装置100の制御モードを省電力モードに制御する。-0.2G~+0.2Gの範囲とは、-0.2Gを上回る値でであって、+0.2G未満の値を意味する。以下で説明する検出値の範囲は、同様に、閾値を含まない範囲である。
【0040】
省電力モードに制御される0G近傍の範囲は、他の範囲であってもよく、たとえば、-0.1G~+0.1Gの範囲であってもよいし、-0.3G~+0.3Gの範囲または-√2/2G~+√2/2Gの範囲であってもよい。
【0041】
続いて、送信モードについて説明する。
図5は、車輪51に取り付けられている検出装置100を示す図である。以下では、車輪51に取り付けられている検出装置100の状態を「装着状態」と称する。
【0042】
「送信モード」に制御されているとき、検出装置100は、加速度センサ103の検出値を所定の期間ごとに取得する。検出装置100は、取得した加速度センサ103の検出値からナットN11の回転角を算出してナットN11に緩みが生じているか否かを判定する。検出装置100は、判定結果を含む電波をアンテナA2から表示装置201に対して送信する。
【0043】
制御装置101は、省電力モードと同様に、加速度センサ103の検出値に基づいて検出装置100の制御モードを送信モードに制御するか否かを決定する。送信モードでは、加速度センサ103の検出値を取得する処理に加えて、ナットN11の回転角を算出してナット緩みの発生の有無を検出する処理、および、検出結果をアンテナA2から送信する処理が実行される。また、送信モードにおける加速度センサ103の検出値を取得する頻度は、省電力モードにおける加速度センサ103の検出値を取得する頻度よりも高い。そのため、送信モードは、省電力モードよりも電源部102から供給される電力の消費が大きい。
【0044】
検出装置100の梱包箱の表面、説明書等には「検出装置を車輪に装着する場合、マーカMk1が下方向(地面)を向くように装着してください。」という注意書きが付され得る。そのため、
図5に示されるように、加速度センサ103の検出方向である第1方向がZ軸の負方向に沿うように、検出装置100は車輪51に装着され得る。
【0045】
これにより、検出装置100が装着状態であるとき、加速度センサ103の検出値は1G近傍となる。
図4、
図5に示されるように、マーカMk1は、検出装置100が車輪51に取り付けられるべき方向を、鉛直方向を基準として示している。
【0046】
言い換えれば、加速度センサ103の検出値が1G近傍である場合、検出装置100は装着状態であり、電波を送信する必要があることが想定される。そこで、送信モードに制御される条件は、加速度センサ103の検出値が1Gを基準とした所定の範囲内となることとして設定される。
【0047】
すなわち、制御装置101は、加速度センサ103の検出値が、たとえば1G近傍の範囲であるときに検出装置100の制御モードを送信モードに制御する。1G近傍の範囲とは、1Gを基準とした所定の範囲であって、たとえば、+0.8G~+1.0Gの範囲である。なお、送信モードに制御される1G近傍の範囲は、たとえば、+0.9G~+1.0Gの範囲であってもよいし、+√2/2G~+1.0Gの範囲、または、+0.7G~+1.0Gの範囲であってもよい。
【0048】
<実施の形態1における省電力モードから送信モードへの切り替え>
図6は、実施の形態1における省電力モードから送信モードへの切替処理を説明するための図である。
図6には、横軸を時間とし、縦軸を検出装置100の消費電力とするグラフが示されている。また、
図6には、制御装置101によって実行される複数の処理として、処理S5,S6,S7,S22,S23が矩形形状で示されている。この矩形形状の面積は、処理ごとの消費電力量を表している。
【0049】
省電力モードにおいて制御装置101は、期間Dr1ごとに処理S5と処理S6との実行を繰り返す。処理S5は、加速度センサ103の検出値を取得する処理である。処理S6は、処理S5で取得した加速度センサ103の検出値が送信モードに制御する範囲内か否かを判定する処理である。より具体的には、処理S6において制御装置101は、処理S5で取得した検出値が+1G近傍の範囲内であるかを判定する。
【0050】
処理S5,S6を実行するために必要な最大消費電力は、それぞれ電力Pw3,Pw2である。期間Dr1は、たとえば、30秒、1分、または3分などの期間である。なお、期間Dr1は、本開示における「第1期間」に対応し得る。
【0051】
図6を用いて、省電力モードの具体的な処理を説明する。タイミングTm1において、制御装置101は、処理S5の実行を開始する。
図6の上部に示されているように、タイミングTm1からタイミングTm2aまでの間において検出装置100は非装着状態である。非装着状態であるときに検出装置100は、
図4に示されるように配置されていることから、処理S5において検出装置100は、0G近傍の範囲の値を加速度センサ103の検出値として取得する。
【0052】
続いて、制御装置101は、処理S5の終了後のタイミングTm1aにおいて処理S6を実行する。制御装置101は、タイミングTm1aで実行した処理S6において、取得した加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内ではないと判定する。
【0053】
取得した加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内ではないと判定する場合、制御装置101は、検出装置100の制御モードを送信モードに切り替えずに、省電力モードへの制御を継続する。したがって、制御装置101は、タイミングTm1から期間Dr1が経過した後に、再度、処理S5と処理S6を実行する。
【0054】
制御装置101は、タイミングTm1aの処理S6の実行終了した後、期間Dr1が経過したかを判定するためにタイマ22をカウントする処理だけを行う。
図6に示されているように、タイマ22をカウントするために必要な最大消費電力は、電力Pw1である。制御装置101は、タイミングTm2において期間Dr1が経過したことを判定する。
【0055】
制御装置101は、タイミングTm2においてタイマ22をリセットする。制御装置101は、タイミングTm2において処理S5,S6を実行した後、タイミングTm3まで、再度、タイマ22のカウント処理を行う。
図6の例では、タイミングTm2からタイミングTm3の間において検出装置100の状態が「非装着状態」から「装着状態」に変化する。すなわち、検出装置100は、タイミングTm2aにおいて車輪51に装着される。
【0056】
制御装置101は、タイミングTm3にて、加速度センサ103の検出値を取得する。タイミングTm3において、検出装置100は、既に車輪51に取り付けられている。そのため、加速度センサ103の検出値は、+1G近傍となる。処理S6において、タイミングTm3の処理S5にて取得した加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内であると判定される。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードが省電力モードから送信モードに制御される条件が満たされたと判定する。
【0057】
制御装置101は、検出装置100の制御モードを省電力モードから送信モードへと切り替える。処理S7は、検出装置100の制御モードを省電力モードから送信モードに切り替える処理である。処理S7を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0058】
処理S7が実行されたことによって、タイミングTm4から検出装置100の状態は「送信モード」となる。このように実施の形態1では、加速度センサ103に基づき、送信モードに制御される条件が満たされたと制御装置101が判定するとき、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられる。具体的には、制御装置101は、省電力モード中のタイミングTm2において取得された加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲であり、タイミングTm2から期間Dr1が経過した後のタイミングTm3において取得された加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲になったことに基づき、条件が満たされたと判断する。当該条件は、本開示における「第1条件」に対応し得る。タイミングTm2は、本開示における「第1タイミング」に対応し得る。タイミングTm3は、本開示における「第2タイミング」に対応し得る。
図6における0G近傍の範囲は、本開示における「第1範囲」に相当し得る。
図6における1G近傍の範囲は、本開示における「第2範囲」に相当し得る。
【0059】
送信モードにおいて制御装置101は、期間Dr2ごとに処理S22および処理S23の実行を繰り返す。処理S22は、加速度センサ103の検出値を取得し、ナットが緩んでいるか否かを示す情報を無線通信にて送信する処理である。処理S22を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw4である。
【0060】
処理S23は、処理S22で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるかを判定する処理である。処理S23を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。期間Dr2は、たとえば、0.02秒、0.1秒、または1秒などの期間である。ナット緩みの発生を早期にユーザに報知させるため、期間Dr2は、短期間であることが望ましい。なお、期間Dr2は、本開示における「第2期間」に対応し得る。
【0061】
図6に示されるように、制御装置101は、タイミングTm5において処理S22の実行を開始する。制御装置101は、処理S22の終了とともに処理S23を実行する。タイミングTm5において、検出装置100は、
図5に示されるように車輪51に取り付けられているため、加速度センサ103の検出値は1G近傍となる。処理S23において制御装置101は、処理S22で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内ではないと判定する。
【0062】
取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内ではないと判定された場合、制御装置101は、検出装置100の制御モードを省電力モードに切り替えずに送信モードへの制御を継続する。すなわち、制御装置101は、タイミングTm5から期間Dr2が経過した後のタイミングTm6において、再度、処理S22および処理S23の実行を繰り返す。
【0063】
図6を用いて説明したように、省電力モードは、期間Dr1ごとに処理S5,S6が実行されるモードである。送信モードは、期間Dr2ごとに処理S22,S23が実行されるモードである。処理S22,S23の消費電力は、処理S22,S23がナット緩みの検出処理および電波の送信処理を含むため、処理S5,S6の消費電力よりもが大きい。また、期間Dr2は、期間Dr1よりも短い。そのため、送信モードは、ナットの緩みが発生しているか否かの情報を外部機器へと送信できる一方で、省電力モードよりも消費電力が大きくなる。
【0064】
実施の形態1における検出装置100は、電波を送信すべきでない非装着状態であるときは省電力モードに制御し、電波を送信すべき装着状態に変化したことに基づいて送信モードへと切り替える。すなわち、検出装置100は、加速度センサ103の検出値に基づいて車輪状態の検出結果を送信すべき期間か否かを判定して、制御されるべき制御モードを判定する。これにより、実施の形態1の検出装置100では、特殊な装置を用いることなく、加速度センサ103の検出値から制御モードを切り替えることができる。
【0065】
図7は、実施の形態1における省電力モードから送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
図7に示されるフローチャートは、記憶部20にプログラムとして記憶され、制御装置101によって実行される。
図7に示されるフローチャートは、工場にて電源部102が取り付けられ、制御装置101に対する通電が開始したときに実行される。
【0066】
制御装置101は、検出装置100の制御モードを省電力モードに制御する(ステップS1)。制御装置101は、加速度センサ103の検出値を取得する(ステップS2)。制御装置101は、ステップS2で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、ステップS3において制御装置101は、検出装置100が
図4に示される向きで平面に載置されたか否かを判定する。
【0067】
制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内でない場合(ステップS3でNO)、ステップS3の処理を繰り返す。制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内である場合(ステップS3でYES)、期間Dr1をカウントするためにタイマ22をスタートし、期間Dr1が経過したか否かを判定する(ステップS4)。
【0068】
期間Dr1が経過していない場合(ステップS4でNO)、制御装置101は、ステップS4の処理を繰り返す。期間Dr1が経過した場合(ステップS4でYES)、制御装置101は、期間Dr1をカウントするためのタイマ22をリセットして、加速度センサ103の検出値を取得する(ステップS5)。
【0069】
制御装置101は、ステップS5で取得した加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、制御装置101は、検出装置100が車輪51に装着されたか否かを判定する。
【0070】
制御装置101は、加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内でない場合(ステップS6でNO)、処理をステップS4に戻す。制御装置101は、加速度センサ103の検出値が+1G近傍の範囲内である場合(ステップS6でYES)、検出装置100の制御モードを省電力モードから送信モードに切り替える(ステップS7)。
図7におけるステップS5,S6,S7は、
図6における処理S5,S6,S7と対応する。
【0071】
<実施の形態1における送信モードから省電力モードへの切り替え>
図6、
図7では、省電力モードから送信モードの切り替えについて説明した。
図8、
図9では送信モードから省電力モードへの切り替えについて説明する。
【0072】
図8は、実施の形態1における送信モードから省電力モードへの切替処理を説明するための図である。
図8では、タイミングTm21において検出装置100が送信モードに制御されている。検出装置100は、タイミングTm22aにおいて車輪51から取り外され、非装着状態となる。
【0073】
図8に示されるように、制御装置101は、タイミングTm21において処理S22の実行を開始する。装着状態であるとき検出装置100は
図5に示されるように配置されていることから、処理S22において検出装置100は+1G近傍の値を加速度センサ103の検出値として取得する。制御装置101は、処理S22の終了とともに、処理S23を実行する。処理S23において、制御装置101は、タイミングTm21にて取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内ではないと判定する。すなわち、制御装置101は、省電力モードに切り替えずに送信モードを継続する。制御装置101は、タイミングTm21から期間Dr2が経過したことに基づいて、再度、処理S22および処理S23を実行する。
【0074】
制御装置101は、タイミングTm23にて、加速度センサ103の検出値を取得する。タイミングTm23において、検出装置100は、既に車輪51から取り外されている。そのため、加速度センサ103の検出値は0G近傍となる。制御装置101は、処理S23において、タイミングTm23の処理S22にて取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であると判定する。
【0075】
制御装置101は、検出装置100の制御モードを送信モードから省電力モードへと切り替える。処理S24は、検出装置100の制御モードを送信モードから省電力モードに切り替える処理である。処理S24を実行するために必要な消費電力は、電力Pw2である。
【0076】
処理S24が実行されたことによって、タイミングTm24から検出装置100の状態は省電力モードとなる。このように、
図8における検出装置100は、非装着状態から装着状態に変化したとき、送信モードから省電力モードへと切り替わる。
【0077】
図9は、実施の形態1における送信モードから省電力モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
図9に示されるフローチャートは、
図7に示されるフローチャートと同様に、記憶部20にプログラムとして記憶され、制御装置101によって実行される。
図9に示されるフローチャートは、
図7のステップS7において検出装置100の制御モードが送信モードに切り替わったことに基づいて実行される。
【0078】
制御装置101は、期間Dr2が経過したか否かを判定する(ステップS21)。期間Dr2が経過していない場合(ステップS21でNO)、制御装置101は、ステップS21の処理を繰り返す。期間Dr2が経過した場合(ステップS21でYES)、制御装置101は、期間Dr2をカウントするためにタイマ22をリセットして、加速度センサ103の検出値を取得し、車輪51の状態を示す情報を電波として送信する(ステップS22)。具体的には、制御装置101は、加速度センサ103の検出値を用いてナットN11の回転角を検出し、ナットN11の回転角に基づいてナットN11に緩みが発生しているかを判定し、判定結果を示す情報をアンテナA2から表示装置201に対して送信する。
【0079】
続いて、制御装置101は、ステップS22で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS23)。すなわち、制御装置101は、検出装置100が車輪51から取り外されたか否かを判定する。
【0080】
制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内でない場合(ステップS23でNO)、処理をステップS21に戻す。制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内である場合(ステップS23でYES)、検出装置100の制御モードを送信モードから省電力モードに切り替える(ステップS24)。
図9におけるステップS22,S23は、
図6における処理S22,S23とそれぞれ対応する。
図9におけるステップS22,S23,S24は、
図8における処理S22,S23,S24とそれぞれ対応する。
【0081】
このように、制御装置101は、送信モードから省電力モードに切り替える条件が満たされたか否かを加速度センサ103の検出値に基づいて判定する。具体的には、制御装置101は、
図8を参照して、タイミングTm22において取得された検出値が+1G近傍の範囲であり、タイミングTm23において取得された検出値が0Gの範囲となるという条件を満たしたとき、省電力モードから送信モードに切り替える。送信モードから省電力モードに切り替える条件は、本開示における「第2条件」に対応し得る。タイミングTm22は、本開示における「第4タイミング」に対応し得る。タイミングTm23は、本開示における「第5タイミング」に対応し得る。
図8における1G近傍の範囲は、「第4範囲」に対応し得る。
図8における0G近傍の範囲は、「第5範囲」に対応し得る。
【0082】
[実施の形態2]
実施の形態1では、加速度センサ103が一軸の加速度を検出するセンサであり、加速度センサ103の検出値が予め定められた条件で1回変化することに基づいて、検出装置100の制御モードを切り替える構成を説明した。
【0083】
実施の形態2においては、加速度センサ103が2軸の加速度を検出するセンサであって、加速度センサ103の検出値が予め定められた条件で複数回変化することに基づいて、検出装置100の制御モードを切り替える構成について説明する。さらに、実施の形態2では、省電力モードと送信モードとの間の切り替わりにおいて、操作検出モードを介して切り替わる。なお、実施の形態2の検出装置100が有する構成について、実施の形態1の検出装置100と重複する構成の説明については繰り返さない。
【0084】
図10は、実施の形態2における車輪51に取り付けられていない検出装置100を示す図である。
図10に示されるように、実施の形態2における加速度センサ103は、第1方向に加えて、第2方向の加速度を検出する。第1方向は面Sf22の法線方向である。第2方向はZ軸方向および第1方向と直交する方向である。
図4の例では、第2方向は、X軸の正方向である。実施の形態2では、制御装置101は、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルの大きさ(スカラー量)を、加速度センサ103の検出値として算出する。地球の重力はZ軸方向に対して生じるため、
図10の状態において、実施の形態2における加速度センサ103の検出値(第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルの大きさ(スカラー量))は、0G近傍となる。
【0085】
図11は、実施の形態2における車輪51に取り付けられている検出装置100を示す図である。
図11の例では、第1方向は車輪51の径方向である。第1方向および第2方向は、XZ平面に沿った方向であって、互いに直交する。これにより、検出装置100およびナットN11の回転角にかかわらず、第1方向の加速度および第2方向の加速度の合成ベクトルの大きさは、1G近傍になる。すなわち、実施の形態2では、マーカMk1を用いずとも、検出装置100が車輪51に取り付けられたとき、加速度センサ103の検出値は1G近傍になる。
【0086】
このように実施の形態2では、第1方向および第2方向の2軸の加速度が検出可能である。第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルは、
図11におけるXZ平面に沿う方向の合成ベクトルである。一方で、
図10において、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルは、XZ平面と直交するXY平面に沿う方向の合成ベクトルである。第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルが沿う方向の平面は、本開示における「第1平面」に対応し得る。すなわち、
図11の例では、XZ平面は、本開示の「第1平面」に対応し得る。
【0087】
なお、加速度センサ103は、第1方向および第2方向に加えて第3方向を検出する3軸の加速度が検出可能であってもよい。第3方向は、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルが沿う方向の平面と直交する方向であることが望ましい。
図11の例では、第3方向は、たとえばY軸の正方向である。
図11の例では、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルは、XZ平面に沿う方向の合成ベクトルである。一方で、第3方向の加速度と第2方向の加速度の合成ベクトルは、XY平面に沿う方向の合成ベクトルである。3軸の加速度を有する例において、
図11のXZ平面は、本開示の「第1平面」に対応し得る。また、
図11のXY平面は、本開示の「第2平面」に対応し得る。
【0088】
<実施の形態2における省電力モードから送信モードへの切り替え>
図12は、実施の形態2における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理を説明するための図である。
【0089】
上述の実施の形態1では、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲から+1G近傍の範囲に変化したという条件を満たしたとき、検出装置100の制御モードが省電力モードから送信モードに切り替えられた。実施の形態2においては、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲から1G近傍の範囲に変化して、さらに、0G近傍の範囲へと変化したという条件を満たしたとき、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられる。
【0090】
すなわち、実施の形態1では、加速度センサ103の検出値が1回変化したことに基づいて、検出装置100の制御モードを切り替えたが、実施の形態2では、加速度センサ103の検出値が予め定められた条件で2回変化したことに基づいて、検出装置100の制御モードを切り替える。なお、加速度センサ103の検出値が変化する回数は、2回に限られず、たとえば、3回、5回、10回などの他の回数であってもよい。
【0091】
実施の形態2では、検出装置100が非装着状態、装着状態、非装着状態の順番で変化することにより、制御モードが省電力モードから送信モードに切り替えられる。実施の形態2においては、たとえば、検出装置100の梱包箱の表面、説明書等に、検出装置100を送信モードに制御するための手順として、検出装置100の向きを変化させることが記載されている。より具体的には、当該注意書きには、加速度センサ103の検出値を0G近傍、1G近傍、0G近傍の順番で変化する検出装置100の向きの順番が記載されている。これにより、ユーザは、当該注意書きを見て検出装置100を手に持ち、手順に従って検出装置100の向きを変化させる。
【0092】
これにより、実施の形態2の検出装置100は、実施の形態1と同様に、特殊な装置を用いることなく、検出装置100の制御モードを切り替えることができる。さらに、実施の形態1と比較して、実施の形態2における制御モードを切り替える条件は、条件が成立するために必要となる加速度センサ103の変化の回数が多い。これにより、検出装置100の工場から出荷されて車輪51に装着されるまでの間において、制御モードが意図せずに送信モードとなることを抑制できる。換言すれば、実施の形態2では、制御モードを切り替える条件が複雑化することによって、誤動作の発生を抑制できる。
【0093】
図12では、タイミングTm31aまで非装着状態であり、タイミングTm31aからタイミングTm35aまで装着状態であり、タイミングTm35aからタイミングTm37aまで非装着状態であり、タイミングTm37a以降は装着状態となる方向に検出装置100の向きがユーザによって変えられる例が示されている。
【0094】
タイミングTm31において制御装置101は、処理S5として加速度センサ103の検出値を取得する。すなわち、加速度センサ103における2軸の加速度の合成ベクトルの大きさを、加速度センサ103の検出値として取得する。制御装置101は、処理S5の終了とともに処理S6を実行する。制御装置101は、処理S6において、取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であると判定する。
【0095】
取得した加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内ではないと判定する場合、制御装置101は、省電力モードへの制御を継続する。制御装置101は、タイミングTm31から期間Dr1が経過したタイミングTm32において、再度、処理S5と処理S6を実行する。
【0096】
制御装置101は、タイミングTm32にて、再度、加速度センサ103の検出値を取得する。タイミングTm32において、鉛直方向に対する検出装置100の方向は、ユーザによって、装着状態のときの検出装置100の方向と同様の方向に変えられる。そのため、加速度センサ103の検出値は、1G近傍となる。
【0097】
処理S6において、タイミングTm32の処理S5にて取得した加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内であると判定される。すなわち、制御装置101は、制御モードを切り替えるために加速度センサ103の検出値の予め定められた複数回の変化のうちの1回目の変化が満たされたと判定する。
【0098】
実施の形態2において、制御装置101は、予め定められた複数回の変化のうちの1回目の変化が満たされたと判定するとき、検出装置100の制御モードを第1操作検出モードに制御する。第1操作検出モードとは、車輪状態を示す情報を含む電波を送信せず、送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を、省電力モードよりも高い頻度で繰り返すモードである。
【0099】
図12の例では、制御装置101は、送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を、期間Dr3ごとに繰り返している。期間Dr3は、期間Dr1よりも短い期間であって、たとえば、1秒、3秒、5秒などの期間である。期間Dr3は、本開示における「第3期間」に相当し得る。
【0100】
このように、第1操作検出モードでは期間Dr1よりも短い期間Dr3ごとに送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かが判定されることによって、制御装置101はユーザの操作を円滑に検出することができる。すなわち、実施の形態2の検出装置100では、第1操作検出モードが設けられていることによって、省電力モードから送信モードに切り替えることに要する時間が短くなる。
【0101】
図12に示されるように、タイミングTm32において、制御装置101は、1G近傍の加速度センサ103の検出値を取得する。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを省電力モードから第1操作検出モードへと切り替える。処理S31は、検出装置100の制御モードを省電力モードから第1操作検出モードに切り替える処理である。処理S31を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0102】
図12に示されているように、第1操作検出モードでは、期間Dr3が経過するごとに処理S33および処理S34が実行されている。処理S33は、加速度センサ103の検出値を取得する処理である。処理S34は、処理S33で取得した加速度センサ103の検出値が送信モードに制御する範囲内か否かを判定する処理である。より具体的には、処理S34において制御装置101は、処理S33で取得した検出値が0G近傍の範囲内であるかを判定する。処理S33,S34を実行するために必要な最大消費電力は、それぞれ電力Pw3,Pw2である。
【0103】
図12に示されるように、タイミングTm36において、制御装置101は、0G近傍の加速度センサ103の検出値を取得する。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを第1操作検出モードから送信モードへと切り替える。処理S35は、検出装置100の制御モードを第1操作検出モードから送信モードに切り替える処理である。処理S35を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0104】
処理S35の実行が終了したとき、検出装置100は、送信モードに切り替えられた旨をユーザに報知してもよい。たとえば、検出装置100は、図示しないスピーカを有しており、電子音を出力してもよい。また、検出装置100は、図示しないライトを有しており、当該ライトを点滅させてもよい。これにより、ユーザは、自身が行った操作が適切に行われ、検出装置100が送信モードに切り替えられたことを把握できる。
図12の例において、送信モードに切り替えられた検出装置100は、タイミングTm37aにおいて車輪51に装着される。さらに、処理S35の実行が終了したときに検出装置100は、鉛直方向に対する第1方向と第2方向との向きを算出する処理などの車輪51の状態を検出するための処理を行ってもよい。
【0105】
実施の形態2では処理S35が実行されたことによって、タイミングTm37から検出装置100の状態は「送信モード」となる。このように、実施の形態2では、制御装置101は、予め定められた手順で加速度センサ103が複数回変化するという条件を満たしたとき、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられる。具体的には、制御装置101は、タイミングTm31において取得された検出値が0G近傍の範囲であり、タイミングTm32において取得された検出値が1G近傍の範囲になり、かつ、タイミングTm36において検出値が0G近傍の範囲になるという条件を満たしたことによって、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられる。
【0106】
実施の形態2における省電力モードから送信モードに切り替えられる条件は、本開示における「第1条件」に対応し得る。タイミングTm31は、本開示における「第1タイミング」に対応し得る。タイミングTm32は、本開示における「第2タイミング」に対応し得る。タイミングTm36は、本開示における「第3タイミング」に対応し得る。
図12のタイミングTm31における0G近傍の範囲は、本開示における「第1範囲」に相当し得る。
図12のタイミングTm32における1G近傍の範囲は、本開示における「第2範囲」に相当し得る。
図12のタイミングTm31における0G近傍の範囲は、本開示における「第3範囲」に相当し得る。
【0107】
このように実施の形態2における検出装置100は、実施の形態1と同様に、加速度センサ103の検出値に基づいて車輪状態の検出結果を送信すべき期間か否かを判定して、制御されるべき制御モードを判定する。これにより、実施の形態2の検出装置100でも、特殊な装置を用いることなく、制御モードの切り替えを行うことができる。
【0108】
図13は、実施の形態2における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
図13に示されるフローチャートは、記憶部20にプログラムとして記憶され、制御装置101によって実行される。
図13に示されるフローチャートは、工場にて電源部102が取り付けられ、制御装置101に対する通電が開始したときに実行される。
【0109】
図13におけるステップS1~S6の処理は、
図7におけるステップS1~S6の処理と同一の処理であるため、説明を繰り返さない。ステップS6において、制御装置101は、加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内である場合(ステップS6でYES)、検出装置100の制御モードを省電力モードから第1操作検出モードに切り替える(ステップS31)。
【0110】
制御装置101は、期間Dr3をカウントするためにタイマ22をスタートし、期間Dr3が経過したか否かを判定する(ステップS32)。期間Dr3が経過していない場合(ステップS32でNO)、制御装置101は、ステップS32の処理を繰り返す。期間Dr3が経過した場合(ステップS32でYES)、制御装置101は、期間Dr3をカウントするためのタイマ22をリセットして、加速度センサ103の検出値を取得する(ステップS33)。
【0111】
制御装置101は、ステップS33で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS34)。制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内である場合(ステップS34でYES)、検出装置100の制御モードを第1操作検出モードから送信モードに切り替える(ステップS35)。
【0112】
加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内でない場合(ステップS34でNO)、第1操作検出モードの終了期間に到達したか否かを判定する(ステップS36)。第1操作検出モードの終了期間とは、第1操作検出モードが継続可能な最大期間である。第1操作検出モードの終了期間に到達することによって、制御装置101は、第1操作検出モードを強制的に終了させる。これにより、実施の形態2の検出装置100では、第1操作検出モードに制御された状態のまま放置され、消費電力が増大してしまうことを抑制できる。第1操作検出モードの終了期間は、たとえば、30秒、1分、または5分などの期間である。
【0113】
第1操作検出モードの終了期間に到達していない場合(ステップS36でNO)、制御装置101は、処理をステップS32に戻す。第1操作検出モードの終了期間に到達した場合(ステップS36でYES)、制御装置101は、処理をステップS1に戻す。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを、第1操作検出モードから省電力モードに切り替える。
【0114】
<実施の形態2における送信モードから省電力モードへの切り替え>
図12、
図13では、省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードの切り替えについて説明した。続いて、
図14、
図15では送信モードから第2操作検出モードを介した省電力モードへの切り替えについて説明する。
【0115】
上述の実施の形態1では、加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲から0G近傍の範囲に変化したという条件を満たしたとき、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられた。実施の形態2においては、加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲から0G近傍の範囲に変化して、さらに、1G近傍の範囲へと変化したという条件を満たしたとき、検出装置100の制御モードは省電力モードから送信モードに切り替えられる。
【0116】
すなわち、実施の形態2では、加速度センサ103の検出値が予め定められた条件で2回変化したことに基づいて、検出装置100の制御モードを切り替える。なお、加速度センサ103の検出値が変化する回数は、2回に限られず、2回以上の回数であれば、たとえば、3回、5回、10回などの他の回数であってもよい。
【0117】
図14は、実施の形態2における送信モードから第2操作検出モードを介した省電力モードへの切替処理を説明するための図である。
図14では、タイミングTm41において検出装置100が送信モードに制御されている。検出装置100は、タイミングTm42aにおいて車輪51から取り外され、非装着状態となる。また、タイミングTm47aにおいて、ユーザによって検出装置100の向きが変えられて、検出装置100の向きは、装着状態と同様の向きとなる。
【0118】
図14に示されるように、制御装置101は、タイミングTm41において処理S22の実行を開始する。制御装置101は、処理S22の終了とともに、処理S23を実行する。処理S23において、制御装置101は、タイミングTm41にて取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内ではないと判定する。すなわち、制御装置101は、省電力モードに切り替えずに送信モードを継続する。制御装置101は、処理S22と処理S23との実行を繰り返す。
【0119】
制御装置101は、タイミングTm43にて、加速度センサ103の検出値を取得する。タイミングTm43において、検出装置100は、既に車輪51から取り外されている。そのため、加速度センサ103の検出値は0G近傍となる。制御装置101は、処理S23において、タイミングTm43にて取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であると判定する。
【0120】
制御装置101は、検出装置100の制御モードを送信モードから第2操作検出モードに切り替える。第2操作検出モードとは、車輪状態を示す情報を含む電波を送信し、制御モードが切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を、送信モードよりも高い頻度で繰り返すモードである。
【0121】
図14の例では、制御装置101は、送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理を、期間Dr4ごとに繰り返している。期間Dr4は、期間Dr2よりも短い期間であって、たとえば、0.01秒、0.05秒、または0.5秒などの期間である。期間Dr4は、本開示における「第4期間」に相当し得る。
【0122】
図14に示されるように、タイミングTm43において、制御装置101は、0G近傍の加速度センサ103の検出値を取得する。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを送信モードから第2操作検出モードへと切り替える。処理S41は、検出装置100の制御モードを送信モードから第2操作検出モードに切り替える処理である。処理S41を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0123】
図14に示されているように、第2操作検出モードでは、期間Dr3が経過するごとに処理S43および処理S44が実行されている。処理S43は、加速度センサ103の検出値を取得し、ナットN11が緩んでいるか否かを示す情報を無線通信にて送信する処理である。処理S43を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw4である。処理S44は、処理S43で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるかを判定する処理である。処理S43を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0124】
図14の例では、第2操作検出モードにおいて期間Dr4が経過するごとに、制御装置101は、送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理に加えて、車輪状態を示す情報を電波として送信する送信処理を行っている。ある局面では、第2操作検出モードにおける当該送信処理が行われる頻度は、送信モードにおける当該送信処理が行われる頻度と同じ頻度であってもよい。すなわち、第2操作検出モードにおいて送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かの判定処理が行われる頻度が、送信モードにおける当該判定処理が行われる頻度よりも高ければよい。
【0125】
このように、第2操作検出モードでは、期間Dr2よりも短い期間Dr4ごとに送信モードに切り替えられる条件が満たされたか否かを判定することによって、ユーザの操作を円滑に検出することができる。すなわち、実施の形態2の検出装置100では、第2操作検出モードが設けられていることによって、省電力モードから送信モードに切り替えることに要する時間が短くなる。
【0126】
図14に示されるように、タイミングTm48において、制御装置101は、1G近傍の加速度センサ103の検出値を取得する。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを第2操作検出モードから省電力モードへと切り替える。処理S45は、検出装置100の制御モードを第2操作検出モードから省電力モードに切り替える処理である。処理S45を実行するために必要な最大消費電力は、電力Pw2である。
【0127】
処理S45が実行されたことによって、タイミングTm49から検出装置100の状態は省電力モードとなる。ユーザは、タイミングTm49aにおいて、検出装置100を非装着状態の向きに変化させる。
【0128】
図15は、実施の形態2における送信モードから第2操作検出モードを介した省電力モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
図15に示されるフローチャートは、記憶部20にプログラムとして記憶され、制御装置101によって実行される。
図15に示されるフローチャートは、
図13のステップS35において検出装置100の制御モードが送信モードに切り替わったことに基づいて実行される。
【0129】
図15におけるステップS21~S23の処理は、
図9におけるステップS21~S26の処理と同一の処理であるため、説明を繰り返さない。ステップS23において、制御装置101は、ステップS22で取得した加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0130】
制御装置101は、加速度センサ103の検出値が0G近傍の範囲内である場合(ステップS23でYES)、検出装置100の制御モードを送信モードから第2操作検出モードに切り替える(ステップS41)。制御装置101は、期間Dr4をカウントするためにタイマ22をスタートし、期間Dr4が経過したか否かを判定する(ステップS42)。
【0131】
期間Dr4が経過していない場合(ステップS42でNO)、制御装置101は、ステップS42の処理を繰り返す。期間Dr4が経過した場合(ステップS42でYES)、制御装置101は、期間Dr4をカウントするためのタイマ22をリセットして、加速度センサ103の検出値を取得し、車輪51の状態を示す情報を電波として送信する(ステップS43)。続いて、制御装置101は、ステップS43で取得した加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内であるか否かを判定する(ステップS44)。
【0132】
制御装置101は、加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内である場合(ステップS44でYES)、検出装置100の制御モードを第2操作検出モードから省電力モードに切り替える(ステップS45)。
【0133】
加速度センサ103の検出値が1G近傍の範囲内でない場合(ステップS44でNO)、第2操作検出モードの終了期間に到達したか否かを判定する(ステップS46)。第2操作検出モードの終了期間とは、第2操作検出モードが継続可能な最大期間である。第2操作検出モードの終了期間に到達することによって、制御装置101は、第2操作検出モードを強制的に終了させる。これにより、実施の形態2の検出装置100では、第2操作検出モードに制御された状態で放置され、消費電力が増大してしまうことを抑制できる。第2操作検出モードの終了期間は、たとえば、30秒、1分、または5分などの期間である。
【0134】
第2操作検出モードの終了期間に到達していない場合(ステップS46でNO)、制御装置101は、処理をステップS42に戻す。第2操作検出モードの終了期間に到達した場合(ステップS46でYES)、制御装置101は、処理をステップS21に戻す。すなわち、制御装置101は、検出装置100の制御モードを、第2操作検出モードから送信モードに切り替える。
【0135】
このように、
図15では、加速度センサ103が予め定められた手順で複数回変化するという条件を満たしたとき、送信モードから省電力モードに切り替えられる。当該条件は、本開示における「第2条件」に対応し得る。タイミングTm42は、本開示における「第4タイミング」に対応し得る。タイミングTm43は、本開示における「第5タイミング」に対応し得る。タイミングTm48は、本開示における「第6タイミング」に対応し得る。
図14のタイミングTm42における1G近傍の範囲は、「第4範囲」に対応し得る。
図14のタイミングTm43における0G近傍の範囲は、「第5範囲」に対応し得る。
図14のタイミングTm48における1G近傍の範囲は、「第6範囲」に対応し得る。
【0136】
[実施の形態3]
実施の形態2では、加速度センサ103の検出値が予め定められた条件で2回変化することに基づいて検出装置100の制御モードを切り替える構成を説明した。実施の形態2における2回目の変化の条件は、検出値が1G近傍の範囲から0G近傍の範囲に変化することであった。
【0137】
実施の形態3においては、2回目の変化の条件が車輪51の回転に伴う遠心力成分を含んでいるか否かである構成について説明する。なお、実施の形態3の検出装置100が有する構成について、実施の形態1および実施の形態2の検出装置100と重複する構成の説明については繰り返さない。
【0138】
図16は、実施の形態3における省電力モードから第1操作検出モードを介した送信モードへの切替処理のフローチャートを示す図である。
図16に示されるフローチャートは、記憶部20にプログラムとして記憶され、制御装置101によって実行される。
図16に示されるフローチャートは、工場にて電源部102が取り付けられ、制御装置101に対する通電が開始したときに実行される。
【0139】
図16のフローチャートは、
図13のフローチャートのステップS34をステップS51に代えたものである。以下では、
図16のステップS51以外のステップについての説明を省略する。制御装置101は、検出装置100が車輪51に装着された後、ステップS51にて、加速度センサ103の合成ベクトルの大きさが5G以上となるか否かを判定する(ステップS51)。
【0140】
車両10が走行し、車輪51が回転すれば、検出装置100には遠心力が発生する。加速度センサ103の検出方向である第1方向および第2方向のいずれか一方は、遠心力の影響を受ける。すなわち、車輪51が回転すると、加速度センサ103の検出値は増大する。実施の形態3の例では、制御装置101は、加速度センサ103の検出値が5G以上であると判定するとき、制御モードを送信モードに切り替える。なお、ステップS51における閾値は、5Gに限られず、たとえば、3G、7G、10Gであってもよい。
【0141】
このように、実施の形態3では、検出装置100が車輪51に装着された後に、車両10の走行が開始することによって、制御モードが省電力モードから送信モードへと切り替わる。これにより、実施の形態3では、ユーザに特別な手順を実行させることなく、検出装置100の制御モードを切り替えることができる。また、実施の形態3における検出装置100は、実施の形態1と同様に、特殊な装置を用いることなく、加速度センサ103の検出値から制御モードを切り替えることができる。なお、実施の形態3では、第1操作検出モードが設けられていなくてもよい。すなわち、制御装置101は、ステップS32において、ステップ4と同様に期間Dr1ごとに制御モードを切り替える条件が成立したか否かを判定してもよい。
【0142】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0143】
以上に説明した例示的な実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例である。
(第1項) 本開示の一態様による検出装置は、物体に取り付けられ、物体に関する情報を検出する。検出装置は、少なくとも1軸以上の加速度を検出する加速度センサと、加速度センサの検出値を取得する制御装置と、制御装置に電力を供給する電源部とを備える。制御装置は、少なくとも加速度センサを稼働可能な電力が電源部より供給される送信モードと、送信モードよりも電源部から供給される電力の消費が小さい省電力モードとに制御可能であり、省電力モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、送信モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間よりも短い第2期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信し、省電力モードに制御されている状態で取得した加速度センサの検出値が第1条件を満たしたことに基づいて、省電力モードから送信モードへと切り替える。
【0144】
上記態様によれば、加速度センサを用いて物体に関する情報を検出する検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることができる。
【0145】
(第2項) 第1項の検出装置において、加速度センサ103は、第1方向および第2方向の2軸の加速度を検出可能であって、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルである第1合成ベクトルの大きさを検出値として検出し、第1合成ベクトルは、第1平面に沿う方向の合成ベクトルであり、第1条件は、第1合成ベクトルの大きさが変化することである。
【0146】
上記態様によれば、制御装置101は、検出装置100が車輪51に取り付けられる回転角にかかわらず、装着状態の加速度センサ103の検出値を一定とすることができる。
【0147】
(第3項) 第1項の検出装置において、加速度センサは、第1方向、第2方向、および第3方向を含む3軸以上の加速度を検出可能であって、第1方向の加速度と第2方向の加速度との合成ベクトルである第1合成ベクトルの大きさ、および、第1方向または第2方向の加速度と第3方向の加速度との合成ベクトルである第2合成ベクトルの大きさを検出値として検出し、第1合成ベクトルは、第1平面に沿う方向の合成ベクトルであり、第2合成ベクトルは、第1平面と直交する第2平面に沿う方向の合成ベクトルであり、第1条件は、第1合成ベクトルの大きさおよび第2合成ベクトルの大きさが変化することである。
【0148】
上記態様によれば、装着状態または非装着状態を3方向の加速度から検出することができ、重力方向に対する検出装置100の向きをより確実に取得することができる。
【0149】
(第4項) 第1項~第3項の検出装置において、第1条件は、省電力モード中の第1タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第1範囲内であり、第1タイミングから第1期間が経過した後の第2タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第2範囲内となることである。
【0150】
上記態様によれば、制御装置101は、加速度センサ103の検出値の変化に基づき制御モードを切り替えることができる。
【0151】
(第5項) 第1項~第3項の検出装置において、第1条件は、第1タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第1範囲内であり、第1タイミングから第1期間が経過したときの第2タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第2範囲内であり、かつ、第2タイミング後の第3タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第3範囲内となることである。
【0152】
上記態様によれば、制御装置101は、加速度センサ103の検出値の変化に基づき制御モードを切り替えることができ、さらに、手順が複雑化することによって誤動作の発生を抑制できる。
【0153】
(第6項) 第1項~第5項のいずれか1項の検出装置において、制御装置は、加速度センサの検出値を第1期間よりも短い第3期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信しない第1操作検出モードに制御可能であり、第1タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第1範囲内であり、第2タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第2範囲内であるときに省電力モードから第1操作検出モードへと切り替え、第1操作検出モードは、省電力モードよりも電源部から供給される電力の消費が大きく、送信モードよりも電源部から供給される電力の消費が小さいモードである。
【0154】
上記態様によれば、制御装置101は、ユーザの操作を早期に検出することができる。
(第7項) 第1項~第6項のいずれか1項の検出装置において、加速度センサを格納するための筐体をさらに備える。筐体には、検出装置が物体に取り付けられるべき方向を、鉛直方向を基準として示すマーカが付されている。
【0155】
上記態様によれば、制御装置101は、検出装置100が取り付けられるべき方向をユーザに把握させることができる。
【0156】
(第8項) 第1項~第8項のいずれか1項の検出装置において、制御装置は、送信モードに制御されている状態で取得した加速度センサの検出値が第2条件を満たす場合、送信モードから省電力モードへと切り替える。
【0157】
上記態様によれば、加速度センサを用いて物体に関する情報を検出する検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることができる。
【0158】
(第9項) 第8項のいずれか1項の検出装置において、第2条件は、送信モード中の第4タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第4範囲内であり、第4タイミングから第2期間が経過した後の第5タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第5範囲内となることである。
【0159】
上記態様によれば、制御装置101は、加速度センサ103の検出値の変化に基づき制御モードを切り替えることができる。
【0160】
(第10項) 第8項のいずれか1項の検出装置において、第2条件は、第4タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第4範囲内であり、第4タイミングから第2期間が経過したときの第5タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第5範囲内であり、かつ、第5タイミング後の第6タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第6範囲内となることである。
【0161】
上記態様によれば、制御装置101は、加速度センサ103の検出値の変化に基づき制御モードを切り替えることができ、さらに、手順が複雑化することによって誤動作の発生を抑制できる。
【0162】
(第11項) 第10項のいずれか1項の検出装置において、制御装置は、加速度センサの検出値を第2期間よりも短い第4期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信する第2操作検出モードに制御可能であり、第4タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第4範囲内であり、第5タイミングにおいて取得された加速度センサの検出値が第5範囲内であるときに送信モードから第2操作検出モードへと切り替える。
【0163】
上記態様によれば、制御装置101は、ユーザの操作を早期に検出することができる。
(第12項) 制御方法は、物体に取り付けられ、物体に関する情報を検出する検出装置の制御方法である。検出装置は、少なくとも1軸以上の加速度を検出する加速度センサと、加速度センサの検出値を取得する制御装置と、制御装置に電力を供給する電源部とを備える。制御装置は、少なくとも加速度センサを稼働可能な電力が電源部より供給される送信モードと、送信モードよりも前記電源部から供給される電力の消費が小さい省電力モードとに制御可能であり、省電力モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信せず、送信モードにおいて、加速度センサの検出値を第1期間よりも短い第2期間ごとに取得し、物体の状態を示す情報を外部機器へ送信する。制御方法は、省電力モードに制御されている状態で加速度センサの検出値を取得するステップと、取得した加速度センサの検出値が第1条件を満たしたか否かを判定するステップと、第1条件が満たされたと判定する場合、省電力モードから送信モードへと切り替えるステップとを含む。
【0164】
上記態様によれば、加速度センサを用いて物体に関する情報を検出する検出装置において、特殊な装置を用いることなく、制御モードを切り替えることができる。
【符号の説明】
【0165】
10 車両、20 記憶部、21 処理部、22 タイマ、51,52 車輪、100 検出装置、101 制御装置、102 電源部、103 加速度センサ、201 表示装置、221 ホイール穴、243 ワッシャ、250 ボルト、250a ホイールハブ、A2 アンテナ、CT 送信回路、Dr1~Dr4 期間、FR 方向、Gr1 平面、Hs1 筐体、Mk1 マーカ、N11~N15,N21~N25 ナット、Op1 開口、Pw1~Pw4 電力。