(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113998
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報コード取得方法、情報コード取得装置、及び情報コード取得プログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/12 20060101AFI20240816BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20240816BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G06K7/12
G06K19/06 140
G06K7/14 017
G06K19/06 037
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019331
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 晃幸
(57)【要約】
【課題】対象物の表面色によらず対象物に形成された情報コードを取得できる情報コード取得方法、情報コード取得装置、及び情報コード取得プログラムを提供する。
【解決手段】対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得方法であって、当該方法は、対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、各分光波長の分光画像に基づいて、対象物に情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、解析された情報コードを出力する出力ステップと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得方法であって、
前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、
各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、
解析された前記情報コードを出力する出力ステップと、
を含む、情報コード取得方法。
【請求項2】
前記コード判定ステップは、前記分光画像取得ステップで、1つの分光波長の前記分光画像が取得される毎に実施され、前記情報コードが含まれると判定された場合に、前記分光画像取得ステップを終了させる、
請求項1に記載の情報コード取得方法。
【請求項3】
前記コード判定ステップにおいて、第一の分光波長の分光画像に対して前記情報コードが含まれないと判定した場合、次の前記分光画像取得ステップで、前記第一の分光波長とは異なる第二の分光波長に切り替えて前記分光画像を取得する、
請求項2に記載の情報コード取得方法。
【請求項4】
前記分光画像取得ステップは、所定の測定波長域に対して、前記分光波長を第一波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得し、前記コード判定ステップで、前記測定波長域に対して一巡の前記分光波長の切り替えにより得られた前記分光画像のいずれにおいても前記情報コードを含まれないと判定された場合に、次の前記分光画像取得ステップにおいて、前記分光波長を前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得する、
請求項3に記載の情報コード取得方法。
【請求項5】
前記コード判定ステップは、前記分光画像に前記情報コードが含まれるか否か、及び前記情報コードが含まれない場合に、前記情報コードに類似する特徴形状が含まれるか否かをさらに判定し、
前記分光画像取得ステップは、所定の測定波長域に対して、前記分光波長を第一波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得し、前記コード判定ステップで、前記特徴形状が含まれると判定された場合に、当該特徴形状が含まれると判定された前記分光画像の前記分光波長を中心とした所定の第一波長域に対して、前記分光波長を前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得する、
請求項3に記載の情報コード取得方法。
【請求項6】
前記分光画像取得ステップは、
所定の測定波長域に対して、第一波長間隔で前記分光波長を切り替えて複数の前記分光画像を取得する第一分光画像取得ステップと、
前記第一分光画像取得ステップで得られた複数の前記分光画像に基づいて、前記対象物の表面色を判定する表面色判定ステップと、
前記測定波長域のうちの前記表面色に応じた第二波長域に対して、前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で前記分光波長を切り替えて複数の前記分光画像を取得する第二分光画像取得ステップと、を含み、
前記コード判定ステップは、前記第二分光画像取得ステップで得られた前記分光画像に基づいて前記情報コードの有無を判定する、
請求項1に記載の情報コード取得方法。
【請求項7】
前記コード判定ステップは、前記分光画像を、前記情報コードを解析する解析部に入力し、前記解析部からエラーが返された場合に、前記分光画像に前記情報コードが含まれないと、判定する、
請求項1に記載の情報コード取得方法。
【請求項8】
対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得装置であって、
前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得部と、
前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定部と、
前記情報コードを解析する解析部と、
前記情報コードを解析して出力する出力部と、
を備える、情報コード取得装置。
【請求項9】
対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する、コンピューターにより読み取り実行可能な情報コード取得プログラムであって、
前記コンピューターに、
前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、
各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、
前記情報コードを解析して出力する出力ステップと、
を実施させる、情報コード取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード取得方法、情報コード取得装置、及び情報コード取得プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品にQRコード(登録商標)やバーコード等の情報コードを形成することがある。一般的には、このような情報コードは、RGBカメラで撮像した撮像画像において認識し易くするために、下地色とは異なる色で情報コードを形成して、情報コードが下地色に埋もれないように表示する。
また、このような情報コードを、特殊なインキを用いて情報コードを形成するものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、少なくとも2種以上の顔料や染料等の色材を、それぞれの濃度を変調して混合した混合色材を形成し、その混合色材における各色材の配合比に情報を持たせた情報コードが開示されている。また、情報コードの解析方法として、分光測定装置を用いて情報コードの分光反射率を測定し、分光反射率から混合色材に含まれる各色材の配合比を算出する。そして、算出された配合比が、所定の配合比に一致するか否かにより、情報コードが真であるか偽であるかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来の情報コードは、一般に、RGBカメラでの視認性向上のために、下地とは異なる色により形成するが、この場合、製品のデザイン性が損なわれてしまう。
一方、特許文献1のような特殊なインクを用いる場合、製品の下地色に合わせて情報コードの色を合わせることでデザイン性の低下を抑制可能である。しかしながら、特許文献1の技術は、色材の配合比に情報を持たせるものであり、同一の情報を埋め込むためには、配合比も同一にしなければいけない。よって、下地色が異なる複数種の製品に同一の情報コードを形成する場合、下地の色によっては、情報コードが目立つ色になり、やはり、デザイン性が損なわれてしまう。また、特許文献1の技術は、顔料や染料に固有の分光反射率を加算した際に、配合比に応じた分光反射率が得られることで、情報を持たせたものであり、例えばディスプレイに表示する画像等に対しては、当該情報コードを埋め込むことができない。
上記のような問題から、物品だけでなく、ディスプレイに表示される画像などの、いかなる対象物に対しても形成でき、対象物のデザイン性を損なうことがない情報コードとして、対象物の表面色に対して人の目で判別不可能な色差で形成された情報コードが考えられている。そして、対象物の表面色によらず対象物に形成された情報コードを適切に取得できる情報コード取得方法、情報コード取得装置、及び情報コード取得プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一態様に係る情報コード取得方法は、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得方法であって、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、解析された前記情報コードを出力する出力ステップと、を含む。
【0006】
本開示の第二態様の情報コード取得装置は、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得装置であって、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得部と、前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定部と、前記情報コードを解析する解析部と、前記情報コードを解析して出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示の第三態様の情報コード取得プログラムは、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する、コンピューターにより読み取り実行可能な情報コード取得プログラムであって、前記コンピューターに、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、前記情報コードを解析して出力する出力ステップと、を実施させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一実施形態の情報コード取得装置の一例を示す模式図。
【
図3】第一実施形態の情報コード取得方法を示すフローチャート。
【
図4】第二実施形態の情報コード取得方法を示すフローチャート。
【
図6】第三実施形態の情報コード取得方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第一実施形態]
以下、本開示の第一実施形態に係る情報コード取得装置について説明する。
図1は、本実施形態の情報コード取得装置の一例を示す模式図である。
この情報コード取得装置1は、対象物Wに形成された情報コード(例えばQRコード(登録商標)やバーコード等)を解析する装置である。ここで、本実施形態では、対象物Wの複数の分光波長に対する分光画像を撮像し、これらの分光画像から情報コードを含む分光画像を判定し、情報コードを解析する。
したがって、対象物Wとして、製品の表面色(下地色)に対して、人の目では確認できない程度の色差の情報コードが形成されていたとしても、特定の分光波長の分光画像を解析することで情報コードを読み取ることができる。言い換えると、本実施形態の情報コード取得装置1を用いることで、対象物に対して人の目で認識できるようなデザイン性を損なう情報コードを形成する必要がなく、製品のデザインの自由度を向上させることができる。
以下、このような情報コード取得装置1について詳細に説明する。
【0010】
情報コード取得装置1は、
図1に示すように、撮像部10と、情報処理部20と、等を備えている。
ここで、情報コード取得装置1は、撮像部10と、情報処理部20とが別体として構成され、有線接続または無線接続により通信可能に接続されていてもよい。この場合、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型装置を撮像部10とし、インターネットを介して携帯型装置と通信するサーバー装置を情報処理部20とする構成が例示できる。
また、情報コード取得装置1として、撮像部10及び情報処理部20が1つの装置内に組み込まれる構成としてもよい。この場合、分光カメラ11を備える撮像部10を搭載したスマートフォンやタブレット端末等を例示できる。
【0011】
[撮像部10の構成]
撮像部10は、対象物Wの分光画像を撮像する装置であり、
図1に示すように、分光カメラ11と、カメラ制御部12とを備える。
分光カメラ11は、分光素子111と、撮像素子112と、図示略の光学レンズを含んで構成されており、対象物Wから光学レンズと介して入射した画像光が、分光素子111に入射し、分光素子111で所定の分光波長の光が透過し、撮像素子112で結像されて撮像される。
分光素子111としては、撮像素子13に向かって透過させる光の分光波長を切り替え可能な素子であり、例えば、波長可変型のファブリーペローエタロン等を用いることができる。ファブリーペローエタロンは、1対のミラーを対向配置させ、これらのミラー間で入射光を多重反射させて、干渉により強め合った所定の分光波長の光を透過させる素子である。このようなファブリーペローエタロンでは、例えば静電アクチュエーター等のアクチュエーター素子でミラー間のギャップを変化させることで、分光波長を切り替えることができる。
なお、分光素子111としては、上記のようなファブリーペローエタロンに限定されるものではなく、例えば、AOTF(Acousto-Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid crystal tunable filter)等を用いてもよい。
【0012】
撮像素子112は、分光素子111により分光された所望の分光波長を中心とした光を受光し、分光画像を撮像する。撮像素子13としては、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の一般的なイメージセンサーを用いることができる。
【0013】
カメラ制御部12は、例えば、分光素子111を制御する分光制御回路121、及び撮像素子112を制御する撮像制御回路122、分光カメラ11の全体動作を制御するマイコン123、各種データを記憶するカメラメモリー124等を備えて構成されている。
分光制御回路121は、マイコン123の制御により、分光素子111に所定の駆動電圧を印加して、分光素子111で分光させる分光波長を切り替える。
撮像制御回路122は、マイコン123の制御により、撮像素子112を駆動させ、各画素の受光量に応じた画像信号をマイコン123に出力する。
マイコン123は、分光制御回路121を制御することで、分光素子111での分光波長を切り替え、撮像制御回路122を制御することで、撮像素子112から画像信号を取得する。そして、撮像素子112から入力された画像信号に基づいて、分光画像(画像データ)を生成する。
カメラメモリー124は、分光素子111等を制御するための各種データを記録する。例えば、分光素子111で分光させる光の各分光波長に対する、分光素子111に出力する制御信号(駆動電圧値)等を駆動テーブルデータとして記録する。
なお、スマートフォン等の1台の装置により撮像部10と情報処理部20とが一体に構成されている場合、カメラメモリー124は設けられていなくてもよい。この場合、後述する記憶部23に、駆動テーブルデータ等の各種データを記録しておけばよい。
【0014】
[情報処理部20の構成]
情報処理部20は、上述したように、撮像部10と通信可能なサーバー装置等のコンピューターにより構成されてもよく、撮像部10と一体的に構成されるスマートフォンやタブレット端末等のコンピューターにより構成されてもよい。情報処理部20は、
図1に示すように、表示部21と、通信部22と、記憶部23と、1つ又は複数のプロセッサー24と、を少なくとも備える。また、図示は省略するが、情報処理部20には、キーボードやタッチパネル等により構成される入力操作部や、スピーカーやマイク等の音声入出力部等が設けられてもよい。
【0015】
表示部21は、情報を表示させる装置であり、例えば情報コードCが形成された対象物Wの撮像画像を表示させたり、情報コードの解析結果を表示させたりする。
通信部22は、撮像部10と通信し、インターネット等の通信手段を介して外部機器と通信する。
【0016】
記憶部23は、メモリーやハードディスク等により構成された情報記憶装置である。
記憶部23に記憶される情報としては、情報処理部20により情報コードを取得及び解析するための情報コード取得プロブラムを含む各種プログラム、各種プログラムを実行する際に用いられる各種データ等が挙げられる。
各種データとしては、例えば、撮像部10で撮像される分光画像データ等が挙げられる。また、上述したように、記憶部23に、分光素子111を制御するための駆動テーブルデータが記録されていてもよい。
【0017】
プロセッサー24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路や記憶回路により構成され、記憶部23に記憶された情報コード取得プログラムを読み込み実行することで、分光画像取得部241、コード判定部242、解析部243、及び出力部244として機能する。
【0018】
分光画像取得部241は、撮像部10に対して、所定の分光波長の分光画像の取得を指令して、撮像部10から分光画像を受信する。この分光画像取得部241は、
図1に示すように、波長シフト設定部241Aと、撮像指令部241Bとして機能する。
【0019】
波長シフト設定部241Aは、撮像部10で撮像する分光画像の分光波長を設定する。
ここで、本実施形態では、分光画像取得部241は、1つの分光波長(第一の分光波長)の分光画像を取得すると、その分光画像を後述するコード判定部242に入力し、コード判定部242に情報コードが含まれるか否かを判定させる。そして、情報コードが含まれると判定された場合に、対象物Wに対する他の分光波長の分光画像の取得は行わない。つまり、分光画像の取得を終了する。一方、コード判定部242により情報コードが含まれないと判定された場合、分光画像取得部241は、撮像部10で撮像させる分光画像の分光波長を、前記第一の分光波長から、第一の分光波長とは異なる第二の分光波長に切り替えて、分光画像を撮像させる。この際、波長シフト設定部241Aは、第一の分光波長から、第二の分光波長に切り替えるときの波長間隔(波長シフト量)を設定する。
【0020】
また、本実施形態では、分光画像取得部241は、予め設定された測定波長域に対して、分光波長を漸減または漸増させる。例えば、測定波長域に含まれる所定の最長波長から、波長シフト設定部241Aで設定された波長シフト量で分光波長を漸減させてもよく、測定波長域に含まれる所定の最短波長から、波長シフト設定部241Aで設定された波長シフト量で分光波長を漸増させてもよい。そして、測定波長域に対して分光波長を順次切り替えて、測定波長域に対して一巡の分光波長の切り替えを行ったときに、コード判定部242でいずれの分光画像にも情報コードが含まれないと判定された場合、波長シフト設定部241Aは、次の分光波長の設定時に、波長シフト量を減少させる。つまり、測定波長域に対して第一波長間隔で分光波長を切り替えて分光画像を撮像した後、再度、測定波長域に対して、第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で分光波長を切り替えて分光画像を撮像する。
ここで、本実施形態において、所定の波長域に対する一巡の分光波長の切り替え処理、例えば最長波長から最短波長までの分光波長の切り替え処理を1回の走査として、以降説明する。
また、本実施形態における波長シフト量の減少値は、特に限定されず、測定波長域を1走査する毎に、予め設定された値だけ波長シフト量を減少してもよく、予め設定された割合だけ波長シフト量を減少してもよい。
【0021】
撮像指令部241Bは、波長シフト設定部241Aにより設定された波長シフト量に基づいて、撮像部10で撮像させる分光画像の分光波長を設定し、撮像部10に分光画像を撮像する旨の撮像指令信号を出力する。
【0022】
コード判定部242は、分光画像取得部241で取得した分光画像に情報コードが含まれるか否かを判定する。
コード判定部242による情報コードの判定方法としては、例えば記憶部23に、情報コードの種類毎の判定基準を記憶しておき、撮像画像が判定基準をクリアしたか否かを判定すればよい。
【0023】
解析部243は、コード判定部242により判定された情報コードの解析を行う。各情報コードの解析方法は公知技術を利用でき、ここでの説明は省略する。
出力部244は、解析部243により解析された情報コードの内容を表示部21に表示させる。
【0024】
[情報コード取得方法]
次に、本実施形態の情報コード取得装置1における情報コード取得方法について説明する。
本実施形態の情報コード取得装置1では、対象物Wの表面色に対して色差が非常に小さく、人の目により判別が不可能な情報コードが形成されている場合でも読み取ることが可能となり、無論、表面色に対して十分に大きい色差の情報コードも読取可能である。
図2は、情報コードを有する対象物Wの一例を示す図である。
例えば、
図2に示す例の対象物Wでは、領域Aの部分に、対象物Wの表面色(下地色)に対して、人の目により認識できない色差により情報コードが形成されている。
図2の領域Aに形成された情報コードCは、対象物Wの表面色(下地色)との色差が極めて小さく、人の目により判別することが困難である。したがって、対象物Wの情報コードCが目立たず、情報コードCによって対象物Wのデザイン性が損なわれることがない。また、このような情報コードCを用いることで、対象物Wに情報を埋め込みつつ、対象物Wのデザイン性の自由度を向上させることができる。
一方、このような情報コードCは、通常のRGBカメラを用いて撮像した撮像画像では、隣接画素の輝度差も小さくなり、エッジ検出処理によって情報コードCのエッジ(境界)を判定することも困難となる。したがって、RGBカメラの撮像画像では、適切に情報コードを読み取ることができない。これに対して、本実施形態では、以下の方法により、情報コードを読み取る。
【0025】
図3は、情報コード取得方法を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザーにより情報コードを取得する旨の入力操作が実施されると、分光画像取得部241の波長シフト設定部241Aは、スイープ回i、及び測定回jを初期化する(ステップS1)。ここで、スイープ回iは、測定波長域に対する走査数を示す変数であり、測定回jは、1走査における測定回を示す変数である。本実施形態では、i=1,j=1の場合の分光波長λ
j、つまり、初期の分光波長λ
1は、予め設定されており、測定波長域における最長波長とする。なお、詳細は後述するが、j=2以降では、分光波長λ
jは、スイープ回iにより変動する。また、各波長シフト量ΔΛ
i(i=1,2,3・・・)は予め設定されているが、スイープ回iが増大するにつれて、波長シフト量の絶対値|ΔΛ
i|が漸減する。本実施形態では、測定波長域に対して最大波長から分光波長を漸減させるため、波長シフト量ΔΛ
1は負の値に設定される。
【0026】
次に、撮像指令部241Bは、設定された分光波長λjに切り替えて分光画像を撮像する旨の撮像指令を撮像部10に出力し、分光波長λjの分光画像を取得する(ステップS2)。本実施形態では、初回の測定は、上述のように、i=1,j=1であり、分光波長λ1は予め設定された測定波長域における最長波長である。
ステップS2では、撮像指令を受信した撮像部10のマイコン123は、分光制御回路121及び撮像制御回路122を制御して、分光波長λに対応する分光画像を撮像する。
つまり、分光制御回路121は、カメラメモリー124から分光波長λに対応する駆動電圧を読み込み、当該駆動電圧を分光素子111に印加し、分光素子111から分光波長λの光が分光されて撮像素子112に入射する。なお、本実施形態では、カメラメモリー124に駆動テーブルデータが記憶されるが、上述したように、記憶部23に駆動テーブルデータが記憶されていてもよい。この場合。撮像指令部241Bは、分光波長λに対応する駆動電圧の値を撮像部10に出力すればよい。これにより、分光制御回路121は、指令された駆動電圧を分光素子111に印加する。
また、撮像制御回路122は、撮像素子112を露光制御し、各画素での受光量に応じた受光信号から画像データを形成する。
この際、マイコン123は、図示略の光学レンズを制御し、対象物Wのピントを合わせるピンと調整処理を実施してもよい。
【0027】
次に、コード判定部242は、ステップS2で得られた分光画像に、情報コードが含まれるか否かを判定する(ステップS3:コード判定ステップ)。
例えば、コード判定部242は、分光画像における隣接画素の輝度差に基づいて、画像内に含まれるエッジを検出し、検出されたエッジの形状が情報コードの判定基準を満たすか否かを判定する。なお、情報コードの種類毎の判定基準は、記憶部23に予め記憶しておけばよい。例えば、QRコードの場合、3つの四角形のシンボルマークと、アライメントパターンとが正確に読み取れる場合に、判定基準を満たすと判定する。また、バーコードの場合では、黒線及び白線の線幅(モジュール数)を読み取るため、これらの黒線及び白線の境界(エッジ)が読み取れるか否かを判定すればよい。
【0028】
ステップS3においてNOと判定される場合、つまり、情報コードが検出できない場合、分光画像取得部241の波長シフト設定部241Aは、分光波長λjを再設定する。
具体的には、波長シフト設定部241Aは、測定回jに1を加算し(ステップS4)、次に撮像する分光画像の分光波長λjを、λj=λj-1+ΔΛiとして仮算出し(ステップS5)、仮算出されたλjが測定波長域以内であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0029】
ステップS6でYESと判定される場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが測定波長域内である場合、ステップS2に戻る。したがって、新たに設定された分光波長λjでの分光画像が撮像され、情報コードの有無が判定される。
一方、ステップS6でNOの場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが測定波長域外である場合、スイープ回iに1を加算する(ステップS7)。そして、スイープ回iが予め設定された上限値iMAXを超えるか否かを判定し(ステップS8)、ステップS8においてNOと判定される場合、測定回jを初期化(j=1)して(ステップS9)、ステップS2に戻る。
つまり、本実施形態では、ステップS5で新たに算出される分光波長λjが測定波長域外である場合に、再び、測定波長域における最長波長である初期の分光波長λ1に戻し、再び測定波長域内を走査する。この際、前回の測定波長域に対する走査と比較して、波長シフト量ΔΛiが小さい値に設定されることになり、より精細な情報コードの探索が実施される。すなわち、本実施形態では、測定波長域に対して一巡の分光波長の切り替え(1走査毎)により得られた分光画像のいずれにおいても情報コードを含まれない場合に、より精細な探索を実施するように、分光波長λjの間隔が細かく設定されるようになる。ステップS1,ステップS2、ステップS4からステップS8は本開示の分光画像取得ステップに相当する。
【0030】
なお、ステップS8でYESと判定される場合、分光波長λjを細かく区切って分光画像を取得した場合でも、情報コードが見つからなかったことを意味する。この場合、出力部244は、情報コードが見つからなかった旨の出力情報を出力して処理を終了する。例えば、表示部21にメッセージや画像として、情報コードが見つからなかった旨を出力してもよく、音声により出力してもよい。
【0031】
また、ステップS3でYESと判定される場合、つまり、分光画像に情報コードが含まれると判定された場合、解析部243による情報コードの解析を実施する(ステップS10)。
例えば、記憶部23に各情報コードに対する解析方法を記憶しておき、解析部243は、情報コードに対応した解析方法を実施する。例えば、QRコードでは、シンブルマークやアライメントマークの位置に対して所定の方向に沿って白または黒ドットを読み込み、その並び順に基づいてURL等の情報を解析する。また、バーコードでは、各白黒バーの線幅に基づいて情報を解析する。なお、QRコードやバーコードは、世間一般で広く利用された情報コードであり、その解析を行うアプリケーション等の一般的に公開されている。解析部243は、このようなアプリケーションを用いて情報コードを解析すればよい。
また、解析部243は、情報コードを解析する専用の外部サーバー装置にインターネット等を介して送信し、外部サーバー装置から解析結果を受信するようにしてもよい。
【0032】
そして、解析部243による情報コードの解析が成功した場合(ステップS11:YES)、出力部244は、解析結果を表示部21に表示させる(ステップS12:出力ステップ)。
一方、解析部243により情報コードが解析できなかった場合、つまり、解析部243からエラーが返された場合(ステップS11:NO)、ステップS4に進む。すなわち、解析部243による解析が失敗した場合、適正な情報コードが検出できていない可能性があり、他の分光波長λjの分光画像による情報コードの判定を再度実施する。
【0033】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の情報コード取得装置1は、撮像部10と情報処理部20とを備え、情報処理部20は、記憶部23と、プロセッサー24とを備える。プロセッサー24は記憶部23に記憶された情報コード取得プログラムを読み込み実行することで、分光画像取得部241、コード判定部242、解析部243、及び出力部244として機能する。分光画像取得部241は、対象物Wに対する複数の分光波長λjの分光画像を取得する。コード判定部242は、分光画像に基づいて対象物Wに情報コードが含まれるか否かを判定する。出力部244は、解析部243で解析した情報コードを出力する。
そして、本実施形態では、分光画像取得部241が対象物Wに対する複数の分光波長λjの分光画像を取得する分光画像取得ステップ(ステップS2~S3、ステップS4~ステップS8)、コード判定部242が分光画像に基づいて対象物Wに情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップ(ステップS3)、出力部244が解析した情報コードを出力する出力ステップ(ステップS12)と、を実施する。
【0034】
本実施形態では、対象物Wに人の目により判別不可能な色差の情報コードが形成されていたとしても、複数の分光波長に対する分光画像のそれぞれに基づいて対象物Wに含まれる情報コードを判定する。これにより、対象物Wの表面色に人の目で判別できない小さい色差で形成された情報コードでも判定することが可能となる。
すなわち、対象物Wの表面色に人の目で判別できない小さい色差で形成された情報コードは、例えばRGBカメラによる撮像画像に基づいて情報コードを判定することは困難である。しかしながら、対象物Wの下地色と情報コードの色とに僅かな色差がある場合、例えば吸収波長等の特徴波長に差が生じる。したがって、本実施形態のように、複数の分光波長に対する分光画像から、情報コードを判定する場合、対象物Wの下地色と情報コードの色との僅かな色差があれば、それぞれの特徴波長が異なり、対応する分光画像を用いて適切に情報コードを判定することが可能となる。
これに加え、本実施形態では、対象物Wに対して顔料や染料等を用いて情報コードが形成された製品だけでなく、ディスプレイ等に表示される画像であっても、対象物Wに情報コードが含まれるか否かを適正に判定することができる。
また、本実施形態の情報コード取得装置1、または情報コード取得方法を用いる場合、対象物Wの表面色(下地色)に対して、人の目で判別できない色差で形成された情報コードを形成した場合でも、その情報コードを判定し、解析することができる。したがって、対象物Wのデザイン性を損なうことなく、対象物Wに情報コードを形成することが可能となる。
【0035】
本実施形態では、コード判定部242は、1つの分光波長λjの分光画像が取得される毎にコード判定ステップ(ステップS3)を実施する。そして、分光画像に情報コードが含まれると判定された場合に、以降の分光画像を取得する分光画像ステップを終了させる。
これにより、情報コードの解析が可能な分光画像の取得後に、他の分光画像を取得する必要がなく、全ての分光波長λjの分光画像を取得する必要がない。したがって、情報コードの判定及び解析に係る時間を短縮することができる。
【0036】
本実施形態では、ステップS3のコード判定ステップにおいて、コード判定部242は、第一の分光波長(分光波長λj-1)の分光画像に対して情報コードが含まれないと判定した場合、次のステップS2の分光画像取得ステップで、第一の分光波長(分光波長λj-1)とは異なる第二の分光波長(分光波長λj=λj-1+ΔΛi)に切り替えて分光画像を取得する。
【0037】
このように、順次分光波長λjを切り替えて分光画像を取得し、情報コードの有無を判定することで、全ての分光画像を取得することなく情報コードを探索することができ、情報コードの判定及び解析に係る時間を短縮することができる。
【0038】
本実施形態では、分光画像取得部241は、予め設定された測定波長域に対して、所定の波長シフト量ΔΛi(第一波長間隔)で切り替えて分光画像を取得する。そして、ステップS3のコード判定ステップにおいて、測定波長域に対して一巡の分光波長λjの切り替え(1走査)により得られた分光画像のいずれにおいても情報コードを含まれないと判定された場合に、ステップS7において、スイープ回iに1を加算する。すなわち、次の走査で、波長シフト量ΔΛi(第一波長間隔)が、より小さい波長シフト量ΔΛi+1(第二波長間隔)で切り替えて分光画像を取得する。
【0039】
すなわち、本実施形態では、測定波長域に対する走査が終了する毎に、分光波長λjを切り替える際の波長シフト量ΔΛiを小さくする。これにより、より細かい波長間隔の分光画像が取得され、情報コードを含む分光画像の探索効率を向上させることができる。
【0040】
本実施形態では、ステップS10において、解析部243による情報コードの解析を実施し、解析できなかった場合(エラーが返された場合)に、情報コードが含まれないと判定して、ステップS4に戻り、次の分光波長λiに対する分光画像の取得を行う。
情報コードがあると判定された場合でも、その情報コードの解析ができなかった場合、分光画像に適正な情報コードが含まれていない可能性がある。これに対して、本実施形態では、情報コードの解析がエラーとなった場合に、分光波長を変えて再度分光画像を取得して情報コードの判定及び解析を行うことができる。
【0041】
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、測定波長域に対する1回の走査が終了する毎に、波長シフト量を漸減させることで、より精細な情報コードの判定を行う例を示した。
これに対して、本実施形態では、測定波長域に対する1回の走査を実施した際に、情報コードが判定されないものの、その情報コードの特徴に類似する特徴形状が含まれると判定された場合に、その位置を中心とした精細探索を実施する点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、本実施形態の基本的な構成は、
図1に示す第一実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施形態では、プロセッサー24が情報コード取得プログラムを読み込み実行することで機能する分光画像取得部241の動作が第一実施形態と異なるため、分光画像取得部241の動作について主に説明する。
【0042】
図4は、第二実施形態の情報コード取得方法を示すフローチャートであり、
図5は、
図4の精細探索処理S20を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザーにより情報コードを取得する旨の入力操作が実施されると、分光画像取得部241の波長シフト設定部241Aは、第一実施形態のステップS1と同様、スイープ回i、及び測定回jを初期化する。
【0043】
次に、撮像指令部241Bは、第一実施形態と同様ステップS2を実施して、分光波長λjに対する分光画像を取得し、コード判定部242は、第一実施形態のステップS3と同様、分光画像に情報コードが含まれるか否かを判定する。ステップS3でYESと判定される場合は、ステップS10に進む。
本実施形態では、ステップS3において、分光画像に情報コードが含まれないと判定された場合(ステップS3:NO)、さらに、コード判定部242は、分光画像に情報コードの特徴と類似する特徴形状が含まれるか否かを判定する(ステップS21)。
情報コードの特徴と類似する特徴形状とは、例えば、情報コードの特徴がぼやけて表示されている場合等である。上述したように、コード判定部242は、分光画像における隣接画素の輝度差に基づいてエッジを検出するが、輝度差が小さい場合、エッジ部分が明確に検出できないため、適正に情報コードをできない。しかしながら、情報コードの特徴に類似する特徴形状の判定は可能である。例えば、QRコードでは、3つの四角形のシンボルマークと、アライメントパターンとが含まれる。これらのシンボルマークやアライメントパターンのエッジ部分が明確に判定できない場合でも、複数画素に跨って輝度変化が現れる部分を候補部分として判定できる。そして、コード判定部242は、これらの候補部分の位置関係がシンボルマークやアライメントマークの位置関係と一致している場合、これらの候補部分を特徴形状と見なす。
【0044】
ここで、ステップS21においてNOと判定される場合、つまり、上記のように、分光画像に特徴形状が含まれないと判定される場合、第一実施形態と同様の処理を実施する。
つまり、ステップS4からステップS9が実施され、測定波長域に対する1走査の探索が実施される毎に、分光波長λjの切り替え幅である波長シフト量ΔΛiを減少させていき、精細な情報コードの探索を実施する。
【0045】
一方、ステップS21においてYESと判定される場合、つまり、上記のように、分光画像に特徴形状が含まれると判定される場合、精細探索処理S20を実施する。
この精細探索処理S20では、
図5に示すように、波長シフト設定部241Aは、当該分光画像の分光波長λ
jを基準波長λ
Bとし、基準波長λ
Bを中心とした所定の波長範囲(第一波長域Z)を、次の探索範囲として設定する(ステップS22)。また、この時のスイープ回i、及び測定回jを復帰用スイープ回i
R、復帰用測定回j
Rとして記憶部23に記憶する。
第一波長域Zとしては、測定波長域よりも小さい範囲であり、例えば、所定の係数Kとして、第一波長域Zを、λ
B―K・ΔΛ
i≦Z≦λ
B+K・ΔΛ
iとして設定する。或いは、未探索となるλ
B未満の範囲を大きくして、λ
B―2K・ΔΛ
i≦Z≦λ
B+K・ΔΛ
i等に設定してもよい。
【0046】
そして、波長シフト設定部241Aは、スイープ回iに1を加算し、測定回jを初期化(j=1)し、波長シフト設定部241Aは、新たな分光波長λjを第一波長域Zにおける初期の分光波長λ1=(λB+K・ΔΛi―1)に設定する(ステップS23)。
この後、ステップS2と同様、撮像指令部241Bは、設定された分光波長λjに切り替えて分光画像を撮像する旨の画像撮像指令を撮像部10に指令して、分光画像を取得する(ステップS24)。
また、コード判定部242は、ステップS3と同様、ステップS24で得られた分光画像に、情報コードが含まれるか否かを判定する(ステップS25)。
【0047】
ステップS25において、情報コードが含まれると判定された場合(ステップS25:YES)、ステップS10に進み、情報コードの解析を実施する。
ステップS25において、情報コードが含まれないと判定された場合(ステップS25:NO)、ステップS4~ステップS6と同様、波長シフト設定部241Aは、測定回jに1を加算し(ステップS26)、次に撮像する分光画像の分光波長λjを、λj=λj-1+ΔΛiとして仮算出し(ステップS27)、仮算出されたλjが第一波長域Z内であるか否かを判定する(ステップS28)。
【0048】
ステップS28でYESと判定される場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが第一波長域Z内である場合、ステップS24に戻る。
一方、ステップS28でNOと判定される場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが第一波長域Z外である場合、スイープ回iに1を加算する(ステップS29)。そして、スイープ回iが予め設定された上限値iMAXを超えるか否かを判定し(ステップS30)、ステップS30においてNOと判定される場合、測定回jを初期化(j=1)して(ステップS31)、ステップS24に戻る。
つまり、本実施形態では、第一波長域Zに対して、第一実施形態と同様の処理を実施する。このため、第一実施形態に比べて、より狭い範囲で情報コードの探索が実施され、情報コードの探索に係る時間を短縮できる。
なお、ステップS30でYESと判定される場合は、記憶部23に記憶しておいた復帰用スイープ回iR、復帰用測定回jRを読み出し、i=iR、j=jR+1を設定して(ステップS32)、新たな分光波長λjを算出し(ステップS33)、ステップS6に進む。
【0049】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、コード判定ステップにおいて、分光画像に情報コードが含まれるか否かを判定し、情報コードが含まれない場合に、さらに、ステップS21で、情報コードに類似する特徴形状が含まれるか否かを判定する。そして、特徴形状が含まれると判定された場合に、ステップS22で、特徴形状が含まれると判定された分光画像の分光波長を基準波長λBとして、基準波長λBを中心とした第一波長域Zを設定する。また、ステップS23で、スイープ回iに1を加算して、波長シフト量ΔΛiをより小さい値に更新し、ステップS24で、第一波長域Zに対して、当該波長シフト量ΔΛiで分光波長λjを切り替えて分光画像を取得する。
【0050】
すなわち、本実施形態では、初回の走査により、情報コードの特徴波長に近い分光波長(基準波長λB)の分光画像が取得されると、その基準波長λBを中心として走査する波長域を第一波長域Zに絞り込む。これにより、全ての測定波長域に対して分光波長を順次し切り替えて分光画像を取得する場合に比べて、より迅速に情報コードを含む分光画像を探索することができる。
【0051】
[第三実施形態]
上記第一実施形態では、測定波長域に対する1回の走査が終了する毎に、波長シフト量を漸減させることで、より精細な情報コードの判定を行う例を示した。
これに対して、本実施形態では、対象物Wの表面色を最初に判定し、判定した表面色に基づいて、精細探索を実施する波長域を設定する点で上記第一実施形態と相違する。
なお、本実施形態の基本的な構成は、
図1に示す第一実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施形態では、プロセッサー24が情報コード取得プログラムを読み込み実行することで機能する分光画像取得部241の動作が第一実施形態と異なるため、分光画像取得部241の動作について主に説明する。
【0052】
図6は、第三実施形態における情報コード取得方法を示すフローチャートであり、
図7は、
図6の精細探索処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ユーザーにより情報コードを取得する旨の入力操作が実施されると、分光画像取得部241の波長シフト設定部241Aは、第一実施形態のステップS1と同様、スイープ回i、及び測定回jを初期化する。
【0053】
次に、撮像指令部241Bは、第一実施形態と同様ステップS2を実施して、分光波長λjに対する分光画像を取得し、コード判定部242は、第一実施形態のステップS3と同様、分光画像に情報コードが含まれるか否かを判定する。
ここで、ステップS3においてYESと判定される場合、第一実施形態と同様、ステップS10に進む。
【0054】
ステップS3においてNOと判定される場合、分光画像取得部241は、ステップS4からステップS6の処理を実施し、波長シフト設定部241Aは、測定回jに1を加算して、次の分光波長λjをλj=λj-1+ΔΛiとして仮算出し、仮算出されたλjが測定波長域以内であるか否かを判定する。
【0055】
ここで、スイープ回i=1の時の波長シフト量ΔΛ1は、本開示の第一波長間隔に相当し、スイープ回i=1での走査での分光画像を得るステップ(ステップS6でNOと判定されるまでのステップS2~ステップS6のループ)は、本開示の第一分光画像取得ステップに相当する。そして、本実施形態は、特に対象物Wの下地色と情報コードの色との色差が人の目に判別できない程度の小さい値である場合に有効な情報コード取得装置であり、ステップS6でNOと判定されて1走査の分光画像取得が終わると、対象物Wの表面色(下地色)に基づいた精細探索処理S40を実施する。
【0056】
精細探索処理S40では、
図7に示すように、分光画像取得部241は、スイープ回i=1の初回の走査で得られた各分光波長の分光画像に基づいて、対象物Wの表面色(下地色)の分光反射率を算出する(ステップS41)。
そして、分光画像取得部241は、ステップS41で算出された分光反射率から、下地色の特徴波長λ
C(吸収波長)を検出する(ステップS42:表面色判定ステップ)。
この後、波長シフト設定部241Aは、特徴波長λ
Cを中心とした所定の波長範囲(第二波長域Y)を、次の探索範囲として設定する(ステップS43)。
第二波長域Yとしては、測定波長域よりも小さい範囲であり、例えば、所定の係数Kとして、第二波長域Yを、λ
C―K・ΔΛ
1≦Z≦λ
C+K・ΔΛ
1として設定する。
【0057】
そして、波長シフト設定部241Aは、スイープ回iに1を加算し、測定回jを初期化(j=1)し、波長シフト設定部241Aは、新たな分光波長λjを第二波長域Yにおける最長波長(λC+K・ΔΛ1)に設定する(ステップS44)。
この後、ステップS2と同様、撮像指令部241Bは、設定された分光波長λjに切り替えて分光画像を撮像する旨の画像撮像指令を撮像部10に指令して、分光画像を取得する(ステップS45)。
また、コード判定部242は、ステップS3と同様、ステップS35で得られた分光画像に、情報コードが含まれるか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において、情報コードが含まれると判定された場合(ステップS46:YES)、ステップS10に進み、情報コードの解析を実施する。
ステップS46において、情報コードが含まれないと判定された場合(ステップS46:NO)、ステップS4~ステップS6と同様、波長シフト設定部241Aは、測定回jに1を加算し(ステップS47)、次に撮像する分光画像の分光波長λjを、λj=λj-1+ΔΛiとして仮算出し(ステップS48)、仮算出されたλjが第二波長域Y内であるか否かを判定する(ステップS49)。
【0058】
ステップS49でYESと判定される場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが第二波長域Y内である場合、ステップS45に戻る。
一方、ステップS49でNOと判定される場合、つまり、新たに算出された分光波長λjが第二波長域Y外である場合、スイープ回iに1を加算し(ステップS50)、スイープ回iが予め設定された上限値iMAXを超えるか否かを判定し(ステップS51)、ステップS51においてNOと判定される場合、測定回jを初期化(j=1)して(ステップS52)、ステップS45に戻る。
つまり、本実施形態では、対象物Wの表面色に基づいた第二波長域Yに対して、第一実施形態と同様の処理を実施する。このため、第一実施形態に比べて、より狭い範囲で情報コードの探索が実施され、情報コードの探索に係る時間を短縮できる。
なお、ステップS51でYESと判定される場合は、ステップS42の特徴波長λCが他にあるか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS53においてYESと判定される(他の特徴波長λCがある)場合、次の特徴波長λCに基づくステップS43の処理に進む。ステップS53において、NOと判定される場合は、出力部244は、情報コードが見つからなかった旨の出力情報を出力して処理を終了する。
【0059】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、初回の走査において、第一波長間隔(初期波長シフト量ΔΛ1)で分光波長λjを切り替えて、情報コードを含む分光画像が取得できなかった場合、初回の走査により得られた分光画像に基づいて、対象物Wの表面色(下地色)の分光反射率を算出し、分光反射率から下地色の特徴波長λC(吸収波長)を検出し、特徴波長λCを中心とした第二波長域Yを設定する。また、ステップS44で、スイープ回iに1を加算して、波長シフト量ΔΛiをより小さい値に更新し、ステップS35で、第二波長域Yに対して、更新した波長シフト量ΔΛiで分光波長λjを切り替えて分光画像を取得する。
【0060】
このような本実施形態では、対象物Wの表面色に対して色差が大きい情報コードが形成されている場合、初回の走査によって、情報コードが判定可能な分光画像が得られる。一方、対象物Wの表面色に対して色差が小さい情報コードが形成され、1回目の走査で情報コードを含む分光画像を探索できなかった場合に、対象物Wの表面色の特徴波長λCを中心とした第二波長域Yに絞り込む。これにより、全ての測定波長域に対して分光波長を順次し切り替えて分光画像を取得する場合に比べて、より迅速に情報コードを含む分光画像を探索することができる。
【0061】
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
【0062】
(変形例1)
上記第一実施形態では、測定波長域の最長波長を初期の分光波長λ1とし、波長シフト量ΔΛiが負の値として、測定波長域に対する各走査で、測定毎に分光波長を漸減させた。
これに対して、測定波長域の最短波長を初期の分光波長λ1とし、波長シフト量ΔΛiを正の値として、測定波長域に対する各走査で、測定毎に分光波長を漸増させてもよい。第二実施形態及び第三実施形態においても同様であり、第一波長域Zや第二波長域Yに対して、分光波長λjを漸増させてもよい。
【0063】
(変形例2)
また、上記第一実施形態では、波長シフト量ΔΛiが負の値であるとしたが、スイープ回iによって異なる符号(正又は負)であってもよい。
つまり、上記第一実施形態では、測定波長域において、最大波長である初期の分光波長λ1から分光波長λjを漸減させていき、測定波長域を下回った場合に、再び初期の分光波長λ1に戻して、異なる波長シフト量で波長を漸減させた。
これに対して、ステップS5で測定波長域外と判定される場合に、分光波長λjを初期化せずに、分光波長λjを漸増させるように設定してもよい。つまり、分光波長λ1が測定波長域における最長波長である場合、スイープ回iが奇数の場合に波長シフト量ΔΛiを負の値とし、スイープ回iが偶数の場合に波長シフト量ΔΛiを正の値とし、かつ、iが増加するほど|ΔΛi|を漸減させるようにしてもよい。また、分光波長λ1が測定波長域における最短波長である場合、スイープ回iが奇数の場合に波長シフト量ΔΛiを正の値とし、スイープ回iが偶数の場合に波長シフト量ΔΛiを負の値とし、かつ、iが増加するほど|ΔΛi|を漸減させるようにしてもよい。
【0064】
測定波長域の最短波長から最長波長に戻す場合、または、最長波長から最短波長に戻す場合、分光波長のシフト量が大きくなることで駆動時間が増大する。これに対して、上記のように、最長波長または最短波長から分光波長を反転させることで、分光波長のシフト量を小さくでき、駆動時間の増大を抑制できる。
【0065】
[本開示のまとめ]
本開示の第一態様に係る情報コード取得方法は、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得方法であって、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、解析された前記情報コードを出力する出力ステップと、を含む。
【0066】
これにより、対象物に人の目により判別不可能な色差の情報コードが形成されていたとしても、複数の分光波長に対する分光画像のそれぞれに基づいて対象物に含まれる情報コードを判定することができる。すなわち、対象物の表面色に人の目で判別できない小さい色差で形成された情報コードでも判定することが可能となる。
これに加え、対象物に対して顔料や染料等を用いて情報コードが形成された製品だけでなく、ディスプレイ等に表示される画像であっても、対象物に情報コードが含まれるか否かを適正に判定することができる。
そして、このような情報コード取得方法により、対象物の表面色(下地色)に対して、人の目で判別できない色差で形成された情報コードを形成した場合でも、その情報コードを判定し、解析することができるので、対象物のデザイン性を損なうことなく、対象物に情報コードを形成することが可能となる。
【0067】
本態様の情報コード取得方法において、前記コード判定ステップは、前記分光画像取得ステップで、1つの分光波長の前記分光画像が取得される毎に実施され、前記情報コードが含まれると判定された場合に、前記分光画像取得ステップを終了させることが好ましい。
これにより、情報コードの解析が可能な分光画像の取得後に、他の分光画像を取得する必要がなく、情報コードの判定及び解析に係る時間を短縮することができる。
【0068】
本態様の情報コード取得方法において、前記コード判定ステップにおいて、第一の分光波長の分光画像に対して前記情報コードが含まれないと判定した場合、次の前記分光画像取得ステップで、前記第一の分光波長とは異なる第二の分光波長に切り替えて前記分光画像を取得することが好ましい。
これにより、全ての分光画像を取得することなく情報コードを探索することができ、情報コードの判定及び解析に係る時間を短縮することができる。
【0069】
本態様の情報コード取得方法において、前記分光画像取得ステップは、所定の測定波長域に対して、前記分光波長を第一波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得し、前記コード判定ステップで、前記測定波長域に対して一巡の前記分光波長の切り替えにより得られた前記分光画像のいずれにおいても前記情報コードを含まれないと判定された場合に、次の前記分光画像取得ステップにおいて、前記分光波長を前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得することが好ましい。
このように、測定波長域に対して一巡の分光波長の切り替え走査を行う毎に、分光波長を切り替える際の波長間隔を小さくすることで、探索初期では、測定波長域に対して情報コードを含む分光画像を探索できない場合でも、より精細な走査により情報コードを含む分光画像を探索することができる。
【0070】
本態様の情報コード取得方法において、前記コード判定ステップは、前記分光画像に前記情報コードが含まれるか否か、及び前記情報コードが含まれない場合に、前記情報コードに類似する特徴形状が含まれるか否かをさらに判定し、前記分光画像取得ステップは、所定の測定波長域に対して、前記分光波長を第一波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得し、前記コード判定ステップで、前記特徴形状が含まれると判定された場合に、当該特徴形状が含まれると判定された前記分光画像の前記分光波長を中心とした所定の第一波長域に対して、前記分光波長を前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で切り替えて前記分光画像を取得するようにしてもよい。
この場合、粗動走査によって情報コードが含まれるであろう分光画像の分光波長の範囲(第一波長域)を絞り込み、より精細な走査で情報コードを含む分光画像を見つけることができる。これにより、全ての測定波長域に対して分光波長を順次し切り替えて分光画像を取得する場合に比べて、より迅速に情報コードを含む分光画像を探索することができる。
【0071】
本態様の情報コード取得方法において、前記分光画像取得ステップは、所定の測定波長域に対して、第一波長間隔で前記分光波長を切り替えて複数の前記分光画像を取得する第一分光画像取得ステップと、前記第一分光画像取得ステップで得られた複数の前記分光画像に基づいて、前記対象物の表面色を判定する表面色判定ステップと、前記測定波長域のうちの前記表面色に応じた第二波長域に対して、前記第一波長間隔よりも短い第二波長間隔で前記分光波長を切り替えて複数の前記分光画像を取得する第二分光画像取得ステップと、を含み、前記コード判定ステップは、前記第二分光画像取得ステップで得られた前記分光画像に基づいて前記情報コードの有無を判定するようにしてもよい。
この場合では、第一分光画像取得ステップで、情報コードが含まれるであろう対象物の表面色の特徴波長近傍範囲(第二波長域)を絞り込んだうえで、より精細な走査で情報コードを含む分光画像を見つけることができる。これにより、全ての測定波長域に対して分光波長を順次し切り替えて分光画像を取得する場合に比べて、より迅速に情報コードを含む分光画像を探索することができる。
【0072】
本態様の情報コード取得方法において、前記コード判定ステップは、前記分光画像を、前記情報コードを解析する解析部に入力し、前記解析部からエラーが返された場合に、前記分光画像に前記情報コードが含まれないと、判定することが好ましい。
つまり、本態様では、情報コードが含まれると判定された場合でも、その情報コードが解析できない場合には、再び情報コードの探索に戻る。これにより、解析可能な情報コードを適切に探索することができる。
【0073】
本開示の第二態様の情報コード取得装置は、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する情報コード取得装置であって、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得部と、前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定部と、前記情報コードを解析する解析部と、前記情報コードを解析して出力する出力部と、を備える。
【0074】
これにより、第一態様の情報コード取得方法を実施することができ、対象物に人の目により判別不可能な色差の情報コードが形成されていたとしても、その情報コードを探索することができる。また、対象物として、顔料や染料等を用いて情報コードが形成された製品だけでなく、ディスプレイ等に表示される画像であっても、対象物に情報コードが含まれるか否かを適正に判定することができる。
そして、このような情報コード取得装置により、対象物の表面色(下地色)に対して、人の目で判別できない色差で形成された情報コードを形成した場合でも、その情報コードを判定し、解析することができるので、対象物のデザイン性を損なうことなく、対象物に情報コードを形成することが可能となる。
【0075】
本開示の第三態様の情報コード取得プログラムは、対象物の表面に対して人の目により判別不可能な色差で形成された情報コードを取得する、コンピューターにより読み取り実行可能な情報コード取得プログラムであって、前記コンピューターに、前記対象物に対する複数の分光波長の分光画像を取得する分光画像取得ステップと、各前記分光波長の前記分光画像に基づいて、前記対象物に前記情報コードが含まれるか否かを判定するコード判定ステップと、前記情報コードを解析して出力する出力ステップと、を実施させる。
これにより、コンピューターに第一態様の情報コード取得方法を実施させることができる。
【符号の説明】
【0076】
1…情報コード取得装置、10…撮像部、11…分光カメラ、12…カメラ制御部、13…撮像素子、20…情報処理部、21…表示部、22…通信部、23…記憶部、24…プロセッサー、111…分光素子、112…撮像素子、121…分光制御回路、122…撮像制御回路、123…マイコン、124…カメラメモリー、241…分光画像取得部、241A…波長シフト設定部、241B…撮像指令部、242…コード判定部、243…解析部、244…出力部、W…対象物。