(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113999
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】光学部材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 3/30 20060101AFI20240816BHJP
B29C 33/42 20060101ALI20240816BHJP
B29C 59/02 20060101ALI20240816BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240816BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240816BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B32B3/30
B29C33/42
B29C59/02 Z
H01L21/30 502D
G03F7/20 501
B32B15/08 M
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019332
(22)【出願日】2023-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】古川 正
(72)【発明者】
【氏名】今井 剛
(72)【発明者】
【氏名】足達 功太郎
【テーマコード(参考)】
2H197
4F100
4F202
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
2H197AA04
2H197HA08
4F100AA01B
4F100AA19B
4F100AA20B
4F100AA24B
4F100AB01B
4F100AB10B
4F100AB16B
4F100AK01A
4F100AK25A
4F100AK45A
4F100AK53A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100DD01A
4F100DD09A
4F100DD09B
4F100DD09C
4F100EH66B
4F100EJ30B
4F100EJ30C
4F100EJ39A
4F100EJ52C
4F100GB41
4F100JN06B
4F100JN17C
4F100JN26
4F202AA36
4F202AA44
4F202AB16
4F202AF01
4F202AG05
4F202AM32
4F202CA19
4F202CB01
4F202CD02
4F209AA44
4F209AF01
4F209AG05
4F209PA02
4F209PB01
4F209PN09
4F209PW37
4F209PW41
5F146AA31
(57)【要約】
【課題】用途や機能を適正に拡張できるパターン付き構造物の提供。
【解決手段】一実施の形態に係るパターン付き構造物1は、複数の凹部11を含むパター
ン12を有する基材10と、各凹部11から食み出さずに各凹部に設けられ、金属及び/
又は無機材料を含む機能層20と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹部を含むパターンを有する基材と、
各前記凹部から食み出さずに各前記凹部に設けられ、金属及び/又は無機材料を含む機
能層と、を備える、パターン付き構造物。
【請求項2】
前記機能層は、膜状であり、前記凹部を充填せず且つ前記凹部の内面に沿う状態で設け
られている、請求項1に記載のパターン付き構造物。
【請求項3】
前記凹部内において前記機能層と重なり、樹脂を含むキャップ部分をさらに備える、請
求項2に記載のパターン付き構造物。
【請求項4】
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パタ
ーン部分と、を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のパターン付き構造物。
【請求項5】
前記機能層は、前記凹状パターン部分及び前記段差部分に設けられている、請求項4に
記載のパターン付き構造物。
【請求項6】
前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の表面に
至る第2面とを含み、前記機能層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段差部分
の前記第1面とに設けられている、請求項5に記載のパターン付き構造物。
【請求項7】
複数の凹部を含むパターンを有する基材を準備する工程と、
各前記凹部及び前記基材における前記凹部がない部分が覆われるように、前記基材に金
属及び/又は無機材料を含む膜状の機能材料層を設ける工程と、
前記機能材料層に感光性のレジスト材料を設ける工程と、
前記レジスト材料を融解又は硬化させる光を照射する光源及び/又は前記レジスト材料
を積層した前記基材を移動させながら、前記レジスト材料に前記光源からの光を露光し、
前記レジスト材料のうちの融解された部分又は硬化されない部分を除去することで、前記
機能材料層を介して前記凹部の全体を覆うレジストパターンを前記レジスト材料から形成
する工程と、
前記機能材料層における前記レジストパターンで覆われる部分以外の部分を除去する工
程と、を備える、パターン付き構造物の製造方法。
【請求項8】
モールドと樹脂組成物とを接触させて、前記樹脂組成物を硬化させるインプリントによ
り、前記樹脂組成物から前記パターンを有する前記基材を形成する工程をさらに備える、
請求項7に記載のパターン付き構造物の製造方法。
【請求項9】
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パタ
ーン部分と、を含み、
前記レジストパターンは、前記凹状パターン部分及び前記段差部分を覆うように形成さ
れ、
前記機能材料層は、前記凹状パターン部分及び前記段差部分に残される、請求項7に記
載のパターン付き構造物の製造方法。
【請求項10】
前記レジストパターンを露光及び/又は焼成することにより、前記レジストパターンを
硬化させたキャップ部分を形成する工程をさらに備える、請求項7に記載のパターン付き
構造物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パターン付き構造物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パターン形成技術としてのフォトリソグラフィや、インプリントは、種々の分野で利用
されている。インプリントでは、モールドに形成された凹凸パターンが樹脂などの成形材
料に転写される。インプリントで用いるここで言うモールドは、樹脂基板や、石英基板な
どから形成されてもよい。モールドの凹凸パターンは、例えば旋盤などによる切削や、レ
ーザー加工、3Dプリント、フォトリソグラフィにより形成され得る。
【0003】
インプリントでは、成形材料にパターンを転写する際や、転写後に熱や紫外線などで材
料を硬化反応させる際、また成形材料からモールドを引き離す際に、モールドに、特に材
料界面等に応力が生じることがある。また、モールドは温度や湿度に応じて収縮すること
があり、その材質の線膨張係数などによる影響を受ける。これらのことに起因して、イン
プリントで転写される凹凸パターンには、歪みが生じることがある。したがって、インプ
リントにおいては、凹凸パターンを適正に転写するための技術がこれまでに種々提案され
ている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インプリントにより形成された凹凸パターンに対し、例えば金属膜をパターニングして
成膜した場合には、例えば二種の材料が混在することにより、得られる凹凸パターン付き
の部材の用途や機能が拡張され得る。
【0006】
ここで、上記金属膜のパターニングは、フォトリソグラフィで行われてもよい。しかし
ながら、インプリントによって転写された凹凸パターンが歪んでいる場合には、凹凸パタ
ーンと、フォトリソグラフィで用いるレクチルからの露光パターンとの相対位置がずれる
。その結果、金属膜を適正な位置に成膜できなくなる状況が生じ得る。よって、特に微細
パターンを有する凹凸パターンに更に追加的に機能を設けた適正な部材を提供することは
、これまで困難であった。
【0007】
本開示は上記事情からなされたものであり、その課題は、用途や機能を適正に拡張でき
るパターン付き構造物及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施の形態は、以下[1]~[10]に関連する。
【0009】
[1]複数の凹部を含むパターンを有する基材と、
各前記凹部から食み出さずに各前記凹部に設けられ、金属及び/又は無機材料を含む機
能層と、を備える、パターン付き構造物。
【0010】
[2] 前記機能層は、膜状であり、前記凹部を充填せず且つ前記凹部の内面に沿う状態
で設けられている、[1]に記載のパターン付き構造物。
【0011】
[3] 前記凹部内で前記機能層と重なり、樹脂を含むキャップ部分をさらに備える、[
1]又は[2]に記載のパターン付き構造物。
【0012】
[4] 前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹
状パターン部分と、を含む、[1]乃至[3]のいずれかに記載のパターン付き構造物。
【0013】
[5] 前記機能層は、前記凹状パターン部分及び前記段差部分に設けられている、[4
]に記載のパターン付き構造物。
【0014】
[6] 前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の
表面に至る第2面とを含み、前記機能層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段
差部分の前記第1面とに設けられている、[4]又は[5]に記載のパターン付き構造物
。
【0015】
[7] 複数の凹部を含むパターンを有する基材を準備する工程と、
各前記凹部及び前記基材における前記凹部がない部分が覆われるように、前記基材に金
属及び/又は無機材料を含む膜状の機能材料層を設ける工程と、
前記機能材料層に感光性のレジスト材料を設ける工程と、
前記レジスト材料を融解又は硬化させる光を照射する光源及び/又は前記レジスト材料
を積層した前記基材を移動させながら、前記レジスト材料に前記光源からの光を露光し、
前記レジスト材料のうちの融解された部分又は硬化されない部分を除去することで、前記
機能材料層を介して前記凹部の全体を覆うレジストパターンを前記レジスト材料から形成
する工程と、
前記機能材料層における前記レジストパターンで覆われる部分以外の部分を除去する工
程と、を備える、パターン付き構造物の製造方法。
【0016】
[8] モールドと樹脂組成物とを接触させて、前記樹脂組成物を硬化させるインプリン
トにより、前記樹脂組成物から前記パターンを有する前記基材を形成する工程をさらに備
える、[7]に記載のパターン付き構造物の製造方法。
【0017】
[9] 前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹
状パターン部分と、を含み、
前記レジストパターンは、前記凹状パターン部分及び前記段差部分を覆うように形成さ
れ、
前記機能材料層は、前記凹状パターン部分及び前記段差部分に残される、[7]又は[8
]に記載のパターン付き構造物の製造方法。
【0018】
[10] 前記レジストパターンを露光及び/又は焼成することにより、前記レジストパ
ターンを硬化させたキャップ部分を形成する工程をさらに備える、[7]乃至[9]のい
ずれかに記載のパターン付き構造物の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、用途や機能を適正に拡張できるパターン付き構造物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施の形態に係るパターン付き構造物の斜視図である。
【
図2】
図1に示すパターン付き構造物の断面図である。
【
図3】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、インプリント工程を説明する図である。
【
図4】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、インプリント工程を説明する図である。
【
図5】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、インプリント工程を説明する図である。
【
図6】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、機能材料層形成工程を説明する図である。
【
図7】
図1に示すパターン付き構造物の一例を説明する図であり、レジスト材料設置工程を説明する図である。
【
図8】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、レジストパターン形成工程を説明する図である。
【
図9】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、レジストパターン形成工程を説明する図である。
【
図10】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、パターニング工程を説明する図である。
【
図11】
図1に示すパターン付き構造物の製造方法の一例を説明する図であり、レジストパターン除去工程を説明する図である。
【
図12】第2の実施の形態に係るパターン付き構造物の断面図である。
【
図13】第3の実施の形態に係るパターン付き構造物の断面図である。
【
図14】第4の実施の形態に係るパターン付き構造物の平面図である。
【
図16】(A)~(C)は、第1の実施の形態の変形例の断面図である。
【
図17】(A)~(C)は、第3の実施の形態の変形例の断面図である。
【
図18】(A)及び(B)は、実施の形態に係るパターン付き構造物の適用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。
【0022】
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違
いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は
、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
【0023】
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態に係るパターン付き構造物1及びその製造方法について説明す
る。
図1は、パターン付き構造物1の斜視図である。
図2は、パターン付き構造物1の断
面図である。
【0024】
(パターン付き構造物の構成)
図1及び
図2に示すように、パターン付き構造物1は、基材10と、基材10に設けら
れた機能層20とを備える。パターン付き構造物1は、フィルム状、シート状、板状でも
よく、本実施の形態ではフィルム状である。基材10は、複数の凹部11を含むパターン
12を有する。機能層20は、パターン12における各凹部11から食み出さずに各凹部
11に設けられている。
【0025】
基材10は樹脂を含んでもよい。この場合、基材10は主成分として樹脂を含むか又は
樹脂からなるものでもよい。この場合、基材10に含まれる樹脂は、ポリメチルメタクリ
レート、エポキシ、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルブチラール、又はこれらのうちの二
種以上でもよい。なお、主成分とは、ある物質を構成する複数の成分のうちの物質全体に
対して50%以上の体積割合で含まれる成分又は最も多く含まれる成分のことを意味する
。また、基材10は、無機材料を含むものでもよい。基材10は、例えば、石英基板、ガ
ラス基板、サファイア基板、シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ(Al2O3)基板、
窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジルコニア(ZrO2)基板、ニオブ酸リチウム基板、ニオブ酸タ
ンタル基板などでもよい。また、基材10は、石英基板、ガラス基板、サファイア基板、
シリコン基板、炭化シリコン基板、アルミナ(Al2O3)基板、窒化アルミ(AlN)基板、酸化ジ
ルコニア(ZrO2)基板、ニオブ酸リチウム基板、ニオブ酸タンタル基板、及び樹脂基板のう
ちの2種以上を含むものでもよい。
【0026】
基材10は、表面10Aと、表面10Aの反対に位置する裏面10Bとを含む。そして
、パターン12は、表面10Aに形成されている。パターン12は、一方向に間隔を空け
て並び、一方向と交差、本例では直交する他方向に延びる複数の凹部11を含んでいる。
パターン12は、複数の凹部11により縞状のパターンを形成している。本実施の形態で
は、表面10A及び裏面10Bが上記一方向及び他方向を含む平面に平行に延び拡がる。
本実施の形態における基材10の表面10Aは、基材10における凹部11が形成されな
い平坦な面のことを意味する。
【0027】
本実施の形態では、凹部11が、基材10の表面10Aからへこむ段差部分13と、段
差部分13から更にへこむ凹状パターン部分14と、を含む。段差部分13は、基材10
の表面10Aに平行な第1面13Aと、第1面13Aから基材10の表面10Aに至る第
2面13Bと、を含む。本実施の形態では、第1面13Aが基材10の表面10Aに平行
に延びるが、表面10Aに対して傾斜してもよい。この場合、第1面13Aは、平面でも
よいし、複数の要素面を含む折れ面でもよい。また、第2面13Bは、基材10の表面1
0Aに対して垂直となる厚さ方向に延びるが、表面10Aに対して傾斜してもよい。
【0028】
また、凹部11の長手方向(上記他方向に対応)に直交する方向での凹状パターン部分
14の断面形状は、
図2に示すように矩形である。ただし、凹状パターン部分14の断面
形状は特に限られるものではなく、矩形、台形、三角形、半円、円弧、又はこれらの組合
せでもよい。また、凹部11は、厚み方向に延びる円柱状、四角柱状、錐状等でもよい。
【0029】
凹部11の寸法である深さDや幅Wは、パターン付き構造物1の用途に応じて適宜設定
され得る。パターン12はインプリント、特にナノインプリントで凹部11と一括形成さ
れてもよく、パターン12は微細パターンでもよい。この場合、凹部11の深さDは、例
えば0.1μm以上100μm以下でもよい。凹部11の幅Wは、例えば0.1μm以上100μ
m以下でもよい。ここで言う凹部11の幅Wは、凹部11の縁において互いに対向する部
分間の距離である。パターン付き構造物1の用途は、配線基板、光学部材などでもよい。
【0030】
また、段差部分13の深さD1は、例えば0.1μm以上5μm以下でもよい。段差部分1
3と接続する凹状パターン部分14の縁から、基材10の表面10Aと接続する段差部分
13の縁までの最短距離である段差部分13の幅W1は、例えば0.1μm以上10μm以
下でもよい。凹状パターン部分14の深さD2は、例えば0.1μm以上100μm以下で
もよい。凹状パターン部分14の幅W2は、例えば1μm以上100μm以下でもよいし
、1μm以上80μm以下でもよいし、1μm以上60μm以下でもよいし、1μm以上
40μm以下でもよいし、1μm以上20μm以下でもよいし、1μm以上10μm以下
でもよい。幅W2は、1μm以下でもよい。また、幅W2は、0.1μm以上でもよい。
幅W1は、幅W2の1/20以上1/2以下でもよい、
【0031】
なお、図示のパターン12は一例であり、パターン12の形状は特に限られない。パタ
ーン12は、凹部がドット状に形成されるパターンや、凹部がランダムに形成されるパタ
ーンでもよい。また、パターン12は、フォトリソグラフィ、プレス、切削、アブレーシ
ョン、射出成形、3Dプリンティングで形成されてもよく、その形成手法は特に限られな
い。
【0032】
機能層20は膜状であり、凹部11を充填せず且つ凹部11の内面に沿う状態で設けら
れている。機能層20の厚みは特に限られないが、例えば10nm以上500nm以下で
もよい。なお、機能層20は、凹部11に充填されるものでもよい。
【0033】
本実施の形態では、機能層20が、凹状パターン部分14及び段差部分13に設けられ
ている。詳しくは、機能層20は、凹状パターン部分14の内面、段差部分13の第1面
13A、及び第2面13Bに設けられている。なお、機能層20は、凹状パターン部分1
4と、段差部分13の第1面13Aとに設けられればよく、段差部分13の第2面13B
に設けられなくてもよい。
【0034】
機能層20は、金属及び/又は無機材料を含む硬化した層として形成されている。詳し
くは、機能層20は金属及び/又は無機材料を主成分として含む。機能層20に含まれる
金属は、アルミニウム、ニッケル、亜鉛、チタン、プラチナ、金、銀、銅、鉄、クロム、
パラジウム、インジウム、タングステン、これらのうちの二種以上、これらのうちの一種
以上の酸化物、又はこれらのうちの一種以上を含む合金でもよい。また、機能層20に含
まれる無機材料は、酸化窒素、酸化ケイ素、酸化チタン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム
、アルミ粉、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、又はこれらのうちの二種以上
でもよい。
【0035】
以上のような機能層20は、例えばスパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、電
解めっき、無電解めっきで成膜された膜からパターニングすることにより形成される。機
能層20は、例えば導電性を有するものでもよいし、光反射機能を有するものでもよいし
、光拡散機能を有するものでもよい。機能層20が導電性を有する場合、例えば凹部11
への電解めっきをするためのシード電極層として機能層20を利用する場合がある。その
ような用途においては、機能層20の電気抵抗は、シート抵抗値で1Ω/□以下であるこ
とが好ましい。シート抵抗はパターニング後での計測は難しいため、成膜直後に日東精工
アナリテック株式会社製ロレスタ-AX MCP-T370で測定される。
光反射機能を有するとは、可視光反射率が50%以上であることを意味する。可視光反
射率は、(株)島津製作所製「UV-3100PC」を用いて測定波長380nm以上7
80nm以下の範囲内で1nm毎に入射角45°で測定したときの、各波長における全光
線反射率の平均値として特定される。また、光拡散機能を有するとは、拡散透過率が10
%以上であることを意味する。拡散透過率は、20%以上でもよいし、30%以上でもよ
いし、40%以上でもよいし、50%以上でもよいし、60%以上でもよいし、70%以
上でもよいし、80%以上でもよいし、90%以上でもよい。また、拡散透過率は、90
%以下でもいし、80%以下でもいし、70%以下でもいし、60%以下でもいし、50
%以上でもよい。拡散透過率の数値範囲は、以上に挙げた任意の1つの上限値の候補と任
意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。拡散透過率は
、ヘイズメーターである村上色彩技術研究所製、製品番号:HM-150によって測定さ
れる。
【0036】
(パターン付き構造物の製造方法)
次に、
図3乃至
図11を参照しつつ、パターン付き構造物1の製造方法の一例を説明す
る。
【0037】
まず、基材10が形成される。この際、まず、
図3に示すように、モールド100と、
成形材料200とが準備される。モールド100は、凸部101を含むパターン102を
有する。凸部101は基材10のパターン12における凹部11を形成する部分であり、
この例では、多段状に形成されている。成形材料200は樹脂を含み、成形材料200が
含む樹脂は例えば感光性の樹脂でもよい。本例では、成形材料200が、樹脂として紫外
線などの照射により硬化する光硬化樹脂を含む。なお、成形材料200は熱硬化樹脂など
でもよい。
【0038】
上述のようなモールド100及び成形材料200が準備された後、インプリントが行わ
れる。すなわち、
図4に示すように、モールド100のパターン102と成形材料200
とを接触させることにより、成形材料200にパターン102の反転パターンが転写され
る。その後、成形材料200が光を照射させることにより硬化され、成形材料200から
基材10が形成される。その後、基材10は、
図5に示すようにモールド100から取り
外される。以上でインプリント工程が完了し、凹部11を含むパターン12を有する基材
10が形成され、準備される。
【0039】
次に、
図6を参照し、パターン12における各凹部11及び基材10における凹部11
がない部分(表面10A)が覆われるように、基材10に金属及び/又は無機材料を含む
膜状の機能材料層210を設ける工程(機能材料層形成工程)が行われる。本例では、ス
パッタリングにより機能材料層210が成膜される。機能材料層210は、機能層20を
形成するための層である。本例では、凹部11の内面の全体及び基材10の表面10Aの
全体に機能材料層210が設けられる。
【0040】
次に、
図7に示すように、機能材料層210が覆われるように、例えば光感光性を有し
た光硬化性樹脂であって、未硬化部分がアルカリ水溶液等への溶解性を呈するレジスト材
料220が設けられる(レジスト材料設置工程)。レジスト材料220は、ネガ型レジス
トでもよいし、ポジ型レジストでもよい。本例では、レジスト材料220としてネガ型レ
ジストが用いられる。
【0041】
次に、レジストパターン220Pをレジスト材料220から形成するレジストパターン
形成工程が行われる(
図8及び
図9参照)。
図8は、レジストパターン形成工程における
露光工程を示す。露光工程では、レジスト材料220を融解又は硬化させる光Lを照射す
る光源120及び/又はレジスト材料220を積層した基材10を移動させながら、レジ
スト材料220に光源120からの光Lが露光される。
【0042】
本例では、レジスト材料220がネガ型レジストであるため、光Lが照射されると、レ
ジスト材料220が硬化する。また、形成するレジストパターン220Pは、機能材料層
210を介して凹部11の全体を厚さ方向で覆う形態である。したがって、
図8に示す符
号Taで示すレジスト材料220における凹部11上の範囲が露光される。一方で、レジ
スト材料220における範囲Ta以外の部分は、露光によって完全に硬化されない半硬化
状態か又は硬化しない程度に露光され現像液への溶解性が維持される状態とする。これに
より、レジスト材料220における硬化していない部分を除去することにより、
図9に示
すようにレジストパターン220Pが形成される。
【0043】
なお、本例では、光源120が固定され、基材10を保持した図示しないXYZステー
ジにより基材10が移動される。光源120は露光装置の一部であり、露光装置は例えば
プロキシミティ露光装置であるが、特に形式は限られない。また、レジスト材料220に
おける露光位置の調節は、撮像装置121(
図8参照)が撮像した基材10及びレジスト
材料220を含む積層物の画像に基づいて行われる。
【0044】
以上の説明から明らかなように、本実施の形態におけるレジストパターンの形成では、
レクチル(フォトマスク)が使用されない。そのため、コスト及び工期の短縮が可能とな
る。またレクチルを使用しない場合、仮に基材10におけるパターン12に歪みが生じて
いたとしても、歪みに応じて光の照射位置を調節してレジストパターン220Pを形成す
ることにより、レジストパターン220Pを凹部11を覆う状態で適正に形成できる点で
有益である。これにより、機能層20の形状も適正に形成できる。つまり、仮に基材10
におけるパターン12に歪みが生じている状態においてレクチルを介した露光を行った場
合には、レクチルからの露光パターンは、歪みが生じたパターン12と一致しないため、
不所望な位置に、例えば凹部11から外れた位置にレジストパターンが形成される等の状
況が生じ得る。本開示によれば、このような状況を回避できるため、機能層20の適正な
形成が可能となる。
【0045】
また、本実施の形態では、凹部11における段差部分13上に機能材料層210を介し
てレジスト材料220を積層できる。これにより、段差部分13上に安定的にレジストパ
ターン220Pを形成できるため、段差部分13上の機能材料層210が不所望にエッチ
ングされて形状が乱れることが抑制される。また、光の照射位置がずれて、段差部分13
上のレジスト材料220が融解されたとしても、レジスト材料220の厚みが大きく確保
されているため、段差部分13上に安定的にレジストパターン220Pを形成できる。そ
のため、上記同様に、段差部分13上の機能材料層210が不所望にエッチングされて形
状が乱れることが抑制される。
【0046】
次に、
図10に示すように、機能材料層210におけるレジストパターン220Pによ
って覆われない部分以外の部分を除去するパターニング工程が行われる。機能材料層21
0の部分的な除去は、エッチング液により行われる。これにより、機能材料層210は、
凹状パターン部分14及び段差部分13に残されて、機能層20を形成する。なお、エッ
チングの種類は、機能材料層210とレジスト材料220との選択比が得られるものを使
用者が任意に選択することができ、特に限られるものではない。エッチングは、プラズマ
エッチングでもよいし、ウェットエッチングでもよい。
【0047】
次に、
図11に示すように、レジストパターン220Pが除去される(レジストパター
ン除去工程)。除去は、アッシングで行われてもよいし、ウェット剥離で行われもよい。
これにより、パターン付き構造物1が形成される。
【0048】
以上に説明した本実施の形態に係るパターン付き構造物1は、複数の凹部11を含むパ
ターン12を有する基材10と、各凹部11から食み出さずに各凹部11に設けられ、金
属及び/又は無機材料を含む機能層20と、を備える。このようなパターン付き構造物1
では、凹部11に基材10とは異なる材料からなる機能層20が設けられ、これにより、
パターン付き構造物1の用途や機能を拡張できる。そして、特に機能層20は凹部11か
ら食み出さない状態で設けられるため、基材10における機能層20が設けられない部分
(表面10A)の機能に対して機能層20が影響を与えない。これにより、パターン付き
構造物1の機能が適正に且つ効果的に発揮され得る。よって、本実施の形態に係るパター
ン付き構造物1によれば、用途や機能を適正に拡張できる
【0049】
また、本実施の形態では、凹部11が、基材10の表面10Aからへこむ段差部分13
と、段差部分13からへこむ凹状パターン部分14と、を含む。この場合、段差部分13
の状態を確認することで、機能層20の状態を把握し易くなる。例えば、段差部分13を
基準に、機能層20が段差部分13から食み出しているか否かを確認し易くなる。また、
本実施の形態では、特に機能層20が凹状パターン部分14及び段差部分13に設けられ
、段差部分13上の機能層20の状態を確認することで、例えば機能層20のエッチング
の過不足を確認できる。そして、これにより、例えば機能層20の修正や、製造条件の変
更を行うことで、例えば良品率を高めることができる。
【0050】
また本実施の形態に係るパターン付き構造物1は、概して以下の製造工程(1)~(5
)を経て製造される。
(1)複数の凹部11を含むパターン12を有し、本例では樹脂を含む基材10を準備す
る工程。
(2)基材10におけるパターン12の各凹部11及び基材10における凹部11がない
部分(表面10A)が覆われるように、基材10に膜状の機能材料層210を設ける工程
。
(3)機能材料層210に感光性のレジスト材料220を設ける工程。
(4)レジスト材料220を融解又は硬化させる光を照射する光源120及び/又はレジ
スト材料220を積層した基材10を移動させながら、レジスト材料220に光源120
からの光を露光し、レジスト材料220のうちの融解された部分又は硬化されない部分を
除去することで、機能材料層210を介して凹部11の全体を覆うレジストパターン22
0Pをレジスト材料220から形成する工程。
(5)機能材料層210におけるレジストパターン220Pで覆われる部分以外の部分を
除去する工程。
【0051】
以上の製造工程では、レジストパターン220Pの形成において、レクチル(フォトマ
スク)が使用されない。そのため、コスト及び工期の短縮が可能となる。また、この製造
方法において特筆すべきは、仮に基材10におけるパターン12に歪みが生じていたとし
ても、歪みに応じて光の照射位置を調節してレジストパターン220Pを形成することに
より、レジストパターン220Pを凹部11を覆う状態で適正に形成できる点である。こ
れにより、機能層20の形状も適正に形成できる。つまり、仮に基材10におけるパター
ン12に歪みが生じている状態においてレクチルを介した露光を行った場合には、レクチ
ルからの露光パターンは、歪みが生じたパターン12と一致しないため、不所望な位置に
、例えば凹部11から外れた位置にレジストパターンが形成される等の状況が生じ得る。
本開示によれば、このような状況を回避できるため、機能層20の適正な形成が可能とな
る。
【0052】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係るパターン付き構造物2について
図12を参照しつつ説明
する。
図12は、パターン付き構造物2の断面図である。本実施の形態における構成部分
のうちの第1の実施の形態の構成部分と同じものには、同一の符号を付けて、重複する説
明は省略する。
【0053】
図12に示すように、パターン付き構造物2は、基材10及び機能層20に加えて、凹
部11内で機能層20と重なり、樹脂を含むキャップ部分30をさらに備えている。キャ
ップ部分30は、機能層20に積層され、凹部11内を充填している。凹部11から露出
するキャップ部分30の表面は、基材10の表面10Aと面一になっている。ただし、キ
ャップ部分30の表面は、基材10の表面10Aに対してへこんでいてもよいし、突出し
てもよい。
【0054】
本実施の形態において、キャップ部分30は、
図9に示したレジストパターン220P
を追加露光及び/又は焼成し硬化させることにより形成されている。したがって、キャッ
プ部分30は感光性の樹脂を含む。より詳しくは、キャップ部分30は硬化済みの感光性
の樹脂を含む。キャップ部分30の表面を基材10の表面10Aと面一にする際には、硬
化後のレジストパターン220Pの表面を研磨してもよい。また、レジストパターン22
0Pがポジ型レジストから形成されている場合には、レジスト材料220に対する露光量
を調節することにより、凹部11上のレジストパターン220Pの厚さを調節できる。こ
のような露光量の調節によって、硬化後のキャップ部分30の表面が基材10の表面10
Aと面一になるように制御してもよい。
【0055】
本実施の形態のように機能層20を覆うキャップ部分30が設けられる場合には、機能
層20の耐久性を向上できる。具体的には、機能層20の耐腐食性や、耐擦傷性を向上で
きる。また、レジストパターン220Pを利用してキャップ部分30が形成されるため、
キャップ部分30を容易に且つ効率的に形成できる。
【0056】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係るパターン付き構造物3について
図13を参照しつつ説明
する。
図13は、パターン付き構造物3の断面図である。本実施の形態における構成部分
のうちの第1及び第2の実施の形態の構成部分と同じものには、同一の符号を付けて、重
複する説明は省略する。
【0057】
図13に示すように、パターン付き構造物3は、基材10及び機能層20を備える。た
だし、機能層20が設けられる基材10のパターン12における凹部11は、段差部分1
3を備えていない。
【0058】
本実施の形態のように凹部11に段差部分13が設けられない場合には、凹部11内に
位置する機能層20の機能と基材10の表面の機能とが互いに影響を及ぼすことが抑制さ
れるため、パターン付き構造物3の機能が効果的に発揮され得る。
【0059】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係るパターン付き構造物4について
図14を参照しつつ説明
する。
図14は、パターン付き構造物4の平面図である。
図15は、パターン付き構造物
4の断面図である。本実施の形態における構成部分のうちの第1乃至第3の実施の形態の
構成部分と同じものには、同一の符号を付けて、重複する説明は省略する。
【0060】
図14に示すように、パターン付き構造物4における基材10には、ドット状に分散し
て形成された複数の凹部11を含むパターン12が形成されている。そして、パターン付
き構造物4は、凹部11から食み出さないように凹部11に設けられた機能層20と、機
能層20を覆うキャップ部分30とを備えている。凹部11は、段差部分13と、凹状パ
ターン部分14とを含み、機能層20は、凹状パターン部分14及び段差部分13に設け
られている。
【0061】
凹状パターン部分14は円柱状であるが、これに代えて、角四角柱状、錐状等でもよい
。なお、本実施の形態では、凹状パターン部分14の全体に機能層20が設けられるが、
例えば凹状パターン部分14の底面に機能層20が設けられず、側面のみに機能層20が
設けられてもよい。複数の凹部11は、基材10においてランダムに形成されてもよい。
【0062】
パターン付き構造物4も、
図3乃至
図10に示した手順と同じ手順で形成される。した
がって、仮にパターン12に歪みが生じていたとしても、歪みに応じて光の照射位置を調
節してレジストパターン220P(
図10参照)を形成することにより、レジストパター
ン220Pを凹部11を覆う状態で適正に形成できる。これにより、機能層20を適正に
形成できる。パターン付き構造物4のように凹部11の数が多い場合には、モールドに応
力が生じやすくなり、パターン12が歪みやくなることがある。そのため、本開示に係る
製造方法は、
図14に示す形態に対して有益である。
【0063】
<変形例>
以下、実施の形態の変形例について説明する。
図16(A)~(C)は、第1の実施の
形態の変形例の断面図である。
図16(A)の変形例では、凹部11の長手方向に直交す
る方向での凹状パターン部分14の断面形状が台形である。
図16(B)の変形例では、
凹部11の長手方向に直交する方向での凹状パターン部分14の断面形状が半円である。
図16(C)の変形例では、凹部11の長手方向に直交する方向での凹状パターン部分1
4の断面形状が三角形である。なお、凹状パターン部分14の形状はその他の形状でもよ
い。
【0064】
図17(A)~(C)は、第3の実施の形態の変形例の断面図である。
図17(A)の
変形例では、凹部11の長手方向に直交する方向での凹部11の断面形状が台形である。
図17(B)の変形例では、凹部11の長手方向に直交する方向での凹部11の断面形状
が半円である。
図17(C)の変形例では、凹部11の長手方向に直交する方向での凹部
11の断面形状が三角形である。なお、凹部11の形状はその他の形状でもよい。
【0065】
<適用例>
図18(A)、(B)は、実施の形態に係るパターン付き構造物の適用例を説明する図
である。
図18(A)は、第1の実施の形態に係るパターン付き構造物1を、光学フィル
ムとして使用する例を示す。この例では、基材10が透明であり、可視光を透過する。機
能層20は、例えば無機材料としてシリカからなる拡散粒子を含む。そして、基材10に
おける機能層20で覆われない部分は、例えば直進光S1を屈折させずに透過させる。機
能層20は、例えば直進光S1に対して傾斜した光S2が入射した際、光S2を拡散させ
る。このようなパターン付き構造物1は、機能層20が無い構造物とは異なる光学的機能
を発揮し得る。
【0066】
図18(B)は、第3の実施の形態に係るパターン付き構造物3を、配線基板として使
用する例を示す。この例では、基材10の表面10Aに設けられた配線層40がパッド4
1を介して、電極として機能する機能層20に電気的に接続している。パッド41は、機
能層20における段差部分13上に位置する部分と接続することで、接続の信頼性が向上
する。なお、パッド41は、キャップ部分30に形成された穴に通されている。なお、図
18(B)に示す構成において、キャップ部分30は設けられなくてもよい。
【0067】
以上、本開示の複数の実施の形態及び変形例を説明したが、上述の実施の形態には種々
の変更をさらに加えてもよい。このような他の変形例も、本開示の技術的範囲に含まれ得
る。
【符号の説明】
【0068】
1, 2,3,4…パターン付き構造物
10…基材
10A…表面
10B…裏面
11…凹部
12…パターン
13…段差部分
13A…第1面
13B…第2面
14…凹状パターン部分
20…機能層
30…キャップ部分
40…配線層
100…モールド
101…凸部
102…パターン
120…光源
200…成形材料
210…機能材料層
220…レジスト材料
220P…レジストパターン
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、光学部材及びその製造方法に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示は上記事情からなされたものであり、その課題は、用途や機能を適正に拡張できる光学部材及びその製造方法を提供することである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹部を含むパターンを有する基材と、
各前記凹部から食み出さずに各前記凹部に設けられ、金属及び/又は無機材料を含む機能層と、を備え、
前記基材が可視光を透過する光学部材であって、
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パターン部分と、を含み、
前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の表面に至る第2面と、を含み、
前記機能層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段差部分の前記第1面とに設けられている、光学部材。
【請求項2】
前記機能層は、膜状であり、前記凹部を充填せず且つ前記凹部の内面に沿う状態で設けられている、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
前記凹部内において前記機能層と重なり、樹脂を含むキャップ部分をさらに備える、請求項2に記載の光学部材。
【請求項4】
複数の凹部を含むパターンを有し、可視光を透過する基材を準備する工程と、
各前記凹部及び前記基材における前記凹部がない部分が覆われるように、前記基材に金属及び/又は無機材料を含む膜状の機能材料層を設ける工程と、
前記機能材料層に感光性のレジスト材料を設ける工程と、
前記レジスト材料を融解又は硬化させる光を照射する光源及び/又は前記レジスト材料を積層した前記基材を移動させながら、前記レジスト材料に前記光源からの光を露光し、前記レジスト材料のうちの融解された部分又は硬化されない部分を除去することで、前記機能材料層を介して前記凹部の全体を覆うレジストパターンを前記レジスト材料から形成する工程と、
前記機能材料層における前記レジストパターンで覆われる部分以外の部分を除去する工程と、を備え、
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パターン部分と、を含み、前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の表面に至る第2面と、を含み、
前記レジストパターンは、前記凹状パターン部分及び前記段差部分を覆うように形成され、
前記機能材料層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段差部分の前記第1面とに残される、光学部材の製造方法。
【請求項5】
モールドと樹脂組成物とを接触させて、前記樹脂組成物を硬化させるインプリントにより、前記樹脂組成物から前記パターンを有する前記基材を形成する工程をさらに備える、
請求項4に記載の光学部材の製造方法。
【請求項6】
前記レジストパターンを露光及び/又は焼成することにより、前記レジストパターンを硬化させたキャップ部分を形成する工程をさらに備える、請求項4に記載の光学部材の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹部を含むパターンを有する基材と、
各前記凹部から食み出さずに各前記凹部に設けられ、金属及び/又は無機材料を含む機能層と、を備え、
前記基材が可視光を透過する光学部材であって、
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パターン部分と、を含み、
前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の表面に至る第2面と、を含み、
前記機能層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段差部分の前記第1面とに設けられ、
前記機能層は、膜状であり、前記凹部を充填せず且つ前記凹部の内面に沿う状態で設けられている、光学部材。
【請求項2】
前記凹部内において前記機能層と重なり、樹脂を含むキャップ部分をさらに備える、請求項1に記載の光学部材。
【請求項3】
複数の凹部を含むパターンを有し、可視光を透過する基材を準備する工程と、
各前記凹部及び前記基材における前記凹部がない部分が覆われるように、前記基材に金属及び/又は無機材料を含む膜状の機能材料層を設ける工程と、
前記機能材料層に感光性のレジスト材料を設ける工程と、
前記レジスト材料を融解又は硬化させる光を照射する光源及び/又は前記レジスト材料を積層した前記基材を移動させながら、前記レジスト材料に前記光源からの光を露光し、前記レジスト材料のうちの融解された部分又は硬化されない部分を除去することで、前記機能材料層を介して前記凹部の全体を覆うレジストパターンを前記レジスト材料から形成する工程と、
前記機能材料層における前記レジストパターンで覆われる部分以外の部分を除去する工程と、を備え、
前記凹部は、前記基材の表面からへこむ段差部分と、前記段差部分からへこむ凹状パターン部分と、を含み、前記段差部分は、前記基材の表面に平行な第1面と、前記第1面から前記基材の表面に至る第2面と、を含み、
前記レジストパターンは、前記凹状パターン部分及び前記段差部分を覆うように形成され、
前記機能材料層は、少なくとも前記凹状パターン部分と、前記段差部分の前記第1面とに残される、光学部材の製造方法。
【請求項4】
モールドと樹脂組成物とを接触させて、前記樹脂組成物を硬化させるインプリントにより、前記樹脂組成物から前記パターンを有する前記基材を形成する工程をさらに備える、
請求項3に記載の光学部材の製造方法。
【請求項5】
前記レジストパターンを露光及び/又は焼成することにより、前記レジストパターンを硬化させたキャップ部分を形成する工程をさらに備える、請求項3に記載の光学部材の製造方法。