(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011402
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113349
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】則枝 真
(72)【発明者】
【氏名】赤崎 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 健彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得部(11)と、位置情報と、視線対象情報と、に基づいて、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する選択部(12)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、
前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記担当者情報には、前記担当者に関する1または複数の特徴情報が含まれ、
前記1または複数の特徴情報のうち、前記選択手段による選択結果に寄与した特徴情報を含み、前記選択手段が前記担当者を選択した理由を示す理由情報を出力する出力手段、をさらに含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報をさらに取得し、
前記選択手段は、さらに前記感情情報に基づいて、前記担当者を選択する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記担当者として選択した第1担当者が前記仮想空間において前記ユーザを応対中に前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記第1担当者とは異なる第2担当者を選択する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記担当者として選択された第1担当者の応対中の感情または当該感情の履歴を含む感情情報をさらに取得する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記担当者として選択された第1担当者の操作により動作するアバターを生成する生成手段をさらに含み、
前記選択手段は、前記アバターが前記第1担当者の操作により動作中に、前記第1担当者とは異なる第2担当者を選択した場合、前記第1担当者の操作に替えて前記第2担当者の操作により前記アバターを動作させる、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ユーザの前記担当者に対する評価を示す評価情報に基づいて、前記担当者情報を更新する更新手段をさらに含む、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記選択手段は、複数の担当者を選択し、
前記複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターを生成する生成手段、をさらに含む、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得することと、
前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択することと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、
前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、サービスを提供する仮想空間上において、応対する店員を選択する技術が開示されている。
【0003】
特許文献1には、仮想空間上に表現される仮想店舗の複数の仮想店員の中から、ユーザの興味ある商品、希望の接客スタイル、その他の嗜好などを考慮して、ユーザに合った店員を選択する仮想空間配信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の仮想空間配信装置では、ユーザの興味ある商品、希望の接客スタイル、その他の嗜好はユーザDBから取得される。そのため、特許文献1に記載の仮想空間配信装置では、予めユーザの情報をユーザDBに格納する必要がある。したがって、ユーザDBに情報が格納されていないユーザの場合、ユーザに合った店員を選択することができないため、ユーザに好適なサービスを提供できないという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得することと、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択することと、を含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る情報処理システムにおける仮想空間の画像の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【
図6】本発明の実施形態2に係る選択部が実行する処理の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態3に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態3に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【
図9】本発明の各例示的実施形態に係るサーバ、ユーザ端末、およびオペレータ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0013】
(情報処理装置1の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0014】
情報処理装置1は、サービスを提供する仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する装置である。情報処理装置1は、
図1に示すように、取得部11および選択部12を備えている。取得部11および選択部12は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段および選択手段を実現する構成の一例である。
【0015】
取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、仮想空間においてユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する。取得部11は、取得した位置情報および視線対象情報を、選択部12に供給する。
【0016】
選択部12は、取得部11から供給された位置情報と、視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0017】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理装置1においては、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、仮想空間においてユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得部11と、位置情報と、視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する選択部12と、を備える構成が採用されている。
【0018】
このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1は、位置情報および視線対象情報に基づいて、ユーザが興味を持っていると思われるサービスを特定できる。そして、本例示的実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザが興味を持っていると思われるサービスに詳しい担当者を選択する。したがって、本例示的実施形態に係る情報処理装置1によれば、仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供することができるという効果が得られる。
【0019】
(情報処理方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。
【0020】
(ステップS11)
ステップS11において、取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、仮想空間においてユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する。取得部11は、取得した位置情報および視線対象情報を、選択部12に供給する。
【0021】
(ステップS12)
ステップS12において、選択部12は、取得部11から供給された位置情報と、視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0022】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1においては、取得部11が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、仮想空間においてユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得することと、選択部12が、取得部11から供給された位置情報と、視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択することと、を含む構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1によれば、上述した情報処理装置1と同様の効果が得られる。
【0023】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0024】
本例示的実施形態に係る情報処理システム100において、「仮想空間」とは、ユーザにサービスを提供するための空間である。サービスの例として、物品を販売するサービス、金融サービス、および教育サービスが挙げられる。また、「ユーザの応対を担当する担当者」とは、サービスを提供するために仮想空間を介してユーザとのコミュニケーションを行う者である。一例として、担当者は、物品を販売するサービスにおける販売員、金融サービスにおける窓口スタッフ、教育サービスにおける教師が挙げられる。
【0025】
(情報処理システム100の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。
【0026】
情報処理システム100は、
図3に示すように、サーバ2、ユーザ端末3、オペレータ端末4、顧客データベース5、および担当者データベース6を含んで構成される。サーバ2およびユーザ端末3は、それぞれ本例示的実施形態において、情報処理装置を実現する構成である。また、担当者データベース6は、本例示的実施形態において、記憶装置を実現する構成である。
【0027】
情報処理システム100では、
図3に示すように、サーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。また、情報処理システム100では、
図3に示すように、顧客データベース5および担当者データベース6は、サーバ2に接続されている。サーバ2は、顧客データベース5および担当者データベース6に記憶されている情報を更新したり、顧客データベース5および担当者データベース6に記憶されている情報を取得したりする。
【0028】
情報処理システム100では、サーバ2が提供する仮想空間において、ユーザの応対を担当する担当者によって、ユーザにサービスが提供される。仮想空間を使用するためにユーザが使用する端末がユーザ端末3であり、担当者が使用する端末がオペレータ端末4である。ユーザ端末3およびオペレータ端末4の例として、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末、およびHMD(Head Mounted Display)が挙げられる。一例として、ユーザ端末3(またはオペレータ端末4)が、PC、タブレット、またはスマートフォンである場合について説明する。この場合、ユーザ(または担当者)は、ユーザ端末3(またはオペレータ端末4)で動作するブラウザに仮想空間を利用するためのURL(Uniform Resource Locator)を入力することにより、仮想空間を利用することができる。
【0029】
一例として、情報処理システム100では、仮想空間上にユーザのアバターと担当者のアバターとが配置される。そして、ユーザはユーザ端末3を介してユーザのアバターを操作し、担当者はオペレータ端末4を介して担当者のアバターを操作する。ここで、ユーザの応対を担当する担当者は、人であってもよいし、プログラム(ボット)であってもよい。
【0030】
また、情報処理システム100では、サーバ2は、ユーザ端末3、オペレータ端末4、顧客データベース5、および担当者データベース6から出力される情報に基づいて、複数の担当者の候補から担当者を選択する。サーバ2が担当者を選択する処理の詳細については後述する。
【0031】
(サーバ2の構成)
サーバ2は、
図3に示すように、通信部21、制御部22、および記憶部23を備えている。
【0032】
通信部21は、サーバ2に接続されている装置と通信する通信モジュールである。一例として、通信部21は、制御部22から供給された情報を顧客データベース5または担当者データベース6に記憶させる。また、通信部21は、顧客データベース5に記憶されている情報または担当者データベース6に記憶されている情報を制御部22に供給する。また、通信部21は、制御部22から供給された情報を、ネットワークを介して接続されたユーザ端末3およびオペレータ端末4に出力する。また、通信部21は、ユーザ端末3およびオペレータ端末4から出力された情報を制御部22に供給する。
【0033】
記憶部23は、制御部22が参照するデータを記憶している。一例として、記憶部23は、位置情報、視線対象情報、目的情報、および感情情報を記憶している。
【0034】
(制御部22の機能)
制御部22は、サーバ2が備える各構成要素を制御する。また、制御部22は、
図3に示すように、取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223としても機能する。取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、選択手段、生成手段、更新手段、および出力手段を実現する構成である。
【0035】
取得部11は、通信部21から供給された情報を取得する。一例として、取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、仮想空間においてユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する。取得部11は、取得した情報を、記憶部23に記憶させる。
【0036】
ここで、位置情報が示す仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、一例として、次の情報が含まれていてもよい。例えば、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(i)当該仮想空間に来訪中のユーザが来訪した時点から現時点までの仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(ii)当該仮想空間にユーザが過去に来訪した期間における、仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(iii)当該仮想空間(例えば店舗)を含む全体的な仮想空間(例えば街)に来訪中のユーザが当該全体的な仮想空間に来訪した時点から当該仮想空間に来訪するまでの仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(iv)他のサービスを利用するための他の仮想空間にユーザが来訪した期間における、仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。一例として、サーバ2が金融サービスを提供する仮想空間を生成する構成において、取得部11は、サーバ2または他のサーバが生成した、教育サービスを提供する仮想空間におけるユーザの位置の履歴を示す位置情報を取得してもよい。以下においても、「履歴」は、サーバ2が提供する仮想空間における履歴には限定されない。
【0037】
また、視線対象情報が示す、視線方向に存在する視線対象の履歴に含まれる情報の一例については、上述した(i)~(iv)の説明において、「仮想空間におけるユーザの位置」を「視線方向に存在する視線対象」と読み替えることにより、同様に説明される。
【0038】
なお、上述した位置情報のうち位置の履歴を示す情報、または、視線対象情報のうち視線対象の履歴を示す情報は、後述する顧客データベース5に記憶されていてもよい。また、取得部11は、現時点の位置を示す情報と、位置の履歴を示す情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。また、取得部11は、現時点の視線対象の情報と、視線対象の履歴を示す情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。
【0039】
選択部12は、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。一例として、選択部12は、記憶部23に記憶された位置情報と視線対象情報とに基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。選択部12が担当者を選択する処理の詳細および担当者情報の詳細については後述する。
【0040】
生成部221は、仮想空間を生成する。また、生成部221は、生成した仮想空間にオブジェクトを配置する。オブジェクトの一例として、仮想空間において提供されるサービスに関する掲示物が挙げられる。また、生成部221は、ユーザ端末3のユーザの操作により動作するユーザのアバターを生成する。また、生成部221は、オペレータ端末4のユーザである担当者であって、選択部12によって選択された担当者の操作により動作する担当者のアバターを生成する。
【0041】
また、生成部221は、ユーザ端末3およびオペレータ端末4のそれぞれからのユーザおよび担当者によるアバターに対する操作を示す操作情報に応じて、ユーザ端末3およびオペレータ端末4のそれぞれに出力する仮想空間の画像を生成する。
【0042】
更新部222は、担当者データベース6に記憶されている担当者情報を更新する。一例として、更新部222は、ユーザの担当者に対する評価を示す評価情報に基づいて、担当者情報を更新する。更新部222が実行する処理の例については後述する。
【0043】
出力部223は、通信部21に情報を供給し、情報を出力する。一例として、出力部223は、生成部221によって生成された仮想空間の画像を出力する。また、出力部223は、選択部12が担当者を選択した理由を示す理由情報を出力する。理由情報の詳細については後述する。
【0044】
(ユーザ端末3の構成)
ユーザ端末3は、
図3に示すように、通信部31、制御部32、記憶部33、入力部34、表示部35、カメラ36、マイク37、およびスピーカ38を備えている。
【0045】
通信部31は、ネットワークを介してユーザ端末3に接続されている装置と通信する通信モジュールである。一例として、通信部31は、制御部32から供給された情報をサーバ2に出力したり、サーバ2から出力された情報を制御部32に供給したりする。
【0046】
制御部32は、ユーザ端末3が備える各構成要素を制御する。一例として、制御部32は、入力部34から供給された情報、カメラ36から供給された画像、およびマイク37から供給された音情報を取得する。また、制御部32は、表示部35に画像を表示させたり、スピーカ38に音を出力させたりする。
【0047】
記憶部33は、制御部32が参照するデータを記憶している。
【0048】
入力部34は、情報の入力を受け付けるインタフェースである。一例として、入力部34は、ユーザの操作を受け付けるマウス、キーボード、タッチパッド、およびこれらの組み合わせによって構成される。他の例として、入力部34は、ユーザの心拍数を測定するウェアラブルデバイスで構成される。
【0049】
表示部35は、画像を表示する表示デバイスである。一例として、表示部35は、制御部32から出力された仮想空間の画像を表示する。
【0050】
カメラ36は、画像を撮像する撮像デバイスである。一例として、カメラ36は、ユーザの顔を撮像した画像を、制御部32に供給する。
【0051】
マイク37は、音を集音するデバイスである。一例として、マイク37は、ユーザが発話した音声およびユーザと担当者との会話の音声を集音し、当該音声を示す会話記録を制御部32に供給する。また、他の例として、マイク37は、ユーザのアバターを操作するための音声を集音し、当該音声を示す操作情報を制御部32に供給する。
【0052】
スピーカ38は、音を出力するデバイスである。一例として、スピーカ38は、制御部32から供給された、担当者の音声を出力する。
【0053】
(オペレータ端末4の構成)
オペレータ端末4が備える各構成要素は、上述したユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0054】
(顧客データベース5)
顧客データベース5は、顧客(ユーザ)に関する情報が記憶されているデータベースである。顧客データベース5に記憶されている情報の一例として、ユーザの属性である氏名、年齢、性別、提供するサービスに関連した情報(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、口座番号など)、会話記録、およびVoC(Voice Of Customer)情報が挙げられる。ここで、会話記録は、会話した音声であってもよいし、既存の技術を用いて会話を文字起こしおよび自然言語処理をしたテキストデータであってもよい。また、顧客データベース5は、前述した位置情報のうち位置の履歴を示す情報、視線対象情報のうち視線対象の履歴を示す情報、または、後述する感情情報のうち感情の履歴を示す情報をそれぞれ記憶していてもよい。
【0055】
(担当者データベース6)
担当者データベース6は、複数の担当者の候補それぞれに関する担当者情報が記憶されているデータベースである。担当者データベース6に記憶されている担当者情報の一例として、氏名、年齢、性別、提供するサービスにおける専門分野を示す情報(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、保険、投資など)、顧客からの評価の点数、および成績(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、契約金額、受注件数など)が挙げられる。このように、担当者情報には、担当者に関する1または複数の特徴情報が含まれる。また、担当者データベース6には、現在、顧客の対応をしているか否かの稼働状況を示すオペレータ対応情報が記憶されている。
【0056】
(表示される画像の一例)
情報処理システム100において、サーバ2が生成した仮想空間の画像の一例について、
図4を参照して説明する。
図4は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100における仮想空間の画像の一例を示す図である。
【0057】
画像P1は、金融サービスを提供する仮想空間の画像の一例である。画像P1に示すように、仮想空間には、サービスを提供する担当者のアバターAT1、サービスを受けるユーザのアバターAT2が含まれている。情報処理システム100は、画像P1を、ユーザ端末3の表示部35と、オペレータ端末4の表示部45とに表示してもよい。
【0058】
また、情報処理システム100は、ユーザ端末3の表示部35と、オペレータ端末4の表示部45とにおいて、異なる画像を表示する構成であってもよい。一例として、ユーザ端末3の表示部35には、画像P1に含まれるユーザのアバターAT2から見える画像が表示され、オペレータ端末4の表示部45には、画像P1に含まれる担当者のアバターAT1から見える画像が表示されてもよい。
【0059】
(情報処理システム100における処理S100の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100における処理S100の流れについて、
図5を参照して説明する。
図5は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100における処理S100の流れを示すフロー図である。
【0060】
(ステップS101)
ステップS101において、サーバ2の生成部221は、オブジェクトを配置した仮想空間を生成する。生成部221は、生成した仮想空間の画像を、出力部223に供給する。出力部223は、生成部221が生成した仮想空間の画像をユーザ端末3に出力する。
【0061】
(ステップS102)
ステップS102において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された仮想空間の画像を取得する。制御部32は、取得した仮想空間の画像を、表示部35に表示する。ステップS102において表示する仮想空間の画像の一例として、制御部32は、ユーザが当該仮想空間に存在していることを想定した場合に、ユーザから見える画像を表示してもよい。
【0062】
(ステップS103)
ステップS103において、ユーザ端末3の制御部32は、入力部34を介して、ユーザが仮想空間を利用する目的を示す目的情報を取得する。一例として、ユーザ端末3の制御部32は、仮想空間にオブジェクトとして含まれる受付端末に、ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力することにより、目的情報を取得する。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成の一例として、目的情報を選択させるための選択リストを含む画像を提示する構成が挙げられる。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成の他の例として、目的情報をテキスト入力するための入力フィールドを含む画像を提示する構成が挙げられる。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成のさらに他の例として、「どういった御用でしょうか?」という音声を出力する構成が挙げられる。制御部32は、取得した目的情報をサーバ2に出力する。
【0063】
(ステップS104)
ステップS104において、制御部32は、位置情報および視線対象情報を取得する。
【0064】
制御部32が位置情報を取得する方法の一例として、制御部32は、仮想空間のワールド座標系におけるユーザの位置を示す座標を取得する構成が挙げられる。ここで、例えば、生成部221は、ユーザの操作に基づいて、仮想空間のワールド座標系におけるユーザの位置および視線方向を変更し、仮想空間におけるユーザの位置および視線方向に基づいてユーザ端末3に表示する仮想空間画像を更新する。そこで、制御部32は、生成部221から、ワールド座標系におけるユーザの位置を取得してもよい。なお、仮想空間におけるユーザの位置または視線方向を変更するためのユーザの操作は、ユーザ端末3がPC、タブレット、スマホ等である場合、例えば、キーボード、マウス、タッチパッドを介して行われてもよい。また、仮想的な位置を変更するためのユーザの操作は、ユーザ端末3がHMDおよびコントローラである場合、仮想空間に配置された移動オブジェクトに対するコントローラの操作により行われてもよい。仮想的な視線を変更する操作は、HMDにジャイロセンサ等が搭載されている場合、装着したHMDと共に顔の向きを変更することにより行われてもよい。
【0065】
制御部32が視線対象情報を取得する方法の一例として、制御部32は、仮想空間のワールド座標系における視線方向を特定し、視線方向に存在する視線対象を特定する構成が挙げられる。例えば、上述したように、制御部32は、生成部221から、ワールド座標系における視線方向を示す情報を取得してもよい。他の方法として、ユーザ端末3がHMDなどのウェアラブル端末の場合、制御部32は、ウェアラブル端末のジャイロセンサを用いて視線対象を特定する構成が挙げられる。また、制御部32は、ワールド座標系における視線方向を特定することなく、ユーザ端末3の表示装置に表示されている仮想空間画像の中心に含まれる視線対象を特定する構成が挙げられる。
【0066】
また、ステップS104において、制御部32はさらに、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報を取得してもよい。
【0067】
ここで、感情情報には、一例として、次の情報が含まれていてもよい。例えば、感情の履歴には、(i)当該仮想空間に来訪中のユーザが来訪した時点から現時点までにおけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(ii)当該仮想空間にユーザが過去に来訪した期間におけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(iii)当該仮想空間(例えば店舗)を含む全体的な仮想空間(例えば街)に来訪中のユーザが当該全体的な仮想空間に来訪した時点から当該仮想空間に来訪するまでの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(iv)他のサービスを利用するための他の仮想空間にユーザが来訪した期間におけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。一例として、サーバ2が金融サービスを提供する仮想空間を生成する構成において、取得部11は、サーバ2または他のサーバが生成した、教育サービスを提供する仮想空間におけるユーザの感情の履歴を示す感情情報を取得してもよい。以下においても、「履歴」は、サーバ2が提供する仮想空間における履歴には限定されない。
【0068】
また、感情情報は、上述した顧客データベース5に記憶されてもよい。
【0069】
制御部32が感情情報を取得する方法の一例として、入力部34を介して取得するユーザの生理指標、カメラ36を介して取得するユーザの表情、マイク37を介して取得する音声、および入力部34に入力されるテキストの内容を分析し、ユーザの感情を特定する構成が挙げられる。ユーザの生理指標の一例として、脈波、脳波、心拍、および発汗が挙げられる。また、ユーザ端末3がHMDの場合、当該HMDがユーザの口周りの表情を検出し、ユーザの感情を特定する構成が挙げられる。
【0070】
制御部32は、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報をサーバ2に出力する。
【0071】
(ステップS105)
ステップS105において、サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3から出力された目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。取得部11は、取得した目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を記憶部23に記憶させる。
【0072】
ここで、取得部11は、ユーザの感情の履歴を示す感情情報と、現時点のユーザの感情を示す感情情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。
【0073】
(ステップS106)
ステップS106において、選択部12は、記憶部23に記憶されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。選択部12が担当者を選択する処理の一例については、後述する。
【0074】
(ステップS107)
ステップS107において、選択部12は、ステップS106において担当者を選択した理由を示す理由情報を生成する。選択部12は、生成した理由情報を出力部223に供給する。選択部12が理由情報を生成する処理についても、後述する。出力部223は、選択部12から供給された理由情報を、オペレータ端末4に出力する。
【0075】
(ステップS108)
ステップS108において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された理由情報を取得する。制御部42は、取得した理由情報を表示部45に表示する。
【0076】
(ステップS109)
ステップS109において、サーバ2の生成部221は、選択部12によって選択された担当者と、ユーザのアバターを生成する。担当者のアバターは、担当者に関連付けられて担当者データベース6に予め記憶されていてもよい。また、担当者のアバターは、選択された担当者に関連しないアバターであってもよい。一例として、選択された担当者の性別が男性であっても、生成部221は、担当者のアバターとして女性のアバターを生成してもよい。
【0077】
ユーザのアバターは、ユーザ端末のカメラが撮像したユーザを被写体として含む画像を参照して、生成されてもよい。また、上述したステップS103において、目的情報と共に、年齢、性別といったユーザ情報を取得し、当該ユーザ情報を参照して、生成されてもよい。
【0078】
生成部221は、生成したアバターを出力部223に供給する。出力部223は、生成部221から供給されたアバターのうち、担当者のアバターをユーザ端末3に出力し、ユーザのアバターおよびステップS101において生成した仮想空間の画像を、オペレータ端末4に出力する。
【0079】
ここで、ステップS109において生成部221は、担当者がユーザの応対をするための仮想空間であって、それまでにユーザが存在した仮想空間とは異なる仮想空間を生成してもよい。一例として、生成部221は、商談用の個室の仮想空間を生成してもよい。他の例として、生成部221は、顧客データベース5を参照し、ユーザの嗜好に合わせた仮想空間を生成してもよい。さらに他の例として、生成部221は、ステップS101において生成した仮想空間におけるユーザの動きに応じた仮想空間を生成してもよい。例えば、ステップS101において生成された仮想空間において、ユーザが広い場所にばかり位置していた場合、ステップS109において生成部221は、広い仮想空間を生成してもよい。
【0080】
(ステップS110)
ステップS110において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された担当者のアバターを取得する。制御部32は、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0081】
(ステップS111)
ステップS111において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力されたユーザのアバターおよび仮想空間の画像を取得する。制御部42は、取得した仮想空間に取得したアバターを配置して表示する。
【0082】
(選択部12が実行する処理の例1)
選択部12が実行する処理の一例について、
図6を参照して説明する。
図6は、本例示的実施形態に係る選択部12が実行する処理の一例を示す図である。
【0083】
選択部12は、上述したステップS106において、位置情報と視線対象情報とに基づいて、担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0084】
一例として、ユーザが関心を持つ商品Aについての担当者を選択する例について説明する。この例では、位置情報が、ユーザが仮想空間に含まれるオブジェクトである商品Aについての掲示物の前に位置している、または位置していたことを示す。また、視線対象情報が、ユーザが商品Aについての掲示物を見ている、または見ていたことを示す。この場合、選択部12は、記憶部23に記憶されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶されている担当者情報が示す担当者のうち、商品Aを専門とする担当者を選択する。なお、選択部12は、「位置情報が、当該掲示物の前に位置していたことを示す」ことを、位置情報に含まれる位置の履歴の統計的な解析結果に基づいて判定してもよい。また、選択部12は、「視線対象情報が、当該掲示物を見ていたことを示す」ことを、視線対象情報に含まれる視線対象の履歴の統計的な解析結果に基づいて判定してもよい。
【0085】
(選択部12が実行する処理の例2)
選択部12が選択した担当者が複数の場合、選択部12は、担当者毎に、選択結果に寄与した度合いを示すスコアを与える構成であってもよい。
【0086】
一例として、選択部12は、記憶部23に記憶されている位置情報を参照して、複数の担当者を選択する。そして、選択部12は、選択した複数の担当者に、スコアを与える。
【0087】
視線対象情報についても同様に、選択部12は、記憶部23に記憶されている視線対象情報を参照して、複数の担当者を選択する。そして、選択部12は、選択した複数の担当者に、スコアを与える。
【0088】
そして、選択部12は、各担当者に与えたスコアを加算し、最もスコアの高い担当者を選択する。一例として、
図6に示すように、オペレータAのスコアが「78点」、オペレータBのスコアが「64点」だった場合、選択部12は、オペレータAを担当者として選択する。
【0089】
(選択部12が実行する処理の例3)
選択部12は、
図6に示すように、位置情報および視線対象情報に加えて、目的情報、感情情報、担当者情報、オペレータ対応情報、会話記録、およびVoC情報の少なくとも何れかをさらに参照し、担当者を選択する構成であってもよい。以下では、選択部12が、位置情報および視線対象情報を参照して複数の担当者を選択した場合について説明する。
【0090】
一例として、選択部12は、記憶部23に記憶されている目的情報に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、目的情報が、商品Aの説明を聞くことが目的であることを示す場合、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、商品Aの商品内容に最も詳しい担当者を選択する。
【0091】
他の例として、選択部12は、記憶部23に格納されている、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、感情情報が、ユーザの感情が怒りであることを示す場合、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、クレーム対応を専門とする担当者を選択する。当該構成により、サーバ2は、ユーザの感情に合わせた担当者を選択できるので、仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供することができる。
【0092】
さらに他の例として、選択部12は、担当者データベース6を参照し、オペレータ対応情報に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、オペレータ対応情報が顧客対応中ではないことを示す担当者を選択する。
【0093】
さらに他の例として、選択部12は、顧客データベース5を参照し、ユーザに関連付けられた会話記録に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、会話記録に、オペレータAと会話したときにユーザが満足していた旨の発言が含まれている場合、選択部12は、オペレータAが位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者に含まれている場合、オペレータAを担当者として選択する。
【0094】
さらに他の例として、選択部12は、顧客データベース5を参照し、ユーザに関連付けられたVoC情報に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、VoC情報が、オペレータBの対応が良くなかったことを示す場合、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、オペレータB以外の担当者を選択する。
【0095】
さらに他の例として、選択部12は、顧客データベース5に格納されている情報のうち、ユーザの属性を示すユーザ情報に基づいて、担当者を選択する構成であってもよい。例えば、ユーザの性別が女性であった場合、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、女性の担当者を選択する。
【0096】
さらに他の例として、選択部12は、ユーザの使用言語が英語であった場合、選択部12は、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、英語が堪能な担当者を選択する。また、ユーザの使用言語が英語であり、既存の翻訳機能を使用できる場合、選択部12は、英語が堪能ではない担当者を選択してもよい。
【0097】
また、選択部12は、目的情報、感情情報、担当者情報、オペレータ対応情報、会話記録、およびVoC情報を参照した場合も、担当者毎に、選択において寄与する度合いを示すスコアを与える構成であってもよい。
【0098】
(選択部12が実行する処理の例4)
選択部12は、
図6に示すように、位置情報および視線対象情報に加えて、仮想空間におけるユーザの反応をさらに参照し、担当者を選択する構成であってもよい。
【0099】
例えば、ユーザが仮想空間を利用し始めたときに、ユーザに対して「いらっしゃいませ」、「どういったご用件でしょうか」などの声を掛ける。このような声掛けに対するユーザの反応に応じて、選択部12は担当者を選択する。
【0100】
一例として、声掛けに対してユーザが緊張していることが特定できた場合(例えば、声掛けに対する反応が遅い場合)、選択部12は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、顧客からの評価の点数が最も高い担当者を選択する。
【0101】
(選択部12が実行する処理の例5)
選択部12は、上述したステップS107において、担当者を選択した理由を示す理由情報を生成する。一例として、選択部12は、担当者情報に含まれる1または複数の特徴情報のうち、選択部12による選択結果に寄与した特徴情報を含む理由情報を生成する。
【0102】
例えば、商品Aの専門であるという理由で担当者を選択した場合、選択部12は、担当者情報に含まれる特徴情報「商品Aの専門」を含む理由情報を生成する。選択部12は、生成した理由情報を出力部223に供給する。出力部223は、選択部12から供給された理由情報を、オペレータ端末4に出力する。一例として、オペレータ端末4の表示部45は、「商品Aの専門なので、担当者としてアサインされました」というテキストを含む画像を表示する。
【0103】
このように、サーバ2は、担当者を選択した理由を示す理由情報をオペレータ端末4に出力する。そのため、サーバ2は、担当者に対して、なぜ担当者に選ばれたのかを通知することができるので、担当者はユーザに好適なサービスを提供することができる。
【0104】
また、出力部223は、オペレータ端末4に加えて、またはオペレータ端末4に替えて、理由情報をユーザ端末3に出力する構成であってもよい。当該構成により、サーバ2は、どのような人が担当者に選ばれたのかをユーザに通知することができるので、ユーザに仮想空間におけるサービスを安心して利用させることができる。
【0105】
(更新部222が実行する処理の例)
情報処理システム100において、
図5に示す処理が終わると、ユーザ端末3は、ユーザから、担当者に対する評価を示す評価情報を取得する構成であってもよい。
【0106】
一例として、
図5に示す処理が終わると、ユーザ端末3の制御部32は、担当者の評価の入力を促す画像を表示部35に表示する。そして、制御部32は、入力部34を介して評価情報を取得する。制御部32は、取得した評価情報をサーバ2に出力する。
【0107】
サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3から出力された評価情報を取得すると、更新部222に供給する。更新部222は、取得部11から供給された評価情報に基づいて、担当者データベース6に格納されている担当者情報を更新する。
【0108】
このように、サーバ2は、評価情報に基づいて担当者データベース6に格納されている担当者情報を更新することにより、より好適な担当者を選択することができる。
【0109】
ここで、
図5に示す処理が終わると、サーバ2は、評価情報に加えて、ユーザ端末3のマイク37を介して取得した会話記録、オペレータ端末4のマイク37を介して取得した会話記録、入力部34を介して取得したVoC情報を取得してもよい。この場合、更新部222は、取得した会話記録およびVoC情報に基づいて、顧客データベース5に格納されている会話記録およびVoC情報を更新する。
【0110】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、サーバ2は、位置情報および視線対象情報に加えて、目的情報、感情情報、オペレータ対応情報、会話記録、およびVoC情報を参照して、担当者を選択する。そのため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、サーバ2は、より好適な担当者を選択することができるので、仮想空間においてユーザに好適なサービスを提供することができる。
【0111】
また、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、仮想空間におけるユーザの動きの情報を取得できるため、仮想空間におけるユーザの動きに応じた担当者を選択することができる。
【0112】
また、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、仮想空間においてサービスを提供できるため、担当者のリモートワークを可能にする。また、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、各担当者の労働時間をコールルーティングの考慮に入れることができるので、担当者の労務管理を改善することができる。
【0113】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述の例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0114】
(情報処理システム100Aの構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成について、
図7を参照して説明する。
図7は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0115】
図7に示すように、情報処理システム100Aは、サーバ2、ユーザ端末3、複数のオペレータ端末4(オペレータ端末4Aおよびオペレータ端末4B)、顧客データベース5、および担当者データベース6を含んで構成される。サーバ2およびユーザ端末3は、それぞれ本例示的実施形態において、情報処理装置を実現する構成である。また、担当者データベース6は、本例示的実施形態において、記憶装置を実現する構成である。
【0116】
情報処理システム100Aでは、サーバ2は、上述した情報処理システム100におけるサーバ2の機能に加えて、担当者がユーザに応対中に、異なる担当者を選択する機能を備えている。以下では、ユーザへの応対前にサーバ2が選択した担当者を第1担当者、ユーザへの応対中にサーバ2が選択した担当者を第2担当者と称する。
【0117】
(サーバ2の構成)
サーバ2は、
図7に示すように、通信部21、制御部22、および記憶部23を備えている。通信部21および記憶部23については、上述した通りである。
【0118】
制御部22は、サーバ2が備える各構成要素を制御する。また、制御部22は、
図7に示すように、取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223としても機能する。取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、選択手段、生成手段、更新手段、および出力手段を実現する構成である。
【0119】
取得部11は、通信部21から供給された情報を取得する。一例として、取得部11は、位置情報と視線対象情報とを取得する。また、取得部11は、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、第1担当者の応対中の感情または当該感情の履歴を含む感情情報とを取得する。取得部11は、取得した情報を、記憶部23に格納する。
【0120】
選択部12は、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。一例として、選択部12は、記憶部23に格納されている位置情報と視線対象情報とに基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0121】
また、選択部12は、担当者として選択した第1担当者が仮想空間においてユーザを応対中に取得部11が取得した情報に基づいて、第1担当者とは異なる第2担当者を選択する。選択部12が第2担当者を選択する処理の例については後述する。
【0122】
生成部221は、仮想空間を生成する。また、生成部221は、生成した仮想空間にオブジェクトを配置する。また、生成部221は、ユーザ端末3のユーザの操作により動作するユーザのアバターを生成する。また、生成部221は、オペレータ端末4Aのユーザである担当者であって、選択部12によって選択された第1担当者の操作により動作する第1担当者のアバターを生成する。また、生成部221は、オペレータ端末4Bのユーザである担当者であって、選択部12によって選択された第2担当者の操作により動作する第2担当者のアバターを生成する。
【0123】
更新部222は、担当者データベース6に格納されている担当者情報を更新する。
【0124】
出力部223は、通信部21に情報を供給し、情報を出力する。一例として、出力部223は、選択部12が第1担当者を選択した理由を示す理由情報を出力する。また、出力部223は、選択部12が第2担当者を選択した理由を示す理由情報を出力する。
【0125】
(ユーザ端末3の構成)
ユーザ端末3が備える各構成要素は、上述した実施形態におけるユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0126】
(オペレータ端末4Aおよびオペレータ端末4Bの構成)
オペレータ端末4Aおよびオペレータ端末4Bがそれぞれ備える各構成要素は、上述した実施形態におけるユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0127】
(情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れについて、
図8を参照して説明する。
図8は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れを示すフロー図である。
【0128】
(ステップS101~ステップS111)
ステップS101~ステップS111の処理については、上述の実施形態において説明した処理と同じであるため、説明を省略する。すなわち、ステップS101~ステップS111において、担当者(第1担当者)がユーザに応対するまでの処理を実行する。ステップS112以降の処理は、第1担当者がユーザの応対中に実行される処理である。
【0129】
(ステップS112)
ステップS112において、ユーザ端末3の制御部32は、ユーザの位置情報、ユーザの視線対象情報、およびユーザの感情情報を取得する。制御部32は、取得したユーザの位置情報、ユーザの視線対象情報、およびユーザの感情情報をサーバ2に出力する。
【0130】
(ステップS113)
ステップS113において、オペレータ端末4Aの制御部42Aは、第1担当者の感情情報を取得する。制御部42Aは、取得した第1担当者の感情情報をサーバ2Aに出力する。
【0131】
(ステップS114)
ステップS114において、サーバ2の取得部11は、ユーザの位置情報、ユーザの視線対象情報、ユーザの感情情報、および第1担当者の感情情報を取得する。取得部11は、取得したユーザの位置情報、ユーザの視線対象情報、ユーザの感情情報、および第1担当者の感情情報を、記憶部23に格納する。
【0132】
(ステップS115)
ステップS115において、選択部12は、担当者(第2担当者)を選択する。
【0133】
一例として、商品Aが専門の担当者(第1担当者)がユーザの応対中に、商品Bが専門の担当者(第2担当者)を選択する例について説明する。この例では、位置情報が、ユーザが商品Bについての掲示物の前に位置している、または位置していたことを示す。また、視線対象情報が、ユーザが商品Bについての掲示物を見ている、または見ていたことを示す。この場合、選択部12は、記憶部23に格納されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に格納されている担当者情報が示す担当者のうち、商品Bを専門とする担当者を選択する。
他の例として、商品Aが専門の担当者(第1担当者)がユーザの応対中に、ステップS114において取得部11が取得したユーザの感情情報が不安を示す場合について説明する。この場合、選択部12は、第1担当者より商品Aに詳しい第2担当者を選択する。
【0134】
さらに他の例として、商品Aが専門の担当者(第1担当者)がユーザの応対中に、ステップS114において取得部11が取得した当該第1担当者の感情情報が不安を示す場合について説明する。この場合、選択部12は、第1担当者より商品Aにさらに詳しい第2担当者を選択する。
【0135】
(ステップS116)
ステップS116において、選択部12は、ステップS115において第2担当者を選択した理由を示す理由情報を生成する。選択部12は、生成した理由情報を出力部223に供給する。出力部223は、選択部12から供給された理由情報を、オペレータ端末4Bに出力する。
【0136】
(ステップS117)
ステップS117において、オペレータ端末4Bの制御部42Bは、サーバ2から出力された理由情報を取得する。制御部42Bは、取得した理由情報を表示部45Bに表示する。ここで、出力部223は、選択部12から供給された理由情報を、オペレータ端末4Bに加えて、またはオペレータ端末4Bに替えて、ユーザ端末3およびオペレータ端末4Aの少なくとも何れかに出力してもよい。
【0137】
(ステップS118)
ステップS118において、サーバ2の生成部221は、ステップS115において選択部12によって選択された第2担当者のアバターと、ユーザのアバターとを生成する。ここで、ステップS118において生成部221が生成するユーザのアバターは、ステップS109において生成したユーザのアバターと同じアバターであってもよい。
【0138】
生成部221は、生成したアバターを出力部223に供給する。出力部223は、生成部221から供給されたアバターのうち、第2担当者のアバターをユーザ端末3に出力し、ユーザのアバターおよびステップS101において生成した仮想空間の画像を、オペレータ端末4Bに出力する。
【0139】
(ステップS119)
ステップS119において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された担当者のアバターを取得する。制御部32は、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0140】
(ステップS120)
ステップS120において、オペレータ端末4Bの制御部42Bは、サーバ2から出力されたユーザのアバターおよび仮想空間の画像を取得する。制御部42Bは、取得した仮想空間に取得したアバターを配置して表示する。
【0141】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、第1担当者が仮想空間においてユーザを応対中に取得した情報に基づいて、第1担当者とは異なる第2担当者を選択する。そのため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、例えば、第1担当者にユーザが不満を持っている場合、サーバ2は、好適な担当者を再選択することができる。
【0142】
また、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、第1担当者がユーをの応対中に当該第1担当者の感情または当該感情の履歴を含む感情情報をさらに取得する。そのため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、第1担当者自身が応対に問題があると感じた場合、第1担当者よりユーザの応対に適した第2担当者を選択することができる。
【0143】
(変形例1)
本変形例に係る情報処理システム100Aでは、選択部12は、アバターが第1担当者の操作により動作中に、第1担当者とは異なる第2担当者を選択した場合、第1担当者の操作に替えて第2担当者の操作によりアバターを動作させる。
【0144】
一例として、上述したステップS118において、生成部221は、ステップS115において選択部12によって選択された第2担当者のアバターを生成しない。そして、ステップ118において、出力部223は、ステップS109において生成した第1担当者のアバターをユーザ端末3に出力する。
【0145】
そして、ステップS119において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された第1担当者のアバターを取得する。制御部32は、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0146】
このように、本変形例に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、アバターが第1担当者の操作により動作中に、第1担当者とは異なる第2担当者を選択した場合、第1担当者の操作に替えて第2担当者の操作によりアバターを動作させる。換言すると、本変形例に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、第1担当者がユーザに応対中、アバターを変更せずに、ユーザに応答する担当者を第1担当者から第2担当者に変更する。そのため、サーバ2は、担当者が変更されたことをユーザに意識させずに、より好適な担当者に変更することができる。その結果、アバターの応対に対するユーザの満足度が向上する。
【0147】
(変形例2)
本変形例に係る情報処理システム100Aでは、選択部12は、複数の担当者を選択する。そして、生成部221は、複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターを生成する。
【0148】
一例として、上述したステップS106において、選択部12は、記憶部23に格納されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する複数の担当者を選択する。
【0149】
そして、ステップS109において、生成部221は、選択部12によって選択された複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターと、ユーザのアバターを生成する。生成部221は、生成したアバターを出力部223に供給する。出力部223は、生成部221から供給されたアバターのうち、複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターをユーザ端末3に出力する。また、出力部223は、ユーザのアバターおよびステップS101において生成した仮想空間の画像を、オペレータ端末4Aおよびオペレータ端末4Bに出力する。
【0150】
このように、本変形例に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターを生成する。換言すると、本変形例に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、担当者が複数であっても、1つのアバターがユーザ端末3に表示される。そのため、サーバ2は、ユーザが複数のサービスを利用したい場合、複数のサービスのそれぞれに応じた複数の担当者が1つのアバターを用いて対応するので、ユーザに威圧感を与えずにサービスを提供することができる。また、本変形例に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、ユーザにサービス毎に担当者が変更することを意識させず、サービスを提供することができる。つまり、ユーザは、複数のサービスを専門とする1人のアバターによって応対されたと感じることができる。その結果、アバターの応対に対するユーザの満足度が向上する。
【0151】
〔例示的実施形態4〕
例示的実施形態2および例示的実施形態3では、サーバ2およびユーザ端末3を用いる例を説明したが、サーバ2の有する機能のうち、1または複数の機能が、ユーザ端末3にて実現されていてもよい。換言すると、サーバ2の制御部22が備える取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223の少なくとも何れかは、ユーザ端末3の制御部32が備えてもよい。また、サーバ2の制御部22が備える取得部11、選択部12、生成部221、更新部222、および出力部223の全ての機能を、ユーザ端末3の制御部32が備えてもよい。
【0152】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4(4Aおよび4B)の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0153】
後者の場合、サーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4(4Aおよび4B)は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図9に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCをサーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4(4Aおよび4B)として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、サーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4(4Aおよび4B)の各機能が実現される。
【0154】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0155】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0156】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0157】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0158】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0159】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0160】
(付記1)
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、を備える情報処理装置。
【0161】
(付記2)
前記担当者情報には、前記担当者に関する1または複数の特徴情報が含まれ、前記1または複数の特徴情報のうち、前記選択手段による選択結果に寄与した特徴情報を含み、前記選択手段が前記担当者を選択した理由を示す理由情報を出力する出力手段、をさらに含む、付記1に記載の情報処理装置。
【0162】
(付記3)
前記取得手段は、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報をさらに取得し、前記選択手段は、さらに前記感情情報に基づいて、前記担当者を選択する、付記1または2に記載の情報処理装置。
【0163】
(付記4)
前記選択手段は、前記担当者として選択した第1担当者が前記仮想空間において前記ユーザを応対中に前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記第1担当者とは異なる第2担当者を選択する、付記1~3の何れかに記載の情報処理装置。
【0164】
(付記5)
前記取得手段は、前記担当者として選択された第1担当者の応対中の感情または当該感情の履歴を含む感情情報をさらに取得する、付記4に記載の情報処理装置。
【0165】
(付記6)
前記担当者として選択された第1担当者の操作により動作するアバターを生成する生成手段をさらに含み、前記選択手段は、前記アバターが前記第1担当者の操作により動作中に、前記第1担当者とは異なる第2担当者を選択した場合、前記第1担当者の操作に替えて前記第2担当者の操作により前記アバターを動作させる、付記4または5に記載の情報処理装置。
【0166】
(付記7)
前記ユーザの前記担当者に対する評価を示す評価情報に基づいて、前記担当者情報を更新する更新手段をさらに含む、請求項1~6の何れかに記載の情報処理装置。
【0167】
(付記8)
前記選択手段は、複数の担当者を選択し、前記複数の担当者それぞれの操作により動作する同一のアバターを生成する生成手段、をさらに含む、付記1~7の何れかに記載の情報処理装置。
【0168】
(付記9)
情報処理装置が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得することと、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択することと、を含む情報処理方法。
【0169】
(付記10)
コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択手段と、として機能させる。
【0170】
(付記11)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報と、を取得する取得処理と、前記位置情報と、前記視線対象情報と、に基づいて、記憶装置に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、前記仮想空間において前記ユーザの応対を担当する担当者を選択する選択処理とを実行する情報処理装置。
【0171】
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記選択処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0172】
1 情報処理装置
2、2A サーバ
3 ユーザ端末
4、4A、4B オペレータ端末
5 顧客データベース
6 担当者データベース
11 取得部
12 選択部
100、100A 情報処理システム
221 生成部
222 更新部
223 出力部