(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011403
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113350
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】則枝 真
(72)【発明者】
【氏名】赤崎 翔悟
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 健彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザにより好適な仮想空間を提供する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得部(11)と、位置情報と感情情報と仮想空間履歴情報とに基づいて、仮想空間または仮想空間の状態を変更する仮想空間更新部(12)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、
前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザが利用中の仮想空間は、前記ユーザの応対を担当する担当者のアバターを含み、
前記仮想空間変更手段は、前記アバターを変更する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記仮想空間変更手段は、前記アバターを用いて前記担当者が前記ユーザを応対中に前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段が取得した情報のうち、前記仮想空間変更手段による変更に寄与した情報を含み、前記仮想空間変更手段が前記仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更した理由を示す理由情報を出力する出力手段、をさらに含む、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記仮想空間変更手段は、前記ユーザが利用中の仮想空間における照明環境の変更、当該仮想空間における色調の変更、当該仮想空間の形状または大きさの変更、当該仮想空間に含まれる仮想オブジェクトの変更、または、当該仮想空間から他の仮想空間への変更を行うことにより、前記仮想空間を変更する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報をさらに取得し、
前記仮想空間変更手段は、前記視線対象情報にさらに基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、を取得し、
前記仮想空間変更手段は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザそれぞれに関して前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記共有される仮想空間を変更または前記共有される仮想空間の状態を変更する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得手段は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、を取得し、
前記仮想空間変更手段は、
前記第1ユーザについて前記取得手段が取得した情報に基づく第1の更新を、前記共有される仮想空間において前記第1ユーザ向けに反映させ、
前記第2ユーザについて前記取得手段が取得した情報に基づく第2の更新を、前記共有される仮想空間において前記第2ユーザ向けに反映させる、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得することと、
前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更することと、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、
前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに提供する仮想空間を変更する技術が知られている。特許文献1には、第1の仮想世界において、ユーザの制御に従って行動するアバターの行動を分析してユーザの特徴を導出し、導出したユーザの特徴に従って第2の仮想世界を決定する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、仮想空間においてユーザに関する様々な情報が取得可能になっている。例えば、ユーザが仮想空間においてどこに位置していたかという情報を取得することが可能になっている。このような様々な情報を用いて、ユーザにより好適な仮想空間を提供する技術が求められている。
【0005】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、ユーザにより好適な仮想空間を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理装置が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得することと、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更することと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ユーザにより好適な仮想空間を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図3】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態2に係る情報処理システムにおける仮想空間の画像の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【
図6】本発明の実施形態3に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態3に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【
図8】本発明の実施形態4に係る情報処理システムにおける処理の流れを示すフロー図である。
【
図9】本発明の各例示的実施形態に係るサーバ、ユーザ端末、およびオペレータ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0012】
(情報処理装置1の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、本例示的実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【0013】
情報処理装置1は、ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する装置である。情報処理装置1は、
図1に示すように、取得部11および仮想空間更新部12を備えている。取得部11および仮想空間更新部12は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段および仮想空間変更手段を実現する構成である。
【0014】
取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する。取得部11は、取得した位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報を、仮想空間更新部12に供給する。
【0015】
仮想空間更新部12は、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する。
【0016】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理装置1においては、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得部11と、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間更新部12とを備える構成が採用されている。
【0017】
このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1によれば、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴と、ユーザの感情または当該感情の履歴と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴とが参照される。このため、本例示的実施形態に係る情報処理装置1によれば、様々な情報に基づいてユーザが利用中の仮想空間または仮想空間の状態が変更されるので、ユーザにより好適な仮想空間を提供することができる。
【0018】
(情報処理方法S1の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れについて、
図2を参照して説明する。
図2は、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。
【0019】
(ステップS11)
ステップS11において、取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する。取得部11は、取得した位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報を、仮想空間更新部12に供給する。
【0020】
(ステップS12)
ステップS12において、仮想空間更新部12は、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する。
【0021】
以上のように、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1においては、取得部11が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得することと、仮想空間更新部12が、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更することと、を含む構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る情報処理方法S1によれば、上述した情報処理装置1と同様の効果が得られる。
【0022】
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0023】
(情報処理システム1の概要)
情報処理システム100は、ユーザが利用中の仮想空間を変更または仮想空間の状態を変更するシステムである。ここで、「ユーザが利用中の仮想空間」とは、ユーザが利用するユーザ端末3に現在表示されている画像が示す仮想空間である。また、当該変更を行うために、情報処理システム100は、仮想空間履歴情報、位置情報、および感情情報、等を参照する。仮想空間履歴情報は、ユーザ(または他のユーザ)が利用した仮想空間の履歴を示す情報である。仮想空間の履歴には、仮想空間に含まれるオブジェクトの履歴および仮想空間に配置されるアバターの履歴が含まれてもよい。ここで、「ユーザ(または他のユーザ)が利用した仮想空間」とは、ユーザ(または他のユーザ)が利用するユーザ端末3に、現在までに表示されたことがある画像が示す仮想空間である。以降では、ユーザが仮想空間を「利用」することを、ユーザが仮想空間に「来訪」すると記載する場合もある。
【0024】
また、仮想空間は、複数の仮想空間によって構成される場合がある。例えば、街を示す仮想空間は、店舗、学校、公園、道路等をそれぞれ示す仮想空間によって構成される。また、例えば、金融機関の店舗を示す仮想空間は、待合室、商談スペース、応接室等をそれぞれ示す仮想空間によって構成される。「仮想空間を変更する」とは、例えば、ユーザが利用中の仮想空間(例えば、待合室を示す仮想空間)を、異なる仮想空間(例えば、ユーザが利用中の待合室の仮想空間とは異なる待合室の仮想空間や、応接室を示す仮想空間)に変更することをいう。また、「仮想空間の状態を変更する」とは、例えば、ユーザが利用中の仮想空間の構成要素または設定を変更することをいう。「仮想空間の状態を変更する」一例としては、例えば、待合室に配置されたオブジェクトを変更または移動したり、待合室の環境を変更したりすることをいう。
【0025】
本例示的実施形態では、「仮想空間を変更または仮想空間の状態を変更する」ことを、以降、「仮想空間を更新する」とも記載する。
【0026】
以下では、情報処理システム100において変更される仮想空間として、ユーザの応対を担当する担当者がユーザに対してサービスを提供するために利用する仮想空間を例に挙げて説明する。仮想空間において提供されるサービスの例として、物品を販売するサービス、金融サービス、および教育サービスが挙げられる。
【0027】
(情報処理システム100の構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。
【0028】
情報処理システム100は、
図3に示すように、サーバ2、ユーザ端末3、オペレータ端末4、顧客データベース5、および担当者データベース6を含んで構成される。サーバ2およびユーザ端末3は、それぞれ本例示的実施形態において、情報処理装置を実現する構成である。
【0029】
情報処理システム100では、
図3に示すように、サーバ2、ユーザ端末3、およびオペレータ端末4は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。また、情報処理システム100では、
図3に示すように、顧客データベース5および担当者データベース6は、サーバ2に接続されている。サーバ2は、顧客データベース5および担当者データベース6に記憶されている情報を更新したり、顧客データベース5および担当者データベース6に記憶されている情報を取得したりする。
【0030】
ユーザ端末3およびオペレータ端末4の例として、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォン、ウェアラブル端末、およびHMD(Head Mounted Display)が挙げられる。一例として、ユーザ端末3(またはオペレータ端末4)が、PC、タブレット、またはスマートフォンである場合について説明する。この場合、ユーザ(または担当者)は、ユーザ端末3(またはオペレータ端末4)で動作するブラウザに仮想空間を利用するためのURL(Uniform Resource Locator)を入力することにより、仮想空間を利用することができる。
【0031】
一例として、情報処理システム100では、仮想空間上にユーザのアバターと担当者のアバターとが配置される。そして、ユーザはユーザ端末3を介してユーザのアバターを操作し、担当者はオペレータ端末4を介して担当者のアバターを操作する。ここで、ユーザの応対を担当する担当者は、人であってもよいし、プログラム(ボット)であってもよい。
【0032】
(サーバ2の構成)
サーバ2は、
図3に示すように、通信部21、制御部22、および記憶部23を備えている。
【0033】
通信部21は、サーバ2に接続されている装置と通信する通信モジュールである。一例として、通信部21は、制御部22から供給された情報を顧客データベース5または担当者データベース6に記憶させる。また、通信部21は、顧客データベース5に記憶されている情報または担当者データベース6に記憶されている情報を制御部22に供給する。また、通信部21は、制御部22から供給された情報を、ネットワークを介して接続されたユーザ端末3およびオペレータ端末4に出力する。また、通信部21は、ユーザ端末3およびオペレータ端末4から出力された情報を制御部22に供給する。
【0034】
記憶部23は、制御部22が参照するデータを記憶している。一例として、記憶部23は、位置情報、視線対象情報、目的情報、仮想空間履歴情報、および感情情報を記憶している。
【0035】
(制御部22の機能)
制御部22は、サーバ2が備える各構成要素を制御する。また、制御部22は、
図3に示すように、取得部11、仮想空間更新部12、選択部221、生成部222、更新部223、および出力部224としても機能する。取得部11、仮想空間更新部12、および出力部224は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、仮想空間変更手段、および出力手段を実現する構成の一例である。
【0036】
取得部11は、通信部21から供給された情報を取得する。一例として、取得部11は、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する。
【0037】
また、取得部11は、ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報を取得する。また、取得部11は、ユーザの特徴に関するユーザ特徴情報を取得する。
【0038】
取得部11は、取得した情報を、記憶部23に記憶させる。
【0039】
ここで、位置情報が示す仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、一例として、次の情報が含まれていてもよい。例えば、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(i)当該仮想空間に来訪中のユーザが来訪した時点から現時点までの仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(ii)当該仮想空間にユーザが過去に来訪した期間における、仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(iii)当該仮想空間(例えば店舗)を含む全体的な仮想空間(例えば街)に来訪中のユーザが当該全体的な仮想空間に来訪した時点から当該仮想空間に来訪するまでの仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。また、仮想空間におけるユーザの位置の履歴には、(iv)他のサービスを利用するための他の仮想空間にユーザが来訪した期間における、仮想空間におけるユーザの位置の履歴が含まれていてもよい。一例として、サーバ2が金融サービスを提供する仮想空間を生成する構成において、取得部11は、サーバ2または他のサーバが生成した、教育サービスを提供する仮想空間におけるユーザの位置の履歴を示す位置情報を取得してもよい。以下においても、「履歴」は、サーバ2が提供する仮想空間における履歴には限定されない。
【0040】
また、感情情報には、一例として、次の情報が含まれていてもよい。例えば、感情の履歴には、(i)当該仮想空間に来訪中のユーザが来訪した時点から現時点までにおけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(ii)当該仮想空間にユーザが過去に来訪した期間におけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(iii)当該仮想空間(例えば店舗)を含む全体的な仮想空間(例えば街)に来訪中のユーザが当該全体的な仮想空間に来訪した時点から当該仮想空間に来訪するまでの感情の履歴が含まれていてもよい。また、感情の履歴には、(iv)他のサービスを利用するための他の仮想空間にユーザが来訪した期間におけるユーザの感情の履歴が含まれていてもよい。一例として、サーバ2が金融サービスを提供する仮想空間を生成する構成において、取得部11は、サーバ2または他のサーバが生成した、教育サービスを提供する仮想空間におけるユーザの感情の履歴を示す感情情報を取得してもよい。以下においても、「履歴」は、サーバ2が提供する仮想空間における履歴には限定されない。
【0041】
また、仮想空間履歴情報が示す、ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴に含まれる情報の一例については、上述した(i)~(iv)の説明において、「ユーザ」を「ユーザおよび他のユーザの一方または両方」と読み替え、「仮想的な位置」を「ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間」と読み替えることにより、同様に説明される。仮想空間履歴情報は、後述する顧客データベース5に記憶される。
【0042】
また、視線対象情報が示す、視線方向に存在する視線対象の履歴に含まれる情報の一例については、上述した(i)~(iv)の説明において、「仮想空間におけるユーザの位置」を「視線方向に存在する視線対象」と読み替えることにより、同様に説明される。
【0043】
なお、上述した位置情報のうち位置の履歴、視線対象情報のうち視線対象の履歴、または、感情情報のうち感情の履歴、をそれぞれ示す情報は、後述する顧客データベース5に記憶されていてもよい。また、取得部11は、現時点の位置を示す情報と、位置の履歴を示す情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。また、取得部11は、現時点の視線対象の情報と、視線対象の履歴を示す情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。また、取得部11は、現時点の感情を示す情報と、感情の履歴を示す情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。
【0044】
仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を更新する。一例として、仮想空間更新部12は、記憶部23に記憶されている位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する。仮想空間更新部12が仮想空間を更新する処理の詳細については後述する。
【0045】
選択部221は、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。一例として、選択部221は、記憶部23に記憶された位置情報と視線対象情報とに基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。選択部221が担当者を選択する処理の一例について説明する。この例では、位置情報が、ユーザが仮想空間に含まれるオブジェクトである商品Aについての掲示物の前に位置している、または位置していたことを示す。また、視線対象情報が、ユーザが商品Aについての掲示物を見ている、または見ていたことを示す。この場合、選択部221は、位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶されている担当者情報が示す担当者のうち、商品Aを専門とする担当者を選択する。
【0046】
生成部222は、仮想空間を生成する。また、生成部222は、生成した仮想空間にオブジェクトを配置する。オブジェクトの一例として、仮想空間において提供されるサービスに関する掲示物が挙げられる。また、生成部222は、ユーザ端末3のユーザの操作により動作するユーザのアバターを生成する。また、生成部222は、オペレータ端末4のユーザである担当者であって、選択部221によって選択された担当者の操作により動作する担当者のアバターを生成する。
【0047】
また、生成部222は、ユーザ端末3およびオペレータ端末4のそれぞれからのユーザおよび担当者によるアバターに対する操作を示す操作情報に応じて、ユーザ端末3およびオペレータ端末4のそれぞれに出力する仮想空間の画像を生成する。
【0048】
更新部223は、担当者データベース6に記憶されている担当者情報を更新する。一例として、更新部223は、ユーザの担当者に対する評価を示す評価情報に基づいて、担当者情報を更新する。
【0049】
出力部224は、通信部21に情報を供給し、情報を出力する。一例として、出力部224は、生成部222によって生成された仮想空間の画像を出力する。また、出力部224は、選択部221が担当者を選択した理由を示す理由情報(以下、「第1理由情報」と称する)を出力する。また、出力部224は、取得部11が取得した情報のうち、仮想空間更新部12による更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を変更または仮想空間の状態を変更した理由を示す理由情報(以下、「第2理由情報」と称する)を出力する。理由情報の詳細については後述する。
【0050】
(ユーザ端末3の構成)
ユーザ端末3は、
図3に示すように、通信部31、制御部32、記憶部33、入力部34、表示部35、カメラ36、マイク37、およびスピーカ38を備えている。
【0051】
通信部31は、ネットワークを介してユーザ端末3に接続されている装置と通信する通信モジュールである。一例として、通信部31は、制御部32から供給された情報をサーバ2に出力したり、サーバ2から出力された情報を制御部32に供給したりする。
【0052】
制御部32は、ユーザ端末3が備える各構成要素を制御する。一例として、制御部32は、入力部34から供給された情報、カメラ36から供給された画像、およびマイク37から供給された音情報を取得する。また、制御部32は、表示部35に画像を表示させたり、スピーカ38に音を出力させたりする。
【0053】
記憶部33は、制御部32が参照するデータを記憶している。
【0054】
入力部34は、情報の入力を受け付けるインタフェースである。一例として、入力部34は、ユーザの操作を受け付けるマウス、キーボード、タッチパッド、およびこれらの組み合わせによって構成される。他の例として、入力部34は、ユーザの心拍数を測定するウェアラブルデバイスで構成される。
【0055】
表示部35は、画像を表示する表示デバイスである。一例として、表示部35は、制御部32から出力された仮想空間の画像を表示する。
【0056】
カメラ36は、画像を撮像する撮像デバイスである。一例として、カメラ36は、ユーザの顔を撮像した画像を、制御部32に供給する。
【0057】
マイク37は、音を集音するデバイスである。一例として、マイク37は、ユーザが発話した音声およびユーザと担当者との会話の音声を集音し、当該音声を示す会話記録を制御部32に供給する。また、他の例として、マイク37は、ユーザのアバターを操作するための音声を集音し、当該音声を示す操作情報を制御部32に供給する。
【0058】
スピーカ38は、音を出力するデバイスである。一例として、スピーカ38は、制御部32から供給された、担当者の音声を出力する。
【0059】
(オペレータ端末4の構成)
オペレータ端末4が備える各構成要素は、上述したユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0060】
(顧客データベース5)
顧客データベース5は、顧客(ユーザ)に関する情報が記憶されているデータベースである。顧客データベース5に記憶されている情報の一例として、ユーザの属性である氏名、年齢、性別、提供するサービスに関連した情報(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、口座番号など)、会話記録、およびVoC(Voice Of Customer)情報が挙げられる。ここで、会話記録は、会話した音声であってもよいし、既存の技術を用いて会話を文字起こしおよび自然言語処理をしたテキストデータであってもよい。また、以下では、顧客データベース5に記憶されている上述した情報を、ユーザ特徴情報とも称する。また、顧客データベース5には、各ユーザの仮想空間履歴情報が記憶されてもよい。また、顧客データベース5は、前述した位置情報のうち位置の履歴、視線対象情報のうち視線対象の履歴、または、感情情報のうち感情の履歴、をそれぞれ示す情報を記憶していてもよい。
【0061】
(担当者データベース6)
担当者データベース6は、複数の担当者の候補それぞれに関する担当者情報が記憶されているデータベースである。担当者データベース6に記憶されている担当者情報の一例として、氏名、年齢、性別、提供するサービスにおける専門分野を示す情報(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、保険、投資など)、顧客からの評価の点数、および成績(例えば、仮想空間において金融サービスが提供される場合は、契約金額、受注件数など)が挙げられる。このように、担当者情報には、担当者に関する1または複数の特徴情報が含まれる。また、担当者データベース6には、現在、顧客の対応をしているか否かの稼働状況を示すオペレータ対応情報が記憶されている。
【0062】
(表示される画像の一例)
情報処理システム100において、サーバ2が生成した仮想空間の画像の一例について、
図4を参照して説明する。
図4は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100における仮想空間の画像の一例を示す図である。
【0063】
画像P1は、金融サービスを提供する仮想空間の画像の一例である。画像P1に示すように、仮想空間には、サービスを提供する担当者のアバターAT1、サービスを受けるユーザのアバターAT2が含まれている。情報処理システム100は、画像P1を、ユーザ端末3の表示部35と、オペレータ端末4の表示部45とに表示してもよい。
【0064】
また、情報処理システム100は、ユーザ端末3の表示部35と、オペレータ端末4の表示部45とにおいて、異なる画像を表示する構成であってもよい。一例として、ユーザ端末3の表示部35には、画像P1に含まれるユーザのアバターAT2から見える画像が表示され、オペレータ端末4の表示部45には、画像P1に含まれる担当者のアバターAT1から見える画像が表示されてもよい。
【0065】
(情報処理システム100における処理S100の流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100における処理S100の流れについて、
図5を参照して説明する。
図5は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100における処理S100の流れを示すフロー図である。
【0066】
(ステップS101)
ステップS101において、サーバ2の生成部222は、オブジェクトを配置した仮想空間を生成する。生成部222は、生成した仮想空間の画像を、出力部224に供給する。出力部224は、生成部222が生成した仮想空間の画像をユーザ端末3に出力する。
【0067】
(ステップS102)
ステップS102において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された仮想空間の画像を取得する。制御部32は、取得した仮想空間の画像を、表示部35に表示する。ステップS102において表示する仮想空間の画像の一例として、制御部32は、ユーザが当該仮想空間に存在していることを想定した場合に、ユーザから見える画像を表示してもよい。
【0068】
(ステップS103)
ステップS103において、ユーザ端末3の制御部32は、入力部34を介して、ユーザが仮想空間を利用する目的を示す目的情報を取得する。一例として、ユーザ端末3の制御部32は、仮想空間にオブジェクトとして含まれる受付端末に、ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力することにより、目的情報を取得する。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成の一例として、目的情報を選択させるための選択リストを含む画像を提示する構成が挙げられる。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成の他の例として、目的情報をテキスト入力するための入力フィールドを含む画像を提示する構成が挙げられる。ユーザに目的情報の入力を促す情報を出力する構成のさらに他の例として、「どういった御用でしょうか?」という音声を出力する構成が挙げられる。制御部32は、取得した目的情報をサーバ2に出力する。
【0069】
(ステップS104)
ステップS104において、制御部32は、位置情報および視線対象情報を取得する。
【0070】
制御部32が位置情報を取得する方法の一例として、制御部32は、仮想空間のワールド座標系におけるユーザの位置を示す座標を取得する構成が挙げられる。ここで、例えば、生成部222は、ユーザの操作に基づいて、仮想空間のワールド座標系におけるユーザの位置および視線方向を変更し、仮想空間におけるユーザの位置および視線方向に基づいてユーザ端末3に表示する仮想空間画像を更新する。そこで、制御部32は、生成部222から、ワールド座標系におけるユーザの位置を取得してもよい。なお、仮想空間におけるユーザの位置または視線方向を変更するためのユーザの操作は、ユーザ端末3がPC、タブレット、スマホ等である場合、例えば、キーボード、マウス、タッチパッドを介して行われてもよい。また、仮想的な位置を変更するためのユーザの操作は、ユーザ端末3がHMDおよびコントローラである場合、仮想空間に配置された移動オブジェクトに対するコントローラの操作により行われてもよい。仮想的な視線を変更する操作は、HMDにジャイロセンサ等が搭載されている場合、装着したHMDと共に顔の向きを変更することにより行われてもよい。
【0071】
制御部32が視線対象情報を取得する方法の一例として、制御部32は、仮想空間のワールド座標系における視線方向を特定し、視線方向に存在する視線対象を特定する構成が挙げられる。例えば、上述したように、制御部32は、生成部222から、ワールド座標系における視線方向を示す情報を取得してもよい。他の方法として、ユーザ端末3がHMDなどのウェアラブル端末の場合、制御部32は、ウェアラブル端末のジャイロセンサを用いて視線対象を特定する構成が挙げられる。また、制御部32は、ワールド座標系における視線方向を特定することなく、ユーザ端末3の表示装置に表示されている仮想空間画像の中心に含まれる視線対象を特定する構成が挙げられる。
【0072】
また、ステップS104において、制御部32はさらに、ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報を取得してもよい。
【0073】
制御部32が感情情報を取得する方法の一例として、入力部34を介して取得するユーザの生理指標、カメラ36を介して取得するユーザの表情、マイク37を介して取得する音声、および入力部34に入力されるテキストの内容を分析し、ユーザの感情を特定する構成が挙げられる。ユーザの生理指標の一例として、脈波、脳波、心拍、および発汗が挙げられる。また、ユーザ端末3がHMDの場合、当該HMDがユーザの口周りの表情を検出し、ユーザの感情を特定する構成が挙げられる。
【0074】
制御部32は、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報をサーバ2に出力する。
【0075】
(ステップS105)
ステップS105において、サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3から出力された目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。取得部11は、取得した目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を記憶部23に記憶させる。
【0076】
ここで、取得部11は、ユーザの感情の履歴を示す感情情報と、現時点のユーザの感情を示す感情情報と、の両方を取得してもよいし、何れか一方を取得してもよい。
【0077】
(ステップS106)
ステップS106において、選択部221は、記憶部23に記憶されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0078】
また、選択部221は、記憶部23に記憶されている感情情報をさらに参照して、担当者を選択してもよい。一例として、感情情報が、ユーザの感情が怒りであることを示す場合について説明する。また、怒りの感情に対応する担当者のスキルとして、クレーム対応とのスキルが定義されているとする。この場合、選択部221は、位置情報および視線対象情報を参照して選択した複数の担当者のうち、クレーム対応を専門とする担当者を選択する。
【0079】
(ステップS107)
ステップS107において、選択部221は、ステップS106において担当者を選択した理由を示す理由情報(第1理由情報)を生成する。選択部221は、生成した第1理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、選択部221から供給された第1理由情報を、オペレータ端末4に出力する。
【0080】
(ステップS108)
ステップS108において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された第1理由情報を取得する。制御部42は、取得した第1理由情報を表示部45に表示する。
【0081】
ステップS107およびステップS108における処理の一例として、商品Aの専門であるという理由で担当者が選択された場合、ステップS107において選択部221は、担当者情報に含まれる情報「商品Aの専門」を含む第1理由情報を生成する。選択部221は、生成した第1理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、選択部221から供給された第1理由情報を、オペレータ端末4に出力する。一例として、オペレータ端末4の表示部45は、「商品Aの専門なので、担当者としてアサインされました」というテキストを含む画像を表示する。
【0082】
(ステップS109)
ステップS109において、サーバ2の生成部222は、選択部221によって選択された担当者と、ユーザのアバターを生成する。担当者のアバターは、担当者に関連付けられて担当者データベース6に予め記憶されていてもよい。また、担当者のアバターは、選択された担当者に関連しないアバターであってもよい。一例として、選択された担当者の性別が男性であっても、生成部222は、担当者のアバターとして女性のアバターを生成してもよい。
【0083】
ユーザのアバターは、ユーザ端末のカメラが撮像したユーザを被写体として含む画像を参照して、生成されてもよい。また、上述したステップS103において、目的情報と共に、年齢、性別といったユーザ情報を取得し、当該ユーザ情報を参照して、生成されてもよい。
【0084】
生成部222は、生成したアバターを出力部224に供給する。出力部224は、生成部222から供給されたアバターのうち、担当者のアバターをユーザ端末3に出力し、ユーザのアバターおよびステップS101において生成した仮想空間の画像を、オペレータ端末4に出力する。
【0085】
(ステップS110)
ステップS110において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された担当者のアバターを取得する。制御部32は、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0086】
(ステップS111)
ステップS111において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力されたユーザのアバターおよび仮想空間の画像を取得する。制御部42は、取得した仮想空間に取得したアバターを配置して表示する。
【0087】
(ステップS112)
ステップS112において、ユーザ端末3の制御部32は、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。制御部32が位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する方法については、ステップS104において説明した通りである。ただし、ステップS104の処理は、ユーザを担当する担当者を選択する前に行われるのに対し、本ステップの処理は、担当者を選択後に行われる。例えば、本ステップの処理は、当該担当者がユーザの応対を開始する前であってもよいし、応対を開始した後であってもよい。制御部32は、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報を、サーバ2に出力する。
【0088】
(ステップS113)
ステップS113において、サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3から出力された位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。つまり、制御部32は、担当者を選択後に、当該ユーザに関する位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。取得部11は、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報を記憶部23に記憶させる。
【0089】
(ステップS114)
ステップS114において、取得部11は、顧客データベース5から仮想空間履歴情報を取得する。取得部11は、取得した仮想空間履歴情報を記憶部23に記憶させる。
【0090】
(ステップS115)
ステップS115において、取得部11は、顧客データベース5からユーザ特徴情報を取得する。取得部11は、取得したユーザ特徴情報を記憶部23に記憶させる。
【0091】
(ステップS116)
ステップS116において、仮想空間更新部12は、記憶部23に記憶された位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する。仮想空間更新部12が仮想空間を更新する処理の一例については、後述する。仮想空間更新部12は、更新された仮想空間を出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって更新された仮想空間を、ユーザ端末3およびオペレータ端末4に出力する。
【0092】
なお、ステップS112の処理が担当者により応対が開始された後に行われた場合は、担当者がユーザを応対中に取得された情報に基づいて、仮想空間更新部12はユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する。当該構成により、仮想空間更新部12は、担当者がユーザに応対している間のユーザの位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報に基づいて仮想空間を更新するので、担当者が応対中のユーザの状態に応じて仮想空間をリアルタイムに更新することができる。
【0093】
(ステップS117)
ステップS117において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された、更新された仮想空間を取得する。制御部32は、更新された仮想空間を示す画像を、表示部35に表示する。ここで、制御部32は、ステップS110において取得したアバターを、更新された仮想空間に配置して表示してもよい。
【0094】
(ステップS118)
ステップS118において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された、更新された仮想空間を取得する。制御部42は、更新された仮想空間を示す画像を表示部45に表示する。ここで、制御部42は、ステップS111において取得したアバターを、更新された仮想空間に配置して表示してもよい。
【0095】
(ステップS119)
ステップS119において、サーバ2の仮想空間更新部12は、ステップS116において仮想空間更新部12による更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を更新した理由を示す理由情報(第2理由情報)を生成する。仮想空間更新部12は生成した第2理由情報を、出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって生成された第2理由情報をユーザ端末3およびオペレータ端末4に出力する。仮想空間更新部12が第2理由情報を生成する処理の一例については、後述する。
【0096】
(ステップS120)
ステップS120において、ユーザ端末3の制御部32は、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部32は、取得した第2理由情報を表示部35に表示する。
【0097】
(ステップS121)
ステップS121において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部42は、取得した第2理由情報を表示部45に表示する。
【0098】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例1)
仮想空間更新部12が実行する処理の一例について説明する。
【0099】
この例では、仮想空間更新部12は、上述したステップS113において取得部11が取得した位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する処理について説明する。この例では、位置情報が、狭い場所に位置したことを示す。また、感情情報が、ネガティブな感情(例えば、不安)であったことを示す。また、仮想空間履歴情報が、当該ユーザが草原の仮想空間を利用したことを示す。
【0100】
この具体例では、仮想空間更新部12は、ユーザが狭い場所においてネガティブな感情を抱いたことに基づいて、当該ユーザには、より広い仮想空間が適していると判断する。また、仮想空間更新部12は、「より広い仮想空間」として、ユーザが過去に利用した草原の仮想空間を選択する。このようにして、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を、草原の仮想空間に更新する。このように、仮想空間更新部12は、位置情報および感情情報に基づいて変更すべき仮想空間の条件を決定し、決定した条件を満たす仮想空間を仮想空間履歴情報に基づいて選択してもよい。
【0101】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例2)
仮想空間更新部12は、複数のユーザが利用した仮想空間の履歴を示す仮想空間履歴情報に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する構成であってもよい。ここで、複数のユーザには、当該ユーザが含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。この例では、位置情報が狭い場所に位置したことを示す。また、感情情報がネガティブな感情(例えば、不安)であったことを示す。
【0102】
この具体例では、仮想空間更新部12は、ユーザが狭い場所においてネガティブな感情を抱いたことに基づいて、当該ユーザには、より広い仮想空間が適していると判断する。また、仮想空間更新部12は、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を、仮想空間履歴情報が示す最も利用頻度が高かった仮想空間であって、広い仮想空間に変更する。換言すると、仮想空間更新部12は、複数のユーザが利用した仮想空間の統計データを参照する構成であってもよい。なお、統計データは、「最も利用頻度が高い」とのデータに限らず、「利用頻度が閾値以上の何れか」、「利用頻度の所定順位までの何れか」等といった、「利用頻度」に基づく統計データであってもよい。また、統計データは、「利用頻度」に基づく統計データに限られず、例えば、「利用増加率」等に基づくデータであってもよい。当該構成により、仮想空間更新部12は、初めて仮想空間を利用するユーザに対しても、当該ユーザを含まない複数のユーザが利用した仮想空間履歴情報を参照することにより、好適な仮想空間を提供することができる。
【0103】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例3)
上述したステップS110において仮想空間更新部12は、仮想空間に表示されたアバターを更新してもよい。換言すると、ユーザが利用中の仮想空間は、ユーザを担当する担当者のアバターを含み、仮想空間更新部12は、当該アバターを更新してもよい。
【0104】
一例として、ユーザが利用中の仮想空間に含まれる担当者のアバターが男性である例について説明する。この例では、位置情報が、担当者の近くに位置することを示す。また、感情情報が、ネガティブな感情(例えば、不安)であったことを示す。また、仮想空間履歴情報が、当該ユーザが女性のアバターを利用したことを示す。
【0105】
この場合、仮想空間更新部12は、当該男性のアバターの近くでユーザがネガティブな感情を抱いていることに基づいて、アバターを男性以外に変更することを決定する。また、仮想空間更新部12は、変更後のアバターとして、過去に当該ユーザが利用した女性のアバターを決定する。このようにして、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間に含まれる担当者のアバターを、女性のアバターに更新する。このように、仮想空間更新部12は、位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報に基づいて変更すべきアバターの条件を決定し、決定した条件を満たすアバターを仮想空間履歴情報に基づいて選択してもよい。
【0106】
当該構成により、仮想空間更新部12は、仮想空間に含まれる担当者のアバターについても、ユーザにより好適なアバターを提供することができる。
【0107】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例4)
仮想空間更新部12が、ユーザが利用中の仮想空間の状態を変更する場合について説明する。仮想空間更新部12は、仮想空間の状態として、仮想空間に含まれる要素を更新する構成であってもよいし、仮想空間自体の設定を変更する構成であってもよい。一例として、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間における照明環境の変更、当該仮想空間における色調の変更、当該仮想空間の形状または大きさの変更、当該仮想空間に含まれる仮想オブジェクトの変更、または、当該仮想空間から他の仮想空間への変更を行うことにより、仮想空間を変更する構成であってもよい。
【0108】
一例として、照明環境を変更する例について説明する。この例では、位置情報が、入口付近にいたことを示す。また、感情情報が、迷いの感情を示す。また、仮想空間履歴情報には、ユーザまたは他のユーザが利用した仮想空間に関連付けて、当該ユーザまたは他のユーザの購入金額を示す情報が含まれている。この場合、仮想空間更新部12は、ユーザが入り口付近で迷いを感じていたことに基づいて、照明環境をより明るくするとの条件を決定する。また、仮想空間更新部12は、決定した条件を満たす照明環境のうち、仮想空間履歴情報に基づき、購入金額が最も多かった照明環境を特定する。そして、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間における照明環境を、特定した照明環境に更新する。
【0109】
また、証明環境を変更する例において、照明環境を、仮想空間の色調、または仮想空間の形状もしくは大きさに読み替えることにより、仮想空間更新部12が仮想空間における色調を変更、および仮想空間の形状または大きさを変更する例とすることができる。
【0110】
他の例として、仮想オブジェクトを変更する例について説明する。この例では、位置情報が、商品Aのポスター付近にいたことを示す。また、感情情報が、興味の感情を示す。また、仮想空間履歴情報には、ユーザまたは他のユーザが利用した仮想空間に関連付けて、当該ユーザまたは他のユーザによる商品Aの購入有無を示す情報が含まれている。この場合、仮想空間更新部12は、ユーザが商品Aのポスター付近で興味を感じていたことに基づいて、ポスターを商品Aに関する詳細な内容に変更することを決定する。また、仮想空間更新部12は、変更すべき詳細な内容のポスターのうち、仮想空間履歴情報に基づき商品Aの購入が有りである最も多いポスターを特定する。そして、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間に配置された商品Aに関するポスターを、特定した内容のポスターに変更する。
【0111】
当該構成により、仮想空間更新部12は、ユーザに好適な仮想空間を提供することができるため、ユーザの満足度を向上させることができる。さらに、当該構成により、ユーザの満足度を向上させることができるので、仮想空間を利用してサービスを提供する側にとっても、好適な仮想空間を提供することができる。
【0112】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例5)
仮想空間更新部12は、ステップS113において取得部11が取得した視線対象情報にさらに基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する構成であってもよい。
【0113】
一例として、位置情報が、商品Aのポスター付近にいたことを示す。また、感情情報が、興味の感情を示す。また、仮想空間履歴情報には、ユーザまたは他のユーザが利用した仮想空間に関連付けて、当該ユーザまたは他のユーザによる商品Aの購入有無を示す情報が含まれている。また、視線対象情報が、商品Aについての掲示物を見ていたことを示す。この場合、仮想空間更新部12は、ユーザが商品Aのポスター付近において興味の感情を抱いており、さらにユーザが商品Aのポスターを見ていたことに基づいて、商品Aのポスターをオブジェクトとして含む仮想空間を決定する。また、仮想空間更新部12は、決定した仮想空間のうち、仮想空間履歴情報に基づき商品Aの購入が有りである仮想空間を特定する。そして、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を、特定した仮想空間に変更する。
【0114】
当該構成により、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を、ユーザが興味を持っているオブジェクトを含む仮想空間に更新することができるので、ユーザにより好適な仮想空間を提供することができる。
【0115】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例6)
仮想空間更新部12は、ステップS115において取得部11が取得したユーザ特徴情報にさらに基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する構成であってもよい。
【0116】
一例として、位置情報が、商品Aのポスター付近にいたことを示す。また、感情情報が、興味の感情を示す。また、仮想空間履歴情報には、ユーザまたは他のユーザが利用した仮想空間に関連付けて、当該ユーザまたは他のユーザによる商品Aの購入有無を示す情報が含まれている。また、ユーザ特徴情報が、ユーザがこれまで購入した物品が多額であることを示す。この場合、仮想空間更新部12は、ユーザが商品Aのポスター付近において興味の感情を抱いていること基づいて、商品Aのポスターをオブジェクトとして含む仮想空間を決定する。また、仮想空間更新部12は、決定した仮想空間のうち、仮想空間履歴情報に基づき商品Aの購入が有りである仮想空間を特定する。また、仮想空間更新部12は、決定した仮想空間に含まれるオブジェクトを、豪華なオブジェクトに変更する。
【0117】
当該構成により、仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を、ユーザの特徴に応じた仮想空間に更新することができるので、ユーザにより好適な仮想空間を提供することができる。
【0118】
(仮想空間更新部12が実行する処理の例7)
仮想空間更新部12は、上述したステップS119において、更新に寄与した情報を含み、仮想空間を更新した理由を示す第2理由情報を生成する。
【0119】
一例として、位置情報が狭い場所に位置したことを示す。また、感情情報がネガティブな感情(例えば、不安)であったことを示す。また、仮想空間履歴情報が当該ユーザが草原の仮想空間を利用したことを示す。この場合、ユーザが狭い場所においてネガティブな感情を抱いたことに基づいて、当該ユーザには、より広い仮想空間が適していると判断する。また、仮想空間更新部12は、「より広い仮想空間」として、ユーザが過去に利用した草原の仮想空間を選択する。
【0120】
そして、仮想空間更新部12は、更新に寄与した位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報を含む第2理由情報を生成する。仮想空間更新部12は、生成した第2理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって生成された第2理由情報をユーザ端末3およびオペレータ端末4に出力する。
【0121】
一例として、ユーザ端末3の表示部35およびオペレータ端末4の表示部45は、「お客様は広い場所にいたい気分であり、広い場所を利用することが多いので、広い場所に変更しました」というテキストを含む画像を表示する。
【0122】
ここで、出力部224は、第2理由情報を、ユーザ端末3およびオペレータ端末4の何れか一方に出力する構成であってもよい。
【0123】
当該構成により、仮想空間更新部12は、ユーザおよび担当者の少なくとも何れかに、仮想空間を更新した理由を通知することができる。
【0124】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、サーバ2は、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に加えて、様々な情報に基づいて、ユーザが利用中の仮想空間を更新する。このため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100においては、サーバ2は、ユーザにより好適な仮想空間を提供することができる。
【0125】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述の例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0126】
(情報処理システム100Aの構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成を示すブロック図である。
【0127】
図6に示すように、情報処理システム100Aは、サーバ2、複数のユーザ端末3(ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3B)、オペレータ端末4、顧客データベース5、および担当者データベース6を含んで構成される。サーバ2およびユーザ端末3は、それぞれ本例示的実施形態において、情報処理装置を実現する構成である。
【0128】
情報処理システム100Aでは、サーバ2は、上述した情報処理システム100におけるサーバ2の機能に加えて、ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bのそれぞれに共有される仮想空間を提供する。以下では、ユーザ端末3Aを使用するユーザを第1ユーザ、ユーザ端末3Bを使用するユーザを第2ユーザと称する。そして、サーバ2は、第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報とに基づいて、共有される仮想空間を更新する。
【0129】
(サーバ2の構成)
サーバ2は、
図6に示すように、通信部21、制御部22、および記憶部23を備えている。通信部21および記憶部23については、上述した通りである。
【0130】
制御部22は、サーバ2が備える各構成要素を制御する。また、制御部22は、
図6に示すように、取得部11、仮想空間更新部12、選択部221、生成部222、更新部223、および出力部224としても機能する。取得部11、仮想空間更新部12、および出力部224は、それぞれ本例示的実施形態において、取得手段、仮想空間更新手段、および出力手段を実現する構成である。
【0131】
取得部11は、通信部21から供給された情報を取得する。一例として、取得部11は、仮想空間における第1ユーザおよび第2ユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、第1ユーザおよび第2ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、第1ユーザ、第2ユーザ、および他のユーザの少なくとも何れかが利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する。取得部11は、取得した情報を、記憶部23に記憶させる。
【0132】
仮想空間更新部12は、ユーザが利用中の仮想空間を更新する。一例として、仮想空間更新部12は、記憶部23に記憶されている位置情報と、感情情報と、仮想空間履歴情報と、に基づいて、第1ユーザおよび第2ユーザが利用中の仮想空間を更新する。仮想空間更新部12が仮想空間を更新する処理の詳細については後述する。
【0133】
選択部221は、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。一例として、選択部221は、記憶部23に記憶された位置情報と視線対象情報とに基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間において第1ユーザおよび第2ユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0134】
生成部222は、仮想空間を生成する。また、生成部222は、生成した仮想空間にオブジェクトを配置する。オブジェクトの一例として、仮想空間において提供されるサービスに関する掲示物が挙げられる。また、生成部222は、ユーザ端末3Aの第1ユーザの操作により動作する第1ユーザのアバター、およびユーザ端末3Bの第2ユーザの操作により動作する第2ユーザのアバターを生成する。また、生成部222は、オペレータ端末4のユーザである担当者であって、選択部221によって選択された担当者の操作により動作する担当者のアバターを生成する。
【0135】
また、生成部222は、ユーザ端末3A、ユーザ端末3B、およびオペレータ端末4のそれぞれからの第1ユーザ、第2ユーザ、および担当者によるアバターに対する操作を示す操作情報に応じて、ユーザ端末3A、ユーザ端末3B、およびオペレータ端末4のそれぞれに出力する仮想空間の画像を生成する。
【0136】
更新部223は、担当者データベース6に記憶されている担当者情報を更新する。一例として、更新部223は、第1ユーザおよび第2ユーザの担当者に対する評価を示す評価情報に基づいて、担当者情報を更新する。
【0137】
出力部224は、通信部21に情報を供給し、情報を出力する。一例として、出力部224は、生成部222によって生成された仮想空間の画像を出力する。また、出力部224は、選択部221が担当者を選択した理由を示す第1理由情報を出力する。また、出力部224は、取得部11が取得した情報のうち、仮想空間更新部12による更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を更新した理由を示す第2理由情報を出力する。理由情報の詳細については後述する。
【0138】
(ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bの構成)
ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bが備える各構成要素は、上述した実施形態におけるユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0139】
(オペレータ端末4の構成)
オペレータ端末4が備える各構成要素は、上述した実施形態におけるユーザ端末3が備える各構成要素と同じであるため、説明を省略する。
【0140】
(情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れについて、
図7を参照して説明する。
図7は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Aの流れを示すフロー図である。
【0141】
(ステップS201)
ステップS201において、サーバ2の生成部222は、オブジェクトを配置した仮想空間であって、第1ユーザおよび第2ユーザに共有される仮想空間を生成する。生成部222は、生成した仮想空間の画像を、出力部224に供給する。出力部224は、生成部222が生成した仮想空間の画像をユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bに出力する。
【0142】
(ステップS202)
ステップS202において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された仮想空間の画像を取得する。制御部32Aは、取得した仮想空間の画像を、表示部35Aに表示する。
【0143】
また、ステップS202において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された仮想空間の画像を取得する。制御部32Bは、取得した仮想空間の画像を、表示部35Bに表示する。
【0144】
(ステップS203)
ステップS203において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、入力部34Bを介して、第1ユーザおよび第2ユーザが仮想空間を利用する目的を示す目的情報を取得する。なお、ステップS203の処理は、制御部32Bに替えて、ユーザ端末3Aの制御部32Aが実行してもよい。
【0145】
(ステップS204)
ステップS204において、制御部32Bは、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。なお、ステップS204の処理は、制御部32Bに替えて、または制御部32Bに加えて、ユーザ端末3Aの制御部32Aが実行してもよい。
【0146】
(ステップS205)
ステップS205において、サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3Bから出力された目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。取得部11は、取得した目的情報、位置情報、視線対象情報、および感情情報を記憶部23に記憶させる。
【0147】
(ステップS206)
ステップS206において、選択部221は、記憶部23に記憶されている位置情報および視線対象情報に基づいて、担当者データベース6に記憶された担当者情報が示す担当者のうち、仮想空間においてユーザの応対を担当する担当者を選択する。
【0148】
(ステップS207)
ステップS207において、選択部221は、ステップS206において担当者を選択した理由を示す第1理由情報を生成する。選択部221は、生成した第1理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、選択部221から供給された第1理由情報を、オペレータ端末4に出力する。
【0149】
(ステップS208)
ステップS208において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された第1理由情報を取得する。制御部42は、取得した第1理由情報を表示部45に表示する。
【0150】
(ステップS209)
ステップS209において、サーバ2の生成部222は、選択部221によって選択された担当者、第1ユーザ、および第2ユーザのアバターを生成する。生成部222は、生成したアバターを出力部224に供給する。出力部224は、生成部222から供給されたアバターのうち、担当者のアバターをユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bに出力し、第1ユーザのアバター、第2ユーザのアバター、およびステップS101において生成した仮想空間の画像を、オペレータ端末4に出力する。
【0151】
(ステップS210)
ステップS210において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された担当者のアバターを取得する。制御部32Aは、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0152】
また、ステップS210において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された担当者のアバターを取得する。制御部32Bは、取得したアバターを、ステップS102において表示した仮想空間に配置して表示する。
【0153】
(ステップS211)
ステップS211において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された第1ユーザのアバター、第2ユーザのアバター、および仮想空間の画像を取得する。制御部42は、取得した仮想空間に、取得した第1ユーザのアバターおよび第2ユーザのアバターを配置して表示する。
【0154】
(ステップS212)
ステップS212において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。制御部32Aは、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報を、サーバ2に出力する。
【0155】
また、ステップS212において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。制御部32Bは、取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報を、サーバ2に出力する。
【0156】
(ステップS213)
ステップS213において、サーバ2の取得部11は、ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bのそれぞれから出力された、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、位置情報、視線対象情報、および感情情報を取得する。取得部11は、取得した取得した位置情報、視線対象情報、および感情情報を記憶部23に記憶させる。
【0157】
(ステップS214)
ステップS214において、取得部11は、顧客データベース5から第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれの仮想空間履歴情報を取得する。取得部11は、取得した仮想空間履歴情報を記憶部23に記憶させる。
【0158】
(ステップS215)
ステップS215において、取得部11は、顧客データベース5から第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれのユーザ特徴情報を取得する。取得部11は、取得したユーザ特徴情報を記憶部23に記憶させる。
【0159】
(ステップS216)
ステップS216において、仮想空間更新部12は、第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれに関して、取得部11が取得した情報に基づいて、第1ユーザおよび第2ユーザに共有される仮想空間を変更または共有される仮想空間の状態を変更する。仮想空間更新部12は、更新された仮想空間を出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって更新された仮想空間を、ユーザ端末3A、ユーザ端末3B、およびオペレータ端末4に出力する。
【0160】
仮想空間更新部12が仮想空間を更新する処理の一例として、第1ユーザに関して取得部11が取得した情報に基づき、第1ユーザが狭い場所に位置した場合にネガティブな感情を抱き、過去に第1ユーザが広い場所を利用したことが特定される。また、第2ユーザに関して取得部11が取得した情報に基づき、第2ユーザが仮想空間に含まれる男性のアバターに対してネガティブな感情を抱き、過去に第2ユーザが女性のアバターを利用したことが特定される。
【0161】
この場合、仮想空間更新部12は、第1ユーザおよび第2ユーザが共有して利用中の仮想空間を、担当者のアバターとして女性のアバターが配置された、広い仮想空間に更新する。
【0162】
なお、仮想空間更新部12は、上述した実施形態と同様に、第1ユーザ、第2ユーザ、および他のユーザの少なくとも何れかが利用した仮想空間の履歴を示す仮想空間履歴情報、第1ユーザおよび第2ユーザぞれぞれの視線対象情報、第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれの特徴情報に基づいて、仮想空間を更新してもよい。また、仮想空間更新部12は、第1ユーザおよび第2ユーザが利用中の仮想空間における照明環境の変更、当該仮想空間における色調の変更、当該仮想空間の形状または大きさの変更、当該仮想空間に含まれる仮想オブジェクトの変更、または、当該仮想空間から他の仮想空間への変更を行うことにより、仮想空間を更新してもよい。
【0163】
(ステップS217)
ステップS217において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された、更新された仮想空間を取得する。制御部32Aは、更新された仮想空間を表示部35Aに表示する。
【0164】
また、ステップS217において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された、更新された仮想空間を取得する。制御部32Bは、更新された仮想空間を表示部35Bに表示する。
【0165】
(ステップS218)
ステップS218において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された、更新された仮想空間を取得する。制御部42は、更新された仮想空間を表示部45に表示する。
【0166】
(ステップS219)
ステップS219において、サーバ2の仮想空間更新部12は、ステップS216において仮想空間更新部12による更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を更新した理由を示す第2理由情報を生成する。仮想空間更新部12は生成した第2理由情報を、出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって生成された第2理由情報を、ユーザ端末3A、ユーザ端末3B、およびオペレータ端末4に出力する。
【0167】
(ステップS220)
ステップS220において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部32Aは、取得した第2理由情報を表示部35Aに表示する。
【0168】
また、ステップS220において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部32Bは、取得した第2理由情報を表示部35Bに表示する。
【0169】
(ステップS221)
ステップS221において、オペレータ端末4の制御部42は、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部42は、取得した第2理由情報を表示部45に表示する。
【0170】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報を取得し、取得した位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報に基づいて、第1ユーザおよび第2ユーザに共有される仮想空間を更新する。このため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、ユーザが複数の場合であっても、複数のユーザのそれぞれに好適な仮想空間を提供することができる。
【0171】
〔例示的実施形態4〕
本発明の第4の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、上述の例示的実施形態にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0172】
(情報処理システム100Aの構成)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aの構成は、例示的実施形態3における情報処理システム100Aと同じであるため、説明を省略する。
【0173】
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aでは、サーバ2は、上述した情報処理システム100Aにおけるサーバ2の機能に加えて、ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bに共有される仮想空間を提供する。そして、サーバ2は、共有された仮想空間に対して、第1の更新を反映した仮想空間をユーザ端末3Aに出力し、第2の更新を反映した仮想空間をユーザ端末3Bに出力する。
【0174】
換言すると、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aでは、サーバ2はまず、ユーザ端末3Aおよびユーザ端末3Bに共有される仮想空間を提供する。そして、サーバ2は、ユーザ端末3Aに対して、異なる更新を反映した、異なる仮想空間を提供する。
【0175】
(情報処理システム100Aにおける処理S100Bの流れ)
本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Bの流れについて、
図8を参照して説明する。
図8は、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおける処理S100Bの流れを示すフロー図である。
【0176】
(ステップS201~ステップS215)
ステップS201~ステップS215の処理については、上述の実施形態において説明した処理と同じであるため、説明を省略する。
【0177】
(ステップS230)
ステップS230において、仮想空間更新部12は、第1ユーザについて、取得部11が取得した情報に基づく第1の更新を、共有される仮想空間において第1ユーザ向けに反映させる。
【0178】
例えば、第1ユーザに関して取得部11が取得した情報に基づき、第1ユーザが狭い場所に位置した場合にネガティブな感情を抱き、過去に第1ユーザが広い場所を利用したことが特定された場合を例に挙げ説明する。この場合、ステップS230において、仮想空間更新部12は、共有されている仮想空間に対して、広い仮想空間に更新する第1の更新を反映させる。
【0179】
仮想空間更新部12は、第1の更新を反映させた仮想空間を、出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12から供給された仮想空間を、ユーザ端末3Aに出力する。
【0180】
(ステップS231)
ステップS231において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された仮想空間を取得する。制御部32Aは、取得した、第1の更新を反映された仮想空間を表示部35Aに表示する。
【0181】
(ステップS232)
ステップS232において、仮想空間更新部12は、第2ユーザについて、取得部11が取得した情報に基づく第2の更新を、共有される仮想空間において第2ユーザ向けに反映させる。
【0182】
例えば、第2ユーザに関して取得部11が取得した情報に基づき、第2ユーザが仮想空間に含まれる男性のアバターに対してネガティブな感情を抱き、過去に第2ユーザが女性のアバターを利用したことが特定された場合を例に挙げ説明する。この場合、ステップS232において仮想空間更新部12は、第2ユーザに関して取得部11が取得した情報に基づき、共有されている仮想空間に対して、担当者のアバターとして女性のアバターが配置された仮想空間に更新する第2の更新を反映させる。
【0183】
仮想空間更新部12は、第2の更新を反映させた仮想空間を、出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12から供給された仮想空間を、ユーザ端末3Bに出力する。
【0184】
(ステップS233)
ステップS233において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された仮想空間を取得する。制御部32Aは、取得した、第1の更新を反映された仮想空間を表示部35Bに表示する。
【0185】
(ステップS234)
ステップS234において、サーバ2の仮想空間更新部12は、ステップS230において仮想空間更新部12による第1の更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を更新した理由を示す第2理由情報を生成する。そして、仮想空間更新部12は、生成した第2理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって生成された第2理由情報を、ユーザ端末3Aに出力する。
【0186】
また、ステップS234において、仮想空間更新部12は、ステップS232において仮想空間更新部12による第2の更新に寄与した情報を含み、仮想空間更新部12が仮想空間を更新した理由を示す第2理由情報を生成する。そして、仮想空間更新部12は、生成した第2理由情報を出力部224に供給する。出力部224は、仮想空間更新部12によって生成された第2理由情報を、ユーザ端末3Bに出力する。
【0187】
(ステップS235)
ステップS235において、ユーザ端末3Aの制御部32Aは、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部32Aは、取得した第2理由情報を表示部35Aに表示する。
【0188】
(ステップS236)
ステップS236において、ユーザ端末3Bの制御部32Bは、サーバ2から出力された第2理由情報を取得する。制御部32Bは、取得した第2理由情報を表示部35Bに表示する。
【0189】
このように、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、位置情報、感情情報、および仮想空間履歴情報を取得する。そして、サーバ2は、取得した情報に基づいて、第1ユーザが使用するユーザ端末3Aに対しては第1の更新を反映した仮想空間を出力し、第2ユーザが使用するユーザ端末3Bに対しては第2の更新を反映した仮想空間を出力する。
このため、本例示的実施形態に係る情報処理システム100Aにおいては、サーバ2は、ユーザが複数の場合であっても、それぞれのユーザに好適な仮想空間を提供することができる。
【0190】
〔例示的実施形態5〕
例示的実施形態2~例示的実施形態4では、サーバ2およびユーザ端末3を用いる例を説明したが、サーバ2の有する機能のうち、1または複数の機能が、ユーザ端末3にて実現されていてもよい。換言すると、サーバ2の制御部22が備える取得部11、仮想空間更新部12、選択部221、生成部222、更新部223、および出力部224の少なくとも何れかは、ユーザ端末3の制御部32が備えてもよい。また、サーバ2の制御部22が備える取得部11、仮想空間更新部12、選択部221、生成部222、更新部223、および出力部224の全ての機能を、ユーザ端末3の制御部32が備えてもよい。
【0191】
〔ソフトウェアによる実現例〕
サーバ2、ユーザ端末3(3Aおよび3B)、およびオペレータ端末4の一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0192】
後者の場合、サーバ2、ユーザ端末3(3Aおよび3B)、およびオペレータ端末4は、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を
図9に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCをサーバ2、ユーザ端末3(3Aおよび3B)、およびオペレータ端末4として動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、サーバ2、ユーザ端末3(3Aおよび3B)、およびオペレータ端末4の各機能が実現される。
【0193】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0194】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0195】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0196】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0197】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0198】
(付記1)
仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、を備えた情報処理装置。
【0199】
(付記2)
前記ユーザが利用中の仮想空間は、前記ユーザの応対を担当する担当者のアバターを含み、前記仮想空間変更手段は、前記アバターを変更する、付記1に記載の情報処理装置。
【0200】
(付記3)
前記仮想空間変更手段は、前記アバターを用いて前記担当者が前記ユーザを応対中に前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する、付記2に記載の情報処理装置。
【0201】
(付記4)
前記取得手段が取得した情報のうち、前記仮想空間変更手段による変更に寄与した情報を含み、前記仮想空間変更手段が前記仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更した理由を示す理由情報を出力する出力手段、をさらに含む、付記1~3の何れかに記載の情報処理装置。
【0202】
(付記5)
前記仮想空間変更手段は、前記ユーザが利用中の仮想空間における照明環境の変更、当該仮想空間における色調の変更、当該仮想空間の形状または大きさの変更、当該仮想空間に含まれる仮想オブジェクトの変更、または、当該仮想空間から他の仮想空間への変更を行うことにより、前記仮想空間を変更する、付記1~4の何れかに記載の情報処理装置。
【0203】
(付記6)
前記取得手段は、前記仮想空間において前記ユーザの視線方向に存在する視線対象または当該視線対象の履歴を含む視線対象情報をさらに取得し、前記仮想空間変更手段は、前記視線対象情報にさらに基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する、付記1~5の何れかに記載の情報処理装置。
【0204】
(付記7)
前記取得手段は、前記ユーザの特徴に関するユーザ特徴情報をさらに取得し、前記仮想空間変更手段は、前記ユーザ特徴情報にさらに基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を更新する、付記1~6の何れかに記載の情報処理装置。
【0205】
(付記8)
前記取得手段は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、を取得し、前記仮想空間変更手段は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザそれぞれに関して前記取得手段が取得した情報に基づいて、前記共有される仮想空間を変更または前記共有される仮想空間の状態を変更するする、付記1~7の何れかに記載の情報処理装置。
【0206】
(付記9)
前記取得手段は、仮想空間を共有する第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれについて、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、を取得し、前記仮想空間変更手段は、前記第1ユーザについて前記取得手段が取得した情報に基づく第1の更新を、前記共有される仮想空間において前記第1ユーザ向けに反映させ、前記第2ユーザについて前記取得手段が取得した情報に基づく第2の更新を、前記共有される仮想空間において前記第2ユーザ向けに反映させる、付記1~7に記載の情報処理装置。
【0207】
(付記10)
情報処理装置が、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得することと、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更することと、を含む情報処理方法。
【0208】
(付記11)
コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムであって、前記プログラムは、前記コンピュータを、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得手段と、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更手段と、として機能させるプログラム。
【0209】
(付記12)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、仮想空間におけるユーザの位置または当該位置の履歴を含む位置情報と、前記ユーザの感情または当該感情の履歴を含む感情情報と、前記ユーザおよび他のユーザの一方または両方が利用した仮想空間の履歴を含む仮想空間履歴情報と、を取得する取得処理と、前記位置情報と、前記感情情報と、前記仮想空間履歴情報と、に基づいて、前記ユーザが利用中の仮想空間を変更または当該仮想空間の状態を変更する仮想空間変更処理とを実行する情報処理装置。
【0210】
なお、この情報処理装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得処理と、前記仮想空間変更処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0211】
1 情報処理装置
2 サーバ
3、3A、3B ユーザ端末
4 オペレータ端末
100、100A 情報処理システム
221 選択部
222 生成部
223 更新部
224 出力部