(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114047
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】印刷管理システム、管理装置のためのコンピュータプログラム、及び、印刷済み媒体の管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240816BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
B41J25/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019418
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門田 政敏
(57)【要約】
【課題】対象画像の複数部の印刷が実行される状況において、印刷済み媒体の保持者を適切に管理すること。
【解決手段】クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付けると、対象画像を表わす印刷データを印刷装置に送信する。M部の印刷済み媒体の各部は、対象画像と媒体識別情報に関連する関連画像とを含む。第1のユーザ端末は、第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を管理装置に送信し、第1の保持者識別情報を管理装置に送信する。第2のユーザ端末は、第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を管理装置に送信し、第2の保持者識別情報を管理装置に送信する。管理装置は、第1の媒体識別情報に関連付けて第1の保持者識別情報をメモリに記憶し、第2の媒体識別情報に関連付けて第2の保持者識別情報をメモリに記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷管理システムであって、
クライアント端末と、印刷装置と、第1のユーザ端末と、第2のユーザ端末と、管理装置と、を備え、
前記クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記印刷データを受信し、
前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行し、
M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記第1のユーザ端末は、
前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第2のユーザ端末は、
前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶し、
前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶する、
印刷管理システム。
【請求項2】
管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記印刷データを受信し、
前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行し、
M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記コンピュータプログラムは、
前記管理装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
第1のユーザ端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を受信する第1の媒体識別情報受信部と、
前記第1のユーザ端末から、前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を受信する第1の保持者識別情報受信部と、
前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
第2のユーザ端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を受信する第2の媒体識別情報受信部と、
前記第2のユーザ端末から、前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を受信する第2の保持者識別情報受信部と、
前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶さされた後に、第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報を受信する第3の媒体識別情報受信部と、
前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶さされた後に、前記第3のユーザ端末から第3の保持者識別情報を受信する第3の保持者識別情報受信部と、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶されている状態を維持しながら、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる第3の記憶制御部と、
として機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、問合画面を表わす画面データを前記第3のユーザ端末に送信する画面データ送信部であって、前記問合画面は、前記第1の印刷済み媒体の保持者の変更を示す第1の選択領域と、前記第1の印刷済み媒体の複製物の保持者の登録を示す第2の選択領域と、を含む、前記画面データ送信部と、
前記第3のユーザ端末から、前記問合画面に含まれる前記第1の選択領域が選択されたことを示す第1の選択情報が受信される場合に、前記第1の印刷済み媒体の保持者が、前記第1の保持者識別情報によって識別される保持者から、前記第3の保持者識別情報によって識別される保持者に変更されたことを示す変更情報を前記メモリに記憶させる第4の記憶制御部と、
前記第3のユーザ端末から、前記問合画面に含まれる前記第2の選択領域が選択されたことを示す第2の選択情報が受信される場合に、前記第1の印刷済み媒体の複製物の保持者が第3の保持者識別情報によって識別される保持者であることを示す複製物情報を前記メモリに記憶させる第5の記憶制御部と、
として機能させる、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、保持者を承認するのか否かを問い合わせるための問合要求を第4のユーザ端末に送信する問合要求送信部として機能させ、
前記第3の記憶制御部は、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信され、かつ、前記第4のユーザ端末から、保持者を承認することを示す問合応答が受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させ、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信され、かつ、前記第4のユーザ端末から、保持者を承認することを示す前記問合応答が受信されない場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させない、
請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記対象画像のM部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から第1の送信要求が受信される場合に、M個の前記媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信する媒体識別情報送信部と、
前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる第6の記憶制御部と、
として機能させ、
前記クライアント端末は、
前記対象画像と、前記管理装置から受信された前記第1の媒体識別情報に関連する前記第1の関連画像と、を表わす第1の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記対象画像と、前記管理装置から受信された前記第2の媒体識別情報に関連する前記第2の関連画像と、を表わす第2の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記第1の記憶制御部は、前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とが受信される場合に、記憶済みの前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報を前記メモリに記憶させ、
前記第2の記憶制御部は、前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とが受信される場合に、記憶済みの前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる、
請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記クライアント端末から前記第1の送信要求が受信される前に、前記クライアント端末から前記対象画像を識別する画像識別情報が受信される場合に、前記画像識別情報に関連付けてグループ識別情報を前記メモリに記憶させる第7の記憶制御部と、
前記クライアント端末から前記第1の送信要求が受信される前に、前記クライアント端末から前記画像識別情報が受信される場合に、前記グループ識別情報を前記クライアント端末に送信する第1のグループ識別情報送信部と、
として機能させ、
前記媒体識別情報送信部は、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第1の送信要求が受信される場合に、前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信し、
前記第6の記憶制御部は、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第1の送信要求が受信される場合に、前記グループ識別情報に関連付けて前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる、
請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記クライアント端末は、前記対象画像のM部の印刷が前記印刷装置によって実行された後に、前記ユーザから、前記対象画像のN部(前記Nは1以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす追加の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記追加の印刷データを受信し、
前記追加の印刷データを利用して前記対象画像のN部の印刷を実行し、
N部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記対象画像のN部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から前記画像識別情報が受信される場合に、前記画像識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されている前記グループ識別情報を前記クライアント端末に送信する第2のグループ識別情報送信部として機能させ、
前記媒体識別情報送信部は、さらに、前記対象画像のN部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む第2の送信要求が受信される場合に、N個の媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信し、
前記第6の記憶制御部は、さらに、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第2の送信要求が受信される場合に、前記グループ識別情報に関連付けて前記N個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる、
請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記クライアント端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの配布部数であるL部を示す配布部数情報を受信する配布部数情報受信部と、
前記クライアント端末から前記配布部数情報が受信されてから所定時間が経過しても、L個の前記媒体識別情報に関連付けてL個の前記保持者識別情報が前記メモリに記憶されない場合に、警告処理を実行する警告処理実行部と、
として機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
印刷済み媒体の管理方法であって、
クライアント端末が、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを印刷装置に送信する工程と、
前記印刷装置が、前記クライアント端末から前記印刷データを受信する工程と、
前記印刷装置が、前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行する工程であって、M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含む、前記工程と、
第1のユーザ端末が、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を管理装置に送信する工程と、
前記第1のユーザ端末が、前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を前記管理装置に送信する工程と、
第2のユーザ端末が、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を前記管理装置に送信する工程と、
前記第2のユーザ端末が、前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を前記管理装置に送信する工程と、
前記管理装置が、前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶する工程と、
前記管理装置が、前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶する工程と、
を備える、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、複数部の印刷済み媒体を管理する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷装置と管理端末とを備えるシステムが開示されている。印刷装置は、印刷物に固定された電子タグに管理情報を書き込む。管理情報は、印刷物の受け取り者、印刷物の移動状態等を含む。管理端末は、印刷物の受け取り、持ち出し等の際に、電子タグ内の管理情報を読み取り、管理情報を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-176480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、複数部の印刷が実行される状況について何ら考慮されていない。本明細書では、対象画像の複数部の印刷が実行される状況において、印刷済み媒体の保持者を適切に管理することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される印刷管理システムは、クライアント端末と、印刷装置と、第1のユーザ端末と、第2のユーザ端末と、管理装置と、を備えてもよい。前記クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信してもよい。前記印刷装置は、前記クライアント端末から前記印刷データを受信し、前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行してもよい。M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含んでもよい。前記第1のユーザ端末は、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を前記管理装置に送信してもよい。前記第2のユーザ端末は、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を前記管理装置に送信してもよい。前記管理装置は、前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶し、前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶してもよい。
【0006】
上記の印刷管理システムでは、管理装置は、第1のユーザ端末から、M部の印刷済み媒体のうちの第1の印刷済み媒体に含まれる第1の媒体識別情報と、第1の保持者識別情報と、を受信する場合に、第1の媒体識別情報に関連付けて第1の保持者識別情報をメモリに記憶する。さらに、管理装置は、第2のユーザ端末から、対象画像を含むM部の印刷済み媒体のうちの第1の印刷済み媒体とは異なる第2の印刷済み媒体に含まれる第2の媒体識別情報と、第2の保持者識別情報と、を受信する場合に、第2の媒体識別情報に関連付けて第2の保持者識別情報をメモリに記憶する。これにより、管理装置は、M部の印刷済み媒体のうちの第1の印刷済み媒体及び第2の印刷済み媒体のそれぞれの保持者を適切に管理することができる。
【0007】
管理装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、管理装置そのもの、及び、管理装置によって実行される印刷媒体の管理方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】1部目の印刷が実行される処理のシーケンス図を示す。
【
図6】2部目の印刷が実行される処理のシーケンス図を示す。
【
図7】追加印刷が実行される処理のシーケンス図を示す。
【
図8】印刷済み用紙の保持者が移動される状況における処理のシーケンス図を示す。
【
図9】印刷済み用紙の保持者の移動を承認する処理のシーケンス図を示す。
【
図10】印刷済み用紙の管理情報を変更する処理のシーケンス図を示す。
【
図11】印刷済み用紙の配布が完了するケースAのシーケンス図を示す。
【
図12】印刷済み用紙の配布が完了しないケースBのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
(印刷管理システム2の構成及び処理の概略:
図1)
図1に示されるように、印刷管理システム2は、ノートPC10と、プリンタ100と、複数個のユーザ端末201、202と、サーバ300と、を備える。本実施例では、ユーザは、ノートPC10を利用して、同じ対象画像TI1を含む複数部の印刷済み用紙P1、P2をプリンタ100に出力させる。複数部の印刷済み用紙P1、P2のそれぞれの保持者を適切に管理するために、本実施例の印刷管理システム2が利用される。
【0010】
印刷管理システム2の動作の概略を説明する。ノートPC10は、S2において、ユーザから、M部(Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける。この場合、ノートPC10は、S10において、媒体ID要求をサーバ300に送信する。媒体ID要求は、媒体IDの送信をサーバ300に要求するための情報である。媒体IDは、1部の印刷済み用紙を識別するための情報である。M部の印刷済み用紙のそれぞれの媒体IDは異なる。
【0011】
サーバ300は、S10において、ノートPC10から媒体ID要求を受信すると、S12において、サーバ300のアドレス情報と第1の媒体IDとを含むURL81をノートPC10に送信する。URL81は、例えば、文字列「http://server/・・・/D11」である。当該文字列のうちの「http://server」がサーバ300のアドレス情報であり、当該文字列のうちの「D11」が第1の媒体IDを示す。
【0012】
ノートPC10は、S12において、サーバ300からURL81を受信すると、URL81をコード化することによってQRコードC1を生成する。そして、ノートPC10は、対象画像TI1とQRコードC1とを含む印刷画像を表わす印刷データD1を生成し、S20において、印刷データD1をプリンタ100に送信する。「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標である。
【0013】
プリンタ100は、S20において、印刷データD1を受信すると、S22において、印刷データD1によって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。印刷済み用紙P1は、対象画像TI1とQRコードC1とを含む。
【0014】
次いで、ノートPC10は、S30において、媒体ID要求をサーバ300に再び送信して、S32において、サーバ300から、第1の媒体IDとは異なる第2の媒体IDを含むURL82を受信する。この場合、ノートPC10は、URL82をコード化することによってQRコードC2を生成し、S40において、対象画像TI1とQRコードC2とを含む印刷データD2をプリンタ100に送信する。
【0015】
プリンタ100は、S40において、印刷データD2を受信すると、S42において、印刷データD2によって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。印刷済み用紙P2は、対象画像TI1とQRコードC2とを含む。
図1のケースでは、対象画像TI1の2部の印刷が実行される例(即ちM=2の例)を図示している。ただし、3部以上の印刷が実行される場合には、S10~S42と同様の処理が繰り返し実行される。プリンタ100における印刷が完了すると、複数部の印刷済み用紙P1,P2のそれぞれが別の者に配布される。
【0016】
印刷済み用紙P1を受け取った者、即ち、印刷済み用紙P1の保持者は、ユーザ端末201を利用する。ユーザ端末201は、S50において、印刷済み用紙P1に含まれるQRコードC1を撮影してデコードすることによって、URL81を取得する。ユーザ端末201は、S52において、URL81にアクセスすること(即ちURL81を含む信号をサーバ300に送信すること)によって、第1の媒体IDをサーバ300に送信する。ユーザ端末201は、さらに、S50において、ユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1の入力を受け付け、S52において、ユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1をサーバ300に送信する。なお、変形例では、ユーザ端末201は、S50において、ユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1のうちの一方のみの入力を受け付け、S52において、当該一方のみをサーバ300に送信してもよい。
【0017】
サーバ300は、S52において、ユーザ端末201から第1の媒体IDとユーザ名「SUZUKI」とメールアドレスMA1とを受信すると、S54において、第1の媒体IDに関連付けてユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1を記憶する。
【0018】
印刷済み用紙P2を受け取った者、即ち、印刷済み用紙P2の保持者は、ユーザ端末202を利用する。ユーザ端末202は、S60において、印刷済み用紙P2に含まれるQRコードC2を撮影してデコードすることによって、URL82を取得する。ユーザ端末202は、S62において、URL82にアクセスすること(即ちURL82を含む信号をサーバ300に送信すること)によって、第2の媒体IDをサーバ300に送信する。ユーザ端末202は、さらに、S60において、ユーザ名「ITOU」及びメールアドレスMA2の入力を受け付け、S62において、ユーザ名「ITOU」及びメールアドレスMA2をサーバ300に送信する。
【0019】
サーバ300は、S62において、ユーザ端末202から第2の媒体IDとユーザ名「ITOU」とメールアドレスMA2とを受信すると、S64において、第2の媒体IDに関連付けてユーザ名「ITOU」及びメールアドレスMA2を記憶する。
【0020】
上述したように、サーバ300は、複数部の印刷によって出力される複数部の印刷済み用紙のそれぞれについて、当該印刷済み用紙を識別する媒体IDと、当該印刷済み用紙の保持者の識別情報(即ちユーザ名及びメールアドレス)と、を関連付けて記憶する。従って、サーバ300は、複数部の印刷済み用紙のそれぞれの保持者を適切に管理することができる。
【0021】
(各装置10、100、201~204、400、300の構成:
図2)
図2を参照して、印刷管理システム2を構成する各装置10、100、201~204、400、300の制御構成を説明する。
【0022】
(ノートPC10の構成)
ノートPC10は、操作部12と、表示部14と、LANインターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線に接続されている。
【0023】
操作部12は、様々な情報をノートPC10に入力するためのインターフェースであり、マウス、キーボード等を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。LANインターフェース20は、LANに接続するためのインターフェースである。当該LANは、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。
【0024】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム40等に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ34は、OSプログラム40と、複数個のアプリケーション42、44、50、60、70と、を記憶する。以下では、OSプログラムのことを「OS」と記載し、アプリケーションのことを「アプリ」と記載する。
【0025】
OS40は、ノートPC10の基本的な動作を制御するためのプログラムである。ブラウザアプリ42は、ウェブサーバにアクセスして、ウェブページを表示するためのプログラムである。文書編集アプリ44は、文書を編集したり生成したりするためのプログラムであり、例えば、Microsoft(登録商標)社のWord、Excel等である。これらのプログラム40~44は、通常、ノートPC10の出荷段階からノートPC10にインストールされている。
【0026】
印刷管理アプリ50は、印刷指示をプリンタドライバ70に指示するためのプログラムである。仮想プリンタ60は、媒体ID要求をサーバ300に送信したり、QRコードを生成してQRコードを画像に付加したりするためのプログラムである。これらのプログラム50、60は、ノートPC10が出荷された後に、ノートPC10にダウンロードされてインストールされる。各プログラム50、60は、例えばサーバ300を管理するサービス事業者から提供される。なお、変形例では、印刷管理アプリ50の代わりに、仮想プリンタ60が印刷指示をプリンタドライバ70に指示してもよい。その場合、メモリ34は、印刷管理アプリ50を記憶しなくてもよい。
【0027】
プリンタドライバ70は、プリンタ100が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成して、当該印刷データをプリンタ100に送信するためのプログラムである。プリンタドライバ70は、ノートPC10が出荷された後に、ノートPC10にダウンロードされてインストールされる。プリンタドライバ70は、プリンタ100と共に出荷されるメディアからノートPC10にダウンロードされてもよいし、プリンタ100のベンダによって設置される図示省略のサーバからノートPC10にダウンロードされてもよい。さらに、プリンタドライバ70は、OS40に標準的に含まれているプリンタドライバであってもよい。また、変形例では、印刷データをプリンタ100に送信するためのプログラムとして、プリンタドライバ70に代えて、印刷アプリ、またはプラグイン機能を有するプログラムが採用されてもよい。
【0028】
メモリ34は、さらに、仮想プリンタキュー62を備える。仮想プリンタキュー62は、OS40によってメモリ34内に生成される。仮想プリンタキュー62は、仮想プリンタ60に割り当てられる記憶領域である。仮想プリンタキュー62は、他のアプリケーションから仮想プリンタ60に供給される前のデータ、及び、仮想プリンタ60によって生成されるデータ(即ち仮想プリンタ60から他のアプリケーションに供給されるデータ)を一時的に記憶する。
【0029】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えばノートPC10の周辺装置)である。変形例では、プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、操作部112と、表示部114と、印刷実行部116と、LANインターフェース120と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線に接続されている。
【0030】
操作部112は、様々な情報をプリンタ100に入力するためのインターフェースであり、ボタン、タッチスクリーン等を備える。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部116は、インクジェット方式の印刷機構を備える。印刷機構は、「印刷エンジン」と称されることもある。なお、変形例では、印刷実行部116は、インクジェット方式とは異なる印刷機構、例えばレーザ方式の印刷機構、サーマル方式の印刷機構を備えてもよい。LANインターフェース120は、LANに接続するためのインターフェースである。
【0031】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、ROM、RAM等によって構成される。
【0032】
(ユーザ端末201~204、400の構成)
ユーザ端末201~204は、印刷済み用紙の配布先のユーザによって所持される。ユーザ端末400は、プリンタ100の管理者(例えば会社のセキュリティ管理者)によって所持される。各ユーザ端末201~204、400は、例えば、スマートフォンである。なお、変形例では、各ユーザ端末201~204、400は、携帯電話、PDA、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末装置であってもよい。
【0033】
各ユーザ端末201~204、400は、操作部212と、表示部214と、カメラ216と、LANインターフェース220と、制御部230と、を備える。各部212~230は、バス線に接続されている。
【0034】
操作部212は、様々な情報をユーザ端末に入力するためのインターフェースであり、ボタン、タッチスクリーン等を備える。表示部214は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部214は、タッチスクリーンとして機能する。カメラ216は、画像を撮影するためのデバイスである。本実施例では、カメラ216は、印刷済み用紙に含まれるQRコードを撮影するために利用される。LANインターフェース220は、LANに接続するためのインターフェースである。
【0035】
制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム240等に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、ROM、RAM等によって構成される。OS240は、ユーザ端末の基本的な動作を制御するためのプログラムである。ブラウザアプリ242は、ウェブサーバにアクセスして、ウェブページを表示するためのプログラムである。
【0036】
(サーバ300の構成)
サーバ300は、印刷管理システム2を実現するためのサービスを提供するサービス事業者によってインターネット上に設置される。サービス事業者は、プリンタ100のベンダと同じであってもよいし異なっていてもよい。サーバ300は、単一のサーバによって実現されていてもよいし、複数のサーバが協働することによって実現されていてもよい。また、サーバ300は、物理サーバであってもよいし、仮想サーバであってもよい。さらに、サーバ300は、インターネット上に設置されていなくてもよく、例えば上記の企業内のネットワークに設置される管理PCであってもよい。
【0037】
サーバ300は、例えば、通信インターフェース320と、制御部330と、を備える。通信インターフェース320は、インターネットに接続されている。制御部330は、CPU332とメモリ334とを備える。CPU332は、メモリ334に格納されているプログラム340に従って、様々な処理を実行する。なお、当該プログラム340は、複数のApplication Programming Interface(API)を組み合わせることによって構成されてもよい。メモリ334は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ334は、さらに、媒体管理テーブル350を記憶する。
【0038】
(媒体管理テーブル350の内容:
図3)
図3を参照して、サーバ300の媒体管理テーブル350の内容を説明する。媒体管理テーブル350は、印刷済み用紙の保持者を管理するためのテーブルである。
【0039】
媒体管理テーブル350では、データIDとグループIDと媒体IDと管理情報とが関連付けて記憶される。データIDは、例えば、文書編集アプリ44を利用して生成されたファイルを一意に特定するための識別情報である。例えば、或るファイル名を有するファイルが生成されると、当該ファイルにはデータIDが付与される。そして、当該ファイル名を有するファイルが編集されると、編集後のファイルには新たなデータIDが付与される。データIDは、例えば、生成済みのファイル内の情報から生成されるハッシュ値である。グループIDは、1つのデータIDに対して割り当てられるユニークなIDである。グループIDは、1つのデータIDに対して割り当てられるIDであるので、当該データIDによって識別されるファイルによって表わされる画像、即ち、印刷対象の対象画像を識別するための情報であるとも言える。媒体IDは、1部の印刷済み用紙に割り当てられるユニークなIDである。例えば、データID「D1」にはグループID「G1」が関連付けられている。グループID「G1」には3個の媒体ID「D11」~「D13」が関連付けられている。これは、データID「D1」によって識別されるファイルから3部の印刷済み用紙が出力されたことを意味する。なお、媒体管理テーブル350には、さらに、データIDに関連付けて、データIDの生成元のファイルのファイル名が記憶されてもよい。
【0040】
管理情報は、印刷済み用紙の保持者の履歴を示す情報である。以下では、媒体ID「D11」とそれに関連付けられている5個の管理情報MI11~MI15とを合わせて、「媒体情報DI101」と記載する。媒体ID「D12」とそれに関連付けられている2個の管理情報MI21、MI22とを合わせて、「媒体情報DI102」と記載する。媒体ID「D13」とそれに関連付けられている1個の管理情報MI31とを合わせて、「媒体情報DI103」と記載する。また、3個の媒体情報DI101~DI103を合わせて、「グループ情報GI10」と記載する。
【0041】
(グループ情報GI10の内容:
図4)
図4を参照して、グループ情報GI10の内容を説明する。グループ情報GI10に含まれる各管理情報MI11等は、ユーザ名と、メールアドレスと、ユーザIDと、移動元情報と、移動先情報と、複製元情報と、複製先情報と、を含む。ユーザ名は、印刷済み用紙の保持者の名前を示す。メールアドレスは、保持者のメールアドレスである。ユーザIDは、保持者に割り当てられるユニークなIDである。
【0042】
移動元情報は、印刷済み用紙の移動元の保持者のユーザ名を示す。移動先情報は、印刷済み用紙の移動先の保持者のユーザ名を示す。ここで、印刷済み用紙の移動は、例えば、印刷済み用紙が第1の保持者から第2の保持者に配布されることによって実現される。複製元情報は、印刷済み用紙が複製される場合に、複製元の印刷済み用紙の保持者のユーザ名を示す。複製先情報は、複製によって生成される印刷済み用紙の保持者のユーザ名を示す。なお、本明細書において、印刷済み用紙の「複製」は、コピー機又は多機能機のコピー機能を利用して、印刷済み用紙の複製物を生成することを示す。
【0043】
まず、媒体情報DI101に含まれる各管理情報MI11~MI15について説明する。媒体情報DI101に含まれる媒体ID「D11」(
図3参照)によって識別される印刷済み用紙は、管理情報MI11に示されるように、「TANAKA」によって最初に保持される。管理情報MI11は、ユーザ名「TANAKA」と、「TANAKA」のメールアドレスMA0と、「TANAKA」のユーザID「U11」と、を含む。
【0044】
印刷済み用紙が「TANAKA」から「SUZUKI」に移動されると、管理情報MI11の移動先情報として「SUZUKI」が記憶される。また、管理情報M12が新たに記憶される。管理情報M12は、ユーザ名「SUZUKI」と、「SUZUKI」のメールアドレスMA1と、「SUZUKI」のユーザID「U12」と、を含む。さらに、管理情報M12の移動元情報として「TANAKA」が記憶される。
【0045】
ここで、印刷済み用紙が複製される。その後、複製元の印刷済み用紙が「SUZUKI」から「SATOU」に移動されると、管理情報MI12の移動先情報として「SATOU」が記憶される。また、管理情報M13が新たに記憶される。管理情報M13は、ユーザ名「SATOU」と、「SATOU」のメールアドレスMA3と、「SATOU」のユーザID「U13」と、を含む。さらに、管理情報M13の移動元情報として「SUZUKI」が記憶される。
【0046】
印刷済み用紙の複製物が「SUZUKI」からユーザ「SUGIYAMA」に移動されると、管理情報MI12の複製先情報として「SUGIYAMA」が記憶される。また、管理情報M14が新たに記憶される。管理情報M14は、ユーザ名「SUGIYAMA」と、「SUGIYAMA」のメールアドレスMA4と、「SUGIYAMA」のユーザID「U14」と、を含む。さらに、管理情報M14の複製元情報として「SUZUKI」が記憶される。
【0047】
複製元の印刷済み用紙が「SATOU」によって破棄されると、管理情報MI15が新たに記憶される。管理情報MI15は、破棄されたことを示す文字列「破棄」と、ユーザ名「SATOU」と、「SATOU」のメールアドレスMA3と、「SATOU」のユーザID「U13」と、を含む。
【0048】
上述したように、サーバ300は、1部の印刷済み用紙の複数の保持者に関する情報を時系列で記憶する。サーバ300は、移動元の保持者に関する情報(例えばMI11)を記憶する状態を維持しながら、移動先の保持者に関する情報(例えばMI12)を記憶する。これにより、サーバ300は、1部の印刷済み用紙が複数人によって順に保持される場合に、当該1部の印刷済み用紙の複数の保持者を適切に管理することができる。
【0049】
次いで、媒体情報DI102に含まれる各管理情報MI21~MI22について説明する。媒体情報DI102に含まれる媒体ID「D12」(
図3参照)によって識別される印刷済み用紙は、「TANAKA」によって最初に保持され、「TANAKA」から「ITOU」に移動される。そのため、管理情報MI21の移動先情報として「ITOU」が記憶される。また、新たに記憶される管理情報M22は、ユーザ名「ITOU」と、「ITOU」のメールアドレスMA2と、「ITOU」のユーザID「U22」と、を含む。この際、管理情報M22の移動元情報として「TANAKA」が記憶される。
【0050】
同様に、媒体情報DI103に含まれる媒体ID「D13」によって識別される印刷済み用紙は、「TANAKA」によって最初に保持され、「TANAKA」によって継続して保持される。
【0051】
(具体的な処理:
図5~
図12)
図5~
図10を参照して、本実施例の印刷管理システム2によって実現される具体的な処理について説明する。以下では、各デバイスのCPUを主体として処理の内容を説明せずに、各デバイスそのもの又はアプリを主体として処理の内容を説明する。ノートPC10において、アプリは、OS40を介して、CPU等のハードウェア及びドライバを制御する。各ユーザ端末201~204、400において、アプリは、OS240を介してハードウェアを制御する。サーバ300において、プログラム340は、OSを介してハードウェアを制御する。ハードウェア、ドライバ等がOSを介してアプリによって制御されることは、本明細書では適宜省略して説明する。
【0052】
(1部目の印刷:
図5)
ノートPC10の文書編集アプリ44は、T2において、ユーザから、文書ファイルの生成指示を受け付ける。さらに、文書編集アプリ44は、T4において、ユーザから印刷開始指示を受け付けることに応じて、T10において、印刷設定画面SC10を表示部14に表示する。印刷設定画面SC10は、印刷ボタンB10と、印刷部数入力部M1と、対象画像TI1のプレビュー領域と、保持者情報入力部HN1と、配布部数入力部L1と、を含む。印刷部数入力部M1には、印刷部数が入力される。本ケースでは、印刷部数「2」が入力される。保持者情報入力部HN1には、印刷済み用紙の最初の保持者の名称、即ち、印刷を指示した者の名称及びメールアドレスが入力される。本ケースでは、ユーザ名「TANAKA」及びメールアドレスMA0が入力される。変形例では、ユーザがノートPC10にログインする際に、「TANAKA」及びメールアドレスMA0が入力されている場合には、「TANAKA」及びメールアドレスMA0が保持者情報入力部HN1に予め入力されていてもよい。配布部数入力部L1には、印刷済み用紙の配布部数が入力される。本ケースでは、配布部数「2」が入力される。文書編集アプリ44は、T12において、各入力部に対する入力と印刷ボタンB10の選択とを受け付ける。この場合、文書編集アプリ44は、仮想プリンタキュー62に対応する仮想プリンタ60に処理を指示する。
【0053】
仮想プリンタ60は、T20において、上記の文書ファイル内の情報をハッシュ化してデータID「D1」を生成する。仮想プリンタ60は、T20において、データID「D1」とユーザ名「TANAKA」とメールアドレスMA0と配布部数「2」とをサーバ300に送信する。図示省略しているが、仮想プリンタ60は、T20において、さらに、上記の文書ファイル内の情報をハッシュ化することによって得られるハッシュ値もサーバ300に送信する。変形例では、仮想プリンタ60は、データID「D1」のみをサーバ300に送信してもよい。
【0054】
サーバ300は、T20において、ノートPC10からデータID「D1」等を受信すると、T22において、媒体管理テーブル350を検索して、受信済みのデータID「D1」及びハッシュ値に関連付けられているグループIDが存在するのか否かを判断する。T22の時点においては、当該グループIDが存在しないので、サーバ300は、グループID「G1」を生成し、データID「D1」とハッシュ値とグループID「G1」とを関連付けて媒体管理テーブル350に記憶する。サーバ300は、T23において、タイマーをスタートさせる。サーバ300は、T24において、グループID「G1」をノートPC10に送信する。
【0055】
ノートPC10の仮想プリンタ60は、T24において、サーバ300からグループID「G1」を受信すると、T26において、グループID「G1」を含む媒体ID要求をサーバ300に送信する(
図1のS10参照)。
【0056】
サーバ300は、T26において、ノートPC10から媒体ID要求を受信すると、T28において、媒体管理テーブル350に記憶されていない新たな媒体ID「D11」を生成し、媒体ID要求に含まれるグループID「G1」に関連付けて媒体ID「D11」を媒体管理テーブル350に記憶する。サーバ300は、さらに、媒体ID「D11」に関連付けて管理情報MI11を媒体管理テーブル350に記憶する。この時点では、管理情報MI11は、T20で受信されたユーザ名「TANAKA」と、「TANAKA」のユーザID「U11」と、を含み、他の情報を含まない。
【0057】
なお、サーバ300は、複数のユーザ名のそれぞれについて、当該ユーザ名とユーザIDとが関連付けられているユーザテーブル(図示省略)を記憶している。そして、サーバ300は、ユーザテーブルから「TANAKA」のユーザID「U11」を特定し、ユーザID「U11」を含む管理情報MI11を記憶する。以下でも、ユーザIDを記憶する処理は同様に実行される。変形例では、サーバ300は、T20において、ノートPC10からユーザID「U11」も受信し、受信済みのユーザID「U11」を含む管理情報MI11を記憶してもよい。
【0058】
次いで、サーバ300は、サーバ300のアドレス情報(即ちドメイン)とグループID「G1」と媒体ID「D11」とを含むURL81を生成し、T30において、URL81をノートPC10に送信する(
図1のS12参照)。
【0059】
仮想プリンタ60は、T30において、サーバ300からURL81を受信すると、T32において、受信済みのURL81をコード化することによってQRコードC1を生成する。仮想プリンタ60は、対象画像TI1にQRコードC1を付加して、付加済み画像I1を生成する。そして、仮想プリンタ60は、印刷管理アプリ50に処理を指示する。
【0060】
印刷管理アプリ50は、T40において、印刷指示をプリンタドライバ70に供給することによって、プリンタドライバ70に処理を指示する。
【0061】
プリンタドライバ70は、付加済み画像I1を変換して、プリンタ100が解釈可能なデータ形式を有する印刷画像を表わす印刷データD1を生成する。そして、プリンタドライバ70は、T42において、印刷データD1をプリンタ100に送信する(
図1のS20参照)。
【0062】
プリンタ100は、T42において、ノートPC10から印刷データD1を受信すると、T44において、印刷データD1によって表わされる印刷画像を用紙に印刷する(
図1のS22参照)。これにより、1部目の印刷済み用紙P1が「TANAKA」に提供される。
【0063】
(2部目の印刷:
図6)
図5のT12において、印刷部数「2」が入力されているので、2部目の印刷に関する以下の処理が実行される。仮想プリンタ60は、T50において、グループID「G1」を含む媒体ID要求をサーバ300に再び送信する(
図1のS30参照)。
【0064】
サーバ300は、T50において、ノートPC10から媒体ID要求を受信すると、T52において、媒体ID「D11」とは異なる媒体ID「D12」を生成する。さらに、サーバ300は、T52において、グループID「G1」に関連付けて媒体ID「D12」を媒体管理テーブル350に記憶する。サーバ300は、さらに、媒体ID「D12」に関連付けて管理情報MI21を媒体管理テーブル350に記憶する。この時点では、管理情報MI21は、
図5のT20で受信されたユーザ名「TANAKA」と、「TANAKA」のユーザID「U11」と、を含み、他の情報を含まない。
【0065】
次いで、サーバ300は、サーバ300のアドレス情報とグループID「G1」と媒体ID「D12」とを含むURL82を生成し、T60において、URL82をノートPC10に送信する(
図1のS32参照)。
【0066】
仮想プリンタ60は、T60においてサーバ300からURL82を受信すると、T62において、受信済みのURL82をコード化することによってQRコードC2を生成する。仮想プリンタ60は、対象画像TI1にQRコードC2を付加して、付加済み画像I2を生成する。そして、仮想プリンタ60は、印刷管理アプリ50に処理を指示する。
【0067】
印刷管理アプリ50は、T70において、印刷指示をプリンタドライバ70に供給することによって、プリンタドライバ70に処理を指示する。
【0068】
プリンタドライバ70は、付加済み画像I2を変換して、印刷データD2を生成する。そして、プリンタドライバ70は、T72において、印刷データD2をプリンタ100に送信する(
図1のS40参照)。
【0069】
プリンタ100は、T72において、ノートPC10から印刷データD2を受信すると、T74において、印刷データD2によって表わされる印刷画像を用紙に印刷する(
図1のS42参照)。これにより、2部目の印刷済み用紙P2が「TANAKA」に提供される。
【0070】
(追加印刷:
図7)
図7を参照して、
図5のT2で生成済みの文書ファイルによって表わされる対象画像TI1の印刷が再び実行される状況を説明する。以下では、このような印刷のことを「追加印刷」と記載することがある。
【0071】
ノートPC10の文書編集アプリ44は、T82において、ユーザから、対象画像TI1を表わす文書ファイルを開く操作を受け付ける。その後、
図5のT4~T12と同様の処理が実行される。但し、
図7の処理では、T12において、印刷設定画面SC10において、印刷部数「1」が入力され、配布部数「0」が入力される。
【0072】
仮想プリンタ60は、T90において、データID「D1」とユーザ名「TANAKA」と配布部数「0」とハッシュ値とをサーバ300に送信する。
【0073】
サーバ300は、T90において、ノートPC10からデータID「D1」等を受信すると、T92において、媒体管理テーブル350から、受信済みのデータID「D1」及びハッシュ値に関連付けて記憶されるグループIDを検索し、グループID「G1」を取得する(
図5のT22参照)。そして、サーバ300は、T94において、グループID「G1」をノートPC10に送信する。
【0074】
ノートPC10の仮想プリンタ60は、T94において、サーバ300からグループID「G1」を受信すると、T100において、グループID「G1」を含む媒体ID要求をサーバ300に送信する。
【0075】
サーバ300は、T100において、ノートPC10から媒体ID要求を受信すると、T102において、新たな媒体ID「D13」を生成する。次いで、サーバ300は、T102において、媒体ID要求に含まれるグループID「G1」に関連付けて媒体ID「D13」を媒体管理テーブル350に記憶する。サーバ300は、さらに、媒体ID「D13」に関連付けて管理情報MI31を媒体管理テーブル350に記憶する。この時点では、管理情報MI31は、
図7で準用する
図5のT20で受信されたユーザ名「TANAKA」と、「TANAKA」のユーザID「U11」と、を含み、他の情報を含まない。このように、生成済みの文書ファイルによって表わされる対象画像TI1の印刷が再び実行される場合に、1部目及び2部目の印刷において記憶済みのグループID「G1」に関連付けて、媒体ID「D13」及び管理情報MI31が媒体管理テーブル350に記憶される。このため、サーバ300は、追加印刷によって生成される印刷済み用紙を3部目の印刷済み用紙として扱うことができ、3部目の印刷済み用紙の保持者を適切に管理することができる。
【0076】
次いで、サーバ300は、サーバ300のアドレス情報とグループID「G1」と媒体ID「D13」とを含むURL83を生成し、T110において、URL83をノートPC10に送信する。
【0077】
仮想プリンタ60は、T110において、サーバ300からURL83を受信すると、T112において、受信済みのURL83をコード化することによってQRコードC3を生成する。仮想プリンタ60は、対象画像TI1にQRコードC3を付加して、付加済み画像I3を生成する。そして、仮想プリンタ60は、印刷管理アプリ50に処理を指示する。
【0078】
印刷管理アプリ50は、T120において、印刷指示をプリンタドライバ70に供給することによって、プリンタドライバ70に処理を指示する。
【0079】
プリンタドライバ70は、付加済み画像I3を変換して、追加の印刷データD3を生成する。そして、プリンタドライバ70は、T122において、追加の印刷データD3をプリンタ100に送信する
【0080】
プリンタ100は、T122において、ノートPC10から追加の印刷データD3を受信すると、T124において、印刷データD3によって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。これにより、追加印刷によって生成された3部目の印刷済み用紙が「TANAKA」に提供される。
【0081】
(印刷済み用紙P1の移動:
図8)
図8を参照して、1部の印刷済み用紙P1の保持者が「TANAKA」から「SUZUKI」に移動される状況を説明する。以下では、このようにして印刷済み用紙の保持者が変更されることを「移動承継」と記載することがある。
【0082】
印刷済み用紙P1の移動先である「SUZUKI」は、ユーザ端末201を利用する。ユーザ端末201のカメラ216は、T130において、印刷済み用紙P1に含まれるQRコードC1を撮影する(
図1のS50参照)。この場合、カメラ216は、QRコードC1をデコードすることによってURL81を取得する。カメラ216は、URL81を含む起動指示をブラウザアプリ242に供給することによって、処理をブラウザアプリ242に指示する。
【0083】
ブラウザアプリ242は、T132において、URL81を含むアクセス要求をサーバ300に送信する(
図1のS52参照)。
【0084】
サーバ300は、T132において、ユーザ端末201からアクセス要求を受信すると、アクセス要求に含まれるURL81を取得する。さらに、サーバ300は、URL81に含まれるグループID「G1」及び媒体ID「D11」を取得する。次いで、サーバ300は、T134において、ユーザ名入力画面データをユーザ端末201のブラウザアプリ242に送信する。
【0085】
ユーザ端末201のブラウザアプリ242は、T134において、サーバ300からユーザ名入力画面データを受信すると、ユーザ名入力画面を表示部214に表示し、T140において、ユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1の入力を受け付ける(
図1のS50参照)。この場合、ブラウザアプリ242は、T142において、入力されたユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1をサーバ300に送信する(
図1のS52参照)。
【0086】
サーバ300は、T142において、ユーザ端末201からユーザ名「SUZUKI」及びメールアドレスMA1を受信すると、T144において、問合画面データをユーザ端末201に送信する。
【0087】
ユーザ端末201のブラウザアプリ242は、T144において、サーバ300から問合画面データを受信すると、T150において、問合画面SC20を表示部214に表示する。問合画面SC20は、印刷済み用紙P1の管理情報を変更するための画面であり、移動承継ボタンB20と、複製承継ボタンB22と、を含む。ブラウザアプリ242は、T152において、ユーザから、移動承継ボタンB20の選択を受け付ける。この場合、ブラウザアプリ242は、T154において、移動承継ボタンB20が選択されたことを示す選択情報をサーバ300に送信する。
【0088】
(承認処理:
図9)
サーバ300は、T154において、ユーザ端末201から選択情報を受信すると、
図9のT160において、URL84を含む電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する。管理者のメールアドレスは、サーバ300のメモリ334内に予め登録されている。URL84は、サーバ300内の後述する承認画面データのアドレス情報を含む。
【0089】
管理者のユーザ端末400には、上記のメールアドレスが設定されている。従って、ユーザ端末400のメーラアプリ(図示省略)は、T160において、サーバ300から電子メールを受信する。この場合、ユーザ端末400は、T162において、電子メールを表示し、管理者から電子メール内のURL84の選択を受け付ける。この場合、ユーザ端末400のブラウザアプリ242は、T164において、URL84を含むアクセス要求をサーバ300に送信する。
【0090】
サーバ300は、T164において、ユーザ端末400からアクセス要求を受信すると、アクセス要求に含まれるURL84を取得する。サーバ300は、URL84に含まれるアドレス情報を利用して承認画面データを取得し、T166において、承認画面データをユーザ端末400に送信する。
【0091】
ユーザ端末400のブラウザアプリ242は、T166において、サーバ300から承認画面データを受信すると、T168において、承認画面SC30を表示部214に表示する。承認画面SC30は、印刷済み用紙P1の保持者を「TANAKA」から「SUZUKI」に変更することを承認するのか否かを問い合わせるメッセージと、OKボタンB30と、CANCELボタンB32と、を含む。ユーザ端末400は、T170において、管理者からOKボタンB30の選択を受け付ける。この場合、ユーザ端末400は、T170において、保持者の変更を承認することを示す承認情報をサーバ300に送信する。
【0092】
サーバ300は、T172において、ユーザ端末400から承認情報を受信すると、T174において、媒体ID「D11」に関連付けて管理情報MI12を媒体管理テーブル350に記憶する(
図4参照)。なお、ユーザ端末400は、管理者からCANCELボタンB32の選択を受け付ける場合には、承認情報をサーバ300に送信せず、保持者の変更を承認しないことを示す拒否情報をサーバ300に送信する。この場合、サーバ300は、管理情報M12を媒体管理テーブル350に記憶せず、保持者の変更が管理者によって承認されなかったことを示す情報を含む電子メールを「SUZUKI」のメールアドレスMA1宛に送信する。さらに、サーバ300は、同様の電子メールを印刷済み用紙P1の保持者である「TANAKA」のメールアドレスMA0宛に送信する。これにより、「SUZUKI」及び「TANAKA」は、保持者の変更が承認されなかったことを知ることができ、「SUZUKI」は、印刷済み用紙P1を元の所持者である「TANAKA」に返却することができる。このように、管理者の承認の有無に応じて印刷済み用紙P1の保持者の変更が実行されるので、セキュリティが高いシステムが実現される。
【0093】
(さらなる移動:
図10)
印刷済み用紙P1が「SUZUKI」から「SATOU」にさらに移動される状況について説明する。「SATOU」は、ユーザ端末203を利用する。ユーザ端末203のカメラ216は、T180において、印刷済み用紙P1に含まれるQRコードC1を撮影する。この場合、
図8のT132~T154及び
図9のT160~T170と同様の処理が実行される。但し、本状況では、T140において、ユーザ名「SATOU」及びメールアドレスMA3が入力される。サーバ300は、T190において、媒体ID「D11」に関連付けて、管理情報MI13を媒体管理テーブル350に記憶する(
図4参照)。
【0094】
(破棄:
図10)
次いで、印刷済み用紙P1が、現在の保持者である「SATOU」によって破棄される状況を説明する。ユーザ端末203のカメラ216は、T200において、印刷済み用紙P1に含まれるQRコードC1を撮影する。この場合、
図8のT132~T150と同様の処理が実行される。本ケースでは、T140において、ユーザ名「SATOU」及びメールアドレスMA3が入力される。このため、本ケースでは、サーバ300は、T142において、ユーザ端末203からユーザ名「SATOU」及びメールアドレスMA3を受信する。
【0095】
サーバ300は、T142で受信されたユーザ名「SATOU」及びメールアドレスMA3が、移動先及び複製先が記述されていない管理情報MI13に含まれると判断する。即ち、サーバ300は、印刷済み用紙P1の現在の保持者である「SATOU」によって、印刷済み用紙P1のQRコードC1が撮影されたと判断する。この場合、サーバ300は、T204において、
図8のT144とは異なる問合画面データをユーザ端末203に送信する。
【0096】
ユーザ端末203は、T204において、サーバ300から問合画面データを受信すると、T210において、問合画面SC40を表示部214に表示する。問合画面SC40は、移動承継ボタンB20及び複製承継ボタンB22を含まず、破棄ボタンB24を含む。ユーザ端末203は、T220において、ユーザから破棄ボタンB24の選択を受け付ける。この場合、ユーザ端末203は、T222において、破棄ボタンB24が選択されたことを示す選択情報をサーバ300に送信する。サーバ300は、T230において、媒体ID「D11」に関連付けて管理情報MI15を媒体管理テーブル350に記憶する(
図4参照)。これにより、サーバ300は、印刷済み用紙P1が「SATOU」によって破棄されたことを管理することができる。なお、変形例では、破棄ボタンB24は、
図8のT150で表示される問合画面SC20に含まれていてもよい。
【0097】
(印刷済み用紙P1の複製物P11の移動:
図10)
次いで、印刷済み用紙P1の複製物P11の保持者が「SUZUKI」から「SUGIYAMA」に移動される状況を説明する。以下では、このようにして印刷済み用紙の複製物の保持者が変更されることを「複製承継」と記載することがある。
【0098】
「SUZUKI」は、印刷済み用紙P1を「SATOU」に渡す前に、印刷済み用紙P1の複製物P11を取得しておく。そして、複製物P11が「SUZUKI」から「SUGIYAMA」に移動される。「SUGIYAMA」は、ユーザ端末204を利用する。ユーザ端末204のカメラ216は、T240において、複製物P11に含まれるQRコードC1を撮影する。この場合、
図8のT132~T150と同様の処理が実行される。但し、本ケースでは、T140において、ユーザ名「SUGIYAMA」及びメールアドレスMA4が入力される。さらに、ユーザ端末204は、T242において、ユーザから複製承継ボタンB22の選択を受け付ける。この場合、ユーザ端末204は、T244において、複製承継ボタンB22が選択されたことを示す選択情報をサーバ300に送信する。
【0099】
その後、
図9のT160~T170と同様の処理が実行される。ただし、T168の承認画面では、複製物P11の保持者を「SUZUKI」から「SUGIYAMA」に移動することを承認するのか否かを問い合わせるメッセージが表示される。サーバ300は、T250において、媒体ID「D11」に関連付けて管理情報MI14を媒体管理テーブル350に記憶する(
図4参照)。これにより、媒体ID「D11」と関連付けて、ユーザ名「SUGIYAMA」が媒体管理テーブル350に記憶される。これにより、サーバ300は、印刷済み用紙P1の複製物P11の保持者を適切に管理することができる。
【0100】
(ケースA:
図11)
図11を参照して、印刷済み用紙P1、P2の配布が所定時間内に完了するケースAについて説明する。「ITOU」は、「TANAKA」から2部目の印刷済み用紙P2を受け取ると、ユーザ端末202を利用する。ユーザ端末202のカメラ216は、T260において、印刷済み用紙P2に含まれるQRコードC2を撮影する。この場合、
図8のT132~T154及び
図9のT160~T170と同様の処理が実行される。但し、本ケースでは、T140において、ユーザ名「ITOU」が入力される。
【0101】
サーバ300は、T270において、媒体ID「D12」に関連付けて管理情報MI22を媒体管理テーブル350に記憶する(
図4参照)。そして、サーバ300は、T272において、
図5のT20で受信された配布部数「2」に相当する媒体ID「D11」、「D12」に関連付けて、それぞれ管理情報MI12、MI22が媒体管理テーブル350に記憶されたと判断する。この場合、サーバ300は、T274において、電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する。当該電子メールは、配布部数「2」に相当する2部の印刷済み用紙P1、P2の配布が完了したことを示す配布完了通知を含む。これにより、管理者は、2部の印刷済み用紙P1、P2の配布が完了したことを認識することができる。
【0102】
(ケースB:
図12)
図12を参照して、印刷済み用紙P1、P2の配布が所定時間内に完了しないケースBについて説明する。サーバ300は、T280において、
図5のT23でタイマーをスタートさせてから、媒体ID「D12」に関連付けて管理情報MI22が媒体管理テーブル350に記憶されることなく、所定時間が経過したと判断する。この場合、サーバ300は、T284において、電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信する。当該電子メールは、配布部数「2」に相当する2部の印刷済み用紙P1、P2の配布が完了していないことを示す警告通知を含む。これにより、管理者は、2部の印刷済み用紙P1、P2の配布が完了していないことを認識することができる。警告通知は、管理情報がまだ関連付けてられない媒体ID「D12」を含む。これにより、管理者は、2個の媒体ID「D11」、「D12」のうちの媒体ID「D12」によって識別される印刷済み用紙P2の配布が完了していないことを認識することができる。
【0103】
上述したように、印刷管理システム2では、サーバ300は、ユーザ端末201から、2部の印刷済み用紙P1、P2のうちの印刷済み用紙P1に含まれる媒体ID「D11」と、ユーザ名「SUZUKI」を受信する場合(
図8のT132、T142参照)に、媒体ID「D11」に関連付けて、ユーザ名「SUZUKI」を含む管理情報MI12を媒体管理テーブル350に記憶する(
図9のT174参照)。さらに、サーバ300は、ユーザ端末202から、印刷済み用紙P2に含まれる媒体ID「D12」と、ユーザ名「ITOU」を受信する場合(
図11で準用される
図8のT132、T142参照)に、媒体ID「D12」に関連付けて、ユーザ名「ITOU」を含む管理情報MI22を媒体管理テーブル350に記憶する(
図11のT270参照)。これにより、サーバ300は、2部の印刷済み用紙P1、P2のそれぞれの保持者を適切に管理することができる。
【0104】
(対応関係)
ノートPC10が、「クライアント端末」の一例である。プリンタ100が、「印刷装置」の一例である。ユーザ端末201、202、400が、それぞれ、「第1のユーザ端末」、「第2のユーザ端末」、「第4のユーザ端末」の一例である。ユーザ端末203、204が、「第3のユーザ端末」の一例である。サーバ300が、「管理装置」の一例である。印刷済み用紙P1、P2が、それぞれ、「第1の印刷済み媒体」、「第2の印刷済み媒体」の一例である。媒体ID「D11」、媒体ID「D12」が、それぞれ、「第1の媒体識別情報」、「第2の媒体識別情報」の一例である。QRコードC1、QRコードC2が、それぞれ、「第1の関連画像」、「第2の関連画像」の一例である。ユーザ名「SUZUKI」、ユーザ名「ITOU」が、それぞれ、「第1の保持者識別情報」、「第2の保持者識別情報」の一例である。ユーザ名「SATOU」及びユーザ名「SUGIYAMA」が、それぞれ、「第3の保持者識別情報」の一例である。移動承継ボタンB20、複製承継ボタンB22が、それぞれ、「第1の選択領域」、「第2の選択領域」の一例である。承認画面データが、「問合要求」の一例である。
図6のT50の媒体ID要求が、「第1の送信要求」の一例である。
図7のT100の媒体ID要求が、「第2の送信要求」の一例である。データID「D1」が、「画像識別情報」の一例である。
【0105】
図8のT132、
図11で準用されるT132が、それぞれ、「第1の媒体識別情報受信部」、「第2の媒体識別情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図10のさらなる移動承継において準用されるT132が、「第3の媒体識別情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図8のT142、
図11で準用されるT142が、それぞれ、「第1の保持者識別情報受信部」、「第2の保持者識別情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図10のユーザ端末203の処理として準用されるT142が、「第3の保持者識別情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図9のT174、
図11のT270が、
図10のT190が、それぞれ、「第1の記憶制御部」、「第2の記憶制御部」、「第3の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図10のT190、
図10のT220が、それぞれ、「第4の記憶制御部」、「第5の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図7のT102、
図5のT28が、「第6の記憶制御部」、「第7の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図7のT110が、「媒体識別情報送信部」によって実行される処理の一例である。
図10で準用されるT146が、「画面データ送信部」によって実行される処理の一例である。
図9のT166が、「問合要求送信部」によって実行される処理の一例である。
図5のT30、
図7のT74が、それぞれ、「第1のグループ識別情報送信部」、「第2のグループ識別情報送信部」によって実行される処理の一例である。
図5のT20が、「配布部数情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図12のT284が、「警告処理実行部」によって実行される処理の一例である。
【0106】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0107】
(変形例1)
図5の印刷設定画面SC10は、保持者情報入力部HN1と配布部数入力部L1とを含まなくてもよい。その場合、印刷設定画面SC10は、詳細設定ボタンを含んでもよい。文書編集アプリ44は、T10の後に、詳細設定ボタンが選択されると、仮想プリンタ60から、保持者情報入力部HN1と配布部数入力部L1とを含む別の画面データを取得して、それらの入力部を表示部14に表示してもよい。
【0108】
(変形例2)印刷管理アプリ50と仮想プリンタ60とは、別々のプログラムであってもよいし、統合された一つのプログラムであってもよい。また、印刷管理アプリ50と仮想プリンタ60とによって実行される処理は、プリントサポートアプリケーション(PSA)によって実行されてもよい。
【0109】
(変形例3)仮想プリンタ60の処理の少なくとも一部は、印刷管理アプリ50によって実行されてもよい。即ち、
図5のT20、T24、T26、T30、T32、
図6のT50、T60、T62、
図7のT90、T94、T100、T110、T112のうちの少なくとも1個の処理は、印刷管理アプリ50によって実行されてもよい。
【0110】
(変形例4)ユーザ端末201等のメモリ234には、サーバ300と通信するための別のアプリが格納されていてもよい。当該アプリは、例えば、
図8のT130において、カメラ216によって撮影されたQRコードC1をデコードすることによってURL81を取得し、T132において、URL81を含むアクセス要求をサーバ300に送信してもよい。この場合、当該アプリは、ユーザ名入力画面データ(
図8のT134参照)、問合画面データ(T144参照)をサーバ300から受信することなく、当該アプリが予め記憶している各画面データを利用して、各画面を表示してもよい。
【0111】
(変形例5)サーバ300は、例えば、
図9のT160において、さらに、「SUZUKI」によって移動承継ボタンB20が選択されたことを通知するための電子メールを「SUZUKI」にメールアドレスMA1宛に送信してもよい。これにより、仮に、第3者が「SUZUKI」になりすまして印刷済み用紙P1の移動承継を行なうことを試みる場合に、「SUZUKI」は、なりすましを知ることができる。
【0112】
(変形例6)
図5のT10の印刷設定画面SC10は、さらに、秘密保持契約に関する記載を用紙に印刷する指示を受け付けるためのボタンを含んでもよい。仮想プリンタ60は、当該ボタンの選択を受け付ける場合に、T32において、秘密保持契約に関する記載をさらに含む付加済み画像I1を生成する。
【0113】
(変形例7)
図5のT10の印刷設定画面SC10は、さらに、各部の印刷済み媒体の表紙に相当する印刷済み媒体を生成するためのボタンを含んでもよい。仮想プリンタ60は、当該ボタンの選択を受け付ける場合に、T32において、1部の印刷済み媒体の表紙を表わす表紙画像をさらに含む付加済み画像I1を生成する。仮想プリンタ60は、さらに、
図6のT62において、表紙画像をさらに含む付加済み画像I2を生成する。
【0114】
(変形例8)仮想プリンタ60は、
図5のT32において、QRコードC1の代わりに、媒体IDを示す文字列そのものを対象画像TI1に付加して、付加済み画像I1を生成してもよい。この場合、ブラウザアプリ242は、
図8のT130において、カメラ216によるQRコードC1の撮影に代えて、上記の文字列の入力を受け付けて、T132において、媒体IDを含むアクセス要求をサーバ300に送信してもよい。本変形例では、媒体IDを示す文字列が「関連画像」の一例である。
【0115】
(変形例9)上記の実施例では、サーバ300は、印刷済み用紙P1が移動される場合に、移動元に関する管理情報(例えばMI12)を記憶している維持しながら、移動先に関する管理情報(例えばMI12)を記憶する。これに代えて、サーバ300は、移動元に関する管理情報を削除して、移動先に関する管理情報を記憶してもよい。本変形例では、「第3の記憶制御部」は省略可能である。
【0116】
(変形例10)問合画面SC20は、複製承継ボタンB22を含まなくてもよい。本変形例では、「第5の記憶制御部」は省略可能である。また、別の変形例では、問合画面SC20は、移動承継ボタンB20を含まなくてもよい。本変形例では、「第4の記憶制御部」は省略可能である。
【0117】
(変形例11)サーバ300は、
図9のT160において、電子メールを送信することなく、T174において、管理情報を記憶してもよい。本変形例では、「問合要求送信部」は省略可能である。
【0118】
(変形例12)サーバ300は、
図9のT160において、印刷済み用紙P1に含まれるQRコードC1を撮影することを促すメッセージを含む電子メールを管理者のメールアドレス宛に送信してもよい。その後、サーバ300は、管理者のユーザ端末400からURL81を含むアクセス要求を受信し、かつ、ユーザ端末400から管理者のユーザ名及びメールアドレスを受信する場合に、問合画面データに代えて、承認画面データをユーザ端末400に送信してもよい。また、別の変形例では、サーバ300は、
図8のT142で受信するユーザ名が所定の権限を有するユーザである場合に、
図9のT160~T172の処理を実行しなくてもよい。
【0119】
(変形例13)上述の実施例では、媒体IDは、サーバ300によって生成され、サーバ300からノートPC10に送信される。これに代えて、媒体IDは、ノートPC10の印刷管理アプリ50によって生成されてもよい。この場合、ノートPC10の仮想プリンタ60は、
図5のT20において、データID「D1」とともに、媒体ID「D11」、「D12」をサーバ300に送信する。サーバ300は、受信済みの媒体ID「D11」、「D12」を媒体管理テーブル350に記憶する。
【0120】
(変形例14)上述の実施例では、ノートPC10の仮想プリンタ60は、
図5のT26と
図6のT50とにおいて、1部の印刷が実行される毎に、媒体ID要求をサーバ300に送信する。これに代えて、仮想プリンタ60は、
図5のT26において、印刷部数を含む媒体ID要求をサーバ300に送信してもよい。この場合、サーバ300は、T28において、印刷部数に対応する複数個の媒体IDを生成して記憶してもよい。そして、サーバ300は、T30において、複数個の媒体IDに対応する複数個のURLをノートPC10に送信してもよい。
【0121】
(変形例15)サーバ300は、データID及びグループIDを媒体管理テーブル350に記憶しなくてもよい。本変形例では、「第7の記憶制御部」を省略可能である。また、本変形例では、追加印刷が実行される場合に、既存のグループIDに関連付けて媒体ID及び管理情報が記憶されない。
【0122】
(変形例16)サーバ300は、T90においてノートPC10から対象画像TI1を受信し、媒体管理テーブル350内に記憶された対象画像TI1のマスターデータと画像比較することによって、グループID「G1」を特定してもよい。本変形例では、対象画像TI1が、「画像識別情報」の一例である。
【0123】
(変形例17)サーバ300は、
図5のT20において、ノートPC10から配布部数「2」を受信しなくてもよい。この場合、サーバ300は、
図12のT284において、警告通知を含む電子メールを送信しなくてもよい。本変形例では、「配布部数情報受信部」及び「警告処理実行部」は省略可能である。
【0124】
(変形例18)上述の実施例では、ノートPC10は、M部の印刷をプリンタ100に実行させるべき場合に、M回にわたって印刷データをプリンタ100に送信する。これに代えて、ノートPC10は、印刷データを1回だけプリンタ100に送信し、さらに、グループID及びM個のURLをプリンタ100に送信してもよい。この場合、プリンタ100は、M個のURLのそれぞれについて、当該URLからQRコードを生成し、当該QRコードが付加された印刷画像を印刷してもよい。
【0125】
(変形例19)上記の実施例では、
図5~
図12の各処理がソフトウェア(例えばプログラム340)によって実行されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0126】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0127】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
印刷管理システムであって、
クライアント端末と、印刷装置と、第1のユーザ端末と、第2のユーザ端末と、管理装置と、を備え、
前記クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記印刷データを受信し、
前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行し、
M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記第1のユーザ端末は、
前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第2のユーザ端末は、
前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を前記管理装置に送信し、
前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶し、
前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とを受信する場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶する、
印刷管理システム。
(項目2)
管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
クライアント端末は、ユーザから、対象画像のM部(前記Mは2以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす印刷データを印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記印刷データを受信し、
前記印刷データを利用して前記対象画像のM部の印刷を実行し、
M部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記コンピュータプログラムは、
前記管理装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
第1のユーザ端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第1の印刷済み媒体に含まれる第1の関連画像に関連する第1の媒体識別情報を受信する第1の媒体識別情報受信部と、
前記第1のユーザ端末から、前記第1の印刷済み媒体の保持者を識別する第1の保持者識別情報を受信する第1の保持者識別情報受信部と、
前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報をメモリに記憶させる第1の記憶制御部と、
第2のユーザ端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの1部の印刷媒体である第2の印刷済み媒体であって、前記第1の印刷済み媒体とは異なる前記第2の印刷済み媒体に含まれる第2の関連画像に関連する第2の媒体識別情報を受信する第2の媒体識別情報受信部と、
前記第2のユーザ端末から、前記第2の印刷済み媒体の保持者を識別する第2の保持者識別情報を受信する第2の保持者識別情報受信部と、
前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目3)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶さされた後に、第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報を受信する第3の媒体識別情報受信部と、
前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶さされた後に、前記第3のユーザ端末から第3の保持者識別情報を受信する第3の保持者識別情報受信部と、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報が前記メモリに記憶されている状態を維持しながら、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる第3の記憶制御部と、
として機能させる、項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、問合画面を表わす画面データを前記第3のユーザ端末に送信する画面データ送信部であって、前記問合画面は、前記第1の印刷済み媒体の保持者の変更を示す第1の選択領域と、前記第1の印刷済み媒体の複製物の保持者の登録を示す第2の選択領域と、を含む、前記画面データ送信部と、
前記第3のユーザ端末から、前記問合画面に含まれる前記第1の選択領域が選択されたことを示す第1の選択情報が受信される場合に、前記第1の印刷済み媒体の保持者が、前記第1の保持者識別情報によって識別される保持者から、前記第3の保持者識別情報によって識別される保持者に変更されたことを示す変更情報を前記メモリに記憶させる第4の記憶制御部と、
前記第3のユーザ端末から、前記問合画面に含まれる前記第2の選択領域が選択されたことを示す第2の選択情報が受信される場合に、前記第1の印刷済み媒体の複製物の保持者が第3の保持者識別情報によって識別される保持者であることを示す複製物情報を前記メモリに記憶させる第5の記憶制御部と、
として機能させる、項目3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信される場合に、保持者を承認するのか否かを問い合わせるための問合要求を第4のユーザ端末に送信する問合要求送信部として機能させ、
前記第3の記憶制御部は、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信され、かつ、前記第4のユーザ端末から、保持者を承認することを示す問合応答が受信される場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させ、
前記第3のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第3の保持者識別情報とが受信され、かつ、前記第4のユーザ端末から、保持者を承認することを示す前記問合応答が受信されない場合に、前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第3の保持者識別情報を前記メモリに記憶させない、
項目3または4に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記対象画像のM部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から第1の送信要求が受信される場合に、M個の前記媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信する媒体識別情報送信部と、
前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる第6の記憶制御部と、
として機能させ、
前記クライアント端末は、
前記対象画像と、前記管理装置から受信された前記第1の媒体識別情報に関連する前記第1の関連画像と、を表わす第1の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記対象画像と、前記管理装置から受信された前記第2の媒体識別情報に関連する前記第2の関連画像と、を表わす第2の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記第1の記憶制御部は、前記第1のユーザ端末から前記第1の媒体識別情報と前記第1の保持者識別情報とが受信される場合に、記憶済みの前記第1の媒体識別情報に関連付けて前記第1の保持者識別情報を前記メモリに記憶させ、
前記第2の記憶制御部は、前記第2のユーザ端末から前記第2の媒体識別情報と前記第2の保持者識別情報とが受信される場合に、記憶済みの前記第2の媒体識別情報に関連付けて前記第2の保持者識別情報を前記メモリに記憶させる、
項目2から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記クライアント端末から前記第1の送信要求が受信される前に、前記クライアント端末から前記対象画像を識別する画像識別情報が受信される場合に、前記画像識別情報に関連付けてグループ識別情報を前記メモリに記憶させる第7の記憶制御部と、
前記クライアント端末から前記第1の送信要求が受信される前に、前記クライアント端末から前記画像識別情報が受信される場合に、前記グループ識別情報を前記クライアント端末に送信する第1のグループ識別情報送信部と、
として機能させ、
前記媒体識別情報送信部は、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第1の送信要求が受信される場合に、前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信し、
前記第6の記憶制御部は、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第1の送信要求が受信される場合に、前記グループ識別情報に関連付けて前記M個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる、
項目6に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記クライアント端末は、前記対象画像のM部の印刷が前記印刷装置によって実行された後に、前記ユーザから、前記対象画像のN部(前記Nは1以上の整数)の印刷を指示する印刷実行指示を受け付ける場合に、前記対象画像を表わす追加の印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記クライアント端末から前記追加の印刷データを受信し、
前記追加の印刷データを利用して前記対象画像のN部の印刷を実行し、
N部の印刷済み媒体の各部は、前記対象画像と、媒体識別情報に関連する関連画像と、を含み、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記対象画像のN部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から前記画像識別情報が受信される場合に、前記画像識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されている前記グループ識別情報を前記クライアント端末に送信する第2のグループ識別情報送信部として機能させ、
前記媒体識別情報送信部は、さらに、前記対象画像のN部の印刷を指示する前記印刷実行指示が前記クライアント端末によって受け付けられた後に、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む第2の送信要求が受信される場合に、N個の媒体識別情報のそれぞれを前記クライアント端末に送信し、
前記第6の記憶制御部は、さらに、前記クライアント端末から前記グループ識別情報を含む前記第2の送信要求が受信される場合に、前記グループ識別情報に関連付けて前記N個の媒体識別情報のそれぞれを前記メモリに記憶させる、
項目7に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記クライアント端末から、前記M部の印刷済み媒体のうちの配布部数であるL部を示す配布部数情報を受信する配布部数情報受信部と、
前記クライアント端末から前記配布部数情報が受信されてから所定時間が経過しても、L個の前記媒体識別情報に関連付けてL個の前記保持者識別情報が前記メモリに記憶されない場合に、警告処理を実行する警告処理実行部と、
として機能させる、項目2から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0128】
2:印刷管理システム、12,112,212:操作部、14,114,214:表示部、20:LANインターフェース、30,130,230,330:制御部、32,132,232,332:CPU、34,134,234,334:メモリ、40:OSプログラム、42,242:ブラウザアプリ、44:文書編集アプリ、50:印刷管理アプリ、60:仮想プリンタ、62:仮想プリンタキュー、70:プリンタドライバ、100:プリンタ、116:印刷実行部、120,220:LANインターフェース、140,240,340:プログラム、201~204,400:ユーザ端末、216:カメラ、300:サーバ、320:通信インターフェース、350:媒体管理テーブル