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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114052
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】保護部材
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20240816BHJP
   H02G 3/36 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
F16L57/00 A
H02G3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019428
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】397039229
【氏名又は名称】田村 昭次
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 昭次
【テーマコード(参考)】
3H024
5G363
【Fターム(参考)】
3H024AA04
3H024AB02
3H024AC03
3H024AC05
5G363AA07
5G363BA07
5G363DB06
(57)【要約】
【課題】課題は、釘、ビスなどの釘類を打ち込だときに、そのパイプ類の破損を防止するとともに、作業性に富むパイプ類を保護する保護部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
保護部材は、パイプ類を保護するための本体部と、を有し、本体部は、本体部の正面視において上端に配置する上端部と、本体部の正面視において下端に配置する下端部と、本体部を折り曲げた折線部と、を有し、折線部は、上端部と下端部との間に配置するというものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ類を保護するための本体部と、を有し、
前記本体部は、
当該本体部の正面視において上端に配置する上端部と、
当該本体部の正面視において下端に配置する下端部と、
当該本体部を折り曲げた折線部と、を有し、
前記折線部は、前記上端部と、前記下端部と、の間に配置する保護部材。
【請求項2】
パイプ類を保護するための本体部と、を有し、
前記本体部は、
当該本体部の正面視において上端に配置する上端部と、
当該本体部の正面視において下端に配置する下端部と、
当該本体部を折り曲げた折線部と、を有し、
前記折線部は、前記上端部と、前記下端部と、の間に配置するとともに、
前記本体部を前記パイプ類に配置したときに、前記上端部と前記下端部は、当該パイプ類に接しないように外方に反り返った上端そり部と、下端そり部と、を有する保護部材。
【請求項3】
パイプ類を保護するための本体部と、を有し、
前記本体部は、
当該本体部の正面視において上端に配置する上端部と、
当該本体部の正面視において下端に配置する下端部と、
当該本体部の正面視において右端に配置する右端部と、
当該本体部の正面視において右端に配置する右端部と、
当該本体部を折り曲げた折線部と、を有し、
前記折線部は、前記上端部と、前記下端部と、の間に配置するとともに、
前記本体部を前記パイプ類に配置したときに、前記上端部と前記下端部は、当該パイプ類に接しないように外方に反り返った上端そり部と、下端そり部と、を有し、
前記右端部と前記折線部の間の領域となる第1領域と、
前記左端部と前記折線部の間の領域となる第2領域と、を有し、
前記パイプ類を釘類の打ち込みから保護するために前記本体部をあてがったときに、前記釘類は、前記第1領域または、前記第2領域に接すると、その第1領域または、第2領域に沿うように配置される保護部材。
【請求項4】
前記本体部は、ステンレス材で構成されている請求項1から3のいずれかに記載の保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道用パイプや電気コードを格納した管であるパイプ類を保護する保護部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築時において例えば各部屋に水道を供給するために、その建物に水道用パイプを配管することが求められている。この水道用パイプは、例えば、ポリ塩化ビニルあるいは架橋ポリエチレン管などの合成樹脂製のパイプに断熱材をまいたものが使用されている場合がある。このような水道用パイプは、壁の内部に配置されている。また電気コードなどを収納したパイプ類も同様に配置される場合がある。
【0003】
すなわち上述の水道用パイプや電気コードなどを収納したパイプであるパイプ類は、例えば、柱とその柱の間に配置された間柱に沿うように配置され、その上から壁用ボードを取り付けている。したがって、壁用ボードが配置されているためにそのパイプ類を室内側から視認することができない。
【0004】
しかしながら、壁に棚等を取り付ける場合があり、釘、ビスなどを打ち付ける場合がある。特に柱とその柱の間に配置された間柱との間を渡すように、横板を取り付けている場合があり、その横板に上述の釘、ビスを打ち込む場合がある。
【0005】
しかしながら上述のとおり壁用ボードにそれらのパイプ類が隠されているために、そのパイプ類に上述の釘、ビスを打ち込んでしまい、そのパイプ類が破損する場合がある。
【0006】
このようなパイプ類を保護するものとして、特開2012-112441号公報において建物の既設の床の一部を剥がしたり、孔をあけ、これより給水管や給湯管等の配管を施工する施工方法において用いられる配管材であって、管の外周に不織布よりなるテープを巻き付けて保護層としたことを特徴とする配管材が開示されている。
【0007】
上記のとおり、管の外周に不織布よりなるテープを巻き付けて保護層としたものであることから一定の耐性を有するものであるが、釘、ビスを打ち込んだときに、そのパイプ類である水道用パイプの破損を防止することができない。また、管の外周に不織布よりなるテープを巻き付ける作業は、建築作業において現実的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012-112441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、釘、ビスなどの釘類を打ち込だときに、そのパイプ類の破損を防止するとともに、作業性に富むパイプ類を保護する保護部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するために、第1観点の保護部材は、パイプ類を保護するための本体部と、を有し、本体部は、本体部の正面視において上端に配置する上端部と、本体部の正面視において下端に配置する下端部と、本体部を折り曲げた折線部と、を有し、折線部は、上端部と下端部との間に配置するというものである。
【0011】
また、第2観点の保護部材は、パイプ類を保護するための本体部と、を有し、本体部は、当該本体部の正面視において上端に配置する上端部と、当該本体部の正面視において下端に配置する下端部と、本体部を折り曲げた折線部と、を有し、折線部は、上端部と、下端部と、の間に配置するとともに、本体部をパイプ類に配置したときに、上端部と下端部は、当該パイプ類に接しないように外方に反り返った上端そり部と、下端そり部と、を有するというものである。
【0012】
また、第3観点の保護部材は、パイプ類を保護するための本体部と、を有し、本体部は、本体部の正面視において上端に配置する上端部と、本体部の正面視において下端に配置する下端部と、本体部の正面視において右端に配置する右端部と、本体部の正面視において右端に配置する右端部と、本体部を折り曲げた折線部と、を有し、折線部は、上端部と、下端部と、の間に配置するとともに、本体部を前記パイプ類に配置したときに、上端部と下端部は、当該パイプ類に接しないように外方に反り返った上端そり部と、下端そり部と、を有し、右端部と折線部の間の領域となる第1領域と、左端部と折線部の間の領域となる第2領域と、を有し、パイプ類を釘類の打ち込みから保護するために本体部をあてがったときに、釘類は、第1領域または、第2領域に接すると、その第1領域または、第2領域に沿うように配置されるというものである。
【0013】
また、第4観点の保護部材は、第1観点から第3観点において、本体部は、ステンレス材で構成されているというものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、釘、ビスなどの釘類を打ち込だときに、そのパイプ類の破損を防止するとともに、作業性に富むパイプ類を保護する保護部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例の保護部材の正面図である。
図2】本実施例の保護部材の背面図である。
図3】Aは、図2のIIIA-IIIA線断面図である。Bは、図2のIIIB-IIIB線断面図である。
図4】本実施例の2個の保護部材をそれぞれパイプ類に取り付けた状態を示す状態図である。
図5】Aは、図4においてVA部分を拡大した状態図である.Bは、図4においてVB部分を拡大した状態図である。
図6】Aは、図5AのVIA-VIA線断面図である。Bは、図5BのVIB-VIB線断面図である。
図7】Aは、図5AのVIIA-VIIA線断面図である。Bは、図5BのVIIB-VIIB線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図示の実施形態を参照して本実施例について説明する。本実施例の保護部材10は水道パイプあるいは電気コードを収納したパイプなどのパイプ類100を釘やビスなどの釘類P1、P2の打ち込みから保護するものであり、その水道パイプあるいは電気コードを収納したパイプなどのパイプ類100に沿って配置するものである。本実施例の保護部材10は、本体部20とその本体部20の正面視において上端に配置する上端部30と、その本体部20の正面視において下端に配置する下端部40とを有する。また、本体部20の正面視において右端に配置される右端部60と、本体部20の正面視において左端に配置される左端部70と、を有する(図1参照)。なお、右端に配置した右端部60は、正面図における図1において、後述する折線部90の右R方向に配置している。また、左端に配置した左端部70は、正面図における図1において、後述する折線部90の左L方向に配置している。
【0017】
上端部30は、外方(図1において図面手前方向、図2においては図面奥行き方向)に反った上端そり部31を有している。また、下端部40は、外方(図1において図面手前方向、図2においては図面奥行き方向)に反った下端そり部41を有している。上端そり部31あるいは下端そり部41は、パイプ類100にその保護部材10を固定したときに、そのパイプ類100にその上端そり部31あるいは下端そり部41が接触することを防止している。これについては後述する。
【0018】
本体部20は、薄板であって矩形状の金属片からなるものであるものが好ましく、その本体部20を折り曲げた折り曲げ線である折線部90を有する。折線部90は、上端部30と下端部40との間に配置されており、また、その折線部90は本体部20の長手方向に沿うように配置することができる。すなわち、折線部90は上端部30から下端部40に向かう方向に配置されている。このように、折線部90は、保護するパイプ類100に沿うように配置され、横断面視山形形状を呈するものである(図3B参照)。もっとも、折線部90は上端部30から下端部40に向かう方向とは、上端部30あるいは下端部40にまで及ばない場合も含むものであり、上述する通り、折線部90は、上端部30と下端部40との間に配置すれば好ましい。
【0019】
また、本実施例の保護部材10は、上端部30の中点である第1中点部35と、下端部40の中点である第2中点部45とを有する場合がある。この場合に折線部90は、第1中点部35と、第2中点部45とを結ぶように配置することが好ましい。なお、折線部90は正面図である図1において図面手前側に突出している。もっとも、折線部90は、第1中点部35と、第2中点部45とを結ぶように配置するということは、その折線部90は、上述の上端そり部31あるいは下端そり部41にまで及ばない場合も含むものである。
【0020】
また本体部20は、たとえば、板厚0.3ミリメートルから0.4ミリメートルのステンレス材であるステンレス板が好ましい。
【0021】
ここで、本体部20において、折線部90と右端部60の間の領域を第1領域21とし、本体部20において、折線部90と左端部70の間の領域を第2領域22とする。これについては後述する。なお、折線部90は、第1中点部35と、第2中点部45とを結ぶように配置することが好ましく、後述するパイプ類100を、覆うように保護することができる。
【0022】
上記構成の保護部材10の使用方法について説明する。柱200、200の間に間柱300を配置し、その柱200、200と間柱300の間を横断するように横板401、402を配置する。通常はこの上から壁用ボード500を設置するが、この壁用ボード500の内部を視認することができないことから、柱200、200と間柱300の間にはわせたパイプ類100に、その保護部材10をあてがい、あらかじめ、保護部材10に取り付けた両面テープ95で固定する。なおビニールテープ120で固定することも好ましい。このようにパイプ類100にその保護部材10をあてがい、あらかじめ、保護部材10に取り付けた両面テープ95で固定することもできるので、本実施例の保護部材10は作業性に富むというものである。
【0023】
特に横板401、402の近傍に位置するパイプ類100にその保護部材10を固定することが好ましい。横板401、402は、棚等を取り付けるために特に釘、ビスなどの釘類P1、P2を打ち込むからである。
【0024】
壁用ボード500の上から釘類P1、P2を打ち込んだ場合において、その釘類P1は、折線部90を避けて打ち込まれる場合が多い。そもそも、水道パイプ100は、壁用ボード500によって視認することができないために、水道パイプ100の近傍にその釘類P1を打ち込んだとしても、ほとんどの場合、折線部90以外の本体部20における第1領域21あるいは第2領域22に接し、その釘類P1は、保護部材10によって折り曲げられる。なお、図6A図7Aにおいて横板401に釘類P1を打ち込んだ場合を示している。この釘類P1は、折線部90を避けて打ち込まれているので、本体部20における第1領域21に接したその釘類P1が曲げられた様子が示されている。
【0025】
すなわち、本体部20は、横断面視山形形状を呈するので、第1領域21に接した釘類P1はその形状に沿うように配置される。このように釘類P1はその第1領域21に沿って、折り曲げられる。したがって、その釘類P1が水道パイプ100に到達することはほとんどない。なお図示しないが、釘類P1はその第2領域22接するように打ち込まれた場合、この第2領域22に沿って、折り曲げられることは言うまでもない。
【0026】
また仮に、釘類P2が、折線部90を直撃するとしても、横断面視山形形状を呈する頂点部分であるその折線部90は、いわゆる加工硬化によって強度が増しているので、釘類P2を打ちこむ際の抵抗が大となり、図示しない作業者が、これ以上打ちこむことを避けるので、水道パイプ100は、保護部材10によって保護される(図6B図7B参照)。
【0027】
また、水道パイプ100は、巻癖が付き、曲がっている場合がある。その場合であっても、本実施例の保護部材10は、上端部30と、下端部40にそれぞれ、外方に反った上端そり部31と下端そり部41を有している場合に、水道パイプ100と接触する可能性が低く、そのパイプ類100を破損させるおそれは低いものとなる(図6A、B参照)。
【符号の説明】
【0028】
10 保護部材
20 本体部
21 第1領域
22 第2領域
30 上端部
31 上端そり部
35 第1中点部
40 下端部
41 下端そり部
45 第2中点部
60 右端部
70 左端部
90 折線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7