(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114056
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】車両の進路表示方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20240816BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20240816BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20240816BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20240816BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240816BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B60W50/14
B60R99/00 351
B60R1/20 100
B60R1/26 100
G08G1/16 C
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019437
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】上島 宏幸
【テーマコード(参考)】
3D241
5C054
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA51
3D241BA60
3D241CD12
3D241CE04
3D241CE06
3D241DA52Z
3D241DB02Z
3D241DC33Z
3D241DC35Z
3D241DD07Z
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC14
5C054FE14
5C054HA30
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF24
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】駐車や湾曲路等での操舵時に進路予想線10が区画線15を越えて外側へと延びることによる違和感を抑制する。
【解決手段】後進時には後方カメラが取得した車両後方の画像がディスプレイに表示され、この画像に重ねて操舵角に応じた進路予想線10が表示される。後方カメラが取得した画像の画像処理によって、駐車区画を仕切る2本の区画線15が検出される。この区画線15と進路予想線10とを対比することで、区画線15から外側へ延びる進路予想線10の部分10aが抽出される。この部分10aは、非表示となり、ディスプレイには表示されない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを介して車両の進行方向へ向かう画像を取得し、
操舵角に応じて車両の側部が進行するであろう一対の進路予想線を生成し、
この進路予想線を上記画像ないし現実の光景に重ねて表示部に表示する車両の進路表示方法において、
上記画像から、道路の車線ないし駐車区画を仕切る車両の両側に沿った区画線を検出し、
上記区画線を越えて延びる上記進路予想線の部分を求め、
この部分の進路予想線を非表示とする、
車両の進路表示方法。
【請求項2】
上記区画線の内側エッジからの距離が所定距離以下である区画線近傍部分を含めて非表示とする、
請求項1に記載の車両の進路表示方法。
【請求項3】
上記部分の進路予想線を非表示とせずに、透過度を高くした線として表示する、
請求項1に記載の車両の進路表示方法。
【請求項4】
上記区画線から外側へ離れるほど透過度を高くする、
請求項3に記載の車両の進路表示方法。
【請求項5】
上記部分が位置する側に車両から所定距離内に人ないし障害物を検知した場合は、上記部分を非表示とせずに表示する、
請求項1に記載の車両の進路表示方法。
【請求項6】
車両の後進時には、上記表示部としてカーナビゲーションシステムのディスプレイに表示を行い、車両の前進時には、上記表示部としてカーナビゲーションシステムのディスプレイもしくは拡張現実ヘッドアップディスプレイに表示を行う、
請求項1に記載の車両の進路表示方法。
【請求項7】
車両の進行方向へ向かう画像を取得するカメラと、
操舵角を検出するセンサと、
表示部と、
上記表示部を制御するコントローラと、
を備え、
上記コントローラは、
上記操舵角に応じて車両の側部が進行するであろう一対の進路予想線を生成し、この進路予想線を上記画像ないし現実の光景に重ねて上記表示部に表示するとともに、
上記画像から、道路の車線ないし駐車区画を仕切る車両の両側に沿った区画線を検出し、上記区画線を越えて延びる上記進路予想線の部分を求め、この部分の進路予想線を非表示とする、
車両の進路表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のディスプレイに、操舵角に応じた一対の進路予想線の表示を行う進路表示方法および進路表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、駐車時の運転操作の支援を行うために、車両の周辺を撮影した画像に、ステアリング操作に連動する進路予想線を重畳して表示する技術が記載されている。進路予想線は、一般に、車両の車幅に対応した左右一対の線として構成され、さらに、これら左右一対の線を車両の左右方向に延びる複数の横線部で接続したハシゴ形をなしている場合もある。ステアリングを左右に操舵すると、左右一対の進路予想線が操舵角に応じて湾曲した形に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば左右一対の白線(区画線)で区画された駐車区画に駐車を行う場合、ステアリングを操舵しながら駐車区画に進入したときに、進路予想線の先端部が白線と交差して白線の外側へと延びることがある。このように進路予想線が白線の外側にまで延びていると、一対の白線と一対の進路予想線との関係がむしろ見づらくなり、運転者に違和感を与える。
【0005】
また、AR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)を介して、ウインドシールドを通して見える現実の光景に仮想情報である進路予想線を重畳して表示するような場合に、例えば、湾曲路(いわゆるカーブ)を走行する際に湾曲路入口部の曲率が大きく後半部分の曲率が小さいと、湾曲路入口部において進路予想線が路肩の白線(区画線)を横切って外側へ延びるように見えることがある。このような場合、運転者は路肩に飛び出してしまうように感じ、やはり違和感を与える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両の進路表示方法は、
カメラを介して車両の進行方向へ向かう画像を取得し、
操舵角に応じて車両の側部が進行するであろう一対の進路予想線を生成し、
この進路予想線を上記画像ないし現実の光景に重ねて表示部に表示する車両の進路表示方法において、
上記画像から、道路の車線ないし駐車区画を仕切る車両の両側に沿った区画線を検出し、
上記区画線を越えて延びる上記進路予想線の部分を求め、
この部分の進路予想線を非表示とする。
【0007】
あるいは、非表示とせずに、透過度を高くした線とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、駐車場や道路の車線を仕切る区画線を越える部分の進路予想線が非表示もしくは半透明となるので、運転者に違和感を与えることが抑制されるとともに、区画線と進路予想線との関係がより見やすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】後進時のディスプレイにおける表示例を示した説明図。
【
図3】後進で操舵角が大きいときの表示例を示した説明図。
【
図4】湾曲路を前進走行中のAR-HUDによる表示例を示した説明図。
【
図5】区画線近傍部を含めて非表示とした表示例を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、一実施例の車両の進路表示装置の構成を示した説明図である。一実施例の車両は内燃機関もしくはモータを走行駆動源として走行する一般的な自動車である。一実施例の進路表示装置は、車両前方の画像を取得する前方カメラ1と、車両後方の画像を取得する後方カメラ2と、車両のステアリング装置の操舵角を検出する操舵角センサ3と、表示部の一つとなるAR-HUD(拡張現実ヘッドアップディスプレイ)4と、車両のダッシュボードに配置されたディスプレイ5と、AR-HUD4やディスプレイ5における表示を制御するコントローラ6と、を備えて構成されている。
【0012】
前方カメラ1は、進路表示装置専用のカメラを備えていても良いが、いわゆるADAS(先進運転支援システム)に含まれる前方を指向したカメラを利用することが可能である。前方カメラ1は、複数のカメラを含む構成であってもよい。この前方カメラ1が取得した車両前方の画像のデータは、コントローラ6に入力される。
【0013】
後方カメラ2は、同様に、進路表示装置専用のカメラを備えていても良いが、ADASに含まれる後方を指向したカメラを利用することが可能である。後方カメラ2は、複数のカメラを含む構成であってもよい。この後方カメラ2が取得した車両後方の画像のデータは、コントローラ6に入力される。
【0014】
操舵角センサ3は、操舵角として例えばステアリングシャフトの回転角度(中立位置からの回転角度)を検出する。コントローラ6では、このステアリングシャフトの回転角度に基づいて操舵輪(前輪)の切れ角ひいては操舵輪の向きに沿った進路を算出する。
【0015】
AR-HUD4は、ヘッドアップディスプレイの一種であり、ウインドシールドを通して見える現実情報に、仮想情報を重ねて表示するものである。本発明においては、その形式はどのようなものであってもよいが、例えばウインドシールドの下部にプロジェクタを備え、ウインドシールドの表面で反射して運転者の目に届く光により運転者前方の適当な距離(例えば数メートル)離れた仮想の焦点面に仮想情報の虚像が生成される。仮想情報としては、本発明に係る後述する進路予想線のほか、車速情報やカーナビゲーションシステムの経路案内情報等他の適当な情報が含まれ得る。一実施例においては、AR-HUD4は、前進時の進路表示に利用される。なお、AR-HUD4は、好ましくは、カメラ画像等によって運転者の目の位置を検出する手段を有しており、個々人の目の位置に対応した位置に虚像が生成される。
【0016】
ダッシュボードに配置されるディスプレイ5は、進路表示装置専用のディスプレイであっても良いが、カーナビゲーションシステムの情報表示やオーディオシステムの情報表示等を兼ねたいわゆるセンターインフォメーションディスプレイ(CID)を利用することが可能である。一実施例のディスプレイ5はCIDであり、例えば変速機の「後進」ポジションの選択に伴う進路表示モードへのモード切換あるいは人為的なモード選択によって、進路表示装置用の表示部として機能し得る。一実施例においては、ディスプレイ5は、後進時の進路表示に利用される。
【0017】
コントローラ6は、種々の制御を行う車載のコンピュータシステムの一部の機能として構成されており、操舵角に応じた進路予想線の生成およびその表示を行う。また、後述するように、カメラ画像からの区画線の抽出、区画線と進路予想線との対比、区画線から外側へ延びた進路予想線の非表示処理、等を行う。
【0018】
次に、上記のように構成された進路表示装置の作用について説明する。後進時には、例えば駐車操作の支援のために、後方カメラ2によって取得される車両後方の画像がコントローラ6を介して実質的にリアルタイムにディスプレイ5に表示される。また、コントローラ6は、操舵角センサ3が検出したステアリング装置の操舵角に応じて、車両の側部が進行するであろう一対の進路予想線を生成し、この一対の進路予想線を後方カメラ2の画像に重ねて表示する。進路予想線は、車体外側のパネルの移動軌跡に対応したものであってもよく、車体パネルから突出するサイドミラー先端の移動軌跡に対応したものであってもよく、あるいは、後輪の移動軌跡に対応したものであってもよい。
【0019】
図2は、駐車のために後進しているときのディスプレイ5の表示例を示している。この例は、ステアリング装置が中立位置にあり、従って、一対の進路予想線11,12が車両後方へと直線状に延びるように表示されている。詳しくは、後方カメラ2が地面を斜めに俯瞰して見ているので、一対の進路予想線11,12は、台形状ないし先細り形状をなしている。また、一実施例においては、一対の進路予想線11,12は、車両の左右幅方向に延びる複数の横線部13によって互いに接続されており、全体としてハシゴ形に構成されている。ここでは、一対の進路予想線11,12と横線部13とを含むハシゴ形の線全体を「進路予想線10」と呼ぶこととする。なお、本発明は、横線部13を具備しない単純な2本の進路予想線であっても適用され得る。
【0020】
図2は、駐車場での駐車操作の途中にあり、地面には、個々の駐車区画を仕切る2本の区画線(例えば白色でペイントされている)15が描かれている。この2本の区画線15は、通常、車両の幅に対し適当な余裕を有する間隔で平行に描かれており、運転者による駐車操作の際には、ディスプレイ5を見ながら進路予想線11,12が2本の区画線15の内側(より好ましくは中央)に収まるようにしつつ後進することで、駐車操作が容易となる。
【0021】
ここで、上記実施例の進路表示装置においては、コントローラ6は、後方カメラ2が取得した画像の画像処理によって車両の両側に沿った2本の区画線15を検出し、ディスプレイ5に描画すべきハシゴ形の進路予想線10の描画位置と対比する。そして、区画線15を越えて左右外側へ延びる進路予想線10の部分を抽出し、この部分の進路予想線10を非表示とする。つまり、区画線15を越えて左右外側へ延びる進路予想線10の部分は、ディスプレイ5に表示されない。換言すれば、操舵角に応じて描画される進路予想線10の中で、2本の区画線15の内側にある部分のみが、後方カメラ2の画像と重ねてディスプレイ5に表示される。
図2では、進路予想線10の全体が2本の区画線15の内側にあるため、その全体がディスプレイ5に表示されている。
【0022】
図3は、
図2の状態から一方へ操舵したときのディスプレイ5の表示例を示している。このとき、進路予想線10の中で仮想線でもって示す部分10aは一方の区画線15から外側へはみ出ている。従って、この部分10aは非表示として処理され、実際にはディスプレイ5に表示されない。
【0023】
このように、区画線15から外側へ出た進路予想線10の部分10aを非表示とすることで、湾曲して延びる一対の進路予想線11,12と直線状の区画線15との位置関係が見やすくなる。また、操舵操作中に進路予想線10が区画線15よりも外側で動くことによる違和感が抑制される。
【0024】
ここで、非表示とする部分10aは、2本の区画線15の外側エッジよりも外側の部分であってもよく、2本の区画線15の内側エッジよりも外側の部分であってもよい。前者の場合は、進路予想線10の一部が区画線15の幅の中に重なって表示され、後者の場合は、進路予想線10は区画線15の幅に重ならない。
【0025】
他の好ましい実施例においては、区画線15の内側エッジからの距離が所定距離以下である区画線近傍部分を含めて非表示としてもよい。つまり、
図3の部分10aの付近では、進路予想線10が区画線15の内側エッジから所定距離だけ離れているように表示される。これにより、ディスプレイ5上での進路予想線10と区画線15との識別が容易となる。
【0026】
さらに他の好ましい実施例においては、
図3に仮想線で示す部分10aを完全な非表示とせずに、基本的な進路予想線10(2本の区画線15の内側部分)の線に比較して透過度を高くした半透明の線として表示するようにしてもよい。このようにすれば、区画線15よりも外側となる部分10aを目立たないようにしつつ、必要なときにはその位置を確認できるようになる。
【0027】
また、このように区画線15よりも外側となる部分10aを半透明の線とする場合に、区画線15から外側へ離れるほど透過度を高くするようにしてもよい。すなわち、徐々に透明となっていって最終的に消失するように表示される。
【0028】
次に、前進時の進路表示について説明する。前進時には、操舵角に応じた進路予想線がAR-HUD4を介して表示される。つまり、運転者がウインドシールドを通して見る現実の路面の光景に重畳して進路予想線が表示される。
図4は、左へ曲がっていく湾曲路を前進走行しているときのAR-HUD4による表示例を示した説明図である。前進時においても、操舵角センサ3が検出したステアリング装置の操舵角に応じて、進路予想線20が生成され、AR-HUD4を介して表示される。進路予想線20は、後進時のものと同様に、車両の側部が進行するであろう一対の進路予想線21,22と、複数の横線部23と、を含むハシゴ形の線に構成されている。
【0029】
運転者が見る車両前方の光景は、前方カメラ1によって画像として取得される。コントローラ6は、この車両前方の画像の画像処理によって走行中の車線を仕切る2本の区画線25(図示例では、車道外側線25Aおよびセンターライン25B)を抽出する。そして、抽出した2本の区画線25と描画すべきハシゴ形の進路予想線20とを比較することで、区画線25を越えて左右外側へ延びる進路予想線20の部分20a(仮想線で示す)を抽出し、この部分20aの進路予想線20を非表示とする。つまり、現実情報である区画線25を越えて左右外側へ延びる進路予想線20の部分20aは、AR-HUD4によって表示されない。換言すれば、操舵角に応じて描画される進路予想線20の中で、運転者の視点から2本の区画線25の内側に見える部分のみが、AR-HUD4によって虚像として表示される。
【0030】
図4のように湾曲路を走行する際に湾曲路入口部の曲率が大きく後半部分の曲率が小さいと、湾曲路入口部における操舵角が比較的に大きいことから、進路予想線20が湾曲の内側にある区画線25(車道外側線25A)と交差することが生じやすい。運転者は、その後曲率が小さくなるに従って操舵角を徐々に小さくしていくことを意図しているのであるが、湾曲路入口部において進路予想線20が区画線25(車道外側線25A)よりも外側に延びているのを見ると、操舵角が大きすぎて車線を逸脱してしまうかのように感じ、好ましくない。
【0031】
従って、区画線25から外側へ出た進路予想線20の部分20aを非表示とすることで、湾曲して延びる一対の進路予想線21,22と区画線25との関係が見やすくなり、進路予想線20が区画線25からはみ出ることによる違和感が抑制される。
【0032】
前述した後進時と同様に、非表示とする部分20aは、区画線25の外側エッジよりも外側の部分であってもよく、内側エッジよりも外側の部分であってもよい。前者の場合は、進路予想線20の一部が区画線25の幅の中に重なって表示され、後者の場合は、進路予想線20は区画線25の幅に重ならない。
【0033】
また、区画線25の内側エッジからの距離が所定距離以下である区画線近傍部分を含めて非表示としてもよい。
図5は、このように区画線近傍部分を含めて非表示とした例を示している。つまり、
図4の部分20aの付近では、進路予想線20が区画線25の内側エッジから所定距離ΔLだけ離れているように表示される。これにより、運転者の視点から見て進路予想線20と区画線25との識別が容易となる。
【0034】
さらに、他の実施例として、
図4に仮想線で示す部分20aを完全な非表示とせずに、基本的な進路予想線20(2本の区画線25の内側部分)の線に比較して透過度を高くした半透明の線として表示するようにしてもよい。このようにすれば、区画線25よりも外側となる部分20aを目立たないようにしつつ、必要なときにはその位置を視認できるようになる。
【0035】
また、このように区画線25よりも外側となる部分20aを半透明の線とする場合に、区画線25から外側へ離れるほど透過度を高くするようにしてもよい。すなわち、徐々に透明となっていって最終的に消失するように表示される。
【0036】
さらに、後進時および前進時のいずれについても、進路予想線10,20が一方の区画線15,25から外側へ延びる場合に、この一方の区画線15,25の側において、車両から所定距離内に人ないし障害物を検知した場合は、外側となる部分10a,20aを非表示とせずに表示するようにしてもよい。人ないし障害物の存在は、カメラ、レーダー、LiDAR等の適当な検知手段で検知することができる。このようにすれば、人ないし障害物との接触回避が優先される。
【0037】
以上、この発明の一実施例を詳細に説明したが、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、前進時の進路表示をAR-HUD4ではなく後進時と同じくディスプレイ5上で行うようにしてもよい。この場合、ディスプレイ5には、前方カメラ1が取得した車両前方の画像が表示され、この画像に重ねて進路予想線20が表示される。
【0038】
また、前進時の進路表示と後進時の進路表示の一方のみを行う場合でも本発明は適用が可能である。また、前進時の進路表示と後進時の進路表示のいずれかについてのみ非表示処理を行う構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1…前方カメラ
2…後方カメラ
3…操舵角センサ
4…AR-HUD
5…ディスプレイ
6…コントローラ