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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114093
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/00 20180101AFI20240816BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20240816BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20240816BHJP
【FI】
F21S45/00
F21V15/01 370
F21W102:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019511
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【弁理士】
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【弁理士】
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 貴丈
(72)【発明者】
【氏名】薦田 良
(72)【発明者】
【氏名】奥村 亜耶
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆一
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 葵
(57)【要約】
【課題】薄肉軽量でも十分な剛性を備え、取付部品の位置決めを容易にしたランプボディを有する車両用灯具の提供。
【解決手段】灯具部品10を搭載されるランプボディ2と、ランプボディ2の開口部3に取り付けられ、ランプボディ2との内側に灯室を形成する前面レンズと、を有する車両用灯具において、前記ランプボディ2は、灯室Sの内側または外側のいずれかに突出するよう一体に成形され、かつ基端部が開口する有底筒状の複数の突起部9a、9b、9cを有し、複数の前記突起部9a、9b、9cが、それぞれ灯具部品10の外周10a,10b,10cに接するように形成されるようにした。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具部品を搭載されるランプボディと、前記ランプボディの開口部に取り付けられ、ランプボディとの内側に灯室を形成する前面レンズと、を有する車両用灯具において、
前記ランプボディは、
前記灯室の内側または外側のいずれかに突出するよう一体に成形され、かつ基端部が開口する有底筒状の複数の突起部を有し、
複数の前記突起部は、それぞれ灯具部品の外周に接するように形成されたことを特徴とする、車両用灯具。
【請求項2】
前記複数の突起部は、灯具部品の外側面を少なくとも2方向から挟持する位置に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記突起部は、灯具部品における、ランプボディとの対向面に接するように形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記複数の突起部は、少なくとも先端部が、半球形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記灯具部品は、ランプボディの面方向に沿って配置される長手形状を有し、
前記複数の突起部は、前記長手形状の灯具部品の長手方向に一対延出形成され、かつ前記長手形状の灯具部品の両側面を挟持する位置に形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記灯具部品は、ランプボディの面方向に沿って配置される長手形状を有し、
前記複数の突起部は、前記長手形状の灯具部品の長手方向に沿って、灯具部品の両側に対となるように複数対配置され、
複数対の突起部は、前記長手形状の灯具部品の両側面をそれぞれ挟持する位置に形成されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
薄肉軽量でも十分な剛性を備え、取付部品の位置決めを容易にしたランプボディを有する車両用灯具に関する技術。
【背景技術】
【0002】
近年においては、カーボンニュートラルの観点から車両用灯具の軽量化が求められていることに伴い、部品を搭載するランプボディ各所の軽量化が求められている。
【0003】
特許文献1の図4図5には、ランプボディを車体に取り付けるブラケット(車体取付部)にリブを追加することで、ブラケットの剛性を強化したランプボディが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-123292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図4及び図5に示すように、剛性が必要となる箇所へのリブの追加は、部材の増加によってランプボディの重量増を招き、軽量化の要請に反するため、補強リブを設けること無く、ランプボディの部品支持部周辺の剛性を強化することが出来ないかと本願発明者は考えた。
【0006】
一方で、近年の車両用灯具においては、ランプボディに搭載される部品の点数が増大しており、位置決め構造の簡素化も求められている。
【0007】
上記課題に鑑み、本願は、薄肉軽量でも十分な剛性を備え、かつ取付部品の位置決めを容易にしたランプボディを有する車両用灯具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
灯具部品を搭載されるランプボディと、前記ランプボディの開口部に取り付けられ、ランプボディとの内側に灯室を形成する前面レンズと、を有する車両用灯具において、前記ランプボディは、前記灯室の内側または外側のいずれかに突出するよう一体に成形され、かつ基端部が開口する有底筒状の複数の突起部を有し、複数の前記突起部は、それぞれ灯具部品の外周に接するように形成した。
【0009】
(作用)基端部が開口し、かつ灯室の外側または内側のいずれかに突出するようにランプボディに一体成形された有底筒状の複数の突起部は、重量増を招くこと無くランプボディの剛性を向上させる。また、複数の突起部は、灯具部品の外周に接するように形成される事により、接触方向への移動を制限する。
【0010】
また、車両用灯具において、前記複数の突起部は、灯具部品の外側面を少なくとも2方向から挟持する位置に形成されることが望ましい。
【0011】
(作用)複数の突起部は、外周方向への灯具部品の移動を制限する。
【0012】
また、車両用灯具において、前記突起部は、灯具部品における、ランプボディとの対向面に接するように形成されることが望ましい。
【0013】
(作用)ランプボディとの対向面において灯具部品に接するように形成された突起部は、ランプボディの突起形成面から離間した状態に灯具部品を保持する。
【0014】
また、車両用灯具において、前記複数の突起部は、少なくとも先端部が、半球形状を有することが望ましい。
【0015】
(作用)灯具部品は、複数の突起部の半球面に沿って接触しながら滑ることでランプボディの所定の取付位置に位置に導かれる。
【0016】
また、車両用灯具において、前記灯具部品は、ランプボディの面方向に沿って配置される長手形状を有し、前記複数の突起部は、前記長手形状の灯具部品の長手方向に一対延出形成され、かつ前記長手形状の灯具部品の両側面を挟持する位置に形成されることが望ましい。
【0017】
(作用)長手形状の灯具部品が、一対の長手形状の突起部に接触することによって突起部の内側に導かれ、かつ側方に傾くこと無く保持される。
【0018】
また、車両用灯具において、前記灯具部品は、ランプボディの面方向に沿って配置される長手形状を有し、前記複数の突起部は、前記長手形状の灯具部品の長手方向に沿って、灯具部品の両側に対となるように複数対配置され、複数対の突起部は、前記長手形状の灯具部品の両側面をそれぞれ挟持する位置に形成されることが望ましい。
【0019】
(作用)長手形状の灯具部品は、その両側に複数対形成された突起部に接触することによって突起部の内側に導かれ、かつ側方に傾くこと無く保持される。
【発明の効果】
【0020】
車両用灯具によれば、ランプボディの突起部によってリブを設けること無く必要十分な剛性を確保出来ることで軽量化が実現出来、更に突起部を灯具部品に接するように形成することで、灯具内においてランプボディに対する灯具部品の位置決めも行うことが出来る。
【0021】
車両用灯具によれば、複数の突起部が、外側面の2方向以上から灯具部品に接するように形成されることで、外周方向への灯具部品の位置決めを行うことが出来る。
【0022】
車両用灯具によれば、斜めに傾いていたり、波状に形成されていたり、ランプボディの突起形成面がいかような形態に形成されていても影響を受けること無く、灯具部品が一定の方向に位置決め保持される。
【0023】
車両用灯具によれば、先端部が半球形状の突起部により、ランプボディの所定位置への灯具部品のガイド効果が生じる。
【0024】
車両用灯具によれば、長手形状の一対の突起部が、長手形状の灯具部品を配置する際のガイド機構及び配置後の傾き防止の位置決め機構として機能する。
【0025】
車両用灯具によれば、複数対の突起部が、長手形状の灯具部品を配置する際のガイド機構及び配置後の傾き防止の位置決め機構として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る車両用灯具の正面図(ランプボディ2の詳細形態は省略)。
図2】ランプボディ2の概略正面図。
図3】(a)図1のランプボディの有底筒状の複数の突起部を示す符号H1領域の拡大正面図。(b)符号H1領域の複数の突起部に灯具部品を設置した状態を示す拡大正面図。
図4】(a)ランプボディの符号H1領域を左斜め前方から見た拡大斜視図。(b)符号H1領域の複数の突起部に灯具部品を設置した状態を左斜め前方から見た拡大斜視図。
図5】(a)図3(b)をI-Iの位置でほぼ垂直に切断した端面図。(b)図3(b)をII-IIの位置でほぼ水平に切断した端面図。
図6】(a)図1のランプボディの有底筒状の複数の突起部を示す符号H2領域を左斜め前方かつ上方から見た拡大正面図。(b)図1のランプボディの有底筒状の複数の突起部を示す符号H2領域を右斜め後方かつ上方から見た拡大正面図。
図7】(a)図1の符号H2領域の拡大正面図。(b)図7(a)をIII-IIIの位置で切断した端面図。(c)図7(a)をIV-IVの位置で切断した端面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の車両用灯具の好適な実施形態を図1から図7に基づいて説明する。各図においては、車両用灯具の各方向を(前:後:左:右:上:下)として説明する。
【0028】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る車両用灯具1の正面図を示す。図1の車両用灯具1は、ランプボディ2と、前面レンズ4と、ランプボディ2を車体に取り付ける複数のブラケット5を備える。ランプボディ2は、樹脂などで形成され、前後方向に沿った垂直断面において、上下に伸びる背面壁及び前後に伸びる底面壁を備えた容器形状を有し、その前端に開口部を有する。ランプボディ2の前面開口部には、各図の符号3に示すような、後方に凹む溝状のシール部3が全周に設けられる。前面レンズ4は、透光性を有する樹脂やガラス等で形成され、シール部3に固定され、ランプボディ2の内側に密封された灯室Sを画成する。
【0029】
図1に示す画成された灯室S内には、前方(紙面手前方向)に前照灯光を照射する、ハイビーム用のランプユニットHiおよびロービーム用のランプユニットLoが収容されている。ハイビーム用のランプユニットHiおよびロービーム用のランプユニットLoは、光源からの出射光を車両前方に照射して、ハイビーム配光/ロービーム配光を形成するよう構成された光学ユニットである。各ランプユニット(Hi,Lo)には、従来周知の構成、例えば反射型、プロジェクタ型などのランプユニットが用いられており、その種類は問わない。
【0030】
次にランプボディ2の形状について詳しく説明する。図2はランプボディ2の概略正面図である。ランプボディ2は、硬質の合成樹脂材料を用いて射出成形により成形される。ランプボディ2は、構成面として、背面壁6、天井面7、底面8、左右の側面9、9を有し、背面壁6が後方に膨らみ、隣接する天井面7、底面8、および側面9,9と稜線を介して曲線的に連続して接続されている。また、天井面7、底面8、および側面9,9は基本としてランプボディ2の外側に向かって緩やかに膨らむ凸状の湾曲形状となっており、互いの縁部で緩やかに湾曲して、屈曲部や段差なく連続して連結されている。このため、ランプボディ2は全体として丸みを帯びた容器状に形成されている。
【0031】
図2に示す底面8は、背面壁6の下方縁部から前方に向かって延出して形成され、ランプボディ2の前面開口部の縁部に設けられたシール部3に接続する。側面9,9は、背面壁6の左右の縁部からそれぞれの側方かつやや前方に向かって延出して形成され、シール部3に接続する。天井面7は、延出量が小さく、シール部3の縁部から緩やかに後方下方に向かって湾曲しながら延在して背面壁6と接続し、背面壁6と略一体的に形成されている。このため、背面壁6、天井面7、底面8、および側面12,12は、主として平面ではなく曲率半径の大きな湾曲面で構成され、かつ、ランプボディ2は全体として、背面壁6を底部とみる容器状に形成され、背面壁6、天井面7、底面8、および側面12,12のそれぞれが、互いに曲面同士が滑らかに連続した容器面を形成している。
【0032】
また、図2の符号H1で示す領域に示すように、ランプボディ2の背面壁6には、図1の各ランプユニット(Hi,Lo)の向きを調節するエイミング機構を構成する灯具部品であるエイミングアクチュエータ10を取り付ける3つの突起部9a~9cと、エイミングブラケット(図示せず)の3つの固定部11が設けられる。
【0033】
図3(a)(b)及び図4(a)(b)により、ランプボディ2の3つの突起部9a~9cを説明する。3つの突起部は、第1突起部9a、第2突起部9b、第3突起部9cから構成される。図5(a)(b)に示すように、突起部9a、9b、9cは、各基端部9a2、9b2、9c2が図1の灯室Sの外側、即ちランプボディ2の後方に向かって開口し、各先端部9a1、9b1、9c1が、閉塞され、かつ灯室Sの内側に突出した有底筒形状を有する。また、各先端部9a1,9b1,9c1は、半球形状に形成され、第3突起部9cの先端部9c3の頂部には、平坦部9c3が設けられる。
【0034】
図3(b)、図4(b)及び図5(b)に示すように、エイミングアクチュエータ10は、第1突起部9a及び第2突起部9bによって左側面10a及び右側面10bをそれぞれ挟持された状態で左右に位置決めされる。また、図5(a)に示すように、エイミングアクチュエータ10は、後面10cを第3突起部9cの先端部9c1の平坦部9c3に接触させた状態で後方に向かって位置決めされる。エイミングアクチュエータ10は、3つの固定部11にねじ止め等で固定されるアクチュエータブラケット(図示せず)によって前方から保持される。
【0035】
図3(b)、図4(b)及び図5(a)(b)に示すエイミングアクチュエータ10は、第1突起部9a及び第2突起部9bによって左右を挟持され、かつアクチュエータブラケット(図示せず)と第3突起部9cによって前後を挟持された状態で、ランプボディ2に固定される。
【0036】
まず、図1に示す灯室Sの内側に突出するようにランプボディ2に一体成形された有底筒状の複数の突起部9a~9cは、ランプボディ2の背面壁6の一部から、中空形状を有するように突出形成される事により、重量増なく形成されると共に、曲げ応力に対するランプボディ2の剛性を向上させる。また、複数の突起部9a~9cは、灯具部品であるエイミングアクチュエータ10の外周に接するように形成される事によって接触方向への移動を制限し、エイミングアクチュエータ10をランプボディ2に位置決めする。複数の突起部9a~9cによれば、リブを設けなくても必要十分な剛性がランプボディ2に確保されるため、ランプボディ2及び車両用灯具1の軽量化が実現出来る。また、突起部9a~9cを灯具部品であるエイミングアクチュエータ10に接するように形成することで、簡素な構造により、ランプボディ2に対する位置決めも行うことが出来る。
【0037】
また、図3(b)及び図4(b)に示されるエイミングアクチュエータ10は、
半球形状を有する各先端部9a1,9b1に接触しつつ第1突起部9aと第2突起部9bの間に挿入されることにより、半球面に沿って左右方向の所定位置に設置されるようにガイドされる。尚、本実施形態においては、灯具部品であるエイミングアクチュエータ10の左右の側面10a、10bを一対の第1突起部9a及び第2突起部9bによって左右2方向から保持しているが、灯具部品は、2方向からの保持に限られず、外側面に接するように3以上設けられた突起部により、3以上の方向から保持されてもよい。
【0038】
また、図4(b)及び図5(b)に示すように、エイミングアクチュエータ10は、後面10cを介して第3突起部9cに保持されることにより、ランプボディ2の背面壁6から離間した状態に灯具部品を保持される。その結果、エイミングアクチュエータ10は、背面壁6が仮に斜めに傾いていたり、波状に形成されていたり、いかような形態に形成されていても、背面壁6の形態に基づいて傾くこと無く一定の方向に位置決め保持される。また、エイミングアクチュエータ10は、上下に沿った面を有する平坦部9c3に接触した状態で第3突起部9cの先端部9c1に保持されることにより、半球面によって保持されるよりも上下左右に傾きにくい安定した状態に保持される。
【0039】
また、図2及び図6(a)(b)に示すように符号H2で示す領域には、ランプボディ2の背面壁6に図1の各ランプユニット(Hi,Lo)の向きを回動位置に基づいて調節するアジャスティングスクリュー25の取付孔24が設けられる。取付孔24の上方には、左右一対の第4突起部21aと、第5突起部21bが設けられ、更に第4突起部21aと、第5突起部21bには、それぞれ取付孔24に向けて延伸形成された第6突起部23a,第7突起部23bが設けられる。
【0040】
図6(a)(b)及び図7(b)に示す通り、第4突起部21aと、第5突起部21bは、各基端部21a1、21b1が、図1の灯室Sの内側、即ちランプボディ2の前方に向かって開口し、各先端部が閉塞され、かつ灯室Sの外側に突出形成された有底筒形状を有する。同様に、図6(a)(b)及び図7(c)に示す通り、第6突起部23aと、第7突起部23bは、各基端部23a1、23b1が、図1の灯室Sの内側、即ちランプボディ2の前方に向かって開口し、各先端部が閉塞され、かつ灯室Sの外側に突出形成された有底筒形状を有する。また、第6突起部23aと、第7突起部23bは、それぞれ第4突起部21aと第5突起部21bに連続して形成され、かつ取付孔24に向けて互いに平行となるように長手形状に形成されている。また第4突起部21aと第5突起部21bは、いずれも第6突起部23a及び第7突起部23よりも高く突出するように形成されている。
【0041】
図6(b)に示すアジャスティングスクリュー25は、上方から差し込まれる灯具部品であるアジャスティングドライバ20によって回動させられる。図6(a)(b)及び図7(b)に示す通り、第4突起部21a及び第5突起部21bは、アジャスティングドライバ20の直径とほぼ同一の間隔を有するようにランプボディ2に形成され、図6(a)(b)及び図7(c)に示す通り第6突起部23a及び第7突起部23bもまた、アジャスティングドライバ20の直径とほぼ同じ間隔を有するようにランプボディ2に形成される。
【0042】
図6(b)に示すように、アジャスティングドライバ20は、その直径とほぼ同一間隔で設置された第4突起部21a及び第5突起部21bの間に挿入されることにより、アジャスティングスクリュー25に対して左右に位置決めされる。また、アジャスティングドライバ20は、第4突起部21a及び第5突起部21bからアジャスティングスクリュー25の取付孔24の近傍まで伸びる第6突起部23a及び第7突起部23bの間に挿入されることで、アジャスティングスクリュー25におけるアジャスティングドライバ20の係合部まで先端部20aを正確に導かれる。
【0043】
また、図6(b)及び図7(b)に示すように第4突起部21aと、第5突起部21bの先端部は、いずれも半球形状に形成され、図6(b)及び図7(c)に示すように第6突起部23aと、第7突起部23bは、長手方向に対する垂直断面が半円筒形状を有するように形成される。アジャスティングドライバ20は、
半球形状を有する第4突起部21a及び第5突起部21bの先端部と、半円筒形状を有する第6突起部23a及び第7突起部23に接触することによって各突起部間に形成された、アジャスティングドライバ20に倣った半円筒形状の凹部26に挿入されることにより、半球面及び半円筒の外周面に沿って凹部26に設置されるようにガイドされる。
【0044】
図1に示す灯室Sの外側に突出するようにランプボディ2に一体成形された有底筒状の複数の突起部21a,21b,23a,23bは、いずれもランプボディ2の背面壁6の一部から、中空形状を有するように突出形成される事により、重量増なく形成されると共に、曲げ応力に対するランプボディ2の剛性を向上させる。また、第4及び第5突起部21a,21bは、灯具部品であるアジャスティングドライバ20の両側から接するように形成される事により、アジャスティングドライバ20をアジャスティングスクリュー25に対して位置決めする。第4及び第5突起部21a,21bは、第6及び第7突起部23a,23bよりも高く形成される事で、アジャスティングドライバ20の先端を挿入しやすく形成されている。第6及び第7突起部23a,23bは、アジャスティングスクリュー25に向かって長手形状を有する有することで、アジャスティングドライバ20をアジャスティングスクリュー25に導きやすく形成されている。
【0045】
複数の突起部21a,21b,23a,23bによれば、リブを設けなくても必要十分な剛性がランプボディ2に確保されるため、ランプボディ2及び車両用灯具1の軽量化が実現出来る。また、突起部21a,21b,23a,23bにより、簡素な構造により、アジャスティングスクリュー25へのアジャスティングドライバ20のガイド部をランプボディ2に形成出来る。
【0046】
尚、本実施形態においては、アジャスティングドライバ20をアジャスティングスクリュー25により導きやすくするために、第4及び第5突起部21a,21bと、アジャスティングスクリュー25との間に長手形状の第6及び第7突起部23a,23bを設けているが、第6及び第7突起部23a,23bの替わりに第4及び第5突起部21a,21bに相当するものを一対以上設けてもよい。具体的には、図2の符号22a,22bで示す2点鎖線の部位のように、第4及び第5突起部21a,21bに相当する一対の突起部をアジャスティングスクリュー25との間に更に設けてもよい。第4及び第5突起部21a,21bに相当する突起部をアジャスティングスクリュー25に向けて複数対羅列することで、アジャスティングドライバ20は、第6及び第7突起部23a,23bにガイドされた場合と同様にアジャスティングスクリュー25に導かれやすくなる。
【符号の説明】
【0047】
1 車両用灯具
2 ランプボディ
4 前面レンズ
9a、9b,9c 複数の突起部
9a1、9b1,9c1 各突起部の半球形状の先端部
9a2、9b2,9c2 各突起部の基端開口部
10 灯具部品であるエイミングアクチュエータ
10a、10b エイミングアクチュエータの左右の外周面
10c エイミングアクチュエータの後面
21a、21b 複数の突起部
22a、22b 複数の突起部
23a、23b 複数の突起部
S 灯室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7