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特開2024-114097個人信用判定支援装置、個人信用判定支援方法、及び、個人信用判定支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114097
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】個人信用判定支援装置、個人信用判定支援方法、及び、個人信用判定支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019519
(22)【出願日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 将一
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 寛明
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA72
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】個信照会結果に基づいて行う在籍確認業務の要/不要等の判断を迅速に行う。
【解決手段】個人信用情報機関の個信照会で得られた携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を取得する。勤続年数が所定月以上であり、携帯電話番号又は自宅電話番号が、借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、勤務先電話番号及び勤務先名が、借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、借入申請者の勤務先の在籍確認作業の免除判定を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、前記個人信用情報機関から提供される、
携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、
勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、
金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を取得する取得部と、
前記借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、前記個信照会を行った日と前記契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が前記記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、
前記個人信用情報機関から提供された前記携帯電話番号又は前記自宅電話番号が、前記借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、
前記個人信用情報機関から提供された前記勤務先電話番号及び前記勤務先名が、前記借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、
前記借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、前記借入情報に含まれる前記契約日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、前記借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定部と、
前記在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御部と、
を有する個人信用判定支援装置。
【請求項2】
前記借入情報には、前記契約日と共に残債額が含まれ、前記借入申請者が勤労者又は法人代表であり、貸金業法上の総量規制の対象である場合において、前記借入申請者に金銭の借入が申請された自社の借入残高が所定の金額以下であり、かつ、自社の借入残高と他社の残債額の合計額が所定の金額以下の金額である場合に、金銭の借入に必要な徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う徴求対象書類判定部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の個人信用判定支援装置。
【請求項3】
前記徴求対象書類判定部は、前記借入申請者が勤労者又は法人の代表者であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、前記借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間未満である場合、所定の月数分の給与明細を徴求する判定を行うこと、
を特徴とする請求項2に記載の個人信用判定支援装置。
【請求項4】
前記徴求対象書類判定部は、前記借入申請者が勤労者又は法人の代表者であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、前記徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う場合、及び、所定の月数分の給与明細を徴求する判定を行う場合以外の場合は、源泉徴収票、確定申告書、課税証明書及び給与明細のうち、一部又は全部を徴求する判定を行うこと、
を特徴とする請求項3に記載の個人信用判定支援装置。
【請求項5】
前記徴求対象書類判定部は、前記借入申請者が個人事業主であり、貸金業法上の総量規制の対象である場合において、前記借入申請者に金銭の借入が申請された自社の借入残高が所定の金額以下であり、かつ、自社の借入残高と他社の残債額の合計額が所定の金額以下の金額である場合に、前記徴求対象書類の徴求を免除する判定を行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の個人信用判定支援装置。
【請求項6】
前記徴求対象書類判定部は、前記借入申請者が個人事業主であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、前記徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う場合以外の場合は、確定申告書を徴求する判定を行うこと、
を特徴とする請求項5に記載の個人信用判定支援装置。
【請求項7】
個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、前記個人信用情報機関から提供される、
携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、
勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、
金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を、取得部が取得する取得ステップと、
前記借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、前記個信照会を行った日と前記契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が前記記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、
前記個人信用情報機関から提供された前記携帯電話番号又は前記自宅電話番号が、前記借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、
前記個人信用情報機関から提供された前記勤務先電話番号及び前記勤務先名が、前記借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、
前記借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、前記借入情報に含まれる前記契約日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、在籍確認免除判定部が、前記借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定ステップと、
報知制御部が、前記在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御ステップと、
を有する個人信用判定支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、前記個人信用情報機関から提供される、
携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、
勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、
金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を取得する取得部と、
前記借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、前記個信照会を行った日と前記契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が前記記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、
前記個人信用情報機関から提供された前記携帯電話番号又は前記自宅電話番号が、前記借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、
前記個人信用情報機関から提供された前記勤務先電話番号及び前記勤務先名が、前記借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、
前記借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、前記借入情報に含まれる前記契約日と、前記借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、前記借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定部と、
前記在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御部として機能させること、
を特徴とする個人信用判定支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人信用判定支援装置、個人信用判定支援方法、及び、個人信用判定支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、金銭の借入又はクレジットカードの契約時等において、個人信用情報機関に対して問い合わせが行われ、申請者の個人信用情報の照会が行われる。
【0003】
特許文献1(特開2004-054543号公報)に開示されているカード発行システムは、センターサーバが、発行申込データをカード発行申込端末装置から受信し、発行申込データに関する個信照会要求データを個信情報サーバへ送信する。また、センターサーバは、個信情報サーバから照会結果データを受信すると、少なくとも発行申込データ及び照会結果データに基づきカード発行可否を判定する。そして、カード発行可否の判定結果が発行許可である場合に、発行承認データ及び発行命令データをカード発行申込端末装置へ送信する。これにより、ローンカード発行の承認通知をカード発行申込端末装置へ即時にかつ効率的に伝送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-054543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、申請者に対して迅速に融資を行うためにも、申請者の個人信用情報の照会結果に基づいて行う在籍確認業務の要/不要等の判断を迅速に行うことが好ましい。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、申請者の個人信用情報の照会結果に基づいて行う在籍確認業務の要/不要等の判断を迅速に行うことを可能として融資業務等の支援を図ることができるような個人信用判定支援装置、個人信用判定支援方法、及び、個人信用判定支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る個人信用判定支援装置は、個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、個人信用情報機関から提供される、携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を取得する取得部と、借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、個信照会を行った日と契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、個人信用情報機関から提供された携帯電話番号又は自宅電話番号が、借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、個人信用情報機関から提供された勤務先電話番号及び勤務先名が、借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定部と、在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御部と、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る個人信用判定支援方法は、個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、個人信用情報機関から提供される、携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を、取得部が取得する取得ステップと、借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、個信照会を行った日と契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、個人信用情報機関から提供された携帯電話番号又は自宅電話番号が、借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、個人信用情報機関から提供された勤務先電話番号及び勤務先名が、借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、在籍確認免除判定部が、借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定ステップと、報知制御部が、在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御ステップと、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る個人信用判定支援プログラムは、コンピュータを、個人信用情報機関に対して金銭の借入申請者の個信照会を行うことで、個人信用情報機関から提供される、携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と、勤務先電話番号及び勤務先名と、を含む属性情報と、金銭の借入が発生した際の契約日を含む借入情報を取得する取得部と、借入申請者の勤続年数経過月が記憶部に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、個信照会を行った日と契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が記憶部に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、個人信用情報機関から提供された携帯電話番号又は自宅電話番号が、借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、個人信用情報機関から提供された勤務先電話番号及び勤務先名が、借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う在籍確認免除判定部と、在籍確認免除判定部の判定結果を報知する報知制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、借入申請者の個人信用情報の照会結果に基づいて行う在籍確認業務の要/不要等の判断を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態の個人信用判定支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、判定基準マスタの一例を示す図である。
図3図3は、在籍確認免除判定テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、徴求書類判定テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、借入申請者の個信照会を行った際に、個人信用情報機関から得られる個信照会回答の一例を示す図である。
図6図6は、借入申請者の申込データの一例を示す図である。
図7図7は、借入申請者の個信照会を行った際に、個人信用情報機関から得られたる個信照会回答に基づいて生成される個信照会回答データの一例を示す図である。
図8図8は、借入申請者に対して、実施の形態の個人信用判定支援装置を備える自社において融資している金額を示す自社融資データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる個人信用判定支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。一例ではあるが、以下に説明する実施の形態は、金銭の融資を行う金融業者の端末装置に本発明を適用した例である。なお、本発明は、この他、個信照会を行う業種の端末装置であれば、どのような業種の端末装置にも適用可能であり、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
(概要)
個人を対象とする融資審査においては、申込人が申請時に提示する収入額を証明することは貸金業法上の総量規制への対応のために必須業務となっている。なお、「総量規制」とは、貸金業法により規制されている、貸金業者から融資を受けられる総額の上限の金額の規制であり、「貸金業者が行う貸し付けは、本人の年収の3分の1を超えてはならない」と規定されている。
【0014】
収入額の証明の作業は、給与明細等の現在の年収を証明する資料の送付を借入申請者へ依頼し、借入申請者により送付された資料に記載されている勤務先へ電話を掛けて、借入申請者の在籍を確認する。これは、手間と時間を要する作業である。
【0015】
また、借入申請者の借入情報を漏れなく取得することは必須業務である。この借入情報は、個人信用情報機関に個信照会を依頼することで得られる個信照会回答に付加されている。また、個信照会回答には、会員となっている金融機関等から報告される個人の勤務先等の属性情報が付加されている。このような個人の借入情報及び属性情報は、借入申請者の本人確認及び現在の借入額の把握等に用いられる。
【0016】
すなわち、個信照会回答には、借入申請者の氏名、性別、生年月日、住所、携帯電話番号、自宅電話番号、職業、勤務先名、勤務先電話番号等の基本的な個人情報(属性情報)が含まれる。また、個信照会回答には、金銭のローン又はクレジットカード等の借入状況、借入金額、最終返済日等の契約情報が含まれる。また、個信照会回答には、支払い状況、残高、完済、解約、延滞、弁済、強制回収手続等の返済情報も含まれる。なお、契約情報及び返済情報を、まとめて「借入情報」という。金融機関等においては、例えば新たにクレジットやローンの利用が申請された場合、その借入申請者の「信用力」を、このような個信照会回答を用いて判断する。
【0017】
次に、現在の日本国では、このような個人の属性情報及び借入情報は、「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」、「全国銀行個人信用情報センタ(KSC)」、及び、「日本信用情報機関(JICC)」の、3つの個人信用情報機関で管理されている。
【0018】
「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」には、クレジットカード会社、携帯電話事業者、自動車、機械等のローン・リース会社、一部の消費者金融会社又は銀行等加盟している。「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」は、クレジット又はローンの契約、申し込みに関する、客観的な取引事実を登録した個人の情報を保有している。
【0019】
「全国銀行個人信用情報センタ(KSC)」は、全国銀行協会が運営する信用情報機関である。「全国銀行個人信用情報センタ(KSC)」は、銀行系クレジットカードの情報、銀行等の預金取り扱い金融機関の住宅ローン等、個人向け融資等を管理している。
【0020】
「日本信用情報機関(JICC)」には、クレジット会社、貸金業、リース会社、及び、保証会社等が加盟している。「日本信用情報機関(JICC)」は、氏名、生年月日等の本人を特定するための情報、クレジット、ローン等の契約内容、返済、支払状況、取引事実に関する情報を保有している。
【0021】
このような個人信用情報機関から提供される個信照会回答は、過去の延滞、貸倒の有無、現在の別のローンによる年間返済額の把握、及び、照会結果の属性情報を活用した本人特定等に用いられる。
【0022】
実施の形態の個人信用判定支援装置1は、個信照会回答に含まれる属性情報に基づいて、借入申請者から申請された属性情報の正否を自動判定し、在籍確認作業の免除及び収入証明書類の徴求作業を免除する。
【0023】
具体的には、例えば「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」からの個信照会回答に含まれる属性情報の携帯電話番号又は自宅電話番号、勤務先電話番号、勤務先名が、借入申請者の申込データの、携帯電話番号又は自宅電話番号、勤務先電話番号、勤務先名と一致し、かつ、個信照会回答の借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が例えば一年以上(12か月以上)経過している場合は、在籍確認作業を免除する判定を行う。
【0024】
また、実施の形態の個人信用判定支援装置1は、自社の借入残高と個信照会回答の借入情報から得られた他社の借入残高の合計が、例えば100万円以下の場合に、収入証明書の徴求を免除する判定を行う。
【0025】
このように、実施の形態の個人信用判定支援装置1は、従来、本人特定のための情報としてのみ取り扱われていた属性情報を、所定の判断基準に基づいて、勤務先を確認する情報として取り扱っている。
【0026】
(ハードウェア構成)
次に、実施の形態の個人信用判定支援装置1のハードウェア構成を説明する。実施の形態の個人信用判定支援装置1は、図1に示すように記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部、印刷装置、又は、スピーカ装置等を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0027】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワーク50に接続される。このネットワーク50には、個人信用情報機関のサーバ装置51が接続されている。実施の形態の個人信用判定支援装置1は、個人信用情報機関のサーバ装置51に対して金銭の借入申請者の個信照会を依頼し、個信照会回答を取得する。そして、実施の形態の個人信用判定支援装置1は、取得した個信照会回答に基づいて、在籍確認作業の要否の判定、徴求対象書類の徴求作業の要否の判定、必要とする徴求対象書類の特定等を行う。
【0028】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、個信照会回答に基づいて、在籍確認作業の要否の判定、徴求対象書類の徴求作業の要否の判定、必要とする徴求対象書類の特定等を行うための個人信用判定支援プログラムが記憶されている。また、この記憶部2には、後述する判定基準マスタ11、在籍確認免除判定テーブル12、及び、徴求書類判定テーブル13が記憶されている。
【0029】
また、記憶部2には、借入申請者の借入申請時に作成された申込データ、個人信用情報機関のサーバ装置51から取得される個信照会回答データ、及び、実施の形態の個人信用判定支援装置1を備える金融業者である「自社」から借入申請者に対して融資している融資額等を示す自社融資データが記憶される。また、記憶部2には、在籍確認作業の要否の判定結果を示す在籍確認判定データ、徴求対象書類の徴求作業の要否の判定結果、及び、必要とする徴求対象書類等を示す徴求書類判定データが記憶される。
【0030】
判定基準マスタには、図2に示すように、「勤続年数経過月判定基準」及び「個信照会回答経過月判定基準」が設定されており、いずれも「12か月」となっている。「個信照会回答経過月」は、個信照会を行うことで前記属性情報及び前記借入情報が得られた日から経過した月数である。なお、「勤続年数経過月判定基準」及び「個信照会回答経過月判定基準」の各月数は、設計等に応じて任意の月数の設定が可能である。
【0031】
在籍確認免除判定テーブル12には、図3に示すように在籍確認作業の要否の判定基準が記憶されている。この在籍確認免除判定テーブル12の1行目のレコード(No.1)は、借入申請者の借入の申込データ(申込情報)の携帯電話番号が、個信照会回答の属性情報の携帯電話番号と一致し、かつ、借入申請者の借入の申込データの勤務先電話番号及び勤務先名が、個信照会回答の属性情報の勤務先電話番号及び勤務先名と一致した場合に、在籍確認作業を免除する判定を行うことを示している。
【0032】
また、在籍確認免除判定テーブル12の2行目のレコード(No.2)は、借入申請者の借入の申込データ又は個信照会回答の属性情報の一方又は両方に携帯電話番号が登録されていないが、借入申請者の借入の申込データの自宅電話番号及び個信照会回答の属性情報の自宅電話番号が一致し、かつ、借入申請者の借入の申込データの勤務先電話番号及び勤務先名が、個信照会回答の属性情報の勤務先電話番号及び勤務先名と一致した場合に、在籍確認作業を免除する判定を行うことを示している。
【0033】
徴求書類判定テーブル13には、図4に示すように、徴求対象書類の徴求作業の要否の判定基準、及び、必要とする徴求対象書類の判定基準が記憶されている。この徴求書類判定テーブル13の1行目のレコード(No.1)は、借入申請者が勤労者又は法人代表者であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象である場合において、実施の形態の個人信用判定支援装置1を備える「自社」の借入残高が「50万円以下」で、かつ、自社及び他社の借入残高の合計額が「100万円以下」である場合は、「収入証明書の徴求を免除する」判定を行うことを示している。
【0034】
なお、「自社」の借入残高、及び、自社及び他社の借入残高の合計額は、それぞれ設計等に応じて任意の金額を設定可能である。
【0035】
また、徴求書類判定テーブル13の2行目のレコード(No.2)は、借入申請者が勤労者又は法人代表者であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、入社日が「前年の1月以降」の場合は、「2カ月分の給与明細」を収入証明書として徴求する判定を行うことを示している。
【0036】
また、徴求書類判定テーブル13の3行目のレコード(No.3)は、借入申請者が勤労者又は法人代表者であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、徴求書類判定テーブル13の1行目のレコード(No.1)の条件及び2行目のレコード(No.2)の条件のいずれの条件にも該当しない場合は、源泉徴収票、確定申告書A(B)、課税証明書、及び、給与明細を、収入証明書として徴求する判定を行うことを示している。
【0037】
また、徴求書類判定テーブル13の4行目のレコード(No.4)は、借入申請者が個人事業主であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象である場合において、実施の形態の個人信用判定支援装置1を備える「自社」の借入残高が「50万円以下」で、かつ、自社及び他社の借入残高の合計額が「100万円以下」である場合は、「収入証明書の徴求を免除する」判定を行うことを示している。
【0038】
また、徴求書類判定テーブル13の5行目のレコード(No.5)は、借入申請者が個人事業主であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象である場合において、上述の4行目のレコード(No.4)の条件に該当しない場合には、「確定申告書B」を徴求する判定を行うことを示している。
【0039】
(個人信用判定支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている個人信用判定支援プログラムを実行することで、図1に示すように、通信制御部21(取得部の一例)、在籍確認免除判定部22、徴求対象書類判定部23、データ生成部24、表示制御部25(報知制御部の一例)及び記憶制御部26として機能する。
【0040】
取得部の一例である通信制御部21は、個人信用情報機関のサーバ装置51に、金銭の借入申請者の個信照会を行うことで提供される個信照会結果に基づいて、「携帯電話番号及び自宅電話番号のうち、少なくとも一方と」、「勤務先電話番号及び勤務先名」と、を含む属性情報と、「金銭の借入が発生した際の契約日」を含む借入情報を取得する。
【0041】
在籍確認免除判定部22は、借入申請者の勤続年数経過月が記憶部(判定基準マスタ11)に記憶されている勤続年数経過月判定基準とされる月数以上であり、又は、個信照会を行った日と契約日の差となる月数である個信照会回答経過月が記憶部(判定基準マスタ11)に記憶されている個信照会回答経過月判定基準とされる月数以上であり、個人信用情報機関から提供された携帯電話番号又は自宅電話番号が、借入申請者から明示された携帯電話番号又は自宅電話番号と一致し、個人信用情報機関から提供された勤務先電話番号及び勤務先名が、借入申請者から明示された勤務先電話番号及び勤務先名と一致し、かつ、借入申請者により提出された個人情報(申込データ)に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合、又は、借入情報に含まれる契約日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間以上経過している場合に、借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業を免除する判定を行う。
【0042】
表示制御部25は、報知制御部の一例であり、在籍確認免除判定部23の判定結果を、表示部の一例である出力装置7を介して表示する。なお、在籍確認免除判定部23の判定結果は、スピーカ装置を介して音声で出力してもよいし、印刷装置を介してプリントアウトしてもよい。
【0043】
個人信用情報機関から提供される個信照会結果に含まれる借入情報には、契約日と共に残債額が含まれており、徴求対象書類判定部23は、借入申請者が勤労者又は法人代表であり、貸金業法上の総量規制の対象である場合において、借入申請者に金銭の借入が申請された自社の借入残高が所定の金額以下であり、かつ、自社の借入残高と他社の残債額の合計額が所定の金額以下の金額である場合に、金銭の借入に必要な徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う。
【0044】
徴求対象書類は、例えば収入証明書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書A(B)、課税証明書等である。
【0045】
また、徴求対象書類判定部23は、借入申請者が勤労者又は法人の代表者であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、借入申請者により提出された個人情報に含まれる入社日と、借入申請者の個信照会を行った照会日との間の期間が所定期間未満である場合、所定の月数分の給与明細を徴求する判定を行う。
【0046】
また、徴求対象書類判定部23は、借入申請者が勤労者又は法人の代表者であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う場合、及び、所定の月数分の給与明細を徴求する判定を行う場合以外の場合は、源泉徴収票、確定申告書、課税証明書及び給与明細のうち、一部又は全部を徴求する判定を行う。
【0047】
また、徴求対象書類判定部23は、借入申請者が個人事業主であり、貸金業法上の総量規制の対象である場合において、借入申請者に金銭の借入が申請された自社の借入残高が所定の金額以下であり、かつ、自社の借入残高と他社の残債額の合計額が所定の金額以下の金額である場合に、徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う。
【0048】
また、徴求対象書類判定部23は、借入申請者が個人事業主であり、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、徴求対象書類の徴求を免除する判定を行う場合以外の場合は、確定申告書を徴求する判定を行う。
【0049】
(在籍確認作業の要否の判定動作)
次に、借入申請者の勤務先に対する在籍確認作業の要否の判定動作を説明する。まず、業務オペレータは、借入申請者により記入された融資申請書の記載内容の入力処理を行う。この入力処理が行われると、制御部3は、記憶部2に記憶されている個人信用判定支援プログラムに基づいてデータ生成部24として機能し、図6に例示する融資の申込データを生成する。図6に示すように、申込データは、案件番号、携帯電話番号、自宅電話番号、勤務先電話番号、勤務先名、入力日(入社年月)、雇用形態、及び、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外であるか否かの情報を含んで構成される。
【0050】
このような申込データが生成されると、制御部3は、個人信用判定支援プログラムに基づいて通信制御部21として機能し、生成された申込データを、通信インターフェース部4及びネットワーク50を介して、個人信用情報機関のサーバ装置51に送信する。これにより、個人信用情報機関のサーバ装置51から、図5に例示するような、個信照会を行った借入申請者の個信照会結果が返信される。通信制御部21は、返信された個信照会結果を取得する。
【0051】
図5に示すように、個信照会結果には、借入申請者の自宅電話番号、携帯電話番号、勤務先電話番号、勤務先名、住所等の属性情報、及び、現在及び過去における借入状況に対応する契約日、及び、残債額が含まれる。また、個信照会結果には、貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外であるか否かの情報が含まれる。
【0052】
データ生成部24は、取得された個信照会結果に基づいて、図7に例示する個信照会回答データを生成する。この図7に示すように、個信照会回答データの各レコードは、図5に示した個信照会結果の各レコードに対応するように生成され、また、借入申請者の携帯電話番号、自宅電話番号、勤務先電話番号、勤務先名、契約日、及び、残債高を含むように生成される。この図7に示す個信照会回答データの各レコードは、全て、借入申請者に対応する個信照会回答データとして照会されたレコードである。すなわち、個信照会を行うことで、この図7に示すように複数(又は一つ)の個信照会回答が得られる。
【0053】
次に、データ生成部24は、実施の形態の個人信用判定支援装置1を備える自社のデータベース(図示せず)を参照することで、借入申請者の、自社に対する借入残高を検出し、図8に例示する自社融資データを生成する。この図8に例示するように、自社融資データは、案件番号、審査実施日、及び、自社借入残高を含んで構成される。
【0054】
このように申込データ(図6)、個信照会回答データ(図7)及び自社融資データ(図8)が生成されると、制御部3は、個人信用判定支援プログラムに基づいて在籍確認免除判定部22として機能し、図3に示す在籍確認免除判定テーブル12を参照する。そして、以下の判定基準に基づいて、個信照会回答データ(図7)に対する在籍確認作業の要否の判定を行う。
【0055】
すなわち、在籍確認免除判定部22は、借入申請者の勤続年数経過月又は個信照会回答経過月が、図2に示す判定基準マスタ11に設定された12か月以上であり、かつ、図3に示す在籍確認免除判定テーブル12のいずれかの条件に該当する個信照会回答の属性情報が存在する場合、在籍確認作業を免除する判定を行う。
【0056】
勤続年数経過月は、図8に示す個信照会を行った日である「審査実施日」と、図6に示す申込データの「入社年月」との差分で求める。この例の場合、図8に示すように審査実施日は「2022年10月10日」であり、「入社年月」は図6に示すように「2010年4月1日」である。このため、勤続年数は、「12年6ヵ月」となる。従って、判定基準マスタ11に設定された12ヵ月以上の勤続年数であるため、在籍確認作業を免除の対象となる。
【0057】
また、信照会回答経過月は、個信照会を行った日である「審査実施日」と、個信照会回答の借入情報中の「契約日」の差分で求める。
【0058】
図7に示す照会番号(照会No.)が「001」のレコードの個信照会回答データの場合、図3に示す在籍確認免除判定テーブル12の「No1」の条件に該当する(条件一致)。また、個信照会回答経過月は2年9ヵ月である。このため、在籍確認免除判定部22は、在籍確認作業を免除する判定を行う。
【0059】
図7に示す照会番号(照会No.)が「002」のレコードの個信照会回答データの場合、図3に示す在籍確認免除判定テーブル12のいずれの条件にも該当しない(条件不一致)。また、個信照会回答経過月も、1年9ヵ月である。このため、在籍確認免除判定部22は、在籍確認作業を実行する判定を行う。
【0060】
図7に示す照会番号(照会No.)が「003」のレコードの個信照会回答データの場合、図3に示す在籍確認免除判定テーブル12の「No1」の条件に該当するが(条件一致)、個信照会を行った日である「審査実施日」と、個信照会回答の借入情報中の「契約日」の差が9か月であり、判定基準マスタ11に設定された12か月未満である。このため、在籍確認免除判定部22は、在籍確認作業を実行する判定を行う。
【0061】
このように、図7に示す借入申請者の3つの個信照会回答データのうち、在籍確認作業免除の条件に合致する個信照会回答データは、照会番号(照会No.)が「001」のレコードの個信照会回答データのみであるが、一つだけでも在籍確認作業免除の条件に合致する個信照会回答データがあれば、在籍確認免除判定部22は、その借入申請者の在籍確認作業を免除する判定を行う。
【0062】
記憶制御部26は、在籍確認免除判定部22の判定結果を示す在籍確認判定データを記憶部2に記憶する。表示制御部25は、このような在籍確認判定データを、出力装置7を介して表示する。これにより、業務オペレータに対して、借入申請者の在籍確認作業を免除する判定結果を明示することができる。
【0063】
(徴求対象書類の免除の判定動作及び必要とする徴求対象書類の判定動作)
次に、徴求対象書類の免除の判定動作、及び、必要とする徴求対象書類の判定動作を説明する。この場合、制御部3は、個人信用判定支援プログラムに基づいて徴求対象書類判定部23として機能し、図7に示す3つの個信照会回答データの残債額、及び、図8に示す自社の借入残高の合計額を算出する。この例の場合、自社及び他社の借入残高合計額は「60万円+20万円=80万円」である。
【0064】
これは、図4に示す徴求書類判定テーブルの「No1」の条件に該当するため、徴求対象書類判定部23は、借入申請者に対する収入証明書の徴求を免除する判定を行う。
【0065】
なお、借入申請者が勤労者又は法人代表者であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、個信照会回答データが、徴求書類判定テーブル13の2行目のレコード(No.2)の状態に該当する場合、徴求対象書類判定部23は、入社日が「前年の1月以降」であるため、「2カ月分の給与明細」を収入証明書として徴求する判定を行う。
【0066】
また、借入申請者が勤労者又は法人代表者であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象又は対象例外である場合において、個信照会回答データが、徴求書類判定テーブル13の1行目のレコード(No.1)の条件及び2行目のレコード(No.2)の条件のいずれの条件にも該当しない場合(=3行目のレコード(No.3)の条件)、徴求対象書類判定部23は、源泉徴収票、確定申告書A(B)、課税証明書、及び、給与明細を、収入証明書として徴求する判定を行う。
【0067】
また、借入申請者が個人事業主であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象である場合において、個信照会回答データが、徴求書類判定テーブル13の4行目のレコード(No.4)の条件である、実施の形態の個人信用判定支援装置1を備える「自社」の借入残高が「50万円以下」で、かつ、自社及び他社の借入残高の合計額が「100万円以下」の条件に該当する場合、徴求対象書類判定部23は、「収入証明書の徴求を免除する」判定を行う。
【0068】
また、借入申請者が個人事業主であり、上述の貸金業法上の総量規制の対象である場合において、個信照会回答データが、上述の4行目のレコード(No.4)の条件に該当しない場合である、徴求書類判定テーブル13の5行目のレコード(No.5)の条件に該当する場合、徴求対象書類判定部23は、「確定申告書B」を徴求する判定を行う。
【0069】
記憶制御部26は、徴求対象書類判定部23の判定結果を示す徴求書類判定データを記憶部2に記憶する。表示制御部25は、このような徴求書類判定データを、出力装置7を介して表示する。これにより、業務オペレータに対して、徴求対象書類の免除の判定結果、又は、必要とする徴求対象書類を明示することができる。
【0070】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の個人信用判定支援装置1は、個信照会結果に基づいて申込人の申請する属性情報の正否を自動判定し、在籍確認作業の免除等、及び、収入証明書類の徴求作業の免除等の判定を迅速に行うことができる。また、在籍確認作業及び収入証明書類の徴求作業による業務オペレータの負担を軽減することができる。
【0071】
すなわち、借入情報を申込人と特定できるのであれば、その属性情報も信用に足る申込人の情報と言え、その勤務先情報も申請された勤務先の在籍確認の情報に利用できる。このため、実施の形態の個人信用判定支援装置1は、個信照会で回答される属性情報と申請する属性情報を比較し、条件に合致した場合は在籍確認作業を免除する。また、借入残高が少なければ収入証明書も免除する。
【0072】
これにより、業務オペレータの審査業務の省力化、効率化に貢献でき、審査結果の早期回答により顧客の囲い込みを図ることができる。
【0073】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0075】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0076】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0077】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0078】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0079】
また、個人信用判定支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0080】
例えば、個人信用判定支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて個人信用判定支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0081】
また、この個人信用判定支援装置1の個人信用判定支援プログラムは、個人信用判定支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0082】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための個人信用判定支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0083】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した個人信用判定支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0084】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0085】
また、個人信用判定支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0086】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば金融業界等のように、個信照会を行う業界で利用することができる。例えば、個人向け住宅ローン、フリーローン、カードローン等を取り扱う金融機関等で用いて好適である。
【符号の説明】
【0088】
1 個人信用判定支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 判定基準マスタ
12 在籍確認免除判定テーブル
13 徴求書類判定テーブル
21 通信制御部
22 在籍確認免除判定部
23 徴求対象書類判定部
24 データ生成部
25 表示制御部
26 記憶制御部
50 ネットワーク
51 個人信用情報機関のサーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8