(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001141
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ヘルニアおよび他の筋骨格系損傷を管理および予防するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20231226BHJP
A61F 5/01 20060101ALI20231226BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
A61F5/02 K
A61F5/01 K
A61B5/113
【審査請求】有
【請求項の数】39
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023172456
(22)【出願日】2023-10-04
(62)【分割の表示】P 2020564032の分割
【原出願日】2019-02-01
(31)【優先権主張番号】62/625,958
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.iPhone
3.ANDROID
4.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】520286739
【氏名又は名称】ヴィアス,ディネシ
【氏名又は名称原語表記】VYAS,Dinesh
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアス,ディネシ
(72)【発明者】
【氏名】パイ,スレシュ スブラヤ
(72)【発明者】
【氏名】バガオイサン,ケルソー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】出力装置がユーザの体の標的ヘルニア軽減部位に対応する予め設定された位置に配置されるように、ユーザによって着用されるウェアラブルデバイスを使用して、ヘルニアを軽減および/または予防するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】ユーザの1または複数の身体パラメータが、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているときを識別するために監視され、予め設定された活動が実行されたときに、出力装置が作動して、軽減部位でヘルニアを軽減するか又はヘルニアが発症するのを防止するための出力を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルニアを軽減または予防するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
ユーザの1または複数の身体パラメータに対応する信号を生成するように構成された1または複数のセンサと、
1または複数のセンサに結合されて前記信号を受信するコントローラであって、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているのを示すのに十分な吸入をユーザが行うときを識別するように構成されたコントローラと、
ユーザの身体上の標的ヘルニア軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された出力装置とを備え、前記コントローラが、前記出力装置と通信して前記出力装置を作動させ、それにより軽減部位でヘルニアを軽減するか又はヘルニアが発症するのを防止するための出力を提供することを特徴とするシステム。
【請求項2】
ヘルニアを軽減または予防するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
前記デバイスに保持されたセンサ機構であって、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているのを示すのに十分な吸入をユーザが行うときを識別するように構成されたセンサ機構と、
ユーザの身体上の標的ヘルニア軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された出力装置であって、予め設定された活動が実行されたときに、軽減部位でヘルニアを軽減するか又はヘルニアが発症するのを防止するための出力を提供するように構成された出力装置とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ウェアラブルデバイスが衣服を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
衣服が、ユーザの胴体を少なくとも部分的に取り囲むように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項3または4に記載のシステムにおいて、
衣服が、ユーザの腹部を少なくとも部分的に覆うように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
衣服が、ユーザの鼠径輪に重なるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項2乃至6の何れか一項に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサ、コントローラおよび出力装置のうちの1または複数が、衣服に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項3に記載のシステムにおいて、
衣服が、ジャージ、シャツ、ランニングシャツ、トラックスーツ、水着、ウェットスーツ、レオタード、ボディスーツ、ジョックストラップ、スポーツブラおよびショーツのうちの1または複数を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
筋骨格系損傷を軽減または防止するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
ユーザの1または複数の身体パラメータに対応する信号を生成するように構成された1または複数のセンサと、
1または複数のセンサに結合されて前記信号を受信するコントローラであって、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているのを示すのに十分な吸入をユーザが行うときを識別するように構成されたコントローラと、
ユーザの身体上の標的軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された出力装置とを備え、前記コントローラが、前記出力装置と通信して前記出力装置を作動させ、それにより軽減部位で損傷が発生するのを軽減または防止するための出力を提供することを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、呼吸中の胴体の物理的寸法の変化を測定することにより信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、呼吸中にユーザの1または複数の筋肉によって加えられる力を測定することによって信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10または11に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサがさらに、ユーザの胴体に少なくとも部分的に巻き付けるように構成されたバンドを含み、このバンド上にセンサが保持されていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサがさらに、ユーザの胴体に少なくとも部分的に巻き付けるように構成されたバンドを含み、前記バンドが、呼吸中に胴体の領域の物理的寸法の変化に応答して電気信号を生成するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記バンドが、ユーザの胴体が拡張および収縮するのに応じて呼吸中に抵抗を変化させる感圧導電性シートを含み、信号が、抵抗の変化に少なくとも部分的に基づくものであることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムにおいて、
電気信号の強さが、ユーザの胸郭およびユーザの横隔膜のうちの一方の相対的な拡張に比例することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの呼吸に応答して信号を生成するように構成されたカプノメータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの生化学的パラメータの変化に基づいて信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、
生化学的パラメータが、ユーザの皮膚温度および発汗のうちの一方を含むことを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの呼吸ガスまたは血液ガスに応答して信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの皮膚を通して検知されたガス交換に応答して信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に軽減部位に圧力を加えるように構成された圧力アプリケータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記圧力アプリケータが、
前記コントローラに結合されたポンピング機構と、
作動時に拡張して軽減部位に圧力を加えるように構成された拡張可能デバイスとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、
前記ポンピング機構が、所望量の流体を前記拡張可能デバイスに供給して、前記拡張可能デバイスを拡張するように構成された1または複数の流体容器を含むことを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項22または23に記載のシステムにおいて、
前記拡張可能デバイスがブラダーを含むことを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項21乃至23の何れか一項に記載のシステムにおいて、
前記コントローラが、前記圧力アプリケータをベースレベルに維持して軽減部位にベース圧力を加えるとともに、予め設定された身体活動が実行されたときに、軽減部位に加えられる圧力をベース圧力よりも大きい増加圧力に増加させるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムにおいて、
前記コントローラが、予め設定された時間が経過した後に前記圧力アプリケータをベースレベルに戻すように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記コントローラが、予め設定された時間が経過した後に非アクティブ化するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の収縮を防ぐための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の収縮を誘発するための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の弛緩を誘発するための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の位置に圧力を加えるように構成された超音波トランスデューサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、筋肉の麻痺を引き起して予め設定された位置で収縮をなくすように構成された経皮神経刺激デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に予め設定された位置で熱を生成して組織に与えるように構成されていることを特徴とするシステム。
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に予め設定された位置で冷却を生成して組織に与えるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項1、2または9に記載のシステムにおいて、
前記コントローラに結合されて当該システムの動作に関連する無線信号を遠隔地に送信する通信インターフェースをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項34に記載のシステムにおいて、
前記ウェアラブルデバイスから離れた電子デバイスをさらに含み、前記コントローラから無線信号を受信するための通信インターフェースを含む電子デバイスが、ユーザの治療に関連する情報を含むことを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムにおいて、
前記電子デバイスが、ユーザの治療に関する情報を表示するためのディスプレイを含むことを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項35または36に記載のシステムにおいて、
情報が、ユーザの身体パラメータおよび前記出力装置の動作パラメータのうちの1または複数を含むことを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項35または36に記載のシステムにおいて、
前記電子デバイスが、ユーザによってシステムの動作を変更できるように構成されたユーザインタフェースを含むことを特徴とするシステム。
【請求項39】
ヘルニアを軽減または予防するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
ユーザの1または複数の身体パラメータに対応する信号を生成するように構成された1または複数のセンサであって、呼吸中の胴体の物理的寸法の変化を測定することによって信号を生成するように構成されたセンサ、および呼吸中にユーザの1または複数の筋肉によって加えられる力を測定することによって信号を生成するように構成されたセンサのうちの一方を含む1または複数のセンサと、
1または複数のセンサに結合されて前記信号を受信するコントローラであって、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているのを示すのに十分な吸入をユーザが行うときを識別するように構成されたコントローラと、
ユーザの身体上の標的ヘルニア軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された圧力アプリケータとを備え、前記コントローラが、前記圧力アプリケータと通信して前記圧力アプリケータを作動させ、それにより軽減部位でヘルニアを軽減するか又はヘルニアが発症するのを防止するための出力を提供することを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項39に記載のシステムにおいて、
前記圧力アプリケータが、
前記コントローラに結合されたポンピング機構と、
作動時に拡張して軽減部位に圧力を加えるように構成された拡張可能デバイスとを備えることを特徴とするシステム。
【請求項41】
ヘルニアを軽減または予防するための方法であって、
ユーザの身体の標的ヘルニア軽減部位に対応する予め設定された位置に出力装置が配置されるように、ユーザにウェアラブルデバイスを配置するステップと、
ユーザの1または複数の身体パラメータを監視して、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているときを識別するステップと
予め設定された活動が実行されたときに、前記出力装置を作動させて、軽減部位でヘルニアを軽減するか又はヘルニアが発症するのを防止するための出力を提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、呼吸中のユーザの胴体の一領域の物理的寸法の変化を測定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、呼吸中にユーザの1または複数の筋肉によって加えられる力を測定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、ユーザの呼吸を監視することを含むことを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、ユーザの生化学的パラメータの変化を監視することを含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法において、
生化学的パラメータが、ユーザの皮膚温度および発汗のうちの一方を含むことを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、ユーザの呼吸ガスまたは血液ガスを監視することを含むことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項41に記載の方法において、
1または複数の身体パラメータを監視することが、ユーザの皮膚を介した患者のガス交換の変化を監視することを含むことを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置に圧力を加える圧力アプリケータを作動させることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法において、
前記圧力アプリケータをベースレベルに維持して予め設定された位置にベース圧力を加えるステップをさらに含み、前記予め設定された身体活動が実行されたときに、前記予め設定された位置に加えられる圧力が、前記ベース圧力よりも大きい増加圧力に増加されることを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法において、
予め設定された時間が経過した後に、前記圧力アプリケータをベースレベルに戻すステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項41に記載の方法において、
予め設定された時間が経過した後に、前記圧力アプリケータを非アクティブ化するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項51または52に記載の方法において、
前記予め設定された時間が、前記予め設定された身体活動の予想される持続時間に対応することを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置で組織を刺激して筋肉の収縮を防止するための信号を生成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置で組織を刺激して筋肉の収縮を誘導するための信号を生成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置で組織を刺激して筋肉の弛緩を誘導するための信号を生成することを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、予め設定された位置で組織を刺激して筋肉麻痺を引き起こし、それにより予め設定された位置での収縮をなくすことを含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置で熱を生成して組織に加えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置を作動させて出力を提供することが、作動時に予め設定された位置で冷却を生成して組織に加えることを含むことを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの鼠径領域または鼠径部に出力を与えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの身体の手術部位に出力を与えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項41に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの身体の外傷部位に出力を与えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項63】
筋骨格系損傷を軽減または予防するための方法であって、
ユーザの身体の標的軽減部位に対応する予め設定された位置に出力装置が配置されるように、ユーザにウェアラブルデバイスを配置するステップと、
ユーザの1または複数の身体パラメータを監視して、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているときを識別するステップと
予め設定された活動が実行されたときに、前記出力装置を作動させて、軽減部位の損傷を軽減または防止するための出力を提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの身体のヘルニア部位に出力を与えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの身体の手術部位に出力を与えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項63に記載の方法において、
前記出力装置が、ユーザの首、腰、脊椎、肩、上腕、下腕、手首、手、指、上脚、下脚、足首および足のうちの1または複数に出力を加えるように配置されていることを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項63に記載の方法において、
予め設定された身体活動が、スポーツに取り組むことを含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、概してヘルニアおよび/または他の筋骨格系損傷を軽減または予防するためのシステム、デバイスおよび方法に関し、より具体的には、ヘルニアおよび/または他の筋骨格系損傷を特定、軽減または予防するためのシステムとして機能し得るセンサ、電気機械デバイスおよび/または衣服に関する。
【0002】
関連出願データ
本出願は、2018年2月2日に出願された同時係属中の米国仮出願第62/625,958号の利益を主張するものであり、その開示全体は、引用により本明細書に明示的に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
ヘルニアの修復は、世界中で行われている最も一般的な外科手術の一つである。世界中で年間2千万件を超えるヘルニア修復術が行われていると推定されている。手技の数は増加しており、肥満や過去の腹部手術などのいくつかのリスク要因により、さらに増加すると予測されている。ヘルニアの修復は病院にとって重要な収益源となっており、米国では年間480億ドルと推定されている。
【0004】
一般的に、ヘルニアの欠陥は、様々な潜在的な病因から生じる。世界人口の5%が、出生時(先天性)欠損に関連するヘルニアを有している。別の原因は、手術によって引き起こされる外傷である。特に、結腸直腸および血管手術の後、腹壁ヘルニアの発症率は、手術を受けた世界中の人口の25%に達する可能性がある。これらの率は、多臓器外傷や緊急手術の場合にはさらに高くなる可能性がある。ヘルニアは遺伝的コラーゲンや他の組織障害によって引き起こされることもあり、適切なコラーゲン架橋の阻害が筋膜面の弛緩をもたらすことがある。
【0005】
ヘルニアは、腹部の全体的な圧力上昇に関連する状態において、非常に高い発症率を示している。多くの場合、原因は咳、労作、激しい運動、便秘、前立腺関連の問題によるものであり、心不全および肝不全に関連する腹水からの発症率も高い。これらの圧力に関連する病因は広範囲に及び、世界中の人口全体で非常に大きな割合で存在している。一般的に、ヘルニアの根本的な原因は複雑かつ多因子であることが明らかであるが、腹圧の上昇が、この状態を誘発して悪化させる最も重要な原因であると考えられる。
【0006】
筋骨格系損傷は、すべての人が生涯に何度も影響を受ける最も一般的な疾患である。悪い姿勢の睡眠、座っている姿勢などの殆どの良性の活動から、すべてのスポーツに至るまで、筋骨格系損傷が始まる可能性がある。検査、理学療法および外科的管理を含む筋骨格系損傷の管理にかかる費用は、米国では1兆ドル近くにもなる。
【0007】
また、呼吸自体がヘルニア形成の原因になっていることも注目に値する。腹部の圧力は、横隔膜と腹筋の収縮によって発生する。これらの筋肉は同期して効果的に収縮して、300~1200水中センチメートルの腹腔内圧力を発生させる。生じた圧力は、通常の状況では呼吸と同期しているが、代替的には幾分ランダムに発生することもあり(例えば、バーベルを持ち上げる前に深呼吸をしているときなど)、腹水症のような状態で連続的に発生することもある。時には(例えば、気管支炎や他の曝露に関連する疾患で咳が出ているとき)、圧力はほぼ一定である。
【0008】
これにより、ヘルニアは人体の様々な部位で発症する可能性がある。最も頻繁にヘルニアが発症するのは、鼠径領域または鼠径部である。しかしながら、ヘルニアは、臍帯部、外科的外傷の部位にも頻繁に発症する(例えば、典型的には腹部中央部の手術の切開部位に位置する腹壁ヘルニア)。頻度は低いが、ヘルニアは、上腹部筋膜、大腿筋膜、スピゲリア筋膜および腰部筋膜に発症することもある。
【0009】
殆どの人間は、身体のそれら領域の何れかでヘルニアになり易く、前述の条件を有する特定の個人は他の個人よりもヘルニアになり易い。予想されるように、潜在的な医学的問題を抱える特定の個人は、ヘルニアを発症する可能性が非常に高く、多くの場合、それらは軽減、緩和または予防することができる。さらに、アスリートやスポーツマンは、組織の連続的かつ累積的な剪断により筋肉に潜在的な過労と大きな圧力がかかることに起因して、常にヘルニアのリスクに曝されている。これらの負荷は最終的に組織に過負荷をかけ、それにより裂傷やヘルニアを誘発する可能性がある。
【0010】
そのため、ヘルニアの予防を目的とした様々なデバイスが存在し、そのようなデバイスには、典型的には腹部/ヘルニアベルトおよびトラスなどの単純な機械的圧力デバイスが含まれる。それらデバイスの解決策は受動的である(すなわち、装着者のバイオフィードバックに応答しない)。それらは圧力が低く、多くの場合、不適切な位置にある、キャリブレーションされていないツールであり、肯定的な結果がほぼゼロであることが証明されている。それらの受動的なデバイスは、一般的に効果がなく、通常は/殆どの場合、ヘルニアを予防または安定化することができない。
【0011】
それらの既存の受動的なヘルニア予防デバイスについて観察および説明される多くの制限がある。典型的には、ベルトは、弾性材料または非コンプライアントな革(または革のような)材料で作られており、それによって、ヘルニアを発症している標的の解剖学的構造に行き当たりばったりな負荷をかける。また、前述したように、このようなデバイスは、バイオフィードバック信号にも全く応答せず、結果として、標的の解剖学的構造に一定の負荷をかけるだけである。これらのタイプの受動的なデバイスの性質と、ユーザの体にどのように配置されるかによって、標的の解剖学的構造に非常に軽くて比較的効果のない負荷がかかり易くなる。また、そのような受動的なデバイスは、使用するに連れて、その形状と構造を失い、デバイスの有効性をさらに低下させる可能性がある。その理由は、形状が失われると、加えられる力がさらに減少する可能性が高く、デバイスは、変位を受けたり、圧力が最も必要とされる解剖学的標的領域またはその周りの適切な位置を維持することができなくなる可能性があるからである。
【0012】
また、それらのデバイスは、高度なものではなく、圧力を記録、調整および/または計算する手段を有しておらず、さらに、ユーザによる要求に応じて(例えば、過度の咳または非常に重いものを持ち上げている間に)余分な圧力を発生できる機構を欠いている。一般的に、そのようなデバイスは、ユーザの身体のニーズを捉えたり、把握したりする方法を有していない。前述したように、殆どの利用可能なデバイスは、ヘルニアが形成される可能性のある特定の解剖学的位置にも適していない。例えば、腰椎ヘルニア、大腹壁ヘルニアまたはスパイゲルヘルニアの治療のための解決策は、殆ど存在しないか、全くない。
【0013】
このため、ヘルニアの軽減および予防の分野では、この幅広い多様なデバイスの限界のリストを克服する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0014】
本明細書には、ヘルニアおよび/または他の筋骨格系傷害を軽減または予防するためのデバイス、システムおよび方法が記載されている。上述したように、既存のデバイス、例えば受動ベルトおよび/またはサポートの限界に潜在的に対処し、克服することができる、高度または「スマート」デバイスを有することが望ましいであろう。そのようなスマートデバイスは、同期した外圧および/または他の局所的な治療を開始するための様々なソースを識別し、例えば、内圧に一致する負荷を与える(例えば、呼吸および/または筋肉ベースのフィードバックを取得して、これを、ヘルニアが発症または形成される可能性のある任意の標的解剖学的構造またはその周囲における力に変換することができる)、バイオフィードバック機構を組み込むことができる。
【0015】
例えば、本明細書のシステムの実施形態は、呼吸からのフィードバック(例えば、胸囲の寸法増加)、生化学的パラメータ(例えば、汗、皮膚温度などから)を検出するセンサ、または筋肉からのフィードバック(例えば、腹筋または横隔膜からの電気信号フィードバック)を組み入れることができる。代替的には、フィードバックは、呼吸ガスまたは血液ガスの変化の観察(例えば、カプノグラフィック信号または酸素測定信号)、過剰な乳酸/ミオグロブリンなどを検出する化学センサ、または他の部分および/または中核体温と比較した特定の体内の差異を検出する温度センサから来るものであってもよい。同様に展開される電気活動に関する他のセンサもある。システムの実施形態では、これらのフィードバック信号を、ヘルニア領域または他の局所的な解剖学的構造に加えられるほぼ瞬間的な(例えば、1ミリ秒未満の)反作用的な力に変換するようにしてもよい。そのようなスマートデバイスは、必要に応じてユーザの胸部および/または腹部にセンサを組み込んで、運動中または咳の間に発生する力の客観的な測定値を提供することもでき、そのような有用な情報がユーザに明確に表示されるユーザインタフェースを提供することもできる。
【0016】
一般に、所望のバイオフィードバック機構に応答して力を発生させ、腹腔内の力を打ち消すか中和し、または筋肉の収縮または損傷を防止するために作動して、それにより組織損傷の傾向およびそれに続くヘルニア形成を緩和するデバイスまたはシステムを有することが有用であろう。一実施形態では、ユーザの要求に応じて、システムが、一定の低圧、一定の高圧、または代替的には、(例えば、呼吸または他の入力からの)バイオフィードバック信号と同期的または非同期的に送達される循環的な圧力を提供するようにしてもよい。
【0017】
また、バイオフィードバック信号の要求に基づいて(例えば、腹腔内圧が通常または普通よりも高い場合)、または単に、より高い負荷が何らかの理由でユーザによって明示的に望まれているか又は要求されている場合に、追加の負荷を加えることができるデバイスまたはシステムを有することが望ましいであろう。例示的な一実施形態では、そのようなデバイスまたはシステムは、バッテリで作動するコントローラを含むことができ、バッテリは、携帯電話または他の電子機器のような他のデバイスで一般的に見られる方法を使用して、交換および/または容易に再充電することができる。
【0018】
任意選択的には、本明細書に記載されるようなスマートシステムのデバイスコンポーネントは、例えば、バイオフィードバック機構、センサ、任意選択的にディスプレイ、バッテリおよび/または他の電源を有する、コントローラ、コンポーネント間の任意の相互接続部および力発生機構などのコンポーネントを適切に収容または収納する固有の運動用(または非運動用)衣服またはウェアラブルデバイス内に保持または収容されるものであってもよい。このタイプの衣服は、身体の様々な解剖学的位置におけるコンポーネントの最適な配置を維持しながら、所望の性能を阻害することなく、運動活動中に着用され得ることが想定されている。また、システムコンポーネントは、修理または交換のために、または衣服の洗濯中に必要に応じて取り外し可能であってもよい。
【0019】
追加的または代替的には、本明細書のデバイスおよびシステムは、システムの利用に関する情報(例えば、運動中または咳の間の解剖学的標的における圧力、または名目上、腹腔内圧力に対抗するためにシステムによって加えられる圧力、胸囲の測定値、筋肉の電気的活動、血液ガスデータ、上記の任意のバイオフィードバック信号と同期したグラフィカル形式で適用されるサイクル数など)を送信するために、無線機能(例えば、Bluetooth Low Energy(「BLE」)プロトコルを使用)を提供するための通信インターフェースを含むようにしてもよい。そのようなすべての所望のデータは、無線ハンドヘルドデバイス(例えば、iPhoneまたはAndroidの携帯電話、タブレットまたは他のスマートデバイス)に送信されるものであってもよく、かつ(例えば)アスリートが自身の運動レジメンの改善を補助するために、かつ/または損傷を予防するために、例えばPC/ラップトップまたは電話ベースのアプリケーションにおける、更なるデータ分析のために、クラウドに送信されるものであってもよい。
【0020】
同様に、筋骨格系損傷については、例えばユーザの予め設定された活動および/またはパラメータを識別するための1または複数のセンサと、損傷を検出および予防するための本明細書で検討されるような1または複数の出力機構とを含むシステムを提供することもできる。例えば、出力は、経皮的電気刺激、圧力、超音波、化学物質などによるものであってもよい。システムからの全てのデータは、ユーザの個別化治療のための機械学習を開発するために使用されるものであってもよい。さらに、インターフェースは、例えば超音波イメージングおよび/または電気インパルスを用いて、簡略化された画像に変換された活動の画像を見ることができる。画像は、例えば、ユーザおよび/またはユーザの医師、トレーナなどに使用されるように、例えば、タブレット、携帯電話およびコンピュータなどの遠隔の電子デバイス上に提示される、ユーザフレンドリな画像に変換されるようにしてもよい。
【0021】
一実施形態によれば、ヘルニアデバイスまたはシステムが提供され、当該デバイスまたはシステムが、呼吸中の物理的寸法の量または変化(例えば 胸囲の寸法増加)および/または筋肉によって加えられる力を測定するように構成されたセンサ機構と、センサ機構から信号または情報を受信し、その情報を処理してシステムの周辺コンポーネントに信号または命令を送信するコントローラと、ヘルニアを形成する危険性または治癒ヘルニアを悪化させる危険性のある1または複数の解剖学的位置に配置されるか、1または複数の位置に局所的負荷を加えて既存のヘルニアの発症を防止する圧力アプリケータと、ヘルニアデバイスの様々なコンポーネントを封入または支持するウェアラブル衣服とを含む。追加のコンポーネントには、システムの各コンポーネントの一部として、電源、制御機構(電子的および/または機械的)、スイッチ、弁、流れ方向付けコンポーネント、ハウジング、アクチュエータなどが含まれるようにしてもよい。
【0022】
別の実施形態によれば、対象となるユーザの胸郭、胸部または他の身体位置の周囲に固定されるか、かつ/または可撓性または剛性のバンドに取り付けられるか又は一体化されるセンサ(すなわち、検知機構)を含むヘルニアデバイスを提供することができる。例えば、センサは、吸気および呼気中の胸郭および/または横隔膜の周長の変化に応答して電気信号を生成する機構を含むことができる。センサは、電気信号の強さが胸郭および/または横隔膜の相対的な拡張に比例する(例えば、電気信号が、胸郭の拡張により寸法が増加するに連れて増加し、その逆も同様である)ように構成されるものであってもよい。
【0023】
システムとともに使用され得るセンサの具体例は、市販の材料から製造することができるが、それには、屈曲および/または伸長のような形状または構成の変化によって抵抗値が変化する抵抗性屈曲センサおよび/または導電性ゴムコードセンサが含まれるが、これらに限定されるものではない。システムは、抵抗値が胸郭および/または横隔膜の相対的な拡張に比例する(例えば、抵抗値が、胸部の拡張により寸法が増加するに連れて増加し、逆もまた同様である)ように構成されるものであってもよい。
【0024】
センサの別の例は、呼吸中に、圧力を加えることによって、またはシートを圧迫することによって抵抗値を変化させる感圧導電性シートである。抵抗値の変化は、その下にある筋肉によって引き起こされる相対的な力によって引き起こされ、かつそれに相関する(例えば、ユーザがより多くのエネルギーを加えると抵抗値が増加し、その逆もまた同様である)。使用できるセンサの別のタイプは、激しいトレーニングまたは運動中の肉体労作のレベルに関連する酸素または二酸化炭素レベルの変化など、呼吸ガスまたは血液ガスを検出するカプノグラフィックセンサまたは酸素測定センサである。
【0025】
検知機構のさらに別の例は、ブラダー構造体が圧縮されたときに圧力を測定するトランスデューサを有するブラダー構造体または可撓性バンドである。圧力の変化は、胸郭および/または横隔膜の相対的な拡張によって引き起こされ、またそれと相関させることができる(例えば、ユーザの胴回りが拡張すると圧力が増加し、その逆もまた同様である)。可撓性バンドは、当技術分野で知られている材料から製造することができ、そのような材料には、綿、ナイロン、ウール、ラテックス、天然ゴム、エラスタン(Lycra(登録商標))、シルク、マイクロファイバ、抵抗性または導電性材料を組み込んだポリマーなどの複合材料、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されるものではない。例えば、可撓性バンドの特性(例えば、テクスチャ、弾性)は、バンドの生地を作成するために使用される編み操作の速度および/または張力、バンドの様々な部分で使用される様々な材料の相対的な割合、バンドの様々な部分の編みに使用される繊維の重量などを調整することによって、バンドの様々な部分に沿って変更することができる。
【0026】
バンドは、バンドの異なる寸法に沿って一貫したパラメータまたは変化するパラメータを示すものであってもよく、そのようなパラメータには、材料組成、引張強度、弾性、バンド幅、バンド厚、色、テクスチャ、ガス透過性、液体透過性などが含まれるが、これらに限定されるものではない。バンドは、当業者に知られている閉め具を使用してそれ自体に固定することができ、そのような閉め具には、面ファスナ、フックアンドアイクロージャ、トグルクロージャ、タイ、グロメットに通される紐、ジッパ、スナップ、ボタン、バックル、サイドリリース型バックル、それらの組合せなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
可撓性バンドは、ユーザの胸郭および/または横隔膜の拡張を検出することができる検知機構をさらに含むことができる。このセンサは、可撓性バンドに永久的または可逆的に取り付けることができる。また、可撓性バンドは、ジャージ、シャツ、ランニングシャツなどの衣服に組み込まれていてもよい。
【0028】
任意選択的には、本明細書の実施形態の何れかにおいて、センサまたは検知機構は、例えば有線接続を介して、コントローラと接続および/または通信することができ、あるいは無線通信を介して、例えばBLE信号を使用して、リモート接続することができる。コントローラは、本質的にシステムの主要な頭脳であり、周辺コンポーネント(例えば、センサまたは検知機構、圧力アプリケータ、弁、スイッチなど)がコントローラに接続され、コントローラによって制御され、かつ/またはコントローラを介して通信するものとなっている。例えば、コントローラは、センサまたは検知機構によって生成された信号を受信し、その信号を処理、記録、修正および/または送信し、例えば、その信号に基づいて他の周辺コンポーネントに1または複数のコマンドを発するように構成することができる。
【0029】
一例では、コントローラは、ユーザが静止しているときに、センサからの信号を記録して、ユーザ固有のベースライン範囲を確立することができる。コントローラは、センサからの後続の信号をさらに記録して、例えば、ユーザが積極的なレベルの身体活動を受けているときを識別することができる。コントローラは、ユーザが2つの信号間の比較に基づいてトリガレベルを設定することを可能にしてもよく、例えば、予め設定された閾値またはトリガを確立して、それに基づいて補正動作を実行するようにしてもよい。このプロセスは、個々のユーザの固有の身体応答に合わせてセンサおよび/またはコントローラを較正するのに役立つ場合がある。信号は、比較の実行前、実行中または実行後に変換または調整され得ることを理解されたい。これらの変換手法には、所与の長さの時間にわたって信号の合計値を平均化すること、信号に対して移動平均ウィンドウフィルタを実行すること、データにハイパス、ローパスまたはバンドパスフィルタを適用すること、信号のゲインを増減すること、ユーザの胸郭および/または横隔膜の拡張の位置またはその導関数(例えば、速度、加速度、ジャーク)を計算すること、およびそれらの組合せなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
例えば、ユーザは、積極的な運動中に生成されるピーク信号の70%にトリガ値を設定することを選択することができる。その後、コントローラは、トリガ値を超えた場合に、1または複数のアクションを実行する。例えば、トリガ値を超え、信号の加速度が第2のトリガ値を下回った場合にのみアクションを実行するなど、多くの条件付き命令およびプロセスがコントローラによって監視できることは、当業者には明らかであろう。これは、ユーザが、非常に大きな腹部サポートを必要とする運動動作を行う準備として、ゆっくりと吸入して、胸腔を完全に拡張した状態を表している可能性がある。このような性質の一連のルールまたは条件は、例えば、ユーザが驚いて又は別の意図しない反応または行動により急速に吸入した場合に、コントローラがアクションを実行することを防ぐことになるであろう。
【0031】
追加的または代替的には、コントローラは、延長された持続期間にわたって、より低いレベルのサポートを提供するように構成されるものであってもよい。例えば、トリガ値は、システムを恒久的に作動させるのに十分低い値に設定することができ、あるいはコントローラは、検知機構の入力を任意で無効にして手動でシステムを作動させるシャットオフ機構を含むことができる。これらのバリエーションは、腹壁ヘルニア、臍ヘルニアまたはスピゲリアヘルニアの治療、または積極的ではない活動中の鼠径輪ヘルニアの予防的治療など、他の治療分野での支援を提供することができる。
【0032】
コントローラは、市販の電子および機械コンポーネント(例えば、集積回路/チップ、EPROM、抵抗器、トランジスタ、コンデンサ、ポテンショメータ、リレー、スイッチ、アンテナ、端子など)を含む1または複数の回路基板アセンブリを有する電子ハードウェアなど、当技術分野で周知の材料およびコンポーネントから製造されるか、かつ/またはそれらを含むことができ、コンパクトなユニットに構成することができる。回路基板アセンブリは、人間工学に基づくエンクロージャ内に封入されるものであってもよく、ユーザがデバイスの機能の様々なモードを操作および/または制御することを可能にする、1または複数の外部からアクセス可能なコンポーネント(例えば、LCDディスプレイ、スイッチ、ボタンなど)を含むことができる。さらに、コントローラは、システムのセンサおよび他の周辺コンポーネントからの信号および/またはフィードバックを処理し、その後、システムのセンサおよび/または他の周辺コンポーネントに信号またはコマンドを送り返すように構成またはプログラムされたファームウェアを含むことができる。
【0033】
コントローラは、充電式または交換式の電源によって給電されるものであってもよい。電源は、コントローラと同じ物理的位置にあってもよいし、コントローラから離れていて、有線接続を介してコントローラに接続されるものであってもよい。コントローラは、周辺コンポーネントとの無線通信を(例えば、Bluetooth Low Energyまたは他の通信プロトコルを使用して)可能にする設計要素を有するか、かつ/または周辺コンポーネントからの信号を送信または受信する能力を有することができる。また、コントローラは、モバイルデバイス、i-cloudまたはリモートデータストレージ、医療サービスプロバイダのポケベルなどのリモートデバイスに高速無線通信を使用してデータを送信または受信する能力を有することができる。
【0034】
また、ヘルニアデバイスは、ヘルニアが発症するリスクに曝されているか又はヘルニアを管理する必要がある可能性のある、鼠径輪または体の他の選択された解剖学的位置に直接圧力を加える1または複数の圧力アプリケータを含むことができる。この圧力アプリケータは、空気圧、液圧、電磁気、機械、それらの組合せなどで作動させることができる。例えば、圧力アプリケータは、非圧縮性流体を含むリザーバと、ブラダーを備えることができる。ブラダーとリザーバは、少なくとも1のルーメンを持つ剛性または可撓性のチューブの使用により互いに流体連通するものであってもよく、リザーバとブラダー間の流れは、電磁弁、逆止弁、ダックビル弁、ボール・スプリング弁、フラッパ弁、それらの組合せなどを含むが、それらに限定されるものではない当技術分野で周知の弁または弁システムの使用により、制御されるものであってもよい。圧力アプリケータは、リザーバとブラダーとの間で流体を駆動することができるポンピング機構をさらに備えることができる。
【0035】
例えば、ポンピング機構は、柔軟な、弾性的な又は潰すことができるリザーバを圧縮してリザーバ内の内圧を上昇させるための機械的なポンプまたはデバイスを含むことができる。そのような機構の一例は、シリンジプランジャを押し下げる機構と組み合わせたリザーバとしてのシリンジの使用である。シリンジプランジャを押し下げることにより、シリンジ内の圧力が上昇し、シリンジからブラダー内に流体を導くことができる。シリンジプランジャを押し下げる機構は、機械(例えば、圧縮バネ、ラックアンドピニオン装置など)、空気圧(例えば、圧縮ガスシリンダの使用)、液圧、それらの組合せなどであってもよい。
【0036】
代替的に、圧力アプリケータは、容積式ポンプを含むことができ、それには、内接歯車ポンプ、スクリュポンプ、シャトルブロックポンプ、フレキシブルベーンポンプ、スライディングベーンポンプ、円周ピストンポンプ、フレキシブルインペラポンプ、ヘリカルツイストルートポンプ、液封式ポンプ、蠕動ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイヤフラムポンプ、エアポンプなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。容積式ポンプは、リザーバの内部または外部に配置することができる。ブラダーは、リザーバとブラダーの間の弁または弁システムを開いて機械的なポンピング機構を係合または作動させることにより、流体で満たされて、膨張させることができる。
【0037】
任意選択的には、圧力アプリケータは、リザーバおよび/またはブラダー内の圧力に関する情報をコントローラに中継することができる少なくとも1の圧力センサ(例えば、圧力トランスデューサ)をさらに含むようにしてもよい。その後、コントローラは、負帰還ループなどの制御ループを使用して、リザーバおよび/またはブラダー内の圧力を、予め定められた設定点または値の範囲まで迅速に駆動することができる。さらに、ポンピング機構は、流れの方向を逆にして、ブラダーからの流体を空にし、それをリザーバに戻すことができる。これは、ポンプ自体の動作方向を逆にするか、または、リザーバ、ポンプおよびブラダーを接続する少なくとも1のルーメンを有する剛性または可撓性のチューブからなる流路および弁のシステムを操作することによって行うことができる。
【0038】
代替的には、圧力アプリケータは、リザーバと流体連通している圧縮ガスの容器のようなリザーバの内部圧力を増加させるための空気圧機構を含むことができ、容器とリザーバの間の流れは、当技術分野で周知の弁または弁システムの使用により制御され、そのような弁には、電磁弁、逆止弁、ダックビル弁、ボール・スプリング弁、フラッパ弁、それらの組合せなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
一実施形態では、この種の鼠径輪ヘルニアを予防または治療するためのシステムは、3つの圧力容器、コントローラ、電源、ユーザの胸郭/横隔膜の状態を検知する機構、コンポーネントを接続するワイヤ、チューブおよび弁、およびユーザの身体の左側または右側の何れかで鼠径輪に圧力かけることを可能にする、ユーザによって着用可能な衣服を含むことができる。3つの圧力容器は、1)圧縮ガスを封入および収容する容器であって、ここではガスキャニスタと称する容器と、2)所定量の非圧縮性流体を含む実質的に剛性の壁を有する容器であって、ここではタンクと称する容器と、3)非圧縮性流体を受け入れて、収縮状態から膨張状態に移行することができる容器であって、ここではブラダーと称する容器とを含むことができる。ブラダーは、拡張状態にあるユーザの左または右の鼠径輪の何れかに圧力を加えるように、衣服内に配置される。
【0040】
この例のチューブは、細長い部材を含み、この細長い部材は、近位端および遠位端と、近位端と遠位端の間に流体連通を提供する、この細長い部材を通る少なくとも1のルーメンとを含む。チューブは、可撓性、剛性、またはそれら両極端の間のデュロメータを有するものであってもよい。当業者には明らかであるように、チューブのサイズおよび断面は、システムの具体的な又は特定の設計に適合させることができ、単一の幾何学的形状または幾何学的形状のセットに制限されるものではない。この特定の例では、ガスキャニスタが、1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を含む流路を介して、タンクに接続されている。電磁弁と一方向弁は直列であり、一方向弁は、ガスキャニスタからタンクへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここではCT弁と称する電磁弁は、コントローラに接続されて、コントローラによって制御される。タンクは、非圧縮性流体を含み、圧力センサおよび安全弁アセンブリをさらに含む。圧力センサはコントローラに接続され、タンク内の圧力に比例する信号を提供する。
【0041】
安全弁アセンブリは、1または複数本のチューブ、電磁弁、およびガスは透過するが非圧縮性流体は透過しないフィルタを含むことができる。例えば、1本のチューブがタンクとフィルタとを接続し、第2のチューブがフィルタと電磁弁とを接続する。ここでは「TE」弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御され、電磁弁の遠位側(タンクから離れた側)が周囲の環境に対して開放されている。
【0042】
追加的には、タンクは、1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を含む流路を介して、ブラダーに接続されている。電磁弁と一方向弁は直列になっており、一方向弁はタンクからブラダーへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここでは「TB」弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御される。ブラダーはさらに、コントローラに接続され、ブラダー内の圧力に関連する信号を提供する圧力センサを含む。1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を含む流体戻り経路は、ブラダーとタンクを接続する。電磁弁と一方向弁は直列であり、一方向弁は、ブラダーからタンクへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここでは「BT」弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御されている。コントローラは、電源、電磁弁、圧力センサ、および電力または信号を伝送または送信する手段を介してユーザの胸郭/横隔膜の状態を検知する機構に接続されている。
【0043】
圧力アプリケータは、激しい労作の間に、ユーザの鼠径輪に選択的に圧力を加えるように作用することができる。例えば、ユーザは運動や行動を試みる前に深く吸入する可能性がある。胴回り寸法(すなわち、胸郭または胸部の周長)の増加は、センサからコントローラに送られる信号の変化を引き起こし、コントローラはその変化を識別して、タンク内に含まれる非圧縮性流体を加圧するためにCT電磁弁を開く。コントローラは、タンク圧力センサによって報告されたタンク圧力を予め選択された設定点と比較することによって、任意にタンク内の圧力を調整することができる。
【0044】
圧力が設定点を超えた場合、CT弁を閉じ、TE弁を開いて、ガスの一部を環境に放出し、タンクの圧力を低下させるようにしてもよい。コントローラは負帰還ループを使用して、タンク圧力を指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に、迅速に導くことができる。その後、コントローラは、CT弁およびTE弁を閉じて、タンクをガスキャニスタおよび周囲環境から切り離すことができる。その後、TB弁を開いて、タンクからブラダーへの非圧縮性流体の流れを許容するようにしてもよい。コントローラは、ブラダー圧力センサによって報告されたブラダーの圧力を予め選択された設定点と比較することによって、ブラダー内の圧力を任意に調整することができる。圧力が依然として設定点を超えている場合は、TB弁を閉じ、BT弁を開いて、非圧縮性流体の一部をタンクに戻し、ブラダー内の圧力を下げることができる。コントローラは、負帰還ループを使用して、ブラダー圧力を指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に導くことができる。
【0045】
ブラダーは、非圧縮性流体で充填されると膨張して、ユーザの鼠径輪に圧力を加える。その後、BT弁を閉じて、設定期間、所望のブラダー圧力を維持することができる。所望の治療時間に達したら、BT弁を開いて、非圧縮性流体をタンク内に戻すことができる。任意選択的には、TE弁を開いて、システムを周囲圧力と平衡状態にすることができる。平衡状態になると、システムの次の使用に備えて、システム内のすべての弁を閉じることができる。
【0046】
システムを作動させる1つのバリエーションは、検知機構からの起動信号を受信する前にタンクを事前に加圧することである。これは、起動信号を受信した後に、鼠径輪に圧力を加えるのに必要な時間を短縮する方法として考えられる。
【0047】
この例では、ヘルニアデバイスを使用してユーザの右または左の鼠径輪の何れかに圧力を加えることを述べているが、当業者には明らかであるように、同様のシステムを使用して、ユーザの両方の鼠径輪に圧力を加えることができ、あるいは腹壁ヘルニア、臍ヘルニアまたはスパイゲルヘルニアの管理などにおいて、他の体表面に圧力を加えることができる。ブラダーのサイズ、位置、数および目標内圧は、予防的に、または医師によって指示された(患者のベースライン組織に基づく)ヘルニア後の治療レジメンの一部として、それぞれの特定の適応症を治療するために調整することができる。
【0048】
さらに、当業者には明らかであるように、ガスキャニスタおよびタンクの具体的な構成は、システムの特定の用途に適合し、かつ本明細書に記載の全体的な原則に依然として適合するように、変更することが可能である。例えば、バックパックに組み入れられたタンクは、体にピッタリ合う運動またはサポート衣服の腰部分に組み入れられるタンクよりも遙かに大量の流体をブラダーに提供することができる。代替的には、より複雑なシステムは、個々のタンクに連結された複数のガスキャニスタと複数のブラダー、または直列、並列またはそれら両方の組合せで単一のタンクに連結された複数のブラダー、または直列、並列またはそれら両方の組合せで複数のタンクに連結された複数のガスキャニスタを含むようにしてもよい。同様に、コントローラ、電源、検知機構および1または複数のブラダーは、システムの特定の用途に対応するように構成することができる。
【0049】
空気圧駆動ポンピング機構を含むシステムの別の例示的な構成では、ガスキャニスタが、例えば前の例と同様に、タンク内に配置された弾性エンクロージャと流体的に連通していてもよい。例えば、弾性壁がタンクを二等分して、タンク内に2つの別個のセルを形成するようにしてもよい。セルの大きさは、同一であってもよいし、均等でなくてもよい。弾性壁は、ガスと非圧縮性流体の両方に対して不透過性である。ここでは「流体セル」と呼ばれる一方のセルは、非圧縮性流体で満たされ、ここでは「ガスセル」と呼ばれる他方のセルは、1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を組み込んだ流路を介して、ガスキャニスタに接続されている。
【0050】
この実施形態では、電磁弁と一方向弁が直列であり、一方向弁が、ガスキャニスタから流体セルへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここではCGC弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御される。ガスセルは、圧力センサおよび安全弁アセンブリをさらに含む。圧力センサはコントローラに接続され、ガスセル内の圧力に比例する信号を提供する。安全弁アセンブリは、1または複数本のチューブ、電磁弁、およびガスは透過するが非圧縮性流体は透過しないフィルタを含む。
【0051】
1本のチューブがタンクとフィルタを接続し、第2のチューブがフィルタと電磁弁を接続する。ここではGCE弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御され、電磁弁の遠位側(ガスセルから離れた側)は、周囲環境に開放されている。流体セルは、複数のチューブ、電磁弁および一方向弁を組み込んだ流路を介して、ブラダーに接続されている。電磁弁と一方向弁は直列に配置されており、一方向弁はタンクからブラダーへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここではFCB弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御される。ブラダーはさらに、コントローラに接続され、ブラダー内の圧力に関連する信号を提供する圧力センサを含む。
【0052】
また、システムは、1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を含む流体戻り流路を有し、ブラダーとタンクを接続する。電磁弁と一方向弁は直列に配置されており、一方向弁は、ブラダーからタンクへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここではBFC弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御される。コントローラは、電源、電磁弁、圧力センサ、および電力または信号の伝送または送信を伴うユーザの胸郭/横隔膜の状態を検知するための機構に接続されている。
【0053】
システムは、所望の設定に基づいて、激しい労作の期間中、ユーザの鼠径輪に選択的に圧力を加えるように動作することができる。例えば、ユーザは、運動または行動を試みる前に深く吸入する場合がある。コントローラは、例えば、胸郭または胸部の胴回りの寸法(すなわち、周長)の増加、ユーザの血液および/または気道のガス測定値の変化、または局所的な電気的変化を識別する、1または複数のセンサからの信号を受信することができ、それら信号に応答して、コントローラは、CGC電磁弁を開いて、ガスセルを加圧することができる。コントローラは、ガスセル圧力センサによって報告されたガスセル圧力を予め選択された設定点と比較することによって、任意にガスセル内の圧力を調整することができる。圧力が設定点を超える場合、CGC弁を閉じ、GCE弁を開いて、ガスの一部を環境に排出し、ガスセルの圧力を低下させることができる。
【0054】
コントローラは、負帰還ループを使用して、ガスセルの圧力を指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に導くことができる。その後、コントローラは、CGC弁およびGCE弁を閉じて、ガスセルをガスキャニスタおよび周囲環境から切り離すことができる。その後、FCB弁を開いて、タンクを二分する弾性膜がガスセル内の上昇した圧力の下で膨張し、流体セルからブラダーへの非圧縮性流体の流れを向ける力を提供することを可能にするようにしてもよい。コントローラは、ブラダー圧力センサによって報告されたブラダー圧力を予め選択された設定点と比較することによって、ブラダー内の圧力を任意に調節することができる。圧力が設定点を超えると、FCB弁を閉じ、BFC弁を開いて、非圧縮性流体の一部を流体セルに戻し、ブラダー内の圧力を低下させることができる。コントローラは、負帰還ループを使用して、ブラダー圧力を指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に導くことができる。
【0055】
ブラダーは、非圧縮性流体で満たされると膨張して、ユーザの鼠径輪に圧力を加える。その後、FCB弁およびBFC弁を閉じて、設定された期間、所望のブラダー圧力を維持するようにしてもよい。所望の治療時間に達すると、BFC弁を開いて、非圧縮性流体を流体セル内に逆流させることができる。任意選択的には、GCE弁を開いて、システムを周囲圧力と平衡状態にするようにしてもよい。
【0056】
平衡状態になると、システムの次の使用に備えて、システム内のすべての弁を閉じることができる。システムを使用する1つのバリエーションは、検知機構からの起動信号を受信する前にガスセルを事前に加圧することである。これは、起動信号を受信した後に、鼠径輪に圧力を加えるのに必要な時間を短縮する方法として考えられる。
【0057】
別の例示的なシステムでは、二分膜を、ガスキャニスタに接続されているがタンク内に封入されているガスおよび流体不透過性材料で製造された可撓性エンクロージャで置き換えるようにしてもよい。このシステムでは、可撓性エンクロージャが、流体セルによって取り囲まれたガスセルを形成し、可撓性エンクロージャの拡張によって、流体セル内に封入された流体に圧力がかかる。当業者には明らかであるように、ガスセルおよび流体セルの具体的な構成は、システムの特定の用途に適合し、かつ本明細書に記載の全体的な原則に依然として適合するように、変更することが可能である。例えば、バックパックに組み入れられたタンクは、体にピッタリ合う運動またはサポート衣服の腰部分に組み入れられるタンクよりも遙かに大量の流体を流体セルおよびガスセルに提供することができる。代替的には、より複雑なシステムは、個々のタンクに連結された複数のブラダー、または直列、並列またはそれら両方の組合せで単一のタンクに連結された複数のブラダーを含むようにしてもよい。同様に、コントローラ、電源、検知機構および1または複数のブラダーは、システムの特定の用途に対応するように構成することができる。
【0058】
システムの別の例示的な構成は、1または複数本のチューブ、電磁弁および一方向弁を含む流路を介して、ブラダーと流体的に連通するガスキャニスタを含む。電磁弁と一方向弁は直列であり、一方向弁は、ガスキャニスタからブラダーへの流れのみが許容されるように方向付けられている。ここではGB弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御される。ブラダーはさらに、圧力センサおよび安全弁アセンブリを含む。圧力センサはコントローラに接続され、ブラダー内の圧力に関連する信号を提供する。安全弁アセンブリは、1または複数本のチューブ、電磁弁、およびガスは透過するが非圧縮性流体は透過しないフィルタを含む。1本のチューブは、タンクとフィルタを接続し、第2のチューブは、フィルタと電磁弁を接続する。ここではBE弁と称する電磁弁は、コントローラに接続され、コントローラによって制御され、電磁弁の遠位側(ブラダーから離れた側)が、周囲環境に開放されている。
【0059】
システムは、所望の設定に基づいて、激しい労作の期間中、ユーザの鼠径輪に選択的に圧力を加えるように動作することができる。例えば、ユーザは、運動または行動を試みる前に深く吸入する場合がある。胴回りの寸法(すなわち、胸郭の周長)の増加により、検知機構からコントローラに送られる信号が変化し、コントローラは、GB電磁弁を開いて、ガスセルを加圧することができる。ブラダーは、ガスが充填されると膨張して、ユーザの鼠径輪に圧力を加える。コントローラは、ブラダー圧力センサによって報告されたブラダー圧力を予め選択された設定点と比較することによって、ブラダー内の圧力を任意に調節することができる。圧力が設定点を超えると、GB弁を閉じ、BE弁を開いて、ガスの一部を環境に排出し、ブラダー内の圧力を低下させることができる。コントローラは、負帰還ループを使用して、ブラダー圧力を指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に導くことができる。
【0060】
その後、コントローラはGB弁およびBE弁を閉じて、ブラダーをガスキャニスタおよび周囲環境から切り離し、設定された期間、所望のブラダー圧力を維持することができる。所望の治療時間に達すると、BE弁を開いて、システムを周囲圧力と平衡状態にするようにしてもよい。平衡状態になると、システムの次の使用に備えて、システム内のすべての弁を閉じることができる。
【0061】
当業者には明らかであるように、ガスキャニスタおよびブラダーの具体的な構成は、本発明の特定の用途に適合し、かつ本発明の全体的な原則に依然として適合するように、変更することが可能である。例えば、バックパックに一体化されたガスキャニスタは、体にピッタリ合う運動またはサポート衣服の腰部分に組み入れられるガスキャニスタよりも遙かに大量の、ブラダーを膨張させるための圧縮ガスを提供することができる。代替的には、より複雑なシステムは、複数のガスキャニスタに連結された複数のブラダー、または直列、並列またはそれら両方の組合せで単一のガスキャニスタに連結された複数のブラダーを含むようにしてもよい。同様に、コントローラ、電源、検知機構、1または複数のブラダーおよび着用可能な衣服は、システムの特定の用途に対応するように構成することができる。
【0062】
ユーザの標的解剖学的領域または位置に圧力を加える他の機構は、可動鋼製または鉄製のアーマチュアの周囲に巻き付けられ、電流源に接続された電磁気誘導コイルを有する電気機械的ソレノイドの使用を含む。コイルは、アーマチュアが中心に出入りできるように形作られて、コイルのインダクタンスを変化させ、それにより電磁石となる。アーマチュアにかかる力は、アーマチュアの位置の変化およびコイルに流れる電流の変化に対するコイルのインダクタンスの変化に比例する。アーマチュアにかかる力は、コイルのインダクタンスを増加させる方向にアーマチュアを移動させる。電流が停止すると、アーマチュアの一端に結合された伸長または引張バネのような復帰機構により、アーマチュアを誘導コイルの中心に復帰させることができる。
【0063】
ユーザの鼠径輪または別の解剖学的位置に選択的に圧力を加えることができるヘルニアデバイスシステムは、ユーザの胸郭/横隔膜の拡張を検知するための機構、コントローラ、電源、およびユーザが着用可能な衣服上または衣服内に収容された電気機械的ソレノイドユニットを含むことができる。ユーザの胸郭/横隔膜の周長の増加は、検知機構からコントローラに送られる信号の変化を引き起こし、コントローラは、電気機械式ソレノイドに電流を印加して、ユーザの標的解剖学的領域または位置に圧力をかける。電気機械的ソレノイドの数は、腹壁ヘルニアの手術後の軽減または管理などの特定の用途のニーズに、または鼠径輪ヘルニアの手術治療後の維持療法の一部として、または様々なタイプのヘルニアの予防を目的とした予防療法として、適合させることができる。
【0064】
例えば、腹壁ヘルニアの管理は、長時間にわたってユーザに低レベルの圧力をかける、単一のコントローラに並列に接続された複数の電気機械的ソレノイドの使用を必要とすることがある。代替的には、潜在的な鼠径輪ヘルニアの予防的管理は、ユーザの左右の鼠径輪上に配置された単一の電気機械的ソレノイドを必要とする場合がある。当業者には明らかであるように、任意の数の電気機械的ソレノイドが、並列、直列またはそれらの組合せで、1または複数のコントローラおよび検知機構と結合されて、所与のユーザのための様々な管理モダリティに対処することができるシステムを実現することができる。
【0065】
圧力アプリケータは、拡張ブラダーまたは電気機械的ソレノイドによって加えられる力を、ユーザの体の特定の領域または位置に効果的に向けて集中させることができる、圧力ヘッドなどの1または複数のコンポーネントをさらに含むことができる。圧力ヘッドは、両端に平坦または円錐形の面または表面を有し、一端が他端よりも大きな表面積を有する円錐形または楔形の構造体として構成することができる。圧力ヘッドの一端、例えば圧力ヘッドの幅の狭い端部は、ユーザの体の標的解剖学的領域または位置に接触するように方向付けされ、他端(すなわち、幅の広い端部)は、ブラダーまたはソレノイドに取り付けられるか又は接続されるものであってもよい。ブラダーまたはソレノイドが作動されると、圧力ヘッドは、前進して標的治療領域または位置に向けて押し出され、例えば、激しい労作または激しい運動セッション(例えば、重量挙げなど)の間に生じる腹腔内圧力によって生じる外向きの力を打ち消すために、反対方向の力を加える。
【0066】
圧力ヘッドは、本質的に、関心のある解剖学的領域または位置に集中した集中力を提供する。圧力ヘッドの接触面は、ユーザの体の特定の解剖学的標的領域または位置に対応しかつほぼ適合するように寸法設定および構成することができる。例えば、ヘルニアが発症し得る鼠径輪の領域または位置は、0.5インチ~2.0インチ(12~50mm)、例えば1.0インチ(25mm)の圧力ヘッドの接触直径範囲を必要とする場合がある。圧力ヘッドは、金属、ポリマー/プラスチック、複合材料およびそれらの組合せを含むが、これらに限定されない当技術分野で知られている材料を用いて製造することができる。当業者には明らかであるように、任意の数の形態(例えば、中実、中空、発泡体)、形状(例えば、長方形、球形、ピラミッド、八角形)、構成(例えば、複数の接触点のような接触面の数)、特性(例えば、硬い、柔らかい、コンプライアント)およびそれらの組合せを、負荷または力を効果的かつ楽に加えることを目的として、かつユーザの体の標的解剖学的領域または位置への十分な表面積の適用範囲で、圧力アプリケータのために配置および利用することができる。
【0067】
例えば、圧力ヘッドは、水ぶくれ、切り傷、擦り傷または打撲などの損傷の発生を防止するための非外傷性表面を提供するために、ユーザの体と接触する外面に柔らかいライナまたはパッドが組み込まれた硬質プラスチック材料であってもよい。代替的には、感圧性導電性シートセンサをユーザの体と接触する圧力ヘッドの境界にパッドとして配置するようにしてもよく、それにより、加えられる圧力を、生成される抵抗の変化を取得することによってセンサで測定することができ、その後、情報または信号をコントローラにフィードバックして、ユーザが身体活動を行う際に生成されるユーザの腹腔内圧力に関連して十分な大きさの反力が加えられているか否かのステータスを判定する更なる処理を行うことができる。その後、コントローラは、指定された値の範囲内または指定された値またはパラメータの許容範囲内にある力を加えるように、圧力アプリケータを瞬時に調整することができる。このタイプの調整は、体の環境の違い(すなわち、肥満vs正常vs痩せたユーザ)、調整可能なバンド、ベルトまたはトラスが使用される場合のセンサの固定のバラツキ(すなわち、締め具合)、センサを保持しているバンド、ベルトまたはトラスのコンプライアンスまたは緩みなど、センサの最初のセットアップまたは配置の間にコントローラによって収集される元のベースライン力パラメータを本質的に変更する他のすべてのシナリオを含む特定の条件で特に重要である可能性がある。
【0068】
ヘルニアデバイスまたはシステムの別の実施形態によれば、システムのコントローラおよび/または他の周辺コンポーネント(すなわち、センサ、圧力アプリケータ、可撓性バンド、1または複数の電源、相互接続部など)は、アスリートによって使用されるもの、またはワークアウト、トレーニング、運動などの身体活動を行うユーザによって使用されるものなど、単一または複数のピースの衣服を含む着用可能な衣服内に恒久的に収容されるようにしても、あるいは可逆的に取り付けられるようにしてもよい。任意選択的には、衣服は、それらのコンポーネントを衣服に固定することを可能にする、1または複数のポケット、ストラップ、支持ベルトまたはトラス、可撓性バンド、スナップ、アンカおよび/または他の適切な設計要素または方法をさらに含むことができる。着用可能な衣服によって保持されているか、または着用可能な衣服に含まれているコンポーネントは、永久的に固定されるようにしてもよく、または衣服の洗濯またはクリーニング、コンポーネントの交換、修理および/またはメンテナンスを可能にするために取り外されるようにしても、あるいはユーザが身体活動に関与していないときに衣服を単に着用するために、取り外されるようにしてもよい。
【0069】
例示的な実施形態では、衣服を、ショーツ、トラックスーツ、水着、ウェットスーツ、レオタード、ジョックストラップ、スポーツブラなどの様々な形態のスポーツウェアとして製造することができる。衣服の材料は、Lycraまたはエラスチン(すなわち、Spandex)などの一般的に使用されている材料および市販されている材料を用いて製造することができ、一般的にユーザに快適性を提供する特性を組み込むことができる。ヘルニアのデバイスまたはシステムのコンポーネントを含む着用可能な衣服を製造するために使用されるデザイン、形態、タイプおよび/または材料は、結果として得られる衣服がユーザのパフォーマンスを低下させたり、ユーザが所望の身体活動を行うことを妨げたりすることがないように考慮される。
【0070】
任意選択的には、着用可能な衣服は、ベルト、バンドまたは支持トラスのような安定化要素をさらに含むことができ、それらは、衣服と一体化されてもよく、または衣服と可逆的に取り付けられる別個のピースであってもよい。安定化要素は、ユーザによる広範な身体活動の実行中であっても、センサおよび/または圧力アプリケータがずれないように、かつ標的解剖学的領域または位置に対するそれらの相対的な位置を維持するように、それらのコンポーネントを保持または固定するように設計することができる。安定化要素は、一般的に使用されている材料および市販されている材料、例えば、強化布、皮革、非常に低い伸び特性を有する柔軟性ポリマー、それらの組合せなどを使用して、製造することができる。そのような材料は、安定化要素が曝される環境条件または雰囲気に関係なく、使用期間中、伸縮に抵抗し、かつ(例えば、バンド、ベルトまたはトラスの長さまたは周長の変化がないか、または無視できる)寸法的に安定した状態を維持する特性を有することができる。
【0071】
これらの例示的な実施形態のいくつかの態様を、単一のシステムに組み合わせることができるのは、当業者には明らかであろう。例えば、一次圧力システムは、1または複数の特定の解剖学的位置に一定量の圧力をかけるために非圧縮性流体を移動させる空気圧ポンプを含むことができ、二次圧力システムは、1または複数の異なる解剖学的位置に異なる量の圧力を同時にかけるために1または複数のブラダーを直接空気で膨らませることを含むことができる。一次システムおよび二次システムは、単一のコントローラによって制御されてもよいし、検知機構からの入力信号を受信する別個のコントローラによって制御されてもよい。代替的には、二次システムは、1または複数の特定の解剖学的位置に圧力のベースラインレベルを提供することができ、一方、一次システムは、指定またはトリガーされた間隔で二次システムを補足して、1または複数の同じまたは異なる解剖学的位置に高い圧力を加える。
【0072】
本発明の必要性および使用を含む他の態様および特徴は、添付の図面と併せて以下の説明を検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。一般的なプラクティスによれば、図面の様々な特徴および設計要素は、縮尺通りではないことに留意されたい。それとは反対に、様々な特徴および設計要素の寸法は、明確化のために、任意に拡大または縮小されている。図面には、以下の図が含まれる。
【
図1】
図1Aおよび
図1Bは、ユーザに着用されたヘルニアデバイスシステムの実施形態の外部正面図を示している。
【
図2】
図2は、ヘルニアデバイスまたはシステムの例示的な一実施形態のコンポーネントおよび電子、空気圧および液圧の繋がりの概略図である。
【
図3】
図3は、ヘルニアデバイスまたはシステムの別の例示的な実施形態のコンポーネントおよび電子、空気圧および液圧の繋がりの概略図である。
【
図4】
図4は、身体活動と、圧力、刺激および/または他の治療を適用するための潜在的な軽減部位の例示的なリストを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
例示的な実施形態を説明する前に、本発明は、説明する特定の実施形態に限定されるものではなく、よって当然のことながら、変更し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるため、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。
【0075】
値の範囲を与える場合、他のことを明示する記載がない限り、その範囲の上限値と下限値との間の、下限値の単位の10分の1までの各介在する値も、具体的に開示されていると理解されたい。記載した範囲内の任意の記載した値または介在値と、その記載した範囲内の任意の他の記載した値または介在値との間のより小さい各範囲は、本発明に包含される。より小さい上記範囲の上限値および下限値は、独立して、その範囲内に含まれてもよいし、除外されてもよく、何れか一方の範囲、どちらか一方の範囲、または両方の範囲がより小さい範囲内に含まれている各範囲もまた、記載した範囲内の任意の具体的に除外された限界値に従って、本発明に包含される。記載した範囲が限界値の一方または両方を含む場合には、含まれるそれらの限界値の一方または両方を除外した範囲もまた、本発明に包含される。
【0076】
他に定義されない限り、本明細書で使用するすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法および材料が、本発明の実施または試験において使用することができるが、いくつかの潜在的で例示的な方法および材料をここで説明する。本明細書で言及するすべての刊行物は、それらの刊行物が引用されたことに関連して方法および/または材料を開示および説明するために、引用により本明細書に援用されるものとする。本開示は、矛盾がある限りにおいて、本明細書に援用された刊行物の任意の開示よりも優先することを理解されたい。
【0077】
本明細書および添付の特許請求の範囲においては、他のことを明示する記載がない限り、単数形の「a」、「an」および「the」は複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。このため、例えば、「化合物」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「ポリマー」への言及は、当業者に知られている1または複数のポリマーおよびその同等物への言及を含む。
【0078】
図1Aは、着用可能な衣服101と、可撓性バンド102に取り付けられた検知機構(すなわち、センサ)103と、コントローラ105と、電源106と、圧力アプリケータ108、109とを含む、鼠径ヘルニアの形成を管理および/または防止することを意図したヘルニアデバイスまたはシステム100の例示的な一実施形態の正面図である。可撓性バンド102は、縫製、面ファスナ、フックアンドアイクロージャ、トグルクロージャ、タイ、グロメットに通される紐、ジッパ、スナップ、ボタン、バックル、サイドリリース型バックル、ポケット、それらの組合せなどを含むがそれらに限定されない、当技術分野で知られている方法を使用して、永久的または着脱可能に衣服101に取り付けることができる。センサ103は、縫製、面ファスナ、フックアンドアイクロージャ、トグルクロージャ、タイ、グロメットに通される紐、ジッパ、スナップ、ボタン、バックル、サイドリリース型バックル、ポケット、それらの組合せなどを含むがそれらに限定されない、当技術分野で知られている方法を使用して、可撓性バンド102に永久的または可逆的に取り付けることができる。
【0079】
同様に、コントローラ105および電源106は、縫製、面ファスナ、フックアンドアイクロージャ、トグルクロージャ、タイ、グロメットに通される紐、ジッパ、スナップ、ボタン、バックル、サイドリリース型バックル、それらの組合せなどを含むがそれらに限定されない、当技術分野で知られている方法を使用して、衣服101に永久的または可逆的に取り付けることができる。代替的に、コントローラ105および電源106は、衣服101に形成された1または複数のポケット(図示省略)内に保持されるようにしてもよい。また、コントローラ105および電源106は、電源管理(例えば、バッテリの交換または充電)を可能にする設計要素を追加した単一ユニットとして組み合せてパッケージ化されるものであってもよい。センサ103は、センサ103からコントローラ105に電気信号および/または通信信号を運ぶことができる1または複数のワイヤ104を介してコントローラ105に接続されている。代替的には、センサ103によって生成された信号が、例えばBluetooth技術を使用して、コントローラ105に無線で伝送されるようにしてもよい。ワイヤ104は、当技術分野で知られている接続または結合方法を使用して、センサ103およびコントローラ105に永久的または可逆的に取り付けることができ、そのような方法には、ボンディング、溶接、超音波溶接、はんだ付け、圧着、圧入または締まり嵌め、バナナプラグ、スペード・ピンコネクタ、同軸ケーブルコネクタ(例えば、F、N、SMA、SMB、SMC、BNC、TNC、ツインBNC、三軸など)、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、HDMIコネクタ、RS232コネクタ、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0080】
コントローラ105は、電気信号および/または通信信号を運ぶことができる1または複数のワイヤ107を介して、電源106に接続することができる。ワイヤ107は、当技術分野で知られている接続または結合方法を使用して、コントローラ105および電源106に永久的または可逆的に取り付けることができ、そのような方法には、ボンディング、溶接、超音波溶接、はんだ付け、圧着、圧入または締まり嵌め、バナナプラグ、スペード・ピンコネクタ、同軸ケーブルコネクタ(例えば、F、N、SMA、SMB、SMC、BNC、TNC、ツインBNC、三軸など)、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、HDMIコネクタ、RS232コネクタ、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0081】
圧力アプリケータ108、109は、アプリケータ108、109をユーザの鼠径輪の上に配置することを意図した予め設定された位置で衣服101に配置されており、縫製、面ファスナ、フックアンドアイクロージャ、トグルクロージャ、タイ、グロメットに通される紐、ジッパ、スナップ、ボタン、バックル、サイドリリース型バックル、ポケット、それらの組合せなどを含むがそれらに限定されない、当技術分野で知られている方法を使用して、衣服101に永久的または可逆的に取り付けることができる。圧力アプリケータ108、109は、接続要素110を介してコントローラ105に接続されている。接続要素110は、当技術分野で知られている接続または結合方法を使用して、コントローラ105および/または圧力アプリケータ108、109に永久的または可逆的に結合することができ、そのような方法には、ボンディング、溶接、超音波溶接、オーバーモールド、スレッディング/タッピング、圧着、圧入または締まり嵌め、バナナプラグ、スペード・ピンコネクタ、同軸ケーブルコネクタ(例えば、F、N、SMA、SMB、SMC、BNC、TNC、ツインBNC、三軸など)、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、HDMIコネクタ、RS232コネクタ、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0082】
接続要素110の形状および構造は、圧力アプリケータ108、109の各々において利用される特定の機構に適したものとなる。例えば、圧力アプリケータ108、109が、圧力を加えるための液圧システムと、液圧流体(図示省略)の流れを制御するための電子システムとを含む場合、接続要素110は、必要な圧力で流体の流れを支持することができる材料および形態(例えば、チューブ、パイプなど)で製造されることとなる。任意選択的には、チューブ状の接続要素は、電流を伝えるための1または複数のワイヤまたは他の要素を受け入れるために、例えば1または複数の追加のルーメンまたは通路をさらに含むことができる。
【0083】
別の例では、圧力アプリケータ108、109が線形ソレノイドを含む場合、システムに適した接続要素110は、コントローラ105と圧力アプリケータ108、109との間で電気信号および/または通信信号を伝送することが可能なタイプまたは形態となる。代替的には(図示せず)、システムの様々な他のコンポーネントを結合する電気コンポーネントは、別個の絶縁された導管または配線を使用して接続されるものであってもよい。これは、様々なシステムコンポーネントによって生成される電磁流体間の干渉の最小化がシステムの重要な特徴である場合に有用となる場合がある。さらに、システムの電気コンポーネントを、例えば、システムの液圧または空気圧コンポーネントから分離することにより、システムの安全性および信頼性を向上させることができる。
【0084】
任意選択的には、スタビライザ113を、ヘルニアシステム100の別個のコンポーネントとして追加することも、あるいは着用可能な衣服101と一体化することもできる。スタビライザ113は、ベルト、トラス、ブリーフなどの形態で製造するようにしてもよく、かつ可撓性があるが非コンプライアント(すなわち、伸長しない)材料で作ることができ、かつ/または使用中にその形状および/または寸法を維持することができる。スタビライザ113は、一般に、圧力アプリケータ108、109に構造的な支持を与え、それにより、圧力アプリケータ108、109が作動する(すなわち、治療領域に対して反作用圧力を加えるために膨張または拡張される)ときに、加えられる内向きの力が最小限の損失で伝達されて、治療領域または解剖学的構造上にヘルニアを引き起こす可能性のある体によって生成される外向きの力に対抗するようになっている。
【0085】
図1Bは、腹壁ヘルニアの形成を管理および/または防止することを意図したヘルニアデバイスまたはシステム200の別の例示的な実施形態の正面図であり、着用可能な衣服101、可撓性バンド102に取り付けられたセンサ103、コントローラ105、電源106および圧力アプリケータ111を含む。同じ符号を有するシステム100、200の共通の構成要素の説明は、概ね同じである。圧力アプリケータ111は、ユーザの腹側領域上に配置され、圧力を加えるための電磁式、空気圧式、液圧式または機械式のコンポーネント、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0086】
圧力アプリケータ111は、接続要素112を介してコントローラ105に接続されている。接続要素112は、当技術分野で知られている方法を使用して、コントローラ105および/または圧力アプリケータ111に永久的または可逆的に結合することができ、そのような方法には、ボンディング、溶接、超音波溶接、オーバーモールド、スレッディング/タッピング、圧着、圧入または締まり嵌め、バナナプラグ、スペード・ピンコネクタ、同軸ケーブルコネクタ(例えば、F、N、SMA、SMB、SMC、BNC、TNC、ツインBNC、三軸など)、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、HDMIコネクタ、RS232コネクタ、それらの組合せなどが含まれるが、それらに限定されるものではない。接続要素112の形態および構造は、圧力アプリケータ111で利用される特定の機構に適したものとなる。
【0087】
例えば、圧力アプリケータ111が、圧力を加えるための液圧システムと、液圧流体(図示省略)の流れを制御するための電子システムとを含む場合、接続要素112は、必要な圧力で流体の流れを支持することができる材料および形態(例えば、チューブ、パイプ)から製造することができ、任意選択的には、電流を伝えるためのワイヤまたは他の要素を受け入れることができる1または複数の追加のルーメンまたは通路をさらに含むことができる。別の例では、圧力アプリケータ111が線形ソレノイドを含む場合、システムに適した接続要素112は、コントローラ105と圧力アプリケータ111との間で電気負荷および/または通信信号を伝送することが可能なタイプまたは形態となる。
【0088】
代替的には(図示せず)、システムの様々な他のコンポーネントを結合する電気コンポーネントは、別個の絶縁された導管または配線を使用して接続されるものであってもよい。これは、様々なシステムコンポーネントによって生成される電磁流体間の干渉の最小化がシステムの重要な特徴である場合に有用となる場合がある。さらに、システムの電気コンポーネントを、例えば、システムの液圧または空気圧コンポーネントから分離することにより、システムの安全性および信頼性を向上させることができる。
【0089】
任意選択的には、スタビライザ114を、ヘルニアシステム200の別個のコンポーネントとして追加することも、あるいは着用可能な衣服101と一体化することもできる。スタビライザ114は、ベルト、トラス、ブリーフなどの形態で製造するようにしてもよく、かつ可撓性があるが非コンプライアント(すなわち、伸長しない)材料で作ることができ、かつ/または使用中にその形状および/または寸法を維持することができる。スタビライザ114は、一般に、圧力アプリケータ111に構造的な支持を与え、それにより、圧力アプリケータ111が作動する(すなわち、治療領域に対して反作用圧力を加えるために膨張または拡張される)ときに、加えられる内向きの力が最小限の損失で伝達されて、治療領域または解剖学的構造上にヘルニアを引き起こす可能性のある体によって生成される外向きの力に対抗するようになっている。
【0090】
図2は、システム100、200に含まれ得るヘルニアデバイスまたはシステム300の構成の一実施形態の概略図である。この図面において、実線は、コンポーネント間の流体連通を可能にするコンポーネント間の接続を表し、矢印付きの破線は、コンポーネント間の電気接続を表し、矢印が、情報の伝達される方向を示している。一方向弁は、矢印を有する四角いボックスと、ボックス内に描かれた矢印の向きに垂直な線とによって表される。矢印は、流れが許容されている方向を示している。なお、電源は示されておらず、また、電源と電力を必要とする他のシステムコンポーネントとの間の様々な接続も示されていないことに留意されたい。電力を生成および伝送するための数多くのデバイスが容易に利用可能であり、システム300に組み込むことができることは、当業者には明らかであろう。
【0091】
図2に示す実施形態では、ヘルニアデバイスシステム300が、通常、加圧ガスで満たされたキャニスタ213を含み、このキャニスタは、予め設定された一連の要件またはパラメータを満たすセンサ201からの信号をコントローラ202が受信することに応答して、液圧ポンプ203を駆動し、この液圧ポンプが、液圧流体(図示省略)を拡張可能なブラダー211内に移送する。ガスキャニスタ213は、流体ライン216(例えば、チューブ、パイプおよび/または他の導管)を介して液圧ポンプ203と連通しており、その間に接続されているのは、ガスキャニスタ弁215(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動される弁などを使用する)および一方向弁214であり、それらが互いに直列に配置されている。代替的には、ガスキャニスタ弁215自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁214を省略することができる。ガスキャニスタ弁215は、コントローラ202に接続され、このコントローラによって制御される。
【0092】
液圧ポンプ203は、圧力センサ206と、キャニスタ213によって供給される過剰なガス圧をパージするベント機構217とをさらに含む。ベント機構217は、互いに直列に配置されたベント弁205(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動する弁など)および一方向弁204を含む。代替的には、ベント弁205自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁214を省略することができる。ベント弁205は、コントローラ202に接続され、このコントローラによって制御される。任意選択的には、ガスは透過するが液圧流体は透過しない膜またはフィルタ(図示省略)を、ベント弁205および一方向弁204と直列に配置するようにしてもよい。
【0093】
圧力センサ206は、コントローラ202に接続され、液圧ポンプ203内の液圧の測定値に対応する圧力信号をコントローラ202に供給する。液圧ポンプ203は、流体ライン218(例えば、チューブ、パイプおよび/または他の導管)を介して拡張可能なブラダー211に接続されており、それらの間には、ポンプ弁209(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動する弁など)および一方向弁210が互いに直列に接続されている。代替的には、ポンプ弁205自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁210を省略することができる。ポンプ弁209は、コントローラ202に接続され、このコントローラによって制御される。拡張可能なブラダー211は、圧力センサ212をさらに含み、この圧力センサは、コントローラ202に接続され、拡張可能なブラダー211内の液圧の測定値に対応する圧力信号をコントローラ202に送信する。拡張可能なブラダー211は、戻り流体ライン219(例えば、チューブ、パイプおよび/または他の導管)を介して液圧ポンプ203に接続され、それらの間には、ブラダー弁208(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動される弁など)および一方向弁207が互いに直列に接続されている。代替的には、ブラダー弁208自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁207を省略することができる。ブラダー弁208は、コントローラ202に接続され、このコントローラによって制御される。
【0094】
ヘルニアシステム300は、センサ201からの予め定められた信号に応答して、予め定められた圧力を選択的に加えて拡張可能なブラダー211を作動させることにより、作動するものであってもよい。例えば、ユーザは、運動または行為を試みる前に、深く吸入する場合がある。胴回り寸法(すなわち、上部胸部の周長)の増加により、コントローラ202に送信されるセンサ201からの信号が変化し、これをコントローラ202が識別し、その後、ガスキャニスタスイッチ(図示省略)によりガスキャニスタ弁215を作動させてガスキャニスタ弁(図示省略)を開き、それにより液圧ポンプ203を駆動し、液圧ポンプ203内に含まれる非圧縮性流体を加圧する。
【0095】
任意選択的には、コントローラ202は、ポンプ圧力センサ206によって報告されたタンク圧力を予め選択された設定点と比較することによって、液圧ポンプ203内の圧力を調節することができる。圧力が設定点を超える場合、コントローラ202は、ガスキャニスタ弁215を閉じ、ベント弁205を開いて、ガスの一部を環境に排出し、タンク圧力を低下させることができる。コントローラ202は、負帰還ループを使用して、タンク圧力を、指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に調整することができる。その後、コントローラ202は、ベント弁205およびガスキャニスタ弁215の対応する弁を閉じて、液圧ポンプ203をガスキャニスタ213および周囲環境から切り離すことができる。
【0096】
その後、ポンプ弁209を開いて、液圧ポンプ203から拡張可能なブラダー211への非圧縮性流体の流れを可能にすることができる。コントローラ202は、任意選択的には、ブラダー圧力センサ212からの圧力信号に基づくブラダー圧力を予め選択された設定点と比較することにより、拡張可能なブラダー211内の圧力を調節することができる。圧力が設定点を超える場合、コントローラ202は、ポンプ弁209を閉じ、ブラダー弁208を開いて、非圧縮性流体の一部を液圧ポンプ203に戻し、拡張可能なブラダー211内の圧力を減少させることができる。コントローラ202は、負帰還ループを使用して、拡張可能なブラダー211内の圧力を、指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の範囲内に迅速に調整することができる。
【0097】
治療期間に達すると、コントローラ202は、ブラダー弁208およびベント弁205を開いて、加圧された液圧流体(図示省略)を液圧ポンプ203に戻し、加圧されたガスを環境にパージすることができる。
【0098】
拡張可能なブラダー211は、鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア、臍ヘルニアまたはスパイゲルヘルニアなどの多数の様々なヘルニアを管理または予防するために必要に応じて配置することができる。当業者には明らかであるように、この例は、単一の液圧ポンプ203および単一の拡張可能なブラダー211を利用しているが、複数の液圧ポンプ203および/または複数の拡張可能なブラダー211を有するシステムを特定の用途で使用することも可能である。例えば、鼠径ヘルニアを軽減または防止するために、2つの液圧ポンプ203と2つの拡張可能なブラダー211をペアで含み、各拡張可能なブラダー211がそれぞれ右または左の鼠径輪(図示省略)の周りに直接圧力を加えるように配置されたシステムを使用することができる。この構成により、コントローラ202は、ユーザが望む場合に、拡張可能なブラダー211毎に異なるレベルの圧力を設定することができる。
【0099】
代替的に、鼠径ヘルニアを緩和または予防するために、単一の液圧ポンプ203と2つの拡張可能なブラダー211とを含むシステムを使用することができ、このシステムでは、各拡張可能なブラダー211は、右または左の鼠径輪(図示省略)にそれぞれ直接圧力を加えるように位置しているが、同じ液圧流体の供給源から供給を受けるものとなっている。また、当業者には明らかであるように、直列構成、並列構成またはそれらの組合せによるガスキャニスタ、液圧ポンプおよび拡張可能なブラダーの様々な構成および配置を想定することができる。
【0100】
例えば、ヘルニアシステム300の代替的な実施形態は、トリガ信号がない場合にはベースレベルの液圧を提供することができるが、横隔膜/胸郭の十分な拡張など、センサによって受信された信号に応答して、第2の高いレベルの液圧を提供することが可能である。
【0101】
図3は、ヘルニアデバイスまたはシステム400の別の実施形態の概略図である。先の実施形態と同様に、実線は、コンポーネント間の流体連通を可能にするコンポーネント間の接続を表し、矢印付きの破線は、コンポーネント間の電気接続を表し、矢印が、情報の伝達される方向を示している。一方向弁は、矢印を有する四角いボックスと、ボックス内に描かれた矢印の向きに垂直な線とによって表される。矢印は、流れが許容されている方向を示している。
【0102】
なお、電源は示されておらず、また、電源と電力を必要とする他のシステムコンポーネントとの間の様々な接続も示されていないことに留意されたい。電力を生成および伝送するための数多くの方法が容易に利用可能であり、システム400に組み込むことができることは、当業者には明らかであろう。
【0103】
図3に示す実施形態では、ヘルニアデバイスシステム400が、通常、加圧ガスで満たされたキャニスタ313を含み、このキャニスタは、予め設定された一連の要件またはパラメータを満たすセンサ301からの信号をコントローラ302が受信することに応答して、液圧ユニット303を駆動し、この液圧ユニットが、液圧流体(図示省略)を拡張可能なブラダー311内に移送する。液圧ユニット303は、弾性的でガス不透過性の膜318によって2つのセルに分割されている。膜の一方の側はガスセル317を含み、他方の側は流体セル316を含む。流体セル316は、拡張可能なブラダー311を拡張させるために使用される液圧流体(図示省略)を含む。ガスキャニスタ313は、流体ライン319(例えば、チューブ、パイプおよび/または他の導管)を介してガスセル317と連通しており、それらの間に、ガスキャニスタ弁315(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動される弁など)および一方向弁314が互いに直列に接続されている。代替的には、ガスキャニスタ弁315自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁314を省略することができる。
【0104】
ガスキャニスタ弁315は、コントローラ302に接続され、このコントローラによって制御される。ガスセル317は、圧力センサ306と、キャニスタ313によって供給される過剰なガス圧力をパージするベント機構320とをさらに含む。ベント機構320は、互いに直列に配置されたベント弁305(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動する弁など)および一方向弁304を含む。代替的には、ベント弁305自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁304を省略することができる。ベント弁305は、コントローラ302に接続され、このコントローラによって制御される。圧力センサ306はコントローラ302に接続されて、ガスセル317内のガス圧力の量に比例した信号をコントローラ302に提供する。流体セル316は、流体ライン321(例えば、チューブ、パイプ、および/または他の導管)を介して拡張可能なブラダー311と連通しており、それらの間には、流体セル弁309(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動される弁など)および一方向弁310が互いに直列に接続されている。代替的には、流体セル弁309自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁310を省略することができる。流体セル弁309は、コントローラ302に接続され、このコントローラによって制御される。拡張可能なブラダー311はさらに圧力センサ312を備え、この圧力センサは、コントローラ302に接続され、拡張可能なブラダー311内の圧力読取値をコントローラ302に送信する。
【0105】
戻り流体ライン322(例えば、チューブ、パイプ)は、拡張可能なブラダー311を流体セル316に接続し、それらの間には、互いに直列に配置されたブラダー弁308(例えば、電磁弁、アクチュエータによって作動する弁など)および一方向弁307が配置されている。代替的には、ブラダー弁308自体が一方向型の弁であってもよく、それにより一方向弁307を省略することができる。ブラダー弁308は、コントローラ302に接続され、このコントローラによって制御される。
【0106】
ヘルニアデバイスシステム400の実施形態は、センサ301からの予め設定された信号に応答して、予め設定された圧力を選択的に加えて拡張可能なブラダー311を作動させることにより、作動されるものであってもよい。例えば、ユーザは、運動または行為を試みる前に、深く吸入する場合がある。胴回り寸法(すなわち、上部胸部の周長)の増加により、コントローラ302は、センサ301からの信号の変化を識別し、その後、コントローラ302は、ガスキャニスタスイッチ(図示省略)を作動させて、ガスキャニスタ弁315を作動させ、それによりガスキャニスタ弁(図示省略)を開いて、ガスセル317を加圧する。コントローラ302は、ガスセル圧力センサ306によって報告されたガスセル圧力を予め選択された設定点と比較することによって、ガスセル317内の圧力を任意に調節することができる。圧力が設定点を超える場合、ガスキャニスタ弁315を閉じ、ベント弁305を開いて、過剰なガスを環境にパージし、ガスセル317内のガス圧力を調整することができる。コントローラ302は、負帰還ループを使用して、ガスセル317内の圧力を、指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の帯域内に迅速に調整することができる。その後、コントローラ302は、ガスキャニスタ弁315およびベント弁305を閉じて、ガスセル317をガスキャニスタ313および周囲環境から切り離すことができる。
【0107】
その後、流体セル弁309を開くことができ、これにより、液圧ユニット303を二分する弾性膜318が、ガスセル317内の上昇した圧力の下で膨張することを可能にする。弾性膜318の膨張は、非圧縮性流体(図示省略)を流体セル316から拡張可能なブラダー311内に強制的に流入させる。コントローラ302は、ブラダー圧力センサ312によって報告されたブラダー圧力を予め選択された設定点と比較することによって、拡張可能なブラダー311内の圧力を任意に調節することができる。圧力が設定点を超える場合、流体セル弁309を閉じ、ブラダー弁308を開いて、非圧縮性流体(図示省略)の一部を流体セル316に戻し、拡張可能なブラダー311内の圧力を低下させることができる。コントローラ302は、負帰還ループを使用して、拡張可能なブラダー311内の圧力を、指定された設定点まで、または設定点の周りの許容可能な圧力値の帯域内に迅速に調整することができる。
【0108】
治療期間に達すると、コントローラ302は、ブラダー弁308およびベント弁305を開いて、ガスセル317内の加圧ガスを環境に排出し、液圧流体(図示省略)が流体セル316内に戻ることを許容することができる。
【0109】
拡張可能なブラダー311は、鼠径ヘルニア、腹壁ヘルニア、臍ヘルニアまたはスパイゲルヘルニアのような数多くの様々なヘルニアを管理または予防するために必要に応じて配置されるものであってもよい。この例では、単一の液圧ユニット303および単一の拡張可能なブラダー311を利用しているが、複数の液圧ユニット303および/または複数の拡張可能なブラダー311を有するシステムを特定の用途で使用できることは、当業者には明らかであろう。例えば、2つの液圧ユニット303と2つの拡張可能なブラダー311がペアになっていて、各拡張可能なブラダー311が右または左の鼠径輪(図示省略)の周りに直接圧力を加えるように配置されているシステムを使用して、鼠径ヘルニアの予防の管理を構成することができる。この構成により、コントローラは、ユーザが望む場合に、拡張可能なブラダー311毎に異なるレベルの圧力を設定することができる。代替的には、単一の液圧ユニット303と2つの拡張可能なブラダー311とを有するシステムであって、各拡張可能なブラダー311が、右または左の鼠径輪(図示省略)に直接圧力を加えるように位置しているが、同じ液圧流体源(図示省略)から供給を受けるシステムを使用して、鼠径ヘルニアの予防の管理を構成することができる。
【0110】
また、当業者には明らかであるように、直列構成、並列構成またはそれらの組合せによるガスキャニスタ、液圧ユニットおよび拡張可能なブラダーの様々な構成および配置を想定することができる。例えば、ヘルニアデバイスシステム400は、トリガ信号がない場合にはベースレベルの液圧を提供することが想定されるが、横隔膜/胸郭の十分な拡張など、センサによって受信された信号に応答して、第2の高いレベルの液圧を提供することが可能である。
【0111】
代替的な実施形態では、本明細書のシステムは、物理的な圧力の代わりに、またはそれに加えて、例えば、ユーザの身体の標的位置への1または複数の出力を生成することができる。例えば、システムは、例えば作動時に筋肉の収縮を防止するために、標的位置の組織を刺激するための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことができる。代替的には、電気機械デバイスは、例えば、作動時に筋収縮を誘導するために、あるいは筋弛緩を誘導するために、予め設定された位置の組織を刺激するための信号を生成するように構成することができる。
【0112】
別の代替例では、システムは、作動時に予め設定された位置に圧力を加えるように構成された1または複数の超音波トランスデューサを含むことができる。さらに別の代替例では、システムは、予め設定された位置での収縮をなくすために筋肉の麻痺を引き起こすように構成された経皮神経刺激デバイスを含むことができる。更なる別の代替案では、システムは、作動時に加熱または冷却を生成して適用するように構成されたデバイスを含むことができる。所望の治療に基づいて、圧力、刺激、加熱および/または冷却のうちの1または複数をシステムによって同時または順に送達できることが理解されよう。
【0113】
任意選択的には、コントローラまたはコントローラと通信する外部デバイスは、人工知能および/または機械学習を使用して、システムの動作を修正し、例えば、様々なモダリティを使用して、ヘルニアおよび他の損傷のために1または複数の介入を生成するようにしてもよい。例えば、リモート電子デバイスは、コントローラと通信して、電子デバイスによる分析のためにシステムからデータを受信することができる。得られた分析を使用して、システムの動作を修正し、かつ/またはユーザおよび/またはその介護者、例えば、医療専門家、スポーツトレーナーなどに助言することができる。
【0114】
本明細書の他の箇所に記載されているように、システムのコンポーネントは、様々な衣服、および/または例えばユーザによって着用される単一の衣服または複数の衣服に保持される、他のウェアラブルデバイスに組み込むことができる。例示的な実施形態では、衣服が、ジャージ、シャツ、ランニングシャツ、トラックスーツ、水着、ウェットスーツ、レオタード、ボディスーツ、ジョックストラップ、スポーツブラおよびショーツのうちの1または複数を含むことができる。本明細書に記載のシステムは、衣服に保持されるコンポーネントによる干渉を最小限に抑えながら、ユーザが様々なスポーツ活動、例えばレスリング、ボクシング、水泳、サイクリングなどを実行できるように特に構成されたスポーツウェアに組み込むことができることが理解されよう。代替的には、衣服は、患者(例えばヘルニアの治療を受けている患者)が歩行できるようにしながら、自宅または医療施設で患者に着用されるように構成されるものであってもよい。
【0115】
さらに、本明細書に記載されたシステムおよび方法は、ヘルニアを軽減および/または防止する特定の用途を有するものとして記載されているが、本システムおよび本方法は、他の解剖学的構造および/または疾病、例えば、他の筋骨格系損傷の軽減および/または予防のために使用できることが理解されよう。例えば、局所的な圧力、刺激などを加える出力装置は、ウェアラブルデバイス上の様々な位置に提供することができ、それにより、ユーザの体の所望の軽減部位または治療部位に局所的な治療および/または予防状態を提供することができる。例示的な実施形態では、活動に応じて、出力装置をユーザの首、腰、脊椎、肩、上腕、下腕、手首、手、指、上脚、下脚、足首および足などの1または複数の位置に提供して、予め設定された活動が特定されたときに、その位置に圧力、刺激などを加えることができる。
【0116】
例示的な一実施形態では、水泳者は、水泳者の身体パラメータを監視するための1または複数のセンサと、1または複数の出力装置とを含む衣服を着用することができ、出力装置は、水泳者が予め設定された身体活動、例えば、通常の水泳または特定の局所部位への追加のサポートを必要とする水泳の特定のストロークに取り組んでいることをセンサが示すときに、水泳者の身体上の所望の局所部位、例えば、水泳者の肩、背中、腕、腰および/または脚に圧力、刺激および/または他の出力を与えるために衣服上に配置されている。別の例では、デスクワーク中に座っているユーザが、ユーザの首、脊椎、手首および/または他の軽減部位に配置された出力装置を有するデバイスを装着することができ、例えばシステムがユーザの姿勢が悪いか又は望ましくないことを識別した場合に、例えば、それらの部位で損傷を悪化又は引き起こすのを防止するために圧力を加えることができる。さらに別の例では、背中の怪我をしているユーザが睡眠中にシステムを装着することができ、システムは、ユーザが怪我を悪化させる可能性のある姿勢で睡眠していることを示す場合に、1または複数の出力装置を作動させることができる。
図4は、例示的な身体活動と、例えば本明細書に記載されたシステムおよび方法の何れかを使用して、局所的な治療を提供するために、圧力、刺激および/または他の出力が加えられる、それぞれの適用部位(例えば、「1」で示される)のリストを含む。
【0117】
さらに、代表的な実施形態を記述する際に、本明細書は、方法および/またはプロセスを特定の一連のステップとして提示している場合がある。しかしながら、方法またはプロセスが、本明細書に記載されたステップの特定の順序に依存しない限り、方法またはプロセスは、記載されたステップの特定の順序に限定されるべきではない。当業者によって理解されるように、ステップの他の順序が可能である場合がある。したがって、本明細書に記載されたステップの特定の順序は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0118】
本発明は、様々な修正および代替的な形態が可能であるが、その特定の例が図面に示され、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されるべきではなく、対照的に、本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるすべての修正、均等物および代替物を包含するものであることを理解されたい。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルニア、筋骨格系損傷、またはその他の病状を軽減または予防するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
ユーザの1または複数の身体パラメータに対応する信号を生成するように構成された1または複数のセンサと、
1または複数のセンサに結合されて前記信号を受信するコントローラであって、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているときを識別するように構成されたコントローラと、
ユーザの身体上の標的軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された出力装置とを備え、前記コントローラが、前記出力装置と通信して前記予め設定された身体活動が識別されたときに前記出力装置を作動させ、それにより軽減部位でヘルニア又は他の損傷が発症するのを軽減又は防止するための出力を提供することを特徴とするシステム。
【請求項2】
ヘルニア、筋骨格系損傷、またはその他の病状を軽減または予防するためのシステムであって、
ユーザによって着用されるように構成されたウェアラブルデバイスと、
ユーザの1または複数の物理パラメータに対応する信号を生成するように構成された1または複数のセンサと、
1または複数のセンサに結合されて前記信号を受信するコントローラであって、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが予め設定された身体活動を実行しようとしているときを識別するように構成されたコントローラと、
前記コントローラに結合されてシステムの動作に関連する無線信号を遠隔地に送信する通信インターフェースと、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムにおいて、
前記ウェアラブルデバイスから離れた電子デバイスをさらに含み、
前記コントローラから無線信号を受信するための通信インターフェースを含む電子デバイスが、ユーザの治療に関連する情報を含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記コントローラまたは前記電子デバイスは、人工知能または機械学習を使用して前記システムの動作を変更するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記コントローラまたは前記電子デバイスは、人工知能または機械学習を使用して、前記電子デバイスの出力装置上でユーザにアドバイスするように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1または2に記載のシステムにおいて、
前記コントローラは、人工知能または機械学習を使用して前記システムの動作を変更するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項2に記載のシステムにおいて、
ユーザの身体上の標的軽減部位に対応する予め設定された位置で前記デバイスに保持された出力装置とを備え、前記コントローラが、前記出力装置と通信して予め設定された身体活動が識別されたときに前記出力装置を作動させ、それにより軽減部位でヘルニア又は他の損傷が発症するのを軽減又は防止するための出力を提供することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記コントローラは、人工知能または機械学習を使用して前記出力装置の動作を変更するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1、2又は7に記載のシステムにおいて、
前記ウェアラブルデバイスが衣服を含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1、2又は7に記載のシステムにおいて、
衣服が、ユーザの胴体を少なくとも部分的に取り囲むように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項8に記載のシステムにおいて、
衣服が、ユーザの腹部を少なくとも部分的に覆うように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1又は7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサ、コントローラおよび出力装置のうちの1または複数が、衣服に取り外し可能に取り付けられていることを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項8に記載のシステムにおいて、
衣服が、ジャージ、シャツ、ランニングシャツ、トラックスーツ、水着、ウェットスーツ、レオタード、ボディスーツ、ジョックストラップ、スポーツブラおよびショーツのうちの1または複数を含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1、2又は7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、呼吸中の胴体の物理的寸法の変化を測定することにより信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1、2又は7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、呼吸中にユーザの1または複数の筋肉によって加えられる力を測定することによって信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサがさらに、ユーザの胴体に少なくとも部分的に巻き付けるように構成されたバンドを含み、このバンド上にセンサが保持されていることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサがさらに、ユーザの胴体に少なくとも部分的に巻き付けるように構成されたバンドを含み、前記バンドが、呼吸中に胴体の領域の物理的寸法の変化に応答して電気信号を生成するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、
前記バンドが、ユーザの胴体が拡張および収縮するのに応じて呼吸中に抵抗を変化させる感圧導電性シートを含み、信号が、抵抗の変化に少なくとも部分的に基づくものであることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムにおいて、
電気信号の強さが、ユーザの胸郭およびユーザの横隔膜のうちの一方の相対的な拡張に比例することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの呼吸に応答して信号を生成するように構成されたカプノメータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの生化学的パラメータの変化に基づいて信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
生化学的パラメータが、ユーザの皮膚温度および発汗のうちの一方を含むことを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの呼吸ガスまたは血液ガスに応答して信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
1または複数のセンサが、ユーザの皮膚を通して検知されたガス交換に応答して信号を生成するように構成されたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項1、2または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に軽減部位に圧力を加えるように構成された圧力アプリケータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項25に記載のシステムにおいて、
前記コントローラが、前記圧力アプリケータをベースレベルに維持して軽減部位にベース圧力を加えるとともに、予め設定された身体活動が実行されたときに、軽減部位に加えられる圧力をベース圧力よりも大きい増加圧力に増加させるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムにおいて、
前記コントローラが、予め設定された時間が経過した後に前記圧力アプリケータをベースレベルに戻すように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の収縮を防ぐための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の収縮を誘発するための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の組織を刺激して筋肉の弛緩を誘発するための信号を生成するように構成された電気機械デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に、軽減部位の位置に圧力を加えるように構成された超音波トランスデューサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項32】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、筋肉の麻痺を引き起して予め設定された位置で収縮をなくすように構成された経皮神経刺激デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【請求項33】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に予め設定された位置で熱を生成して組織に与えるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項1または7に記載のシステムにおいて、
前記出力装置が、作動時に予め設定された位置で冷却を生成して組織に与えるように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記コントローラに結合されて当該システムの動作に関連する無線信号を遠隔地に送信する通信インターフェースをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項35に記載のシステムにおいて、
前記ウェアラブルデバイスから離れた電子デバイスをさらに含み、前記コントローラから無線信号を受信するための通信インターフェースを含む電子デバイスが、ユーザの治療に関連する情報を含むことを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項3または36に記載のシステムにおいて、
前記電子デバイスが、ユーザの治療に関する情報を表示するためのディスプレイを含むことを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項3または36に記載のシステムにおいて、
情報が、ユーザの身体パラメータおよび前記出力装置の動作パラメータのうちの1または複数を含むことを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項3または36に記載のシステムにおいて、
前記電子デバイスが、ユーザによってシステムの動作を変更できるように構成されたユーザインタフェースを含むことを特徴とするシステム。
【外国語明細書】