(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114109
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】構造体
(51)【国際特許分類】
E04H 6/02 20060101AFI20240816BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
E04H6/02 C
E04B1/343 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019549
(22)【出願日】2023-02-11
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】保坂 純平
(57)【要約】
【課題】 隣地境界近傍に設置する場合に、容易に屋根を隣地境界近傍までのばすことができる施工性の良好な構造体の提供。
【解決手段】 柱1と梁2と屋根3とを備え、梁2は、柱1に支持してあり、屋根3は、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bとからなる屋根枠7と、屋根枠7の内側に配置された屋根材8,8,…とを有し、梁2に支持したものであり、左右いずれか一方側又は左右両側が低くなるように傾斜しており、水下側に位置する側枠6a又は6bは、全体が柱1の見込面1cより外側に位置している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、左右いずれか一方側又は左右両側が低くなるように傾斜しており、水下側に位置する側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることを特徴とする構造体。
【請求項2】
柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、前枠側又は後枠側が低くなるように傾斜しており、左右の側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることを特徴とする構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーポート等の構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カーポートを隣地境界近傍に設置することがある。
図25は、梁100の下に屋根101を設けた従来のカーポートの例を示している。同図に示すように、隣地境界102近傍に設置する場合、柱103は基礎104との関係で隣地境界102から少し離して設置しなければならず、屋根101は柱103の内側までしかないため、屋根101を隣地境界102までのばす施工ができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、隣地境界近傍に設置する場合に、容易に屋根を隣地境界近傍までのばすことができる施工性の良好な構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による構造体は、柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、左右いずれか一方側又は左右両側が低くなるように傾斜しており、水下側に位置する側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による構造体は、柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、前枠側又は後枠側が低くなるように傾斜しており、左右の側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による構造体は、柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、左右いずれか一方側又は左右両側が低くなるように傾斜しており、水下側に位置する側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることで、柱が隣地境界から離間しても、屋根を隣地境界近傍まで容易にのばすことができ、施工性が良い。
【0007】
請求項2記載の発明による構造体は、柱と梁と屋根とを備え、梁は、柱に支持してあり、屋根は、前枠と後枠と左右の側枠とからなる屋根枠と、屋根枠の内側に配置された屋根材とを有し、梁に支持したものであり、前枠側又は後枠側が低くなるように傾斜しており、左右の側枠は、全体が柱の見込面より外側に位置していることで、柱が隣地境界から離間しても、屋根を隣地境界近傍まで容易にのばすことができ、施工性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の構造体の第1実施形態を示す正面図である。
【
図4】第1実施形態の構造体の斜め上方から見た斜視図である。
【
図5】第1実施形態の構造体の斜め下方から見た斜視図である。
【
図9】本発明の構造体の第2実施形態を示す正面図である。
【
図13】本発明の構造体の第3実施形態を示す正面図である。
【
図16】本発明の構造体の第4実施形態を示す正面図である。
【
図19】本発明の構造体の第5実施形態を示す正面図である。
【
図22】本発明の構造体の第6実施形態を示す正面図である。
【
図25】従来のカーポートの一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~8は、本発明の構造体の第1実施形態を示している。本構造体は、住宅の敷地に設置される乗用車1台用のカーポートに適用したものである。
本構造体は、
図1~5に示すように、正面から見て左側に前後方向に間隔をあけて立設した2本の柱1,1と、各柱1,1の上端部にそれぞれ支持された2本の梁2,2と、梁2,2に支持された屋根3とを備えている。屋根3は、柱1のある左側が低くなるように傾斜している。
【0010】
柱1は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、
図8に示すように、略矩形断面の中空状に形成されている。柱1は、前後の見付面1a,1bが外側の見込面1cよりも外側に張り出しており、その端縁部間に目板9を嵌合取付けすることで、屋根3の雨水を地上に流すためのたて樋10が柱1と一体で形成されている。
柱1は、
図1に示すように、下部を地面に形成した基礎穴11に挿入し、柱1の周りをコンクリート12で固めてある。本構造体を隣地境界13近傍に設置するために、基礎穴11は、隣地境界13のすぐそばに設けられ、柱1は隣地境界13側に偏心して配置されている。柱1と基礎穴11との間には所定寸法A(具体的には80mm程度)間隔を設けてある。
梁2も、
図7に示すように、アルミニウム合金の押出形材で略矩形断面の中空状に形成してある。
柱1と梁2は、
図6に示すように、柱1と梁2の中空部内にL字形の柱梁連結金具14を挿入してボルト15で固定することで、柱1と梁2が連結されている。梁2は、水下側(左側)端が柱1よりも外側に飛び出している。
【0011】
屋根3は、
図2に示すように、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bとを矩形に枠組みした屋根枠7と、屋根枠7の内側に左右方向の向きで配置され、前後方向に並べて取付けた複数の屋根材8,8,…とを有している。
水上側に位置する右側の側枠6aは、
図6に示すように、前後の梁2の水上側端部にL形の金具16で固定して取付けてある。水上側の側枠6aは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、上面が屋根3の外周側に向かって下向きに傾斜した略直角三角形状の断面になっている。
【0012】
前枠4と後枠5は、
図7に示すように、水上側の側枠6aとほぼ同じ略直角三角形断面のアルミ形材で形成してある。水上側の側枠6aの長手方向の両端部、前枠4及び後枠5の水上側端部は、
図2に示すように、それぞれ斜め45°に切断され、斜めに切断された小口同士を突き合せて連結してある。
【0013】
水下側に位置する左側の側枠6bは、
図6に示すように、前後の梁2の水下側端部にL形の金具17で固定して取付けてある。水下側の側枠6bは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、梁2と金具17で連結された略矩形断面の本体部18と、本体部18の外周側面の下部にねじ止めして取付けた樋19を有している。柱1は、前後の見付面1a,1bの見込面1cから張り出した部分の上端部が切り欠かれており、樋19はその切欠き20に呑み込ませてあって、内周側面が柱1の見込面1cに当接している。したがって水下側の側枠6bは、本体部18と樋19を含めた全体が柱1の見込面1cより外側に位置している。このように、水下側の側枠6bは全体が柱1の見込面1cより外側に位置していることで、屋根3の柱1からの出っ張り寸法B(
図1参照)が大きくなっている。具体的には、屋根3の柱1からの出っ張り寸法Bは、柱1と基礎穴11との間の所定寸法Aとほぼ同じかそれ以上の寸法となっている。
樋19は、
図6に示すように、柱1の切欠き20に呑み込ませた部分に排水孔21が形成してあり、樋19に入った雨水はその排水孔21から柱1の外側に設けられたたて樋10へと流れ、たて樋10の下端部に外側に向けて開口して設けた排水口22(
図1参照)より地上へと排水される。
【0014】
屋根材8は、
図2,7に示すように、アルミニウム合金の押出形材で板状に形成してあり、前枠4と梁2の間と、梁2同士の間と、梁2と後枠5との間とに前後方向に並べて取付けてある。隣り合う屋根材8同士の連結部23には、略矩形断面の中空部24が形成されており(
図7参照)、これにより屋根3に強度を持たせている。
各屋根材8は、
図6に示すように、水上側の端部を水上側の側枠6aに金具25aで連結し、水下側の端部を水下側の側枠6bに金具25bで連結して、両側枠6a,6b間に架設してある。屋根材8の水下側の端部は、柱1の見込面1cよりも外側までのび、水下側の側枠6bに呑み込ませてあって、屋根材8の上面を伝って流下した雨水は側枠6bの樋19に落ちるようになっている。
図6,7に示すように、屋根材8は、前枠4、後枠5及び水上側の側枠6aと、下面が同面になっている。また、梁2の下面には、梁下カバー26が取付けてあり、梁下カバー26の下面と屋根材8の下面が同面になっている。これにより本構造体は、屋根3の下面がフラットに形成されている。
【0015】
以上に述べたように本構造体は、水下側の側枠6bは本体部18と樋19を含めた全体が柱1の見込面1cより外側に位置しており、屋根3の柱1からの出っ張り寸法Bが、柱1と基礎穴11との間の所定寸法Aとほぼ同じかそれ以上の寸法となっていることで、隣地境界13近傍に設置する場合に、隣地境界13ぎりぎりまで屋根3を容易にのばすことができ(
図1参照)、施工性が良い。
また本構造体は、水下側の側枠6bは本体部18と樋19を含めた全体が柱1の見込面1cより外側に位置していることで、樋19から雨水を柱1の外側に設けられたたて樋10を通じてまっすぐ下に落とすことで、雨水を柱1の外側に容易に排水することができるので、施工を簡略化できる。本構造体によれば、柱1の内側の土間の部分が雨水で濡れることがないし、車の出し入れにたて樋10が邪魔になることもない。
さらに本構造体は、屋根材8,8,…が梁2と平行な向きで配置してあり、屋根材8,8,…の下面と梁2の下面(厳密には、梁2の下面に取付けた梁下カバー26の下面)とが同面になっていることで、梁2が目立たないとともに、梁2を含めた屋根3の厚みを薄くすることができる。
さらに本構造体は、前枠4と後枠5と水上側の側枠6aと屋根材8,8,…の下面とが同面になっていることで、屋根3の下面がフラットになり、意匠性が良い。
【0016】
図9~12は、本発明の構造体の第2実施形態を示している。本構造体は、第1実施形態と同様に、乗用車1台用のカーポートに適用したものである。
本構造体は、
図9,10に示すように、屋根3が正面から見て右側が低くなるように傾斜しており、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bとで屋根枠7が構成され、屋根枠7の内側に複数の屋根材8,8,…が前後方向の向きで、左右方向に並べて取付けられている。
【0017】
屋根材8は、
図12に示すように、アルミニウム合金の押出形材で、中空部を有する板状に形成されている。屋根材8は、水下側端部の屋根材8aを除き、前後の梁2,2の下面に取付けてある。水下側端部の屋根材8aは、
図10に示すように、前側の柱1より前側と、前後の柱1同士の間と、後側の柱1より後側の3つの部分に分割され、柱1の前後の見付面に金具(図示省略)で取付けられている。
【0018】
水下側に位置する右側の側枠6aは、
図12に示すように、上面が開放した略コ字形断面に形成され、屋根3の雨水を受ける樋19になっている。水下側の側枠6aは、柱1の見込面1cに取付けてあって、全体が柱1の見込面1cより外側に位置している。水下側の側枠6aの樋19に入った雨水は、柱1の見込面1cよりも外側に設けられたたて樋(図示省略)を通じて排水される。
【0019】
第2実施形態の構造体は、上述のように、水下側の側枠6aの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、第1実施形態と同様に、隣地境界近傍に設置する場合に屋根3を隣地境界ぎりぎりまで容易にのばすことができ、施工性が良い。また、水下側の側枠6aの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、雨水を柱1の外側に容易に排水することができる。
【0020】
図13~15は、本発明の構造体の第3実施形態を示している。本構造体は、第2実施形態と同様に、屋根材8,8,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置したものであって、
図14,15に示すように、柱1の位置で3分割された屋根材8aの水下側に、さらにもう1枚屋根材8bを追加で設けてあり、その屋根材8bの水下側に樋19を兼ねる側枠6aを取付けてある。水下側の側枠6aの樋19に入った雨水は、柱1の見込面1cよりも外側に設けられたたて樋(図示省略)を通じて排水される。
【0021】
第3実施形態の構造体は、上述のように、水下側の側枠6aの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、第1,2実施形態と同様に、隣地境界近傍に設置する場合に屋根3を隣地境界ぎりぎりまで容易にのばすことができ、施工性が良い。また、水下側の側枠6aの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、雨水を柱1の外側に容易に排水することができる。
第3実施形態の構造体は、柱1の見込面1cより外側に屋根材8bを配置していることで、屋根3を柱1の見込面1cより外側により大きく張り出して設けることができる。
【0022】
図16~18は、本発明の構造体の第4実施形態を示している。本構造体は、乗用車2台用のカーポートに適用したものである。本構造体は、これまでに説明した1台用のカーポートと比べ梁2の長さが長くなっており、梁2の長手方向の両端部を柱1で支持してある(
図16参照)。
屋根3は、
図17に示すように、第1実施形態と同様に、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bで形成した屋根枠7の内側に、屋根材8,8,…を左右方向の向きで前後方向に並べて配置してある。屋根材8,8,…は、屋根3の左右方向の中央部に設けた棟木27と左右の側枠6a,6b間に掛け渡して設けてある。
また屋根3は、
図16に示すように、梁2の下に設けられ、左右方向の中央部が高くなるように山型に形成されており、左右の側枠6,6は何れも水下側に位置し、第1実施形態(
図6参照)と同様に、樋19を有するものとなっている。左右の側枠6a,6bは、
図16に示すように、全体が柱1の見込面1cよりも外側に位置している。
左右の側枠6a,6bの樋19に入った雨水は、柱1の見込面1cよりも外側に設けられたたて樋(図示省略)を通じて排水される。
【0023】
第4実施形態の構造体は、上述のように、水下側に位置する左右の側枠6a,6bの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、第1~3実施形態と同様に、隣地境界近傍に設置する場合に屋根3を隣地境界ぎりぎりまで容易にのばすことができ、施工性が良い。また、水下側の側枠6a,6bの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、雨水を柱1の外側に容易に排水することができる。
【0024】
図19~21は、本発明の構造体の第5実施形態を示している。本構造体も、乗用車2台用のカーポートに適用したものであって、1台用のカーポートと比べ梁2の長さが長くなっており、梁2の長手方向の両端部を柱1で支持してある(
図19参照)。
屋根3は、
図20に示すように、第2実施形態と同様に、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bで形成した屋根枠7の内側に、屋根材8,8,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置してある。屋根材8は、左右両端の屋根材8aを除き、梁2の下面に取付けてある。左右両端の屋根材8aは、前側の柱1より前側と、前後の柱1同士の間と、後側の柱1より後側の3つの部分に分割され、柱1の前後の見付面に金具(図示省略)で取付けられている。
また屋根3は、
図21に示すように、後側が低くなるように傾斜しており、後枠5が水下側に位置し、後枠5に樋19が設けてある。左右の側枠6a,6bは、
図19に示すように、柱1の見込面1cに取付けてあって、全体が柱1の見込面1cよりも外側に位置している。
後側の柱1には、柱1の外側の見込面1c、柱1の内側の見込面、柱1の後側の見付面の何れかにたて樋(図示省略)が設けてあり、たて樋の上端部が後枠5の樋19の長手方向端部と丸樋(図示省略)で連結してある。
【0025】
第5実施形態の構造体は、上述のように、左右の側枠6a,6bの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、第1~4実施形態と同様に、隣地境界近傍に設置する場合に屋根3を隣地境界ぎりぎりまで容易にのばすことができ、施工性が良い。また、屋根3の雨水を地上に排水するためのたて樋を、柱1の外側の見込面1c、柱1の内側の見込面、柱1の水下側の見付面のに何れにも設置できるので、施工性が良い。特に、たて樋を柱1の外側の見込面1cに設置すると、雨水を柱1の外側に容易に排水することができるので、より一層施工性が良くなる。
【0026】
図22~24は、本発明の構造体の第6実施形態を示している。本構造体も、乗用車2台用のカーポートに適用したものであって、1台用のカーポートと比べ梁2の長さが長くなっており、梁2の長手方向の両端部を柱1で支持してある(
図22参照)。
屋根3は、
図23に示すように、第3実施形態と同様に、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bで形成した屋根枠7の内側に、屋根材8,8,…を前後方向の向きで左右方向に並べて配置してあり、柱1の位置で3分割された屋根材8aの外側に、さらにもう1枚屋根材8bを追加で設けてあり、左右の側枠6a,6bはその屋根材8bのさらに外側に設けてある。
また屋根3は、
図24に示すように、後側が低くなるように傾斜しており、後枠5が水下側に位置し、後枠5に樋19が設けてある。左右の側枠6a,6bは、
図22,23に示すように、左右両端の屋根材8bに取付けてあって、全体が柱1の見込面1cよりも外側に位置している。
後側の柱1には、柱1の外側の見込面1c、柱1の内側の見込面、柱1の後側の見付面の何れかにたて樋(図示省略)が設けてあり、たて樋の上端部が後枠5の樋19の長手方向端部と丸樋(図示省略)で連結してある。
【0027】
第6実施形態の構造体は、上述のように、左右の側枠6a,6bの全体が柱1の見込面1cよりも外側に配置されていることで、第1~5実施形態と同様に、隣地境界近傍に設置する場合に屋根3を隣地境界ぎりぎりまで容易にのばすことができ、施工性が良い。また、屋根3の雨水を地上に排水するためのたて樋を、柱1の外側の見込面1c、柱1の内側の見込面、柱1の水下側の見付面のに何れにも設置できるので、施工性が良い。特に、たて樋を柱1の外側の見込面1cに設置すると、雨水を柱1の外側に容易に排水することができるので、より一層施工性が良くなる。
第6実施形態の構造体は、柱1の見込面1cより外側に屋根材8bを配置していることで、屋根3を柱1の見込面1cより外側により大きく張り出して設けることができる。
【0028】
以上に述べたように本構造体(第1~4実施形態)は、柱1と梁2と屋根3とを備え、梁2は、柱1に支持してあり、屋根3は、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bとからなる屋根枠7と、屋根枠7の内側に配置された屋根材8,8,…とを有し、梁2に支持したものであり、左右いずれか一方側又は左右両側が低くなるように傾斜しており、水下側に位置する側枠6a又は6bは、全体が柱1の見込面1cより外側に位置していることで(
図6参照)、柱1が隣地境界13から離間しても、屋根3を隣地境界13近傍まで容易にのばすことができ(
図1参照)、施工性が良い。また、水下側に位置する側枠6a又は6bの全体が柱1の見込面1cより外側に位置していることで、雨水を柱1の外側に容易に排水することができるので、施工を簡略化できる。
本構造体(第5,6実施形態)は、柱1と梁2と屋根3とを備え、梁2は、柱1に支持してあり、屋根3は、前枠4と後枠5と左右の側枠6a,6bとからなる屋根枠7と、屋根枠7の内側に配置された屋根材8,8,…とを有し、梁2に支持したものであり、前枠4側又は後枠5側が低くなるように傾斜しており、左右の側枠6a,6bは、全体が柱1の見込面1cより外側に位置していることで、柱1が隣地境界13から離間しても、屋根3を隣地境界13近傍まで容易にのばすことができ(
図1参照)、施工性が良い。また、屋根3の雨水を地上に排水するためのたて樋を、柱1の外側の見込面、柱1の内側の見込面、柱1の水下側の見付面に何れにも設置できるので、施工性が良い。特に、たて樋を柱1の外側の見込面に設置すると、雨水を柱1の外側に容易に排水することができるので、より一層施工性が良くなる。
本構造体(第1~4実施形態)は、屋根3の雨水を排水するためのたて樋10を有し、たて樋10は、柱1の見込面1cより外側に設けてあるので、雨水を柱1の外側に容易に排水することができ、且つたて樋10が邪魔にならない。
本構造体(第1実施形態)は、柱1にたて樋10が一体に設けてあるので、たて樋10を柱1に取付ける手間が要らず、施工をより簡略化できるとともに、たて樋10が有ることが外から見て分からないので、意匠性が良い。
【0029】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。屋根枠を構成する前枠、後枠及び側枠の断面形状、屋根材の断面形状は、適宜変更することができる。たて樋は、柱と一体で設けてあってもよいし、柱と別体で設けてあってもよい。本発明は、カーポートに限らず、サイクルポート、通路シェルター、テラス屋根など、屋根を有するあらゆる構造体に適用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 柱
2 梁
3 屋根
4 前枠
5 後枠
6a,6b 側枠
7 屋根枠
8 屋根材