(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114112
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】サーバ仲介システム、仲介サーバ、学習済モデルアシストシステム、及びアシストサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 16/90 20190101AFI20240816BHJP
【FI】
G06F16/90 100
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019591
(22)【出願日】2023-02-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-05
(71)【出願人】
【識別番号】399090994
【氏名又は名称】株式会社サマデイ
(74)【代理人】
【識別番号】100205626
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博
(72)【発明者】
【氏名】相川 秀希
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175EA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】AIに投入するデータの入力工数の削減、そして未学習の事項に対する処理が可能なサーバ仲介システム、仲介サーバ及びAIサーバアシストシステムを提供する。
【解決手段】仲介サーバ1は、ユーザ端末3から受信した初期データに、アシストサーバ2が有する学習済モデルから所望の出力を得るために必要な追加データを付加して送信前データを生成し、さらに学習済モデルに固有の入力用フォーマットに従って送信前データから処理対象データを調製し、アシストサーバ2に対して処理対象データの学習済モデルへの入力を指示して送信し、アシストサーバ2から学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済みデータを受信し、処理済みデータを学習済モデルが出力する処理済みデータに固有の出力用フォーマットに基づいてユーザ端末3に出力させる出力用データを調製し、出力用データをユーザ端末に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシストサーバが有する学習済モデルから所望の出力を得るために、ユーザがユーザ端末から送信した初期データに追加するデータである追加情報を格納する追加情報データベースと、
前記アシストサーバごとに、前記学習済モデルに固有の前記学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び前記学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納するフォーマットデータベースと、
前記追加情報データベースから選択された前記追加情報を読み出し、前記初期データに前記追加情報を追加データとして付加して変換前データを生成し、選択された前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記入力用フォーマットを読み出し、前記入力用フォーマットに基づいて前記変換前データを変換して処理対象データを生成し、前記処理対象データを前記アシストサーバに送信して前記学習済モデルに入力して処理させ、前記アシストサーバから前記学習済モデルが前記処理対象データを処理して出力した処理済データを受信し、前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記出力用フォーマットを読み出し、前記出力用フォーマットに基づいて前記処理済データを変換して前記ユーザ端末に表示させる応答データを生成し、前記応答データを前記ユーザ端末に送信する仲介サーバ制御部と、
を備える仲介サーバ。
【請求項2】
前記アシストサーバは、
前記学習済モデルが入力された前記処理対象データに関してまだ学習していない旨の応答を出力した場合、検索エンジンを有する検索サーバに前記学習していない事項に関するキーワードを送信して検索させ、検索によって出力された検索結果に記載された外部サイトのULRにアクセスして前記外部サイトのコンテンツを取得し、取得した前記コンテンツを前記学習済モデルに学習させ、学習後に前記処理対象データを再度投入して処理させ、前記学習済モデルが再度処理した前記処理済データを取得し、前記仲介サーバに送信する請求項1に記載の仲介サーバ。
【請求項3】
前記仲介サーバは、
前記ユーザの活動記録が記載されるポートフォリオを、前記ポートフォリオを格納するポートフォリオサーバから取得し、前記変換前データを生成する際に前記初期データに対して前記追加データと併せて取得した前記ポートフォリオを付加して前記変換前データを生成する請求項1に記載の仲介サーバ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の仲介サーバを備えるサーバ仲介システム。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の前記アシストサーバを備える学習済モデルアシストシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアシストサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ仲介システム、仲介サーバ、学習済モデルアシストシステム、及びアシストサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
今般、AI(Artificial Intelligence:人工知能)と言われる技術が急速に発展してきている。そして、AI、具体的には学習済みモデルが搭載され、通信機能を備えるサーバシステム(以下、このサーバシステムを「AIサーバ」という。)が一般に公開され、自由に利用できる環境が、開発者等から提供されている。
【0003】
最近注目を浴びているAIの一つに、自然言語のデータを入力し、学習済モデルが入力されたデータに対して成立する対話を自然言語により出力する、いわゆるチャット(Chat)型のAIがある(例えば、非特許文献1。)。
【0004】
このチャット型AIは、従来行われてきた、インターネット等による種々のチャットサービスの対話データを教師データとして学習したものであり、利用者であるユーザはチャット型AIとの対話を通じて、所望の出力を得るというものである。
【0005】
従って、チャット型AIから所望の出力を引き出すためには、その前提となる事情や状況、あるいは条件等に加え、どのような出力をして欲しいかを依頼する情報の入力が必要となる。
【0006】
例えば、チャット型AIからMBA(Master of Business Administration:経営学修士)の取得のために通学している大学院のマーケティング理論の期末試験の予想問題と模範解答を得ようとする場合、自分がMBA取得を目指していること、大学院においてマーケティング理論のコースを受講していること、期末試験の範囲などの前提情報と、期末試験の予想問題と模範解答を「教えてほしい」という依頼とを自分のコンピュータなどの端末に対話の形式によって入力しなければならない。
【0007】
しかし、この入力はかなりの労力を必要とするものである。また、苦労して対話文を入力しても、チャット型AIの学習済モデルがまだ学習していない事項については、チャット型AIは所望の出力を行うことができず、まだ学習していない旨の出力を行うのに過ぎないのが現状である。
【0008】
このような入力の工数と、未学習の事項に対する処理への対応の必要性は、チャット型AI以外のAIにおいても生じている。
【0009】
従って、AIに投入するデータの入力工数の削減、そして未学習の事項に対する処理が可能なサーバ仲介システム、仲介サーバ、アシストシステム、及びアシストサーバが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【非特許文献1】https://openai.com/において公開されたChatGPT
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、AIに投入するデータの入力工数の削減、そして未学習の事項に対する処理が可能なサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムを提供することである。
【0012】
なお、上記の「背景技術」、および「発明が解決しようとする課題」に記載した内容は、本発明をするに至った契機(きっかけ)を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、また、本発明の技術的範囲の限定解釈を許容するものでもない(平成17年(行ケ)第10042号、及び出願日における特許庁審査基準第II部第2章 第2節3.2.1参照。)。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、アシストサーバが有する学習済モデルから所望の出力を得るために、ユーザがユーザ端末から送信した初期データに追加するデータである追加情報を格納する追加情報データベースと、前記アシストサーバごとに、前記学習済モデルに固有の前記学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び前記学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納するフォーマットデータベースと、前記追加情報データベースから選択された前記追加情報を読み出し、前記初期データに前記追加情報を追加データとして付加して変換前データを生成し、選択された前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記入力用フォーマットを読み出し、前記入力用フォーマットに基づいて前記変換前データを変換して処理対象データを生成し、前記処理対象データを前記アシストサーバに送信して前記学習済モデルに入力して処理させ、前記アシストサーバから前記学習済モデルが前記処理対象データを処理して出力した処理済データを受信し、前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記出力用フォーマットを読み出し、前記出力用フォーマットに基づいて前記処理済データを変換して前記ユーザ端末に表示させる応答データを生成し、前記応答データを前記ユーザ端末に送信する仲介サーバ制御部と、を備える仲介サーバを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、AIに投入するデータの入力工数の削減、そして未学習の事項に対する処理が可能なサーバ仲介システム、仲介サーバ、学習済モデルアシストシステム、及びアシストサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態の仲介サーバ及びアシストサーバの構成を示す図である。
【
図2】ユーザデータベースのデータ構成の例を示す図である。
【
図3】質問データベースのデータ構成を示す図である。
【
図4】追加情報データベースのデータ構成を示す図である。
【
図5】フォーマットデータベースのデータ構成を示す図である。
【
図6】アカウントデータベースのデータ構成を示す図である。
【
図7】セッション記録データベースのデータ構成を示す図である。
【
図8】AI群として格納される情報の構成を示す図である。
【
図9】第1の実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図10】ユーザ端末に表示される回答・依頼入力画面の例を示す図である。
【
図11】第2の実施形態のサーバ仲介システムを実現する仲介サーバ及び仲介サーバと通信を行うユーザ端末、アシストサーバの構成を示す図である。
【
図12】サイトデータベースのデータ構成を示す図である。
【
図13】第2の実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムの動作を示すフローチャートである。
【
図14】第3の実施形態の仲介サーバ、ユーザ端末、アシストサーバ、ポートフォリオサーバの構成を示す図である。
【
図15】ポートフォリオデータベースのデータ構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係るサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムを詳細に説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
第1の実施形態においては、仲介サーバ1が、ユーザ端末3から受信した初期データに、アシストサーバ2が有する学習済モデルから所望の出力を得るために必要な追加データを付加して送信前データを生成し、さらに学習済モデルに固有の入力用フォーマットに従って送信前データから処理対象データを調製し、アシストサーバ2に対して処理対象データの学習済モデルへの入力を指示して送信し、アシストサーバ2から学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済みデータを受信し、処理済みデータを学習済モデルが出力する処理済みデータに固有の出力用フォーマットに基づいてユーザ端末3に出力させる出力用データを調製し、出力用データをユーザ端末に送信する。
【0018】
仲介サーバ1はユーザ端末3とアシストサーバ2の間のデータのやり取りを仲介し、アシストサーバ2は学習済モデルの動作をアシストする。
【0019】
図1は、本実施形態のサーバ仲介システムを実現する仲介サーバ1及び仲介サーバ1と通信を行うユーザ端末3、アシストサーバ2の構成を示す図である。
【0020】
図1に示すように、仲介サーバ1は、仲介サーバ制御部11と、仲介サーバ記憶部12と、仲介サーバ入出力部・通信部13と、を備える。
【0021】
仲介サーバ制御部11は、CPU(Central processing unit)などの演算装置を備える。仲介サーバ制御部11は、仲介サーバ記憶部12が記憶するソフトウエアを逐次読み出して実行する。
【0022】
仲介サーバ記憶部12は、メモリ、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置を備える。
【0023】
仲介サーバ記憶部12は、仲介サーバ制御部11が実行するソフトウエアのほか、ユーザDB121(以下、データベースをDBという。)と、追加情報DB122と、フォーマットDB123と、を格納する。
【0024】
ユーザDB121は、ユーザごとにユーザの属性等に関する情報であるユーザ情報と、アシストサーバ2との一連の情報のやり取りの履歴を示すラウンド情報と、を格納する。
【0025】
追加情報DB122は、仲介サーバ制御部11がユーザ端末3から受信したデータである初期データに追加する、アシストサーバ2が有する学習済モデルから所望の出力を得るために必要な前提条件、及びどのような出力を希望するのかを示す依頼内容などの追加情報と、追加情報ごとに設定される例文である追加例文と、を格納する。
【0026】
フォーマットDB123は、アシストサーバ2ごとに、アシストサーバ2が格納する学習済モデルに固有の学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納する。
【0027】
仲介サーバ入出力部・通信部13は、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークを介して外部装置との通信を行う通信装置と、を備える。
【0028】
アシストサーバ2は、アシストサーバ制御部21と、アシストサーバ記憶部22と、アシストサーバ入出力部・通信部23と、を備える。
【0029】
アシストサーバ制御部21は、CPUなどの演算装置を備える。アシストサーバ制御部21は、アシストサーバ記憶部22が記憶するソフトウエアを逐次読み出して実行する。
【0030】
アシストサーバ記憶部22は、メモリ、SSD、HDDなどの記憶装置を備える。
【0031】
アシストサーバ記憶部22は、アシストサーバ制御部21が実行するソフトウエアのほか、アカウントDB221と、セッション記録DB222と、AI群223と、を格納する。
【0032】
アカウントDB221は、アシストサーバ2の利用者ごとに固有に割り当てられる識別子であるアカウントと、各アカウントに関する種々の情報を格納する。
【0033】
セッション記録DB222は、仲介サーバ1との一連の情報のやり取りの履歴を示すセッション情報と、各セッション内において交わされたチャットの内容などのチャット情報と、を格納する。
【0034】
AI群223は、学習済モデルごとに各学習済モデルに関する情報と、学習済モデルと、を格納する。AI群223は、複数の学習済モデルと、この複数の学習済モデルをどのように選択して使用するかを判定し、選択された学習済モデルを順次組み合わせて動作させるソフトウエアであるAI操作部と、を含むこともできる。
【0035】
アシストサーバ入出力部・通信部23は、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークを介して外部装置との通信を行う通信装置と、を備える。
【0036】
ユーザ端末3と仲介サーバ1、及び仲介サーバ1とアシストサーバ2とは、インターネットのような公衆通信回線網4を介して接続し、互いに通信を行う。
【0037】
図2は、ユーザDB121のデータ構成の例を示す図である。
図2に示すように、ユーザDB121は、ユーザごとに固有に割り当てられる識別子であるユーザIDと、氏名、連絡先情報などのユーザに関する情報であるユーザ情報と、ラウンドごとに固有に割り当てられる識別子であるラウンドIDと、アクセス日時、ユーザに投与された質問を識別する質問ID、質問に対してなされたユーザの回答内容などのラウンド情報と、ラウンドが発生したアシストサーバ2を識別するアシストサーバIDと、ラウンドが発生したセッションを識別するセッションIDと、を格納する。
【0038】
ここで、ラウンドと、セッションについて説明する。セッションは、ユーザがユーザ端末3を使用して、仲介サーバ1を介してアシストサーバ2との情報のやり取りを開始し、アシストサーバ2との一連の情報のやり取りを終了するまでの情報のやり取りの一つのまとまりを示す。通常、一つのセッションは、一つの話題に関して発生するが、セッションの途中において話題が変更される場合もある。
【0039】
ラウンドは、一つのセッションの中において発生する、ユーザ端末3の仲介サーバ1を介して行われるアシストサーバ2との1回の情報のやり取りを示す。一つのラウンドはユーザ端末3から仲介サーバ1を介してアシストサーバ2に送信される送信方向の情報の流れに始まり、アシストサーバ2から仲介サーバ1を介して受信される受信方向の情報の流れによって終わる。従って、一つのセッションには複数のラウンドが含まれることがある。
【0040】
図3は、質問DBのデータ構成を示す図である。仲介サーバ1の仲介サーバ記憶部12は、質問DBを格納しても、しなくてもよい任意のデータベースである。従って、
図1には図示されていない。
【0041】
質問DBは、質問ごとに固有に割り当てられる識別子である質問IDと、ユーザに対して通常は起こりえない状況を仮定してユーザの言動を問う非認知スキル測定型、ユーザに対して想定外の状況を設定してユーザの対応を問う対応能力測定型などの質問の属性に関する情報である質問属性情報と、質問本文と、を格納する。
【0042】
図4は、追加情報DB122のデータ構成を示す図である。
図4に示すように、追加情報DB122は、仲介サーバ1が初期データに追加する例文ごとに固有に割り当てられる識別子である追加例文IDと、追加情報と、追加例文と、を格納する。
【0043】
図5は、フォーマットDB123のデータ構成を示す図である。
図5に示すように、フォーマットDB123は、アシストサーバ2ごとに割り当てられる識別子であるアシストサーバIDと、入力用フォーマットと、出力用フォーマットと、を格納する。
【0044】
図6は、アカウントDB221のデータ構成を示す図である。
図6に示すように、アカウントDB221は、アシストサーバ2の利用者ごとに固有に割り当てられる識別子であるアカウントと、利用者を識別する識別情報と、学校などの教育目的利用、あるいは企業などによる営利目的利用などのアカウントの属性を示すアカウント属性情報と、を格納する。
【0045】
図7は、セッション記録DB222のデータ構成を示す図である。
図7に示すように、セッション記録DB222は、セッションごとに固有に割り当てられる識別子であるセッションIDと、セッションを行ったアカウントと、セッション開始日時と、セッション終了日時と、セッション内において発生したチャット(発言)ごとに固有に割り当てられる識別子であるチャットIDと、チャットごとのチャット内容と、チャットが相手に読まれた(ユーザ端末3においては表示されたこと、アシストサーバ2においては学習済モデルに入力されたこと、を意味する。)場合にONされる既読フラグと、を格納する。
【0046】
図8は、AI群223として格納される情報の構成を示す図である。
図8に示すように、AI群223は、例えばデータベースのようなインデックスされたデータの集まりとして、学習済モデルごとに固有に割り当てられる識別子である学習済モデルIDと、学習済モデルに入力するデータが具備している必要があるデータタイプ(例えば、平文テキスト、XML、バイナリデータなど。)及びデータ長などの入力フォーマットに関する入力フォーマット情報と、学習済モデルが出力するデータのデータタイプ、データ長などの出力フォーマットに関する出力フォーマット情報と、画像判断、文字判断、自然言語分析・解釈、翻訳、対話などの学習済モデルの属性を示す学習済モデル情報と、学習済モデルの具体的な機能説明と、学習済モデルの本体と、を格納する。AI群223はAI操作部を含むこともできる。
【0047】
図9は、本実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ1、及びAIサーバアシストシステムの動作を示すフローチャートである。サーバ仲介システムは仲介サーバ1が具備するハードウエアとソフトウエアの協働により実現される。AIサーバアシストシステムは、アシストサーバ2が具備するハードウエアとソフトウエアの協働により実現されるが、サーバ仲介システムと協働することにより、アシストサーバ2が具備する学習済モデルの高度利用が可能となる。
【0048】
図9に示すように、ステップ901において、ユーザ端末3の制御部は、仲介サーバ1とのセッションを開始する各種の情報のやり取りの後に、仲介サーバ1に対して質問を要求する指示を送信する。
【0049】
ステップ902において、仲介サーバ制御部11は、質問DBからランダムに、またはユーザに対してまだ投与していない質問から選択して読み出した質問を送信する。
【0050】
ステップ903において、ユーザ端末3の制御部は、ユーザが入力した回答及び必要に応じて依頼を仲介サーバ1に送信する。
【0051】
ここで、ステップ901からステップ903は、質問の要求と送信ではなく、単にユーザ端末3から対話を開始するために入力されたデータを仲介サーバ1が受信するという動作に置き換えることもできる。
【0052】
ステップ904において、仲介サーバ制御部11は、ユーザ端末3から受信した回答(または、対話を開始するためのデータ。以下、これらを初期データという。)と、任意的に受信する依頼と、に基づいて、一つ以上のアシストサーバ2の中から利用すべき学習済モデルを有するアシストサーバ2を選択する。この選択は、仲介サーバ1が仲介サーバ記憶部12に別途記憶するアシストサーバ2に関する情報を格納するデータベースを仲介サーバ制御部11が検索することによって行ってもよい。
【0053】
ステップ905において、仲介サーバ制御部11は、ユーザ端末3から受信したユーザIDに基づいてユーザDBを検索し、アシストサーバID、セッションID、及びラウンド情報が格納されていた場合にはこれらの情報を読み出す。仲介サーバ制御部11は、アシストサーバID、セッションID、及びラウンド情報によって、どのアシストサーバ2の、どのセッションの、どのラウンドの続きをユーザが行いたいのかを特定する。この場合、仲介サーバ制御部11はステップ904において選択したアシストサーバ2に代えて、特定されたアシストサーバ2を選択する。
【0054】
ステップ906において、仲介サーバ制御部11は、読み出したセッションIDを初期データに付加する。
【0055】
ステップ907において、仲介サーバ制御部11は、初期データに依頼文などの追加データを付加して変換前データを生成する。この依頼文は、ユーザが作成してユーザ端末3から送信した文であってもよいし、ユーザがユーザ端末3を介して選択した追加情報に基づいて、仲介サーバ制御部11が追加情報DBを検索して読み出した追加例文であってもよい。
【0056】
具体的な例を以下に挙げる。(
図10参照。)
(1)ユーザに投与された質問
Q1.勝海舟は咸臨丸に乗ってアメリカに向かう洋上にいます。あなたはこの船に乗っている同行者です。あなたは勝海舟に、アメリカに行ったら何をすべきであると提案しますか。
(2)ユーザの回答(初期データ)
A1.私は勝海舟に、アメリカの大統領を食事に招待するように提案します。大統領はハンバーガーが好きでも、ディナーにすべきです。対等な立場であることを示すためです。
(3)ユーザが選択した依頼
(依頼3)客観的な視点で評価してほしい
この場合、仲介サーバ制御部11は上記の(1)~(3)に基づいて、以下のような変換前データを生成する。
(変換前データ:下線部は仲介サーバ制御部11が初期データに付加した追加データ。)
私は次のような質問をされました。
Q1.勝海舟は咸臨丸に乗ってアメリカに向かう洋上にいます。あなたはこの船に乗っている同行者です。あなたは勝海舟に、アメリカに行ったら何をすべきであると提案しますか。
この質問に対して、私は次のように回答しました。
A1.私は勝海舟に、アメリカの大統領を食事に招待するように提案します。大統領はハンバーガーが好きでも、ディナーにすべきです。対等な立場であることを示すためです。
私がQ1に対して回答したA1を客観的な視点で評価してください。
【0057】
ステップ908において、仲介サーバ制御部11は、ステップ904~ステップ905において選択したアシストサーバ2のアシストサーバIDに基づいてフォーマットDB123を検索し、入力用フォーマットを読み出す。仲介サーバ制御部11は、読み出した入力用フォーマットに基づいて変換前データを変換し、処理対象データを生成する。
【0058】
ステップ909において、仲介サーバ制御部11は処理対象データを選択されたアシストサーバ2に送信する。
【0059】
ステップ910において、アシストサーバ制御部21は、受信した処理対象データを学習済モデルに投入(入力)し、処理対象データを学習済モデルに処理させる。
【0060】
ステップ911において、アシストサーバ制御部21は、学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済データを仲介サーバ1に送信する。
【0061】
ステップ912において、仲介サーバ制御部11は、アシストサーバIDに基づいてフォーマットDB123を検索し、出力用フォーマットを読み出す。仲介サーバ制御部11は、読み出した出力用フォーマットに基づいて処理済データを変換し、ユーザ端末3に表示させる応答データを生成する。
【0062】
ステップ913において、仲介サーバ制御部11は、応答データをユーザ端末3に送信する。
【0063】
ステップ914において、ユーザ端末3の制御部は、受信した応答データをユーザ端末3のディスプレイに表示させる。
【0064】
以上の動作のうち、ステップ901~ステップ908をラウンド開始動作、ステップ912~ステップ914をラウンド終了動作という。
【0065】
図10は、ユーザ端末3に表示される回答・依頼入力画面100の例を示す図である。仲介サーバ制御部11は、
図9のステップ902における質問の送信の際に回答・依頼入力画面100のデータを生成してユーザ端末3に送信し、表示させる。
【0066】
図10に示すように、回答・依頼入力画面100は、質問を表示する質問表示欄1001と、ユーザが回答を入力する回答入力欄1002と、依頼を選択するプルダウンメニューである依頼選択欄1003と、依頼選択欄1003のクリックによって表示される依頼詳細欄1004と、入力・選択した情報の仲介サーバ1への送信を指示する送信ボタン1005と、を備える。
【0067】
以上述べたように、本実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムにおいて、仲介サーバ1は、アシストサーバ2が有する学習済モデルから所望の出力を得るために、ユーザがユーザ端末3から送信した初期データに追加するデータである追加情報を格納する追加情報DB122と、アシストサーバ2ごとに、学習済モデルに固有の学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納するフォーマットDB123と、追加情報DB122から選択された追加情報を読み出し、初期データに追加情報を追加データとして付加して変換前データを生成し、選択されたアシストサーバ2に基づいてフォーマットDB123から入力用フォーマットを読み出し、入力用フォーマットに基づいて変換前データを変換して処理対象データを生成し、処理対象データをアシストサーバ2に送信して学習済モデルに入力して処理させ、アシストサーバ2から学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済データを受信し、アシストサーバ2に基づいてフォーマットDB123から出力用フォーマットを読み出し、出力用フォーマットに基づいて処理済データを変換してユーザ端末3に表示させる応答データを生成し、応答データをユーザ端末3に送信する仲介サーバ制御部11と、を備える。
【0068】
従って、本実施形態によれば、AIに投入するデータの入力工数の削減が可能なサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムを提供することができるという効果がある。
【0069】
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、仲介サーバ1の構成と動作は第1の実施形態における仲介サーバ1の構成と動作と同様である。
【0070】
これに対して、第2の実施形態のアシストサーバ2は、アシストサーバ記憶部22にサイトDB224をさらに格納する。
【0071】
そして、第2の実施形態のアシストサーバ制御部21は、学習済モデルが入力された処理対象データに関してまだ学習していない旨の応答を出力した場合、サイトDB224から検索サーバ5のサイトURL(Uniform Resource Locator)を読み出し、読み出したサイトURLに学習していない事項に関するキーワードを送信して検索し、検索によって出力された検索結果に記載された外部サイト6のULRにアクセスしてそのサイトのコンテンツを取得し、取得したコンテンツを学習済モデルに学習させ、学習後に処理対象データを再度投入して処理させ、処理済データを取得する点において、第1の実施形態におけるアシストサーバ2の構成と動作と動作が異なる。
【0072】
図11は、本実施形態のサーバ仲介システムを実現する仲介サーバ1及び仲介サーバ1と通信を行うユーザ端末3、アシストサーバ2の構成を示す図である。
【0073】
本実施形態のアシストサーバ2は、アシストサーバ記憶部22にサイトDB224をさらに格納する。また、アシストサーバ2は、インターネットのような公衆通信回線網4を介して検索サーバ5及び外部サイト6にさらに接続し、互いに通信を行う。
【0074】
ここで、検索サーバ5は、キーワードを入力すると、そのキーワードに関連のある外部サイト6のリストとURLを出力する検索エンジンを備える。また、外部サイト6は、URLへのアクセスがあるとアクセス元に対してコンテンツを送信する。
【0075】
図12は、サイトDB224のデータ構成を示す図である。
図12に示すように、サイトDB224は、サイトに固有に割り当てられる識別子であるサイトIDと、検索エンジンに特異な分野がある場合における得意分野などのサイト属性情報と、サイトのURLを示すサイトURLを格納する。
【0076】
図13は、本実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ1、及びAIサーバアシストシステムの動作を示すフローチャートである。サーバ仲介システムは仲介サーバ1が具備するハードウエアとソフトウエアの協働により実現される。AIサーバアシストシステムは、アシストサーバ2が具備するハードウエアとソフトウエアの協働により実現されるが、サーバ仲介システムと協働することにより、アシストサーバ2が具備する学習済モデルの更なる高度利用が可能となる。
【0077】
具体的には、従来技術の学習済モデルは、学習が済んでいない事項に対する応答は困難であったが、本実施形態によれば、アシストサーバ2が学習済モデルのまだ学習していない事項について検索エンジンを有する検索サーバ5を利用してその事項の記載がある外部サイト6のURLを探し出し、外部サイト6にアクセスしてその事項に関連のあるコンテンツを取得し、学習済モデルに取得したコンテンツを学習させることにより、学習済モデルの更なる学習をアシストして学習済モデルの更なる高度利用を実現する。
【0078】
本実施形態においては、インターネットなどの公衆通信回線網4を介して接続可能な全世界のすべてのサイトのコンテンツを学習済モデルの学習のバックグラウンドとすることが可能となり、学習済モデルをさらに高性能にすることが可能となるほか、従来キーワードの入力と検索結果の確認といった時間と手間のかかる作業がなくなるという効果も期待できる。
【0079】
図13に示すように、ステップ1301において、ユーザ端末3の制御部と仲介サーバ制御部11は、ラウンド開始動作を実行する。
【0080】
ステップ1302において、仲介サーバ制御部11は、処理対象データをアシストサーバ2に送信する。
【0081】
ステップ1303において、アシストサーバ制御部21は、仲介サーバ1から受信した処理対象データを学習済モデルに投入する。
【0082】
ステップ1304において、アシストサーバ制御部21は、学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済みデータを取得する。
【0083】
ステップ1305において、アシストサーバ制御部21は、処理済データが学習済ではない旨の内容を含んでいるか否かを判定する。アシストサーバ制御部21は、処理済データが学習済ではない旨の内容を含んでいないと判定した場合(ステップ1305のN。)、ステップ1313に進み、処理済データが学習済ではない旨の内容を含んでいると判定した場合(ステップ1305のY。)、ステップ1306に進む。
【0084】
ステップ1306において、アシストサーバ制御部21は、処理済データの中から学習済ではない事項、特に名詞をキーワードとして抽出し、サイトDB224からそのキーワードの分野を得意とする検索エンジン、またはそうような検索エンジンがヒットしなかった場合には一般的な事項を検索できる検索エンジンを有する検索サーバ5のURLを読み出す。そして、アシストサーバ制御部21は、読み出した検索サーバ5にアクセスし、キーワードを検索情報として検索エンジンに送信・入力する。
【0085】
ステップ1307において、検索サーバ5は、キーワードに関連する情報が記載されている外部サイト6のURLが記載された検索結果をアシストサーバ制御部21に送信する。
【0086】
ステップ1308において、アシストサーバ制御部21は、検索結果から外部サイト6のURLを読み出して、外部サイト6にアクセスする。
【0087】
ステップ1309において、外部サイト6の制御部は、コンテンツをアシストサーバ2に送信する。
【0088】
ステップ1310において、アシストサーバ制御部21は、処理対象データを説明変数とし、コンテンツを目的変数とした教師データを生成し、学習済モデルに生成した教師データを学習させる。
【0089】
ステップ1311において、アシストサーバ制御部21は、処理対象データを学習済モデルに再度投入する。
【0090】
ステップ1312において、アシストサーバ制御部21は、学習済モデルが処理対象データを処理して出力した処理済みデータを再取得し、仲介サーバ1に送信する。
【0091】
ステップ1313において、ユーザ端末3の制御部と仲介サーバ制御部11は、ラウンド終了動作を実行する。
【0092】
以上述べたように、本実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムにおいて、アシストサーバ2は、アシストサーバ記憶部22にサイトDB224をさらに格納し、アシストサーバ制御部21は、学習済モデルが入力された処理対象データに関してまだ学習していない旨の応答を出力した場合、サイトDB224から検索サーバ5のサイトURLを読み出し、読み出したサイトURLに学習していない事項に関するキーワードを送信して検索させ、検索によって出力された検索結果に記載された外部サイト6のULRにアクセスして外部サイト6のコンテンツを取得し、取得したコンテンツを学習済モデルに学習させ、学習後に処理対象データを再度投入して処理させ、処理済データを取得する。
【0093】
従って、アシストサーバ2が学習済モデルのまだ学習していない事項について検索エンジンを有する検索サーバ5を利用してその事項の記載がある外部サイト6のURLを探し出し、外部サイト6にアクセスしてその事項に関連のあるコンテンツを取得し、学習済モデルに取得したコンテンツを学習させ、学習後に処理対象データを再度投入して処理させ、処理済データを取得することが可能となるという効果がある。
【0094】
(第3の実施形態)
第3の実施形態においては、アシストサーバ2の構成と動作は第2の実施形態におけるアシストサーバ2の構成と動作と同様である。
【0095】
これに対して、第3の実施形態の仲介サーバ1は、公衆通信回線網4を介してポートフォリオサーバ8に接続し、仲介サーバ制御部11はポートフォリオサーバ8からユーザがあらかじめポートフォリオサーバ8のポートフォリオDB821に格納したポートフォリオを取得し、変換前データを生成する際に初期データに対して追加データと併せて取得したポートフォリオを付加する点において、第1の実施形態及び第2の実施形態の仲介サーバ1の動作と異なる。
【0096】
以下に、先ずポートフォリオサーバ8の構成について説明し、その後、仲介サーバ制御部11がポートフォリオサーバ8のポートフォリオDB821からポートフォリオを取得する動作について説明する。
【0097】
図14は、本実施形態のサーバ仲介システムを実現する仲介サーバ1及び仲介サーバ1と通信を行うユーザ端末3、アシストサーバ2、ポートフォリオサーバ8の構成を示す図である。
【0098】
仲介サーバ1及びアシストサーバ2の構成についてはすでに説明したため、ここではポートフォリオサーバ8の構成を説明する。
【0099】
図14に示すように、ポートフォリオサーバ8は、ポートフォリオサーバ制御部81と、ポートフォリオサーバ記憶部82と、ポートフォリオサーバ入出力部・通信部83と、を備える。
【0100】
ポートフォリオサーバ制御部81は、CPUなどの演算装置を備える。ポートフォリオサーバ制御部81は、ポートフォリオサーバ記憶部82が記憶するソフトウエアを逐次読み出して実行する。
【0101】
ポートフォリオサーバ記憶部82は、メモリ、SSD、HDDなどの記憶装置を備える。
【0102】
ポートフォリオサーバ記憶部82は、ポートフォリオサーバ制御部81が実行するソフトウエアのほか、ポートフォリオDB821を格納する。
【0103】
ポートフォリオサーバ入出力部・通信部83は、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークを介して外部装置との通信を行う通信装置と、を備える。
【0104】
図15は、ポートフォリオDB821のデータ構成の例を示す図である。
図15に示すように、ポートフォリオDB821は、ユーザID別に、ポートフォリオに固有に割り当てられる識別子であるポートフォリオIDと、ポートフォリオの本体であるポートフォリオデータと、を格納する。
【0105】
次に、仲介サーバ制御部11がポートフォリオサーバ8のポートフォリオDB821からポートフォリオを取得する動作について、第1の実施形態における仲介サーバ制御部11の動作と異なる部分についてのみ説明する。
【0106】
第1の実施例のステップ906の動作が以下のように変更となる。
「 ステップ906において、仲介サーバ制御部11は、ユーザ端末3から受信したユーザIDに基づいてポートフォリオDB821からポートフォリオデータを読み出して仲介サーバ1に送信する旨の指示をポートフォリオサーバ8に送信する。仲介サーバ制御部11は、セッションID、及びポートフォリオサーバ8から受信したポートフォリオデータを初期データに付加する。」
【0107】
以上述べたように、本実施形態のサーバ仲介システム、仲介サーバ、及びAIサーバアシストシステムにおいて、仲介サーバ1は、公衆通信回線網4を介してポートフォリオサーバ8に接続し、仲介サーバ制御部11はポートフォリオサーバ8からユーザがあらかじめポートフォリオサーバ8のポートフォリオDB821に格納したポートフォリオを取得し、変換前データを生成する際に初期データに対して追加データと併せて取得したポートフォリオを付加する。
【0108】
ここで、ポートフォリオについて説明する。近年においては、大学入学試験などのような入学試験、あるいは企業における人事評価、ないし人事選考に際して、学力試験のみならず、学生時代などに学校における各種の活動以外に、例えばボランティア活動への参加や、スポーツ体系での受賞経験、海外への渡航経験に関する情報などのいわゆる活動記録をまとめたポートフォリオを提出させ、ポートフォリオを評価に加える試みがなされている。
【0109】
ポートフォリオの生成には、表計算ソフトやワープロソフトなどを用いることもできるが、最近ではクラウドを利用したポートフォリオ作成システムを利用することによって工数の削減のほか、ほかのユーザとのコンタクトを通じて互いに刺激しあうことなどが可能となるシステムが出願人のほか、数社から提供されている。
【0110】
そうすると、このポートフォリオには、ユーザの価値観や、興味の方向性、あるいは人格の一部などが表れていることとなる。
【0111】
従って、本実施形態によれば、仲介サーバ1が、ユーザのポートフォリオデータを初期データに付加して変換前データを生成し、この変換前データをフォーマット変換して処理対象データを生成し、この処理対象データを学習済モデルに入力するため、ポートフォリオデータを付加しない場合に比べて、よりユーザの個性に合った処理済データが出力されるという効果がある。
【符号の説明】
【0112】
1 仲介サーバ
2 アシストサーバ
3 ユーザ端末
4 公衆通信回線網
5 検索サーバ
6 外部サイト
8 ポートフォリオサーバ
11 仲介サーバ制御部
12 仲介サーバ記憶部
13 仲介サーバ入出力部・通信部
21 アシストサーバ制御部
22 アシストサーバ記憶部
23 アシストサーバ入出力部・通信部
81 ポートフォリオサーバ制御部
82 ポートフォリオサーバ記憶部
83 ポートフォリオサーバ入出力部・通信部
100 回答・依頼入力画面
223 AI群
1001 質問表示欄
1002 回答入力欄
1003 依頼選択欄
1004 依頼詳細欄
1005 送信ボタン
【手続補正書】
【提出日】2023-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシストサーバが有する学習済モデルから所望の出力を得るために、ユーザがユーザ端末から送信した初期データに追加するデータである追加情報を格納する追加情報データベースと、
前記アシストサーバごとに、前記学習済モデルに固有の前記学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び前記学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納するフォーマットデータベースと、
前記追加情報データベースから選択された前記追加情報を読み出し、前記初期データに前記追加情報を追加データとして付加して変換前データを生成し、選択された前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記入力用フォーマットを読み出し、前記入力用フォーマットに基づいて前記変換前データを変換して処理対象データを生成し、前記処理対象データを前記アシストサーバに送信して前記学習済モデルに入力して処理させ、前記アシストサーバから前記学習済モデルが前記処理対象データを処理して出力した処理済データを受信し、前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記出力用フォーマットを読み出し、前記出力用フォーマットに基づいて前記処理済データを変換して前記ユーザ端末に表示させる応答データを生成し、前記応答データを前記ユーザ端末に送信する仲介サーバ制御部と、
を備える仲介サーバ。
【請求項2】
前記アシストサーバは、
前記学習済モデルが入力された前記処理対象データに関してまだ学習していない旨の応答を出力した場合、検索エンジンを有する検索サーバに前記学習していない事項に関するキーワードを送信して検索させ、検索によって出力された検索結果に記載された外部サイトのURLにアクセスして前記外部サイトのコンテンツを取得し、取得した前記コンテンツを前記学習済モデルに学習させ、学習後に前記処理対象データを再度投入して処理させ、前記学習済モデルが再度処理した前記処理済データを取得し、前記仲介サーバに送信する請求項1に記載の仲介サーバ。
【請求項3】
前記仲介サーバは、
前記ユーザの活動記録が記載されるポートフォリオを、前記ポートフォリオを格納するポートフォリオサーバから取得し、前記変換前データを生成する際に前記初期データに対して前記追加データと併せて取得した前記ポートフォリオを付加して前記変換前データを生成する請求項1に記載の仲介サーバ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の仲介サーバを備えるサーバ仲介システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシストサーバが有する学習済モデルから所望の出力を得るために、ユーザがユーザ端末から送信した初期データに追加するデータである追加情報を格納する追加情報データベースと、
前記アシストサーバごとに、前記学習済モデルに固有の前記学習済モデルへ入力するデータに要求されるフォーマットである入力用フォーマット、及び前記学習済モデルが出力する処理済データに固有の出力用フォーマットを格納するフォーマットデータベースと、
前記追加情報データベースから選択された前記追加情報を読み出し、前記初期データに前記追加情報を追加データとして付加して変換前データを生成し、選択された前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記入力用フォーマットを読み出し、前記入力用フォーマットに基づいて前記変換前データを変換して処理対象データを生成し、前記処理対象データを前記アシストサーバに送信して前記学習済モデルに入力して処理させ、前記アシストサーバから前記学習済モデルが前記処理対象データを処理して出力した処理済データを受信し、前記アシストサーバに基づいて前記フォーマットデータベースから前記出力用フォーマットを読み出し、前記出力用フォーマットに基づいて前記処理済データを変換して前記ユーザ端末に表示させる応答データを生成し、前記応答データを前記ユーザ端末に送信する仲介サーバ制御部と、
を備える仲介サーバ。
【請求項2】
前記仲介サーバは、
前記ユーザの活動記録が記載されるポートフォリオを、前記ポートフォリオを格納するポートフォリオサーバから取得し、前記変換前データを生成する際に前記初期データに対して前記追加データと併せて取得した前記ポートフォリオを付加して前記変換前データを生成する請求項1に記載の仲介サーバ。