(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114113
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】飲料自動提供システム及び飲料提供機
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240816BHJP
G07F 13/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07F13/02 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019593
(22)【出願日】2023-02-12
(71)【出願人】
【識別番号】505356424
【氏名又は名称】株式会社ワイズ・ラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100126675
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 将彦
(72)【発明者】
【氏名】内橋 義人
【テーマコード(参考)】
3E047
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
3E047HA07
5L030BB46
5L049BB46
(57)【要約】
【課題】 ユーザが飲料の提供を受ける飲料提供機を、ユーザが端末を通じて選択することを可能にする飲料自動提供システムを提供する。
【解決手段】 本開示による飲料自動提供システム101は、複数の飲料提供機3と制御サーバ1とを備えている。飲料提供機3は、容器に飲料を注ぐことにより、ユーザ10に飲料を提供する。制御サーバ1は、飲料提供機3にネットワーク9を通じて接続され、飲料提供機3を制御するとともに、ネットワーク9に接続されるユーザ端末7を通じたユーザ10のアクセスを受け付ける。制御サーバ1は、更に、アクセスを受け付けたユーザ10による、ユーザ端末7を通じた複数の飲料提供機3のいずれかの選択を受け付け、選択された飲料提供機3に飲料を提供させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に飲料を注ぐことにより、ユーザに飲料を提供する複数の飲料提供機と、
前記複数の飲料提供機にネットワークを通じて接続され、前記複数の飲料提供機を制御するとともに、前記ネットワークに接続されるユーザ端末を通じたユーザのアクセスを受け付ける制御サーバと、を備え、
前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けたユーザによる、前記ユーザ端末を通じた前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付け、選択された前記飲料提供機に前記飲料を提供させる、飲料自動提供システム。
【請求項2】
前記複数の飲料提供機の各々は、自身が選択されたときに、自身の前に居る人物に付随し、前記人物を識別し得る所定種類のデータである人物識別データを取得する人物識別データ取得部を有し、
前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、
選択された前記飲料提供機が取得した前記人物識別データに基づき、選択された前記飲料提供機の前に居る前記人物が、前記飲料提供機を選択したユーザであることを認証し、かつ、
認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の所定領域内にあることを検知し、
選択された前記飲料提供機は、自身の前に居る人物が、自身を選択したユーザであることが認証され、かつ、自身の前に居る前記人物が、自身の前方の前記所定領域内にあることが検知された場合に限り、前記飲料を提供する、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項3】
前記制御サーバは、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザを、所定のユーザ登録データの入力を条件として登録ユーザとして登録するユーザ登録部を有し、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザが、前記登録ユーザである場合に限り、前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付け、
前記人物識別データは、顔画像データであり、
前記ユーザ登録データは、登録するユーザの顔画像データを含み、
前記人物識別データ取得部は、前記人物の顔画像を撮像することにより、前記人物の顔画像データを生成するカメラを有し、
前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、選択された前記飲料提供機が有する前記カメラが撮像することにより得られる前記顔画像データと、前記選択をした前記ユーザの、登録された顔画像データとを対比することにより、前記認証を行う、請求項2に記載の飲料自動提供システム。
【請求項4】
前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、前記カメラにより撮像され認証された前記人物の前記顔画像が、カメラ視野内の所定の大きさ以上であることを検知することにより、認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の前記所定領域内にあることを検知する、請求項3に記載の飲料自動提供システム。
【請求項5】
前記制御サーバは、前記選択をした前記ユーザのユーザ端末に、前記ユーザを識別し得るユーザ識別データを送信し、
選択された前記飲料提供機が有する前記人物識別データ取得部は、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末が出力する、受信した前記ユーザ識別データを、前記人物識別データとして取得し、
前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、選択された前記飲料提供機が有する前記人物識別データ取得部が取得する前記人物識別データと、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末に送信された前記ユーザ識別データとを対比することにより、前記認証を行う、請求項2に記載の飲料自動提供システム。
【請求項6】
前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末が前記ユーザ識別データを出力する位置を検知することにより、認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の前記所定領域内にあることを検知する、請求項5に記載の飲料自動提供システム。
【請求項7】
前記複数の飲料提供機の各々は、自身を他と識別する飲料提供機識別コードを有しており、
前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機が有する前記飲料提供機識別コードを、選択した前記ユーザが前記ユーザ端末を用いて読み取り、前記ネットワークを通じて送信した画像データを、受信したときに限り、選択された前記飲料提供機に飲料を提供させる、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項8】
前記複数の飲料提供機の各々は、光を放射する発光装置を有しており、
前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機が有する前記発光装置に光を放射させる、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項9】
前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機のうちの少なくとも一群の飲料提供機の間で、互いに同期しつつ前記光を放射することにより、光の演出を実現するように、前記発光装置を制御するとともに、前記少なくとも一群の飲料提供機のうちのいずれかがユーザによって選択されることにより、選択された前記飲料提供機が有する前記発光装置に光を放射させるときには、前記光の演出を停止する、請求項8に記載の飲料自動提供システム。
【請求項10】
前記複数の飲料提供機の各々は、前方を撮影するカメラを有しており、
前記複数の飲料提供機の各々又は前記制御サーバは、前記カメラが撮影した画像が人の画像であるか否かを判定する画像判定部を有しており、
選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像が人の画像であると判定された場合に限り、飲料を提供する、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項11】
前記画像判定部は、前記カメラが撮影した画像が人の画像であると判定した場合に、当該人が成人であるか否かを更に判定し、
選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像が、成人の画像であると判定された場合に限り、飲料を提供する、請求項10に記載の飲料自動提供システム。
【請求項12】
前記複数の飲料提供機の各々は、前方を撮影するカメラを有しており、
前記複数の飲料提供機の各々又は前記制御サーバは、前記カメラが撮影した画像に基づき、飲料を注ぐことのできる容器が、飲料を注入可能な所定位置にあるか否かを判定する容器位置判定部を有しており、
選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像により、飲料を注ぐことのできる前記容器が、前記所定位置にあると判定された場合に限り、飲料を提供する、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項13】
選択された前記飲料提供器は、自身が有する前記カメラが撮影した、前記容器に注入された飲料の画像に基づき、飲料が所定量注がれたか否かを判定する、注入量判定部を有しており、
選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像により、飲料が所定量注がれたと判断されると、飲料の提供を停止する、請求項12に記載の飲料自動提供システム。
【請求項14】
前記制御サーバは、前記ユーザ端末を通じてアクセスする前記ユーザの要求に応じて、前記複数の飲料提供機が設置される1以上の施設と、当該1以上の施設の各々に設置される1以上の飲料提供機が提供する飲料の種類と、の一覧を画面表示する一覧データを、前記要求をした前記ユーザの前記ユーザ端末に返信し、
前記ユーザは、返信された前記一覧データを前記ユーザ端末に画面表示し、画面表示された前記一覧データ上で前記ユーザが操作することにより行われる、前記施設と前記飲料の種類との選択を受け付けることにより、前記複数の飲料提供機のいずれかの前記選択を行うことが可能である、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項15】
前記制御サーバは、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザを、所定のユーザ登録データの入力を条件として登録ユーザとして登録するユーザ登録部を有し、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザが、前記登録ユーザである場合に限り、前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付け、
前記制御サーバは、
選択をした前記ユーザに課金する課金部と、を更に有する、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項16】
前記制御サーバは、
前記複数の飲料提供機のうちの1以上の飲料提供機を管理する飲料提供機管理者を、自身が管理する前記1以上の飲料提供機を特定する情報を含む所定の管理者登録データの提供を条件として、登録管理者として登録する管理者登録部を、更に有し、
前記課金部は、選択された前記飲料提供機が、登録管理者が管理する飲料提供機である場合に、前記ユーザに課金した金額の全額又は一部を、選択された前記飲料提供機を管理する登録管理者の口座に送金する、請求項15に記載の飲料自動提供システム。
【請求項17】
前記複数の飲料提供機の各々は、提供する飲料の残量が尽きていることを検知する残量消尽検知器を有し、飲料を提供する間に前記残量消尽が検知されると前記制御サーバに通知し、
前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機から残量消尽の通知を受けたときには、選択をした前記ユーザへの課金を免除する、請求項15に記載の飲料自動提供システム。
【請求項18】
前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けた前記ユーザによる、前記複数の飲料提供機のうちの2以上の選択を受け付けるとともに、選択された各飲料提供機が提供すべき飲料の量又は比率についての指示をも受け付け、選択された前記2以上の飲料提供機に、指示された前記量又は前記比率の前記飲料を提供させる、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項19】
前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けた前記ユーザによる、前記複数の飲料提供機のうちの2以上の選択を受け付けるとともに、選択された前記2以上の飲料提供機から1つをランダムに選んで、前記飲料を提供させるランダムモードを、設定可能である、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項20】
前記複数の飲料提供機の各々は、提供すべき飲料の温度を調節する温度調節器を有しており、
前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機の前記温度調節器を個別に制御することにより、提供すべき飲料の温度を、個別に設定する、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項21】
前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機の各々の、飲料の種類及び設置場所の天候のうち少なくとも1つを表すデータの入力を受け付け、受け付けた前記データに応じて、提供すべき飲料の前記温度を設定する、請求項20に記載の飲料自動提供システム。
【請求項22】
前記複数の飲料提供機の各々は、
提供する飲料を収容する飲料容器を収納し、前記飲料容器の出し入れを可能にする開閉蓋を有する飲料容器収納室と、
前記開閉蓋を閉状態に解除可能に保持する錠と、
前記錠の施錠及び解錠を検知する錠センサと、を有し、
前記錠センサが検知した施錠及び解錠を前記制御サーバに伝え、
前記制御サーバは、前記解錠を伝えた飲料提供機の、ユーザによる選択を、前記施錠が伝えられるまで中止するか、又は前記施錠が伝えられるまで前記飲料提供機に伝えるのを待つ、請求項1に記載の飲料自動提供システム。
【請求項23】
前記複数の飲料提供機の各々は、前記飲料容器の内容物を、連続して提供する連続モードを選択及び解除するスイッチを有する、請求項22に記載の飲料自動提供システム。
【請求項24】
前記残量消尽検知器は、飲料の流路を囲むように配置された電極を有し、前記電極が検知する流路内の静電容量の変化により、前記残量消尽を検知する、請求項17に記載の飲料自動提供システム。
【請求項25】
容器に飲料を注ぐことにより、ユーザに飲料を提供する飲料提供機であって、前記飲料提供機は、請求項1から24のいずれかに記載の飲料自動提供システムが備える前記複数の飲料提供機のいずれかである、飲料提供機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料自動提供システム及び飲料提供機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、飲料を提供する様々な自動販売機が知られている。また、瓶あるいは缶などの容器に封入された形態で、飲料を提供するタイプのみならず、カップのような開いた容器に飲料を注ぐことにより、ユーザに飲料を提供する形態の自動販売機も知られている(例えば、非特許文献1)。しかしいずれの自動販売機も、ユーザが自動販売機の前に立って、自動販売機の選択ボタンを押すことにより、飲料の提供を受ける形態に止まっている。
【0003】
特許文献1には、各所に設置される飲料自動販売機がネットワークを通じてサーバに繋がり、ユーザが携帯端末を通じてサーバと情報交換することが可能な飲料自動提供システムが開示されている。しかし特許文献1においても、ユーザがサーバから自動販売機に関する情報を携帯端末に受け取る技術は開示されるものの、飲料の提供を受ける自動販売機をユーザが携帯端末を通じて選択する技術については、開示が無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】越後のお酒ミュージアム・ぽんしゅ館・越後湯沢店のウェブページ(https://www.google.com/maps/uv?pb=!1s0x601e02254ee9e789%3A0x51157bc0f2b482e5!3m1!7e115!4shttps%3A%2F%2Flh5.googleusercontent.com%2Fp%2FAF1QipMcxVYMx-2H_hDjct-TX3pfekCObI1Cap6Akc-Z%3Dw260-h175-n-k-no!5z44G944KT44GX44KF6aSoIOWIqeOBjemFkiAtIEdvb2dsZSDmpJzntKI!15sCgIgAQ&imagekey=!1e10!2sAF1QipPxXBl-GHPs3klV_jpZQU8tfaJRCnesDqCqubJU&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjs__3gpKj8AhVrnFYBHd5cCrQQ7ZgBKAB6BAgIEAI)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者は、スマートフォンなどの端末の利用が普及している今日、ユーザが端末を利用して飲料提供機を選択し、飲料の提供を受けることができれば、便宜であろうと考えた。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、本発明の一態様は、ユーザが飲料の提供を受ける飲料提供機を、ユーザが端末を通じて選択することを可能にする飲料自動提供システムを提供することを目的とする。本発明の別の一態様は、本発明の飲料自動提供システムに組込可能な飲料提供機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、飲料自動提供システムであって、容器に飲料を注ぐことにより、ユーザに飲料を提供する複数の飲料提供機と、前記複数の飲料提供機にネットワークを通じて接続され、前記複数の飲料提供機を制御するとともに、前記ネットワークに接続されるユーザ端末を通じたユーザのアクセスを受け付ける制御サーバと、を備えている。前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けたユーザによる、前記ユーザ端末を通じた前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付け、選択された前記飲料提供機に前記飲料を提供させる。
【0008】
この構成によれば、ユーザは、ユーザ端末を通じて制御サーバにアクセスすることにより、所望の飲料提供機が提供する飲料の提供を受けることができる。なお、ユーザ端末は、ユーザが操作する端末であれば足り、ユーザの所有物であることを要しない。
【0009】
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、自身が選択されたときに、自身の前に居る人物に付随し、前記人物を識別し得る所定種類のデータである人物識別データを取得する人物識別データ取得部を有する。前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、選択された前記飲料提供機が取得した前記人物識別データに基づき、選択された前記飲料提供機の前に居る前記人物が、前記飲料提供機を選択したユーザであることを認証し、かつ、認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の所定領域内にあることを検知する。選択された前記飲料提供機は、自身の前に居る人物が、自身を選択したユーザであることが認証され、かつ、自身の前に居る前記人物が、自身の前方の前記所定領域内にあることが検知された場合に限り、前記飲料を提供する。
【0010】
この構成によれば、飲料提供機を選択したユーザ以外の者に、誤って飲料提供機が飲料を提供することが防止される。また、飲料提供機の前方の所定領域内に、飲料提供機を選択したユーザが居ない場合に、誤って飲料提供機が飲料を提供することも防止される。
【0011】
本発明のうち第3の態様によるものは、第2の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザを、所定のユーザ登録データの入力を条件として登録ユーザとして登録するユーザ登録部を有し、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザが、前記登録ユーザである場合に限り、前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付ける。前記人物識別データは、顔画像データである。前記ユーザ登録データは、登録するユーザの顔画像データを含んでいる。前記人物識別データ取得部は、前記人物の顔画像を撮像することにより、前記人物の顔画像データを生成するカメラを有している。前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、選択された前記飲料提供機が有する前記カメラが撮像することにより得られる前記顔画像データと、前記選択をした前記ユーザの、登録された顔画像データとを対比することにより、前記認証を行う。
【0012】
この構成によれば、ユーザは格別の物を手に持つこともなく、選択した飲料提供機の前に位置するだけで、その者が当該飲料提供機を選択したユーザであるという、ユーザ認証を得ることができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様によるものは、第3の態様による飲料自動提供システムであって、前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、前記カメラにより撮像され認証された前記人物の前記顔画像が、カメラ視野内の所定の大きさ以上であることを検知することにより、認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の前記所定領域内にあることを検知する。
【0014】
この構成によれば、認証された前記人物が、選択された飲料提供機の前方の所定領域内にあることを、カメラが撮像することにより得られる顔画像データを用いて、容易に検知することができる。
【0015】
本発明のうち第5の態様によるものは、第2の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記選択をした前記ユーザのユーザ端末に、前記ユーザを識別し得るユーザ識別データを送信する。選択された前記飲料提供機が有する前記人物識別データ取得部は、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末が出力する、受信した前記ユーザ識別データを、前記人物識別データとして取得する。前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、選択された前記飲料提供機が有する前記人物識別データ取得部が取得する前記人物識別データと、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末に送信された前記ユーザ識別データとを対比することにより、前記認証を行う。
【0016】
この構成によれば、ユーザは自身の顔画像データを事前に登録することを要さずに、選択した飲料提供機の前に居る自身が、当該飲料提供機を選択したユーザであるという、ユーザ認証を得ることができる。ユーザ識別データは、例えば、ユーザ毎に異なる二次元バーコード、数字列、文字列、ユーザによる選択が発生する毎に生成される乱数などである。ユーザは、例えば、自身のユーザ端末に受信したユーザ識別データを、ユーザ端末の画面に出力し、人物識別データ取得部は、カメラを有していて、出力されたユーザ識別データを、カメラにより人物識別データとして取得する。別の例として、ユーザは、自身のユーザ端末に受信したユーザ識別データを、スピーカにより音声として出力し、人物識別データ取得部は、マイクロフォンを有していて、出力されたユーザ識別データを、マイクロフォンにより人物識別データとして取得する。
【0017】
本発明のうち第6の態様によるものは、第5の態様による飲料自動提供システムであって、前記サーバ又は選択された前記飲料提供機は、前記選択をした前記ユーザの前記ユーザ端末が前記ユーザ識別データを出力する位置を検知することにより、認証された前記人物が、選択された前記飲料提供機の前方の前記所定領域内にあることを検知する。
【0018】
この構成によれば、認証された前記人物が、選択された飲料提供機の前方の所定領域内にあることを、ユーザ識別データを出力する位置を検知することにより、容易に検知することができる。ユーザ識別データを出力する位置の検知は、例えば、人物識別データ取得部がカメラを有していて、ユーザ端末の画面に出力されたユーザ識別データのカメラ視野内の大きさを検知することにより行われる。別の例として、人物識別データ取得部がステレオ・マイクロフォンを有していて、ユーザ端末のスピーカによりユーザ識別データが音声として出力される空間上の位置を検知することにより行われる。
【0019】
本発明のうち第7の態様によるものは、第1の態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、自身を他と識別する飲料提供機識別コードを有している。前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機が有する前記飲料提供機識別コードを、選択した前記ユーザが前記ユーザ端末を用いて読み取り、前記ネットワークを通じて送信した画像データを、受信したときに限り、選択された前記飲料提供機に飲料を提供させる。
この構成によれば、飲料提供機を選択したユーザ以外の者が、誤って飲料提供機から飲料の提供を受けることが防止される。
【0020】
本発明のうち第8の態様によるものは、第1から第7のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、光を放射する発光装置を有している。前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機が有する前記発光装置に光を放射させる。
この構成によれば、ユーザは、自身が選択した飲料提供機を、放射される光により確認することができる。
【0021】
本発明のうち第9の態様によるものは、第8の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機のうちの少なくとも一群の飲料提供機の間で、互いに同期しつつ前記光を放射することにより、光の演出を実現するように、前記発光装置を制御するとともに、前記少なくとも一群の飲料提供機のうちのいずれかがユーザによって選択されることにより、選択された前記飲料提供機が有する前記発光装置に光を放射させるときには、前記光の演出を停止する。
【0022】
この構成によれば、一群の飲料提供機を互いに近接して配置することにより、これらの飲料提供機の全体による光の演出が実現する。また、ユーザにより選択された飲料提供機が、選択された飲料提供機であることをユーザに通知するために光を放射するときには、光の演出が停止するので、ユーザへの通知が妨げられない。一群の飲料提供機の間の光の演出は、それらの飲料提供機のうちのいずれかが選択される前から行われていてもよく、選択されてから行われてもよい。
【0023】
本発明のうち第10の態様によるものは、第1の態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、前方を撮影するカメラを有している。前記複数の飲料提供機の各々又は前記制御サーバは、前記カメラが撮影した画像が人の画像であるか否かを判定する画像判定部を有している。選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像が人の画像であると判定された場合に限り、飲料を提供する。
この構成によれば、選択された飲料提供機の前に人が居ない場合に、誤って飲料提供機が飲料を提供することが防止される。
【0024】
本発明のうち第11の態様によるものは、第10の態様による飲料自動提供システムであって、前記画像判定部は、前記カメラが撮影した画像が人の画像であると判定した場合に、当該人が成人であるか否かを更に判定する。選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像が、成人の画像であると判定された場合に限り、飲料を提供する。
この構成によれば、飲料がアルコールを含む飲料である場合に、成人でない者に飲料提供機が飲料を提供することが防止される。
【0025】
本発明のうち第12の態様によるものは、第1から第11のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、前方を撮影するカメラを有している。前記複数の飲料提供機の各々又は前記制御サーバは、前記カメラが撮影した画像に基づき、飲料を注ぐことのできる容器が、飲料を注入可能な所定位置にあるか否かを判定する容器位置判定部を有している。選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像により、飲料を注ぐことのできる前記容器が、前記所定位置にあると判定された場合に限り、飲料を提供する。
この構成によれば、飲料を注ぐことのできる容器が、飲料を注入可能な所定位置にない場合に、誤って飲料提供機が飲料を提供することが防止される。
【0026】
本発明のうち第13の態様によるものは、第12の態様による飲料自動提供システムであって、選択された前記飲料提供器は、自身が有する前記カメラが撮影した、前記容器に注入された飲料の画像に基づき、飲料が所定量注がれたか否かを判定する、注入量判定部を有している。また、選択された前記飲料提供機は、自身が有する前記カメラが撮影した画像により、飲料が所定量注がれたと判断されると、飲料の提供を停止する。
この構成によれば、ユーザは所定量の飲料の注入を容器に受けることができる。
【0027】
本発明のうち第14の態様によるものは、第1から第13のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記ユーザ端末を通じてアクセスする前記ユーザの要求に応じて、前記複数の飲料提供機が設置される1以上の施設と、当該1以上の施設の各々に設置される1以上の飲料提供機が提供する飲料の種類と、の一覧を画面表示する一覧データを、前記要求をした前記ユーザの前記ユーザ端末に返信する。前記ユーザは、返信された前記一覧データを前記ユーザ端末に画面表示し、画面表示された前記一覧データ上で前記ユーザが操作することにより行われる、前記施設と前記飲料の種類との選択を受け付けることにより、前記複数の飲料提供機のいずれかの前記選択を行うことが可能である。
【0028】
この構成によれば、ユーザは、端末に画面表示される一覧データ上で操作をすることにより、所望する飲料提供機を選択することができる。
【0029】
本発明のうち第15の態様によるものは、第1の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザを、所定のユーザ登録データの入力を条件として登録ユーザとして登録するユーザ登録部を有し、前記ネットワークを通じてアクセスするユーザが、前記登録ユーザである場合に限り、前記複数の飲料提供機のいずれかの選択を受け付ける。前記制御サーバは、選択をした前記ユーザに課金する課金部と、を更に有している。
【0030】
この構成によれば、ユーザへの課金が自動で行われる。課金は制御サーバが直接行ってもよく、課金サービス業者が管理する課金サーバに、必要な課金情報を伝えることにより、間接的に行ってもよい。
【0031】
本発明のうち第16の態様によるものは、第15の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機のうちの1以上の飲料提供機を管理する飲料提供機管理者を、自身が管理する前記1以上の飲料提供機を特定する情報を含む所定の管理者登録データの提供を条件として、登録管理者として登録する管理者登録部を、更に有している。前記課金部は、選択された前記飲料提供機が、登録管理者が管理する飲料提供機である場合に、前記ユーザに課金した金額の全額又は一部を、選択された前記飲料提供機を管理する登録管理者の口座に送金する。
【0032】
この構成によれば、ユーザにより選択された飲料提供機を管理する登録管理者に、ユーザへの課金額の全額又は一部が、自動で払い込まれる。飲料提供機管理者の登録は、飲料提供機管理者がネットワークを通じて制御サーバにアクセスすることにより行ってもよく、飲料提供機管理者が制御サーバの管理者に管理者情報を提供することにより、行っても良い。登録管理者への送金は、制御サーバが直接に行ってもよく、課金サービス業者が管理する課金サーバに、必要な課金情報を伝えることにより、間接的に行ってもよい。
【0033】
本発明のうち第17の態様によるものは、第15又は第16の態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、提供する飲料の残量が尽きていることを検知する残量消尽検知器を有し、飲料を提供する間に前記残量消尽が検知されると前記制御サーバに通知する。前記制御サーバは、選択された前記飲料提供機から残量消尽の通知を受けたときには、選択をした前記ユーザへの課金を免除する。
【0034】
この構成によれば、飲料提供機が飲料を提供する間に、残量が消尽することにより、飲料の提供が所定量に達しなかった場合には、課金を免除することにより、ユーザへのサービスを向上させることができる。
【0035】
本発明のうち第18の態様によるものは、第1から第17のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けた前記ユーザによる、前記複数の飲料提供機のうちの2以上の選択を受け付けるとともに、選択された各飲料提供機が提供すべき飲料の量又は比率についての指示をも受け付け、選択された前記2以上の飲料提供機に、指示された前記量又は前記比率の前記飲料を提供させる。
この構成によれば、ユーザは、好みの種類の飲料を、好みの量又は比率でブレンドすることができる。
【0036】
本発明のうち第19の態様によるものは、第1から第18のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記アクセスを受け付けた前記ユーザによる、前記複数の飲料提供機のうちの2以上の選択を受け付けるとともに、選択された前記2以上の飲料提供機から1つをランダムに選んで、前記飲料を提供させるランダムモードを、設定可能である。
この構成によれば、互いに近接して配置される飲料提供機を、2以上の飲料提供機とすることにより、ユーザはランダムに選ばれる飲料の提供を受けることができる。
【0037】
本発明のうち第20の態様によるものは、第1から第19のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、提供すべき飲料の温度を調節する温度調節器を有している。前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機の前記温度調節器を個別に制御することにより、提供すべき飲料の温度を、個別に設定する。
この構成によれば、例えば、飲料の種類、天候、季節等に応じた飲料の温度の設定が可能となる。また、同一種類の飲料を異なる温度に設定することも可能となる。
【0038】
本発明のうち第21の態様によるものは、第20の態様による飲料自動提供システムであって、前記制御サーバは、前記複数の飲料提供機の各々の、飲料の種類及び設置場所の天候のうち少なくとも1つを表すデータの入力を受け付け、受け付けた前記データに応じて、提供すべき飲料の前記温度を設定する。
この構成によれば、飲料の種類、天候のうちの少なくとも1つに応じた飲料の温度の設定が自動で行われる。
【0039】
本発明のうち第22の態様によるものは、第1から第21のいずれかの態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、提供する飲料を収容する飲料容器を収納し、前記飲料容器の出し入れを可能にする開閉蓋を有する飲料容器収納室と、前記開閉蓋を閉状態に解除可能に保持する錠と、前記錠の施錠及び解錠を検知する錠センサと、を有している。前記複数の飲料提供機の各々は、前記錠センサが検知した施錠及び解錠を前記制御サーバに伝える。前記制御サーバは、前記解錠を伝えた飲料提供機の、ユーザによる選択を、前記施錠が伝えられるまで中止するか、又は前記施錠が伝えられるまで前記飲料提供機に伝えるのを待つ。
この構成によれば、飲料提供機に収納される飲料容器の交換中に、ユーザによる選択が飲料提供機に伝えられることを回避することができる。
【0040】
本発明のうち第23の態様によるものは、第22の態様による飲料自動提供システムであって、前記複数の飲料提供機の各々は、前記飲料容器の内容物を、連続して提供する連続モードを選択及び解除するスイッチを有する。
【0041】
この構成によれば、各飲料提供機において、提供する飲料を洗浄液に代え、連続モードで動作させることにより、飲料が通過する流路を、洗浄液により洗浄することができる。なお、スイッチ操作により、連続モードを解除することにより、連続モードは停止する。
【0042】
本発明のうち第24の態様によるものは、第17の態様による飲料自動提供システムであって、前記残量消尽検知器は、飲料の流路を囲むように配置された電極を有し、前記電極が検知する流路内の静電容量の変化により、前記残量消尽を検知する。
この構成によれば、簡素な構造により、残量消尽の検知が可能である。
【0043】
本発明のうち第25の態様によるものは、容器に飲料を注ぐことにより、ユーザに飲料を提供する飲料提供機であって、前記飲料提供機は、第1から第24のいずれかの態様による飲料自動提供システムが備える前記複数の飲料提供機のいずれかである。
この構成による飲料提供機は、本発明の各態様による飲料自動提供システムが備える飲料提供機として、使用することができる。
【発明の効果】
【0044】
以上のように本発明の一態様によれば、ユーザが飲料の提供を受ける飲料提供機を、ユーザが端末を通じて選択することを可能にする飲料自動提供システムが実現する。また、本発明の別の一態様によれば、本発明の飲料自動提供システムに組込可能な飲料提供機が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の一実施の形態による飲料自動提供システムの構成を例示する概略図である。
【
図2】
図1の制御サーバ、管理者端末及びユーザ端末のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図1の制御サーバのソフトウェア構成を例示する機能ブロック図である。
【
図4】
図1の飲料提供機の外観を例示する斜視図である。
【
図5】
図1の飲料自動提供システムの動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図6】
図1のユーザ端末及び管理者端末に表示されるログイン画面を例示する画面図である。
【
図7】
図1の管理者端末に表示される管理者登録画面を例示する画面図である。
【
図8】
図1の管理者端末に表示される飲料登録画面を例示する画面図である。
【
図9】
図1のユーザ端末に表示されるユーザ登録画面を例示する画面図である。
【
図10】
図1のユーザ端末に表示される商品選択画面を例示する画面図である。
【
図11】
図1のユーザ端末に表示される商品選択画面を例示する画面図である。
【
図12】
図1のユーザ端末に表示される商品選択画面を例示する画面図である。
【
図13】
図1の飲料提供機による顔画像検知及び近接検知の動作を説明する動作説明図である。
【
図14】
図1の飲料自動提供システムの別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図15】
図14の動作手順を実現する飲料提供機の配置例を示す正面図である。
【
図16】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図17】
図1の飲料提供機の構造を例示する断面図である。
【
図18】
図1の飲料提供機の構造を例示するブロック図である。
【
図19】
図1の飲料提供機が有するポンプの動作原理を説明する動作説明図である。
【
図20】
図1の飲料提供機が有する残量センサの構造を例示する断面斜視図である。
【
図21】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図22】
図21の動作手順を実現する飲料提供機の構造を例示するブロック図である。
【
図23】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図24】
図23の動作手順を実現する制御サーバのソフトウェア構成を例示する機能ブロック図である。
【
図25】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図26】
図25の動作手順における飲料提供機の発光形態を例示する概略説明図である。
【
図27】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図28】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図29】
図28の動作手順における飲料提供機による二次元バーコード検知及び近接検知の動作を説明する動作説明図である。
【
図30】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図31】
図30の動作手順を実現する飲料提供機の外観を例示する斜視図である。
【
図32】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図33】
図1の飲料自動提供システムの更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
【
図34】
図33の動作手順を実現する制御サーバのソフトウェア構成を例示する機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[1.システム構成例]
図1は、本発明の一実施の形態による飲料自動提供システムの構成を例示する概略図である。この飲料自動提供システム101は、制御サーバ1及び多数の飲料提供機を有している。これらの装置1、3は、インターネットなどのネットワーク9を通じて、互いに接続される。飲料自動提供システム101は、課金サービス業者が管理する課金サーバ31、銀行が管理する銀行サーバ33にも、ネットワーク9を通じて接続される。
【0047】
管理者とは、例えば、居酒屋、飲食店、屋外イベント会場などの施設を管理する運営者、経営者、担当者などを意味する。各管理者の施設には、1台ないし複数台の飲料提供機3が設置される。各管理者は、管理者端末5を用いてネットワーク9を通じて、制御サーバ1、課金サーバ31、銀行サーバ33にアクセスする。各施設の顧客となるユーザ10は、ユーザ端末7を用いてネットワーク9を通じて、制御サーバ1、課金サーバ31、銀行サーバ33にアクセスする。
【0048】
飲料提供機3がユーザ10に提供する飲料は、酒類、ジュース、コーヒー、茶、飲料水など、幅広い飲料であり得る。図示例の施設では、提供される飲料として日本酒が想定されている。複数銘柄の利き酒(ききざけ)をユーザ10が楽しむことができるように、各施設には複数台の飲料提供機3が設置される。ユーザ10は、ユーザ端末7を利用して好きな施設の好きな飲料提供機3が提供する銘柄を選択し、試飲することができる。
【0049】
ユーザ10は、ユーザ端末7を通じて、事前に制御サーバ1、課金サーバ31に登録をしておくことにより、飲料の代金を自己の銀行口座から自動で引き落としてもらうことができる。管理者は、管理者端末5を通じて、制御サーバ1、課金サーバ31に事前登録しておくことにより、飲料の代金を自己の口座に自動で受け取ったり、自己が管理する飲料提供機3の使用料を、自己の口座から制御サーバ1の管理者の口座へ自動で納付してもらったり、することができる。使用料は、ユーザ10が飲料の代金を支払う毎に、その一部を納付するようにしてもよく、管理する飲料提供機3の台数に応じた所定額を、月極など定期的に納付するようにしてもよい。
【0050】
このように、飲料自動提供システム101によれば、ユーザ10による飲料の選択から、飲料の提供、課金に至るまでの処理が、施設の管理者の手を経ることなく、自動で行われる。このため、施設の管理者の手間を省くことができる。なお、飲料の提供は、有償に限られる訳ではなく、ユーザによる代金の支払いを要しない、無償による提供であってもよい。同様に、管理者による飲料提供機3の使用料の納付が必須である訳ではない。
【0051】
図2は、制御サーバ1、管理者端末5及びユーザ端末7のハードウェア構成を例示するブロック図である。装置102は、制御サーバ1、管理者端末5及びユーザ端末7を代表している。図示の例では、装置102は、パーソナルコンピュータと同様に構成されており、主要回路部12、入力装置11、表示装置13及びハードディスク装置(HDD)14を有している。また、主要回路部12は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、インタフェース(I/F)24、及び読取装置25を有している。
【0052】
CPU21は、ROM22及びRAM23に格納されたプログラムを実行する。ROM22には、例えば、装置1,5、7の立ち上げ直後にOS(Operating System)の起動やハードウェアの設定を行うBIOS(Basic Input Output System)が格納されている。RAM23には、ハードディスク装置14に保存されているOS、アプリケーション等が必要に応じて展開され、CPU21による実行に供される。RAM23は、CPU21が処理を実行する際に生成されるデータを、一時的に格納するワークメモリとしても用いられる。
【0053】
インタフェース(I/F)24は、不図示のIDE(Integrated Device Electronics)コントローラ、LANコントローラ、入出力コントローラなどを有しており、これらの回路を通じて、入力装置11等の外部装置がCPU21に接続される。CPU21、ROM22、RAM23及びインタフェース24は、バスライン26を通じて互いに接続されている。
【0054】
入力装置11は、例えばキーボード、マウスなどを含み、操作者が手操作によりデータを入力するための装置である。表示装置13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)装置であり、画像データを目視可能な画像として表示する装置である。ハードディスク装置14は、OS、アプリケーション等を格納すると共に、処理に要するデータを格納する。ハードディスク装置14に代えて、半導体メモリなど他の不揮発性記憶媒体を利用することも可能である。読取装置25は、プログラムやデータを記録したCD-ROM等の記録媒体27から、記録された内容を読み取る装置である。装置102は、例えばLAN15を通じて、インターネット等の広域のネットワーク9(
図1)に接続され、例えばTCP/IPプロトコルによる通信を実現する。LAN15は、インタフェース24に含まれているLANコントローラを通じてバスライン26に接続され、ルータ(図示略)を通じてネットワーク9に接続される。
【0055】
なお、制御サーバ1として、クラウドサーバを利用することも可能である。また、管理者端末5及びユーザ端末7は、スマートフォンなど、携帯端末を利用することも可能である。管理者は、制御サーバ1から管理者端末5に管理者アプリケーションをダウンロードし、管理者アプリケーション上で操作をすることにより、制御サーバ1とのデータ交換を行うことができる。管理者は、本人所有の端末に限らず、管理者アプリケーションがインストールされた端末であれば、ID、パスワード等の所定のログインデータを入力することにより、管理者アプリケーションにログインすることができ、管理者アプリケーション上で操作することが可能となる。それにより、制御サーバ1は、管理者が使用する端末に関わりなく、管理者を認識することができる。このように管理者端末5は、管理者が所有する端末に限定されない。なお、管理者が管理者アプリケーションにログインできるようにするために、管理者は管理者アプリケーション上で、ログインデータ等を事前に登録することができる。
【0056】
ユーザ端末7についても、同様のことが当てはまる。ユーザ10は、制御サーバ1からユーザ端末7にユーザ・アプリケーションをダウンロードし、ユーザ・アプリケーション上で操作をすることにより、制御サーバ1とのデータ交換を行うことができる。ユーザ10は、本人所有の端末に限らず、ユーザ・アプリケーションがインストールされた端末であれば、所定のログインデータを入力することによりユーザ・アプリケーションにログインすることができ、ユーザ・アプリケーション上で操作することが可能となる。それにより、制御サーバ1は、ユーザ10が使用する端末に関わりなく、ユーザ10を認識することができる。このようにユーザ端末7は、ユーザ10が所有する端末に限定されない。ユーザ10がユーザ・アプリケーションにログインできるようにするために、ユーザ10はユーザ・アプリケーション上で、ログインデータ等を事前に登録することができる。また、ユーザ10への自動課金を要しない場合など、制御サーバ1がユーザ10を特定する必要が無い場合には、ユーザ10による事前登録を省くことも可能である。
【0057】
飲料提供機3も、コンピュータを内蔵している。内蔵するコンピュータの構造は、例えば組込マイクロコンピュータの形態であり、
図2の主要回路部12により例示される。その場合には、CPU21の動作を規定するプログラムは、ROM22に記憶される。
【0058】
図3は、制御サーバ1のソフトウェア構成を例示する機能ブロック図である。既述の通り、制御サーバ1はコンピュータ装置であるが、制御サーバ用プログラムが読み込まれることにより、
図3のブロック図により例示されるハードウェア構成の装置と等価に動作する。図示例では、制御サーバ1は、管理者アプリ提供部41、ユーザ・アプリ提供部43、管理者登録部45、ユーザ登録部47、注文処理部49、ユーザ認証部51、及び課金部55を有している。
【0059】
管理者アプリ提供部41は、管理者端末5を通じた管理者からの要求に応じて、管理者端末5に管理者アプリケーションを提供する。ユーザ・アプリ提供部43は、ユーザ端末7を通じたユーザ10からの要求に応じて、ユーザ・アプリケーションをユーザ端末7に提供する。
【0060】
管理者登録部45は、管理者端末5を通じて管理者により送信される管理者登録データを受け付け、登録する。登録は、例えば、制御サーバ1のHDD14(
図2参照)などの記憶媒体に管理者登録データを記録することにより行われる。管理者登録データには、管理者が管理する施設に設置される飲料提供機3を識別する型番などが含まれる。ユーザ登録部47は、ユーザ端末7を通じてユーザ10により送信されるユーザ登録データを受け付け、登録する。登録は、管理者登録と同様に、制御サーバ1が有する記憶媒体にユーザ登録データを記録することにより行われる。
【0061】
注文処理部49は、ユーザ10によりユーザ端末7を通じて行われる、いずれかの飲料提供機3の飲料の注文を受け付け、対応する飲料提供機3に飲料を提供させる。ユーザ認証部51は、注文により選択された飲料提供機3から飲料の提供を受けようとする人物が、注文をしたユーザであることの認証を行う。
【0062】
課金部55は、ユーザ10に飲料提供の代金を課金するとともに、飲料を提供した飲料提供機3を管理する管理者に代金を還元する。また、課金部55は、必要に応じて管理者に飲料提供機3の使用料等を課金し、課金した使用料等を制御サーバ1の管理者に還元する。
【0063】
図4は、飲料提供機3の外観を例示する斜視図である。図示例の飲料提供機3は、日本酒を収容する瓶である飲料容器61を収納室63に収納可能な、縦長の略直方体をなす箱状である。飲料提供機3の本体64は、前面に上端部を残して開口部を有しており、この開口部を開閉自在に覆う開閉蓋65が本体64に設置されている。開閉蓋65は、飲料容器61の交換を可能にする。開閉蓋65は、ユーザ10が不用意に開くことのないように、錠67により施錠可能である。
【0064】
開閉蓋65の上部には、飲料の提供を受ける容器69を載置するための容器受け71が設置されている。開閉蓋65の上方にある本体64の前面上端部には、容器69に飲料を注ぐ注ぎ口73が突出している。飲料提供機3は、電動モータにより駆動されるポンプを内蔵しており、このポンプの働きにより、飲料容器61に収容される飲料が汲み出され、注ぎ口73から注ぎ出される。ポンプは、所定量の飲料を汲み出し終えると、停止する。
【0065】
本体64の前面上端部には、更に、前方を撮像するカメラ75、及びLED(発光ダイオード)などの発光装置77が設けられている。カメラ75は、飲料提供機3の前に立つ人物の顔画像などを撮像することにより、ユーザ認証を可能にするために設けられる。発光装置77は、飲料提供機3を選択したユーザ10に、選択した飲料提供機3を発光により通知するために設けられる。
図4には、カメラ75のレンズ、発光装置77の光透過窓が表されている。
【0066】
本体64の前面上端部には、更に、同一の施設内に設置される複数の飲料提供機3を互いに識別するための施設内番号79が付されている。本体64の前面上端部には、更に、施設を超えて全ての飲料提供機3を互いに識別する飲料提供機識別コード81が付されていても良い。図示例では、飲料提供機識別コード81は、二次元バーコードである。
【0067】
[2.システム動作例1]
図5は、飲料自動提供システム101の動作手順を例示するシーケンス図である。施設の管理者が、自身が管理する施設に設置した飲料提供機3を、ユーザ10に利用してもらうために、管理者は事前に管理者登録を、制御サーバ1の管理者、すなわち飲料自動提供システム101の運営事業者に対して行う。そのために、施設の管理者は、管理者端末5を通じて管理者アプリケーションを制御サーバ1に要求する(S1)。
【0068】
施設の管理者が設置する飲料提供機3は、飲料自動提供システム101の運営事業者から購入或いはレンタルされたものであってもよく、施設の管理者が、制御サーバ1のサービスを受けることのできる仕様を有する飲料提供機3として、独自に入手したものであってもよい。いずれであっても、飲料自動提供システム101の運営事業者は、制御サーバ1の利用料の納付を施設の管理者から受けるように、ビジネスの仕組みを構築することも可能である。
【0069】
制御サーバ1は、要求を受けると、管理者アプリケーションを管理者端末5に送る(S3)。管理者端末5は、送信された管理者アプリケーションを受信すると、HDD14(
図2参照)などの記憶媒体に、起動可能な状態で記憶する(すなわち、インストールする)(S5)。インストールが完了した後に、管理者は、管理者登録をするために、管理者アプリケーションを起動する(S7)。
【0070】
図6は、管理者アプリケーションを起動したときに、管理者端末5の表示装置13(
図2参照)に表示されるログイン画面を例示している。図示例のログイン画面は、周知の形式であり、既に登録が完了しておれば、管理者は自身のID、パスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックすることにより、ログインすることができる。未だ登録をしていない管理者は、「新規登録」ボタンをクリックすることにより、新規に登録を行う(S9;
図5参照)。既に登録がなされていて、登録内容を変更する場合も、「新規登録」ボタンをクリックすることにより、登録内容の変更をすることができる。
【0071】
図7は、「新規登録」ボタンをクリックした後に、表示装置13に表示される管理者データ登録画面を例示している。管理者は、この登録画面上で各種の管理者登録データを入力する。図示例では、管理者登録データには、ログインに使用するID、パスワード、管理者及び施設に関する様々なデータのほか、管理者への課金及び納金に使用される課金機関名称、課金機関ID、課金機関のアカウント、銀行口座の名称・番号が含まれる。
【0072】
入力が完了すると管理者は、「送信」ボタンをクリックすることにより、入力したデータを制御サーバ1に送信することができる(S11;
図5参照)。
図7に例示する管理者登録データの送信が終了するか、又は「スキップ」ボタンをクリックすると、
図8に例示する飲料データ登録画面が表示される。飲料データ登録画面は、管理者が管理する飲料提供機3に関するデータである飲料データを登録するための画面である。飲料データは、管理者登録データの一部である。
【0073】
図示例の飲料データ登録画面上で、管理者は、自身が施設内に管理する飲料提供機3の各々について、飲料提供機3の型番、飲料種別、商品名又は銘柄、飲料の単価を入力することができる(S9;
図5参照)。
【0074】
飲料提供機3の型番は、個々の施設を超えて制御サーバ1に接続される全ての飲料提供機3を互いに識別するための符号である。飲料種別は、例えば、日本酒、ウィスキー、コーヒー、ジュースなど、飲料のカテゴリーである。商品名又は銘柄は、日本酒、コーヒーなどの商品名又は銘柄である。
【0075】
管理者は、自身が管理する飲料提供機3に、随意に1,2,3,・・・等の番号を付番した上で(
図1、
図4参照)、番号毎に飲料種別等のデータを入力する。図示例の登録画面では、管理者が管理する全ての飲料提供機3を表示できるように、画面のスクロールが可能である。施設内の飲料提供機3の番号(1,2,3,・・・等)は、「追加」ボタンをクリックすることにより追加することができ、「削除」ボタンをクリックすることにより、削除することができる。必要な飲料データの入力が完了すると、「送信」ボタンをクリックすることにより、入力した飲料データを管理者登録データとして、制御サーバ1に送信することができる(S11;
図5参照)。
【0076】
制御サーバ1は、送信された管理者登録データを受信し、HDD14(
図2参照)等の記録媒体に登録データとして記録する(S13;
図5参照)。管理者は、管理者登録データの送信が終了すると、管理者アプリケーションを閉じる(S15;
図5参照)。
【0077】
表1及び表2は、制御サーバ1により登録される管理者登録データのデータ構造を例示している。表1の例では、管理者を識別する管理者ID(管理者識別子)が、登録される管理者毎に、制御サーバ1により付与される。付与された管理者IDをキーとして、管理者の様々な属性データ、例えば、施設名称、管理者氏名、ログインID、パスワード等が、管理者IDに関連付けて記憶される。管理者の属性データは、
図7に例示する管理者データ登録画面上で管理者によって入力されたデータに基づく。なお、以下の表1~表4、
図12に記載する、氏名、施設名称、商品名は、すべて架空のものである。
【0078】
【0079】
表2は、管理者登録データのうち、飲料データのデータ構造を例示している。表2の例では、飲料提供機3を識別する飲料提供機ID(飲料提供機識別子)が、登録される飲料提供機3毎に、制御サーバ1によって付与される。付与された飲料提供機IDをキーとして、飲料提供機3の様々な属性データ、例えば、飲料提供機識別コード81を記憶するHDD14等の記憶媒体上のアドレス、飲料提供機型番、飲料提供機3を管理する管理者の管理者ID、飲料提供機3の施設内番号79、飲料種別、飲料の商品名、単価が、飲料提供機IDに関連付けて記憶される。施設内番号79、飲料種別、商品名、単価は、
図8に例示する飲料データ登録画面上で、管理者によって入力されたデータに基づく。
【0080】
【0081】
ユーザ10は、制御サーバ1及び様々な施設に設置された飲料提供機3を利用するために、事前にユーザ登録を、制御サーバ1の管理者、すなわち飲料自動提供システム101の運営事業者に対して行う。そのために、
図5に例示するようにユーザ10は、ユーザ端末7を通じてユーザ・アプリケーションを制御サーバ1に要求する(S17)。
制御サーバ1は、要求を受けるとユーザ・アプリケーションをユーザ端末7に送る(S19)。ユーザ端末7は、送信されたユーザ・アプリケーションを受信すると、HDD14(
図2参照)などの記憶媒体に、起動可能な状態で記憶する(すなわち、インストールする)(S21)。インストールが完了した後に、ユーザ10は、ユーザ登録をするために、ユーザ・アプリケーションを起動する(S23)。
【0082】
図6は、ユーザ・アプリケーションを起動したときに、ユーザ端末7の表示装置13(
図2参照)に表示されるログイン画面をも例示している。既に登録が完了しておれば、ユーザ10は自身のID、パスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックすることにより、ログインすることができる。未だ登録をしていないユーザ10は、「新規登録」ボタンをクリックすることにより、新規に登録を行う(S25;
図5参照)。既に登録がなされていて、登録内容を変更する場合も、「新規登録」ボタンをクリックすることにより、登録内容の変更をすることができる。
【0083】
図9は、「新規登録」ボタンをクリックした後に、表示装置13に表示されるユーザデータ登録画面を例示している。ユーザ10は、この登録画面上で各種のユーザ登録データを入力する。図示例では、ユーザ登録データには、ログインに使用するID、パスワード、ユーザ10に関する様々なデータのほか、ユーザ10への課金に使用される課金機関名称、課金機関ID、課金機関のアカウント、銀行口座の名称・番号が含まれる。図示例では、ユーザ10に関するデータには、ユーザ10の住所、生年月日のほか、顔画像データが含まれる。図示例では、顔画像データは、ユーザデータ登録画面上の所定の枠内に貼り付けることにより、入力することができる。
【0084】
入力が完了するとユーザ10は、「送信」ボタンをクリックすることにより、入力したデータを制御サーバ1に送信することができる(S27;
図5参照)。制御サーバ1は、送信されたユーザ登録データを受信し、HDD14(
図2参照)等の記録媒体に登録データとして記録する(S29;
図5参照)。ユーザ10は、ユーザ登録データの送信が終了すると、ユーザ・アプリケーションを閉じる(S31;
図5参照)。
【0085】
表3は、制御サーバ1により登録されるユーザ登録データのデータ構造を例示している。表3の例では、ユーザ10を識別するユーザID(ユーザ識別子)が、登録されるユーザ10毎に、制御サーバ1によって付与される。付与されたユーザIDをキーとして、ユーザ10の様々な属性データ、例えば、ユーザ10の氏名、ログインID、パスワード、顔画像データアドレス、二次元バーコードアドレスなどが、ユーザIDと関連付けて記憶される。顔画像データアドレス、二次元バーコードアドレス以外の属性データは、
図9に例示するユーザデータ登録画面上でユーザ10によって入力されたデータに基づく。顔画像データアドレスについては、
図9に例示するユーザデータ登録画面上でユーザ10が入力した自身の顔画像データが記憶される、制御サーバ1のHDD14等の記憶媒体上のアドレスが記憶される。二次元バーコードアドレスについては、制御サーバ1がユーザID毎に生成する二次元バーコードの、HDD14等の記憶媒体上のアドレスが記憶される。顔画像データと二次元バーコードとは、いずれもユーザ10の認証に用いるものであるので、一方のみが記憶されておれば足りる。
【0086】
【0087】
ユーザ10は、所望する施設の所望する飲料提供機3が提供する飲料を注文するときには、
図5に例示するように、ユーザ・アプリケーションを起動する(S33)。ユーザ・アプリケーションが起動されると、ユーザ端末7の表示装置13(
図2参照)に、
図6に例示するログイン画面が現れる。このログイン画面上で、ID、パスワードを入力し、「ログイン」ボタンをクリックすることにより、ユーザ10がログインすると、表示装置13には飲料注文画面が現れる(S35)。図示例では、ログイン操作が、ユーザ・アプリケーションの飲料注文画面を選択すること(S35)に相当する。
【0088】
図10~
図12に例示する施設・商品リスト画面は、飲料注文画面の一例である。図示例では、ログイン操作が行われると、先ず
図10に例示される第1の施設・商品リスト画面が表示装置13に表示される。この画面は、全国の都道府県の中から、ユーザ10が所望する施設が所在する行政区画を選択することを可能にする。ユーザ10が、例えば、表示される地図上の「大阪府」をクリックすると、
図11に例示するように、大阪府の地図を含む第2の施設・商品リスト画面が表示される。ユーザ10は、大阪府の地図上の所望する地域、例えば「大阪市」をクリックすると、
図12に例示するように、大阪市内に所在する施設がリストアップされる第3の施設・商品リスト画面が表示される。
【0089】
図示例の施設・商品リスト画面には、店舗などの施設の名称、住所、連絡先のほか、各施設に設置される飲料提供機3の施設内番号79(
図4参照)、提供される飲料の種別、商品名、単価などが表示される。
図12に例示される施設・商品リストのデータは、絶えず更新される可能性があるので、常に最新のデータが表示されるように、例えば、ユーザ10が「大阪市」などの所望する地域を選択する毎に、ユーザ・アプリケーションが制御サーバ1に要求を送信することにより、制御サーバ1から、選択された地域の最新の施設・商品リストのデータがユーザ端末7に送られる。図示例の施設・商品リスト画面では、選択された「大阪市」に設置される全ての施設に関するデータを閲覧できるように、上、下のスクロールボタンをクリックすることにより、施設・商品リストの表示を上、下方向にスクロールすることが可能である。
【0090】
ユーザ10は、施設・商品リスト内の「選択」欄をクリックすることにより、所望する飲料提供機3を選択することができる。クリックされた「選択」欄は、色を変えることにより、選択がなされたことを表示する。同時に、注文の代価である料金が、画面左下に表示される。ユーザ10が、選択操作を行った後に「注文」ボタンをクリックすると、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送信される(S37;
図5参照)。注文データには、例えば、ユーザ10のユーザID(表3参照)、ユーザ10が選択した施設を管理する管理者の管理者ID(表1参照)、ユーザ10が選択した飲料を提供する飲料提供機3の飲料提供機ID(表2参照)が含まれる。ユーザIDは、ユーザ10が起動しログインしたユーザ・アプリケーションに保持されている。あるいは、ユーザ10によるログインと同時に、制御サーバ1から、ユーザ10がユーザ・アプリケーション上で使用可能なように、ユーザIDがユーザ端末7に送られる。管理者ID、飲料提供機IDは、
図12に例示する施設・商品リスト画面には表示されないが、制御サーバ1からユーザ端末7に送られる施設・商品リストのデータに、施設名、施設内番号79などと関連付けて含まれている。
【0091】
上記では、
図10~
図12の順に施設・商品リスト画面が表示される例を示したが、ユーザ10がユーザ端末7から現在位置データを制御サーバ1に送信することにより、制御サーバ1は、ユーザ10の現在位置に最も近い単一ないし複数の施設が
図12の施設・商品リスト画面に表示されるように、施設・商品リストデータをユーザ端末7に送信しても良い。
【0092】
図12に例示する施設・商品リスト画面では、ユーザ10は単品の飲料を選択することができるだけでなく、複数の飲料のブレンドを選択することもできる。複数の飲料のブレンドを選択するには、ユーザ10は先ず、画面右下に配置される「ブレンド」ボタンをクリックする。「ブレンド」ボタンをクリックすることにより、施設・商品を選択する選択モードが、通常のモード(デフォルトモード)である「単品」モードから、「ブレンド」モードに移行する。同時に、「ブレンド」ボタンの色が変わり、「ブレンド」モードがアクティブであることを表示する。図示例では、ユーザ10は、「居酒屋▽○」に設置される番号02、番号04の飲料提供機3に対応する2つの「選択」欄をクリックすることにより、これらの飲料提供機3が提供する2種類の飲料を選択している。クリックされた「選択」欄は、色を変えることにより、選択がなされたことを表示する。一例として、「ブレンド」モードで選択できる複数種類の飲料は、同一の施設内の飲料提供機3が提供する飲料に限られる。
【0093】
2種類の飲料のブレンド比は、デフォルトでは、例えば均等、すなわち各々50%に設定されている。ユーザ10が、選択した「選択」欄のいずれかをクリックし、画面右端の「ブレンド比」の「矢印」ボタンをクリックすることにより、ブレンド比を段階的に上げ下げすることができる。選択された飲料が2種類である場合は、一方の飲料のブレンド比を操作すると、他方は合計が100%となるように、自動的に変動する。選択された飲料が3種以上である場合には、一例として、一つの飲料のブレンド比を操作すると、残りのブレンド比は、互いに比率を保ったまま、全体の合計が100%になるように自動的に変動する。このようにして、選択する飲料が何種類であっても、ユーザ10はブレンド比を容易に設定することができる。このような機能は、一例として、ユーザ・アプリケーション自身に組み込まれている。画面左下の料金表示欄には、ブレンド比が変更される毎に、ブレンド比に応じた料金が表示される。
【0094】
ユーザ10は、「単品」ボタンをクリックすることにより、選択モードを「単品」モードに戻すこともできる。選択モードが「ブレンド」モードのままで、ユーザ10が「注文」ボタンをクリックすると、ユーザ10が選択した施設を管理する管理者の管理者ID(表1参照)、ユーザ10が選択した飲料を提供する複数の飲料提供機3の飲料提供機ID(表2参照)に、設定されたブレンド比を含む注文データが、ユーザ端末7から制御サーバ1に送信される。
【0095】
図12に例示する施設・商品リスト画面では、ユーザ10は、同一施設内の複数種類の飲料の中からいずれか一つを、制御サーバ1任せにランダムに選択することも可能である。ユーザ10は、画面右下に配置される「ランダム」ボタンをクリックすることにより、選択モードをこのような「ランダム」モードに変えることができる。選択モードが「ランダム」モードに設定されると同時に、「ランダム」ボタンの色が変わる。ユーザ10が「ランダム」モードを設定して、所望する施設に対応する「選択」欄の任意の一つを選択すると、その施設内の全ての飲料提供機3に対応する「選択」欄の色が変わる。ユーザ10が「注文」ボタンをクリックすると、ユーザ10が選択した施設を管理する管理者の管理者ID(表1参照)とともに、「ランダム」モードを指示するデータを含む注文データが、ユーザ端末7から制御サーバ1に送信される。
【0096】
以上のように、
図12に例示される施設・商品リスト画面では、施設・商品を選択する選択モードとして、単品、ブレンド、ランダムの3種類のモードが準備されている。また、対応する「単品」、「ブレンド」、「ランダム」ボタンは、待ち受け時(ノンアクティブ時)と設定時(アクティブ時)との間で色が変わることで、設定されている選択モードが一目で分かるようになっている。また、3種の選択モードのうち、「単品」モードがデフォルトに設定されている。
【0097】
図5において、注文データ送信処理(S37)以降の処理は、「単品」モードで注文がなされた場合を例示している。「ブレンド」モードで注文がなされた場合の処理は、後述の
図14に例示する。また、「ランダム」モードで注文がなされた場合の処理は、後述の
図16に例示する。
【0098】
図5に戻って、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送信される(S37)と、制御サーバ1から、注文データにより選択されている飲料提供機3に、選択データが送信される(S39)。制御サーバ1は、例えば、注文データに含まれる管理者ID、飲料提供機IDに基づいて、選択データを送信すべき飲料提供機3を特定することができる。上述の通り、
図5においては、ユーザ10が「単品」モードで注文した場合が想定されているので、選択データは只一つの飲料提供機3に送られる。選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させる(S41)。発光装置77は、発光することにより、飲料提供機3が注文を受けていることをユーザ10に通知する。
【0099】
飲料提供機3は、選択データを受信すると、カメラ75が前方を撮像すること(S43)により得る、前方に居る人物の顔画像データを、制御サーバ1に送信する(S45)。
図13は、飲料提供機3による顔画像検知及び近接検知の動作を説明する動作説明図である。
図13(a)に例示するように、飲料提供機3は、カメラ75が撮像する画像の中に人物の顔を認識して、矩形枠で例示するように顔画像データを切り取って、制御サーバ1に送信しても良く、撮像した前方の画像のデータ全体を送信しても良い。後者の場合には、画像データを受信した制御サーバ1の側で、顔画像データを抽出する。いずれであっても、顔画像データが飲料提供機3から制御サーバ1に送信されることに変わりはない。
【0100】
制御サーバ1は、送信された顔画像データを受信すると、ユーザ認証を実行する(S47)。ユーザ認証(S47)は、受信した顔画像データ、又は受信した画像データから抽出した顔画像データを、制御サーバ1に登録されているユーザ登録データ(表3参照)のうち、注文をしたユーザ10に関連付けられているユーザ顔画像データと、対比することにより実行される。制御サーバ1は、ユーザ10から送られた注文データ(S37)に含まれるユーザIDに基づいて、注文をしたユーザ10を特定することができ、対応する顔画像データをユーザ登録データ(表3参照)から探し出すことができる。ユーザ認証が成功すれば(S49においてyes)、制御サーバ1は飲料提供機3に、飲料の提供を許可する通知(提供許可通知)を送信する(S50)。制御サーバ1は、認証に成功しない(S49においてno)間は、ユーザ認証(S47)を繰り返す。
【0101】
一方、飲料提供機3は、制御サーバ1から提供許可通知が送られて来ない(S51においてno)間は、新たに顔画像を撮像し(S43)、制御サーバ1に送信し続ける(S45)。飲料提供機3は、提供許可通知を受信すると(S51においてyes)、近接検知を実行する(S53)。近接検知(S53)は、注文をしたユーザ10であると既に認証されている人物が、飲料提供機3の前方の所定領域内にまで近接していることを検知するものである。近接検知は、
図13(b)に例示するように、矩形枠により例示する顔画像の大きさが、所定基準を超えて大きいことを検知することにより、間接的かつ簡便に実行することができる。近接検知は、検知に成功するまで撮像(S43)とともに、繰り返し実行される(S53においてno)。なお、カメラ75は静止画像カメラでも動画像カメラでもよい。動画像カメラであれば、連続撮像を行うことによっても、ループを反復するのに伴って撮像(S43)を繰り返すことができる。
【0102】
近接検知に成功すると(S53においてyes)、飲料提供機3は容器検知を実行する(S55)。容器検知(S55)は、飲料の注入を受けることのできる、カップなどの容器69(
図4参照)が、容器受け71に載置された位置にあることを検知するものである。容器検知は、
図13(b)に例示するように、矩形枠により例示する容器69の位置が、容器受け71に載置された位置に相当する所定位置にあることを、検知することにより実行することができる。また、容器69が、飲料の注入に適した形状であること、例えば、カップのように口を大きく開いた形状であることも、同時に検知可能である。容器検知は、検知に成功するまで、撮像(S43)、近接検知(S53)とともに、繰り返し実行される(S55においてno)。
【0103】
容器検知に成功すると(S55においてyes)、飲料提供機3は飲料の提供を開始する(S57)。すなわち飲料提供機3は、内蔵するポンプを起動することにより、飲料容器61(
図4参照)に収容される飲料を汲み出し、注ぎ口73から、容器受け71に置かれた容器69に飲料を注ぎ始める。飲料提供機3は、飲料容器61に飲料が残っているか否かを検知する残量センサを内蔵している。残留センサにより残量が尽きたことが検知されると(S59においてyes)、飲料提供機3は残量消尽を制御サーバ1に通知する(S61)。飲料提供機3は、残量センサにより残量が尽きたことが検知されない限り(S59においてno)、提供する飲料が所定量に達する(S63においてyes)まで、飲料を提供し続ける(S63においてno)。提供する飲料が所定量に達する前に残量が消尽するか(S59においてyes)、又は所定量の提供が達成されると(S63においてyes)、飲料提供機3はポンプを停止し、飲料の提供を終了する(S65)。飲料提供機3は、飲料の提供を終了すると,制御サーバ1に飲料の提供が終了したことを通知する(S67)とともに、発光装置77に発光を終了させる(S69)。
【0104】
制御サーバ1は、飲料提供終了通知を受信する(S67)と、残量消尽通知を受信していない場合(S71においてno)には、課金データを作成して、課金サーバ31に送信する(S73)。課金データには、例えば、飲料提供の料金、注文したユーザ10の課金機関アカウント、銀行口座データ(表3参照)、及び飲料提供機3の管理者の課金機関アカウント、銀行口座データ(表1、表2参照)が含まれる。課金サーバ31は、受信した課金データに基づいて、ユーザ10の銀行サーバ33に引落しデータを送信することにより(S75)、ユーザ10の口座から、例えば飲料提供料金を引き落とすとともに、飲料提供機3の管理者の銀行サーバ33に振込データを送信することにより(S77)、管理者口座に同額を振り込む。課金サーバ31は、管理者口座に振り込んだ金額の一部を引落し、制御サーバ1の管理者、すなわち飲料自動提供システム101の運営事業者の銀行口座に振り込むようにしてもよい。
【0105】
一方、制御サーバ1は、残量消尽通知を受信している場合(S71においてyes)には、課金サーバ31に課金データを送らずに、ユーザ10への課金を免除する。これは、ユーザ10への飲料提供機3の管理者からの、いわば「おまけ」という顧客奉仕の一つとなる。ユーザ10は、飲料の注文(S37)が終了すると、ユーザ・アプリケーションを終了することができる(S79)。
【0106】
[3.システム動作例2]
図14は、飲料自動提供システム101の別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図14は、
図12に例示する施設・商品リスト画面において、ユーザ10が「ブレンド」モードで注文を行う場合の処理の流れを例示している。
図14において、ユーザ10がユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択する(S35)までの処理の流れは、
図5に例示した処理の流れと同じである。一例として、
図12に例示するように、ユーザ10は、施設・商品リスト画面において、「ブレンド」モードを選択し、「居酒屋▽○」に設置される番号02、番号04の飲料提供機3が提供する2種類の飲料を選択したものと想定している。
【0107】
ユーザ10が、「注文」ボタンをクリックすると、注文データが制御サーバ1に送られる(S81)。注文データは、選択された2台の飲料提供機3の飲料提供機ID(表2参照)と設定されたブレンド比を含む複数飲料注文データである。制御サーバ1は、注文データを受信すると、注文データにより選択されている2台の飲料提供機3に、選択データを送信する(S83)。選択データには、ブレンド比に基づいて、送信先の飲料提供機3が提供すべき飲料の量が含まれる。選択データを受信した2台の飲料提供機3の各々と、制御サーバ1は、
図5に例示した発光開始(S41)以下の処理と同様の処理を実行する。制御サーバ1は、対応する飲料提供機3毎に、ユーザ認証(S47)、認証成否の判断(S49)、提供許可通知の送信(S50)を行う。
【0108】
図15は、
図14の動作手順における飲料提供機3の発光形態を例示する概略説明図である。図示例では、ユーザ10が選択した施設に設置される4台の飲料提供機3のうち、施設内番号79が「2」、「4」である飲料提供機3が、ユーザ10によって選択されており、選択された飲料提供機3の発光装置77が発光している。図示例では、4台の飲料提供機3は、ユーザ10が利用し易いように、飲料提供用機設置台20の上に設置されている。ユーザ10は、発光している飲料提供機3の前に順に進んで、各飲料提供機3から容器69に、ブレンド比に応じた量の飲料の提供を受ける。それにより、ユーザ10は、所望した種類の飲料が、所望したブレンド比でブレンドされた飲料を楽しむことができる。
【0109】
図14に戻って、制御サーバ1は、2台の飲料提供機3から飲料提供終了通知を受けると(S67)、課金処理(S73)を実行する。課金処理では、
図12の施設・商品リスト画面の左下に表示され、注文データ(S81)に含まれる、ブレンド飲料の価格が課金データ(S73)に含められる。制御サーバ1は、2台の飲料提供機3の少なくとも1つから残量消尽通知(S61)を受信している場合には、課金処理(S73)を行わない。
【0110】
[4.システム動作例3]
図16は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図16は、
図12に例示する施設・商品リスト画面において、ユーザ10が「ランダム」モードで注文を行う場合の処理の流れを例示している。
図16において、ユーザ10がユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択する(S35)までの処理の流れは、
図5に例示した処理の流れと同じである。一例として、ユーザ10は、
図12に例示する施設・商品リスト画面において、飲料を提供する施設として「居酒屋▽○」を選択し、「ランダム」モードを選択したものと想定している。
【0111】
ユーザ10が、「注文」ボタンをクリックすると、注文データが制御サーバ1に送られる(S85)。注文データには、選択された「居酒屋▽○」の管理者ID(表1参照)と、「ランダム」モードを指示するデータとが含まれる。制御サーバ1は、注文データを受信すると、注文データにより選択されている「居酒屋▽○」に設置される4台の飲料提供機3の中から1つをランダムに選択し、選択した飲料提供機3に選択データを送信する(S87)。制御サーバ1は、表2に例示する飲料データを参照することにより、注文データに含まれる管理者IDから、4台の飲料提供機3の飲料提供機IDを特定することができ、その中の1台を、例えば疑似乱数を用いて選択することができる。選択データは、
図5に例示した「単品」モードが選択された場合の選択データと変わりがない。制御サーバ1と選択データを受信した飲料提供機3とは、
図5に例示した発光開始(S41)以下の処理と同様の処理を実行する。
【0112】
[5.飲料提供機構成例]
図17は、飲料提供機3の構造を例示する断面図である。また
図18は、飲料提供機3の構造を例示するブロック図である。飲料提供機3は、既に述べたカメラ75、発光装置77のほか、ポンプ83、ポンプ駆動ユニット85、残量センサ87、洗浄ボタン89、施錠センサ91、制御ユニット93、通信ユニット95、及び冷却加温ユニット97を有している。
【0113】
飲料を満杯に収容し、収納室63に新たに収納される飲料容器61には、吸引パイプ141が挿入される。この作業は、例えば、飲料提供機3を自身の施設に設置して管理する管理者によって行われる。吸引パイプ141と注ぎ口73は、連結管143により連結されている。連結管143は、合成ゴムなどの柔軟で弾性に富む材料により作られる。ポンプ83は、連結管143に作用することにより、飲料容器61に収容されている飲料を汲み出し、注ぎ口73から、容器受け71に載置された容器69に注ぐ。ポンプ83は、ポンプ駆動ユニット85により駆動される。注ぎ口73には、残量センサ87が設置されている。残量センサ87は、飲料容器61が空となって、飲料が注ぎ口73を通過しなくなったことを検知する。
【0114】
洗浄ボタン89は、ポンプ83を連続運転させるためのスイッチである。飲料容器61に代えて、洗浄液を貯留する洗浄液容器を収納室63に置き、洗浄ボタン89を押すことにより、洗浄液が連続的に汲み出される。それにより、吸引パイプ141から注ぎ口73までの飲料の経路を洗浄することができる。例えば、洗浄ボタン89を再び押すと、ポンプ83の動作は停止する。洗浄は、飲料提供機3の管理者が行う作業であり、ユーザ10が不用意に洗浄ボタン89に触れることのないように、洗浄ボタン89は、収納室63内、例えば、本体64の側壁部の内壁面に設置される(図示略)。
【0115】
施錠センサ91は、開閉蓋65に設置される錠67(
図4参照)の施錠状態をモニタするセンサである。施錠センサ91は、例えば、本体64の側壁部の内壁面のうち、錠67に近接した位置に設置される。
【0116】
制御ユニット93は、飲料提供機3の様々な要素から信号を受信したり、様々な要素を制御したりする。通信ユニット95は、制御ユニット93と制御サーバ1との間のデータの授受を媒介することにより、飲料提供機3と制御サーバ1との間の通信を可能にする。冷却加温ユニット97は、収納室63を冷却したり、加温したりすることにより、収納室63の温度を調節する。
【0117】
ポンプ駆動ユニット85、制御ユニット93、通信ユニット95は、一例として、回路基板147を介して本体64の天井壁部の内壁面に設置される。回路基板147には、飲料提供機3の様々な要素に電力を供給する電源(図示略)が、更に設置されている。冷却加温ユニット97は、本体64の後壁部に開口する通気口149に面するように、後壁部の内壁面に設置されている。
【0118】
制御ユニット93は、コンピュータを有している。既に述べた通り、制御ユニット93のコンピュータの構造は、一例として、組込マイクロコンピュータの形態である。制御ユニット93は、制御ユニット用プログラムに従って動作することにより、
図18の制御ユニット93のブロック図により例示されるハードウェア構成の装置と等価に動作する。図示例では、制御ユニット93は、顔画像データ取得部121,近接検知部123、温度制御部125、ポンプ制御部127、残量消尽検知部129、容器位置判定部131、発光装置制御部133、及び錠検知部135を有している。
【0119】
顔画像データ取得部121は、カメラ75を制御するとともに、カメラ75が飲料提供機3の前方を撮像することにより得られる画像データの中から、人物の顔画像を検知する。近接検知部123は、顔画像が検知された人物が、飲料提供機3による飲料の提供が可能なほどの所定領域以内にまで飲料提供機3に近接していることを検知する。温度制御部125は、冷却加温ユニット97を制御することにより、収納室63の温度を調節する。ポンプ制御部127は、ポンプ83を駆動するモータ(図示略)の動作を、ポンプ駆動ユニット85を通じて制御する。
【0120】
残量消尽検知部129は、残量センサ87の検知信号を受信することにより、飲料容器61の飲料の残留が消尽したことを検知する。容器位置判定部131は、カメラ75が撮像することにより得られる画像データに基づき、容器69が容器受け71に載置された所定位置にあるか否かを判定する。発光装置制御部133は、発光装置77を点滅させる。錠検知部135は、施錠センサ91のモニタ信号を受信することにより、錠67の解錠・施錠を検知する。
【0121】
図19は、ポンプ83の動作原理を例示する動作説明図である。図示例のポンプ83では、モータ(図示略)の回転軸151に連結する回転盤153に、周に沿って多数のローラ155が配置され、各々が回転自在に支持されている。ローラ155は、押圧部材157の円弧状に湾曲した壁面に、柔軟な連結管143を押圧する。回転盤153がモータの駆動により回転すると、ローラ155に挟まれた連結管143内の空隙が、一方向に絞り送られる。その結果、飲料容器61に収容される飲料が汲み出され、注ぎ口73に送られる。回転盤153の回転量を調節することにより、提供される飲料の量を、所定の量に調節することができる。ポンプ83は、どの部品も連結管143の中を流れる飲料には接触しないので、衛生的である。
【0122】
図20は、残量センサ87の構造を例示する断面斜視図である。図示例の残量センサ87は、注ぎ口73の静電容量をモニタすることにより、注ぎ口73を流体が通過しているか否かを検知する。この目的のために、残量センサ87では、円弧状に湾曲した一対の電極板161,162が、絶縁体163,164を挟んで互いに対向するように、管状の注ぎ口73の外周に配置されている。電極板161、162は、管状の絶縁体167により覆われている。電極板161、162には、それぞれ電線165,166が接続されている。電線165,166は、絶縁体167を貫通して、絶縁体167の外方に導かれている。電線165,166は、制御ユニット93に接続される。
【0123】
制御ユニット93の残量消尽検知部129は、電線165,166の間の静電容量を計測する装置(図示略)を有しており、計測された静電容量の大きさに基づいて、注ぎ口73の管内に液体が有るか否かを検知する。電線165,166の間の静電容量は、例えば、電線165,166に交流電圧を印加しつつ電流を計測することにより、容易に計測することができる。静電容量が大きいほど、また交流電圧の周波数が高いほど、大きい電流が流れる。ポンプ83が動作しているにも拘わらず、注ぎ口73に流体が無ければ、残量消尽検知部129は、飲料容器61の残量が尽きていると判断することができる。残量センサ87は、いずれの部品も注ぎ口73を流れる飲料には接触しないので、衛生的である。
【0124】
[6.システム動作例4]
図21は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図5に例示した動作手順では、制御サーバ1がユーザ認証(S47)を行ったのに対し、
図21では、制御サーバ1に代わって、ユーザ10の選択に従い飲料をユーザ10に提供すべき飲料提供機3が、ユーザ認証を行う(S91)。この動作を可能にするために、飲料提供機3の制御ユニット93は、
図22のブロック図に例示するように、ユーザ認証部136を有している。
図3に例示した制御サーバ1には、ユーザ認証部51は無くても良い。
【0125】
図21において、ユーザ10がユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択し(S35)、
図12に例示した施設・商品リスト画面において、所望する飲料を注文するまでの処理の流れは、
図5に例示した対応する処理の流れと同じである。ユーザ10が、
図12に例示した施設・商品リスト画面上で「注文」ボタンをクリックすると、注文データが制御サーバ1に送られる(S37)。
【0126】
制御サーバ1は、注文データを受信する(S37)と、注文データにより選択された飲料提供機3に選択データを送信する(S90)。選択データには、注文をしたユーザ10の顔画像データが付随する。制御サーバ1は、ユーザ10が送った注文データ(S37)に含まれるユーザIDに基づいて、注文をしたユーザ10を特定することができ、対応する顔画像データをユーザ登録データ(表3参照)から探し出すことができる。
【0127】
選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させる(S41)。次に飲料提供機3は、カメラ75により前方を撮像する(S43)。次に飲料提供機3は、撮像によって得た、前方に居る人物の顔画像データを選択データ(S90)に付随する顔画像データと対比することにより、ユーザ認証を実行する(S91)。飲料提供機3は、ユーザ認証が成功しない(S93においてno)間は、顔画像撮像(S43)とユーザ認証(S91)とを繰り返す。ユーザ認証が成功すれば(S93においてyes)、飲料提供機3は、近接検知(S53)を実行する。近接検知は、検知に成功するまで、撮像(S43)、ユーザ認証(S91)とともに、繰り返し実行される(S53においてno)。近接検知(S53)以降の処理は、
図5における近接検知(S53)以降の処理と同じである。
【0128】
[7.システム動作例5]
図23は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図5に例示した動作手順では、飲料提供機3が近接検知(S53)及び容器検知(S55)を行ったのに対し、
図23の動作手順では、飲料提供機3に代わって、制御サーバ1が近接検知(S97)及び容器検知(S98)を行う。この動作を可能にするために、
図24に例示するように、制御サーバ1は、近接検知部53及び容器位置判定部54を有する。また、
図18に例示した飲料提供機3の制御ユニット93には、近接検知部123及び容器位置判定部131は無くても良い。
【0129】
図23において、ユーザ10がユーザ端末7を用いてユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択し(S35)、
図12に例示した施設・商品リスト画面において、所望する飲料を注文するまでの処理の流れは、
図5に例示した対応する処理の流れと同じである。ユーザ10が、
図12に例示した施設・商品リスト画面上で「注文」ボタンをクリックすると、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送られる(S37)。
【0130】
制御サーバ1は、注文データを受信する(S37)と、注文データにより選択された飲料提供機3に選択データを送信する(S39)。選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させる(S41)とともに、カメラ75により前方を撮像する(S43)。次に飲料提供機3は、撮像によって得た画像データを制御サーバ1に送る(S94)。制御サーバ1は、送信された画像データを受信すると、画像データから人物の顔画像データを抽出し、ユーザ認証を実行する(S95)。制御サーバ1は、認証に成功しない(S96においてno)間は、画像データの受信(S94)、ユーザ認証(S95)を繰り返す。ユーザ認証(S95)は、抽出した顔画像データを、制御サーバ1に登録されているユーザ登録データ(表3参照)のうち、注文をしたユーザ10に関連付けられているユーザ顔画像データと、対比することにより実行される。
【0131】
ユーザ認証が成功すれば(S96においてyes)、制御サーバ1は、近接検知を実行する(S97)。近接検知(S97)は、
図5に例示した近接検知(S53)と同じく、注文をしたユーザ10であると既に認証されている人物が、飲料提供機3の前方の所定領域内にまで近接していることを検知する。近接検知(S97)は、
図13(b)に例示したように、矩形枠により例示する顔画像の大きさが、所定基準を超えて大きいことを検知することにより、間接的かつ簡便に実行することができる。近接検知は、検知に成功するまで、画像データの受信(S94)、ユーザ認証(S95)とともに、繰り返し実行される(S97においてno)。
【0132】
近接検知に成功すると(S97においてyes)、制御サーバ1は容器検知を実行する(S98)。容器検知(S98)は、
図5に例示した容器検知(S55)と同じく、飲料の注入を受けることのできる、カップなどの容器69(
図4参照)が、容器受け71に載置された位置にあることを検知する。容器検知は、
図13(b)に例示したように、矩形枠により例示する容器69の位置が、容器受け71に載置された位置に相当する所定位置にあることを、検知することにより実行することができる。容器検知は、検知に成功する(S98においてyes)まで、ユーザ認証(S95)、近接検知(S97)とともに、繰り返し実行される(S98においてno)。
【0133】
容器検知に成功すると(S98においてyes)、制御サーバ1は、提供許可通知を飲料提供機3に送信する(S92)。飲料提供機3は、提供許可通知を受信しない(S99においてno)間は、撮像(S43)、画像データの送信(S94)を繰り返し実行する。飲料提供機3は、提供許可通知を受信すると(S99においてyes)、飲料の提供を開始する(S57)。飲料提供開始(S57)以降の動作は、
図5に例示した飲料提供開始(S57)以降の動作と同じである。
【0134】
[8.システム動作例6]
図25は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図25に例示する動作手順では、制御サーバ1は、ユーザ端末7から注文データを受信し(S37)、選択された飲料提供機3に選択データを送信する(S39)前に、選択された飲料提供機3が設置される施設に属する全ての飲料提供機3に、同期発光制御信号を送信する(S121)。制御サーバ1は、注文データに含まれる管理者ID又は飲料提供機IDに基づき、制御サーバ1が登録している飲料データ(表2参照)を参照することにより、同一の管理者が管理する飲料提供機3を選び出すことができる。同期発光制御信号(S121)を受信した一群の飲料提供機3は、互いに同期して発光装置77を点滅させる(S123)。
【0135】
図26は、同一施設に設置された一群の飲料提供機3が同期発光する形態を例示している。図示例では、8台の飲料提供機3の発光装置77のうち、2つのみが同時に点灯し、かつ点灯する発光装置77が、8台の飲料提供機3に沿って周回するように順に移って行く。このような光の演出により、この施設の飲料提供機3に注文があったことをユーザ10に報知するとともに、施設の管理者からの歓迎の意をユーザ10に伝えることができる。
【0136】
図25に戻って、同期発光(S123)が所定時間続いた後に、制御サーバ1は、注文データにより選択されている飲料提供機3に、選択データを送信するとともに(S39)、同期発光制御信号の送信を停止する。その結果、一群の飲料提供機3は、同期発光を停止し、選択された飲料提供機3のみが、発光装置77を点灯させる(S41)。発光装置77の点灯開始(S41)以後の飲料自動提供システム101の動作は、
図5に例示した点灯開始(S41)以後の動作と同じである。なお、制御サーバ1による同期発光制御信号(S121)は、注文データ(S37)の受信とは無関係に、例えば、施設の管理者による管理者端末5を通じた指示に基づき、当該施設に設置される全ての飲料提供機3に送信しても良い。
【0137】
[9.システム動作例7]
図27は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図27に例示する動作手順は、飲料提供機3の動作モードが通常の動作モードではなく、洗浄モードであるときの飲料自動提供システム101の動作の流れを例示している。飲料提供機3の吸引パイプ141から注ぎ口73までの飲料の経路を洗浄する動作モードが、洗浄モードである。
【0138】
飲料提供機3を洗浄モードで動作させるためには、飲料提供機3の管理者は、先ず錠67を解錠する(S131)。錠67が解錠されると、飲料提供機3は、錠検知部135により解錠を検知し、動作中止を制御サーバ1に通知する(S133)。制御サーバ1は、動作中止通知を受信すると、動作中止通知を送信した飲料提供機3を選択する注文データ(S37)をユーザ端末7から受信しても、選択された飲料提供機3に選択信号を送信すること(S39)を一旦保留する。
【0139】
管理者は、解錠(S131)の後、開閉蓋65(
図17参照)を開き、収納室63から飲料容器61を取り出す。管理者は、飲料容器61に代えて、洗浄液(洗浄水を含む)を収容した瓶などの容器を、収納室63に収納すると同寺に、吸引パイプ141を容器に挿入する。その後に、管理者は、洗浄ボタン89を押すことにより(S135)、ポンプ83を起動する。その結果、洗浄液が汲み出され、注ぎ口73から排出されることにより、飲料の経路が洗浄される(S137)。注ぎ口73には、例えば、洗浄液を所定の排水容器又は排水設備に導くためのホース等を、あらかじめ接続しておくと良い。
【0140】
ポンプ83は、例えば、洗浄ボタン89が再び押されることにより、洗浄終了が指示される(S139においてyes)まで、動作を続ける(S139においてno)。洗浄終了を指示すると(S139においてyes)、管理者は、洗浄液を収容した容器に代えて、飲料容器61を収納室63に設置するとともに、吸引パイプ141を飲料容器61に挿入する(S141)。その後、管理者は開閉蓋65を閉じ、錠67を施錠する(S143)。施錠がなされると(S143)、飲料提供機3は、動作の再開を制御サーバ1に通知する(S145)。
【0141】
制御サーバ1は、動作再開通知を受け取らない(S147においてno)間は、注文データを受信しても(S37)、動作中止通知(S133)を送った飲料提供機3には、選択データの送信(S39)を見送る。制御サーバ1は、動作再開通知(S145)を受信すると(S147においてyes)、保留しておいた選択データを、選択された飲料提供機3に送信する(S39)。選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を発光させる(S41)。その後の動作の流れは、
図5に例示した発光開始(S41)以降の動作の流れと同じである。
【0142】
制御サーバ1は、動作中止通知(S133)を送った飲料提供機3を、
図12に例示する施設・商品リスト画面上でユーザ10が選択するのを許可しないようにしても良い。例えば、
図12に例示する施設・商品リスト画面上において、動作中止通知(S133)を送った飲料提供機3の施設内番号79等を、通常とは異なる色で表示し、ユーザ10がその飲料提供機3の「選択」欄をクリックしても、選択を受け付けないようにすることが可能である。
【0143】
[10.システム動作例8]
図28は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図5に例示した動作手順では、ユーザ認証(S47)には、ユーザ10の顔画像データが用いられた。これに対し、
図28に例示する動作手順では、ユーザ10を識別するデータとして、ユーザ10に付与される二次元バーコードが、ユーザ認証(S157)に用いられる。
【0144】
図28に例示する動作手順では、制御サーバ1は、ユーザ登録(S29)において、登録するユーザ毎に、各ユーザを互いに識別するデータとして、二次元バーコードを付与する(表3参照)。
図28に例示する動作手順においても、
図5に例示した動作手順と同様に、ユーザ10がユーザ端末7を用いてユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択し(S35)、
図12に例示した施設・商品リスト画面において、所望する飲料を注文すると、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送られる(S37)。
【0145】
制御サーバ1は、注文データを受信する(S37)と、注文データによって選択された飲料提供機3に、選択データを送信する(S151)。選択データ(S151)には、注文したユーザ10の二次元バーコードが含められる。制御サーバ1は、注文データ(S37)に含まれている、注文をしたユーザ10のユーザIDに対応する二次元バーコードを、制御サーバ1が登録しているユーザ登録データ(表3参照)から、探し出すことができる。制御サーバ1は、二次元バーコードを予め生成し、ユーザ登録データに含める代わりに、注文データ(S37)を受信する毎に、ユーザIDに対応する二次元バーコードを生成してもよい。
【0146】
選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させる(S41)。制御サーバ1は、注文をしたユーザ10の二次元バーコードをユーザ端末7にも送信する(S152)。ユーザ端末7が、二次元バーコードを受信すると、ユーザ10は、ユーザ端末7の表示装置13(
図2参照)に、受信した二次元バーコードを表示させる(S153)。発光を開始(S41)した飲料提供機3は、カメラ75を作動させることにより、前方を撮像する(S155)。ユーザ10が、ユーザ端末7の表示装置13を前方に向けて、自身が選択した飲料提供機3の前に立つと、飲料提供機3のカメラ75が撮像する(S155)画像の中に、表示装置13に表示された二次元バーコードが現れる。
【0147】
図29は、飲料提供機3による二次元バーコードの検知及び近接検知の動作を説明する動作説明図である。
図29(a)に例示するように、飲料提供機3は、カメラ75が撮像する画像の中に、二次元バーコードを認識する。飲料提供機3は、選択データ(S151)に含めて送られた、注文をしたユーザ10の二次元バーコードと、認識した二次元バーコードとを対比することによって、ユーザ認証を実行する(S157)。ユーザ認証(S157)は、飲料提供機3の前に居る人物が、注文をしたユーザ10であることを認証するものである。
【0148】
図28に戻って、認証に成功しない(S159においてno)限り、飲料提供機3は撮像(S155)、ユーザ認証(S157)を繰り返す。ユーザ認証に成功すると(S159においてyes)、飲料提供機3は、近接検知を実行する(S161)。近接検知(S161)は、注文をしたユーザ10であると既に認証されている人物が、飲料提供機3の前方の所定領域内にまで近接していることを検知するものである。近接検知(S161)は、
図29(b)に例示するように、矩形枠により例示する二次元バーコードの大きさが、所定基準を超えて大きいことを検知することにより、間接的かつ簡便に実行することができる。近接検知(S161)は、検知に成功しない(S161においてno)間は、撮像(S155)、ユーザ認証(S157)とともに、繰り返し実行される。
【0149】
近接検知に成功すると(S161においてyes)、飲料提供機3は、容器検知を実行する(S55)。容器検知(S55)は、
図5に例示した容器検知(S55)と同じく、カップなどの飲料の注入を受けることのできる容器69(
図4参照)が、容器受け71に載置された位置にあることを検知するものである。容器検知(S55)は、
図29(b)に例示するように、矩形枠により例示する容器69の位置が、容器受け71に載置された位置に相当する所定位置にあることを検知することにより、実行することができる。
【0150】
容器検知(S55)は、検知に成功しない(S55においてno)間は、撮像(S155)、ユーザ認証(S157)、近接検知(S161)とともに、繰り返し実行される。容器検知に成功すると(S55においてyes)、飲料提供機3は飲料の提供を開始する(S57)。その後の動作手順は、
図5に例示した飲料提供開始(S57)の後の動作手順と同じである。
【0151】
[11.システム動作例9]
図30は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図30に例示する動作手順は、飲料を注文したユーザ10が、注文した飲料を提供する飲料提供機3の二次元バーコード等の飲料提供機識別コード81を自身のユーザ端末7により撮像し、撮像した画像データを制御サーバ1に送信することにより、飲料提供機3の前に居る人物が、この飲料提供機3が提供する飲料を注文したユーザ10であることを認証する。従って、ユーザ登録データ(表3参照)には、ユーザ10の顔画像データ、二次元バーコードのいずれも無くても良い。
【0152】
図30に例示する動作手順においても、
図5に例示した動作手順と同様に、ユーザ10がユーザ端末7を用いてユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択し(S35)、所望する飲料を注文すると、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送られる(S37)。制御サーバ1は、注文データを受信すると、注文データにより選択された飲料提供機3に、選択データを送信する(S39)。選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させる(S41)。飲料を注文したユーザ10は、注文をした飲料を提供する飲料提供機3の前に立ち、ユーザ端末7を用いて、注文に用いたユーザ・アプリケーション上で、飲料提供機3の飲料提供機識別コード81を撮像する(S171)。
【0153】
飲料提供機識別コード81が撮像されると、ユーザ端末7は、動作中のユーザ・アプリケーションの働きにより、撮像された飲料提供機識別コード81の画像データを、ユーザIDとともに、制御サーバ1に送信する(S173)。制御サーバ1は、飲料提供機識別コード81の画像データをユーザIDとともに受信すると、同一のユーザIDが含まれる先の注文データに含まれる飲料提供機IDに対応する飲料提供機識別コード81を、制御サーバ1が登録している飲料データ(表2参照)から探し出し、探し出した飲料提供機識別コード81と受信した飲料提供機識別コード81とを対比することにより、識別コード認証を実行する(S175)。識別コード認証は、対比される2つの飲料提供機識別コード81が同一であることを認証するものであることから、飲料提供機3の前に居る人物が、その飲料提供機3が提供する飲料を注文したユーザ10であることを認証するユーザ認証の一形態に該当する。
【0154】
識別コード認証は、
図3に例示した制御サーバ1において、ユーザ認証部51によって実行される。認証に成功するまで、識別コード認証(S175)は繰り返される(S177においてno)。認証に成功すると、制御サーバ1は、飲料の提供を許可する通知を、飲料提供機3に送信する(S179)。飲料提供機3は、提供許可通知(S179)を受信するのを待って(S181)、ユーザ10による飲料提供開始の指示を待つ(S183)。
【0155】
図30の動作例では、例えば、
図31に例示するように、飲料提供機3の本体64の前面上端部に、飲料提供開始を指示する飲料提供開始ボタン301が設置される。図示例では、飲料提供開始ボタン301は、
図4に例示したカメラ75に代えて設置されている。
【0156】
ユーザ10が飲料提供開始ボタン301を押すと(S183においてyes)、飲料提供機3は、ポンプ83を起動し、飲料の提供を開始する(S57)。その後の動作手順は、
図5に例示した飲料提供開始(S57)の後の動作手順と同じである。以上の通り、
図30に例示する動作手順においては、飲料提供機3にカメラ75は無くても良い。
【0157】
[12.システム動作例10]
図32は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図32に例示する動作手順は、飲料提供機3の前に人物がいること、その人物が成人であることを認証し、飲料を提供する。従って、ユーザ登録データ(表3参照)には、ユーザ10の顔画像データ、二次元バーコードのいずれも要しない。
【0158】
図32に例示する動作手順においても、
図5に例示した動作手順と同様に、ユーザ10がユーザ端末7を用いてユーザ・アプリケーションを起動し(S33)、飲料注文画面を選択し(S35)、所望する飲料を注文すると、注文データがユーザ端末7から制御サーバ1に送られる(S37)。制御サーバ1は、注文データを受信すると、注文データにより選択された飲料提供機3に、選択データを送信する(S39)。選択データを受信した飲料提供機3は、発光装置77を点灯させるとともに(S41)、カメラ75により前方を撮像する(S43)。撮像によって得られた画像データは、制御サーバ1に送られる(S45)。飲料提供機3の前に人物が居ると、その人物の顔画像データが、制御サーバ1に送られることとなる(S45)。
【0159】
制御サーバ1は、顔画像データを受信する(S45)と、成人認証を実行する(S191)。成人認証は、顔画像データに基づいて、例えば学習済みの人工知能を用いて、顔画像データに対応する人物が成人であることを認証するものである。使用する人工知能は、制御サーバ1に組み込まれていても良く、制御サーバ1がネットワーク9を通じてアクセス可能なように、飲料自動提供システム101の運営事業者とは別の事業主体により提供されるサーバに構築されたものであっても良い。成人認証(S191)は、認証に成功するまで繰り返される(S193においてno)。
【0160】
認証に成功すると(S193においてyes)、制御サーバ1は、飲料の提供を許可する通知を飲料提供機3に返送する(S195)。飲料提供機3は、飲料提供許可通知を受信するまで撮像(S43)を繰り返す(S197においてno)。飲料提供機3が許可通知を受信した(S197においてyes)後の動作手順は、
図5に例示した、飲料提供機3が許可通知を受信した(S51においてyes)後の動作手順と同じである。
【0161】
制御サーバ1は、顔画像データ(S45)を受信した後の成人認証(S191)を、ユーザ10が注文した飲料の種類がアルコール飲料である場合に限り行い、そうでない場合には、成人認証(S191)を実行することなく、飲料提供許可通知(S195)を飲料提供機3に返送しても良い。制御サーバ1は、注文データ(S37)に含まれる飲料提供機IDに基づき、登録されている飲料データ(表2参照)に含まれる飲料種別を特定することにより、ユーザ10に選択された飲料がアルコール飲料であるか、そうでないかを、判定することができる。
【0162】
制御サーバ1が成人認証を実行するために、
図3に機能ブロックが例示される制御サーバ1に、「成人認証部」を組み込むことができる。「成人認証部」は、例えば、成人認証(S191)から提供許可通知の送信(S195)までの動作を実行する。成人認証(S191)は、制御サーバ1が行う代わりに飲料提供機3が行っても良い。この動作を実現するために、
図18に機能ブロックを例示する制御ユニット93に「成人認証部」を付加することができる。
【0163】
[13.システム動作例11]
図33は、飲料自動提供システム101の更に別の動作手順を例示するシーケンス図である。
図33に例示する動作手順では、制御サーバ1が、飲料提供機3が提供する飲料の温度条件データを、飲料メーカが設置するサーバ201から取得し、飲料提供機3が設置される地域の気象データを、各地の気象データを提供する気象データサーバ203から取得し、それらのデータに基づいて、飲料提供機3の収納室63の温度を最適な高さに制御する。飲料メーカサーバ201、気象データサーバ203は、制御サーバ1によりアクセスが可能なように、
図1に例示するネットワーク9に接続されている。
図33に例示する動作手順を可能にするために、制御サーバ1は、例えば
図34の機能ブロック図に例示するように、温度条件設定部205、温度データ生成部207を有している。
【0164】
図33に例示する動作手順では、制御サーバ1は、登録されている飲料データ(表2参照)を参照することにより、新たに追加のあった飲料提供機3に関連付けられている飲料、又は既に登録されている飲料提供機3に対して新たに置き換えのあった飲料について、飲料メーカサーバ201にアクセスして、温度条件を規定したデータを要求する(S201)。要求データ(S201)は、飲料の商品名を付して、その商品の飲料メーカのサーバ201に送信される。飲料メーカサーバ201は、要求に応じて、要求データに付された商品名の商品の温度条件データを、制御サーバ1に返送する(S203)。温度条件データには、例えば、(晴天、曇天、雨天、降雪)と(寒、涼、暖、暑)と(湿、適、乾)の組み合わせにより規定される気象条件に応じた、商品の最適温度が含まれる。制御サーバ1は、受信した温度条件データを、登録されている飲料データ(表2参照)に含めて記憶する(S205)。温度条件データ要求(S201)から温度条件データ記憶(S205)までの動作は、例えば、温度条件設定部205により実行される。
【0165】
制御サーバ1は、更に、登録されている飲料データに含まれている飲料提供機IDの各々について、設置される施設の住所に基づき、飲料提供機IDに対応する飲料提供機3が設置される場所の気象データを、気象データサーバ203にアクセスして要求する(S207)。要求(S207)には、飲料提供機3が設置される場所を示すデータが含まれる。気象データサーバ203は、要求(S207)を受信すると、要求に含まれる場所データに対応する気象データを制御サーバ1に返送する(S209)。制御サーバ1は、登録されている飲料データ(表2参照)に含まれている温度条件データと、受信した気象データとに基づいて、温度データを生成する(S211)。その後、制御サーバ1は、生成した温度データを、対応する飲料提供機3に送信する(S213)。気象データ要求(S207)から温度データ送信(S213)までの動作は、例えば、温度データ生成部207により実行される。
【0166】
飲料提供機3は、温度データ(S213)を受信すると、受信した温度データが示す最適温度となるように、収納室63の温度を調節する(S215)。制御サーバ1は、登録された飲料データ(表2参照)に含まれる全ての飲料提供機IDについて、所定の時間が経過する(S217においてyes)毎に、気象データ要求(S207)、気象データ受信(S209)、温度データ生成(S211)、温度データ送信(S213)を繰り返し実行する。このようにして、制御サーバ1に登録された飲料提供機3が提供する飲料は、気象条件をも考慮した最適温度に保たれる。
【0167】
制御サーバ1は、表2に温度条件データを追加して記憶する代わりに、表4に例示するデータ構造を有する温度条件データを、表2とは別に登録データとして記録しても良い。表4に例示する温度条件データでは、製造元を識別する製造元ID(製造元識別子)に関連付けて、製造元名称、商品を識別する商品ID(商品識別子)、商品名、温度条件データ等のデータの入手先アドレス、及び入手した温度条件データが記憶される。製造元ID、商品IDは、例えば、制御サーバ1により付与される。製造元ID及び商品IDは、表2の飲料データにも付加される。それにより、表2と表4とは、互いに関連付けられる。
【0168】
【0169】
表2のデータに新たな商品が登録されるときには、新たな商品に関連するデータが表4に追加される。制御サーバ1は、新たに追加された商品について、表4のデータ入手先アドレスに基づいて、温度条件データ要求(S201)を飲料メーカサーバ201に送り、返送された温度条件データ(S203)を、表4の温度条件データの項目に記録する。このように制御サーバ1は、表4に例示する温度条件データを記憶することにより、新たな商品の登録があったときのみ、温度条件データを飲料メーカサーバ201から取得すれば足りる。飲料提供機3が新たに追加されたり、既に登録されている飲料提供機3に対して商品である飲料が新たに置き換えられたりしても、飲料提供機3が提供する商品が表4に既に登録されている場合には、制御サーバ1は、飲料メーカサーバ201に温度条件データ要求(S201)を送ることなく、表4を参照することにより、商品に関連付けられた温度条件データを取得することができる。
【0170】
[14.その他の例]
(1) 上述の「システム動作例8」(
図28参照)では、ユーザ認証(S157)に、ユーザ10を識別する二次元バーコードが用いられた。これに対して、ユーザ10を識別するユーザ識別データとして、二次元バーコード以外の形態を用いることも可能である。例えば、30ビットの二値データによって、10億人のユーザ10を識別することが可能である。制御サーバ1は、このようなユーザ識別データを、ユーザ登録データ(表2参照)に含めて記憶しておき(S29)、ユーザ識別データを飲料提供機3に送信する(S151)とともに、ユーザ端末7に送信(S152)しても良い。
【0171】
ユーザ端末7上で動作するユーザ・アプリケーションには、ユーザ10の操作により、音声搬送波信号をユーザ識別データにより変調し、スピーカにより音声として出力させる変調モジュールを組み込むことが可能である。
図18に例示する飲料提供機3にはユーザ端末7が出力する音声を検知するマイクロフォンを組み込み、飲料提供機3の制御ユニット93には、「システム動作例8」と同様にユーザ認証部を組み込むとともに、マイクロフォンにより得られた音声信号を復調することによりユーザ識別データを再構成する復調部を、組み込むことが可能である。それにより、制御サーバ1から送られたユーザ識別データと、復調により得られたユーザ識別データとを対比することにより、ユーザ認証(S157)を実行することが可能である。
【0172】
飲料提供機3には、マイクロフォンを互いに間隔を保って3箇所以上の部位に設置することにより、飲料提供機3はユーザ10が保持するユーザ端末7と自身との距離を測ることが可能である。音声による測距を実行する測距部が、制御ユニット93に組み込まれることにより、飲料提供機3は近接検知(S161)を実行することも可能となる。
【0173】
(2) 上述の各システム動作例では、ポンプ83を駆動するモータの回転量を調節することにより、容器69に注入する飲料の量を調整する例を示した(
図19を参照した説明部分参照)。これに対して、カメラ75により、撮像することにより得られる容器69の画像から、飲料が満杯になることを検知する注入量検知部を、飲料提供機3の制御ユニット93に組み込むことも可能である。注入量検知部が満杯を検知すると、ポンプ制御部127は、ポンプ83を停止させる。このような構成例は、容器69が、施設の管理者により提供される所定の容量の容器である場合に、特に有効である。また、容器69が透光性であり、カメラ75の受光窓が、容器受け71に載置された容器69の側面に面するように配置されるときには、満杯未満の飲料の量を計測することも可能となる。
【符号の説明】
【0174】
1 制御サーバ、 3 飲料提供機、 5 管理者端末、 7 ユーザ端末、 9 ネットワーク、 10 ユーザ、 11 入力装置、 12 主要回路部、 13 表示装置、 14 ハードディスク装置(HDD)、 15 LAN、 20 飲料提供用機設置台、 21 CPU、 22 ROM、 23 RAM、 24 インタフェース、 25 読取装置、 26 バスライン、 31 課金サーバ、 33 銀行サーバ、 41 管理者アプリ提供部、 43 ユーザ・アプリ提供部、 45 管理者登録部、 47 ユーザ登録部、 49 注文処理部、 51 ユーザ認証部、 53 近接検知部、 54 容器位置判定部、 55 課金部、 61 飲料容器、 63 収納室(飲料容器収納室)、 64 本体、 65 開閉蓋、 67 錠、 69 容器、 71 容器受け、 73 注ぎ口、 75 カメラ、 77 発光装置、 79 施設内番号、 81 飲料提供機識別コード、 83 ポンプ、 85 ポンプ駆動ユニット、 87 残量センサ(残量消尽検知器)、 89 洗浄ボタン(スイッチ)、 91 施錠センサ、 93 制御ユニット、 95 通信ユニット、 97 冷却加温ユニット(温度調節器)、 101 飲料自動提供システム、 121 顔画像データ取得部、 123 近接検知部、 125 温度制御部、 127 ポンプ制御部、 129 残量消尽検知部、 131 容器位置判定部、 133 発光装置制御部、 135 錠検知部、 136 ユーザ認証部、 141 吸引パイプ、 143 連結管、 147 回路基板、 149 通気口、 151 回転軸、 153 回転盤、 155 ローラ、 157 押圧部材、 161,162 電極板、 163,164 絶縁体、 165,166 電線、 167 絶縁体、 205 温度条件設定部、 207 温度データ生成部、 301 飲料提供開始ボタン。