(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114115
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報処理装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/56 20130101AFI20240816BHJP
【FI】
G06F21/56 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019598
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】乾 正樹
(57)【要約】
【課題】同一のユーザからウイルスに感染したジョブ情報を繰り返して受信することを抑制することができる情報処理装置等を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、前記ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する制御部を備えた情報処理装置であって、前記制御部は、前記ジョブ情報が前記ウイルスに感染していると判定された場合に、前記ユーザによる使用の制限を特定可能な使用制限情報を前記認証情報に紐づけて記憶部に記憶させ、前記記憶部に前記使用制限情報が記憶されている場合に、前記使用制限情報に紐づけられている前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を制限する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、前記ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する制御部を備えた情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記ジョブ情報が前記ウイルスに感染していると判定された場合に、前記ユーザによる使用の制限を特定可能な使用制限情報を前記認証情報に紐づけて記憶部に記憶させ、
前記記憶部に前記使用制限情報が記憶されている場合に、前記使用制限情報に紐づけられている前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を制限する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、複数の装置に相当する複数の機能を発揮する複合機であり、
前記制御部は、前記複数の機能のそれぞれごとに前記使用制限情報を前記記憶部に個別に記憶させることによって、前記複数の機能のそれぞれごとに前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を個別に制限する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記情報処理装置の前記ユーザによる使用の制限の解除を特定可能な制限解除情報を受信した場合に、前記記憶部から前記使用制限情報を無効化することによって、前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用の制限を解除する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記情報処理装置を管理する管理サーバの操作部に対する所定操作に基づいて前記管理サーバから前記制限解除情報を受信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザが操作可能な操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部に対する所定操作が行われた場合に前記情報処理装置の使用の制限を解除する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記情報処理装置と通信可能な通信端末の操作部に対する所定操作に基づいて前記通信端末から前記制限解除情報を受信する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、前記ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する制御部を備えた情報処理装置の制御方法であって、
前記制御部は、
前記ジョブ情報が前記ウイルスに感染していると判定された場合に、前記ユーザによる使用の制限を特定可能な使用制限情報を前記認証情報に紐づけて記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶部に前記使用制限情報が記憶されている場合に、前記使用制限情報に紐づけられている前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を制限するステップと、を実行する、
情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、下記の特許文献1に開示されているように、情報処理装置の一例としての複合機の開発が行われている。このような情報処理装置は、受信したジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを検出する機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報処理装置がウイルスを検出しても、ユーザが、ウイルスに感染したジョブ情報を処理していることに気づかずに、情報処理装置を使用し続ければ、そのユーザから、再度、ウイルスに感染したジョブ情報を受信することが予想される。
【0005】
本開示は、上述の問題に鑑みなされたものである。本開示の目的は、同一のユーザからウイルスに感染したジョブ情報を繰り返して受信することを抑制することができる情報処理装置およびその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置は、ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、前記ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する制御部を備えた情報処理装置であって、前記制御部は、前記ジョブ情報が前記ウイルスに感染していると判定された場合に、前記ユーザによる使用の制限を特定可能な使用制限情報を前記認証情報に紐づけて記憶部に記憶させ、前記記憶部に前記使用制限情報が記憶されている場合に、前記使用制限情報に紐づけられている前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を制限する。
【0007】
本開示の情報処理装置の制御方法は、ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、前記ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する制御部を備えた情報処理装置の制御方法であって、前記制御部は、前記ジョブ情報が前記ウイルスに感染していると判定された場合に、前記ユーザによる使用の制限を特定可能な使用制限情報を前記認証情報に紐づけて記憶部に記憶させるステップと、前記記憶部に前記使用制限情報が記憶されている場合に、前記使用制限情報に紐づけられている前記認証情報により特定される前記ユーザによる前記情報処理装置の使用を制限するステップと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態の情報処理装置が使用制限をする場合の機能ブロック図である。
【
図2】実施の形態の変形例の情報処理装置の記憶部に記憶されたデータテーブルを示す図である。
【
図3】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する方法の第1の例を示す機能ブロック図である。
【
図4】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する方法の第2の例を示す機能ブロック図である。
【
図5】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する方法の第3の例を示す機能ブロック図である。
【
図6】実施の形態の情報処理装置が使用制限を実行する方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】実施の形態の情報処理装置が使用制限を実行する方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する第2の例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】実施の形態の情報処理装置が使用制限を解除する第3の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態の情報処理装置を、図面を参照しながら説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0010】
図1~
図10を用いて、実施の形態の情報処理装置MFPを説明する。
【0011】
図1は、本実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限をする場合の機能ブロック図である。
図1は、ユーザAの情報処理装置MFPの操作に起因してウイルスが検知された場合に、そのユーザAの認証情報に紐づけてそのユーザAに対して情報処理装置MFPの使用制限を行う仕組みを表している。
【0012】
本実施の形態の情報処理装置MFPは、複合機である。複合機は、プリント機能、スキャナ機能、コピー機能、およびFAX機能等の複数の装置に相当する複数の機能を有するものである。ただし、情報処理装置MFPは、プリント機能、スキャナ機能、コピー機能、またはFAX機能のそれぞれの個別の機能を有する個別の装置であってもよい。また、情報処理装置MFPは、パーソナルコンピュータまたは通信端末等、複合機が有する複数の機能とは異なる機能を有する装置であってもよい。
【0013】
図1に示されるように、本実施の形態の情報処理装置MFPは、受信部R、制御部C、表示/操作部D/O、印刷部P、スキャナS、および、記憶部(データベース)DBを備えている。
【0014】
受信部Rは、外部からデータを受信するポートである。受信部Rは、たとえば、ネットワークインターフェース、ユーザAのUSB(Universal Serial Bus)メモリまたはケーブルのジャックからジョブ情報、たとえば、プリントジョブ情報を受信し、制御部Cへジョブ情報を送信する。ただし、受信部Rは、無線通信用のアンテナ等であってもよい。
【0015】
記憶部DBは、ユーザ名と使用制限のための情報とを紐づけて記憶させることができるユーザデータベースと呼ばれるメモリである。記憶部DBは、書き換え可能に構成されている。記憶部DBは、電子情報を記憶することができるものであれば、いかなるものであってもよい。記憶部DBは、情報処理装置MFPの外部に設けられたデータサーバであってもよい。記憶部DBが情報処理装置MFPの外部に設けられている場合には、情報処理装置MFPと記憶部DBとが無線通信または有線通信によって互いに情報を送受信する。なお、記憶部DBが情報処理装置MFPの外部に設けられたデータサーバである場合、複数の情報処理装置MFPが共通の記憶部DBを参照する。
【0016】
表示/操作部D/Oは、たとえば、押し釦式の操作部に加えて、操作部と表示部とが一体化されたタッチパネル等を含んでいる。本実施の形態においては、表示/操作部D/Oは、制御部C等の他の部分と一体的に形成されている。しかしながら、装置表示/操作部D/Oは、リモートコントローラのように情報処理装置MFPから分離されたものであってもよい。この場合、表示/操作部D/Oと制御部Cとは無線または有線で通信する。
【0017】
制御部Cは、プロセッサと呼ばれるコンピュータである。制御部Cは、それ自身に内蔵されたメモリに記憶されたプログラムおよび表示/操作部D/Oから受信した指令信号に基づいて印刷部PおよびスキャナSのそれぞれを制御する。
【0018】
本実施の形態の制御部Cは、前述のプログラムに基づいて外部装置から受信部Rを経由して受信したジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを検知するウイルス検知機能を有している。つまり、制御部Cは、ユーザを特定可能な認証情報が付随したジョブ情報を受信した場合に、ジョブ情報がウイルスに感染しているか否かを判定する。
【0019】
制御部Cは、ジョブ情報がウイルスに感染していると判定された場合に、ユーザAによる使用が制限されていることを特定可能な使用制限情報を認証情報に紐づけてデータベースとしての記憶部DBに記憶させる。たとえば、
図1においては、記憶部DBにおいては、ユーザAによる情報処理装置MFPの使用を制限することが記憶されている。この場合、制御部Cは、記憶部DBに使用制限情報が記憶されている場合に、使用制限情報に紐づけられている認証情報により特定されるユーザAによる情報処理装置MFPの使用を制限する。
【0020】
具体的には、情報処理装置MFPは、次のような処理を行う。
【0021】
(1)ユーザAが、情報処理装置MFPにデータの一例のプリントジョブ等のジョブ情報を入力する。(2)それにより、制御部Cは、ウイルスを検知した場合、すなわち、ジョブ情報がウイルスに感染していると判定した場合、ユーザデータベースとしての記憶部DBへユーザAの使用が制限されていることを特定可能な情報を書き込む。それにより、(3)ユーザAの情報処理装置MFPの使用が制限される。
【0022】
その後、ユーザAによる外部の通信端末の操作により、通信端末から受信部Rを経由して、認証情報を入力することにより、ジョブ情報に認証情報が付加される。次に、ユーザA自身の認証情報、たとえば、ユーザAのユーザ名が付されたジョブ情報が制御部Cへ送信される。ただし、認証情報は、ユーザ名以外に、ユーザのメールアドレス、ユーザ認証番号、ユーザの顔画像、ユーザの指紋画像、またはユーザの声紋等の情報であってもよい。
【0023】
この場合、制御部Cは、ジョブ情報に付されているユーザAの認証情報と一致する認証情報が記憶部DBに記憶されているか否かを判定する。それにより、
図1に示されているように、ユーザAの認証情報が記憶部DBに記憶されている場合に、制御部Cは、記憶部DBにユーザAの使用が制限されていることが記憶されているか否かを判定する。
【0024】
それにより、記憶部DBにユーザAの使用が制限されていることが記憶されている場合に、制御部Cは、ユーザAによる情報処理装置MFPの使用を制限する。つまり、制御部Cは、ユーザAが表示/操作部D/Oを操作しても、印刷部PおよびスキャナSが何ら機能を発揮しない状態にする。
【0025】
具体的には、制御部Cは、記憶部DBのユーザAの欄に「制限中」というデータを記憶させることによって、ユーザAが情報処理装置MFPのプリント機能、コピー機能、スキャン機能、およびFAX機能のいずれをも使用をできない状態にする。なお、
図1においては、記憶部DBに記憶されているユーザA以外のユーザBおよびユーザC等の情報処理装置MFPの使用は制限されていない。
【0026】
このような本実施の形態の情報処理装置MFPによれば、ウイルスに感染したことが検出されたジョブ情報を情報処理装置MFPへ送信してきたユーザAの以後の情報処理装置MFPの使用を制限することができる。そのため、同一のユーザAからウイルスに感染したジョブ情報を繰り返して受信することを抑制することができる。なお、記憶部DBが情報処理装置MFPの外部に設けられたデータサーバである場合、複数の情報処理装置MFPのいずれの装置であっても同一ユーザAの使用を制限することができる。
【0027】
図2は、実施の形態の変形例の情報処理装置のデータベースとしての記憶部DBに記憶されたデータテーブルを示す図である。
図2は、情報処理装置MFPは、複数の機能のそれぞれごとに使用制限を設定可能にすることを説明するための図である。
【0028】
本実施の形態の情報処理装置MFPは、前述したように、複数の装置に相当する複数の機能を発揮する複合機である。ただし、
図2においては、制御部Cは、複数の機能のそれぞれごとに使用制限情報を記憶部DBに個別に記憶させている。
【0029】
それにより、制御部Cは、複数の機能のそれぞれごとにユーザによる情報処理装置MFPの使用を個別に制限する。たとえば、
図2に示されるように、記憶部DBのユーザAのプリント機能の欄に「制限中」というデータが記憶されることによって、ユーザAによるプリント機能のみの使用を制限する。
【0030】
たとえば、プリント機能を使用するためのプリントジョブ情報にウイルスが含まれていた場合、ユーザAによるプリント機能のみの使用を制限することが考えられる。つまり、ウイルスに感染したジョブ情報によって使用しようとした機能と同一の機能のユーザAによる使用を制限することが考えられる。
【0031】
このような本実施の形態の情報処理装置MFPによれば、複数の機能のそれぞれごとに各ユーザによる情報処理装置MFPの使用を個別に制限することができる。したがって、特定の機能においてウイルスに感染したジョブ情報を情報処理装置MFPへ送信したユーザであっても、情報処理装置MFPのプリント機能以外の機能を使用することができる。したがって、ユーザAに情報処理装置MFPの過度な使用の制限を課すことを抑制することがきる。なお、記憶部DBが情報処理装置MFPの外部に設けられたデータサーバである場合、複数の情報処理装置MFPのいずれの装置であっても、同一ユーザAによるプリント機能の使用を制限し、プリント機能以外の機能を使用することがすることができる。
【0032】
図3は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第1の例を示す機能ブロック図である。具体的に言うと、
図3は、使用制限の対象者であるユーザが、管理者の使用許可を受けることによって使用制限が解除される仕組みを表す図である。
【0033】
本実施の形態の制御部Cは、情報処理装置MFPのユーザAによる使用の制限の解除を特定可能な制限解除情報を受信した場合に、記憶部DBから使用制限情報を無効化する。使用制限情報の無効化は、たとえば、記憶部DBからの使用制限情報の削除、または、記憶部DBに記憶された使用制限情報への使用制限解除情報の付加等、いかなるものであってもよい。たとえば、
図3に示されるように、使用制限情報は、記憶部DBのユーザAの欄において「制限中」というデータが「なし」というデータに書き換えられることによって無効化される。
【0034】
それにより、記憶部DBに記憶された認証情報により特定されるユーザAによる情報処理装置MFPの使用の制限を解除することができる。このような本実施の形態の情報処理装置MFPによれば、情報処理装置MFPの使用制限を解除することによって、ユーザAに情報処理装置MFPを再び使用をさせることができる。
【0035】
この場合、制御部Cは、情報処理装置MFPを管理する管理サーバCSの操作部に対する所定操作に基づいて管理サーバCSから制限解除情報を受信する。これによれば、情報処理装置MFPの制御部Cは、管理サーバCSから受信した制限解除情報に基づいてユーザAの使用の制限を解除することができる。
【0036】
具体的には、(1)ユーザAは、学習コンテンツによる学習を終了したことを示す情報を管理サーバCSに送信することにより、情報処理装置MFPの管理者に情報処理装置MFPの再使用の許可を申請する。(2)情報処理装置MFPの管理者は、ユーザAによる情報処理装置MFPの再使用の許可申請を受理した場合、学習コンテンツによる学習を適切に終了したか否かを判断する。
【0037】
それにより、管理者は、ユーザAが学習コンテンツによる学習を適切に終了したと判断した場合、ユーザAによる情報処理装置MFPの再使用を承諾(許可)する。その場合、管理者は、情報処理装置MFPの操作部の操作によって、ユーザAの使用制限の解除をするための情報を管理サーバCSに入力する。(3)それにより、管理サーバCSは、制限解除情報(解除コマンド)を情報処理装置MFPへ送信する。
【0038】
(4)情報処理装置MFPの制御部Cは、管理サーバCSから受信部Rを経由して、制限解除情報(解除コマンド)を受信すると、記憶部DBに記憶されたユーザAの「制限中」というデータを「なし」へ書き換える。それにより、制御部Cは、ユーザAの情報処理装置MFPの使用制限を無効化、すなわち解除する。(5)その結果、ユーザAは、情報処理装置MFPを再び使用することができる。具体的には、制御部Cは、ユーザAが情報処理装置MFPの印刷部Pによるプリント機能、コピー機能、スキャン機能、およびFAX機能の使用をできる状態にする。
【0039】
上記したように、制限解除情報は、ユーザAが学習コンテンツを使用してウイルス感染予防に関する学習をしたことを特定可能な学習済情報である。つまり、ユーザAにウイルス感染予防に関する学習をさせた上で、記憶部DBから使用制限情報を無効化する。そのため、情報処理装置MFPが同一ユーザAからウイルスに感染したジョブ情報を繰り返して受信することをかなり高い確率で抑制することができる。
【0040】
図4は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第2の例を示す機能ブロック図である。
図4は、使用制限の対象者であるユーザAが、情報処理装置MFPを用いて学習コンテンツによる学習を行うことによって使用制限が解除される仕組みを表す図である。
【0041】
この場合、制御部Cは、表示/操作部D/Oに学習コンテンツを表示させる。学習コンテンツの例は、検知されたウイルス、注意すべき状況、および感染防止の取り組み等の情報である。
【0042】
それにより、制御部Cは、表示/操作部D/Oに対する所定操作が行われた場合に、学習コンテンツによるウイルス感染防止の学習が適切に終了したとみなして、情報処理装置MFPの使用の制限を解除する。つまり、ユーザAは、自らの表示/操作部D/Oの操作によって情報処理装置MFPの使用の制限を解除することができる。
【0043】
具体的には、(1)ユーザAは、情報処理装置MFPの表示/操作部D/Oに表示される学習コンテンツの画像を見ることによって、学習コンテンツによる学習を終了する。この学習において、表示/操作部D/Oを操作することにより、学習の効果確認テスト対する回答を送信する。(2)それにより、学習の効果確認テストに合格した場合、制御部Cが制限解除情報(解除コマンド)を記憶部DBへ送信する。
【0044】
(3)それにより、その解除コマンドを受信した記憶部DBは、「制限中」というデータを「なし」へ書き換えることにより、記憶部DBに記憶された使用制限情報を無効化し、ユーザAの使用制限を解除する。(4)その結果、ユーザAは、情報処理装置MFPを再び使用することができる。これによれば、情報処理装置MFPの機能のみによって、ユーザAにウイルス感染予防に関する学習をさせた上で、ユーザAに情報処理装置MFPを再使用させることができる。
【0045】
図5は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第3の例を示す機能ブロック図である。
図5は、使用制限の対象者であるユーザAが、ユーザAのパーソナルコンピュータPCを用いて学習コンテンツによる学習を行うことによって使用制限が解除される仕組みを表す図である。
【0046】
まず、制御部Cは、ジョブ情報がウイルスに感染していることが検出されたことを、通信端末としてのパーソナルコンピュータPCの表示部に表示させる。そのため、ジョブ情報がウイルスに感染していることをユーザAに知らせることができる。
【0047】
この場合、制御部Cは、情報処理装置MFPと通信可能な通信端末としてパーソナルコンピュータPCの操作部に対する所定操作に基づいて通信端末から制限解除情報を受信する。それにより、情報処理装置MFの外部の通信端末を使用してユーザAの使用の制限を解除することができる。
【0048】
具体的には、(1)ユーザAは、パーソナルコンピュータPCの表示部に表示される画像を見ることによって、学習コンテンツによる学習を終了する。この学習において、パーソナルコンピュータPCの操作部を操作することにより、学習の効果確認テスト対する回答を行う。(2)それにより、学習の効果確認テストに合格した場合、パーソナルコンピュータPCは、制限解除情報(解除コマンド)を情報処理装置MFPへ送信する。
【0049】
(3)情報処理装置MFPの制御部Cは、パーソナルコンピュータPCから受信部Rを経由して、解除コマンドを受信した場合、記憶部DBの「制限中」というデータを「なし」へ書き換える。それにより、制御部Cは、記憶部DBに記憶された使用制限情報を無効化し、ユーザAによる情報処理装置MFPの使用制限を解除する(4)その結果、ユーザAは、情報処理装置MFPを再び使用することができる。
【0050】
図6は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を実行する方法の第1の例を説明するためのフローチャートである。
図6は、ユーザAの操作に起因してウイルスが検知された場合、ユーザAの認証情報に紐づけてそのユーザAに対して情報処理装置MFPの使用制限を行う処理を説明するための図である。
【0051】
図6に示されるように、ステップS1において、ユーザは、パーソナルコンピュータPCの表示部に画面Aが表示されている状態で、情報処理装置MFPの印刷部Pによる印刷を実行する。具体的には、ユーザは、画面Aに表示されている「OK」ボタンをクリックする。それにより、印刷する予定のプリントデータ、すなわちジョブ情報がユーザ名等の認証情報とともに情報処理装置MFPへ送信される。
【0052】
ステップS2において、情報処理装置MFPの制御部Cは、記憶部DB、すなわちユーザデータベースに記憶されているユーザ名を確認する。そにより、ジョブ情報に付随する認証情報により特定されるユーザ名が、情報処理装置MFPの使用を制限されているユーザ名の使用制限の対象者のユーザ名と一致するか否かを判定する。
【0053】
その結果、ジョブ情報に付随されている認証情報により特定されるユーザ名が、使用制限の対象者のユーザ名と一致しなければ、情報処理装置MFPの制御部Cは、ステップS3において、ウイルススキャンを実行する。それにより、ステップS4において、制御部Cは、ウイルスが検知されれば、自身の送信部に検知結果をユーザのパーソナルコンピュータPCへ送信させる。ステップS5において、ユーザは、情報処理装置MFPから送信されてきたウイルス検知表示をパーソナルコンピュータPCの画面Bで確認する。
【0054】
それにより、ユーザは、自身がパーソナルコンピュータPCから情報処理装置MFPへ送信したジョブ情報がウイルスに感染していることを知ることになる。また、ステップS6において、情報処理装置MFPの制御部Cは、ウイルスに感染していると判定されたジョブ情報に付随する認証情報により特定されたユーザ名に紐づけて使用制限情報を記憶部DBに記憶させる。
【0055】
図7は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を実行する方法の第2の例を説明するためのフローチャートである。
図7は、使用制限の対象者であるユーザAからジョブ情報を受信した場合に行われる使用制限を説明するための処理および画面表示の一例を表している。以下、
図7については、上述の
図6と異なる部分のみが説明される。
【0056】
図7に示されるように、ステップS11において、情報処理装置MFPの制御部Cは、パーソナルコンピュータPCの情報処理装置MFPへのアクセスを制限することにより、情報処理装置MFPの使用を制限する。この場合、ステップS12において、情報処理装置MFPの制御部Cは、受信データ、すなわち、ユーザAを特定可能なユーザ情報が付随したジョブ情報を破棄し、ウイルスが検知されたことを特定可能な情報をユーザAのパーソナルコンピュータPCへ送信する。
【0057】
その後、ステップS13において、ユーザAのパーソナルコンピュータPCは、画面Bに示されるように、ウイルスが検知されたことにより、ユーザAによる情報処理装置MFPの使用が制限されることを特定可能な情報を表示部に表示させる。これにより、ユーザAに以後の情報処理装置MFPの使用が制限されることを知らせることができる。
【0058】
図8は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第1の例を説明するための図である。
図8は、使用制限の対象者であるユーザAが、管理者の許可を受けることによってユーザAによる使用の制限が解除されることを説明するための処理および画面表示の一例を表している。
【0059】
図8に示されるように、ステップS21において、ユーザのパーソナルコンピュータPCの表示部に、画面Cのように、ウイルスが検知されたことにより、ユーザによる情報処理装置MFPの使用が制限されることを表示させる。画面Cを見たユーザAは、学習コンテンツによるウイルス感染予防の学習を行う。
【0060】
その後、ステップS22において、ユーザのパーソナルコンピュータPCは、管理サーバCSへユーザAが学習を適切に終了したことを特定可能な制限解除情報(申請)を送信する。それにより、制限解除情報(申請)を受信した管理サーバCSは、ステップS23において、制限解除情報(指示)を情報処理装置MFPへ送信する。
【0061】
その後、ステップS24において、情報処理装置MFPの制御部Cは、記憶部DBに記憶されている使用制限情報を無効化することにより、ユーザAによる情報処理装置MFPの使用制限を解除する。ステップS25において、情報処理装置MFPは、使用制限が解除されたことを特定可能な制限解除情報(連絡)をユーザのパーソナルコンピュータPCへ送信する。それにより、ステップS26におおいて、パーソナルコンピュータPCの表示部は、管理サーバCSSにより情報処理装置MFPの使用制限が解除されたことを表示する。
【0062】
制御部Cは、たとえば、
図8の画面Dを、ユーザのパーソナルコンピュータPCの表示部に表示させる。これによっても、情報処理装置MFPの使用の制限が解除されたことをユーザに知らせることができる。
【0063】
この場合、制御部Cは、画面Dの制限解除情報とともに、ウイルス感染予防に関する学習が終了したことをパーソナルコンピュータPCの表示部に表示させてもよい。これによれば、ユーザがウイルス感染予防に関する学習を適切に終了したことを、ユーザに知らせることができる。
【0064】
図9は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第2の例を説明するための図である。
図9は、使用制限の対象者であるユーザが、情報処理装置MFPを用いて学習コンテンツによる学習を行うことによってユーザによる使用の制限が解除されることを説明するための処理および画面表示の一例を表す図である。
【0065】
ステップS31において、情報処理装置MFPの制御部Cは、表示/制御部D/Oにログインのための画面Eを表示/操作部D/Oに表示させる。ステップS32において、ログインのための画面Eを利用して、ユーザ名が入力された場合には、制御部Cは、記憶部DBに記憶されているユーザ名を検索する。
【0066】
それにより、入力されたユーザ名が記憶部DBに記憶されている使用制限の対象者であるユーザ名と一致すれば、ステップS33において、そのユーザ名のユーザの情報処理装置MFPの使用を制限する。具体的には、制御部Cは、そのユーザ名のユーザによる情報処理装置MFPへのアクセスを制限する。また、制御部Cは、情報処理装置MFPの使用が制限されたことをユーザに知らせるために、表示/操作部D/Oに画面Fに示される使用制限情報を表示させる。
【0067】
ステップS34において、制御部Cは、表示/操作部D/Oに学習コンテンツを含む画面Gを表示させる。その後、ユーザによる学習コンテンツを用いた学習が適切に終了した場合には、ステップS35において、制御部Cは、表示/操作部D/Oに学習が適切に終了したことを示す画面Hを表示させる。
【0068】
その後、ステップS36において、制御部Cは、記憶部DB、すなわちデータベースに記憶されている使用制限情報を無効化(更新)することにより、ユーザの情報処理装置MFPの使用制限を解除する。その後、ステップS37において、制御部Cは、表示/操作部D/Oに使用制限が解除されたことを特定可能な制限解除情報を含む画面Iを表示させる。これによっても、ユーザに情報処理装置MFPを使用することができることを知らせることができる。
【0069】
図10は、実施の形態の情報処理装置MFPが使用制限を解除する方法の第3の例を説明するための図である。
図10は、使用制限の対象者であるユーザが、パーソナルコンピュータPCを用いて学習コンテンツによる学習を行うことによってユーザによる情報処理装置MFPの使用の制限が解除されることを説明するための処理および画面表示の一例を表している。
【0070】
ステップS41において、ユーザが情報処理装置MFPを使用しようとすると、ユーザのパーソナルコンピュータPCにウイルスが検知されたことにより、ユーザによる情報処理装置MFPの使用が制限されていることを示す画面Cを表示する。その後、ステップS42において、パーソナルコンピュータPCは、ユーティリティを起動させ、ユーティティを示す画面Jを表示部に表示させる。
【0071】
次に、ステップS43において、パーソナルコンピュータPCは、学習コンテンツを含む画面Kを表示部に表示させる。ステップS44において、パーソナルコンピュータPCは、学習コンテンツを用いた学習が適切に終了した場合には、学習コンテンツを用いた学習が適切に終了したことを示す画面Lを表示部に表示させる。その後、パーソナルコンピュータPCは、制限解除情報(指示)を情報処理装置MFPへ送信する。
【0072】
ステップS45において、情報処理装置MFPの制御部Cは、受信部Rを経由して制限解除情報(指示)を受信すると、記憶部DBに記憶されている使用制限情報を無効化することにより、ユーザAの情報処理装置MFPの使用制限を解除する。その後、制御部Cは、表示/操作部D/Oに使用制限が解除されたことを特定可能な制限解除情報(検知結果)をパーソナルコンピュータPCへ送信する。
【0073】
それにより、ステップS46において、パーソナルコンピュータPCは、使用制限が解除されたことを特定可能なことを示す画面Iを表示部に表示させる。これによっても、ユーザに情報処理装置MFPを使用することができることを知らせることができる。
上記の実施の形態においては、情報処理装置MFPの機能を制限する例としてプリント機能を制限する点について説明した。しかしながら、使用制限される情報処理装置MFPの他の機能は、ファイル保存機能(FTP「File Transfer Protocol」)またはSMB「Server Message Block」を用いてユーザPCからのファイルを情報処理装置MFPの記憶部DBに保存する機能)であってもよい。また、使用制限される情報処理装置MFPの他の機能は、Webブラウザ機能(情報処理装置MFPに組み込まれたWebブラウザからHttp「Hyper text transfer protocol」を用いて外部のWebサーバにアクセスする機能)であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
C 制御部
DB 記憶部
D/O 表示/操作部
MFP 情報処理装置
P 印刷部
S スキャナ