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特開2024-114131カメラモジュール、その製造方法および電子機器
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  • 特開-カメラモジュール、その製造方法および電子機器 図1
  • 特開-カメラモジュール、その製造方法および電子機器 図2
  • 特開-カメラモジュール、その製造方法および電子機器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114131
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】カメラモジュール、その製造方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20240816BHJP
【FI】
H04N23/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019664
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田巻 克弥
(72)【発明者】
【氏名】小宮 正浩
(72)【発明者】
【氏名】柴田 尚久
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA13
5C122EA03
5C122FA17
5C122FC06
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE17
5C122GE18
5C122GG05
5C122GG06
5C122HB02
(57)【要約】
【課題】光源の熱でToFセンサを保温することにより、カメラモジュールの動作温度の範囲を拡大する。
【解決手段】光源(14)と、光源(14)から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサ(10)と、光源(14)の熱(H)をToFセンサ(10)に伝導させる熱伝導部材(レンズホルダ6)とを含み、ToFセンサ(10)を光源(14)からの熱(H)で加熱させる。熱伝導部材が、ToFセンサを包囲する第1包囲壁と、光源から熱を受ける受熱部とを含み、熱をToFセンサに伝導させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサと、
前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導させる熱伝導部材と、
を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記熱伝導部材は、前記ToFセンサを包囲する第1包囲壁と、前記光源から熱を受ける受熱部とを含み、前記熱を前記ToFセンサに伝導させる、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記熱伝導部材は、第1包囲壁に隣接しセンサ回路を包囲する第2包囲壁を含む、請求項1または請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記熱伝導部材とともに放熱板を含み、前記熱伝導部材と前記放熱板との間に前記ToFセンサが配置され、前記光源の熱が前記熱伝導部材を通して前記ToFセンサに伝導し前記放熱板で放熱される、請求項1または請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記熱伝導部材は、第1包囲壁を含む第1保温室を含み、この第1保温室の近傍に前記光源が配置されている、請求項1または請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第1保温室は、該第1保温室を封止する封止部材にレンズユニットを含む、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
ToFセンサを包囲する第1包囲壁と、光源の熱を受ける受熱部とを含む熱伝導部材を形成する工程と、
前記第1包囲壁内に前記ToFセンサを位置付けして第1基板を配置し、または前記光源を含む第2基板を前記受熱部に配置する工程と、
を含む、カメラモジュールの製造方法。
【請求項8】
低温時、機能低下を来す第1の素子と、動作時、発熱する第2の素子とを併存させた電子機器であって、
前記第2の素子の熱を前記第1の素子側に伝導させて前記第1の素子を保温する熱伝導部材を含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はたとえば、ToF(Time of Flight)センサを含むカメラモジュールなどの電子機器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外気温などの影響を受ける電子機器では、その温度低下が正常動作を損なうことや、正常な動作確保のために保温することが既に知られている。
【0003】
斯かる電子機器に関し、基板上にヒートシンクを取り付け、ヒートシンクにヒータを設け、低温時でも確実な起動や安定した動作を可能にすることが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
カメラモジュールに関し、レンズホルダの外壁内部に伝熱線を配置し、カメラモジュール全体を加熱または保温することが開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-170486号公報
【特許文献2】特開2011-66560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ToFセンサが搭載されるカメラモジュールは、ToFセンサの温度が動作可能範囲を下回ると、正常な動作が得られない。低温環境下にToFセンサを維持した撮像実験では、たとえば、10〔℃〕程度の温度で取得画像に乱れを生じ、0〔℃〕以下では検出動作が不安定となり、さらに、-10〔℃〕程度の低温下では平面状の被写体を撮像してもその被写体面に凹凸があるかのような画像崩れが生ずることが確認された。
【0007】
このように、カメラモジュールなど、電子機器の機能が正常に働く温度条件を充足していても、ToFセンサのセンサ機能が低温下での影響を受け、動作不良に陥る。つまり、電子機器が搭載されているセンサの温度特性に依存し、ToFセンサが低温下で影響を受ける場合には実用性が損なわれるという課題がある。
【0008】
本開示の発明者は、センサが正常に動作可能な温度範囲でカメラモジュールなどの電子機器の機能や用途が制限されないことが実用上不可欠であるとの知見を得た。
【0009】
そこで、本開示の第1の目的は、光源の熱を用いてToFセンサを保温することにより、カメラモジュールの動作温度の範囲を拡大することにある。
【0010】
また、本開示の第2の目的は、低温時、機能が低下する素子を動作時に発熱する熱により保温し、電子機器の動作温度の範囲を拡大することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の目的を達成するため、本開示のカメラモジュールによれば、光源と、前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサと、前記光源の熱の伝導により前記ToFセンサを保温する熱伝導部材とを含む。
【0012】
このカメラモジュールにおいて、前記熱伝導部材に前記ToFセンサを包囲する第1包囲壁と、前記光源から熱を受ける受熱部とを含み、前記熱を前記ToFセンサに伝導させてもよい。
【0013】
このカメラモジュールにおいて、前記熱伝導部材の前記受熱部側にセンサ回路を包囲する第2包囲壁を含んでもよい。
【0014】
このカメラモジュールにおいて、前記熱伝導部材とともに放熱板を含み、前記熱伝導部材と前記放熱板との間に前記ToFセンサが配置され、前記光源の熱が前記熱伝導部材を通して前記ToFセンサに伝導し前記放熱板で放熱されてもよい。
【0015】
このカメラモジュールにおいて、前記熱伝導部材は、第1包囲壁を含む第1保温室を含み、この第1保温室の近傍に前記光源が配置されてもよい。
【0016】
このカメラモジュールにおいて、前記第1保温室は、該第1保温室を封止する封止部材にレンズユニットを含んでもよい。
【0017】
第1の目的を達成するため、本開示のカメラモジュールの製造方法によれば、ToFセンサを包囲する第1包囲壁と、光源の熱を受ける受熱部とを含む熱伝導部材を形成する工程と、前記第1包囲壁内に前記ToFセンサを位置付けして第1基板を配置し、または前記光源を含む第2基板を前記受熱部に配置する工程とを含む。
【0018】
第2の目的を達成するため、本開示の電子機器によれば、低温時、機能低下を来す第1の素子と、動作時、発熱する第2の素子とを併存させた電子機器であって、前記第2の素子の熱を前記第1の素子側に伝導させて前記第1の素子を保温する熱伝導部材を含む。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 本開示のカメラモジュールによれば、光源の熱を熱伝導部材で伝導させてToFセンサを保温でき、ToFセンサの動作温度による誤動作やToFセンサの動作温度依存性を排し、カメラモジュールの動作温度の範囲を拡大できる。
【0020】
(2) 本開示のカメラモジュールの製造方法によれば、ToFセンサの動作温度で撮像機能が制限されないカメラモジュールを製造できる。
【0021】
(3) 本開示の電子機器によれば、低温下で動作不良を呈する第1の素子が第2の素子で得られる熱で保温できるので、第1の素子の動作温度による誤動作や受光素子の動作温度依存性を排することができ、電子機器の動作温度の範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一実施の形態に係るカメラモジュールを示す部分断面図である。
図2図2は、裏面側からレンズホルダを示す斜視図である。
図3図3は、光源の駆動パルスと発熱量の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<一実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態に係るカメラモジュール2の部分断面を示している。図1に示す構成は本開示の一例であり、本開示が斯かる構成に限定されるものではない。
【0024】
図1に示すカメラモジュール2は、本開示の電子機器の一例である。このカメラモジュール2には、第1基板4-1、第2基板4-2およびレンズホルダ6および放熱板8が含まれる。第1基板4-1、第2基板4-2および放熱板8は複数のねじなどの締結手段を用いてレンズホルダ6と一体に固定されている。
【0025】
第1基板4-1はセンサ基板の一例である。この第1基板4-1にはToFセンサ10、マイクロコンピュータ(以下単に「マイコン」と称する)12などが実装されている。ToFセンサ10は、低温下で機能が低下する第1の素子の一例である。このToFセンサ10は、図示しない被写体からの反射光を検出する機能を備えている。マイコン12はカメラモジュール2の制御部の一例であり、この制御部による処理にはToFセンサ10の検出出力から被写体を表す撮像を取得する画像処理を含む信号処理が含まれる。
【0026】
第2基板4-2はVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振型面発光レーザー)基板の一例である。この第2基板4-2には光源14および光源ドライバ16などが実装されている。光源14は動作時、発熱する第2の素子の一例である。この光源14にはたとえば、垂直共振型面発光レーザーを発光するためのVCSEL素子が用いられている。光源ドライバ16はたとえば、光源14を駆動パルスによって駆動し、光源14を点灯および消灯を任意の周期でパルス駆動により発光させる。この第2基板4-2は第1基板4-1と配線部材18によって電気的に結線されている。
【0027】
レンズホルダ6は、本開示の熱伝導部材の一例である。この熱伝導部材には熱伝導性の良い金属材料としてたとえば、アルミニウム材、アルミニウムを含む合金材、硬質の樹脂材料などが用いられる。このレンズホルダ6には、本開示の場合、ToFセンサ10や光源14などの部品の位置精度を維持するための剛性に加え、熱伝導性が要求される。レンズホルダ6を軽量化することは好ましい。
【0028】
このレンズホルダ6にはホルダ部20、基板搭載部22および複数の立壁部24A、24B、24C、24D、24E、24F(図2)、24G(図2)が含まれる。各立壁部24A、24B、24C、24D、24E、24F、24Gはたとえば、同一高さまたはほぼ同一高さに設定される。
【0029】
ホルダ部20は、レンズホルダ6の表裏間に貫通させた筒状部である。このホルダ部20にはレンズユニット26が摺動機構28によって摺動可能に取り付けられている。この摺動機構28はたとえば、ホルダ部20側およびレンズユニット26側のねじ部によって結合されている。レンズユニット26は光学レンズ30を含み、この光学レンズ30によって被写体からの反射光を集光し、ToFセンサ10の撮像面に被写体像を結像させる。この場合、ホルダ部20の終端側に設置された光学フィルタ32は反射光の光量や通過波長域の調整に用いられる。
【0030】
基板搭載部22は、本開示の受熱部の一例である。この基板搭載部22は、第2基板4-2に実装されている光源14からの受熱エリアである。この基板搭載部22には第2基板4-2と密着させるための平坦面部を備えている。したがって、この基板搭載部22には第2基板4-2が密着して設置されており、第2基板4-2に実装されている光源14の熱Hを受ける。基板搭載部22が受熱した熱Hは、熱伝導部材からなるレンズホルダ6の熱伝導性によりToFセンサ10側に伝導する。
【0031】
立壁部24A、24B、24D、24Fは本開示の第1包囲壁の一例である。これら立壁部24A、24B、24D、24FがToFセンサ10の側面側を包囲し、第1基板4-1がToFセンサ10の底面側を覆い、レンズホルダ6がToFセンサ10の上面側を覆っている。つまり、複数の立壁部24A、24B、24D、24F、第1基板4-1およびレンズホルダ6、光学レンズ30を以て、ToFセンサ10およびその実装部を保温するための第1保温室34-1が構成されている。また、各立壁部24A、24B、24D、24Fを一体に備えたレンズホルダ6は、ToFセンサ10に対するノイズ光の入射を阻止する機能を果たす。
【0032】
立壁部24B、24C、24E、24Gは本開示の第2包囲壁の一例である。これら立壁部24B、24C、24E、24Gがマイコン12の側面側を包囲し、第1基板4-1がマイコン12の底面側を覆い、レンズホルダ6がマイコン12の上面側を覆っている。つまり、複数の立壁部24B、24C、24E、24G、第1基板4-1およびレンズホルダ6を以て、マイコン12を保温するための第2保温室34-2が構成されている。
【0033】
レンズホルダ6が排出された第1基板4-1の背面には放熱板8が設置されている。この放熱板8にはレンズホルダ6と同様に熱伝導部材が用いられる。この放熱板8が備える放熱性により、第1保温室34-1および第2保温室34-2の過熱が抑制される。
【0034】
<ToFセンサ10の保温メカニズム>
図2は、裏面側から見たレンズホルダ6を示している。図2において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0035】
第1保温室34-1は、立壁部24A、24B、24D、24F、図1に示した第1基板4-1およびレンズホルダ6、光学レンズ30を含んで密閉空間を構成する。つまり、光学レンズ30は第1保温室34-1を封止する封止部材に含まれる。ホルダ部20に形成された光学フィルタ取付部36には、板状の光学フィルタ32(図1)が設置される。この光学フィルタ32はホルダ部20を閉塞し、第1保温室34-1は密閉空間を構成する。つまり、光学フィルタ32は第1保温室34-1を封止する封止部材に含まれる。したがって、この第1保温室34-1にはToFセンサ10とともに空気が閉じ込められ、第1保温室34-1内の空気は、レンズホルダ6に接して受けた熱Hを蓄熱する蓄熱手段として機能する。
【0036】
第2保温室34-2は、立壁部24B、24C、24E、24G、図1に示した第1基板4-1およびレンズホルダ6を含んで密閉空間を構成する。つまり、第2保温室34-2にはマイコン12とともに空気が閉じ込められ、第2保温室34-2内の空気は、レンズホルダ6に接して受けた熱Hを蓄熱する蓄熱手段として機能する。これにより、マイコン12およびその実装部が保温される。
【0037】
<光源14の発光形態と発熱の関係>
図3のAは、光源14の駆動パルスを示している。この駆動パルスによる発光形態は一例であって、本開示がこの発光形態に限定されるものではない。この駆動パルスによる光源14のパルス発光は、光源ドライバ16から一定周期でオン・オフする駆動パルスによって点滅させる発光形態の一例である。
【0038】
図3のBは、光源14の発熱量の推移を示している。光源14にVCSEL素子を用いてパルス発光させた場合、消灯状態から点灯状態に至る過渡時間、または点灯状態から消灯状態に至るスイッチング時間(過渡時間)に生じるスイッチング損失により、光源14には顕著な発熱量が得られる。この発熱によって生じた熱Hが光源14から第2基板4-2を介してレンズホルダ6に伝わる。
【0039】
<カメラモジュール2の製造工程の一例>
このカメラモジュール2の製造工程は、本開示のカメラモジュールの製造方法の一例である。この製造工程には少なくとも、レンズホルダ6の加工工程、基板取付け工程などが含まれる。
【0040】
レンズホルダ6の加工工程では、熱伝導部材の整形や切断などにより、ToFセンサ10を包囲する立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)、光源14の熱Hを受ける基板搭載部22(受熱部)を含むレンズホルダ6を形成する。
【0041】
基板取付け工程には、第1包囲壁内にToFセンサ10を位置付けして第1基板4-1を配置する工程、または光源14を含む第2基板4-2を基板搭載部22(受熱部)に配置する工程が含まれる。
【0042】
<一実施の形態の効果>
この一実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 保温熱源に光源14を活用
光源14は、被写体に光を照射するための発光手段である。この本来の機能によって生じる発熱を保温熱源に活用するので、新たな熱源を設置する必要がない。モジュールの簡略化、多機能化または軽量化に寄与することができる。
【0043】
(2) 光源14の発光形態にパルス駆動発光を活用
光源14の発光形態を損なうことなく、パルス駆動による間欠発光を活用し、保温熱源として必要な熱Hを得ることができる。
【0044】
(3) 熱伝導部材による熱伝導
レンズホルダ6は、レンズユニット26を搭載する基材であり、これに熱伝導部材を用いている。したがって、レンズユニット26の搭載部材であるレンズホルダ6を以て光源14からの熱Hを受け、この熱Hを効率的にToFセンサ10側に伝導させることができる。つまり、レンズホルダ6の多機能化を図ることができる。
【0045】
(4) 蓄熱性、保温性および検出精度の向上
第1保温室34-1および第2保温室34-2を構成するレンズホルダ6や第1保温室34-1および第2保温室34-2に閉じ込められた空気の蓄熱性を利用し、ToFセンサ10やマイコン12を効率よく保温して一定温度以上に維持することができ、ToFセンサ10の温度低下による検出画像の乱れなどの誤動作を防止でき、検出精度を高めることができる。
【0046】
(5) カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大
ToFセンサ10を保温することで、ToFセンサ10のセンサ機能の信頼性を高めることができるとともに、ToFセンサ10によるカメラモジュール2の温度依存性を緩和でき、カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大を図ることができる。
【0047】
(6) 放熱板8の放熱性
光源14からの熱Hの保温と相俟って放熱板8による放熱により、各第1保温室34-1、第2保温室34-2の温度が適正化されるので、カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大とともに動作の信頼性が得られる。
【0048】
(7) カメラモジュール2の堅牢性などの強化
剛性の高い熱伝導部材で構成されたレンズホルダ6に第1基板4-1および第2基板4-2を取り付け、レンズホルダ6を挟んで第1基板4-1および第2基板4-2が配置されているので、カメラモジュール2の堅牢性を強化することができる。
【0049】
レンズホルダ6は、立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)および立壁部24B、24C、24E、24G(第2包囲壁)を備える箱状の筐体構造を備えているので、熱伝導部材が持つ剛性と相俟って強固な支持フレーム構造を実現することができる。
【0050】
ToFセンサ10を包囲する立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)を備えるレンズホルダ6によれば、ToFセンサ10に対するノイズ光を遮断でき、被写体からの反射光の検出精度を高めることができるなど、センサ機能の信頼性を高めることができる。
【0051】
(8) ToFセンサ10および光源14の設置精度
複数の立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)および立壁部24B、24C、24E、24G(第2包囲壁)を持つレンズホルダ6を備えることにより、第1基板4-1および第2基板4-2の平行精度が得られ、ToFセンサ10および光源14の設置精度を高めることができる。
【0052】
(9) カメラモジュール2のコンパクト化
レンズホルダ6を用いて熱伝導構造を実現でき、カメラモジュール2のコンパクト化を図ることができる。
【0053】
(10) 第1保温室34-1および光源14の配置によるToFセンサの適正化
第1保温室34-1の近傍に配置された光源14からの熱で第1保温室34-1とともにToFセンサを保温するので、ToFセンサが過度に加熱されることなく、保温を適正化できる。
【0054】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記一実施の形態では単一の光源14を備えたが、光源14を複数化してもよい。光源14の発光形態としてパルス発光を例示したが、パルス発光以外の発光形態であってもよい。
【0055】
(2) 上記一実施の形態では、光源14を熱源に用いたが、動作によって発熱する素子を用いてもよい。
【0056】
(3) 電子機器としてカメラモジュール2を例示したが、本開示の電子機器はカメラモジュールに限定されない。
【0057】
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または明細書に記載した本開示の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であって、斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示は、低温時、機能低下を来すToFセンサ10(第1の素子)と、動作時、発熱する光源14(第2の素子)とを併存させたカメラモジュール2などの電子機器について、第2の素子の熱を第1の素子側に伝導させて第1の素子を保温させたので、カメラモジュール2などの電子機器の動作温度の範囲拡大などの優れた効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
2 カメラモジュール
4-1 第1基板
4-2 第2基板
6 レンズホルダ
8 放熱板
10 ToFセンサ
12 マイコン
14 光源
16 光源ドライバ
18 配線部材
20 ホルダ部
22 基板搭載部
24A、24B、24C、24D、24E、24F、24G 立壁部
26 レンズユニット
28 摺動機構
30 光学レンズ
32 光学フィルタ
34-1 第1保温室
34-2 第2保温室
36 光学フィルタ取付部
図1
図2
図3