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特開2024-114132カメラモジュール、その制御方法、その製造方法および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114132
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】カメラモジュール、その制御方法、その製造方法および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20240816BHJP
【FI】
H04N23/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019665
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000228578
【氏名又は名称】日本ケミコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田巻 克弥
(72)【発明者】
【氏名】小宮 正浩
(72)【発明者】
【氏名】柴田 尚久
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA13
5C122EA03
5C122FA17
5C122FC06
5C122GE06
5C122GE11
5C122GE17
5C122GG05
5C122GG06
5C122HA46
5C122HA81
5C122HA82
5C122HB02
(57)【要約】
【課題】低温時、機能低下を来すToFセンサなどの素子を動作時、発熱を伴う素子の熱を熱源に利用して保温し、電子機器の動作温度範囲を拡大する。
【解決手段】発光し、発熱する光源(16)と、光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサ(10)と、光源の熱をToFセンサに伝導する熱伝導部材(レンズホルダ6)と、ToFセンサの温度を検出し、またはToFセンサの周囲温度を検出する温度センサ(12)と、温度センサの検出温度に応じて光源の発熱量を増減させ、ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部(マイコン14)とを含んでいる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光し、発熱する光源と、
前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサと、
前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導する熱伝導部材と、
前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部と、
を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記制御部は、駆動パルスによる前記光源のスイッチング損失によって前記発熱量を増減させる制御を含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
光源が、発光し、発熱する工程と、
ToFセンサが、被写体からの反射光を検出する工程と、
熱伝導部材が、前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導させる工程と、
温度センサが、前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する工程と、
制御部が、前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する工程と、
を含む、カメラモジュールの制御方法。
【請求項4】
前記所定温度または前記所定温度範囲に制御する工程は、駆動パルスによる前記光源のスイッチング損失によって前記発熱量を増減させる制御を含む、請求項3に記載のカメラモジュールの制御方法。
【請求項5】
前記所定温度または前記所定温度範囲に制御する工程は、駆動パルスのレベルを加減して、前記光源の発光光量を一定量に保ちながら前記光源の発熱量を増減させる制御を含む、請求項3または請求項4に記載のカメラモジュールの制御方法。
【請求項6】
前記ToFセンサの前記温度または前記周囲温度が所定温度以下または所定温度範囲に低下したとき、カメラモジュールの動作を停止させる制御工程を含む、請求項3または請求項4に記載のカメラモジュールの制御方法。
【請求項7】
発光し、発熱する光源を設置する工程と、
前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサを設置する工程と、
前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導する熱伝導部材を設置する工程と、
前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する温度センサを設置する工程と、
前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部を設置する工程と、
を含む、カメラモジュールの製造方法。
【請求項8】
低温時、機能低下を来す第1の素子と、動作時、発熱する第2の素子とを併存させた電子機器であって、
前記第2の素子の熱を前記第1の素子側に伝導させる熱伝導部材と、
前記第1の素子の温度を検出し、または前記第1の素子の周囲温度を検出する温度センサと、
前記温度センサの検出温度に応じて前記第2の素子の発熱量を増減させて前記第1の素子の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部と、
を含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はたとえば、ToF(Time of Flight)センサを含むカメラモジュールなどの電子機器およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外気温などの影響を受ける電子機器では、その温度低下が正常動作を損なうことや、正常な動作確保のために保温することが既に知られている。
【0003】
斯かる電子機器に関し、基板上にヒートシンクを取り付け、このヒートシンクにヒータを設けて低温時でも確実な起動や安定した動作が可能にすることが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
カメラモジュールに関し、レンズホルダの外壁内部に伝熱線を配置し、カメラモジュール全体を加熱または保温することが開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-170486号公報
【特許文献2】特開2011-66560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ToFセンサが搭載されるカメラモジュールは、ToFセンサの温度が動作可能範囲を下回ると、正常な動作を得ることができない。低温環境下にToFセンサを維持した撮像実験では、たとえば、10〔℃〕程度の温度で取得画像に乱れを生じ、0〔℃〕以下では検出動作が不安定となり、さらに、-10〔℃〕程度の低温下では平面状の被写体を撮像してもその被写体面に凹凸があるかのような画像崩れが生ずることが確認された。
【0007】
このように、カメラモジュールなど、電子機器の機能が正常に働く温度条件を充足していても、ToFセンサのセンサ機能が低温下での影響を受け、動作不良に陥る。つまり、電子機器は、搭載されているセンサの温度特性に依存し、ToFセンサが低温下で影響を受ける場合には実用性が損なわれるという課題がある。
【0008】
本開示の発明者は、センサが正常に動作可能な温度範囲でカメラモジュールなどの電子機器の機能や用途が制限されないことが実用上不可欠であり、電子機器内に搭載された素子の発熱で保温することが有益であるとの知見を得た。
【0009】
そこで、本開示の第1の目的は、ToFセンサの温度またはその周囲温度に応じた熱量を得てToFセンサを保温することにより、カメラモジュールの動作温度範囲を拡大することにある。
【0010】
また、本開示の第2の目的は、低温時、機能低下を来す素子を動作時、発熱を伴う素子の熱を熱源に利用して保温し、電子機器の動作温度範囲を拡大することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の目的を達成するため、本開示のカメラモジュールによれば、発光し、発熱する光源と、前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサと、前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導する熱伝導部材と、前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部とを含む。
【0012】
このカメラモジュールにおいて、前記制御部は、駆動パルスによる前記光源のスイッチング損失によって前記発熱量を増減させる制御を含んでもよい。
【0013】
第1の目的を達成するため、本開示のカメラモジュールの制御方法によれば、光源が、発光し、発熱する工程と、ToFセンサが、被写体からの反射光を検出する工程と、熱伝導部材が、前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導させる工程と、温度センサが、前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する工程と、制御部が、前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する工程と含む。
【0014】
このカメラモジュールの制御方法において、前記所定温度または前記所定温度範囲に制御する工程は、駆動パルスによる前記光源のスイッチング損失によって前記発熱量を増減させる制御を含んでもよい。
【0015】
このカメラモジュールの制御方法において、前記所定温度または前記所定温度範囲に制御する工程は、駆動パルスのレベルを加減して、前記光源の発光光量を一定量に保ちながら前記光源の発熱量を増減させる制御を含んでもよい。
【0016】
このカメラモジュールの制御方法において、前記ToFセンサの前記温度または前記周囲温度が所定温度以下または所定温度範囲に低下したとき、カメラモジュールの動作を停止させる制御工程を含んでもよい。
【0017】
第1の目的を達成するため、本開示のカメラモジュールの製造方法によれば、発光し、発熱する光源を設置する工程と、前記光源から光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサを設置する工程と、前記光源の熱を前記ToFセンサに伝導する熱伝導部材を設置する工程と、前記ToFセンサの温度を検出し、または前記ToFセンサの周囲温度を検出する温度センサを設置する工程と、前記温度センサの検出温度に応じて前記光源の発熱量を増減させ、前記ToFセンサの温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部を設置する工程とを含む。
【0018】
第2の目的を達成するため、本開示の電子機器によれば、低温時、機能低下を来す第1の素子と、動作時、発熱する第2の素子とを併存させた電子機器であって、前記第2の素子の熱を前記第1の素子側に伝導させる熱伝導部材と、前記第1の素子の温度を検出し、または前記第1の素子の周囲温度を検出する温度センサと、前記温度センサの検出温度に応じて前記第2の素子の発熱量を増減させて前記第1の素子の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する制御部とを含む。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 本開示のカメラモジュールによれば、光源から得られる熱をToFセンサの温度またはその周囲温度に応じて増減させて、ToFセンサの温度または周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御できるので、ToFセンサの低温下での誤動作を防止できる。
【0020】
(2) 本開示のカメラモジュールの制御方法によれば、ToFセンサによる動作温度依存性を排することができ、正常な動作が可能な温度範囲を拡大できる。
【0021】
(3) 本開示のカメラモジュールの製造方法によれば、ToFセンサの動作温度依存性を排し、使用可能な温度範囲を拡大したカメラモジュールを製造できる。
【0022】
(4) 本開示の電子機器によれば、第2の素子から得られる熱を第1の素子の温度またはその周囲温度に応じて増減させ、第1の素子の温度または周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御できるので、低温下による第1の素子の誤動作を防止できる。
【0023】
また、本開示の電子機器によれば、第1の素子による動作温度依存性を排することができ、第1の素子を含む電子機器の動作温度範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、一実施の形態に係るカメラモジュールを示す部分断面図である。
図2図2は、裏面側から見たレンズホルダを示す斜視図である。
図3図3は、ToFセンサの制御システムの一例を示す図である。
図4図4は、駆動パルスと光源の発熱量の推移を示す図である。
図5図5は、一実施例に係る駆動パルスと光源の発熱量の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<一実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態に係るカメラモジュールの部分断面を示している。図1に示す構成は一例であり、本開示が斯かる構成に限定されるものではない。
【0026】
図1に示すカメラモジュール2は、本開示の電子機器の一例である。このカメラモジュール2には、第1基板4-1、第2基板4-2およびレンズホルダ6および放熱板8が含まれる。第1基板4-1、第2基板4-2および放熱板8は、レンズホルダ6と一体に複数のねじなどの締結手段によって固定されている。
【0027】
第1基板4-1はセンサ基板の一例である。この第1基板4-1にはToFセンサ10、温度センサ12、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略称する)14などが実装されている。ToFセンサ10は、低温下で機能が低下する第1の素子の一例である。このToFセンサ10は、図示しない被写体からの反射光を検出し、被写体を撮像する機能を備えている。
【0028】
温度センサ12は、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を検出し、この検出出力(=温度データ)をマイコン14に提供する。マイコン14は本開示の制御部の一例である。このマイコン14は、温度センサ12の検出出力を受け、被写体を表す撮像を取得する画像処理を含む信号処理の他、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度の制御を行う。
【0029】
第1基板4-1はレンズホルダ6の下面側に配置され、このレンズホルダ6を挟んで第2基板4-2が設置されている。つまり、第1基板4-1、第2基板4-2およびレンズホルダ6は積層構造を成している。
【0030】
第2基板4-2はVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:垂直共振型面発光レーザー)基板の一例である。この第2基板4-2には光源16および光源ドライバ18などが実装されている。光源16は動作時、発熱する第2の素子の一例である。この光源16にはたとえば、垂直共振型面発光レーザーを発光するためのVCSEL素子が用いられている。光源ドライバ18は光源16を駆動する。この光源ドライバ18はたとえば、光源16を駆動パルスによって駆動し、光源16の点灯および消灯を任意の周期でパルス発光させる。この第2基板4-2は第1基板4-1と配線部材19によって電気的に結線されている。
【0031】
図中断面で示すレンズホルダ6は、本開示の熱伝導部材の一例である。この熱伝導部材には熱伝導性の良い金属材料としてたとえば、アルミニウム材、アルミニウムを含む合金材、硬質の樹脂材料などが用いられる。このレンズホルダ6には、本開示の場合、ToFセンサ10や光源16などの部品の位置精度を維持するための剛性に加え、熱伝導性が要求される。レンズホルダ6を軽量化することが好ましい。
【0032】
このレンズホルダ6にはホルダ部20、基板搭載部22および複数の立壁部24A、24B、24C、24D、24E、24F(図2)、24G(図2)が含まれる。各立壁部24A、24B、24C、24D、24E、24F(図2)、24G(図2)はたとえば、同一高さまたはほぼ同一高さに設定される。
【0033】
ホルダ部20は、レンズホルダ6に一体に形成されてレンズホルダ6の表裏間に貫通させた筒状部である。このホルダ部20にはレンズユニット26が摺動機構28によって摺動可能に取り付けられている。この摺動機構28はたとえば、ホルダ部20側およびレンズユニット26側のねじ部によって結合されている。レンズユニット26は光学レンズ30を含み、この光学レンズ30によって被写体からの反射光を集光し、ToFセンサ10の撮像面に被写体像を結像させる。この場合、ホルダ部20の終端側に設置された光学フィルタ32は反射光の光量や通過波長域の調整に用いられる。
【0034】
基板搭載部22は、本開示の受熱部の一例である。この基板搭載部22は、第2基板4-2に実装されている光源16からの受熱エリアである。この基板搭載部22には第2基板4-2と密着させるための平坦面部を備えている。したがって、この基板搭載部22には第2基板4-2が密着して設置されており、第2基板4-2に実装されている光源16の熱Hを受ける。基板搭載部22が受熱した熱Hは、熱伝導部材からなるレンズホルダ6の熱伝導性によりToFセンサ10側に伝導する。
【0035】
立壁部24A、24B、24D、24Fは本開示の第1包囲壁の一例である。これら立壁部24A、24B、24D、24FがToFセンサ10の側面側を包囲し、第1基板4-1がToFセンサ10の底面側を覆い、レンズホルダ6がToFセンサ10の上面側を覆っている。つまり、複数の立壁部24A、24B、24D、24F、第1基板4-1およびレンズホルダ6を以て、ToFセンサ10およびその実装部を保温するための第1保温室34-1が構成されている。また、各立壁部24A、24B、24D、24Fを一体に備えたレンズホルダ6は、ToFセンサ10に対するノイズ光の入射を阻止する機能を果たす。
【0036】
立壁部24B、24C、24E、24Gは本開示の第2包囲壁の一例である。これら立壁部24B、24C、24E、24Gがマイコン14の側面側を包囲し、第1基板4-1がマイコン14の底面側を覆い、レンズホルダ6がマイコン14の上面側を覆っている。つまり、複数の立壁部24B、24C、24E、24G、第1基板4-1およびレンズホルダ6を以て、マイコン14を保温するための第2保温室34-2が構成されている。
【0037】
レンズホルダ6が配置された第1基板4-1の背面側には、放熱板8が設置されている。この放熱板8にはレンズホルダ6と同様に熱伝導部材が用いられる。この放熱板8が持つ放熱性により、第1保温室34-1および第2保温室34-2の過熱が抑制される。
【0038】
<ToFセンサ10の保温メカニズム>
図2は、裏面側から見たレンズホルダ6を示している。図2において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0039】
第1保温室34-1は、立壁部24A、24B、24D、24F、図1に示した第1基板4-1およびレンズホルダ6、光学レンズ30を含んで密閉空間を構成する。つまり、光学レンズ30は第1保温室34-1を封止する封止部材に含まれる。ホルダ部20に形成された光学フィルタ取付部36には、板状の光学フィルタ32(図1)が設置される。この光学フィルタ32はホルダ部20を閉塞し、第1保温室34-1は密閉空間を構成する。つまり、光学フィルタ32は第1保温室34-1を封止する封止部材に含まれる。したがって、この第1保温室34-1にはToFセンサ10とともに空気が閉じ込められ、第1保温室34-1内の空気は、レンズホルダ6に接して受けた熱Hを蓄熱する蓄熱手段として機能する。
【0040】
第2保温室34-2は、立壁部24B、24C、24E、24G、図1に示した第1基板4-1およびレンズホルダ6を含んで密閉空間を構成する。つまり、第2保温室34-2にはマイコン14とともに空気が閉じ込められ、第2保温室34-2内の空気は、レンズホルダ6に接して受けた熱Hを蓄熱する蓄熱手段として機能する。
【0041】
温度センサ12がToFセンサ10の温度またはその周囲温度を検出する。マイコン14は、温度センサ12の検出温度を受け、この検出温度に応じて光源16の発熱量を増減させ、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する。所定温度または所定温度範囲とはToFセンサ10が正常に動作可能な温度または温度範囲である。つまり、撮像時、平面状の被写体を撮像した場合、その被写体面に凹凸があるかのような画像崩れが生じない動作が得られる場合を正常動作とすればよい。
【0042】
<カメラモジュール2の制御システム38>
図3は、ToFセンサ10に搭載された制御システム38を示している。この制御システム38は、本開示の制御システムの一例である。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0043】
この制御システム38は、光源16のパルス発光制御に併設された制御機能である。この実施の形態の制御システム38には、ToFセンサ10、温度センサ12、マイコン14、光源16、光源ドライバ18が含まれる。
【0044】
ToFセンサ10の検出出力はマイコン14に提供され、画像処理に用いられる。温度センサ12はToFセンサ10に隣接して設置されてToFセンサ10の温度またはその周囲温度を検出し、この検出出力をマイコン14に提供する。
【0045】
マイコン14は、光源16の発光制御とともに、制御システム38における情報処理を実行する。マイコン14には図示しないが、プロセッサ、メモリ、入出力部などが含まれる。プロセッサはメモリにあるプログラムを実行し、駆動パルスの生成、発光制御や制御などを実行する。メモリにはOS(Operating System)、データベースなどのプログラムを格納する。入出力部はプロセッサの制御により、温度データの取得や駆動パルスの出力に用いられる。マイコン14による温度制御を含む制御のための情報処理には、温度センサ12から取得したToFセンサ10の温度またはその周囲温度に応じて光源16から必要な発熱量を得るための駆動パルスのパルス幅の制御が含まれる。
【0046】
マイコン14が出力する駆動パルスPは光源ドライバ18に加えられる。光源ドライバ18は駆動パルスPを受け、光源16を一定周期で点滅させるパルス発光させる。
【0047】
<カメラモジュール2の制御>
このカメラモジュール2の制御は、本開示のカメラモジュールの制御方法の一例である。このカメラモジュール2の制御には、a)発光・発熱工程、b)反射光検出工程、c)熱伝導工程、d)温度検出工程、e)温度制御工程が含まれる。
【0048】
a)光源16の発光・発熱工程
この発光・発熱工程は、マイコン14の制御で光源ドライバ18が光源16をパルス駆動する。光源16は駆動パルスPによってパルス発光し、発熱する。光源16から光照射を受けた被写体から反射光が得られる。
【0049】
b)反射光検出工程
この反射光検出工程は、被写体からの反射光がToFセンサ10に検出され、この検出出力をマイコン14が取得する。マイコン14は、ToFセンサ10の検出出力を取得し、被写体を表す画像信号を出力する。
【0050】
c)熱伝導工程
この熱伝導工程は、光源16の熱Hが第2基板4-2を通して熱伝導部材であるレンズホルダ6に受熱される。この熱Hは、レンズホルダ6を通して第1保温室34-1、第2保温室34-2に伝導する。これにより、ToFセンサ10およびその周囲が加熱されて保温される。
【0051】
d)温度検出工程
この温度検出工程は、温度センサ12による温度検出である。この温度検出は、ToFセンサ10の温度の検出、ToFセンサ10の周囲温度の検出が含まれる。
【0052】
e)温度制御工程
この温度制御工程には、温度監視、光源16の発熱量調整、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度の温度制御が含まれる。温度監視は、温度センサ12からの温度データを受け、カメラモジュール2の動作中、マイコンによって継続して実行される。この温度監視の温度範囲にはToFセンサ10の温度、その周囲温度の双方が含まれる。
【0053】
光源16の発熱量調整は、光源16から得られる光量を所定レベルに保持しつつ、パルス駆動される光源16のスイッチング損失を増減させて調整する。つまり、光量を所定レベルに保持しつつ点灯回数を増加させて発熱量を増大させ、光量を所定レベルに保持しつつ点灯回数を減少させて発熱量を低減する。
【0054】
発熱量の調整によりレンズホルダ6から第1保温室34-1、第2保温室34-2に流れる熱Hが制御される。この結果、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御することができる。
【0055】
f)他の制御工程
このカメラモジュール2の制御には、ToFセンサ10の温度または周囲温度が所定温度以下または所定温度範囲に低下したとき、カメラモジュール2の動作を停止させる制御工程を含む。この制御にはたとえば、ToFセンサ10の動作を停止し、またはToFセンサ10の出力の取り込みを無効化し、または光源16の光を遮断する工程などが含まれる。つまり、このような制御を行うことで、不適正な画像情報の取込みなどの不都合を怪異することができ、カメラモジュール2の信頼性を高めることができる。
【0056】
<駆動パルスPと光源16の発熱量の関係>
光源16に既述のVCSELを用いてパルス駆動点灯させた場合(パルス点灯方式)、単純に点灯回数を減少または増加させると、スイッチング損失の調整は可能であるが、VCSELで得られる光量が点灯回数の減少または増加の影響を受け、カメラモジュール2の性能に影響を及ぼすことになる。
【0057】
これに対し、本開示では、パルス駆動のスイッチング損失に着目し、光源16の点灯時の光量を保持したまま、点灯時間を増減させてスイッチング損失を調整する。つまり、点灯時の光量を保持するには、駆動パルスによる電流値を調整すればよい。
【0058】
図4のAは、駆動パルスP1による光源16の点灯、消灯を含むパルス発光を示している。この発光形態は、光源ドライバ18から一定周期でオン・オフする駆動パルスP1によって光源16を点滅させている。T1は点灯時間を示している。
【0059】
図4のBは、駆動パルスP1によるスイッチング損失による光源16から得られる発熱量の推移を示している。駆動パルスP1による光源16の発光形態においては、駆動パルスP1の立ち上がり(=光源16の消灯から点灯に至る時点t1、t3、t5)、駆動パルスP1の立ち下がり(=光源16の点灯から消灯に至る時点t2、t4)の双方で損失が発生する。このスイッチング損失はスイッチングが頻繁であれば発熱量H1が増加する。
【0060】
図4のCは、駆動パルスP2による光源16のパルス発光を示している。駆動パルスP2による点灯時間T2は点灯時間T1より長く、この例では、T2=T1×3である。
【0061】
図4のDは、駆動パルスP2によるスイッチング損失による光源16から得られる発熱量の推移を示している。つまり、駆動パルスP2による光源16の点灯形態も、駆動パルスP1と同様に駆動パルスP2の立ち上がり(=光源16の消灯から点灯に至る時点t1、t5)、駆動パルスP2の立ち下がり(=光源16の点灯から消灯に至る時点t4)の双方で損失が発生する。このスイッチング損失は、駆動パルスP2では駆動パルスP1に比較してスイッチング間隔が大きくなり、スイッチング回数が少ないため、発熱量H2は発熱量H1より小さく(図4の場合、H2=H1×3/5)なる。
【0062】
<光源16の発熱量制御>
光源16の発熱量制御には、光源16をパルス駆動によって発光させた際に光源16のスイッチング損失(熱損失)で生じる発熱量の調整、つまり、パルス駆動点灯による損失調整を用いる。
【0063】
したがって、本開示の発熱量制御は、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を常時、監視し、この温度推移に応じて光源16のスイッチング損失による発熱量を増減させることにより、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御する。
【0064】
<光源16の入力電力Pi、発光電力Prおよび損失電力Pxの関係>
この電力制御において、光源16の入力電力をPi、発光電力をPr、損失電力をPxとすると、入力電力Piは、式1で表すことができる。
Pi=Pr+Px ・・・(式1)
【0065】
式1において、入力電力Piは、光源ドライバ18から光源16に加えられる電力である。発光電力Prは、光源16の発光に用いられる電力である。損失電力Pxは、光源16のスイッチング損失電力である。
【0066】
マイコン14は、光源16の入力電力Pi、発光電力Prおよび損失電力Pxを監視し、発光電力Prを所定レベル以上に維持するための電力制御を行う。したがって、この発熱制御では、光源16に得られる光量を所定レベル以上に維持して光源16のスイッチング損失を増減させて発熱量を調整する。
【0067】
<カメラモジュール2の製造工程の一例>
このカメラモジュール2の製造工程は、本開示のカメラモジュールの製造方法の一例である。この製造工程には発光し、発熱する光源16を設置する工程と、光源16からの光を受ける被写体からの反射光を検出するToFセンサ10を設置する工程と、光源16の熱をToFセンサ10に伝導するレンズホルダ6(熱伝導部材)を設置する工程と、ToFセンサ10温度を検出し、またはToFセンサ10の周囲温度を検出する温度センサ12を設置する工程と、温度センサ12の検出温度に応じて光源16の発熱量を増減させ、ToFセンサ10の温度またはその周囲温度を所定温度または所定温度範囲に制御するマイコン14(制御部)を設置する工程などが含まれる。
【0068】
そして、レンズホルダ6の加工工程では、熱伝導部材の整形や切断などにより、ToFセンサ10を包囲する立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)、光源16の熱Hを受ける基板搭載部22(受熱部)を含むレンズホルダ6を形成する。
【0069】
基板取付け工程には、第1包囲壁内にToFセンサ10を位置付けして第1基板4-1を配置する工程、または光源16を含む第2基板4-2を基板搭載部22(受熱部)に配置する工程が含まれる。
【0070】
<一実施の形態の効果>
この一実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 保温熱源に光源16を活用
光源16は、被写体に照射する光の発光手段である。この本来の機能によって生じる発熱を保温熱源に活用するので、新たな熱源を設置する必要がない。モジュールの簡略化、多機能化または軽量化に寄与することができる。
【0071】
(2) 光源16の発光形態にパルス発光を活用
光源16の発光形態を損なうことなく、パルス駆動発光を活用し、保温熱源として必要な熱Hを得ることができる。
【0072】
(3) 熱伝導部材による熱伝導
レンズホルダ6は、レンズユニット26を搭載する基材であり、これに熱伝導部材を用いている。したがって、レンズユニット26の搭載部材であるレンズホルダ6を以て光源16からの熱Hを受け、この熱Hを効率的にToFセンサ10側に伝導させることができる。つまり、レンズホルダ6の多機能化を図ることができる。
【0073】
(4) 蓄熱性、保温性および検出精度の向上
第1保温室34-1および第2保温室34-2を構成するレンズホルダ6や第1保温室34-1および第2保温室34-2に閉じ込められた空気の蓄熱性を利用し、ToFセンサ10やマイコン14を効率よく保温して一定温度以上に維持することができ、ToFセンサ10の温度低下による検出画像の乱れなどの誤動作を防止でき、検出精度を高めることができる。
【0074】
(5) カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大
ToFセンサ10を保温することで、ToFセンサ10のセンサ機能の信頼性を高めることができるとともに、ToFセンサ10によるカメラモジュール2の温度依存性を緩和でき、カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大を図ることができる。
【0075】
(6) 光源16の発熱による保温性、放熱板8の放熱性および保温制御
光源16からの熱Hの保温と相俟って放熱板8による放熱を含む保温制御により、各第1保温室34-1、第2保温室34-2の温度が適正化されるとともに、カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大とともに動作の信頼性を高めることができる。
【0076】
(7) マイコン14の制御には、ToFセンサ10の温度または周囲温度が所定温度または所定温度範囲に到達したとき、ToFセンサ10を動作させ、またはToFセンサ10の出力の取り込みを有効化する制御やその工程を含んでもよい。
【0077】
(8) 放熱板8の放熱性
光源16からの熱Hの保温と相俟って放熱板8による放熱により、各第1保温室34-1、第2保温室34-2の温度が適正化されるので、カメラモジュール2の動作温度の範囲拡大とともに動作の信頼性が得られる。
【0078】
(9) カメラモジュール2の堅牢性などの強化
剛性の高い熱伝導部材で構成されたレンズホルダ6に第1基板4-1および第2基板4-2を取り付け、レンズホルダ6を挟んで第1基板4-1および第2基板4-2が配置されているので、カメラモジュール2の堅牢性を強化することができる。
【0079】
レンズホルダ6は、立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)および立壁部24B、24C、24E、24G(第2包囲壁)を備える箱状の筐体構造を備えているので、熱伝導部材が持つ剛性と相俟って強固な支持フレーム構造を実現することができる。
【0080】
ToFセンサ10を包囲する立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)を備えるレンズホルダ6によれば、ToFセンサ10に対するノイズ光を遮断でき、被写体からの反射光の検出精度を高めることができるなど、センサ機能の信頼性を高めることができる。
【0081】
(10) ToFセンサ10および光源16の設置精度
複数の立壁部24A、24B、24D、24F(第1包囲壁)および立壁部24B、24C、24E、24G(第2包囲壁)を持つレンズホルダ6を備えることにより、第1基板4-1および第2基板4-2の平行精度が得られ、ToFセンサ10および光源16の設置精度を高めることができる。
【0082】
(11) カメラモジュール2のコンパクト化
レンズホルダ6を用いて熱伝導構造を実現でき、カメラモジュール2のコンパクト化を図ることができる。
【0083】
(12) 第1保温室34-1および光源16の配置によるToFセンサの適正化
第1保温室34-1の近傍に配置された光源16からの熱で第1保温室34-1とともにToFセンサを保温するので、ToFセンサが過度に加熱されることなく、保温を適正化できる。
【実施例0084】
図5は、一実施例に係る駆動パルスと光源16の発熱量の推移を示している。この実施例では、光源16の発光光量を一定量に保ちつつ、光源16の駆動パルスによるスイッチング損失を増減させることが可能な制御の一例である。
【0085】
図5のAは、駆動パルスP1による光源16の点灯、消灯を含むパルス発光を示している。この発光形態は、光源ドライバ18から一定周期でオン・オフする駆動パルスP1によって光源16を点滅させている。T11は点灯時間、T12は消灯時間を示している。
【0086】
図5のBは、駆動パルスP1によるスイッチング損失による光源16から得られる発熱量の推移を示している。駆動パルスP1による光源16の発光形態において、時点t1から時点t5の区間では、駆動パルスP1の立ち上がり(=光源16の消灯から点灯に至る時点t1、t3、t5)、駆動パルスP1の立ち下がり(=光源16の点灯から消灯に至る時点t2、t4)の双方で損失が発生する。このスイッチング損失はスイッチングが頻繁であれば発熱量H1が増加することは既述の通りである。この例では、時点t1から時点t5の時間において、五回のスイッチングがあり、この回数に応じ、光源16にはスイッチング損失に応じた発熱量H1が得られる。
【0087】
図5のCは、駆動パルスP2による光源16のパルス発光を示している。駆動パルスP2による点灯時間T21は点灯時間T11より長く、この例では、点灯時間T21、消灯時間T22は式2、式3に示す通りである。
T21=T11×2 ・・・(式2)
T22=T12×2 ・・・(式3)
【0088】
図5のDは、駆動パルスP2によるスイッチング損失による光源16から得られる発熱量の推移を示している。駆動パルスP2による光源16の点灯形態では、時点t1から時点t5の区間おいて、駆動パルスP1と同様に駆動パルスP2の立ち上がり(=光源16の消灯から点灯に至る時点t1、t5)、駆動パルスP2の立ち下がり(=光源16の点灯から消灯に至る時点t3)の双方で損失が発生する。このスイッチング損失は、駆動パルスP2では駆動パルスP1に比較してスイッチング間隔が大きいため、発熱量H2が発熱量H1より小さくなる。
【0089】
時点t1から時点t5の区間において、図5のAの場合、点灯時間T11が2回存在するので、図5のCの場合と同様の点灯時間T21=T11×2により同等であるから、光源16には同様の発光光量が得られる。これに対し、図5のAに示す五回のスイッチング回数が得られているのに対し、図5のCでは三回のスイッチング回数に減少している。この結果、光源16に得られる発熱量H2はH1×(2/3)に減少している。
【0090】
このように、光源16の発光光量を一定量に保ちながら、光源16の駆動パルスによるスイッチング損失を増減して光源16の発熱量を制御できる。トータルの点灯時間が同じであれば、光量は変わらないので、スイッチング回数のみで光源16の発熱量を加減することができる。つまり、カメラモジュール2において、光源16の光量を一定に保つことは一定の測定距離を保つことであり、センサ機能の信頼性を維持することができる。
【0091】
〔他の実施の形態〕
本開示には次のバリエーションが含まれる。
(1) 上記一実施の形態では単一の光源16を備えたが、光源16を複数化してもよい。光源16の発光形態としてパルス発光を例示したが、パルス発光以外の発光形態であってもよい。
【0092】
(2) スイッチング損失を増減させる際、駆動パルスのレベルを加減して光源16の発光量を一定量に調整してもよい。
【0093】
(3) 上記一実施の形態では、光源16を熱源に用いたが、動作によって発熱する素子を用いてもよい。
【0094】
(4) 電子機器としてカメラモジュール2を例示したが、本開示の電子機器はカメラモジュールに限定されない。
【0095】
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態等について説明した。本開示は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または明細書に記載した本開示の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であって、斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示は、低温時、機能低下を来すToFセンサ10(第1の素子)と、動作時、発熱する光源16(第2の素子)とを併存させたカメラモジュール2などの電子機器について、第1の素子の温度またはその周囲温度により発熱量を制御した第2の素子の熱を第1の素子側に伝導させて第1の素子を保温させたので、カメラモジュール2などの電子機器の動作温度の範囲拡大などの優れた効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0097】
2 カメラモジュール
4-1 第1基板
4-2 第2基板
6 レンズホルダ
8 放熱板
10 ToFセンサ
12 温度センサ
14 マイコン
16 光源
18 光源ドライバ
19 配線部材
20 ホルダ部
22 基板搭載部
24A、24B、24C、24D、24E、24F、24G 立壁部
26 レンズユニット
28 摺動機構
30 光学レンズ
32 光学フィルタ
34-1 第1保温室
34-2 第2保温室
36 光学フィルタ取付部
38 制御システム
図1
図2
図3
図4
図5