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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114142
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】自動走行装置及び自動走行方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240816BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G05D1/02 H
B60L15/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019693
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】青野 恵莉
(72)【発明者】
【氏名】片平 尭之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 陽一
【テーマコード(参考)】
5H125
5H301
【Fターム(参考)】
5H125AA11
5H125CA00
5H125CD03
5H125EE55
5H125EE61
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301EE04
5H301EE12
5H301FF08
5H301FF15
5H301GG07
5H301GG08
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】目標経路に沿って自動走行する自動走行装置の走行状態をユーザーが容易に把握可能な自動走行装置及び自動走行方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る自動走行装置は、自動走行装置を目標経路に沿って走行させる走行処理部と、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定する特定処理部と、前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部に、前記特定処理部により特定される前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させる表示処理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行装置を目標経路に沿って走行させる走行処理部と、
前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定する特定処理部と、
前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部に、前記特定処理部により特定される前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させる表示処理部と、
を備える自動走行装置。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記自動走行装置の本体外周の対向する2辺に配置された複数の表示部のうち前記目標経路が延びる方向に対応する一対の表示部を点灯させる、
請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記複数の表示部のうち前記目標経路の位置に対応する表示部に前記情報を表示させる、
請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記複数の表示部の少なくとも一部が前記目標経路上に位置する場合に、前記複数の表示部のうち前記目標経路上に位置する表示部に前記情報を表示させる、
請求項3に記載の自動走行装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記複数の表示部の全てが前記目標経路上に位置しない場合に、前記複数の表示部のうち前記目標経路に最も近い表示部に前記情報を表示させる、
請求項3に記載の自動走行装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記目標経路から前記自動走行装置までの距離、及び、前記目標経路に対する前記自動走行装置の方向の少なくともいずれかに応じた前記情報を表示させる、
請求項5に記載の自動走行装置。
【請求項7】
前記複数の表示部は、前記自動走行装置の天面の外周の各辺に配置されており、
前記表示処理部は、前記複数の表示部を、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた態様で点灯させる、
請求項1に記載の自動走行装置。
【請求項8】
前記走行処理部は、前記自動走行装置に設けられた検出部が前記目標経路に対応して床面に配置されたガイド部材を検出する検出結果に基づいて、前記自動走行装置を前記目標経路に沿って走行させる、
請求項1~7のいずれかに記載の自動走行装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記自動走行装置の前方及び後方のそれぞれに、前記自動走行装置の前後方向に直交する左右方向に配列された複数の検出素子を含み、
前記複数の表示部は、前記自動走行装置の本体外周の前辺及び後辺のそれぞれにおいて、前記複数の検出素子の配列方向と同一方向に配列されており、
前記表示処理部は、前記複数の検出素子による前記ガイド部材の検出状態に応じて、前記複数の表示部に前記情報を表示させる、
請求項8に記載の自動走行装置。
【請求項10】
自動走行装置を目標経路に沿って走行させることと、
前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定することと、
前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部のそれぞれに、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させることと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する自動走行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動走行装置及び自動走行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫などにおいて、自動走行装置(例えばAGV(無人搬送車))が搬送対象の物品を保管位置(例えば保管棚)で受け取って払い出し位置(出庫場所)まで搬送するシステムが知られている。また、自動走行装置が床面に設置された磁気テープを検出しながら当該磁気テープに沿って搬送経路(目標経路)を走行するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。また、自動走行装置が床面に設置された二次元バーコードを読み取って座標を認識しながら所定の走行経路(目標経路)を自律走行するシステムも知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-205954号公報
【特許文献2】特表2007-531105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動走行装置は、目標経路から逸脱(脱線)すると自動走行を停止する。この場合、ユーザーは所定の復帰操作を行って、自動走行装置を目標経路上に移動させて自動走行を再開させる。このように、従来の自動走行装置では、自動走行装置が目標経路から脱線して停止した時点でユーザーが自動走行装置の状況(走行状態)を把握可能になるため、復帰操作などの対処までに時間がかかり走行効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本開示の目的は、目標経路に沿って自動走行する自動走行装置の走行状態をユーザーが容易に把握可能な自動走行装置及び自動走行方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様に係る自動走行装置は、自動走行装置を目標経路に沿って走行させる走行処理部と、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定する特定処理部と、前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部に、前記特定処理部により特定される前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させる表示処理部と、を備える。
【0007】
本開示の他の態様に係る自動走行方法は、自動走行装置を目標経路に沿って走行させることと、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定することと、前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部のそれぞれに、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させることと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、目標経路に沿って自動走行する自動走行装置の走行状態をユーザーが容易に把握可能な自動走行装置及び自動走行方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る自動走行システムが適用される施設の構成を模式的に示す図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る自動走行装置の構成例を示す外観図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係る自動走行装置の走行方法の一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る自動走行システムで利用される制御情報の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る自動走行装置の目標経路の一例を示す図である。
図7A図7Aは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図7B図7Bは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図7C図7Cは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図8A図8Aは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図8B図8Bは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の実施形態に係る自動走行装置で実行される自動走行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11A図11Aは、本開示の実施形態に係る自動走行装置の走行方法の他の例(ガイド走行)を示す図である。
図11B図11Bは、本開示の実施形態に係る自動走行装置の走行方法の他の例(ガイド走行)を示す図である。
図12A図12Aは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
図12B図12Bは、本開示の実施形態に係る自動走行装置におけるLEDの点灯方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明し、本開示の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
[自動走行システム10]
図1に示すように、本開示の実施形態に係る自動走行システム10は、複数台の自動走行装置2と、自動走行装置2を管理する管理サーバー1とを備えている。なお、本開示において、自動走行装置2の台数は限定されず、1台であってもよい。自動走行システム10は、自動走行装置2を自律走行させるシステムである。自動走行装置2は、自己位置を推定しながら予め設定された目標経路を走行する自律走行型の移動体(AGV、無人搬送車ともいう)である。管理サーバー1と自動走行装置2とは、無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。
【0012】
自動走行システム10は、例えば工場、倉庫などの施設に導入される。本実施形態では、一例として、自動走行システム10が図2に示す施設W1に適用される例について説明する。図2に示す施設W1には、商品(搬送対象)を保管する複数の保管棚(保管位置)が配置されている。図2には、16個の保管棚T1~T16を例示している。
【0013】
また施設W1には、自動走行装置2の待機場所が設定されている。例えば、施設W1には、AGV1が待機する待機場所P1と、AGV2が待機する待機場所P2と、AGV3が待機する待機場所P3とが設定されている。各自動走行装置2は、管理サーバー1から搬送指示(走行指示)を受けていない場合に所定の待機場所で待機する。
【0014】
自動走行システム10は、自動走行装置2の動作を規定する制御情報(制御パラメータ)が設定されたタグTg(例えばRFIDタグ)が設置された走行エリアにおいて、自動走行装置2がタグTgを検出した場合に前記制御情報に応じた動作を行うシステムである。具体的には、自動走行装置2は、施設W1内において、床面に設置された前記制御情報が設定されたタグTgを検出した場合に当該制御情報に応じた動作を行う(図5参照)。タグTgは、前記目標経路に基づいて、ユーザーにより施設W1内の床面に設置される。例えば図2において、点線部分は自動走行装置2が走行可能な走行路を示しており、タグTgは当該走行路の所定の交差部に設置される。
【0015】
管理サーバー1は、自動走行装置2の運行を管理する機能(運行管理機能)と、タグTgの状態を管理する機能(タグ管理機能)とを有する。管理サーバー1は、複数のサーバー装置で構成され、運行管理機能を有するサーバー装置と、タグ管理機能を有するサーバー装置とが別々に設けられてもよい。自動走行装置2は、自己位置推定機能を有し、自己位置を表す自己位置情報とタグTgの検出情報とを定期的に管理サーバー1に送信する。自動走行システム10は、タグTgの異常を検出する異常検出機能を備える。
【0016】
[自動走行装置2]
図1に示すように、自動走行装置2は、制御部21、記憶部22、タグセンサ23、ライダーセンサ24、LED25、通信部26などを備える。図3には、自動走行装置2の外観を示し、図4には、施設W1の床面に設置されるタグTgと、施設W1内を走行する自動走行装置2とを模式的に示している。
【0017】
通信部26は、自動走行装置2を無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
自動走行装置2は、駆動車輪27、駆動車輪27の回転角度を計測するためのエンコーダ、台車を連結するための連結器、モータ、バッテリなどを含む(不図示)。自動走行装置2は、バッテリの電力によりモータを駆動し、モータの駆動力により駆動車輪27を回転させて走行する。バッテリは、充電式バッテリであり、自動充電器により充電される。例えば、自動走行装置2は、設定された目標経路を走行中に所定の充電位置において、充電器によりバッテリを充電することが可能である。連結器は、自動走行装置2に台車を連結するための連結具である。自動走行装置2は、設定された目標経路を走行中に所定の連結位置において、連結器により台車を連結して、台車を牽引しながら走行することが可能である。
【0019】
ライダーセンサ24は、レーザー光を用いて障害物までの距離を3次元で測定可能な距離センサ(距離測定装置)である。具体的には、ライダーセンサ24は、ミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を使用してレーザー光を周囲に照射しながら、その反射光を受光し、照射から受光までの時間差を測定することによりレーザー照射した方向の障害物までの距離を測定する。このとき、レーザー光の照射方向を一定パターンで繰り返すことによって、数10Hzの周波数で空間の障害物の配置を観測することができる。
【0020】
タグセンサ23は、走行エリア(施設W1)の床面に設置されたタグTgを検知する。図4に示すように、タグセンサ23は、自動走行装置2の走行時にタグTgと対向することができる位置に設けられている。また、タグセンサ23には、タグTgとして用いられるRFIDタグに対応させて、当該RFIDタグとの通信が可能なRFIDセンサが用いられる。なお、タグTgとの通信が可能であれば、タグセンサ23は、タグTgと対向する位置からずれた位置に設けられてもよい。また、タグセンサ23は、タグTgとして用いられる通信タグの種類に応じて適宜変更することができる。
【0021】
タグTgには、当該タグTgの識別情報(例えばタグ番号、タグIDなど)が読み取り可能な状態で記録されている。例えばタグセンサ23は、床面に設置されたタグTgを検知することにより、当該タグTgに記録されているタグ番号を取得する。具体的には、タグセンサ23は、自動走行装置2の走行中にタグTgとの間で通信を行うことにより、当該タグTgに記録されているタグ番号を取得する。
【0022】
タグTgとしてRFIDタグなどの通信タグを用いることにより、タグTgの近傍を通過する間の所定期間(タグセンサ23がタグTgと対向している期間より長い期間)、タグセンサ23とタグTgとの間で通信を行うことができる。よって、自動走行装置2の走行中であっても、タグTgに記録されているタグ番号を精度良く取得することができる。制御部21は、タグセンサ23からタグ番号を取得する。
【0023】
LED25は、制御部21の命令(後述)に従って点灯、点滅、消灯する表示部であり、自動走行装置2の本体に複数個配置される。また、各LED25は、互いに異なる態様(異なる色、異なる輝度、異なる点滅周期など)で点灯、点滅することが可能である。LED25は、本開示の表示部の一例である。本開示の表示部は、LED25に限定されず、他の表示体(表示パネルなど)であってもよい。
【0024】
具体的には、LED25は、自動走行装置2の本体外周に配置されている。例えば図3に示すように、LED25は、自動走行装置2の天面の外周付近に、周囲を囲うように所定の間隔(例えば等間隔)で複数個配置されている。LED25の配置位置は図3の位置に限定されない。例えばLED25は、自動走行装置2の本体の側面に配置されてもよい。また、LED25は、自動走行装置2の天面を構成する複数の辺(図3では4辺)のうち対向する2辺に配置されてもよい。例えばLED25は、自動走行装置2の天面のうち進行方向の前辺及び後辺のみに配置されてもよい。また、例えばLED25は、自動走行装置2の天面のうち進行方向の左辺及び右辺のみに配置されてもよい。
【0025】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、制御情報D1などのデータが記憶される。
【0026】
図5は、制御情報D1の一例を示す図である。制御情報D1は、自動走行装置2の走行動作を規定する情報である。図5に示すように、制御情報D1には、「動作順番」、「タグ番号」、「走行動作」、「速度」、「走行距離」、「特定動作」などの情報が含まれる。前記動作順番は、自動走行装置2の走行動作の順番を示す情報であり、図5に示す例では、自動走行装置2は1番から10番の順に走行動作を行う。前記タグ番号は、タグTgの識別情報であり、タグTgに記録されるタグ番号に対応する。制御情報D1に、前記タグ番号に代えてタグIDが登録されてもよい。
【0027】
前記走行動作は、自動走行装置2に実行させる動作を表す情報である。「前進」は、自動走行装置2を前方に走行させる動作を表す。「右スピン」は、自動走行装置2を右方向に旋回(スピンターン)させる動作を表す。「右倣い」は、旋回制御の応答速度を上げて滑らかに右側にカーブを走行する動作を表す。「中央倣い」は、旋回制御の応答速度を下げて蛇行を抑制してまっすぐ走行する動作を表す。「停止」は、自動走行装置2を停止させる動作を表す。
【0028】
前記速度は、自動走行装置2の走行速度の情報である。前記特定動作は、自動走行装置2に実行させる特定の動作を表す情報である。また、制御情報D1に加速度及び減速度の情報が含まれてもよい。前記走行距離は、自動走行装置2を走行させる距離の情報である。例えば、自動走行装置2は、タグTg2(タグ番号「2」)を検知すると走行距離L2だけ前進し、タグTg3(タグ番号「3」)を検知すると走行距離L3だけ前進する。走行距離L2は、タグTg2からタグTg3までの距離に設定される。すなわち、各走行距離は、隣接する2つのタグTgの間隔に応じた距離に設定される。前記特定動作は、自動走行装置2を充電する充電動作、自動走行装置2に連結対象(例えば台車)を連結する連結動作などを含む。
【0029】
制御情報D1において、前記動作順番、前記走行動作、前記速度、前記走行距離、及び前記特定動作のそれぞれは、前記タグ番号に関連付けられて登録される。図5に示す制御情報D1は、一例であってこれに限定されない。制御情報D1は、管理サーバー1、操作端末(不図示)などにおいて設定されて自動走行装置2に出力(転送)される。自動走行装置2は、制御情報D1を取得すると記憶部22に記憶し、制御情報D1に応じた走行動作を実行しながら設定された目標経路を走行する。
【0030】
また、記憶部22には、制御部21に後述の自動走行処理(図10参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録され、自動走行装置2が備える読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、クラウドサーバーから配信されて記憶部22に記憶されてもよい。
【0031】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより自動走行装置2を制御する。
【0032】
具体的には、制御部21は、図1に示すように、推定処理部211、取得処理部212、走行処理部213、特定処理部214、表示処理部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0033】
推定処理部211は、自動走行装置2の自己位置を推定する。具体的には、推定処理部211は、周知の自己位置推定方法により、地図上における自身の自己位置を推定する。例えば、推定処理部211は、ライダーセンサ24の測定結果を取得して、既知の障害物地図に対して、当該測定結果に対応する障害物の配置をマッチングさせることにより、障害物地図上における自動走行装置2の位置を推定する。推定処理部211は、推定した位置情報(自己位置情報)を管理サーバー1に送信する。
【0034】
他の実施形態として、推定処理部211は、ライダーセンサ24の代わりにカメラ(不図示)を使用して自己位置推定を行ってもよい。例えば、推定処理部211は、カメラによって撮影した動画像の各フレーム内の特徴点の動きからカメラの動きを推定することで自動走行装置2の自己位置を算出する。
【0035】
取得処理部212は、管理サーバー1から制御情報D1(図4参照)を取得する。取得処理部212は、制御情報D1を取得すると記憶部22に記憶する。
【0036】
走行処理部213は、自動走行装置2を目標経路R(走行経路)に沿って走行させる。また、走行処理部213は、タグセンサ23がタグTgを検知した場合に、当該タグTgに対応する走行動作を自動走行装置2に実行させる。具体的には、タグセンサ23がタグTgを検知してタグTgに記録されたタグ番号を読み取ると、走行処理部213は、制御情報D1(図5参照)を参照して、当該タグ番号に関連付けられた走行動作を実行させる。また、走行処理部213は、タグTgの検出情報(検出位置など)を管理サーバー1に送信する。
【0037】
図6には、図5に示す制御情報D1に対応する目標経路Rの具体例を示している。ユーザーは、管理サーバー1において目標経路R及び制御情報D1を設定すると、設定した目標経路Rに基づいて、施設W1の床面にタグTgに対応するRFIDタグを設置する。ユーザーが管理サーバー1において走行指示を入力すると、自動走行装置2は、タグ番号「2」の位置(始点)から走行を開始し矢印方向d1に進行してタグ番号「2」の位置(終点)で停止する。
【0038】
具体的には、先ず自動走行装置2は、タグ番号「2」のタグTgを検知すると、10m/minの速度で走行距離L2だけ前進し、続くタグ番号「3」のタグTgを検知すると30m/minの速度に変更して走行距離L3だけ前進する。続いて、自動走行装置2は、タグ番号「4」のタグTgを検知すると右方向に旋回して走行距離L4だけ前進し、続くタグ番号「5」のタグTgを検知するとさらに右方向に旋回して走行距離L5だけ前進する。続いて自動走行装置2は、タグ番号「6」のタグTgを検知すると速度を10m/minに変更して走行距離L6だけ前進し、続くタグ番号「7」のタグTgを検知すると一時停止して充電動作を行う。自動走行装置2は、充電動作を終えると、走行距離L7だけ前進してタグ番号「8」のタグTgを検知すると右旋回に適した走行制御に切り替えて、速度を20m/minに変更して走行距離L8だけ旋回する。続いて自動走行装置2は、タグ番号「9」のタグTgを検知すると右旋回に適した走行制御を継続して走行距離L9だけ旋回し、続くタグ番号「1」のタグTgを検知すると直進走行に適した走行制御に切り替えて走行距離L1だけ前進する。最後に自動走行装置2は、タグ番号「2」を検知すると停止し、台車に連結する連結動作を行う。
【0039】
このように、自動走行装置2は、設定された目標経路R及び制御情報D1に基づいて自律走行を実行する。また、自動走行装置2は、自己位置を表す自己位置情報とタグTgの検出情報とを、定期的に管理サーバー1に送信する。管理サーバー1は、各自動走行装置2から前記自己位置情報及び前記検出情報を取得して、各自動走行装置2の走行状況を管理する。
【0040】
特定処理部214は、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置を特定する。具体的には、特定処理部214は、推定処理部211が推定した地図上における自動走行装置2の自己位置の情報と、地図上における目標経路Rとの情報に基づいて、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置及び方向(進行方向)を特定する。
【0041】
表示処理部215は、LED25の点灯、点滅、消灯を制御する。具体的には、表示処理部215は、複数のLED25に、特定処理部214により特定される目標経路Rに対する自動走行装置2の位置に応じた情報を表示させる。
【0042】
具体的には、表示処理部215は、複数のLED25のうち目標経路Rの位置に対応するLED25を点灯させる。例えば、表示処理部215は、複数のLED25の少なくとも一部が目標経路R上に位置する場合に、複数のLED25のうち目標経路R上に位置するLED25を点灯させる。
【0043】
例えば図7Aに示すように、自動走行装置2が目標経路R上を走行している場合に、表示処理部215は、目標経路Rの位置に対応するLED25、すなわち、平面視で目標経路Rに重なる位置のLED25を点灯させる。図7Aにおいて、黒色で塗りつぶしているLED25(黒丸のLED25)が点灯状態を示し、白色のLED25(白丸のLED25)が消灯状態を示している。自動走行装置2の進行方向が目標経路Rからずれている場合には、図7B及び図7Cに示すように、表示処理部215は、目標経路Rの位置に対応するLED25を点灯させる。なお、表示処理部215は、自動走行装置2の進行方向と目標経路Rが一致している場合(図7A参照)の点灯態様(色、輝度、点滅周期など)と、自動走行装置2の進行方向と目標経路Rが一致していない場合(図7B及び図7C参照)の点灯態様とを互いに異ならせてもよい。
【0044】
このように、表示処理部215は、自動走行装置2の本体外周の対向する2辺に配置されたLED25のうち目標経路Rが延びる方向に対応する一対のLED25を点灯させる。これにより、ユーザーは、自動走行装置2の天面のLED25の点灯状態を確認することにより、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置、方向、位置ずれなどを容易に把握することができる。
【0045】
また、表示処理部215は、複数のLED25の全てが目標経路R上に位置しない場合に、複数のLED25のうち目標経路Rに最も近いLED25を点灯させる。例えば図8Aに示すように、自動走行装置2が目標経路Rから脱線して目標経路R上に位置しなくなった場合に、表示処理部215は、目標経路Rに近い辺(ここでは右辺)のLED25を点灯させる。また例えば図8Bに示すように、自動走行装置2の前後において目標経路Rからの距離が異なる場合(自動走行装置2の進行方向が目標経路Rに対して斜め方向の場合)に、表示処理部215は、目標経路Rに近い辺(ここでは右辺)のうち目標経路Rに近い(又は最も近い)位置のLED25のみを点灯させてもよい。さらに図8Bに示す例の場合に、表示処理部215は、目標経路Rに近い辺(ここでは右辺)のLED25において、目標経路Rから遠くなるほど点灯色の種類又は輝度を変化(グラデーション)させてもよい。
【0046】
また、表示処理部215は、目標経路Rから自動走行装置2までの距離に応じてLED25を点灯させてもよい。例えば図9に示すように、自動走行装置2が目標経路Rから脱線して目標経路R上に位置しなくなった場合に、表示処理部215は、目標経路Rから自動走行装置2までの距離L0に応じてLED25の点灯態様を変化させてもよい。具体的には、表示処理部215は、距離L0が小さいほどLED25の輝度を高くし、距離L0が大きいほどLED25の輝度を低くする。また、表示処理部215は、距離L0が小さいほどLED25の点滅周期を短くし、距離L0が大きいほどLED25の点滅周期を長くする。
【0047】
このように、表示処理部215は、目標経路Rから自動走行装置2までの距離、及び、目標経路Rに対する自動走行装置2の方向の少なくともいずれかに応じてLED25を点灯させてもよい。これにより、自動走行装置2の管理者は、自動走行装置2の天面のLED25の点灯状態を確認することにより、脱線した目標経路Rの方向、目標経路Rからの距離(位置ずれ量)などを容易に把握することができる。
【0048】
[自動走行処理]
以下、図10を参照しつつ、自動走行装置2において実行される自動走行処理について説明する。具体的に、本実施形態では、自動走行装置2の制御部21によって前記自動走行処理が実行される。制御部21は、管理サーバー1から搬送要求(走行指示)を受信した場合に前記自動走行処理の実行を開始する。
【0049】
なお、本開示は、前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動走行方法の開示として捉えることができる。また、ここで説明する前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記自動走行処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記自動走行処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該自動走行処理における各ステップを分散して実行する自動走行方法も他の実施形態として考えられる。
【0050】
先ずステップS1において、制御部21は、自動走行装置2に自動走行を開始させる。具体的には、制御部21は、予め設定された目標経路Rの経路情報及び制御情報D1(図5参照)に基づいて、自動走行装置2の自己位置を推定しながら自動走行させる。
【0051】
次にステップS2において、制御部21は、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置を特定する。具体的には、制御部21は、推定した地図上における自動走行装置2の自己位置の情報と、地図上における目標経路Rとの情報に基づいて、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置及び方向(進行方向)を特定する。
【0052】
次にステップS3において、制御部21は、LED25を点灯させる。具体的には、制御部21は、自動走行装置2が目標経路R上を走行している場合には、目標経路Rの位置に対応するLED25(平面視で目標経路Rに重なる位置のLED25)を点灯させる(図7A図7C参照)。
【0053】
また、制御部21は、自動走行装置2が目標経路Rを脱線して走行している場合には、複数のLED25のうち目標経路Rに近いLED25を点灯させる(図8A及び図8B参照)。
【0054】
また、制御部21は、自動走行装置2が目標経路Rを脱線して走行している場合には、複数のLED25のうち目標経路Rに近いLED25において、目標経路Rから自動走行装置2までの距離L0に応じてLED25を点灯させる(図9参照)。
【0055】
次にステップS4において、制御部21は、自動走行を終了したか否かを判定する。例えば、制御部21は、自動走行装置2が走行終了位置に到着した場合に、自動走行を終了したと判定する。制御部21は、自動走行を終了したと判定すると(S4:Yes)、前記自動走行処理を終了する。一方、制御部21は、自動走行を終了していないと判定すると(S4:No)、処理をステップS2に移行させる。例えば、自動走行装置2が目的位置に到着すると、制御部21は、自動走行を終了したと判定して前記自動走行処理を終了する。制御部21は、自動走行装置2が目的位置に到着するまでステップS2及びS4の処理を繰り返す(S4:No)。
【0056】
以上のように、制御部21は、自動走行装置2が自動走行している間、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置に応じてLED25を点灯させる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行装置2は、自動走行装置2を目標経路Rに沿って走行させることと、目標経路Rに対する自動走行装置2の位置を特定することと、自動走行装置2の本体外周に配置される複数のLED25に、特定した目標経路Rに対する自動走行装置2の位置に応じた情報を表示させること、とを実行する。例えば、自動走行装置2は、本体外周の少なくとも2辺に配置される複数のLED25のうち、特定した目標経路Rに対する自動走行装置2の位置に応じたLED25を点灯させる。
【0058】
上記構成によれば、ユーザーは自動走行中の自動走行装置2の外観(LED25の点灯状態)を見ることにより、自動走行装置2の走行状態、例えば目標経路Rに対する自動走行装置2の位置、方向、位置ずれ量などを容易に把握することが可能になる。
【0059】
[他の実施形態]
本開示の他の実施形態として、自動走行装置2は、走行路に沿って床面に設置された走行ガイド用の磁気テープを検出しながら、磁気テープ(目標経路)に沿って自動走行する走行体であってもよい。なお、自動走行装置2は、磁気テープ上に設置されたタグTgを検出して制御情報に応じた動作を行ってもよい。
【0060】
上記構成(ガイド走行方式)の自動走行装置2は、床面に設置された磁気テープLを検出する磁気センサ28を備えている。図11Aに示すように、磁気センサ28は、自動走行装置2の底面に設けられている。また、磁気センサ28は、自動走行装置2の前方及び後方のそれぞれに配置されている。
また図11Bに示すように、磁気センサ28は、自動走行装置2の進行方向(前後方向)に直交する方向(左右方向)に一列に配された複数の検出素子281を備えている。各検出素子281は、対向する位置に磁気テープLが存在する場合に検出信号を出力する。本実施形態では、各検出素子281は、ホール素子であり、磁気テープLと対向したときに磁気テープLの磁気を検出して検出信号(例えばON信号)を出力する。走行処理部213は、磁気センサ28の検出結果(検出素子281の検出信号)に基づいて、自動走行装置2を磁気テープLに沿って走行させつつ、磁気テープLの幅方向における自動走行装置2の走行位置を制御する。磁気テープLは本開示のガイド部材の一例であり、磁気センサ28は本開示の検出部の一例である。
【0061】
また上記構成(ガイド走行方式)の自動走行装置2では、例えば図12Aに示すように、LED25は、自動走行装置2の前方(前辺)及び後方(後辺)のそれぞれに配置されている。また、前辺のLED25は、前方の磁気センサ28(図11B参照)に対応する位置に配置され、後辺のLED25は、後方の磁気センサ28(図11B参照)に対応する位置に配置されている。すなわち、複数のLED25は、自動走行装置2の本体外周の前辺及び後辺のそれぞれにおいて、複数の磁気センサ28の配列方向と同一方向に配列されている。
【0062】
上記構成において、制御部21は、複数の検出素子281による磁気テープLの検出状態に応じて、複数のLED25を点灯させる。例えば図12Aに示すように、前方の磁気センサ28の複数の検出素子281のうち中央の検出素子281が磁気テープLを検出した場合に(図11B参照)、制御部21は、前辺の複数のLED25のうち、磁気テープLを検出した中央の検出素子281の位置に対応するLED25を点灯させる。同様に、後方の磁気センサ28の複数の検出素子281のうち中央の検出素子281が磁気テープLを検出した場合に(図11B参照)、制御部21は、後辺の複数のLED25のうち、磁気テープLを検出した中央の検出素子281の位置に対応するLED25を点灯させる。例えば、制御部21は、磁気テープLを検出した検出素子281の範囲と同じ範囲に位置する複数のLED25を点灯させる。
【0063】
図12Bに示すように、自動走行装置2の進行方向が磁気テープL(目標経路)の方向に対してずれた場合には、制御部21は、複数の検出素子281のうち磁気テープLを検出した検出素子281に対応するLED25を点灯させる。
【0064】
なお、上記構成では、LED25は、磁気センサ28に対応する位置に配置されるため、自動走行装置2の前後方向(前辺及び後辺)のみに配置されてもよい。他の実施形態として、LED25は、図12に示す前後方向(前辺及び後辺)に加えて、左右方向(左辺及び右辺)に配置されてもよい。
【0065】
また、図12に示す構成において、自動走行装置2が磁気テープLから脱線した場合に、制御部21は、複数のLED25のうち磁気テープLに近いLED25を点灯させてもよい。
【0066】
以上のように、本開示に係る自動走行装置2は、磁気テープLを利用しないガイドレス走行方式の走行体であってもよいし、磁気テープLを利用したガイド走行方式の走行体であってもよい。
【0067】
本開示に係る自動走行装置2の他の実施形態として、制御部21は、障害物を検出した場合に、複数のLED25のうち障害物に近いLED25を点灯させてもよい。これにより、ユーザーはLED25の点灯状態により障害物の位置を把握することができる。
【0068】
また本開示に係る自動走行装置2の他の実施形態として、制御部21は、バッテリの状態(充電量など)に応じてLED25を点灯させてもよい。これにより、ユーザーはLED25の点灯状態によりバッテリの状態を把握することができる。
【0069】
また本開示に係る自動走行装置2の他の実施形態として、自動走行装置2は、LED25に代えて表示パネルを備えてもよい。前記表示パネルは、自動走行装置2の本体外周の少なくとも2辺に配置されてもよい。制御部21は、前記表示パネルに、目標経路に対する自動走行装置2の位置に応じた情報を表示させてもよい。例えば制御部21は、自動走行装置2の前方に配置された表示パネルと後方に配置された表示パネルとにおいて、目標経路の位置及び方向を識別可能に表示させる。すなわち、本開示の表示部は、LEDなどの表示灯に限定されず、情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0070】
[開示の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される開示の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0071】
<付記1>
自動走行装置を目標経路に沿って走行させる走行処理部と、
前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置を特定する特定処理部と、
前記自動走行装置の本体外周の少なくとも2辺に配置される複数の表示部に、前記特定処理部により特定される前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた情報を表示させる表示処理部と、
を備える自動走行装置。
【0072】
<付記2>
前記表示処理部は、前記自動走行装置の本体外周の対向する2辺に配置された前記表示部における、前記目標経路が延びる方向に対応する一対の前記表示部を点灯させる、
付記1に記載の自動走行装置。
【0073】
<付記3>
前記表示処理部は、前記複数の表示部のうち前記目標経路の位置に対応する表示部に前記情報を表示させる、
付記1又は2に記載の自動走行装置。
【0074】
<付記4>
前記表示処理部は、前記複数の表示部の少なくとも一部が前記目標経路上に位置する場合に、前記複数の表示部のうち前記目標経路上に位置する表示部に前記情報を表示させる、
付記3に記載の自動走行装置。
【0075】
<付記5>
前記表示処理部は、前記複数の表示部の全てが前記目標経路上に位置しない場合に、前記複数の表示部のうち前記目標経路に最も近い表示部に前記情報を表示させる、
付記3又は4に記載の自動走行装置。
【0076】
<付記6>
前記表示処理部は、前記目標経路から前記自動走行装置までの距離、及び、前記目標経路に対する前記自動走行装置の方向の少なくともいずれかに応じた前記情報を表示させる、
付記5に記載の自動走行装置。
【0077】
<付記7>
前記複数の表示部は、前記自動走行装置の天面の外周の各辺に配置されており、
前記表示処理部は、前記複数の表示部を、前記目標経路に対する前記自動走行装置の位置に応じた態様で点灯させる、
付記1~6のいずれかに記載の自動走行装置。
【0078】
<付記8>
前記走行処理部は、前記自動走行装置に設けられた検出部が前記目標経路に対応して床面に配置されたガイド部材を検出する検出結果に基づいて、前記自動走行装置を前記目標経路に沿って走行させる、
付記1~7のいずれかに記載の自動走行装置。
【0079】
<付記9>
前記検出部は、前記自動走行装置の前方及び後方のそれぞれに、前記自動走行装置の前後方向に直交する左右方向に配列された複数の検出素子を含み、
前記複数の表示部は、前記自動走行装置の本体外周の前辺及び後辺のそれぞれにおいて、前記複数の検出素子の配列方向と同一方向に配列されており、
前記表示処理部は、前記複数の検出素子による前記ガイド部材の検出状態に応じて、前記複数の表示部に前記情報を表示させる、
付記8に記載の自動走行装置。
【符号の説明】
【0080】
1 :管理サーバー
2 :自動走行装置
10 :自動走行システム
21 :制御部
22 :記憶部
23 :タグセンサ
24 :ライダーセンサ
25 :LED
26 :通信部
27 :駆動車輪
28 :磁気センサ
211 :推定処理部
212 :取得処理部
213 :走行処理部
214 :特定処理部
215 :表示処理部
281 :検出素子
D1 :制御情報
L :磁気テープ
L0 :距離
R :目標経路
Tg :タグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B