(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114145
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/551 20060101AFI20240816BHJP
A61F 13/539 20060101ALI20240816BHJP
A61F 13/49 20060101ALI20240816BHJP
A61F 13/531 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61F13/551 100
A61F13/539
A61F13/49 410
A61F13/49 312Z
A61F13/531
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019696
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平松 令子
(72)【発明者】
【氏名】川口 宏子
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA12
3B200BA13
3B200BA16
3B200DA01
3B200DA21
3B200DA28
3B200DB01
3B200DB05
3B200DB11
3B200DE07
(57)【要約】
【課題】廃棄用テープの操作性に優れた吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、体液を吸収保持する吸収体23を含む本体部2と、本体部2の外面に設けられた廃棄用テープ4とを備える。廃棄用テープ4は、固定部5と自由部6とを含み、自由部6は、タブ部7と中間部8とを有する。本体部2における、本体部2の自然状態において未使用状態の廃棄用テープ4の最外層を形成する中間部8と厚み方向Zに重なる最外層中間部重複領域27に、横方向Yの収縮力が互いに異なる複数の領域27A、27Bが存在する。第1領域27Aは、最外層中間部重複領域27のタブ部7側の縦方向Xの一端から縦方向Xに延在し、本体部2の自然状態において横方向Yに収縮している。第2領域27Bは、第1領域27Aと縦方向Xにおいて隣接し、第1領域27Aに比べて横方向Yの収縮力が小さいか又は横方向Yに非収縮である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の前後方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、体液を吸収保持する吸収体を含む本体部と、該本体部の外面に設けられた廃棄用テープとを備えた吸収性物品であって、
前記廃棄用テープは、前記本体部の外面に固定された固定部と、該固定部に連結され、該本体部に対して非固定の自由部とを含み、
前記自由部は、前記固定部との連結部から前記縦方向に延在可能に配置されており、且つ該自由部の延在方向の先端部を形成し、前記廃棄用テープの使用時に摘まみ部として利用可能なタブ部と、該タブ部と該固定部との間に位置する中間部とを有し、該中間部の少なくとも一部が、前記本体部の外面に対して着脱自在に構成されており、
前記廃棄用テープの未使用状態では、前記中間部は、前記固定部に重ねられた状態で前記縦方向に延在し、前記タブ部は、該中間部の該縦方向の一端に隣接して、該中間部の少なくとも一部とともに未使用状態の該廃棄用テープの最外層を形成し、
前記本体部における、該本体部の自然状態において未使用状態の前記廃棄用テープの最外層を形成する前記中間部と厚み方向に重なる最外層中間部重複領域に、前記横方向の収縮力が互いに異なる複数の領域が存在し、
前記複数の領域は、前記最外層中間部重複領域の前記タブ部側の前記縦方向の一端から該縦方向に延在し、前記本体部の自然状態において前記横方向に収縮している第1領域と、該第1領域と該縦方向において隣接し、該第1領域に比べて該横方向の収縮力が小さいか又は該横方向に非収縮の第2領域とを含む、吸収性物品。
【請求項2】
前記第1領域は、前記第2領域に比べて、曲げ試験により測定される前記横方向の剛軟度が小さい、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収体は、前記第1領域及び前記第2領域に存在し、該吸収体における該第1領域に位置する部分は、該吸収体における該第2領域に位置する部分に比べて、坪量が小さい、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体は、前記第1領域に存在せずに、前記第2領域に存在する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記本体部は、該本体部の構成部材どうしを接合する接着剤を含み、前記第1領域は、前記第2領域に比べて、該接着剤の坪量が少ない、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第1領域は、前記第2領域に比べて、当該領域の構成部材の厚み方向における積層数が少ない、請求項1~5の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記第1領域は、前記第2領域に比べて、当該領域の外面側を形成する構成部材の前記横方向の収縮力が大きい、請求項1~6の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄用テープを備えた吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使用後の廃棄を容易且つ衛生的に行い得る吸収性物品として、外面(非肌対向面)に廃棄用テープが設けられ、小さく丸められた吸収性物品の状態を廃棄用テープで維持できるようにしたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、吸収体と、該吸収体の非肌対向面側に固定された外装体と、該外装体の非肌対向面に設けられた廃棄用テープとを具備するパンツ型使い捨ておむつにおいて、廃棄用テープの止着領域である外装体の非肌対向面に複数の開孔を設けたものが記載されている。特許文献1に記載のおむつによれば、おむつ交換時に廃棄用テープによる仮止めとその解除を複数回繰り返しても、止着領域に散在する開孔の存在により、止着領域の毛羽が廃棄用テープの止着部につきにくく、止着部の止着力の低下が効果的に抑制されるとされている。
【0004】
特許文献2には、生理用ナプキンの如き、着衣に取り付けて使用するタイプの吸収性物品において、廃棄用テープが着用時の違和感の原因となっていることに鑑みて、着用者の肌に面する表面シート、着用者の肌とは反対側に向けられる裏面シート、及び両シート間に配置される吸収体を含む本体部と、該本体部に固定された廃棄用テープとを具備する吸収性物品において、廃棄用テープの曲げ剛性を、表面シートと裏面シートと吸収体とを重ねた部分よりも低くすることが記載されている。
【0005】
特許文献3には、背側部の非肌対向面に廃棄用テープが固定された吸収性物品において、廃棄用テープの摘まみ部を摘み易くしたものが記載されている。特許文献3に記載の廃棄用テープは、吸収性物品に固定された固定部と、中間部と、止着部との3つの構成要素を有している。これらの構成要素は、前記の順に該廃棄用テープの長手方向(着用者の前後方向に対応する方向)に沿って配されているとともに、前記の順に積層された三つ折り状態になっており、該止着部の先端部に摘まみ部が設けられている。特許文献3に記載の吸収性物品の背側部は、該吸収性物品の幅方向(前記長手方向と直交する方向)に収縮するウエスト伸縮領域と、該ウエスト伸縮領域よりも股下部側に位置し幅方向に伸縮しない非伸縮領域とを有している。特許文献3には、摘まみ部を摘み易くするために、廃棄用テープの構成、摘まみ部等の廃棄用テープの各部と前記のウエスト伸縮領域及び非伸縮領域との位置関係等を工夫することが記載されている(特許文献3の[0037]~[0039]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-82872号公報
【特許文献2】特開2019-115581号公報
【特許文献3】実用新案登録第3229304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図7には、廃棄用テープを備えた従来の吸収性物品の一例であるおむつ1Zの一部が示されている。おむつ1Zは、体液を吸収保持する吸収体23を含む本体部2Zと、本体部2Zの非肌対向面に固定された廃棄用テープ40とを備える。
図7に示されているのは、おむつ1Zの背側部(着用者の背側に配される部位)における着用者の胴周りに配置される胴周り部であり、
図7に示す廃棄用テープ40は未使用状態である。
本体部2Zは、吸収性本体20Zと、吸収性本体20の非肌対向面に接着剤26を介して接合された外装体11Zとを含む。
吸収性本体20Zは、吸収体23と、吸収性本体20の非肌対向面を形成する裏面シート22を含む。
外装体11Zは、本体部2Zの非肌対向面を形成する外層シート12と、外層シート12の肌対向面側に配置された内層シート13と、両シート12,13の間に配置された複数の胴周り弾性部材14とを含む。複数の胴周り弾性部材14は、おむつ1Zの背側部の胴周り部において縦方向Xに間欠配置されているとともに、それぞれ、おむつ1Zの横方向Yに伸縮可能に配置されている。縦方向Xは、おむつ1Zの着用者の前後方向に対応する方向であり、横方向Yは、縦方向Xに直交する方向である。
ただし、胴周り弾性部材14は、本体部2Zにおける吸収体23と厚み方向Zに重なる領域では、細かく分断されるなどして弾性伸縮性が発現しないように処理されている。これは、胴周り弾性部材14の収縮に伴って吸収体23が収縮することで生じる不都合(体液吸収性の低下、着用感の低下等)を防止するためである。
廃棄用テープ40は、本体部2Zの背側部の非肌対向面に固定された固定部41と、中間部42と、止着部43と有する。固定部41、中間部42及び止着部43は、この順に縦方向Xに沿って配されているとともに、未使用状態の廃棄用テープ40では、この順に積層された三つ折り状態とされ、且つ止着部43の先端部に、廃棄用テープ40の使用時に摘まみ部として利用可能なタブ部44が設けられている。
廃棄用テープ40は、吸収体23の縦方向端23Eを縦方向Xに跨ぐように、本体部2Zの非肌対向面に固定されており、タブ部44を除く廃棄用テープ40の大部分が、吸収体23と厚み方向Zに重なっている。前述したように、本体部2Zにおける吸収体23と厚み方向Zに重なる領域には、弾性伸縮性を発現可能に配置された弾性部材は存在しないので、廃棄用テープ40における吸収体23と厚み方向Zに重なる領域49は、弾性伸縮性を発現可能に配置された弾性部材と厚み方向Zにおいて重複していない。
【0008】
前述した構成を有するおむつ1Zは、未使用状態の廃棄用テープ40においてタブ部44が本体部2Zの外面(外層シート12の非肌対向面)に沿うように配置されているため、タブ部44を手指で摘みにくく、廃棄用テープ40の操作性の点で改善の余地がある。未使用状態の廃棄用テープにおけるタブ部が手指で摘みやすく、廃棄用テープの操作性に優れた吸収性物品は未だ提供されていない。
【0009】
本発明の課題は、廃棄用テープの操作性に優れた吸収性物品を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、体液を吸収保持する吸収体を含む本体部と、該本体部の外面に設けられた廃棄用テープとを備えた吸収性物品であって、
前記廃棄用テープは、前記本体部の外面に固定された固定部と、該固定部に連結され、該本体部に対して非固定の自由部とを含み、
前記自由部は、前記固定部との連結部から前記縦方向に延在可能に配置されており、且つ該自由部の延在方向の先端部を形成し、前記廃棄用テープの使用時に摘まみ部として利用可能なタブ部と、該タブ部と該固定部との間に位置する中間部とを有し、該中間部の少なくとも一部が、前記本体部の外面に対して着脱自在に構成されている。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記廃棄用テープの未使用状態では、前記中間部は、前記固定部に重ねられた状態で前記縦方向に延在し、前記タブ部は、該中間部の該縦方向の一端に隣接して、該中間部の少なくとも一部とともに未使用状態の該廃棄用テープの最外層を形成する。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記本体部における、該本体部の自然状態において未使用状態の前記廃棄用テープの最外層を形成する前記中間部と厚み方向に重なる最外層中間部重複領域に、前記横方向の収縮力が互いに異なる複数の領域が存在し、
前記複数の領域は、前記最外層中間部重複領域の前記タブ部側の前記縦方向の一端から該縦方向に延在し、前記本体部の自然状態において前記横方向に収縮している第1領域と、該第1領域と該縦方向において隣接し、該第1領域に比べて該横方向の収縮力が小さいか又は該横方向に非収縮の第2領域とを含む。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、廃棄用テープの操作性に優れた吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの背側部側の模式的な斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すおむつの展開且つ最大伸長状態における肌対向面側を一部破断して模式的に示す展開平面図である。
【
図3】
図3は、
図2のII-II線断面(股下部の横方向且つ厚み方向に沿う断面)を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すおむつにおける廃棄用テープ及びその近傍を模式的に示す図であり、
図4(a)は、
図1のI-I線断面(廃棄用テープの配置位置における縦方向且つ厚み方向に沿う断面)を示す断面図、
図4(b)は、
図4(a)において廃棄用テープの構成部材どうしを離間させた状態を示す断面図である。
【
図5】
図5(a)は、
図1に示すおむつの廃棄形態を形成する過程で、廃棄用テープを伸長させる様子を模式的に示す斜視図、
図5(b)は、該廃棄用テープを丸めた状態のおむつの外面に巻き付けた状態を模式的に示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の吸収性物品の他の実施形態の
図4(b)相当図である。
【
図7】
図7は、従来の使い捨ておむつの
図4(a)相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
【0014】
図1~5には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるおむつ1が示されている。おむつ1は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向Xと、該縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。おむつ1は、体液を吸収保持する吸収体23を含む本体部2と、本体部2の外面すなわち非肌対向面に設けられた廃棄用テープ4とを備える。
【0015】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば本体部)における、該吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、該吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち着用者の肌から相対的に遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
【0016】
まず、本体部2について説明する。本体部2に代表される本発明に係る本体部は、おむつ1に代表される本発明の吸収性物品の主体をなす部位である。本実施形態では、本体部2は、おむつ1における廃棄用テープ4以外の部位であり、特に断らない限り、以下の説明における「本体部2」は「おむつ1」に置換できる。
【0017】
本実施形態では、本体部2は、
図1及び
図2に示すように、着用者の股間部に配され、着用者の陰茎等の排泄部に対向する排泄部対向部(図示せず)を含む股下部Bと、股下部Bよりも着用者の腹側(前側)に配される腹側部Aと、股下部Bよりも着用者の背側(後側)に配される背側部Cとの3つに区分される。
腹側部Aは、本体部2の前身頃Fの一部であり、背側部Cは、本体部2の後身頃Rの一部である。股下部Bは、縦中心線CLxを縦方向Xに跨いでおり、前身頃Fから後身頃Rに存在している。縦中心線CLxは、
図2に示す如き展開且つ最大伸長状態の本体部2を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる仮想直線である。
本発明において、腹側部A、股下部B及び背側部Cは、展開且つ最大伸長状態の本体部2を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
本実施形態では、本体部2は、
図2に示すように、横中心線CLyを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。横中心線CLyは、
図2に示す如き展開且つ最大伸長状態の本体部2を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線である。
【0018】
本明細書において「最大伸長状態」とは、おむつ1に代表される吸収性物品(本発明に係る本体部を含む。以下同じ。)の各部の弾性部材を最大伸長させて、設計寸法、すなわち弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じとなるまで拡げた状態を指す。
また、「展開且つ最大伸長状態」とは、吸収性物品を平面状に拡げて展開状態とした上で、前記最大伸長状態とした状態を指す。後述するサイドシール部Sの如き、前身頃と後身頃との接合部を有する吸収性物品の場合は、該接合部を切断して前身頃と後身頃とを切り離して平面状に拡げて前記展開状態とする。
【0019】
本実施形態では、本体部2は、パンツ型使い捨ておむつの構成を有し、具体的には、腹側部A及び背側部Cの縦方向Xに沿う両側縁部どうしが接合されたサイドシール部Sを有する。更に説明すると、本体部2は、吸収性本体20と、吸収性本体20の非肌対向面側に配置された外装体11とを備える。吸収性本体20と外装体11とは接着剤26(
図4参照)によって接合されている。外装体11は、
図2に示すように、吸収性本体20よりも面積が大きく、吸収性本体20の周縁から外方に延出する延出部を有している。この外装体11の吸収性本体20からの延出部のうち、吸収性本体20の縦方向Xに沿う両側縁20S,20S及びそれらの仮想延長線よりも横方向Yの外方に位置する部分が、一対のサイドフラップ部10,10を構成している。腹側部A及び背側部Cそれぞれの一対のサイドフラップ部10,10どうしの接合により一対のサイドシール部S、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
【0020】
腹側部A及び背側部Cは、それぞれ、本体部2の着用時に着用者の胴周りに配される胴周り部Dを含む。胴周り部Dは、縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分を含み、本実施形態では
図2に示すように、ウエスト開口部WHの開口縁からサイドシール部Sの下端(縦中心線CLx寄りの縦方向端)Sbに延在する平面視長方形形状の領域)を含む。股下部Bは、典型的には、レッグ開口部LH,LH形成用の括れ部であるレッグ縁部LS,LSが形成された領域を含む。レッグ縁部LSは、サイドフラップ部10の縦方向Xに沿う両側縁部の一部である。
【0021】
本実施形態では、吸収性本体20は、
図2に示すように、平面視長方形形状を有し、その長手方向を本体部2の縦方向Xに一致させて、外装体11の横方向Yの中央部に配置され、腹側部Aから股下部Bを介して背側部Cにわたって縦方向Xに延在している。吸収性本体20の平面視における輪郭は、吸収性コア24の輪郭と略一致する。
吸収性本体20は、
図3に示すように、着用者の肌から相対的に近い位置に配置された液透過性の表面シート21、着用者の肌から相対的に遠い位置に配置された液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性(要するに防漏性)の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された吸収体23を含んで構成されている。吸収体23は、体液を吸収保持可能な吸収性コア24と、吸収性コア24の肌対向面及び非肌対向面を含む外面を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されている。吸収性本体20を構成するこれらの部材どうしは、接着剤等の公知の接合手段により一体とされている。
吸収性本体20を構成する前記の各部材としては、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂製フィルムや、樹脂製フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア24は、典型的には、吸水性材料を主体とし、該吸水性材料として、木材パルプ等の繊維材料及び吸水性ポリマーから選択される1種以上を含有する。コアラップシート25は液透過性を有し、典型的には、紙、不織布等からなる。コアラップシート25は無くてもよい。
【0022】
図3に示すように、吸収性本体20の縦方向Xに沿う両側部には、本体部2の着用時に着用者の肌側に起立する一対の防漏カフ3,3が設けられている。各防漏カフ3は、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏シート30を含み、該防漏シート30は、横方向Yの一端側が他の部材(図示の形態では吸収性本体20及び後述する外装体11)に固定されて固定端部、横方向Yの他端側が他の部材に非固定の自由端部とされている。防漏シート30の前記自由端部には、防漏カフ形成用弾性部材31が、縦方向Xに伸長状態で固定されることで同方向に伸縮可能に配置されている。本体部2の着用時には、弾性部材31の収縮力により、少なくとも股下部Bにおいて、防漏シート30の前記自由端部側が、前記固定端部を起立基端として着用者側に起立することで一対の防漏カフ3,3が起立し、これにより尿等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止される。
【0023】
外装体11は、本体部2の外面を形成する構成部材である。本実施形態では、外装体11は、
図3に示すように、相対的に着用者の肌から遠い側に配置された外層シート12と、相対的に着用者の肌から近い側に配置された内層シート13とを含んで構成されている。両シート12,13どうしは、接着剤等の接合手段を介して互いに接合され一体化されている。外層シート12は、外装体11の最外層であり、外装体11の非肌対向面を形成するとともに、本体部2の外面を形成する。内層シート13は、外装体11の最内層であり、外装体11の肌対向面を形成する。吸収性本体20は、内層シート13の肌対向面に接着剤26を介して接合されている(
図4参照)。
外層シート12及び内層シート13としては、それぞれ、各種製法による不織布、樹脂製フィルムなどを用いることができ、不織布としては例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。両シート12,13は、それぞれ、単層構造でもよく、2枚以上のシートが積層された積層構造でもよい。また両シート12,13は、それぞれ、横方向Yに伸縮性を有する伸縮性シートでもよく、伸縮性を有さない非伸縮性シートでもよい。
【0024】
本実施形態では、外装体11は、外層シート12と内層シート13との間に配置された複数の糸状又は帯状の弾性部材14,15を有している。具体的には、外装体11は、
図2に示すように、胴周り部Dにおいて横方向Yに沿って配された胴周り弾性部材14と、レッグ縁部LSに沿って配されたレッグ弾性部材15とを有している。両弾性部材14,15は、両シート12,13の間に伸長状態で固定されており、本体部2の自然状態又は着用状態では収縮している。この両弾性部材14,15の収縮により、自然状態又は着用状態の本体部2では、外装体11の表面における両弾性部材14,15の配置部位に、両弾性部材14,15の延びる方向と交差する方向に延びる複数の襞(ギャザー)が多数形成される。
【0025】
本明細書において「自然状態」とは、当該物体(例えば吸収性物品又はその構成部材)が有する弾性部材に外力を加えずに当該物体を伸長させていない状態(弛緩状態)であることを指す。
【0026】
腹側部A及び背側部Cそれぞれの胴周り部Dにおいて、外装体11における胴周り弾性部材14が伸長状態で固定されて配置された部位、すなわち胴周り弾性部材14がその弾性伸縮性を発現し得るように配置された部位は、横方向Yに伸縮性を有する伸縮領域16である。伸縮領域16は、連続伸縮領域17と不連続伸縮領域18とを含む。
連続伸縮領域17では、胴周り弾性部材14が外装体11の横方向Yの全長にわたって弾性伸縮性を発現可能に連続しており、該領域17の全域が横方向Yに伸縮性を有する。
不連続伸縮領域18では、胴周り弾性部材14が、吸収体23(吸収性本体20)と厚み方向Zに重なる領域(本体部2の横方向Yの中央部)において、細かく分断されるなどして弾性伸縮性が発現しないように処理されており、該領域18において横方向Yに伸縮
性を有するのは、吸収体23(吸収性本体20)と厚み方向Zに重ならない領域であり、具体的には、吸収性本体20の両側縁20S,20Sよりも横方向Yの外方に位置する領域である。
【0027】
本実施形態では、腹側部Aと背側部Cとで伸縮領域16の構成が異なる。すなわち
図2に示すように、腹側部Aでは、吸収体23の縦方向端23E及びその仮想延長線を境界として、ウエスト開口部WH側に連続伸縮領域17、股下部B側(本体部2の縦中心線CLxから相対的に近い側)に不連続伸縮領域18が配置されており、吸収体23と厚み方向Zに重なる領域には弾性伸縮性を発現可能な弾性部材は配置されていない。これに対し、背側部Cでは、連続伸縮領域17が吸収体23の縦方向端23Eを縦方向Xに跨いでおり、吸収体23の縦方向端23E及びその近傍(吸収体23の背側部C側の縦方向Xの端部)と厚み方向Zに重なる領域に弾性伸縮性を発現可能な胴周り弾性部材14が配置されている。なお、吸収体23の縦方向端23Eは、吸収性本体20の縦方向Xの一端と一致する。
【0028】
次に、廃棄用テープ4について説明する。
図4には、未使用状態の廃棄用テープ4及びその近傍の縦方向Xにおける厚み方向Zに沿う断面構造が示されている。なお、
図4は
図4(a)と
図4(b)とを含むところ、おむつ1における廃棄用テープ4の実際の状態を示しているのは
図4(a)である。
図4(b)は、廃棄用テープ4に対する理解を容易にするために、
図4(a)の補助図面として導入したものであり、廃棄用テープ4の構成部材どうしが密着せずに離間している点以外は
図4(a)と同じである。
【0029】
本実施形態では、廃棄用テープ4は、
図1及び
図2に示すように、本体部2の背側部Cの外面(外層シート12の非肌対向面)の横方向Yの中央部に1個設けられており、吸収体23の縦方向端23Eを縦方向Xに跨ぎ、連続伸縮領域17及び不連続伸縮領域18と厚み方向Zにおいて重なっている。
【0030】
廃棄用テープ4は、
図4に示すように、本体部2の外面(外層シート12の非肌対向面)に固定された固定部5と、固定部5に連結され、本体部2に対して非固定の自由部6とを含む。
本実施形態では、固定部5は、シート片50と、シート片50の片面に設けられた粘着部51と含む。シート片50は、粘着部51を介して本体部2の外面に固定されている。シート片50は、その縦方向Xの一端部(股下部B側とは反対側の縦方向端部)が非肌対向面側に折り返された折り返し部を有し、該折り返し部に自由部6、より具体的には、自由部6を構成する中間部8(伸縮部82)が連結されている。シート片50の素材は特に制限されず、例えば、樹脂性シートないしフィルム、不織布、織布を用いることができる。
【0031】
自由部6は、固定部5との連結部から縦方向Xに延在可能に配置されている。
本実施形態では、自由部6は、一方向に長い帯状を有し、その長手方向が廃棄用テープ4の使用時に縦方向Xに一致するように、本体部2の外面に設けられている。より具体的には、自由部6は、本体部2の外面との固定部5を起点として縦方向Xに伸長可能に設けられており(
図5(a)参照)、未使用時においては、
図4に示すように、固定部5に重ねられ且つ折り畳まれた状態とされている。
【0032】
自由部6は、該自由部6の延在方向の先端部を形成し、廃棄用テープ4の使用時に摘まみ部として利用可能なタブ部7と、タブ部7と固定部5との間に位置する中間部8とを有する。中間部8の少なくとも一部は、本体部2の外面に対して着脱自在に構成されている。
本実施形態では、中間部8は、本体部2の外面に対して着脱自在に止着可能な止着部81と、止着部81と固定部5との間に位置する伸縮部82とを含む。
【0033】
タブ部7は、粘着性を有しておらず、本体部2及び廃棄用テープ4におけるタブ部7以外の他の構成部材に対して止着不可である。タブ部7の構成は特に制限されず、中間部8とは別体のタブ部用部材から構成されていてもよく、あるいは、中間部8の一方の端部を折返して粘着性の部分(本実施形態では止着手段8A)が露出しないように構成されていてもよい。本実施形態では、前者の形態が採用されている。前記タブ部用部材としては、例えば、樹脂製フィルムを用いることができる。
【0034】
止着部81は、本体部2の外面における任意の位置に止着可能であり、本体部2の廃棄形態を廃棄用テープ4で維持するときに、本体部2の外面に止着される部位である。止着部81は、シート片50と同様の素材からなるシート片を主体とし、該シート片の片面に設けられ、本体部2の外面に止着するための止着手段8Aを有している。止着手段8Aとしては、この種の廃棄用テープで止着手段として従来使用されているものを特に制限無く用いることができ、例えば、粘着剤、機械的面ファスナーの雄材(フック材)が挙げられる。
【0035】
伸縮部82は、廃棄用テープ4に引張力が加わったときに比較的弱い引張力で容易に伸長し、廃棄用テープ4の長さを増加させる部位である。伸縮部82は、縦方向Xに伸長可能であるだけでなく、縦方向Xに伸縮可能である。ここでいう「伸縮可能」とは、廃棄用テープ4に引張力が加わったときに伸長し、該引張力を解除したときに収縮することを意味する。伸縮部82は、固定部5との連結部側とは反対側の縦方向Xの端部(股下部B側の縦方向端部)が非肌対向面側に折り返された折り返し部を有し、該折り返し部に止着部81が連結されている。伸縮部82としては、伸縮性を有する素材を用いることができ、例えば、伸縮性の樹脂製フィルムを用いることができる。
【0036】
廃棄用テープ4の未使用状態では、中間部8は、
図4に示すように、固定部5に重ねられた状態で縦方向Xに延在し、タブ部7は、斯かる状態の中間部8の縦方向Xの一端に隣接して、中間部8の少なくとも一部とともに未使用状態の廃棄用テープ4の最外層、すなわち本体部2から厚み方向Zにおいて最も離間した層を形成する。
本実施形態では、未使用状態の廃棄用テープ4において、固定部5の外面(非肌対向面)に伸縮部82が重ねられ、更に、伸縮部82の外面(非肌対向面)に止着部81が重ねられており、廃棄用テープ4は未使用状態ではZ字状に三つ折りされている。廃棄用テープ4の未使用状態では、タブ部7及び止着部81が未使用状態の廃棄用テープ4の最外層を形成する。すなわち、タブ部7及び止着部81それぞれの外面(非肌対向面)が、未使用状態の廃棄用テープ4の外面(非肌対向面)を形成する。タブ部7は、固定部5に重ねられ縦方向Xに延在した状態の中間部8の縦方向Xの両端のうち、股下部B側とは反対側の縦方向端に隣接する。
伸縮部82における未使用状態(折り畳まれた状態)で固定部5(シート片50)と対向する面には、低粘着性の粘着剤を含む粘着部8Bが設けられている。粘着部8Bは、未使用状態の廃棄用テープ4における伸縮部82と固定部5とを剥離可能に接合する役割を担う。止着部81が有する止着手段8Aも粘着部8Bと同様の役割を担っており、未使用状態の廃棄用テープ4における止着部81と伸縮部82とを剥離可能に接合する。
【0037】
前述の如き構成の本体部2及び廃棄用テープ4を備えるおむつ1の主たる特徴の1つとして、
図4に示すように、本体部2における、本体部2の自然状態において未使用状態の廃棄用テープ4の最外層を形成する中間部8(本実施形態では止着部81)と厚み方向Zに重なる最外層中間部重複領域27に、横方向Yの収縮力が互いに異なる複数の領域27A、27Bが存在する点が挙げられる。
前記複数の領域の1つである第1領域27Aは、最外層中間部重複領域27のタブ部7側の縦方向の一端から縦方向Xに延在し、本体部2の自然状態において横方向Yに収縮している領域である。前記複数の領域の他の1つである第2領域27Bは、第1領域27Aと縦方向Xにおいて隣接し、第1領域27Aに比べて横方向Yの収縮力が小さいか又は横方向Yに非収縮の領域である。
吸収性物品の各部の収縮力は下記方法により測定される。
【0038】
<収縮力の測定方法>
吸収性物品から測定対象部位を採取する。例えば、前記の第1領域27A及び第2領域27Bが収縮力の測定対象部位である場合は、おむつ1から廃棄用テープ4を取り外し、残った本体部2から、カッター等の切断具を用いて、第1領域27A及び第2領域27Bをそれぞれ切り出して測定サンプルとする。このとき、先ず、本体部2から最外層中間部重複領域27を切り出し、次に、切り出した該領域27を第1領域27Aと第2領域27Bとに切り分けてもよい。なお、取り外す予定の廃棄用テープが他の部材と接合されている場合には、ドライヤー等の加熱手段又はコールドスプレー、有機溶剤等を用いて、廃棄用テープと他の部材との接合を無効化させた上で、廃棄用テープを他の部材から丁寧に剥がして単離する。なおこの作業は、測定方法を問わず、使い捨ておむつから測定対象の部材を取り出す場合に適宜適用することができる。
第1領域27Aと第2領域27Bとの境界は、目視観察によって確認することができる。すなわち、本体部2の最外層中間部重複領域27を縦方向Xに沿って目視観察し、横方向Yの収縮度合いが変化した位置が、第1領域27Aと第2領域27Bとの境界である。おむつ1では、斯かる収縮度合いが相対的に大きい方が第1領域27A、相対的に小さい方が第2領域27Bである。
第1領域27A及び第2領域27Bともに、測定サンプルの縦方向Xの長さは、当該領域27A,27Bの縦方向Xの全長と同じとし、測定サンプルの横方向Yの長さは、廃棄用テープ4の同方向の長さ以上とする。後者に関し、測定サンプルの横方向Yの長さの上限としては、吸収体23の横方向Yの外方に位置する領域の弾性部材14による収縮力の影響を最小限に抑える観点から、吸収体23(吸収性コア24)の横方向Yの最大長さ以下とすることが好ましく、具体的には例えば、第1領域27A及び第2領域27Bそれぞれの測定サンプルの横方向Yの長さは、85mm以下とすることが好ましい。測定サンプルの横方向Yの長さが前記範囲であれば、該測定サンプルの下記方法による収縮力の測定値は、第1領域27A又は第2領域27Bのそれと同じとみなすことができる。
測定サンプルを、市販の引張試験機(例えば株式会社 島津製作所社製、機種「AUTOGRAPH AG-X」)における上下一対のチャック間に、測定サンプルが採取された吸収性物品の横方向(吸収性物品の前後方向と直交する方向)が伸長方向に一致するようにセットする。このときのチャック間距離を測定サンプルの初期長とする。そしてチャック間距離を、測定サンプルの長さが最大伸長時長さとなるまで、一定の速度(300mm/分)で増大させ(伸長過程)、次いでチャック間距離を、測定サンプルの長さが初期長となるまで減少させ(収縮過程)、そのときの応力(戻り応力)を測定し、その測定値を、当該測定対象部位の収縮力とする。
【0039】
本実施形態では、
図4に示すように、第1領域27Aは、横方向Yに伸縮性を有する胴周り弾性部材14が配置されており、これにより本体部2の自然状態では、第1領域27Aの全域が横方向Yに収縮した状態となる。一方、第2領域27Bは、横方向Yに伸縮性を有する弾性部材が配置されておらず、本体部2の自然状態では、横方向Yに非収縮の状態である。すなわち本実施形態では、第2領域27Bの横方向Yの収縮力はゼロである。
【0040】
このように、本体部2における、「未使用状態の廃棄用テープ4の中間部8におけるタブ部7と縦方向Xにおいて隣接する領域」と平面視で重なる第1領域27Aが、第1領域27Aと縦方向Xにおいて隣接する第2領域27Bに比べて、横方向Yの収縮力が大きい収縮部であることにより、本体部2の自然状態において、未使用状態の廃棄用テープ4におけるタブ部7の先端部側(中間部8との連結部とは反対側)が、
図4(a)に示すように、中間部8(止着部81)との連結部側を起点として、本体部2から離れる方向に起立する。このように、未使用状態の廃棄用テープにおけるタブ部が起立した状態であると、
図7に示す従来の吸収性物品(おむつ1Z)のようにタブ部が本体部の外面に沿った状態である場合に比べて、タブ部の手指による摘みやすさが格段に向上する。そのため、おむつ1は廃棄用テープの操作性に優れる。
【0041】
第1領域27Aの縦方向Xの長さは特に制限されないが、短すぎると、前述した本発明の所定の効果(未使用状態の廃棄用テープ4におけるタブ部7の起立促進効果)が十分に奏されないおそれがあり、長すぎると、本体部2における第1領域27A以外の他の部分(例えば第2領域27B)の縦方向Xの長さが相対的に短くなるため、該他の部分による作用効果が十分に奏されないおそれがある。以上を考慮すると、本体部2の自然状態において、最外層中間部重複領域27の縦方向Xの全長に対する第1領域27Aの縦方向Xの長さの割合(第1領域占有率)は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、そして、好ましくは50%以下である。
前記と同様の観点から、第1領域27Aの縦方向Xの長さは、好ましくは7mm以上、より好ましくは9mm以上、そして、好ましくは17.5mm以下である。
【0042】
第1領域27Aの横方向Yの収縮力は特に制限されないが、小さすぎると、前述した本発明の所定の効果が十分に奏されないおそれがあり、大きすぎると、第1領域27Aの横方向Yにおける収縮程度が比較的大きくなり、それによって、未使用状態の廃棄用テープ4におけるタブ部7の先端部側が、第2領域27B側(股下部B側)に近接するようになるため、タブ部7を手指で摘みにくくなるおそれがある。以上を考慮すると、第1領域27Aの横方向Yの収縮力は、好ましくは0.3N以上、より好ましくは0.5N以上、そして、好ましくは1.7N以下、より好ましくは1.5N以下である。
また、第2領域27Bの横方向Yの収縮力がゼロでない場合において、第1領域27Aの横方向Yの収縮力と第2領域27Bの横方向Yの収縮力との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは10以下である。
第1領域27Aの横方向Yの収縮力は、第1領域27Aにおける胴周り弾性部材14の配置数、第1領域27Aに配置された胴周り弾性部材14の太さ等を適宜調整することで調整可能である。一般的には、第1領域27Aにおける胴周り弾性部材14の配置数が多いほど、あるいは第1領域27Aに配置された胴周り弾性部材14の太さが太いほど、第1領域27Aの横方向Yの収縮力は大きくなる。
【0043】
前述した本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて、当該領域の外面側を形成する構成部材の横方向Yの収縮力が大きいことが好ましい。ここで言う「当該領域の外面側を形成する構成部材」とは、当該領域(第1領域27A又は第2領域27B)において吸収体23よりも厚み方向の外方(廃棄用テープ4側)に位置する構成部材を指す。また、第1領域27Aの外面側を形成する構成部材は、横方向Yに伸縮性を有することが好ましいが、第2領域27Bの外面側を形成する構成部材は、横方向Yに伸縮性を有していなくてもよい。
本実施形態では、両領域27A,27Bの外面側を形成する構成部材は、
図4に示すように、外装体11であるので、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて、外装体11の横方向Yの収縮力が大きいことが好ましい。外装体11の横方向Yの収縮力は、外装体11が備える胴周り弾性部材14の配置数、太さ等を適宜調整することで調整可能である。
外装体11における第1領域27Aに位置する部分(以下、「第1領域27Aの外装体」とも言う。)の横方向Yの収縮力と、外装体11における第2領域27Bに位置する部分(以下、「第2領域27Bの外装体」とも言う。)の横方向Yの収縮力との比率は、後者がゼロではない場合、本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。
第1領域27Aの外装体11の横方向Yの収縮力は、第2領域27Bの外装体11の横方向Yの収縮力に比べて大きいことを前提として、好ましくは0.7N/mm以上、より好ましくは0.8N/mm以上、そして、好ましくは5.5N/mm以下、より好ましくは5.3N/mm以下である。第2領域27Bの外装体の横方向Yの収縮力は、前述したとおりゼロでもよい。
両領域27A,27Bの外面を形成する構成部材(本実施形態では外装体11)の収縮力は、前記<収縮力の測定方法>に準じて測定される。なお、測定サンプルについては、前記<収縮力の測定方法>と同様の方法で、おむつ1から測定対象部位(第1領域27A又は第2領域27B)を切り出し、その切り出した部位から当該領域の外面を形成する構成部材(本実施形態では外装体11)以外の部位を排除して、測定サンプルとする。また、測定サンプルの引張試験では、引張試験機の上下一対のチャック間に、測定サンプルが採取された吸収性物品の横方向が伸長方向に一致するようにセットした後、該チャック間距離を、測定サンプルの長さがその最大伸長時の長さを100%としたときの70%に相当する長さとなるまで、一定の速度(300mm/分)で増大させ(伸長過程)、次いでチャック間距離を、測定サンプルの長さが初期長となるまで減少させ(収縮過程)、そのときの応力(戻り応力)を測定し、その測定値を、測定サンプルの縦方向の長さで割って単位長さ(mm)あたりの値に換算し、該換算値を、当該領域の外面を形成する構成部材の横方向の収縮力とする。
【0044】
前述した本発明の所定の効果(未使用状態の廃棄用テープ4におけるタブ部7の起立促進効果)を一層確実に奏させるようにする観点から、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて横方向Yの剛性が低く、第1領域27Aにおいて横方向Yに伸縮可能に配置された胴周り弾性部材14の収縮力によって横方向Yに収縮しやすいことが好ましい。このような観点から、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて、下記方法により測定される横方向Yの剛軟度が小さいことが好ましい。
第1領域27Aの横方向Yの剛軟度と第2領域27Bの横方向Yの剛軟度との比率は、本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。
第1領域27Aの横方向Yの剛軟度は、好ましくは0.1(gf・cm2/cm)以上、より好ましくは0.2(gf・cm2/cm)以上、そして、好ましくは25(gf・cm2/cm)以下、より好ましくは20(gf・cm2/cm)以下である。
【0045】
<剛軟度の測定方法>
本測定方法は、「風合い評価の標準化と解析(第2版)」(著者;川端季雄、発行所;財団法人日本繊維機械学会、風合い計量と規格化研究委員会、発行日;昭和55年7月10日)の第27頁~第28頁に記載の方法に準じる。詳細には、吸収性物品から測定対象部位(第1領域27A、第2領域27B)を切り出して測定サンプルとし、この測定サンプルを、カトーテック製純曲げ試験機(商品名:KES-FB2-L)を用いて、測定対象の剛軟度の方向(例えば吸収性物品の横方向)と直交する方向(例えば吸収性物品の縦方向)に曲げる、すなわち曲げたときに測定サンプルに生じる折り目が該直交する方向と平行になるように測定サンプルを曲げる。
以下、第1領域27Aの横方向Yの剛軟度を測定する場合を例に取って説明する。
まず、第1領域27Aから測定サンプルを切り出す。測定サンプルの縦方向Xの長さは、第1領域27Aの縦方向Xの全長と同じとする。測定サンプルの横方向Yの長さは、少なくとも第1領域27Aの横方向Yの全長と同じ、すなわち未使用状態の廃棄用テープ4の最外層を形成する中間部8(本実施形態では止着部81)の横方向Yの全長と同じとする。測定サンプルの横方向Yの長さの上限は、吸収体23の横方向Yの外方に位置する領域の弾性部材14による収縮力の影響を最小限に抑える観点から、吸収体23(吸収性コア24)の横方向Yの最大長さ以下とすることが好ましく、例えば85mm以下とすることが好ましい。
次に、第1領域27Aから切り出した測定サンプルを試験機にセットする。具体的には、測定サンプルをその横方向Yの長さが二等分されるように(曲げによって測定サンプルに生じる折り目が縦方向Xと平行になるように)二つ折りし、その二つ折りされた測定サンプルの縦方向Xに沿う両側部を、試験機が備える一対のチャック(測定サンプルの把持部)に把持させる。その際、前記チャック間距離は4cm以上とする。また、測定サンプルにおける折り曲げ部位(前記折り目が生じる部位)は、測定サンプルが備える弾性部材14の影響を受けにくい部位が好ましく、例えば、測定サンプルの縦方向X及び横方向Yの双方の中央部が好ましい。
そして、前記試験機を作動させて、曲率Kが-0.45~+0.45、変形速度が0.5cm-1/秒の条件で等速度曲率の純曲げ試験を実施する。この純曲げ試験によって、測定サンプルの単位面積当たりの曲げモーメントMと曲率Kとの関係を示すM-K曲線を求め、該M-K曲線の傾斜である単位長さあたりの剛軟度(gf・cm2/cm)を算出し、これを測定サンプルの横方向Yの剛軟度とする。
1種類の測定対象(第1領域27A)につき、測定サンプルを3つ用意してそれぞれについて前記の純曲げ試験を実施し、その3回の純曲げ試験の剛軟度の平均値を、当該測定対象(第1領域27A)の横方向Yの剛軟度とする。第2領域27Bの横方向Yの剛軟度についても、第1領域27Aのそれと同様に測定する。
【0046】
本実施形態では、
図4に示すように、吸収体23が第1領域27A及び第2領域27Bの双方に存在しているところ、このような場合、横方向Yの剛軟度について前記の「第1領域27A<第2領域27B」の大小関係を成立させて本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、吸収体23における第1領域27Aに位置する部分(以下、「第1領域の吸収体」とも言う。)23Aは、吸収体23における第2領域27Bに位置する部分(以下、「第2領域の吸収体」とも言う。)23Bに比べて、坪量が小さいことが好ましい。
第1領域の吸収体23Aの坪量と第2領域の吸収体23Bの坪量との比率は、本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下である。また、第1領域27Aの体液吸収性を確保する観点から、前記比率は好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上である。
第1領域の吸収体23Aの坪量は、本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、好ましくは200g/m
2以下、より好ましくは190g/m
2以下、更に好ましくは20g/m
2以下であり、0g/m
2、すなわち第1領域27Aに吸収体23が存在しないことが最も好ましい。また、第1領域27Aの体液吸収性を確保する観点から、第1領域の吸収体23Aの坪量は、好ましくは120g/m
2以上、より好ましくは130g/m
2以上である。
【0047】
図示していないが、吸収体23が第1領域27Aに存在せずに第2領域27Bに存在することによっても、横方向Yの剛軟度について前記の「第1領域27A<第2領域27B」の大小関係が成立し得る。すなわち本発明の好ましい一実施形態として、吸収体23が、第1領域27Aに存在せずに、第2領域27Bに存在する形態が挙げられる。
前記形態の一例として、第1領域27Aと第2領域27Bとの境界が、吸収体23の縦方向端23Eと同位置にあり、第2領域27Bのみが吸収体23と厚み方向に重なる形態が挙げられる。
前記形態の他の一例として、吸収体23が、該吸収体23を厚み方向に貫通する貫通孔を有し、該貫通孔が、第1領域27Aと厚み方向に重なる形態が挙げられる。
【0048】
第1領域27A及び第2領域27Bの剛性(剛軟度)は、吸収体23のみならず、接着剤によっても調整することができる。一般的には、接着剤の塗布量(坪量)が多いほど、当該領域の剛性が大きくなる(剛軟度の数値が大きくなる)。したがって、本体部2がその構成部材どうしを接合する接着剤を含む場合、横方向Yの剛軟度について前記の「第1領域27A<第2領域27B」の大小関係を成立させて本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて、接着剤の坪量が少ないことが好ましい。
本実施形態では、第1領域27Aと第2領域27Bとで、吸収性本体20(裏面シート22)と外装体11(内層シート13)とを接合する接着剤26の坪量を異ならせており、具体的には
図4に示すように、第2領域27Bのみに接着剤26を設けており、第1領域27Aにおける接着剤26の坪量はゼロである。第1領域27Aにおける接着剤26の坪量はゼロとせずに、第2領域27Bのそれよりも少量としてもよい。
第1領域27Aの接着剤の坪量と第2領域27Bの接着剤の坪量との比率は、前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下である。
第1領域27Aの接着剤の坪量は、好ましくは0g/m
2以上、そして、好ましくは50g/m
2以下、より好ましくは40g/m
2以下である。
【0049】
第1領域27A及び第2領域27Bの剛性(剛軟度)は、当該領域の構成部材の厚み方向Zにおける積層数によっても調整することができる。一般的には、前記積層数が多いほど、当該領域の剛性が大きくなる(剛軟度の数値が大きくなる)。したがって、横方向Yの剛軟度について前記の「第1領域27A<第2領域27B」の大小関係を成立させて本発明の所定の効果を一層確実に奏させるようにする観点から、第1領域27Aは、第2領域27Bに比べて、当該領域の構成部材の厚み方向Zにおける積層数が少ないことが好ましい。
本実施形態では、前述したとおり
図4に示すように、第2領域27Bのみに接着剤26を設けており、第1領域27Aにおける接着剤26の坪量はゼロであるので、第1領域27Aは、接着剤26からなる層を有している第2領域27Bに比べて、構成部材の積層数が少ない。
前記「積層数」とは、第1領域27A又は第2領域27Bにおける、当該領域の厚み方向において互いに重なり合う部材の数を指す。例えば
図4を参照して、第1領域27Aは、非肌対向面側(外面側)から肌対向面側(内面側)に向かって、外層シート12と、胴周り弾性部材14と、内層シート13と、裏面シート22と、吸収体23とを含んでおり、
図4に示された範囲だけで言えば、部材の数は5である。また吸収体23は、
図3に示すように、吸収性コア24と、吸収性コア24の肌対向面を被覆するコアラップシート25と、吸収性コア24の非肌対向面を被覆するコアラップシート25とを含み、吸収体23自体の積層数は3である。そうすると、
図4に示された範囲だけで言えば、第1領域27Aの積層数は7である。また、第2領域27Bは、第1領域27Aの構成部材に加えて更に接着剤26を含むので、
図4に示された範囲だけで言えば、第2領域27Bの積層数は8である。
【0050】
廃棄用テープ4を使用する場合、
図4に示す未使用状態の廃棄用テープ4におけるタブ部7を手指で摘んで引っ張り、折り畳まれていた中間部8(止着部81、伸縮部82)を直線状に展開する(
図5(a)参照)。このようにタブ部7を手指で把持して一方向(縦方向X)に引っ張ることで、止着手段8Aを介して剥離可能に接合されていた止着部81と伸縮部82との接合が解除されるとともに、粘着部8Bを介して剥離可能に接合されていた伸縮部82と固定部5との接合が解除される。
【0051】
おむつ1の廃棄形態は、典型的には、
図5に示すように、サイドシール部Sを剥がして展開状態(前身頃Fと後身頃Rとが重なっていない状態)とした本体部2を、その内面(肌対向面、吸収性本体20の配置面)を内側にして、腹側部A側から背側部C側(廃棄用テープ4の配置側)に向けて縦方向Xに巻き上げることにより、本体部2を丸めた状態とし、その丸めた状態の本体部2に廃棄用テープ4を、本体部2の巻き方向(縦方向X)に巻き付けることにより形成することができる。この場合、本体部2を巻き上げる前に、サイドフラップ部10を、本体部2の内面を内側にして吸収性本体20側に折り曲げてもよい。
本体部2の巻き上げ方法の他の一例として、吸収性本体20の配置面を内側にして前身頃Fと後身頃Rとが重なっている状態の本体部2を、前身頃Fを内側にして股下部Bからウエスト開口部WH側(廃棄用テープ4の配置側)に向けて縦方向Xに巻き上げる方法が挙げられる。この場合、本体部2を巻き上げる前に、サイドフラップ部10を、腹側部Aを内側にして吸収性本体20側に折り曲げてもよい。
図5に示す形態では、廃棄用テープ4は、丸めた状態の本体部2の横方向Y(本体部2の巻き方向と直交する方向)の中央部に巻き付けられ、また、廃棄用テープ4のタブ部7が廃棄用テープ4の固定部5に止着されている。すなわち廃棄用テープ4が、縦方向Xに巻き上げられて丸められた状態の本体部2をその巻き方向に一周している。
【0052】
図6には、本発明の吸収性物品の他の実施形態であるおむつ1Aが示されている。おむつ1Aについては、おむつ1と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。おむつ1Aについて特に説明しない構成部分は、おむつ1についての説明が適宜適用される。
【0053】
おむつ1では、廃棄用テープ4は未使用状態でZ字状に三つ折りされているが、
図6に示すおむつ1Aでは、廃棄用テープ4Aは未使用状態で二つ折りされている。廃棄用テープ4Aは、廃棄用テープ4に比べて中間部8の長さが短い。廃棄用テープ4Aの中間部8は止着手段8Aを有しており、少なくとも止着部として機能する。廃棄用テープ4Aの中間部8は、縦方向Xに伸縮性を有していてもよく、その場合は伸縮部としても機能する。おむつ1Aによっても、おむつ1と同様の効果が奏される。
【0054】
本発明の吸収性物品は、前記実施形態の如きパンツ型使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される体液(尿、経血、軟便、汗等)の吸収に用いられる物品が包含され、例えば、前身頃と後身頃とを連結するためのファスニングテープを具備するいわゆる展開型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツが包含される。
【0055】
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、第2領域27Bは横方向Yに非伸縮であるが、第1領域27Aに比べて横方向Yの収縮力が小さいことを前提として、第2領域27Bは横方向Yに伸縮性を有していてもよく、すなわち第2領域27Bに、横方向Yに伸縮性を有する胴周り弾性部材14が配置されていてもよい。
また、前記実施形態では、廃棄用テープ4は、吸収体23の縦方向端23Eを縦方向Xに跨ぐように配置されているが(
図4、
図6参照)、本発明の前述した技術思想を逸脱しないことを前提として、廃棄用テープ4の配置位置は特に制限されず、例えば、廃棄用テープ4が吸収体23の縦方向端23Eよりも股下部B(本体部2の縦中心線CLx)から近い位置に配置されて、廃棄用テープ4の全体が吸収体23と厚み方向に重なっていてもよく、あるいは廃棄用テープ4が吸収体23の縦方向端23Eよりも股下部B(本体部2の縦中心線CLx)から遠い位置に配置され、廃棄用テープ4の全体が吸収体23と厚み方向に重ならなくてもよい。
また、前記実施形態では、外装体11は、腹側部Aから背側部Cにわたって連続する形態であったが、腹側外装体と背側外装体とに分離して形成された形態であってもよい。すなわち本発明に係る本体部は、着用状態において着用者の腹側に配される腹側外装体と、着用状態において着用者の背側に配される背側外装体とを有し、両外装体は縦方向に分離して配置され、且つ両外装体の間に吸収性本体が掛け渡して固定されていてもよい。
前述した一の実施形態のみが有する部分は、全て適宜相互に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 本体部
20 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 吸収性コア
27 最外層中間部重複領域
27A 第1領域
27B 第2領域
4 廃棄用テープ
5 固定部
50 シート片
51 粘着部
6 自由部
7 タブ部
8 中間部
81 止着部
8A 止着手段
82 伸縮部
8B 粘着部
11 外装体
12 外層シート
13 内層シート
14 胴周り弾性部材
16 伸縮領域
17 連続伸縮領域
18 不連続伸縮領域
X 縦方向
Y 横方向
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
D 胴周り部