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  • 特開-鼻腔拡張具 図1
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  • 特開-鼻腔拡張具 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114159
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】鼻腔拡張具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/08 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61F5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019728
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】520493049
【氏名又は名称】坂口 照子
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】坂口 照子
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB20
4C098BC08
4C098BC17
4C098BC50
(57)【要約】
【課題】 細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層から剥離カバーを剥がし、粘着層を介して弾性板を鼻梁に密着させて使用する鼻腔拡張具であって、鼻外側軟骨の高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨の高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させることができる鼻腔拡張具を提供する。
【解決手段】 細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、弾性板は、長さ方向中央部を鼻梁頂部に密着させ両側部を鼻梁両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨の高さ方向上半部のみを覆う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、弾性板は、鼻梁断面に沿って強制的に曲げて長さ方向中央部を鼻梁頂部に密着させ長さ方向両側部を鼻梁両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨の高さ方向上半部のみを覆うことを特徴とする鼻腔拡張具。
【請求項2】
粘着層は弾性板の全体に形成されており、剥離カバーは鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の一方の長さ方向側部を覆う第1部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされない粘着層の長さ方向中央部を覆う第2部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の他方の長さ方向側部を覆う第3部分とに3割されていることを特徴とする請求項1に記載の鼻腔拡張具。
【請求項3】
粘着層は弾性板の長さ方向両側部のみに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鼻腔拡張具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻腔拡張具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4(a)に示すように、細長の弾性板32と、弾性板32の一面に形成された粘着層33と、粘着層33に密着した剥離カバー34とを備え、粘着層33から剥離カバー34を剥がし、図4(b)に示すように、粘着層33を介して弾性板32を鼻梁Aに密着させて使用する鼻腔拡張具31が特許文献1等に開示されている。鼻腔拡張具31は、鼻腔の鼻外側軟骨Cに沿って延在する部位、以下単に鼻腔Nと呼ぶ、を拡張する。
特許文献1等の従来の鼻腔拡張具の弾性板32は、図4(b)に示すように、鼻梁Aの断面に沿って強制的に曲げて、長さ方向中央部を鼻梁A頂部に密着させ長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨Cの高さ方向全域を覆って面外方向の力を加え、鼻外側軟骨Cの高さ方向全域を強制的に面外変形させて、鼻腔Nを拡張していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6199302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、鼻外側軟骨Cの山形断面形状から推察して、鼻外側軟骨Cの高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させれば、高さ方向下半部は上半部の面外変形に追随して面外変形するので、従来の鼻腔拡張具31と同等の鼻腔拡張効果が得られるのではないかと考えた。
本発明は、細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、粘着層から剥離カバーを剥がし、粘着層を介して弾性板を鼻梁に密着させて使用する鼻腔拡張具であって、鼻外側軟骨の高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨の高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させることができる鼻腔拡張具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、細長の弾性板と、弾性板の一面に形成された粘着層と、粘着層に密着した剥離カバーとを備え、弾性板は、鼻梁断面に沿って強制的に曲げて長さ方向中央部を鼻梁頂部に密着させ長さ方向両側部を鼻梁両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨の高さ方向上半部のみを覆うことを特徴とする鼻腔拡張具を提供する。
本発明によれば、鼻外側軟骨の高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨の高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させることができる。鼻梁断面の両側部は略直線なので、鼻梁断面に沿って強制的に曲げられた弾性板の復元力は鼻梁断面の頂部の曲率によって定まる所定値になる。当該所定の復元力で、鼻外側軟骨の高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨の高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させるので、前記復元力で鼻外側軟骨の高さ方向全域を強制面外変形させる場合に比べて、鼻外側軟骨の高さ方向上半部の面外変形が大きくなると考えられる。他方、鼻外側軟骨の高さ方向下半部は上半部の面外変形に追随することによってのみ面外変形するので、前記復元力で鼻外側軟骨の高さ方向全域を強制面外変形させる場合に比べて面外変形は小さくなると考えられる。従って総合的に、従来の鼻腔拡張具31と同等の鼻腔拡張効果が得られると考えられる。本発明によれば、鼻腔拡張機能を従来と同等に維持しつつ、鼻腔拡張テープの小型化を実現でき、省資源、省エネを実現でき、また使用後の取り外しの容易化も実現できると考えられる。
本発明の好ましい態様においては、粘着層は弾性板の全体に形成されており、剥離カバーは鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の一方の長さ方向側部を覆う第1部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされない粘着層の長さ方向中央部を覆う第2部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の他方の長さ方向側部を覆う第3部分とに3分割されている。
本発明の好ましい態様においては、粘着層は弾性板の長さ方向両側部のみに形成されている。
剥離カバーが鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の一方の長さ方向側部を覆う第1部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされない粘着層の長さ方向中央部を覆う第2部分と、鼻梁拡張具の使用時に剥がされる粘着層の他方の長さ方向側部を覆う第3部分とに3分割されていると、或いは粘着層が弾性板の一面の長さ方向両側部のみに形成されていると、使用時に粘着層は鼻梁頂部に密着しない。この結果、鼻腔拡張具の取り外し時に、粘着層が鼻梁頂部の皮膚を損傷させる事態が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の第1実施例に係る鼻腔拡張具を示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は使用状態を示す断面図である。
図2】本発明の第2実施例に係る鼻腔拡張具を示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は使用状態を示す断面図である。
図3】本発明の第3実施例に係る鼻腔拡張具を示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は使用状態を示す断面図である。
図4】従来の鼻腔拡張具を示す図である。(a)は分解斜視図であり、(b)は使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1(a)に示すように、本発明の第1実施例に係る鼻腔拡張具1は、紙、布、プラスチック等の単一部材又は複合部材で形成された細長の弾性板2と、弾性板2の一面全体に形成された粘着層3と、粘着層3に密着した紙、プラスチック等で形成された剥離カバー4とを備えている。剥離カバー4は長さ方向中央部で半部分4a、4bに2分割されている。
図1(b)に示すように、弾性板2は、鼻梁A断面に沿って強制的に曲げて、粘着層3を介して長さ方向中央部を鼻梁A頂部に密着させ、長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨Cの高さ方向中央よりも上方の高さ方向上半部のみを覆っている。従来品の弾性板32の長さが約50mm(子供用で約40mm)であるのに対し、弾性板2の長さは約30mmである。
鼻腔拡張具1を使用する際には、剥離カバー4の半部分4a、4bを粘着層3から剥がし、図1(b)に示すように、弾性板2を鼻梁A断面に沿って強制的に曲げて、粘着層3を介して弾性板2の長さ方向中央部を鼻梁A頂部に密着させ、長さ方向両側部を鼻梁A側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具1を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板2の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が強制面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
弾性板1は、鼻外側軟骨Cの高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させる。本願発明者は、目視により弾性板1の復元量が弾性板31の上半部の復元量よりも大きいことを確認した。従って弾性板1は弾性板32よりも鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部を大きく面外変形させると考えられる。他方、鼻外側軟骨Cの高さ方向下半部は上半部の面外変形に追随することによってのみ面外変形するので、前記復元力で鼻外側軟骨Cの高さ方向全域を強制面外変形させる弾性板32に比べて弾性板1による鼻外側軟骨Cの高さ方向下半部の面外変形は小さくなると考えられる。従って総合的に、弾性板1により弾性板32と同等の鼻腔拡張効果が得られると考えられる。本願発明者は、感応試験によって鼻通りの善し悪しを比較した結果、鼻腔拡張具1の鼻腔拡張効果が、従来の鼻腔拡張具31と同等であることを確認した。
弾性板2の長さが従来の弾性板32に比べて短いので、従来の鼻腔拡張具31に比べて鼻腔拡張具1は、小型化、省資源化、省エネ化されており、また使用後の取り外しの際に剥がし易い。
【0008】
図2(a)に示すように、本発明の第2実施例に係る鼻腔拡張具11は、細長の弾性板12と、弾性板12の一面全体に形成された粘着層13と、粘着層13に密着した剥離カバー14とを備えている。剥離カバー14は粘着層13の一方の長さ方向側部を覆う第1部分14aと、粘着層13の長さ方向中央部を覆う第2部分14bと、粘着層13の他方の長さ方向側部を覆う第3部分14cとに三分割されている。
剥離カバー14が長さ方向に三分割されている点を除き、鼻腔拡張具11の構造は鼻腔拡張具1と同一である。
鼻腔拡張具11を使用する際には、剥離カバー14の長さ方向両側部14a、14cのみを粘着層13から剥がし、長さ方向中央部14bは粘着層13に密着させたままにし、図2(b)に示すように、剥離カバー14の長さ方向中央部14bを鼻梁A頂部に当接させ、粘着層13を介して弾性板12の長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具1を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板12の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
剥離カバー14の長さ方向両側部14a、14cのみを粘着層13から剥がし、長さ方向中央部14bは粘着層13に密着させたまま、鼻腔拡張具を使用するので、鼻梁頂部には剥離カバーの長さ方向中央部14bが当接し、粘着層13は密着しない。従って、鼻腔拡張具11には鼻腔拡張具1の効果に加えて、鼻腔拡張具11の取り外し時に、粘着層13が鼻梁A頂部の皮膚を剥がして鼻梁A頂部が損傷する事態を防止する効果がある。
【0009】
図3(a)に示すように、本発明の第3実施例に係る鼻腔拡張具21は、紙、布、プラスチック等の単一部材又は複合部材で形成された細長の弾性板22と、弾性板22の一面に形成された粘着層23と、粘着層23に密着した紙、プラスチック等で形成された剥離カバー24とを備えている。粘着層23は弾性板22の前記一面の長さ方向両側部のみに形成されており、長さ方向中央部には粘着層は形成されていない。剥離カバー24は分割されていない。
粘着層23が分散配置されている点と剥離カバー14が長さ方向に分割されていない点を除き、鼻腔拡張具21の構造は鼻腔拡張具1と同一である。
鼻腔拡張具21を使用する際には、剥離カバー24の長さ方向中央部と弾性板22の長手方向中央部の間の隙間に指先を入れて剥離カバー24を粘着層23から剥がし、図3(b)に示すように、弾性板22の前記一面の長さ方向中央部を鼻梁A頂部に当接させ、前記一面の長さ方向両側部に形成した粘着層23を介して長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具21を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板22の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
粘着層23は弾性板22の一面の長さ方向両側部のみに形成され、長さ方向中央部には形成されていないので、鼻腔拡張具21の使用時に粘着層23は鼻梁A側部のみに密着し、鼻梁A頂部には密着しない。従って、鼻腔拡張具11には鼻腔拡張具1の効果に加えて、鼻腔拡張具11の取り外し時に、粘着層13が鼻梁A頂部の皮膚を剥がして鼻梁A頂部が損傷する事態を防止する効果がある。
剥離カバー24は分割しないので、剥離カバー切断用ナイフが不要になり、鼻腔拡張具製造装置の構成が簡素化される。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明に係る鼻腔拡張具に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0011】
1、11、21、31 鼻腔拡張具
2、12、22、32 弾性板
3、13、23、33 粘着層
4、14、24、34 剥離カバー
4a、4b 半部分
14a 第1部分
14b 第2部分
14c 第3部分
A 鼻梁
C 鼻外側軟骨
N 鼻腔
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
図1(a)に示すように、本発明の第1実施例に係る鼻腔拡張具1は、紙、布、プラスチック等の単一部材又は複合部材で形成された細長の弾性板2と、弾性板2の一面全体に形成された粘着層3と、粘着層3に密着した紙、プラスチック等で形成された剥離カバー4とを備えている。剥離カバー4は長さ方向中央部で半部分4a、4bに2分割されている。
図1(b)に示すように、弾性板2は、鼻梁A断面に沿って強制的に曲げて、粘着層3を介して長さ方向中央部を鼻梁A頂部に密着させ、長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させた時に、鼻外側軟骨Cの高さ方向中央よりも上方の高さ方向上半部のみを覆っている。従来品の弾性板32の長さが約50mm(子供用で約40mm)であるのに対し、弾性板2の長さは約30mmである。
鼻腔拡張具1を使用する際には、剥離カバー4の半部分4a、4bを粘着層3から剥がし、図1(b)に示すように、弾性板2を鼻梁A断面に沿って強制的に曲げて、粘着層3を介して弾性板2の長さ方向中央部を鼻梁A頂部に密着させ、長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具1を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板2の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が強制面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
弾性板2は、鼻外側軟骨Cの高さ方向全域に代えて鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部を選択的に強制面外変形させる。本願発明者は、目視により弾性板2の復元量が弾性板32の上半部の復元量よりも大きいことを確認した。従って弾性板2は弾性板32よりも鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部を大きく面外変形させると考えられる。他方、鼻外側軟骨Cの高さ方向下半部は上半部の面外変形に追随することによってのみ面外変形するので、前記復元力で鼻外側軟骨Cの高さ方向全域を強制面外変形させる弾性板32に比べて弾性板2による鼻外側軟骨Cの高さ方向下半部の面外変形は小さくなると考えられる。従って総合的に、弾性板2により弾性板32と同等の鼻腔拡張効果が得られると考えられる。本願発明者は、感応試験によって鼻通りの善し悪しを比較した結果、鼻腔拡張具1の鼻腔拡張効果が、従来の鼻腔拡張具31と同等であることを確認した。
弾性板2の長さが従来の弾性板32に比べて短いので、従来の鼻腔拡張具31に比べて鼻腔拡張具1は、小型化、省資源化、省エネ化されており、また使用後の取り外しの際に剥がし易い。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
図2(a)に示すように、本発明の第2実施例に係る鼻腔拡張具11は、細長の弾性板12と、弾性板12の一面全体に形成された粘着層13と、粘着層13に密着した剥離カバー14とを備えている。剥離カバー14は粘着層13の一方の長さ方向側部を覆う第1部分14aと、粘着層13の長さ方向中央部を覆う第2部分14bと、粘着層13の他方の長さ方向側部を覆う第3部分14cとに三分割されている。
剥離カバー14が長さ方向に三分割されている点を除き、鼻腔拡張具11の構造は鼻腔拡張具1と同一である。
鼻腔拡張具11を使用する際には、剥離カバー14の長さ方向両側部14a、14cのみを粘着層13から剥がし、長さ方向中央部14bは粘着層13に密着させたままにし、図2(b)に示すように、剥離カバー14の長さ方向中央部14bを鼻梁A頂部に当接させ、粘着層13を介して弾性板12の長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具11を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板12の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
剥離カバー14の長さ方向両側部14a、14cのみを粘着層13から剥がし、長さ方向中央部14bは粘着層13に密着させたまま、鼻腔拡張具11を使用するので、鼻梁A頂部には剥離カバーの長さ方向中央部14bが当接し、粘着層13は密着しない。従って、鼻腔拡張具11には鼻腔拡張具1の効果に加えて、鼻腔拡張具11の取り外し時に、粘着層13が鼻梁A頂部の皮膚を剥がして鼻梁A頂部が損傷する事態を防止する効果がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
図3(a)に示すように、本発明の第3実施例に係る鼻腔拡張具21は、紙、布、プラスチック等の単一部材又は複合部材で形成された細長の弾性板22と、弾性板22の一面に形成された粘着層23と、粘着層23に密着した紙、プラスチック等で形成された剥離カバー24とを備えている。粘着層23は弾性板22の前記一面の長さ方向両側部のみに形成されており、長さ方向中央部には粘着層は形成されていない。剥離カバー24は分割されていない。
粘着層23が分散配置されている点と剥離カバー24が長さ方向に分割されていない点を除き、鼻腔拡張具21の構造は鼻腔拡張具1と同一である。
鼻腔拡張具21を使用する際には、剥離カバー24の長さ方向中央部と弾性板22の長手方向中央部の間の隙間に指先を入れて剥離カバー24を粘着層23から剥がし、図3(b)に示すように、弾性板22の前記一面の長さ方向中央部を鼻梁A頂部に当接させ、前記一面の長さ方向両側部に形成した粘着層23を介して長さ方向両側部を鼻梁A両側部に密着させて、鼻梁Aに鼻腔拡張具21を装着する。
鼻梁A頂部断面に沿って強制的に曲げられた弾性板22の復元力によって、鼻外側軟骨Cの高さ方向上半部が面外変形し、高さ方向上半部に追随して高さ方向下半部が面外変形して、鼻腔Nが拡張し鼻詰まりが解消する。
粘着層23は弾性板22の一面の長さ方向両側部のみに形成され、長さ方向中央部には形成されていないので、鼻腔拡張具21の使用時に粘着層23は鼻梁A側部のみに密着し、鼻梁A頂部には密着しない。従って、鼻腔拡張具21には鼻腔拡張具1の効果に加えて、鼻腔拡張具21の取り外し時に、粘着層23が鼻梁A頂部の皮膚を剥がして鼻梁A頂部が損傷する事態を防止する効果がある。
剥離カバー24は分割しないので、剥離カバー切断用ナイフが不要になり、鼻腔拡張具製造装置の構成が簡素化される。