(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114205
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】クリップボード
(51)【国際特許分類】
B42F 9/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B42F9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019816
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】不動 智博
(72)【発明者】
【氏名】谷本 康一
(72)【発明者】
【氏名】栗山 朋之
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017TA01
2C017TB01
(57)【要約】
【課題】利便性に優れたクリップボードを提供する。
【解決手段】クリップボードは、ボード本体を台板状態に固定可能な固定手段を備え、固定手段は、第1方向において互いに離れた第1位置と第2位置とを含む範囲で第1方向に沿って変位可能となるようにヒンジ部に取り付けられた係止部材と、第1板部に設けられた第1係合部と、第2板部に設けられた第2係合部と、を有し、ボード本体が台板状態で且つ係止部材が第1位置にある状態では、係止部材が第1係合部及び第2係合部と係合することで、第1板部及び第2板部の回動が規制され、ボード本体が台板状態で係止部材が第1位置から第2位置に移動すると、係止部材と第1係合部及び第2係合部との係合が解除される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び裏面を有する板状のボード本体と、前記ボード本体との間に紙片を挟持可能な挟持具と、を備えたクリップボードであって、
前記ボード本体は、板状の第1板部及び板状の第2板部と、所定の第1方向に延在すると共に前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に連結するヒンジ部と、を含み、
前記ボード本体は、前記第1板部及び前記第2板部が前記ヒンジ部回りに回動することで、前記ボード本体が平板状を形成する台板状態と、前記第1板部及び前記第2板部の表面同士が対向するように前記ボード本体が前記ヒンジ部を境に折り畳まれた折り畳み状態と、に切替可能であり、
前記クリップボードは、前記ボード本体の裏面に設けられ、前記ボード本体を前記台板状態に固定可能な固定手段を更に備え、
前記固定手段は、前記第1方向において互いに離れた第1位置と第2位置とを含む範囲で前記第1方向に沿って変位可能となるように前記ヒンジ部に取り付けられた係止部材と、前記第1板部に設けられた第1係合部と、前記第2板部に設けられた第2係合部と、を有し、
前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態では、前記係止部材が前記第1係合部及び前記第2係合部と係合することで、前記第1板部及び前記第2板部の回動が規制され、前記ボード本体が前記台板状態で前記係止部材が前記第1位置から前記第2位置に移動すると、前記係止部材と前記第1係合部及び前記第2係合部との係合が解除されることで、前記第1板部及び前記第2板部の回動が許容される、
クリップボード。
【請求項2】
前記係止部材は、前記第1係合部と係合する第1係止部と、前記第2係合部と係合する第2係止部と、を有し、
前記第1係合部と前記第1係止部とのうち一方は、突起部として形成され、他方は、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記突起部が嵌合する穴部として形成され、
前記第2係合部と前記第2係止部とのうち一方は、突起部として形成され、他方は、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記突起部が嵌合する穴部として形成されている、
請求項1に記載のクリップボード。
【請求項3】
前記係止部材は、前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記ボード本体が前記折り畳み状態から前記台板状態に切り替わることで前記第1係合部及び前記第2係合部と係合可能となるように構成されており、
前記固定手段は、前記係止部材を前記第2位置の側から前記第1位置の側へ付勢する付勢部材を更に有する、
請求項1又は2に記載のクリップボード。
【請求項4】
前記固定手段は、前記第1板部と前記第2板部とのうち少なくとも何れか一方に設けられた規制部であって、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第2位置にある状態で前記係止部材と係合することで前記係止部材の前記第2位置の側から前記第1位置の側への移動を規制する規制部を更に有し、
前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第2位置にある状態で前記ボード本体が前記折り畳み状態となるように前記第1板部及び前記第2板部が前記ヒンジ部回りに回動することで、前記規制部と前記係止部材との係合が解除される、
請求項3に記載のクリップボード。
【請求項5】
前記挟持具は、前記第1板部と前記第2板部とのうち一方に設けられ、前記第1方向に
対して直交する第2方向における前記紙片の一端部を該一方との間に挟持し、
前記第1板部と前記第2板部とのうち他方には、前記第2方向における前記紙片の他端部を差込可能な差込部が形成されている、
請求項1又は2に記載のクリップボード。
【請求項6】
前記固定手段を覆うように前記ボード本体の裏面に設けられたカバー部材と、
前記カバー部材が前記ボード本体に沿いながら前記第1方向に直交する第2方向に沿ってスライド可能となるように該カバー部材を保持する保持部材と、を更に備える、
請求項1又は2に記載のクリップボード。
【請求項7】
前記ボード本体に収納された収納状態と前記ボード本体の縁から前記ボード本体の外部へ突出した使用状態とを切り替え可能なペンホルダー部材を更に備える、
請求項1又は2に記載のクリップボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板状のボード本体と、ボード本体との間に書類や用紙等の紙片を挟持可能な挟持具と、を備えたクリップボードが広く用いられている。クリップボードは、ボード本体が紙片を読み書きするための台板として機能するため、立位での使用や屋外での使用において便利である。クリップボードとして、折り畳み可能であり、折り曲げを阻止できる棒杆によって拡開した状態を維持する折り畳み式のクリップボードが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3148952号公報
【特許文献2】実開昭63-101583号公報
【特許文献3】特開2019-151086号公報
【特許文献4】特許第5367791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より利便性に優れた折り畳み式のクリップボードが望まれている。
【0005】
本発明は、利便性に優れたクリップボードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。すなわち、本発明は、表面及び裏面を有する板状のボード本体と、前記ボード本体との間に紙片を挟持可能な挟持具と、を備えたクリップボードであって、前記ボード本体は、板状の第1板部及び板状の第2板部と、所定の第1方向に延在すると共に前記第1板部と前記第2板部とを回動自在に連結するヒンジ部と、を含み、前記ボード本体は、前記第1板部及び前記第2板部が前記ヒンジ部回りに回動することで、前記ボード本体が平板状を形成する台板状態と、前記第1板部及び前記第2板部の表面同士が対向するように前記ボード本体が前記ヒンジ部を境に折り畳まれた折り畳み状態と、に切替可能であり、前記クリップボードは、前記ボード本体の裏面に設けられ、前記ボード本体を前記台板状態に固定可能な固定手段を更に備え、前記固定手段は、前記第1方向において互いに離れた第1位置と第2位置とを含む範囲で前記第1方向に沿って変位可能となるように前記ヒンジ部に取り付けられた係止部材と、前記第1板部に設けられた第1係合部と、前記第2板部に設けられた第2係合部と、を有し、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態では、前記係止部材が前記第1係合部及び前記第2係合部と係合することで、前記第1板部及び前記第2板部の回動が規制され、前記ボード本体が前記台板状態で前記係止部材が前記第1位置から前記第2位置に移動すると、前記係止部材と前記第1係合部及び前記第2係合部との係合が解除されることで、前記第1板部及び前記第2板部の回動が許容される、クリップボードである。
【0007】
本発明によると、固定手段によってボード本体を台板状態に固定可能であるため、第1板部や第2板部が意図せずに回動することを規制できる。そのため、紙片を読み書きするための台板としてクリップボードを安定して使用することができる。これにより、クリッ
プボードの利便性を向上させることができる。また、係止部材を第1方向に沿って第1位置から第2位置へと移動(変位)させるだけでボード本体の台板状態への固定を解除することができる。これにより、ボード本体を台板状態から折り畳み状態へと切り替えることが容易となる。その結果、利便性をより向上させることができる。
【0008】
また、本発明において、前記係止部材は、前記第1係合部と係合する第1係止部と、前記第2係合部と係合する第2係止部と、を有し、前記第1係合部と前記第1係止部とのうち一方は、突起部として形成され、他方は、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記突起部が嵌合する穴部として形成され、前記第2係合部と前記第2係止部とのうち一方は、突起部として形成され、他方は、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記突起部が嵌合する穴部として形成されてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記係止部材は、前記係止部材が前記第1位置にある状態で前記ボード本体が前記折り畳み状態から前記台板状態に切り替わることで前記第1係合部及び前記第2係合部と係合可能となるように構成されており、前記固定手段は、前記係止部材を前記第2位置の側から前記第1位置の側へ付勢する付勢部材を更に有してもよい。
【0010】
また、本発明において、前記固定手段は、前記第1板部と前記第2板部とのうち少なくとも何れか一方に設けられた規制部であって、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第2位置にある状態で前記係止部材と係合することで前記係止部材の前記第2位置の側から前記第1位置の側への移動を規制する規制部を更に有し、前記ボード本体が前記台板状態で且つ前記係止部材が前記第2位置にある状態で前記ボード本体が前記折り畳み状態となるように前記第1板部及び前記第2板部が前記ヒンジ部回りに回動することで、前記規制部と前記係止部材との係合が解除されてもよい。
【0011】
また、本発明において、前記挟持具は、前記第1板部と前記第2板部とのうち一方に設けられ、前記第1方向に対して直交する第2方向における前記紙片の一端部を該一方との間に挟持し、前記第1板部と前記第2板部とのうち他方には、前記第2方向における前記紙片の他端部を差込可能な差込部が形成されてもよい。
【0012】
また、本発明に係るクリップボードは、前記固定手段を覆うように前記ボード本体の裏面に設けられたカバー部材と、前記カバー部材が前記ボード本体に沿いながら前記第1方向に直交する第2方向に沿ってスライド可能となるように該カバー部材を保持する保持部材と、を更に備えてもよい。
【0013】
また、本発明に係るクリップボードは、前記ボード本体に収納された収納状態と前記ボード本体の縁から前記ボード本体の外部へ突出した使用状態とを切り替え可能なペンホルダー部材を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、利便性に優れたクリップボードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、台板状態のクリップボードを表側から見た斜視図である。
【
図2】
図2は、台板状態のクリップボードを裏側から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、台板状態のクリップボードの側面図である。
【
図4】
図4は、折り畳み状態のクリップボードの側面図である。
【
図5】
図5は、ボード本体の表側に設けられる部品を図示した、クリップボードの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、ボード本体の裏側に設けられる部品を図示した、クリップボードの分解斜視図である。
【
図7】
図7は、展開状態のボード本体を表側から視認した場合の平面図である。
【
図8】
図8は、展開状態のボード本体を裏側から視認した場合の平面図である。
【
図9】
図9は、展開状態におけるホルダー収納用パネルを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図10】
図10は、展開状態のボード本体のヒンジ部付近を裏側から視認した場合の平面図である。
【
図11】
図11は、フラッププレートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図12】
図12は、フラッププレートを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図14】
図14は、第1カバープレートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図15】
図15は、第1カバープレートを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図16】
図16は、第2カバープレートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図17】
図17は、第2カバープレートを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図18】
図18は、スライド部材を表側から視認した場合の平面図である。
【
図19】
図19は、スライド部材を裏側から視認した場合の平面図である。
【
図22】
図22は、平板状態のクリップボードの固定手段付近を裏側から視認した場合の平面図であって、スライド部材が第1位置にある状態を示す図である。
【
図23】
図23は、平板状態のクリップボードの固定手段付近を裏側から視認した場合の平面図であって、スライド部材が第2位置にある状態を示す図である。
【
図25】
図25は、ボード本体が台板状態で且つスライド部材が第1位置にある状態における当接突起付近を示す図である。
【
図26】
図26は、ボード本体が台板状態で且つスライド部材が第2位置にある状態における当接突起付近を示す図である。
【
図28】
図28は、折り畳み状態のクリップボードの断面を模式的に示す断面図である
【
図29】
図29は、ボード本体を折り畳み状態から台板状態へと切り替える途中におけるクリップボードの断面を模式的に示す断面図である。
【
図30】
図30は、カバーシートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図31】
図31は、平板状態のクリップボードのカバーシート付近を裏側から視認した場合の平面図である。
【
図32】
図32は、固定プレートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図33】
図33は、固定プレートを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図34】
図34は、平板状態のクリップボードの固定プレート付近を裏側から視認した場合の平面図である
【
図35】
図35は、抑えシートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図36】
図36は、紙片を保持した平板状態のクリップボードを表側から視認した場合の平面図である。
【
図37】
図37は、ペンホルダープレートを表側から視認した場合の平面図である。
【
図38】
図38は、ペンホルダープレートを裏側から視認した場合の平面図である。
【
図39】
図39は、平板状態のクリップボードのペンホルダープレート付近を裏側から視認した場合の平面図であって、ペンホルダープレートの収納状態を示す図である。
【
図40】
図40は、平板状態のクリップボードのペンホルダープレート付近を裏側から視認した場合の平面図であって、ペンホルダープレートの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明に係る折り畳み式クリップボードの実施形態について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。また、本明細書において、「台板状態」や「折り畳み状態」は、ボード本体の状態を指すが、便宜上、ボード本体が台板状態のときの折り畳み式クリップボードの状態を「台板状態」と称し、ボード本体が折り畳み状態のときの折り畳み式クリップボードの状態を「折り畳み状態」と称する場合もある。
【0017】
図1は、実施形態に係る台板状態の折り畳み式クリップボード100(以下、クリップボード100)を表側から見た斜視図である。
図2は、実施形態に係る台板状態のクリップボード100を裏側から見た斜視図である。
図1及び
図2では、符号1で示すボード本体が台板状態のときのクリップボード100が図示されている。
図3は、実施形態に係る台板状態のクリップボード100の側面図である。
図4は、実施形態に係る折り畳み状態のクリップボード100の側面図である。クリップボード100は、ボード本体1の姿勢を
図1~
図3に示すように拡開した台板状態と
図4に示すように二つ折りにされた折り畳み状態とで切替可能に構成されている。
【0018】
図1~
図3に示すように、台板状態のクリップボード100は、平面視において概ね四角形状(詳細には、長方形状)となる平板状を呈する。以下、クリップボード100の各方向について、
図1~
図3の矢印に示されるように、台板状態のクリップボード100を基準として、上下方向、左右方向、及び厚み方向を定義する。平面視におけるクリップボード100の短手方向を「左右方向」(「所定の第1方向」の一例)とし、平面視におけるクリップボード100の長手方向を「上下方向」(「第2方向」の一例)とする。上下方向(第2方向)は、左右方向(第1方向)に対して直交する。また、厚み方向(第3方向)は、左右方向(第1方向)及び上下方向(第2方向)と直交する。なお、平面視とは、クリップボード100を厚み方向に沿って視認することをいう。また、クリップボード100の厚み方向における両面のうち
図1で視認される面を「表面」とし、
図2で視認される面を「裏面」とする。クリップボード100の厚み方向について、クリップボード100の表面側を「表側」とし、クリップボード100の裏面側を「裏側」とする。また、クリップボード100の上下方向について、符号10で示す挟持具が設けられている側を「上側」とし、符号8で示す抑え用シートが設けられている側を「下側」とする。また、クリップボード100の左右方向について、符号D1で示す凹部が設けられている側を「左側」とし、その反対側を「右側」とする。但し、これらクリップボード100の各方向は説明の便宜上定義したものであり、本発明を限定する趣旨ではない。
【0019】
図1等に示すように、クリップボード100は、表側の面である表面S1と裏側の面である裏面S2とを有する板状のボード本体1を備える。ボード本体1は、台板状態において、単一(1枚)の平板状を形成し、紙片を読み書きするための台板として機能する。ボード本体1を台板として用いる場合、紙片は、例えばボード本体1の表面S1に載置される。クリップボード100は、更に、ボード本体1の表側の上端部に設けられ、ボード本体1の表面S1との間に紙片(例えば、書類や用紙等)を挟持可能な挟持具10を備える。ボード本体1と挟持具10との間に紙片が挟持されることで、ボード本体1に載置された紙片がクリップボード100から脱落することが防止される。
【0020】
ボード本体1は、1枚のパネルとして形成されており、クリップボード100を組み立てる前は
図7及び
図8に示す展開された状態(展開状態)となっている。ボード本体1は、所定部位が折り込まれることで、クリップボード100の完成品において
図1~
図4に示す組立状態となる。
【0021】
図1に示すように、ボード本体1は、板状の第1板部11及び板状の第2板部12と、左右方向(所定の第1方向)に延在すると共に第1板部11と第2板部12とを回動自在に連結するヒンジ部13と、を含む。ヒンジ部13は、平面視において左右方向に長手の長方形状となる板状に形成されており、ボード本体1の上下方向における中央位置に、ボード本体1の左右方向の全域に亘って形成されている。第1板部11及び第2板部12は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されており、互いの大きさ及び形状が概ね同じとなっている。具体的には、第1板部11と第2板部12とは、上下方向における長さ(以下、上下幅ともいう)及び左右方向における長さ(以下、左右幅ともいう)が互いに同等の長方形状に形成されている。そのため、組立状態のボード本体1は、平面視においてヒンジ部13を対称軸として上下対称の形状となっている。ボード本体1において、第1板部11が上側に配置され、第2板部12が下側に配置されている。第1板部11の下縁とヒンジ部13の上縁とが接続され、第2板部12の上縁とヒンジ部13の下縁とが接続されている。これにより、ヒンジ部13を介して第1板部11と第2板部12とが接続されている。
【0022】
ここで、第1板部11の下縁とヒンジ部13の上縁とは、左右方向(第1方向)に延在するヒンジ線L1を介して接続されている。第1板部11は、ヒンジ線L1を回動軸として、ヒンジ部13に対して相対的に回動可能となっている。また、第2板部12の上縁とヒンジ部13の下縁とは、左右方向(第1方向)に延在するヒンジ線L2を介して接続されている。第2板部12は、ヒンジ線L2を回動軸として、ヒンジ部13に対して相対的に回動可能となっている。つまり、第1板部11及び第2板部12は、ヒンジ部13回りに回動可能となっている。
【0023】
ボード本体1は、クリップボード100の台板状態において紙片を読み書きするための台板として機能するために、適度な堅さを有することが好ましく、更に、軽量であることが好ましい。このような観点から、本実施形態では、ボード本体1には、樹脂材料により形成されたプラスチック板を採用している。ボード本体1を形成する樹脂材料としては、ポリカーボネートが例示される。但し、本発明に係るボード本体の材料は、これに限定されない。本実施形態に係るクリップボード100は、ヒンジ線L1,L2の部分においてボード本体1の厚みを他の部分よりも薄くすることで、ヒンジ線L1,L2においてボード本体1を折り曲げ易くしている。これにより、第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13回りに回動可能となっている。
【0024】
ボード本体1は、第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13回りに回動することで、台板状態と折り畳み状態とに切り替え可能となっている。
図4に示すように、折り畳み状態では、第1板部11及び第2板部12の表面S1同士が対向するように、ボード本体1がヒンジ部13を境に折り畳まれている。これにより、折り畳み状態では、台板状態よりもクリップボード100がコンパクトになる。そのため、クリップボード100を折り畳み状態とすることで携帯性が向上し、クリップボード100を持ち運び易くなる。
図4に示すように、折り畳み状態では、第1板部11の上端部と第2板部12の下端部とが厚み方向に重なっている(当接している)。
【0025】
図5及び
図6は、クリップボード100の分解斜視図である。
図5では、ボード本体1の表側に設けられる部品が図示されており、
図6では、ボード本体1の裏側に設けられる部品が図示されている。
図5及び
図6は、便宜上、クリップボード100の各部品を簡略化して図示している。
図5及び
図6に示すように、クリップボード100は、ボード本体1、フラッププレート2、スライド部材3(「係止部材」の一例)、第1カバープレート4(「保持部材」の一例)、第2カバープレート5(「保持部材」の一例)、カバーシート6(「カバー部材」の一例)、固定プレート7、抑えシート8、ペンホルダープレート
9(「ペンホルダー部材」の一例)、固定バンドB1、板ばねSP1、及び圧縮ばねSP2(「付勢部材」の一例)を備える。
【0026】
図5に示すように、ボード本体1の表面S1には、フラッププレート2と抑えシート8とが取り付けられる。フラッププレート2は、板ばねSP1を介して、第1板部11の上端部に取り付けられる。フラッププレート2と板ばねSP1とによって挟持具10が構成されている。抑えシート8は、ボード本体1に設けられた抑えシート固定用パネル14と第2板部12との間に挟着されることで、第2板部12の下端部に取り付けられる。
【0027】
図6に示すように、ボード本体1の裏面S2には、スライド部材3、第1カバープレート4、第2カバープレート5、カバーシート6、固定プレート7、ペンホルダープレート9、圧縮ばねSP2、及び固定バンドB1が取り付けられる。スライド部材3は、圧縮ばねSP2と共にヒンジ部13に取り付けられる。カバーシート6は、表側からスライド部材3に重なるように第1板部11と第2板部12とに跨って取り付けられる。第1カバープレート4は、表側からカバーシート6に重なるように第1板部11に取り付けられる。第2カバープレート5は、表側からカバーシート6に重なるように第2板部12に取り付けられる。固定プレート7は、表側からカバーシート6に重なるようにヒンジ部13に取り付けられる。ペンホルダープレート9は、ボード本体1に設けられたホルダー収納用パネル16と第1板部11との間に収納されることで、第1板部11の上端部に取り付けられる。固定バンドB1は、第1板部11に取り付けられる。また、第1板部11の下縁に沿って第1係合突起17が設けられ、第2カバープレート5の上縁に沿って第2係合突起57が設けられている。スライド部材3、第1係合突起17、第2係合突起57、及び圧縮ばねSP2によって、固定手段20が構成されている。詳細については後述するが、固定手段20は、ボード本体1の状態を台板状態に固定することができる。以下、クリップボード100の各構成について説明する。なお、以下の説明において、一方向において部材の一端部が固定端部であり他端部が自由端部である場合、当該固定端部側を当該部材の「基端側」と称し、自由端部側を当該部材の「先端側」と称する場合がある。例えば、第1板部11及び第2板部12については、上下方向においてヒンジ部13側を「基端側」と称し、上下方向においてヒンジ部13の反対側を「先端側」と称する場合がある。
【0028】
[ボード本体]
図7は、展開状態のボード本体1を表側から視認した場合の平面図である。
図8は、展開状態のボード本体1を裏側から視認した場合の平面図である。上述のように、ボード本体1は、1枚のパネルとして形成されており、クリップボード100を組み立てる前は
図7及び
図8に示す展開状態となっており、所定部位が折り込まれることで、クリップボード100の完成品において
図1~
図4に示す組立状態となる。
【0029】
上述のように、ボード本体1は、板状の第1板部11及び板状の第2板部12と、左右方向に延在すると共に第1板部11と第2板部12とを回動自在に連結するヒンジ部13と、を含む。
図7及び
図8に示すように、ボード本体1は、更に、抑えシート固定用パネル14と、バンド固定用パネル15と、ホルダー収納用パネル16と、を含む。
【0030】
抑えシート固定用パネル14は、平面視において左右方向に長手の長方形状となる板状に形成されており、第2板部12の下縁に設けられている。詳細には、抑えシート固定用パネル14の上縁が第2板部12の下縁に接続されている。抑えシート固定用パネル14の左右幅は、第2板部12の左右幅と同等である。抑えシート固定用パネル14は、
図1に示すようにクリップボード100において(つまり、組立状態において)表側へ折り込まれることで、第2板部12との間に抑えシート8を挟着する。組立状態においては抑えシート固定用パネル14が表側へ折り込まれるため、展開状態における抑えシート固定用パネル14の裏面は、組立状態においてはボード本体1の表面S1を構成する。
【0031】
図7及び
図8に示すように、抑えシート固定用パネル14には、厚み方向に突出する突起P1,P2,P9が形成されている。突起P1,P2は、矩形断面を有しており、展開状態における抑えシート固定用パネル14の表面に形成されている。本例では、複数(本例では3つ)の突起P1が、抑えシート固定用パネル14の基端部付近において左右方向に並んで設けられている。突起P2は、抑えシート固定用パネル14の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。突起P9は、円柱状に形成されており、展開状態における抑えシート固定用パネル14の裏面に形成されている。突起P9は、抑えシート固定用パネル14の基端部付近に配置されており、抑えシート固定用パネル14の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。
図1に示すように、ボード本体1の組立状態においては、抑えシート固定用パネル14が表側へ折り込まれることで、突起P9がボード本体1の表面S1に配置される。
【0032】
図7及び
図8に示すように、第2板部12には、厚み方向に穿孔された穴H5が形成されている。穴H5は、矩形断面を有しており、本例では、複数(本例では3つ)の穴H5が、第2板部12の先端部付近において左右方向に並んで設けられている。穴H5は、クリップボード100において(つまり、組立状態において)表側に折り込まれた抑えシート固定用パネル14の突起P1と対応する位置に設けられており、突起P1と嵌合するように構成されている。また、第2板部12の左右の側縁には、矩形状に切り欠かれた凹部D3が形成されている。凹部D3は、クリップボード100において表側に折り込まれた抑えシート固定用パネル14の突起P2と対応する位置に設けられており、突起P2と嵌合するように構成されている。
【0033】
また、
図7に示すように、第1板部11の表面には、厚み方向に穿孔された穴H1が形成されている。穴H1は、第1板部11の表面S1に形成された断面円形の非貫通穴であり、第1板部11の先端部(上端部)付近に配置されている。穴H1は、第1板部11の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。穴H1は、組立状態において表側へ折り込まれた抑えシート固定用パネル14の突起P9と対応する位置に設けられており、ボード本体1が折り畳み状態のときに突起P9を受け入れるように構成されている。これにより、折り畳み状態において、厚み方向において互いに重なる第1板部11の先端部(上端部)と第2板部12の先端部(下端部)とが上下方向や左右方向に互いにずれる(相対移動する)ことが抑制されている。つまり、折り畳み状態において第1板部11と第2板部12とが位置決めされる。
【0034】
バンド固定用パネル15は、平面視において上下方向に長手の長方形状となる板状(より詳細には、小片状)に形成されており、第1板部11の左右の側縁に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。詳細には、一対のバンド固定用パネル15,15のうち、一方の左縁が第1板部11の右縁に接続され、他方の右縁が第1板部11の左縁に接続されている。バンド固定用パネル15は、上下方向において第1板部11の中央位置と第1板部11の先端部(上端部)との間に配置されている。バンド固定用パネル15は、
図1に示すように組立状態において表側へ折り込まれることで、
図2に示すように第1板部11との間に固定バンドB1の端部を挟着する。
図7に示すように、展開状態におけるバンド固定用パネル15の表面には、突起P3が形成されている。突起P3は、矩形断面を有しており、左右のバンド固定用パネル15の先端部に1つずつ設けられている。
【0035】
図7及び
図8に示すように、第1板部11には、厚み方向に穿孔された穴H2,H3が形成されている。穴H2は、断面矩形の貫通孔であり、第1板部11の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。穴H2は、組立状態において表側に折り込まれたバンド固定用パネル15の突起P3と対応する位置に設けられており、突起P3と嵌合するように構成されている。穴H3は、断面矩形の貫通孔であり、左右のバンド
固定用パネル15と穴H2との間に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。
【0036】
ホルダー収納用パネル16は、平面視において左右方向に長手の長方形状となる板状に形成されており、第1板部11の上縁に設けられている。詳細には、ホルダー収納用パネル16の下縁が第1板部11の上縁に接続されている。ホルダー収納用パネル16は、左右方向において第1板部11の中央位置に配置されている。ホルダー収納用パネル16は、
図2に示すように組立状態において裏側へ折り込まれる。
【0037】
ここで、
図9は、展開状態におけるホルダー収納用パネル16を裏側から視認した場合の平面図である。
図9に示すように、展開状態におけるホルダー収納用パネル16の裏面には、厚み方向に立設されると共に上下方向に延在する一対のガイド壁部161,161が形成されている。一対のガイド壁部161,161は、夫々、ホルダー収納用パネル16の左右の縁に沿って延在している。一対のガイド壁部161,161は、ホルダー収納用パネル16の上下方向の全域に亘って延在している。一対のガイド壁部161,161同士の間には、ペンホルダープレート9を配置可能となっている。また、一対のガイド壁部161,161の互いに対向する面には、左右方向に凹んだ凹部162,163が形成されている。凹部162と凹部163とは、上下方向に離間しており、凹部162の方が凹部163よりもホルダー収納用パネル16の先端部側に位置する。凹部162,163の壁面は、平面視において円弧状(半円状)に形成されている。また、展開状態におけるホルダー収納用パネル16の裏面には、一対のガイド壁部161,161から厚み方向に突出する突起164が形成されている。突起164は、矩形断面を有しており、ホルダー収納用パネル16の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。また、展開状態におけるホルダー収納用パネル16の裏面には、一対のガイド壁部161,161の間に設けられると共に厚み方向に突出する突起165が形成されている。突起165は、矩形断面を有しており、左右方向及び上下方向においてホルダー収納用パネル16の中央位置に配置されている。また、ホルダー収納用パネル16の基端部付近には、一対のガイド壁部161,161間に亘って左右方向に延在するスリット状の穴H6が形成されている。穴H6は、貫通孔であり、第1板部11の上縁に沿って延在する引出口H61と、左右方向における引出口H61の中央部分に連なると共にホルダー収納用パネル16の先端側へ円弧状に膨らむ窓部H62と、を含む。穴H6は、窓部H62において他の部分よりも上下幅が広くなっている。
【0038】
図8に示すように、第1板部11の裏面S2には、平面視において左右方向に長手の長方形状となる凹部113が形成されている。凹部113は、第1板部11の裏面S2が厚み方向に凹むことで形成された溝であり、ホルダー収納用パネル16の基端部付近に配置されている。凹部113は、組立状態において裏側に折り込まれたホルダー収納用パネル16と対応する位置に設けられており、ホルダー収納用パネル16と嵌合するように構成されている。また、凹部113の底面には、厚み方向に穿孔された穴H4が形成されている。穴H4は、断面矩形の貫通孔であり、凹部113の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられている。穴H4は、組立状態において裏側へ折り込まれたホルダー収納用パネル16の突起164と対応する位置に設けられており、突起164と嵌合するように構成されている。
【0039】
また、
図7に示すように、第1板部11の表面S1の先端部(上端部)付近には、支点溝112が形成されている。支点溝112は、左右方向に延在する溝として形成されている。本例では、左右方向において第1板部11の中央位置の両側に支点溝112が1つずつ互いに間隔を空けて配置されている。
【0040】
また、
図8に示すように、ボード本体1の裏面S2には、厚み方向に突出する突起P4a,P4b,P4c,P4d,P5,P6a,P6b,P6c,P6d,P7が形成され
ている。
【0041】
突起P4a,P4b,P4c,P4dは、矩形断面を有しており、第1板部11の裏面S2に形成されている。本例では、複数(本例では6つ)の突起P4aが左右方向に間隔を空けて並んで設けられ、複数(本例では11個)の突起P4cが突起P4aよりも上側の位置において左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。また、突起P4bは、上下方向において突起P4aと突起P4cとの間の位置であって左右方向において第1板部11の中央位置に設けられている。突起P4dは、第1板部11の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられており、上下方向において突起P4aと突起P4cとの間に配置されている。突起P5は、円筒状に形成されている。本例では、複数(本例では4つ)の突起P5が、上下方向において突起P4aと突起P4cとの間の位置で、左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、突起P4bの左右両側に突起P5が2つずつ設けられている。
【0042】
突起P6a,P6b,P6c,P6dは、矩形断面を有しており、第2板部12の裏面S2に形成されている。本例では、複数(本例では6つ)の突起P6aが左右方向に間隔を空けて並んで設けられ、複数(本例では11個)の突起P6cが突起P6aよりも下側の位置において左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。また、突起P6bは、上下方向において突起P6aと突起P6cとの間の位置であって左右方向において第2板部12の中央位置に設けられている。突起P6dは、第2板部12の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられており、上下方向において突起P6aと突起P6cとの間に配置されている。突起P7は、円筒状に形成されている。本例では、複数(本例では4つ)の突起P7が、上下方向において突起P6aと突起P6cとの間の位置で、左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、突起P6bの左右両側に突起P7が2つずつ設けられている。
【0043】
また、
図8に示すように、第2板部12の裏面S2には、厚み方向に立設されると共に左右方向に延在するリブ121が形成されている。リブ121は、上下方向において突起P6cと凹部D3との間に配置され、左右方向において第2板部12の全域に亘って延在している。
【0044】
また、第2板部12の裏面S2には、矩形断面を有して厚み方向に突出する突起P8が形成されている。突起P8は、第2板部12の左右の側縁付近に1つずつ、互いに対向する位置に設けられており、上下方向においてリブ121と凹部D3との間に配置されている。
【0045】
また、
図7及び
図8に示すように、ヒンジ部13の左縁には、矩形状に切り欠かれた凹部D1が形成されている。凹部D1の上下幅は、ヒンジ部13の上下幅と略同等である。また、凹部D1の左右幅(第1方向における長さ)、即ち、凹部D1の深さは、後述するスライド距離以上となるように設定されている。
【0046】
また、
図7及び
図8に示すように、第1板部11の上縁には、矩形状に切り欠かれた凹部D2が形成されている。凹部D2は、凹部113の左右両側に1つずつ設けられている。
【0047】
図10は、展開状態のボード本体1のヒンジ部13付近を裏側から視認した場合の平面図である。
図10に示すように、第1板部11の裏面S2のヒンジ部13付近には、厚み方向に立設されると共に左右方向に延在するリブ111が形成されている。リブ111は、上下方向において突起P4aとヒンジ線L1との間に配置され、左右方向において第1板部11の全域に亘って延在している。
【0048】
また、第1板部11の裏面S2のヒンジ部13付近には、厚み方向に突出する第1係止突起18(「規制部」の一例)が設けられている。第1係止突起18は、上下方向においてリブ111とヒンジ線L1との間の位置であって左右方向において第1板部11の中央位置に配置されており、リブ111の下縁に連続して形成されている。
図10のA1拡大図で示されるように、第1係止突起18は、左側に面する摺動面181と、右側に面する規制面182と、を有する。摺動面181は、下側(第1板部11の基端側)に向かうに従って右側へ変位するように形成されており、左側に凸となるように湾曲している。規制面182は、左右方向に直交する面として形成されている。
【0049】
更に、
図10に示すように、第1板部11の裏面S2のヒンジ部13付近には、矩形断面を有して厚み方向に突出する第1係合突起17(「第1係合部」の一例)が形成されている。本例では、複数(本例では10個)の第1係合突起17が、ヒンジ線L1に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。第1係合突起17は、上下方向においてリブ111とヒンジ線L1との間の位置に配置されており、本例では、第1係止突起18の左右両側に第1係合突起17が5つずつ設けられている。なお、本発明に係る第1係合部の数量はこれに限定されない。第1係合部は、複数でなくともよい。
【0050】
更に、
図10に示すように、ヒンジ部13の裏面S2には、突起131、突起対132、付勢部材保持部133、及びガイド溝136が形成されている。突起131は、厚み方向に突出する円筒状の突起であり、左右方向及び上下方向においてヒンジ部13の中央位置に配置されている。ガイド溝136は、左右方向に延在する溝として形成されており、上下方向においてヒンジ部13の中央位置に配置され、左右方向において突起131を除くヒンジ部13の全域に亘って延在している。突起対132は、上下方向に間隔を空けて配置された一対の突起132a,132aによって構成されている。一対の突起132a,132aは、ガイド溝136の上下両側に配置されている。突起132aは、矩形断面を有して厚み方向に突出している。本例では、複数(本例では4つ)の突起対132が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、突起131の左右両側に突起対132が2つずつ設けられている。付勢部材保持部133は、付勢部材載置溝134と付勢部材規制突起135とによって構成されている。付勢部材載置溝134は、左右方向に延在する溝として形成されている。付勢部材規制突起135は、矩形断面を有して厚み方向に突出する突起であり、付勢部材載置溝134の右側に付勢部材載置溝134と隣接して設けられている。本例では、複数(本例では4つ)の付勢部材保持部133が設けられている。本例では、突起131の左右両側に付勢部材保持部133が2つずつ設けられており、当該2つの付勢部材保持部133は、左右方向に隣り合う突起対132の間で上下方向に間隔を空けてガイド溝136の上下両側に配置されている。
【0051】
[挟持具]
図1に示すように、挟持具10は、フラッププレート2と板ばねSP1とを含んで構成されている。挟持具10は、板ばねSP1の付勢力を利用することで、フラッププレート2とボード本体1の表面S1との間に紙片を挟持する。
図11は、フラッププレート2を表側から視認した場合の平面図である。
図12は、フラッププレート2を裏側から視認した場合の平面図である。
図11及び
図12に示すように、フラッププレート2は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。フラッププレート2は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、フラッププレート2の材料は、これに限定されない。フラッププレート2の左右幅は第1板部11の左右幅以下となるように設定されており、フラッププレート2の上下幅は第1板部11の上下幅以下となるように設定されている。
【0052】
図11及び
図12に示すように、フラッププレート2には、厚み方向に穿孔された穴2
1が形成されている。穴21は、断面矩形の貫通孔である。穴21は、クリップボード100において第1板部11の凹部D2に対応する位置に設けられている。本例では、2つの穴21が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0053】
図12に示すように、フラッププレート2の裏面には、厚み方向に立設されると共に左右方向に延在する支点リブ22が形成されている。支点リブ22は、上下方向においてフラッププレート2の中央付近に配置されており、穴21よりも下側に配置されている。支点リブ22は、クリップボード100において第1板部11の支点溝112に対応する位置に設けられている。本例では、左右方向において穴21の中央位置の両側に支点リブ22が1つずつ互いに間隔を空けて配置されている。支点リブ22は、クリップボード100において支点溝112に受け入れられるように構成されている。
【0054】
また、フラッププレート2の裏面には、矩形断面を有して厚み方向に突出する突起23が形成されている。突起23は、上下方向において支点リブ22よりも下側に配置されており、本例では、複数(本例では5つ)の突起23が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0055】
図5に示すように、板ばねSP1は、U字形状を有する金属製の板バネとして形成されている。本例の挟持具10は、板ばねSP1を2つ有する。板ばねSP1は、ボード本体1の凹部D2に1つずつ装着される。
【0056】
図13は、
図1のA-A断面図である。
図13に示すように、挟持具10は、板ばねSP1によってボード本体1とフラッププレート2とを挟み込むことで、ボード本体1に取り付けられる。
【0057】
図13に示すように、クリップボード100では、フラッププレート2の支点リブ22が第1板部11の支点溝112に収容されるようにフラッププレート2が表側からボード本体1に重ねられている。これにより、フラッププレート2は、支点リブ22を支点として回動可能となっている。そして、凹部D2に差し込まれた板ばねSP1の一端部がフラッププレート2の裏側から支点リブ22を挿通して支点リブ22に表側から当接し、板ばねSP1の他端部が第1板部11に裏側から当接している。板ばねSP1の該一端部は、支点リブ22よりも下側の位置まで延びている。フラッププレート2は、支点リブ22よりも下側に位置する突起23が第1板部11の表面S1に押し付けられるように、板ばねSP1の弾性力によって付勢されている。そのため、フラッププレート2のうち支点リブ22よりも上側の部位は、厚み方向においてボード本体1と離間している。クリップボード100の使用者(以下、単に「使用者」と称することもある)が板ばねSP1の付勢力に抗してフラッププレート2の上端部をボード本体1側へ押し込むと、フラッププレート2が支点リブ22を支点として回動することで突起23が第1板部11から離れ、突起23と第1板部11の表面S1との間に隙間が生じる。これにより、突起23と第1板部11との間に紙片を差し込むことができる。突起23と第1板部11との間に紙片が差し込まれた状態で使用者がフラッププレート2の上端部の押し込みを解除すると、板ばねSP1の付勢力により突起23が紙片を第1板部11の表面S1側へ押し付ける。これにより、挟持具10は、フラッププレート2とボード本体1との間に紙片を挟持することができる。なお、本例は、挟持具10が第1板部11の表面S1に設けられているが、本発明はこれに限定されない。挟持具は、ボード本体の裏面に設けられてもよい。また、挟持具は、第1板部と第2板部とのうち何れか一方に設けられればよく、第2板部に設けられてもよい。
【0058】
[第1カバープレート(第1保持部材)]
図2に示すように、第1カバープレート4は、左右方向に延在する板部材であり、第1
板部11の裏面S2に取り付けられる。第1カバープレート4は、カバーシート6を第2方向にスライド可能に保持する。
図14は、第1カバープレート4を表側から視認した場合の平面図である。
図15は、第1カバープレート4を裏側から視認した場合の平面図である。第1カバープレート4は、
図14で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するように第1板部11に取り付けられる。
図14及び
図15に示すように、第1カバープレート4は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。第1カバープレート4は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、第1カバープレート4の材料は、これに限定されない。第1カバープレート4の左右幅は第1板部11の左右幅よりも小さく、第1カバープレート4の上下幅は第1板部11の上下幅よりも小さい。
【0059】
図14及び
図15に示すように、左右方向及び上下方向における第1カバープレート4の中央位置には、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴41が形成されている。穴41は、クリップボード100において第1板部11の突起P4bに対応する位置に設けられており、突起P4bと嵌合するように構成されている。
【0060】
また、第1カバープレート4の上縁付近には、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴43が形成されている。穴43は、クリップボード100において第1板部11の突起P4cに対応する位置に設けられており、突起P4cと嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では11個)の穴43が、第1カバープレート4の上縁に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0061】
また、
図14に示すように、クリップボード100においてボード本体1の裏面S2と対向する第1カバープレート4の表面には、厚み方向に突出する円柱状の突起42が形成されている。突起42は、クリップボード100において第1板部11の突起P5に対応する位置に設けられており、突起P5と嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)の突起42が、上下方向における第1カバープレート4の中央位置において左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、穴41の左右両側に突起42が2つずつ設けられている。
【0062】
ここで、
図14及び
図15に示すように、第1カバープレート4の下縁付近には、第1カバープレート4を厚み方向に貫通する波形穴44が形成されている。波形穴44は、上下の凹凸を繰り返し左右方向に連続する矩形波状に形成されており、第1カバープレート4の左右端部を除いて第1カバープレート4の左右全域に亘って延在している。第1カバープレート4の下縁付近に波形穴44が形成されることで、第1カバープレート4の下縁部は、可撓性を有する固定片45を形成している。固定片45は、第1カバープレート4のうち上下方向において波形穴44の下側に隣接する部位であり、第1カバープレート4の他の部位と比較して厚み方向に撓み易くなっている。ここで、固定片45のうち、波形穴44において上側へ凸となる波形によって画定される部位を、幅広部45aとする。幅広部45aは、上側へ凸状となっており、固定片45における他の部位よりも上下幅が広くなっている。
【0063】
また、固定片45の幅広部45aには、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴46が形成されている。穴46は、クリップボード100において第1板部11の突起P4aに対応する位置に設けられており、突起P4aと嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では6つ)の穴46が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0064】
また、波形穴44が形成されることで、第1カバープレート4のうち波形穴44よりも上側の部位には、波形穴44において下側へ凸となる波形によって画定された抑え片47
が形成されている。抑え片47は、下側へ凸状となっている。
【0065】
また、
図14及び
図15に示すように、第1カバープレート4の左右の側縁には、矩形状に切り欠かれた凹部D4が形成されている。凹部D4は、クリップボード100において第1板部11の突起P4dと対応する位置に設けられており、突起P4dと嵌合するように構成されている。
【0066】
第1カバープレート4は、穴41が突起P4bと嵌合し、突起42が突起P5と嵌合し、穴43が突起P4cと嵌合し、穴46が突起P4aと嵌合し、凹部D4が突起P4dと嵌合することで、第1板部11の裏面S2に取り付けられる(
図22参照)。
【0067】
[第2カバープレート(第2保持部材)]
図2に示すように、第2カバープレート5は、左右方向に延在する板部材であり、第2板部12の裏面S2に取り付けられる。第2カバープレート5は、スライド部材3と係合すると共にカバーシート6を第2方向にスライド可能に保持する。
図16は、第2カバープレート5を表側から視認した場合の平面図である。
図17は、第2カバープレート5を裏側から視認した場合の平面図である。第2カバープレート5は、
図16で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するように第2板部12に取り付けられる。
図16及び
図17に示すように、第2カバープレート5は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。第2カバープレート5は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、第2カバープレート5の材料は、これに限定されない。第2カバープレート5の左右幅は第2板部12の左右幅よりも小さく、第2カバープレート5の上下幅は第2板部12の上下幅よりも小さい。
【0068】
図16及び
図17に示すように、左右方向及び上下方向における第2カバープレート5の中央位置には、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴51が形成されている。穴51は、クリップボード100において第2板部12の突起P6bに対応する位置に設けられており、突起P6bと嵌合するように構成されている。
【0069】
また、第2カバープレート5の下縁付近には、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴53が形成されている。穴53は、クリップボード100において第2板部12の突起P6cに対応する位置に設けられており、突起P6cと嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では11個)の穴53が、第2カバープレート5の下縁に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0070】
また、
図16に示すように、クリップボード100においてボード本体1の裏面S2と対向する第2カバープレート5の表面には、厚み方向に突出する円柱状の突起52が形成されている。突起52は、クリップボード100において第2板部12の突起P7に対応する位置に設けられており、突起P7と嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)の突起52が、上下方向における第2カバープレート5の中央位置において左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、穴51の左右両側に突起52が2つずつ設けられている。
【0071】
ここで、
図16及び
図17に示すように、第2カバープレート5の上縁付近には、第2カバープレート5を厚み方向に貫通する波形穴54が形成されている。波形穴54は、上下の凹凸を繰り返し左右方向に連続する矩形波状に形成されており、第2カバープレート5の左右端部を除いて第2カバープレート5の左右全域に亘って延在している。第2カバープレート5の上縁付近に波形穴54が形成されることで、第2カバープレート5の上縁部は、可撓性を有する固定片55を形成している。固定片55は、第2カバープレート5のうち上下方向において波形穴54の上側に隣接する部位であり、第2カバープレート5
の他の部位と比較して厚み方向に撓み易くなっている。ここで、固定片55のうち、波形穴54において下側へ凸となる波形によって画定される部位を、幅広部55aとする。幅広部55aは、下側へ凸状となっており、固定片55における他の部位よりも上下幅が広くなっている。
【0072】
また、固定片55の幅広部55aには、厚み方向に穿孔された断面矩形の貫通孔である穴56が形成されている。穴56は、クリップボード100において第2板部12の突起P6aに対応する位置に設けられており、突起P6aと嵌合するように構成されている。本例では、複数(本例では6つ)の穴56が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。
【0073】
また、波形穴54が形成されることで、第2カバープレート5のうち波形穴54よりも下側の部位には、波形穴54において上側へ凸となる波形によって画定された抑え片58が形成されている。抑え片58は、上側へ凸状となっている。
【0074】
また、
図16及び
図17に示すように、第2カバープレート5の左右の側縁には、矩形状に切り欠かれた凹部D5が形成されている。凹部D5は、クリップボード100において第2板部12の突起P6dと対応する位置に設けられており、突起P6dと嵌合するように構成されている。
【0075】
また、
図17に示すように、第2カバープレート5の裏面の上縁付近には、厚み方向に突出する第2係止突起59(「規制部」の一例)が設けられている。第2係止突起59は、左右方向において第2カバープレート5の中央位置に配置されている。
図17のA2拡大図で示されるように、第2係止突起59は、左側に面する摺動面591と、右側に面する規制面592と、を有する。摺動面591は、上側(クリップボード100において第2板部12の基端側)に向かうに従って右側へ変位するように形成されており、左側に凸となるように湾曲している。規制面592は、左右方向に直交する面として形成されている。
【0076】
更に、
図17に示すように、第2カバープレート5の裏面の上縁付近には、矩形断面を有して厚み方向に突出する第2係合突起57(「第2係合部」の一例)が形成されている。本例では、複数(本例では10個)の第2係合突起57が、第2カバープレート5の上縁に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。第2係合突起57は、第2係止突起59の左右両側に5つずつ設けられている。なお、本発明に係る第2係合部の数量はこれに限定されない。第2係合部は、複数でなくともよい。
【0077】
第2カバープレート5は、穴51が突起P6bと嵌合し、突起52が突起P7と嵌合し、穴53が突起P6cと嵌合し、穴56が突起P6aと嵌合し、凹部D5が突起P6dと嵌合することで、第2板部12の裏面S2に取り付けられる(
図22参照)。
【0078】
[スライド部材]
図2及び
図3に示すように、スライド部材3は、左右方向に延在する板部材であり、後述するように左右方向に沿ってスライド可能となるようにヒンジ部13の裏面S2に取り付けられる。
図18は、スライド部材3を表側から視認した場合の平面図である。
図19は、スライド部材3を裏側から視認した場合の平面図である。また、
図20は、
図18のB-B断面図であり、
図21は、
図18のC-C断面図である。スライド部材3は、
図18で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するようにヒンジ部13に取り付けられる。
図18及び
図19に示すように、スライド部材3は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。スライド部材3は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、スライド部材3の
材料は、これに限定されない。スライド部材3の左右幅はヒンジ部13の左右幅よりも小さく、スライド部材3の上下幅はヒンジ部13の上下幅よりも大きい。
【0079】
図18及び
図19に示すように、スライド部材3は、上下対称に形成されている。スライド部材3には、付勢部材ガイド穴35、スライド規制穴37、及び突起ガイド穴38が形成されている。付勢部材ガイド穴35、スライド規制穴37、及び突起ガイド穴38は、厚み方向に穿孔された貫通孔として形成されている。
【0080】
突起ガイド穴38は、左右方向に延在する長穴であり、左右方向及び上下方向においてスライド部材3の中央位置に配置されている。突起ガイド穴38は、クリップボード100においてヒンジ部13の突起131に対応する位置に設けられており、突起131を受け入れるように構成されている。突起ガイド穴38の左右幅は、スライド部材3のスライド距離以上となるように設定されている。
【0081】
また、スライド規制穴37は、左右方向に長手の断面矩形の貫通孔であり、本例では、上下方向におけるスライド部材3の中央位置において、複数(本例では4つ)のスライド規制穴37が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、突起ガイド穴38の左右両側にスライド規制穴37が2つずつ設けられている。スライド規制穴37は、クリップボード100においてヒンジ部13の突起対132に対応する位置に設けられており、突起対132を受け入れるように構成されている。スライド規制穴37の左右幅は、スライド部材3のスライド距離以上となるように設定されている。
【0082】
ここで、
図18に示すように、クリップボード100においてボード本体1の裏面S2と対向するスライド部材3の表面には、厚み方向に立設されると共に左右方向に延在するスライドリブ39が形成されている。スライドリブ39は、上下方向においてスライド部材3の中央位置に配置されており、左右方向においてスライド規制穴37及び突起ガイド穴38を除くスライド部材3の全域に亘って延在している。スライドリブ39は、クリップボード100においてヒンジ部13のガイド溝136に対応する位置に設けられており、ガイド溝136に受け入れられる。
【0083】
また、付勢部材ガイド穴35は、左右方向に延在する付勢部材収容部351と、付勢部材収容部351の右側に設けられ、付勢部材収容部351に連なると共に左右方向に延在する突起収容部352と、を含む。付勢部材収容部351及び突起収容部352は、左右方向に長手の断面矩形の貫通孔として形成されている。付勢部材収容部351の上下幅は、圧縮ばねSP2の幅(上下幅)以上となるように設定されている。突起収容部352の上下幅は、付勢部材規制突起135の上下幅以上であって圧縮ばねSP2の幅(上下幅)未満となるように設定されている。また、付勢部材ガイド穴35の左右幅は、スライド部材3のスライド距離以上となるように設定されている。この付勢部材ガイド穴35は、クリップボード100においてヒンジ部13の付勢部材保持部133に対応する位置に設けられている。本例では、複数(本例では4つ)の付勢部材ガイド穴35が設けられている。本例では、突起ガイド穴38の左右両側に付勢部材ガイド穴35が2つずつ設けられており、当該2つの付勢部材ガイド穴35は、左右方向に隣り合うスライド規制穴37の間で上下方向に間隔を空けてスライドリブ39の上下両側に配置されている。付勢部材収容部351は付勢部材載置溝134に載置された圧縮ばねSP2を収容するように構成されており、突起収容部352は付勢部材規制突起135を受け入れるように構成されている。
【0084】
また、付勢部材ガイド穴35の左端部、つまり、付勢部材収容部351の左縁には、付勢部材取付突起36が形成されている。付勢部材取付突起36は、付勢部材収容部351の左縁から右側に突出する突起であり、圧縮ばねSP2の端部(左端部)を装着可能に構
成されている。
【0085】
図18及び
図19に示すように、スライド部材3の左右中央における上縁付近と下縁付近とには、スライド部材3を厚み方向に貫通するスリット穴3aが形成されている。スリット穴3aは、上下方向において突起ガイド穴38の両側に1つずつ設けられている。スリット穴3aは、スライド部材3の上下縁に沿って左右方向に延在しており、左右方向の両端部は、上下方向において内側(中央側)へ折れ曲がっている。スライド部材3の上下縁付近にスリット穴3aが形成されることで、スライド部材3の左右中央における上縁部及び下縁部は、夫々、可撓性を有する弾性片33を形成している。弾性片33は、スライド部材3のうち上下方向においてスリット穴3aの外側に隣接する部位であり、スライド部材3の他の部位と比較して上下方向に撓み易くなっている。
【0086】
また、弾性片33には、上下方向において外側(中央位置から遠ざかる側)に突出する当接突起34(当接部)が形成されている。
図18のA3拡大図で示されるように、当接突起34は、左側に面する摺動面341と、右側に面する規制面342と、を有する。摺動面341は、上下方向において外側に向かうに従って右側へ変位するように形成されており、左側に凸となるように湾曲している。規制面342は、左右方向に直交する面として形成されている。
【0087】
以下、スライド部材3の上下縁に形成された一対の弾性片33,33のうち、上側の弾性片33を第1弾性片33Uと称し、下側の弾性片33を第2弾性片33Lと称する場合がある。また、第1弾性片33Uに形成された当接突起34を第1当接突起34Uと称し、第2弾性片33Lに形成された当接突起34を第2当接突起34Lと称する場合がある。
【0088】
更に、
図18に示すように、クリップボード100においてボード本体1の裏面S2と対向するスライド部材3の表面には、厚み方向に穿孔された非貫通孔である第1係合穴31(「第1係止部」の一例)及び第2係合穴32(「第2係止部」の一例)が形成されている。第1係合穴31と第2係合穴32は、上下方向において、スライドリブ39を挟んで互いに対向する位置に設けられている。
【0089】
第1係合穴31は、クリップボード100においてボード本体1の第1係合突起17に対応する位置に設けられており、第1係合突起17を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では10個)の第1係合穴31が、スライド部材3の上縁に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、第1弾性片33Uの左右両側に第1係合穴31が5つずつ設けられている。なお、本発明に係る第1係止部の数量はこれに限定されない。第1係止部は、複数でなくともよい。
【0090】
図18に示すように、第1係合穴31は、左右方向に延在する解除部311と、解除部311の右側に設けられ、解除部311に連なると共に左右方向に延在する固定部312と、を含む。解除部311と固定部312は、その上下幅が互いに異なっており、解除部311の方が固定部312よりも開口幅が大きくなるように設定されている。第1係合穴31の左右幅は、スライド部材3のスライド距離以上となるように設定されている。また、解除部311の左右幅及び固定部312の左右幅は、スライド部材3のスライド距離未満となるように設定されている。
【0091】
第2係合穴32は、クリップボード100において第2カバープレート5の第2係合突起57に対応する位置に設けられており、第2係合突起57を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では10個)の第2係合穴32が、スライド部材3の下縁に沿って左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、第2弾性片33Lの
左右両側に第2係合穴32が5つずつ設けられている。なお、本発明に係る第2係止部の数量はこれに限定されない。第2係止部は、複数でなくともよい。
【0092】
図18に示すように、第2係合穴32は、左右方向に延在する解除部321と、解除部321の右側に設けられ、解除部321に連なると共に左右方向に延在する固定部322と、を含む。固定部322と解除部321は、その開口幅(上下幅)が互いに異なっており、解除部321の方が固定部322よりも開口幅が大きくなるように設定されている。第2係合穴32の左右幅は、スライド部材3のスライド距離以上となるように設定されている。また、固定部322の左右幅及び解除部321の左右幅は、スライド部材3のスライド距離未満となるように設定されている。
【0093】
[固定手段]
図6に示すように、固定手段20は、ボード本体1の裏面S2に設けられており、ボード本体1を台板状態に固定可能である。固定手段20は、ヒンジ部13に取り付けられたスライド部材3と、第1板部11に設けられた第1係合突起17と、第2板部12に設けられた(より詳細には、第2板部12に取り付けられた第2カバープレート5に設けられた)第2係合突起57と、スライド部材3を付勢する圧縮ばねSP2と、を含んで構成されている。
【0094】
図22及び
図23は、平板状態のクリップボード100の固定手段20付近を裏側から視認した場合の平面図であり、
図22はスライド部材3が第1位置にある状態を示し、
図23はスライド部材3が第2位置にある状態を示す。
図22及び
図23では、便宜上、カバーシート6及び固定プレート7の図示を省略している。
【0095】
図22及び
図23に示すように、固定手段20は、第1方向(左右方向)において互いに離れた第1位置と第2位置とを含む範囲でスライド部材3を第1方向に沿って変位可能とし、スライド部材3が第1位置にある状態ではボード本体1を台板状態に固定し、スライド部材3が第2位置にある状態では当該固定を解除するように構成されている。具体的には、ボード本体1の台板状態においてスライド部材3が第1位置から第2位置へスライド移動することで、固定手段20によるボード本体1の固定が解除される。そうすると、第1板部11及び第2板部12をヒンジ部13回りに回動させることが許容され、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替え可能となる。以下、第1方向において第1位置から第2位置へと向かう方向を「解除方向」と称し、その反対方向、つまり、第2位置から第1位置へと向かう方向を「ロック方向」と称する場合がある。
図22及び
図23に示すように、本例では、第2位置は第1位置よりも右側の位置である。そのため、本例では、左右方向における「右側」が「解除方向」に相当し、「左側」が「ロック方向」に相当する。また、第1方向(左右方向)における第1位置と第2位置との距離を「スライド距離」と称し、d1で示す。本例では、スライド部材3はスライド距離d1の範囲内でスライド可能となっている。但し、本発明はこれに限定されず、第1方向における第1位置と第2位置との距離を超える範囲で係止部材が変位可能であってもよい。
【0096】
図22及び
図23に示すように、クリップボード100では、付勢部材ガイド穴35に付勢部材規制突起135が受け入れられ、スライド規制穴37に突起対132が受け入れられ、突起ガイド穴38に突起131が受け入れられ、スライドリブ39がガイド溝136に受け入れられている。この状態で、後述するように固定プレート7がヒンジ部13に取り付けられることで、スライド部材3は左右方向に沿ってスライド可能な状態でヒンジ部13に取り付けられる。突起131、突起対132、付勢部材規制突起135、及びガイド溝136によって、スライド部材3の第2方向(上下方向)への移動が規制されると共に第1方向(左右方向)への移動が許容されている。
【0097】
また、スライド部材3の付勢部材収容部351には、ヒンジ部13の付勢部材載置溝134に載置された状態の圧縮ばねSP2が収容されている。圧縮ばねSP2は、所謂コイルスプリングとして形成された金属製の弾性部材であり、その長手方向(伸縮方向)がスライド部材3の変位方向である第1方向(左右方向)と一致するようにして配置される。そして、圧縮ばねSP2の左端部は、付勢部材取付突起36に装着されている。圧縮ばねSP2は、付勢部材規制突起135よりも左側(ロック方向側)に配置される。より詳細には、圧縮ばねSP2は、第1方向において、付勢部材収容部351の左縁と付勢部材規制突起135との間に配置される。
【0098】
図22及び
図23に示すように、台板状態のクリップボード100では、第1板部11に設けられた第1係合突起17がスライド部材3の第1係合穴31に受け入れられ、第2板部12に設けられた第2係合突起57がスライド部材3の第2係合穴32に受け入れられている。
図22に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第1係合突起17が固定部312に嵌合すると共に第2係合突起57が固定部322に嵌合することで、ボード本体1が台板状態に固定される。一方、
図23に示すように、スライド操作によりスライド部材3を第1位置から第2位置へ移動させると、第1係合突起17が解除部311に収容されると共に第2係合突起57が解除部321に収容されることで、ボード本体1の台板状態への固定が解除される。以下、固定手段20の動作について説明する。
【0099】
図22に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、スライド部材3の左側縁はボード本体1の左側縁と揃っており、スライド部材3の右側縁はボード本体1の右側縁よりも左側に位置している。また、この状態では、第1板部11の第1係合突起17は第1係合穴31の固定部312内に位置しており、第2板部12の第2係合突起57は第2係合穴32の固定部322内に位置している。また、ヒンジ部13の付勢部材規制突起135は、付勢部材ガイド穴35の突起収容部352内に位置している。また、スライド部材3の第1当接突起34Uは第1板部11の第1係止突起18の左側に位置しており、第2当接突起34Lは第2板部12の第2係止突起59の左側に位置している。この状態では、突起131が突起ガイド穴38の右側縁に当接し、突起131よりも右側の突起対132がスライド規制穴37の右側縁に当接することで、スライド部材3がロック方向へ移動することが規制されている。
【0100】
図24は、
図22のD-D断面を模式的に示す断面図である。
図24では、第1方向(左右方向)に直交する断面が図示されている。ここで、
図24に示すように、第1板部11及び第2板部12のヒンジ部13回りの回動方向について、ボード本体1が台板状態から折り畳み状態となるように第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13に対して相対回動する方向を「折り畳み方向」と称し、その反対方向、つまり、ボード本体1が折り畳み状態から台板状態となるように第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13に対して相対回動する方向を「展開方向」と称する。より詳細には、「折り畳み方向」及び「展開方向」は、第1板部11についてはヒンジ線L1回りの回動方向であり、第2板部12についてはヒンジ線L2回りの回動方向である。
【0101】
ここで、
図24に示すように、第1係合突起17の上面を折り畳み方向面17aと称し、第1係合突起17の下面を展開方向面17bと称する。同様に、第2係合突起57の下面を折り畳み方向面57aと称し、第2係合突起57の上面を展開方向面57bと称する。折り畳み方向面17a,57aは、折り畳み方向に面しており、台板状態においては上下方向に対して直交している。展開方向面17b,57bは、展開方向に面しており、台板状態においては上下方向に対して直交している。また、第1係合穴31の内壁を係止壁W31と称し、第2係合穴32の内壁を係止壁W32と称する。
【0102】
図24に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第1板部11の第1係合突起17が第1係合穴31の固定部312内に位置している。固定部312は、スライド部材3が第2位置にある状態で第1係合突起17が第1係合穴31から離脱することが規制されるように、その開口幅が設定されている。具体的には、第1係合突起17の展開方向面17bに対して、係止壁W31が展開方向から当接している。これにより、第1板部11が展開方向へ回動することが規制されている。そして、第1係合突起17の折り畳み方向面17aに対して係止壁W31が折り畳み方向から当接している。これにより、第1板部11が折り畳み方向へ回動することが規制されている。
【0103】
同様に、
図24に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第2板部12の第2係合突起57が第2係合穴32の固定部322内に位置している。固定部322は、スライド部材3が第2位置にある状態で第2係合突起57が第2係合穴32から離脱することが規制されるように、その開口幅が設定されている。具体的には、第2係合突起57の展開方向面57bに対して、係止壁W32が展開方向から当接している。これにより、第2板部12が展開方向へ回動することが規制されている。そして、第2係合突起57の折り畳み方向面57aに対して、係止壁W32が折り畳み方向から当接している。これにより、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第2板部12が折り畳み方向へ回動することが規制されている。
【0104】
以上のように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、スライド部材3の第1係合穴31が第1板部11の第1係合突起17と係合し、スライド部材3の第2係合穴32が第2板部12の第2係合突起57と係合することで、第1板部11及び第2板部12の展開方向への回動及び折り畳み方向への回動が規制されている。これにより、ボード本体1が台板状態に固定されている。
【0105】
ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態で、解除方向へのスライド操作によりスライド部材3を第2位置へ移動させることで、スライド部材3による台板状態への固定を解除できる。ここで、スライド部材3の解除方向へのスライド操作は、スライド部材3の左側縁を使用者の指により解除方向へ押し込むことにより実行することができる。このとき、
図22に示すように、ヒンジ部13の左側縁には、スライド距離以上の深さを有する凹部D1が形成されている。そのため、スライド部材3が第1位置から第2位置に至るまでスライド部材3を解除方向に押し込む際に、使用者の指がヒンジ部13の左側縁に接触することが抑制される。これにより、使用者はヒンジ部13の側縁に阻害されることなくスライド部材3を第2位置へスライド移動させることができ、スライド操作が容易となる。
【0106】
ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態で、スライド操作によりスライド部材3をボード本体1に対して解除方向へ相対移動させると、第1係合突起17が第1係合穴31内を左側へ相対移動し、第2係合突起57が第2係合穴32内を左側へ相対移動する。同様に、突起131が突起ガイド穴38内を左側へ相対移動し、突起対132がスライド規制穴37内を左側へ相対移動し、付勢部材規制突起135が付勢部材ガイド穴35内を左側へ相対移動し、ガイド溝136がスライドリブ39に沿って左側へ相対移動する。そして、
図23に示すように、スライド部材3が第2位置に至ると、突起131が突起ガイド穴38の左側縁に当接し、突起131よりも左側の突起対132がスライド規制穴37の左側縁に当接することで、スライド部材3が解除方向へ更に移動することが規制され、スライド部材3が第2位置で停止する。
【0107】
図23に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある
状態となることで、第1板部11の第1係合突起17は第1係合穴31の解除部311内に位置し、第2板部12の第2係合突起57は第2係合穴32の解除部321内に位置する。また、ヒンジ部13の付勢部材規制突起135は、付勢部材ガイド穴35の付勢部材収容部351内に位置する。また、スライド部材3の第1当接突起34Uは第1板部11の第1係止突起18の右側に位置し、第2当接突起34Lは第2板部12の第2係止突起59の右側に位置する。
【0108】
ここで、スライド部材3が第1位置から第2位置に至る過程では、第1当接突起34Uが第1板部11の第1係止突起18を乗り越えて第1係止突起18Uの右側に位置し、第2当接突起34Lが第2板部12の第2係止突起59を乗り越えて第2係止突起59の右側に位置する。
【0109】
図25は、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態における当接突起34付近を示す図である。
図25に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第1当接突起34Uの摺動面341と第1係止突起18の摺動面181とが第1方向において互いに対向している。第1当接突起34Uの摺動面341及び第1係止突起18の摺動面181は、第2方向(上下方向)において互いに接近するに従って解除方向へ変位するように形成されている。そのため、スライド部材3の解除方向への相対移動に伴って第1当接突起34Uの摺動面341が第1係止突起18の摺動面181を摺動すると共に第1弾性片33Uが撓んで下側へ変位することで、第1当接突起34Uが第1係止突起18を乗り越えて第1係止突起18の右側(解除方向の先側)に至る。同様に、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、第2当接突起34Lの摺動面341と第2係止突起59の摺動面591とが第1方向において互いに対向している。第2当接突起34Lの摺動面341及び第2係止突起59の摺動面591は、第2方向(上下方向)において互いに接近するに従って解除方向へ変位するように形成されている。そのため、スライド部材3の解除方向への相対移動に伴って第2当接突起34Lの摺動面341が第2係止突起59の摺動面591を摺動すると共に第2弾性片33Lが撓んで上側へ変位することで、第2当接突起34Lが第2係止突起59を乗り越えて第2係止突起59の右側(解除方向の先側)に至る。
【0110】
図26は、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態における当接突起34付近を示す図である。
図26に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1当接突起34Uの規制面342と第1係止突起18の規制面182とが第1方向において互いに対向しており、第1当接突起34Uの規制面342に対して第1係止突起18の規制面182がロック方向から当接している。ここで、第1当接突起34Uの規制面342及び第1係止突起18の規制面182は、共に第1方向(左右方向)に対して直交するように形成されているため、第1当接突起34Uが第1係止突起18を乗り越えて第1係止突起18の左側(ロック方向の先側)に至ることが規制されている。これにより、第1係止突起18がスライド部材3と係合している。同様に、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第2当接突起34Lの規制面342と第2係止突起59の規制面592とが第1方向において互いに対向しており、第2当接突起34Lの規制面342に対して第2係止突起59の規制面592がロック方向から当接している。ここで、第2当接突起34Lの規制面342及び第2係止突起59の規制面592は、共に第1方向(左右方向)に対して直交するように形成されているため、第2当接突起34Lが第2係止突起59を乗り越えて第2係止突起59の左側(ロック方向の先側)に至ることが規制されている。これにより、第2係止突起59がスライド部材3と係合している。
【0111】
以上のように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1係止突起18及び第2係止突起59がスライド部材3に対してロック方向から当
接するように第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3とが係合することで、スライド部材3のロック方向(解除方向の反対側)への相対移動が規制されている。つまり、スライド部材3の第1位置への移動が第1係止突起18及び第2係止突起59によって規制されている。
【0112】
ここで、
図23に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、ヒンジ部13の付勢部材規制突起135が付勢部材ガイド穴35の付勢部材収容部351内に進入することで、付勢部材収容部351に収容されている圧縮ばねSP2は、付勢部材収容部351の左側縁と付勢部材規制突起135とによって挟圧され、第1方向に圧縮される。これにより、スライド部材3は、圧縮ばねSP2の復元力(弾性力)によって、ロック方向へ付勢される。しかしながら、上述のように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3とが係合することで、スライド部材3のロック方向への相対移動が規制されている。そのため、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1板部11の第1係合突起17が第1係合穴31の解除部311内に位置し且つ第2板部12の第2係合突起57が第2係合穴32の解除部321内に位置する状態が維持されている。
【0113】
図27は、
図23のE-E断面を模式的に示す断面図である。
図27では、第1方向(左右方向)に直交する断面であって
図24に対応する断面が図示されている。
図27に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1板部11の第1係合突起17が第1係合穴31の解除部311内に位置している。解除部311は、スライド部材3が第2位置にある状態で第1係合突起17が第1係合穴31から離脱することが許容されるように、その開口幅が設定されている。より詳細には、第1板部11の回動方向において第1係合突起17の折り畳み方向面17aと係止壁W31とが対向していないため、第1板部11は第1係合突起17が第1係合穴31から離脱するように折り畳み方向へ回動可能となる。つまり、スライド部材3が第1位置から第2位置へ相対移動することで、スライド部材3と第1係合突起17との係合が解除され、第1板部11が折り畳み方向へ回動することが許容される。なお、第1当接突起34Uの規制面342及び第1係止突起18の規制面182は、回動軸の延びる方向である第1方向(左右方向)に対して直交するように形成されているため、第1当接突起34Uと第1係止突起18との係合により第1板部11の回動が阻害されることがない。また、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態においても、第1係合突起17の展開方向面17bに対して係止壁W31が展開方向から当接することで、第1板部11が展開方向へ回動することが規制されている。
【0114】
同様に、
図27に示すように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第2板部12の第2係合突起57が第2係合穴32の解除部321内に位置している。解除部321は、スライド部材3が第2位置にある状態で第2係合突起57が第2係合穴32から離脱することが許容されるように、その開口幅が設定されている。より詳細には、第2板部12の回動方向において第2係合突起57の折り畳み方向面57aと係止壁W32とが対向していないため、第2板部12は第2係合突起57が第2係合穴32から離脱するように折り畳み方向へ回動可能となる。つまり、スライド部材3が第1位置から第2位置へ相対移動することで、スライド部材3と第2係合突起57との係合が解除され、第2板部12が折り畳み方向へ回動することが許容される。なお、第2当接突起34Lの規制面342及び第2係止突起59の規制面592は、回動軸の延びる方向である第1方向(左右方向)に対して直交するように形成されているため、第2当接突起34Lと第2係止突起59との係合により第2板部12の回動が阻害されることがない。また、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態においても、第2係合突起57の展開方向面57bに対して係止壁W32が展開方向から当接する
ことで、第2板部12が展開方向へ回動することが規制されている。
【0115】
以上のように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、スライド部材3の第1係合穴31と第1板部11の第1係合突起17との係合が解除され、スライド部材3の第2係合穴32と第2板部12の第2係合突起57との係合が解除されることで、第1板部11及び第2板部12の折り畳み方向への回動が許容されている。これにより、ボード本体1を折り畳み状態へ切替可能となる。
【0116】
上述のように、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3とが係合することで、スライド部材3の第1位置への相対移動が規制されている。つまり、第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3との係合により、ボード本体1の固定が解除された状態が維持されている。そのため、使用者は、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替えるための第1板部11及び第2板部12の回動操作において、自らの手を用いてスライド部材3を第2位置に維持しておく必要がない。使用者は、第1板部11及び第2板部12を把持してヒンジ部13回りに回動操作することで、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替えることができる。その結果、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと容易に切り替えることができる。
【0117】
図28は、折り畳み状態のクリップボード100の断面を模式的に示す断面図である。
図28では、第1方向(左右方向)に直交する断面であって
図24に対応する断面が図示されている。ボード本体1が台板状態から折り畳み状態となるように第1板部11及び第2板部12が折り畳み方向へ回動することで、第1板部11に設けられた第1係止突起18がスライド部材3の第1当接突起34Uから離れ、第1当接突起34Uと第1係止突起18との係合が解除される。同様に、第2板部12に設けられた第2係止突起59がスライド部材3の第2当接突起34Lから離れ、第2当接突起34Lと第2係止突起59との係合が解除される。これにより、スライド部材3は、圧縮ばねSP2の付勢力によってロック方向へスライド移動し、第1位置に至る。圧縮ばねSP2の付勢力によりスライド部材3がロック方向へ相対移動するため、使用者は、自らの操作によりスライド部材3を第1位置へ移動させる必要がない。第1板部11及び第2板部12の折り畳み方向への回動に伴ってスライド部材3が第1位置へ移動することで、折り畳み状態では、
図28に示すように、第1板部11の第1係合突起17に第1係合穴31の固定部312が対応し、第2板部12の第2係合突起57に第2係合穴32の固定部322に対応した状態となる。そして、折り畳み状態では、圧縮ばねSP2の付勢力によって、スライド部材3が第1位置に位置する状態が維持される。
【0118】
図29は、ボード本体1を折り畳み状態から台板状態へと切り替える途中におけるクリップボード100の断面を模式的に示す断面図である。
図29では、第1方向(左右方向)に直交する断面であって
図24に対応する断面が図示されている。
図28に示す折り畳み状態から
図24に示す台板状態へと切り替える場合には、第1板部11及び第2板部12をヒンジ部13回りに展開方向へ回動させ、スライド部材3を第1係合突起17及び第2係合突起57と係合させればよい。このとき、
図29に示すように、スライド部材3の第1係合穴31に第1係合突起17が収容される過程で、第1位置にあるスライド部材3の外面(穴の壁面を除く面)に対して第1係合突起17が折り畳み方向から当接する。同様に、スライド部材3の第2係合穴32に第2係合突起57が収容される過程で、第1位置にあるスライド部材3の外面に対して第2係合突起57が折り畳み方向から当接する。ここで、第1係合突起17においてスライド部材3の外面に対して折り畳み方向から当接する面を当接突起面17cとし、第2係合突起57においてスライド部材3の外面に対して折り畳み方向から当接する面を当接突起面57cとする。
図29に示すように、当接突起面17c,57cは、展開方向へ凸となるように湾曲している。そのため、第1係合突
起17はスライド部材3の外面を摺動することで該外面を乗り越えて第1係合穴31の固定部312に嵌合し、第2係合突起57はスライド部材3の外面を摺動することで該外面を乗り越えて第2係合穴32の固定部322に嵌合する。これにより、
図24に示すように、スライド部材3と第1係合突起17及び第2係合突起57とが係合した状態となり、ボード本体1の台板状態が維持される。
【0119】
[カバーシート]
図2に示すように、カバーシート6は、左右方向に延在するシート状の部材であり、固定手段20を覆うようにボード本体1の裏面S2に取り付けられる。
図30は、カバーシート6を表側から視認した場合の平面図である。なお、カバーシート6は表裏対称の形状を有するため、カバーシート6を裏側から視認した場合の平面図は省略する。
図31は、平板状態のクリップボード100のカバーシート6付近を裏側から視認した場合の平面図である。
図31では、便宜上、固定プレート7の図示を省略している。また、
図31では、カバーシート6のうちクリップボード100の裏側に露出する部位にドットパターンを付している。
【0120】
カバーシート6は、
図30で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するようにボード本体1に取り付けられる。
図30に示すように、カバーシート6は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。カバーシート6は、例えばポリプロピレン樹脂等の樹脂材料により可撓性を有して形成されている。但し、カバーシート6の材料は、これに限定されない。カバーシート6の左右幅はヒンジ部13の左右幅よりも小さく、カバーシート6の上下幅はヒンジ部13の上下幅よりも大きくボード本体1の上下幅よりも小さい。
【0121】
図30に示すように、カバーシート6は、シート状の第1シート部61及びシート状の第2シート部62と、左右方向(所定の第1方向)に延在すると共に第1シート部61と第2シート部62とを回動自在に連結するヒンジカバー部63と、を含む。ヒンジカバー部63は、平面視において左右方向に長手の長方形状となるシート状に形成されており、カバーシート6の上下方向における中央位置に、カバーシート6の左右方向の全域に亘って形成されている。カバーシート6において、第1シート部61が上側に配置され、第2シート部62が下側に配置されている。第1シート部61の下縁とヒンジカバー部63の上縁とが接続され、第2シート部62の上縁とヒンジカバー部63の下縁とが接続されている。これにより、ヒンジカバー部63を介して第1シート部61と第2シート部62とが接続されている。
図31に示すように、クリップボード100において、第1シート部61が第1板部11に重なるように設けられ、第2シート部62が第2板部12に重なるように設けられ、ヒンジカバー部63がヒンジ部13に重なるように設けられる。つまり、カバーシート6は、ヒンジ部13を跨ぐようにしてボード本体1の裏面S2に取り付けられる。
【0122】
ここで、
図30に示すように、第1シート部61の下縁とヒンジカバー部63の上縁とは、左右方向(第1方向)に延在するヒンジ線L61を介して接続されている。第1シート部61は、ヒンジ線L61を回動軸として、ヒンジカバー部63に対して相対的に回動可能となっている。また、第2シート部62の上縁とヒンジカバー部63の下縁とは、左右方向(第1方向)に延在するヒンジ線L62を介して接続されている。第2シート部62は、ヒンジ線L62を回動軸として、ヒンジカバー部63に対して相対的に回動可能となっている。つまり、第1シート部61及びヒンジカバー部63は、ヒンジカバー部63回りに回動可能となっている。カバーシート6は、左右方向に延在するヒンジ線L61,L62によって、第1シート部61と第2シート部62とヒンジカバー部63とに区分されている。
【0123】
図30に示すように、第1シート部61には、カバーシート6を厚み方向に貫通するガイド穴64,65が形成されている。ガイド穴65は、上下方向に延在すると共に第1シート部61の先端側(上側)に向かうに従って左右幅が大きくなるように形成されている。ガイド穴65は、クリップボード100において第2カバープレート5の穴41と嵌合した第1板部11の突起P4bに対応する位置に設けられており、突起P4bを受け入れるように構成されている。本例では、ガイド穴65は、左右方向において第1シート部61の中央位置に設けられている。ガイド穴64は、ガイド穴65と同様に、上下方向に延在すると共に第1シート部61の先端側(上側)に向かうに従って左右幅が大きくなるように形成されている。ガイド穴64は、クリップボード100において第1カバープレート4の突起42と嵌合した第1板部11の突起P5に対応する位置に設けられており、突起P5を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)のガイド穴64が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、ガイド穴65の左右両側にガイド穴64が2つずつ設けられている。
【0124】
また、
図30に示すように、第2シート部62には、カバーシート6を厚み方向に貫通するガイド穴66,67が形成されている。ガイド穴67は、上下方向に延在すると共に第2シート部62の先端側(下側)に向かうに従って左右幅が大きくなるように形成されている。ガイド穴67は、クリップボード100において第2カバープレート5の穴51と嵌合した第2板部12の突起P6bに対応する位置に設けられており、突起P6bを受け入れるように構成されている。本例では、ガイド穴67は、左右方向において第2シート部62の中央位置に設けられている。ガイド穴66は、ガイド穴67と同様に、上下方向に延在すると共に第2シート部62の先端側(下側)に向かうに従って左右幅が大きくなるように形成されている。ガイド穴66は、クリップボード100において第2カバープレート5の突起52と嵌合した第2板部12の突起P7に対応する位置に設けられており、突起P7を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)のガイド穴66が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、ガイド穴67の左右両側にガイド穴66が2つずつ設けられている。
【0125】
また、
図30に示すように、ヒンジカバー部63には、カバーシート6を厚み方向に貫通する穴68,69が形成されている。穴68は、断面円形の貫通孔である。穴68は、クリップボード100においてスライド部材3の突起ガイド穴38に挿通されたヒンジ部13の突起131に対応する位置に設けられており、突起131を受け入れるように構成されている。本例では、穴68は、左右方向においてヒンジカバー部63の中央位置に設けられている。穴69は、断面矩形の貫通孔である。穴69は、クリップボード100においてスライド部材3のスライド規制穴37に挿通されたヒンジ部13の突起対132に対応する位置に設けられており、突起対132を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)の穴69が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、穴68の左右両側に穴69が2つずつ設けられている。
【0126】
図31に示すように、カバーシート6は、第1シート部61が第1カバープレート4の波形穴44を介して第1板部11と第1カバープレート4との間に差し込まれ、第2シート部62が第2カバープレート5の波形穴54を介して第2板部12と第2カバープレート5との間に差し込まれ、ヒンジカバー部63によって固定手段20を覆うようにして、ボード本体1の裏面S2に配置されている。この状態で、後述するように固定プレート7がヒンジ部13に取り付けられることで、カバーシート6は上下方向に沿ってスライド可能な状態でヒンジ部13に取り付けられる。カバーシート6によって固定手段20が覆われることで、ボード本体1の折り畳み状態から台板状態への切り替え動作において、第1板部11の第1係合突起17とスライド部材3との間や第2板部12の第2係合突起57とスライド部材3との間に使用者の指が挟まれるといった事態が抑制される。
【0127】
図31に示すように、第1シート部61のガイド穴64には、第1カバープレート4の突起42と嵌合した第1板部11の突起P5が挿通され、ガイド穴65には、第1カバープレート4の穴41と嵌合した第1板部11の突起P4bが挿通されている。また、第2シート部62のガイド穴66には、第2カバープレート5の突起52と嵌合した第2板部12の突起P7が挿通され、ガイド穴67には、第2カバープレート5の穴51と嵌合した第2板部12の突起P6bが挿通されている。
【0128】
図31に示すように、ボード本体1の平板状態では、突起P5(突起42)はガイド穴64の基端部(下端部)に位置しており、突起P4b(穴41)はガイド穴65の基端部(下端部)に位置している。そのため、ボード本体1の平板状態では、ガイド穴64は突起P5(突起42)よりも先端側(上側)に延びており、ガイド穴65は突起P4bよりも先端側(上側)に延びている。これにより、折り畳み状態への切り替え操作により第1板部11が折り畳み方向へ回動すると、突起P5(突起42)がガイド穴64内を先端側(上側)へ相対移動し、突起P4bがガイド穴65内を先端側(上側)へ相対移動するようにして、第1シート部61がボード本体1に沿って第2方向にスライド移動する。
【0129】
ガイド穴64の上下幅は、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてガイド穴64内における突起P5(突起52)の第2方向への相対移動が許容されるように設定されている。同様に、ガイド穴65の上下幅は、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてガイド穴65内における突起P4bの第2方向への相対移動が許容されるように設定されている。そのため、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作において、第1シート部61は、ボード本体1に沿った状態を維持することができる。
【0130】
また、
図31に示すように、ボード本体1の平板状態では、突起P7(突起52)はガイド穴66の基端部(上端部)に位置しており、突起P6bはガイド穴67の基端部(上端部)に位置している。そのため、ガイド穴66は突起P7(突起52)よりも先端部(下側)に延びており、ガイド穴67は突起P6bよりも先端側(下側)に延びている。これにより、折り畳み状態への切り替え操作により第2板部12が折り畳み方向へ回動すると、突起P7(突起52)がガイド穴66内を先端側(下側)へ相対移動し、突起P6bがガイド穴67内を先端側(下側)へ相対移動するようにして、第2シート部62がボード本体1に沿って第2方向にスライド移動する。
【0131】
ガイド穴66の上下幅は、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてガイド穴66内における突起P7(突起52)の第2方向への相対移動が許容されるように設定されている。同様に、ガイド穴67の上下幅は、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてガイド穴67内における突起P6bの第2方向への相対移動が許容されるように設定されている。そのため、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作において、第2シート部62は、ボード本体1に沿った状態を維持することができる。
【0132】
以上のように、カバーシート6は、第1板部11及び第2板部12の回動に追従してボード本体1に沿って第2方向(上下方向)へスライド可能となるように、第1カバープレート4及び第2カバープレート5によって保持される。カバーシート6がボード本体1に沿った状態が維持されることで、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてカバーシート6が嵩張ることが抑制される。更に、第1カバープレート4に設けられて基端側へ突出する抑え片47によって第1シート部61が厚み方向の裏側から表側(第1板部11側)へ抑えられ、第2カバープレート5に設けられて基端側へ突出する抑え片58によって第2シート部62が厚み方向の裏側から表側(第2板部12側)へ抑えられることで、カバーシート6が嵩張ることがより好適に抑制されている。
【0133】
[固定プレート]
図2に示すように、固定プレート7は、左右方向に延在する板部材であり、ヒンジ部13との間にスライド部材3及びカバーシート6を挟み込んでヒンジ部13の裏面S2に取り付けられることで、スライド部材3及びカバーシート6をボード本体1に固定する。
図32は、固定プレート7を表側から視認した場合の平面図である。
図33は、固定プレート7を裏側から視認した場合の平面図である。固定プレート7は、
図32で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するようにヒンジ部13に取り付けられる。
図32及び
図33に示すように、固定プレート7は、平面視において四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。固定プレート7は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、固定プレート7の材料は、これに限定されない。固定プレート7の左右幅はカバーシート6の左右幅と同程度でありヒンジ部13の左右幅よりも小さく、固定プレート7の上下幅はヒンジ部13の上下幅よりも小さい。
【0134】
図32に示すように、クリップボード100においてヒンジ部13の裏面S2と対向する固定プレート7の表面には、厚み方向に突出する円柱状の突起71が形成されている。突起71は、クリップボード100においてスライド部材3の突起ガイド穴38及びカバーシート6の穴68に挿通されたヒンジ部13の突起131に対応する位置に設けられており、突起131と嵌合するように構成されている。本例では、突起71は、左右方向において固定プレート7の中央位置に設けられている。また、固定プレート7の表面には、厚み方向に突出する断面T字状の突起72が形成されている。突起72は、クリップボード100においてスライド部材3のスライド規制穴37及びカバーシート6の穴69に挿通されたヒンジ部13の突起対132に対応する位置に設けられており、突起対132の一対の突起132a,132aによって挟着されるように構成されている。本例では、複数(本例では4つ)の突起72が左右方向に間隔を空けて並んで設けられている。本例では、突起71の左右両側に突起72が2つずつ設けられている。
【0135】
図34は、平板状態のクリップボード100の固定プレート7付近を裏側から視認した場合の平面図である。
図34では、固定プレート7にドットパターンを付している。
図34に示すように、固定プレート7は、突起71がヒンジ部13の突起131と嵌合し、突起72が突起対132の一対の突起132a,132aに挟着されることで、ヒンジ部13の裏面S2に取り付けられている。これにより、スライド部材3及びカバーシート6がボード本体1に固定されている。
【0136】
[抑えシート]
図1及び
図5に示すように、抑えシート8は、左右方向に延在するシート状の部材であり、第2板部12の下端部付近において表面S1に取り付けられることで、紙片を差込可能な隙間である差込部8aを第2板部12との間に形成する。
図35は、抑えシート8を表側から視認した場合の平面図である。なお、抑えシート8は表裏対称の形状を有するため、抑えシート8を裏側から視認した場合の平面図は省略する。
図36は、紙片を保持した平板状態のクリップボード100を表側から視認した場合の平面図である。
【0137】
カバーシート6は、
図35で視認される表面がボード本体1の表面S1と対向するようにボード本体1に取り付けられる。
図35に示すように、抑えシート8は、平面視において略四角形状(詳細には、左右方向に長手の略長方形状)となるシート状に形成されている。抑えシート8は、例えばポリプロピレン樹脂等の樹脂材料により可撓性を有して形成されている。但し、抑えシート8の材料は、これに限定されない。抑えシート8の左右幅は第2板部12の左右幅よりも小さく、抑えシート8の上下幅は第2板部12の上下幅よりも小さい。
【0138】
図35に示すように、抑えシート8は、左右方向に長手の長方形状を有する被挟着部8
1と、被挟着部81の上縁に連なると共に左右方向に長手の長方形状を有する突出部82と、突出部82の上縁に連なると共に左右方向に長手の長方形状を有する折返し部83と、を含む。
【0139】
被挟着部81は、クリップボード100において表側へ折り込まれた抑えシート固定用パネル14と第2板部12との間に挟着される部位である。被挟着部81には、抑えシート8を厚み方向に貫通する断面矩形の穴84が形成されている。穴84は、クリップボード100において第2板部12の穴H5に嵌合する抑えシート固定用パネル14の突起P1と対応する位置に設けられており、突起P1を受け入れるように構成されている。本例では、複数(本例では3つ)の穴84が、被挟着部81の下端部付近において左右方向に並んで設けられている。被挟着部81は、クリップボード100において抑えシート固定用パネル14と第2板部12との間から第2板部12の基端側(上側)へ突出することで、差込部8aを第2板部12との間に形成する。折返し部83は、第1方向(左右方向)に延在する折返し線L81を介して突出部82の上縁に接続されている。折返し部83は、折返し線L81を境に裏側へ折り返されることで、被挟着部81と共に抑えシート固定用パネル14と第2板部12との間に挟着される。折返し部83の上下幅は、突出部82の上下幅よりも大きい。
【0140】
折返し部83を裏側へ折り返した状態で、抑えシート固定用パネル14の突起P1を被挟着部81の穴84に挿通し、第2板部12の穴H5に突起P1を嵌合させ、第2板部12の凹部D3に抑えシート固定用パネル14の突起P2を嵌合させることで、第2板部12の表側へ折り込まれた抑えシート固定用パネル14と第2板部12との間に被挟着部81及び折返し部83が挟着される。これにより、抑えシート8が第2板部12の下端部に取り付けられる。
【0141】
図36に示すように、台板状態のクリップボード100に、例えば第2方向(上下方向)に長手の紙片200を保持する場合、ボード本体1の上端部(第1板部11の上端部)に設けられた挟持具10によって紙片200の上端部をフラッププレート2と第1板部11との間に挟持し、ボード本体1の下端部(第2板部12の下端部)に形成された差込部8aに紙片200の下端部を差し込むことができる。抑えシート8と第2板部12との間に差し込まれた紙片200の下端部は、抑えシート8によって厚み方向の表側から裏側(第2板部12側)へ抑えられる。これによると、クリップボード100から紙片200が脱落し難くなり、また、挟持具10によって挟持されていない下端部から紙片200が捲れ上がることが抑制され、台板状態におけるクリップボード100の利便性が向上する。
【0142】
[固定バンド]
図2及び
図6に示すように、固定バンドB1は、左右方向に長手の帯状に形成された、伸縮性を有する部材である。固定バンドB1は、例えばゴム製のバンドである。但し、固定バンドB1の材料は、これに限定されない。固定バンドB1は、第1板部11の裏面S2に取り付けられ、ボード本体1の折り畳み状態において第1板部11と第2板部12とを結束することで、ボード本体1を折り畳み状態に固定する。
【0143】
図2に示すように、固定バンドB1の端部を第1板部11の裏側から第1板部11の穴H3に通してから、当該端部を表側から穴H2に通し、第1板部11の表面S1側へ折り込まれたバンド固定用パネル15の突起P3を穴H2に嵌合させることで、固定バンドB1の当該端部がバンド固定用パネル15と第1板部11との間に挟着される。このようにして固定バンドB1の両端部をボード本体1に固定することで、固定バンドB1がボード本体1に取り付けられる。
【0144】
図4に示すように、ボード本体1の折り畳み状態において、固定バンドB1を第1板部
11の裏面S2側から第2板部12の裏面S2側へ反転させることで、第1板部11と第2板部12とが結束される。これにより、第1板部11や第2板部12が意図せずに展開方向へ回動することが抑制される。つまり、ボード本体1が折り畳み状態に固定される。このとき、第2板部12の裏面S2に形成されたリブ121と突起P8との間には、固定バンドB1を保持可能な保持溝G1が形成されている。保持溝G1は、折り畳み状態において、固定バンドB1の固定端部の反対側に位置している。ボード本体1の折り畳み状態において第2板部12の裏面S2側へ反転させた固定バンドB1を保持溝G1に配置することで、固定バンドB1の位置ずれが抑制される。その結果、より確実にボード本体1を折り畳み状態に固定することができる。
【0145】
[ペンホルダープレート]
図37は、ペンホルダープレート9を表側から視認した場合の平面図である。
図38は、ペンホルダープレート9を裏側から視認した場合の平面図である。
図39は、平板状態のクリップボード100のペンホルダープレート9付近を裏側から視認した場合の平面図であって、ペンホルダープレート9の収納状態を示す図である。
図40は、平板状態のクリップボード100のペンホルダープレート9付近を裏側から視認した場合の平面図であって、ペンホルダープレート9の使用状態を示す図である。ペンホルダープレート9は、
図37で視認される表面がボード本体1の裏面S2と対向するように第1板部11の上端部に取り付けられる。ペンホルダープレート9は、第2方向にスライド可能となるように第1板部11に取り付けられることで、
図39に示すようにボード本体1に収納された収納状態と
図40に示すように第1板部11から上側に突出した使用状態とで状態を切替可能である。使用状態のペンホルダープレート9を利用することで、クリップ付きの筆記具(例えばボールペン)を保持することができる。
【0146】
図37及び
図38に示すように、ペンホルダープレート9は、平面視において略四角形状(詳細には、左右方向に長手の長方形状)となる板状に形成されている。ペンホルダープレート9は、例えばポリカーボネート等の樹脂材料により形成されている。但し、ペンホルダープレート9の材料は、これに限定されない。ペンホルダープレート9の左右幅は第1板部11の左右幅よりも小さく、ペンホルダープレート9の上下幅は第1板部11の上下幅よりも小さい。また、符号94で示す突起を除くペンホルダープレート9の厚みは、引出口H61の厚み方向における幅よりも小さい。
【0147】
図37及び
図38に示すように、ペンホルダープレート9には、厚み方向に穿孔され、上下方向に長手の断面矩形の貫通孔であるスライド穴91が形成されている。クリップボード100において裏側に折り込まれたホルダー収納用パネル16の突起165に対応する位置に設けられており、突起165を受け入れるように構成されている。本例では、スライド穴91は、左右方向においてペンホルダープレート9の中央位置に設けられている。スライド穴91は、突起165をスライド穴91に受け入れた状態でペンホルダープレート9が上下方向に移動可能となるように、上下方向に延在している。
【0148】
また、ペンホルダープレート9の下縁には、左右の側縁に沿って矩形状に切り欠かれたスリット93が形成されている。スリット93は、上下方向に延在している。本例では、ペンホルダープレート9の左側縁付近と右側縁付近に1つずつスリット93が形成されている。スリット93が形成されることで、ペンホルダープレート9のうち左右方向においてスリット93よりも外側の部位は、可撓性を有する弾性係止片92を形成している。弾性係止片92は、左右の側縁部に1つずつ形成されている。また、弾性係止片92の下端部には、左右方向においてペンホルダープレート9の外側へ突出する突出部92aが形成されている。突出部92aの外面は、ホルダー収納用パネル16の凹部162,163に係合可能となるように、左右方向においてペンホルダープレート9の外側へ凸となる円弧状に形成されている。
【0149】
また、ペンホルダープレート9の左右の側縁には、半円状に切り欠かれた凹部95が形成されている。凹部95は、ペンホルダープレート9のうち使用状態においてボード本体1から突出する部位に形成されており、スライド穴91よりも上側に設けられている。
【0150】
また、
図38に示すように、ペンホルダープレート9の裏面には、厚み方向に突出する突起94が形成されている。突起94は、クリップボード100において裏側に折り込まれたホルダー収納用パネル16の窓部H62と対応する位置に設けられており、窓部H62に受け入れ可能となるように構成されている。
【0151】
また、
図37及び
図38に示すように、ペンホルダープレート9には、厚み方向に穿孔され、上下方向に長手の断面矩形の貫通孔である吊下用穴96が形成されている。吊下用穴96は、ペンホルダープレート9のうち使用状態においてボード本体1から突出する部位に形成されており、弾性係止片92よりも上側に設けられている。
【0152】
図39に示すように、第1板部11の凹部113にペンホルダープレート9を載置し、一対のガイド壁部161,161同士の間にペンホルダープレート9を受け入れると共にスライド穴91に突起165を受け入れるようにホルダー収納用パネル16を裏側へ折り込み、ホルダー収納用パネル16の突起164を第1板部11の穴H4に嵌合させることで、ホルダー収納用パネル16と第1板部11との間にペンホルダープレート9が収納される。
【0153】
図39及び
図40に示すように、クリップボード100において(つまり、ボード本体1の組立状態において)、穴H6の引出口H61は上方に開口しており、ペンホルダープレート9は引出口H61を介してボード本体1から出し入れ可能となっている。また、クリップボード100において穴H6の窓部H62は裏側に開口しており、使用者は窓部H62を介して収納状態のペンホルダープレート9に接触可能となっている。ペンホルダープレート9のスライド穴91がホルダー収納用パネル16の突起165にガイドされることで、ペンホルダープレート9は上下方向にスライド移動することが可能となっている。収納状態と使用状態との切り替えに必要な距離をペンホルダープレート9がスライド可能となるように、スライド穴91の上下幅が設定されている。
【0154】
図39に示すように、収納状態のペンホルダープレート9は、ボード本体1の内部(より詳細には、ホルダー収納用パネル16と第1板部11との間)に収納されている。収納状態では、ペンホルダープレート9の下縁が凹部113の下縁の壁面に当接しており、ホルダー収納用パネル16の突起165がスライド穴91の上縁の壁面に当接している。これにより、ペンホルダープレート9がボード本体1に対して下側へ相対移動することが規制されている。また、収納状態では、ペンホルダープレート9の突出部92aがガイド壁部161の凹部162と係合している。これにより、ペンホルダープレート9が意図せずに上側へスライドしてボード本体1から突出することが抑制されている。また、収納状態では、ペンホルダープレート9のスライド穴91が突起165よりも下側へ延在している。これにより、ペンホルダープレート9を上側へ相対移動させることが可能となっている。更に、収納状態では、突起94が窓部H62内に配置されている。これにより、使用者は、例えば窓部H62を介して突起94に指を引っ掛ける等して、ペンホルダープレート9を上側へ移動させることができる。
【0155】
ペンホルダープレート9を収納状態から使用状態へと切り替えるには、ペンホルダープレート9を上側へスライド移動させればよい。収納状態においてペンホルダープレート9を上側へ移動させようとすると、弾性係止片92がペンホルダープレート9の左右方向内側へ撓むことで突出部92aと凹部162との係合が解除される。これにより、突起16
5にガイドされながらペンホルダープレート9が上側へスライド移動し、
図40に示す使用状態となる。
【0156】
図40に示すように、使用状態のペンホルダープレート9は、引出口H61からボード本体1の外部に上側へ突出している。これにより、使用者は、例えばクリップ付きの筆記具をペンホルダープレート9に留めることで、筆記具を保持できる。また、使用状態では、ホルダー収納用パネル16の突起165がスライド穴91の下縁の壁面に当接している。これにより、ペンホルダープレート9がボード本体1に対して上側へ相対移動することが規制され、ペンホルダープレート9がボード本体1から脱落することが防止されている。また、使用状態では、ペンホルダープレート9の突出部92aがガイド壁部161の凹部163と係合している。これにより、ペンホルダープレート9が意図せずに下側へスライドしてボード本体1に収納されることが抑制されている。また、使用状態では、ペンホルダープレート9のスライド穴91が突起165よりも上側へ延在している。これにより、ペンホルダープレート9を下側へ相対移動させて収納状態とすることが可能となっている。更に、使用状態では、凹部95がボード本体1の外部に位置している。これにより、使用者は、例えばクリップ付きの筆記具を凹部95に差し込んだ状態でペンホルダープレート9に留めることでき、より安定して筆記具を保持できる。また、使用状態では、吊下用穴96がボード本体1の外部に位置している。これにより、使用者は、例えば吊下用穴96にフックを引っ掛ける等して、クリップボードを壁等に掛けることができる。
【0157】
ペンホルダープレート9を使用状態から収納状態へと切り替えるには、ペンホルダープレート9を下側へスライド移動させればよい。使用状態においてペンホルダープレート9を下側へ移動させようとすると、弾性係止片92がペンホルダープレート9の左右方向内側へ撓むことで突出部92aと凹部163との係合が解除される。これにより、突起165にガイドされながらペンホルダープレート9が下側へスライド移動し、
図39に示す収納状態となる。
【0158】
このように、ペンホルダープレート9は引き出し式となっているので、使用者は、必要に応じてペンホルダープレート9をボード本体1から引き出せばよい。ペンホルダープレート9を使用しない場合には収納状態にしておくことで、ペンホルダープレート9はクリップボード100の使用の邪魔にならない。
【0159】
[作用・効果]
以上のように、本実施形態に係るクリップボード100は、表面S1及び裏面S2を有する板状のボード本体1と、ボード本体1との間に紙片を挟持可能な挟持具10と、を備える。また、ボード本体1は、板状の第1板部11及び板状の第2板部12と、所定の第1方向(本例では左右方向)に延在すると共に第1板部11と第2板部12とを回動自在に連結するヒンジ部13と、を含む。また、ボード本体1は、第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13回りに回動することで、ボード本体1が平板状を形成する台板状態と、第1板部11及び第2板部12の表面S1同士が対向するようにボード本体1がヒンジ部13を境に折り畳まれた折り畳み状態と、に切替可能である。そして、本実施形態に係るクリップボード100は、ボード本体1の裏面に設けられ、ボード本体1を台板状態に固定可能な固定手段20を更に備える。固定手段20は、第1方向において互いに離れた第1位置と第2位置とを含む範囲で第1方向に沿って変位可能となるようにヒンジ部13に取り付けられたスライド部材3と、第1板部11に設けられた第1係合突起17と、第2板部12に設けられた第2係合突起57と、を有する。そして、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態では、スライド部材3が第1係合突起17及び第2係合突起57と係合することで、第1板部11及び第2板部12の回動が規制される。また、ボード本体1が台板状態でスライド部材3が第1位置から前記第2位置に移動すると、スライド部材3と第1係合突起17及び第2係合突起57との係合が解除され
ることで、第1板部11及び第2板部12の回動が許容される。
【0160】
上述のように構成された本実施形態に係るクリップボード100は、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替え可能であるため、携帯性に優れている。更に、本実施形態に係るクリップボード100によると、固定手段20によってボード本体1を台板状態に固定可能であるため、第1板部11や第2板部12が意図せずに回動することが規制されている。そのため、台板状態のクリップボード100の使用中にクリップボード100が意図せずに閉じてしまうことが防止され、紙片を読み書きするための台板としてクリップボード100を安定して使用することができる。これにより、クリップボード100の利便性が向上している。更に、本実施形態に係るクリップボード100によると、スライド部材3を第1方向に沿って第1位置から第2位置へと移動(変位)させるだけでボード本体1の台板状態への固定を解除することができる。これにより、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替えることが容易となる。その結果、クリップボード100の携帯性がより向上している。
【0161】
更に、本実施形態に係るクリップボード100のスライド部材3は、第1係合突起17と係合する第1係合穴31と、第2係合突起57と係合する第2係合穴32と、を有している。本実施形態では、第1係合突起17は、突起部として形成され、第1係合穴31は、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態で第1係合突起17が嵌合する穴部として形成されている。また、本実施形態では、第2係合突起57は、突起部として形成され、第2係合穴32は、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第1位置にある状態で第2係合突起57が嵌合する穴部として形成されている。
【0162】
本実施形態に係るクリップボード100は、上述のように突起部と穴部との嵌合を利用して第1板部11及び第2板部12の回動を規制することで、ボード本体1を台板状態に固定することができる。なお、本実施形態では、第1係合部が突起部として形成され、第1係止部が穴部として形成され、第2係合部が突起部として形成され、第2係止部が穴部として形成されているが、本発明は、これに限定されない。本発明は、第1係合部と第1係止部とのうち一方が突起部として形成されると共に他方が穴部として形成され、第2係合部と第2係止部とのうち一方が突起部として形成されると共に他方が穴部として形成される構成であってもよい。例えば、第1係止部が突起部として形成されると共に第1係合部が該突起部と嵌合する穴部として形成されてもよいし、第2係止部が突起部として形成されると共に第2係合部が該突起部と嵌合する穴部として形成されてもよい。
【0163】
更に、本実施形態に係るクリップボード100のスライド部材3は、スライド部材3が第1位置にある状態でボード本体1が折り畳み状態から台板状態に切り替わることで第1係合突起17及び第2係合突起57と係合可能となるように構成されている。そして、固定手段20は、スライド部材3をロック方向(第2位置の側から第1位置の側へ向かう方向)へ付勢する圧縮ばねSP2を更に有する。
【0164】
これによると、ボード本体1の折り畳み状態においては圧縮ばねSP2の付勢力によってスライド部材3が第1位置に維持されるため、使用者は、自らの操作によりスライド部材3を第1位置に移動させる必要はなく、ボード本体1を折り畳み状態から台板状態へと切り替えるだけでボード本体1を台板状態に固定することができる。その結果、クリップボード100の操作性がより向上している。なお、本発明において、付勢部材は必須の構成ではない。
【0165】
更に、本実施形態に係るクリップボード100の固定手段20は、第1板部11に設けられた第1係止突起18(第1規制部)と第2板部12に設けられた第2係止突起59(第2規制部)とを更に有する。第1係止突起18及び第2係止突起59は、ボード本体1
が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態でスライド部材3と係合することでスライド部材3のロック方向(第2位置の側から第1位置の側へ向かう方向)への移動を規制する。そして、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態でボード本体1が折り畳み状態となるように第1板部11及び第2板部12がヒンジ部13回りに回動することで、第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3との係合が解除される。
【0166】
つまり、ボード本体1が台板状態で且つスライド部材3が第2位置にある状態では、第1係止突起18及び第2係止突起59とスライド部材3とが係合することで、スライド部材3が第1位置へ相対移動することが規制され、ボード本体1の固定が解除された状態が維持されている。そのため、使用者は、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと切り替えるための第1板部11及び第2板部12の回動操作において、自らの手を用いてスライド部材3を第2位置に維持しておく必要がない。これにより、ボード本体1を台板状態から折り畳み状態へと容易に切り替えることができる。その結果、クリップボード100の操作性がより向上している。なお、本実施形態では、第1板部11と第2板部12の両方に規制部(第1係止突起18及び第2係止突起59)が設けられているが、本発明はこれに限定されない。固定手段は、第1板部と第2板部とのうち少なくとも何れか一方に規制部が設けられる構成であってもよい。例えば、第1板部と第2板部とのうち何れか一方のみに規制部が設けられる態様であってもよい。
【0167】
更に、本実施形態に係るクリップボード100の挟持具10は、第1板部11に設けられ、第1方向に対して直交する第2方向(本例では上下方向)における紙片200の一端部(上端部)を第1板部との間に挟持する。そして、本実施形態に係るクリップボード100では、第2板部12に、第2方向における紙片の他端部(下端部)を差込可能な差込部8aが形成されている。
【0168】
これによると、挟持具10によって紙片200の一端部(上端部)を挟持すると共に差込部8aに紙片200の他端部(下端部)を差し込むことができるため、紙片200が脱落し難くなる。また、挟持具10によって挟持されていない該他端部から紙片200が捲れ上がることが抑制されるため、台板状態において紙片の読み書きを安定して行うことができる。その結果、台板としてのクリップボード100の利便性が更に向上する。なお、本実施形態では、挟持具10が第1板部11に設けられ、差込部8aが第2板部12に形成されているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、第1板部と第2板部とのうち一方に挟持具が設けられ、他方に差込部が形成される構成であってもよい。例えば、第2板部に挟持具が設けられ、第1板部に差込部が形成されてもよい。
【0169】
更に、本実施形態に係るクリップボード100は、固定手段20を覆うようにボード本体1の裏面S2に設けられたカバーシート6と、カバーシート6がボード本体1に沿いながら第2方向(本例では上下方向)に沿ってスライド可能となるようにカバーシート6を保持する第1カバープレート4(第1保持部材)及び第2カバープレート5(第2保持部材)と、を更に備える。
【0170】
これによると、カバーシート6によって固定手段20が覆われることで、ボード本体1の折り畳み状態から台板状態への切り替え動作において、第1板部11の第1係合突起17とスライド部材3との間や第2板部12の第2係合突起57とスライド部材3との間に使用者の指が挟まれるといった事態を抑制できる。更に、カバーシート6がボード本体1に沿った状態が第1カバープレート4及び第2カバープレート5によって維持されることで、台板状態と折り畳み状態との切り替え動作においてカバーシート6が嵩張ることが抑制される。その結果、クリップボード100の操作性がより向上している。
【0171】
更に、本実施形態に係るクリップボード100は、ボード本体1に収納された収納状態とボード本体1の上縁からボード本体1の外部へ突出した使用状態とを切り替え可能なペンホルダープレート9を備える。
【0172】
これによると、クリップボード100は、引き出し式のペンホルダープレート9を備えることで、利便性が更に向上している。なお、本実施形態では、ボード本体1の上縁からペンホルダープレート9が突出するように構成されているが、本発明はこれに限定されない。ペンホルダー部材は、ボード本体の何れかの縁から突出する構成であってもよい。
【0173】
<その他>
以上、本発明に係るクリップボードの実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0174】
1・・・・・ボード本体
3・・・・・スライド部材(係止部材の一例)
4・・・・・第1カバープレート(保持部材の一例)
5・・・・・第2カバープレート(保持部材の一例)
6・・・・・カバーシート(カバー部材の一例)
10・・・・挟持具
11・・・・第1板部
12・・・・第2板部
13・・・・ヒンジ部
17・・・・第1係合突起(第1係合部の一例)
18・・・・第1係止突起(規制部の一例)
20・・・・固定手段
31・・・・第1係合穴(第1係止部の一例)
32・・・・第2係合穴(第2係止部の一例)
57・・・・第2係合突起(第2係合部の一例)
59・・・・第2係止突起(規制部の一例)
100・・・折り畳み式クリップボード(クリップボードの一例)