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特開2024-114210二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物
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  • 特開-二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物 図1
  • 特開-二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物 図2
  • 特開-二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114210
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240816BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240816BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20240816BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q5/10
A61K8/86
A61K8/92
A61Q5/08
A61K8/41
A61K8/22
A61K8/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019825
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】旭 宏章
(72)【発明者】
【氏名】益子 優斗
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB032
4C083AB352
4C083AB412
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC302
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC552
4C083AC692
4C083AC892
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD432
4C083AD452
4C083AD642
4C083BB06
4C083BB11
4C083BB49
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD31
4C083DD47
4C083EE07
4C083EE26
4C083EE27
(57)【要約】
【課題】本発明は二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、第1剤と第2剤の混合比を等量から第1剤を第2剤より多くできることが可能な二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ剤を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤を備え、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との充填量比(S2/S1)が0.59~1であることを特徴とする二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤を備え、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、
第1剤には、
(A-1)グリセリン、ポリエチレングリコールまたは1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上
(B-1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C-1)油性成分
(D-1)炭素数16~22の高級アルコール
(E-1)カチオン性界面活性剤
を含有し、
第2剤には
(A-2)グリセリン、ポリエチレングリコールまたは1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上
(B-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(C-2)油性成分
を含有し、
第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との充填量比(S2/S1)が0.59~1であることを特徴とする二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なクリーム状の染毛剤は、第1剤にアルカリ剤や染料を含有し、第2剤に酸化剤を含有している。このクリーム状の染毛剤は、染毛前に第1剤と第2剤をトレー容器に移して用時混合した後、ハケを用いて毛髪を染毛する。そのため、染毛前に準備した第1剤と第2剤の混合液が足りなかったり多すぎたりする場合があり、無駄な作業やコストが生じる。
【0003】
一方、クリーム状の2剤式エアゾール型染毛剤または脱色剤組成物は、第1剤と第2剤をそれぞれブラシに直接吐出し、ブラシ上に第1剤と第2剤を留めた状態から直接毛髪に塗布し染毛または脱色する。そのため、手を汚さずに毛髪を染毛または脱色することができ、また、ブラシを使用することで第1剤と第2剤が手につかなくなるため、手についた薬剤によってエアゾール容器が手から滑り落ちるなどの心配もない。
【0004】
このような2剤式エアゾール型染毛剤または脱色剤組成物として、第1剤を充填した第1内装パウチおよび第2剤を充填した第2内装パウチを1つの耐圧容器に収納し、内装パウチと耐圧容器間に圧縮ガスを充填し、同一圧力を加えて第1剤と第2剤とを同時に吐出する二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-132555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、二重構造エアゾール容器内の第1剤および第2剤の内袋にかかる圧力は共に同じであり、第1剤および第2剤を等量充填・等量吐出の検討はなされていたが、第1剤および第2剤の充填量比および吐出量比を変更することにより、第1剤および第2剤の混合比を変更して色調を調整する検討はなされていなかった。特に、使用時の酸化染料およびまたはアルカリ剤を比較的高濃度とし染毛性や脱色性をより向上させることを目的として、比較的高濃度の酸化染料およびまたはアルカリ剤の配合を試みた場合、第1剤の塩濃度が高くなるため長期的な乳化安定性が悪くなることがあった。このため、一般的なクリーム状の染毛剤と同様に、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物で第1剤と第2剤の充填量比および吐出量比を調整することにより色調を調整することを試みた場合、二重構造エアゾール容器内の第1剤および第2剤の内袋にかかる圧力は共に同じであり目的の吐出量比で吐出することが困難であるため、この解決方法が求められていた。
【0007】
本発明は二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、第1剤と第2剤の混合比を等量から第1剤を第2剤より多くできることが可能な二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ剤を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤を備え、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、
第1剤には、
(A-1)グリセリン、ポリエチレングリコール、および1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上、
(B-1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(C-1)油性成分、
(D-1)炭素数16~22の高級アルコール、
(E-1)カチオン性界面活性剤を含有し、
第2剤には、
(A-2)グリセリン、ポリエチレングリコール、および1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上、
(B-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(C-2)油性成分
を含有し、
第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との充填量比(S2/S1)が0.59~1であることを特徴とする二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物が上記課題を解決すること見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0009】
本発明は二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、第1剤と第2剤の混合比を等量から第1剤を第2剤より多くできることが可能な二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ブラシの構成を示す説明図である。
図2】ブラシの構成を示す説明図である。
図3】二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物から吐出された第1剤と第2剤の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0011】
100・・・把持部
110・・・台型ブラシ
111・・・ブラシ台
112・・・細部用櫛部
113・・・長歯
114・・・短歯
120・・・櫛部
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0013】
本発明は、アルカリ剤を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤を備え、二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、
第1剤には、
(A-1)グリセリン、ポリエチレングリコール、および1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上、
(B-1)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(C-1)油性成分、
(D-1)炭素数16~22の高級アルコール、
(E-1)カチオン性界面活性剤を含有し、
第2剤には、
(A-2)グリセリン、ポリエチレングリコール、および1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上、
(B-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(C-2)油性成分、
を含有し、
第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との充填量比(S2/S1)が0.59~1であることを特徴とする二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物である。
【0014】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤について説明する。
【0015】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤は、(A-1)グリセリン、ポリエチレングリコールまたは1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上を含有する。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点からグリセリンが好ましい。
【0016】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有されるポリエチレングリコールとしては、特に限定されないが、好ましくは平均分子量が1000以下、より好ましくは400以下がよい。
【0017】
ここで、ポリエチレングリコールの平均分子量は、例えば、「医薬部外品原料規格2006」のポリエチレングリコールの項に記載の平均分子量試験に準じて求めることができる。
【0018】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(A-1)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~15%、より好ましくは1~10%、さらに好ましくは3~7%である。前記(A-1)成分が、0.5%未満または15%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0019】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤は、(B-1)ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する。
【0020】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(B-1)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、およびポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が使用できる。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O.)「HLB=14.6」、ポリオキシエチレンセチルエーテル(40E.O.)「HLB=17.6」が好ましい。なお、括弧内の値は、エチレンオキシド(E.O.)の平均付加モル数を意味する。
【0021】
本発明における「HLB」とは、親水性と親油性のバランス:HYDROPHILE―LIPOPHILE BALANCEの略称であって、界面活性剤の分子が持つ親水性と親油性の相対的な強さを表すパラメーターである。HLBの値が大きいほど親水性が強く、HLBの値が小さいほど親油性が強い。本明細書に記載のHLBは、公知の GRIFFIN の式から算出している。
【0022】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(B-1)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.2~7.5%であり、より好ましくは0.3~5%、さらに好ましくは0.5~3.75%である。前記(B-1)成分が、0.2%未満または7.5%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0023】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤は、(C-1)油性成分を含有する。
【0024】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(C-1)成分は、特に限定されないが、例えば、炭化水素、油脂、ロウ類、炭素数12~22の高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。また、前記(D-1)成分である炭素数が16~22の高級アルコール以外の、炭素数が6以上の高級アルコールは、前記(C-1)成分に含まれる。これら前記(C-1)成分は、1種以上を含有することができる。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、炭化水素が好ましい。
【0025】
炭化水素としては、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0026】
油脂としては、オリブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、ヒマワリ油、ゴマ油、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油等が挙げられる。
【0027】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ等が挙げられる。
【0028】
炭素数12~22の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
【0029】
エステル類としては、アジピン酸ジイソブチル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等が挙げられる。
【0030】
シリコーン類としては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0031】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(C-1)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2~20%であり、より好ましくは4~15%、さらに好ましくは6~12%である。前記(C-1)成分が、2%未満または20%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0032】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤は、(D-1)炭素数16~22の高級アルコールを含有する。
【0033】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(D-1)成分は、特に限定されないが、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられ1種以上を含有することができる。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、セタノール、ステアリルアルコールが好ましい。
【0034】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(D-1)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2~12%であり、より好ましくは3~10%、さらに好ましくは4~8%である。前記(D-1)成分が2%未満または12%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0035】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤は、(E-1)カチオン性界面活性剤を含有する。
【0036】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有できる前記(E-1)成分としては、特に限定されないが、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
【0037】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有できる前記(E-1)成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~15%である。前記(E-1)成分が、0.5未満または15%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0038】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤には、アルカリ剤が含有される。
【0039】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有されるアルカリ剤は、特に限定されないが、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の無機アルカリ類、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸およびそれらの塩等が挙げられ1種以上を含有することができる。
【0040】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤のアルカリ剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは1~10%であり、より好ましくは1.5~8%である。
【0041】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物のうち、クリーム状染毛剤の第1剤には、染料として酸化染料が含有される。
【0042】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物のうち、クリーム状染毛剤の第1剤に含有される酸化染料は、特に限定されないが、例えば、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、5-アミノオルトクレゾール、パラアミノフェノール、メタアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、ピクラミン酸、2-アミノ-5-ニトロフェノール、およびそれらの塩類等が挙げられ、その他「医薬部外品原料規格2006統合版」(2013年11月25日発行、薬事日報社)に収載されるものを適宜用いることができる。これらの酸化染料は単独で含有させてもよいし、2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0043】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物のうち、クリーム状染毛剤の第1剤には、染料として酸化染料の他にも、酸性染料、塩基性染料等が含有されてもよい。
【0044】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物のうち、クリーム状染毛剤の第1剤に含有される酸性染料や塩基性染料は、特に限定されないが、例えば、赤色104号の(1)、赤色227号、黄色202号(1)、だいだい色205号、緑色401号、紫色401号、黒色401号、8-アミノ-2-ブロム-5-ヒドロキシ-4-イミノ-6-[(3-(トリメチルアンモニオ)フェニル)アミノ]-1(4H)-ナフタリノン-クロライド、トリス(4-アミノ-3-メチルフェニル)-カルベニウム-クロライド、1-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトール-クロライド、1-[(4-アミノ-3-ニトロフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトール-クロライド、2-ヒドロキシ-1-[(2-メトキシフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-ナフタリン-クロライド、2-[2((2、4-ジメトキシフェニル)アミノ)エテニル]-1、3、3-トリメチル-3H-インドール-1-イウム-クロライド等が挙げられ1種以上を含有することができる。その他、「医薬品などに使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年厚生省告示)に収載されたものも適宜用いることができる。これらの酸性染料や塩基性染料は単独で含有させてもよいし、2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0045】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤には、酸化染料の安定性の向上のために、亜硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩等の酸化防止剤、エデト酸塩等の安定剤を使用することができる。また、他の成分としては、例えば、水、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アルコール、糖類、アミノ酸、植物抽出エキス、顔料、pH調整剤、香料、防腐剤等を使用することができる。これらの成分は、本発明の効果を阻害し得ない範囲であれば特に限定されず1種以上を含有することができる。
【0046】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤について説明する。
【0047】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤は、(A-2)グリセリン、ポリエチレングリコールまたは1,3-ブチレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上を含有する。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点からポリエチレングリコールが好ましい。
【0048】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有されるポリエチレングリコールとしては、特に限定されないが、好ましくは平均分子量が1000以下、より好ましくは400以下がよい。
【0049】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される前記(A-2)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~15%であり、より好ましくは1~10%、さらに好ましくは1.5~8%である。前記(A-2)成分が、0.5%未満または15%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0050】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤は、(B-2)ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する。
【0051】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤に含有される前記(B-1)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、およびポリオキシエチレンベヘニルエーテル等が使用できる。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、ポリオキシエチレンセチルエーテル(2E.O.)「HLB=5.4」、ポリオキシエチレンセチルエーテル(10E.O.)「HLB=12.9」、ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)「HLB=15.7」が好ましい。なお、括弧内の値は、エチレンオキシド(E.O.)の平均付加モル数を意味する。
【0052】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される前記(B-2)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2.5~25%であり、好ましくは5~20%、さらに好ましくは7.5~15%である。前記(B-2)成分が、2.5%未満または25%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0053】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤は、(C-2)油性成分を含有する。
【0054】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される前記(C-2)成分は、特に限定されないが、例えば、炭化水素、油脂、ロウ類、炭素数12~22の高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。また、前記(D-2)成分である炭素数が16~22の高級アルコール以外の、炭素数が6以上の高級アルコールは、前記(C-2)成分に含まれる。これら前記(C-2)成分は、1種以上を含有することができる。その中でも、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にさせる観点から、炭化水素が好ましい。
【0055】
炭化水素としては、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0056】
油脂としては、オリブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、ヒマワリ油、ゴマ油、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油等が挙げられる。
【0057】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ等が挙げられる。
【0058】
炭素数12~22の高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
【0059】
エステル類としては、アジピン酸ジイソブチル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル等が挙げられる。
【0060】
シリコーン類としては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0061】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される前記(C-2)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~12%であり、より好ましくは1~10%、さらに好ましくは2~8%である。前記(C-2)成分が、0.5%未満または12%を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0062】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物は、炭素数が16~22である高級アルコールを含有することができる。
【0063】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される前記高級アルコールは、特に限定されないが、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられ1種以上を含有することができる。
【0064】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤は、カチオン性界面活性剤を含有することができる。
【0065】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有できる前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0066】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤には、酸化剤が含有される。
【0067】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤に含有される酸化剤は、特に限定されないが、例えば、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム等が挙げられ1種以上を含有することができる。
【0068】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤の酸化剤の含有量は、好ましくは0.35~10%、より好ましくは1~8%である。
【0069】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第2剤には、酸化剤の安定性の向上のためにリン酸、リン酸塩等の酸、エチドロン酸塩などの金属封鎖剤を使用することができる。また、前述記載した成分の他、水、高級アルコール、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アルコール、糖類、アミノ酸、植物抽出エキス、pH調整剤、香料、防腐剤等が挙げられる。これらの成分は、本発明の効果を阻害し得ない範囲であれば特に限定されず1種以上を含有することができる。
【0070】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤および第2剤の20℃の条件下における第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との充填量比(S2/S1)は、0.59~1であり、好ましくは0.64~0.8、より好ましくは0.67~0.79である。
【0071】
本発明における充填量比(S2/S1)とは、第1剤の充填量(S1)と第2剤の充填量(S2)との比を表す。なお、充填量比の数値に関しては、少数第2位を四捨五入にて算出している。
【0072】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤および第2剤の20℃の条件下における第1剤の粘度(V1)と第2剤の粘度(V2)の粘度比(V2/V1)は、好ましくは0.4~0.83であり、より好ましくは0.45~0.77、さらに好ましくは0.5~0.71である。粘度比が0.4未満、または0.83を超える場合、第1剤と第2剤との吐出量比が第1剤と第2剤との充填量比と同等にならない恐れがある。
【0073】
本発明における粘度比(V2/V1)とは、第1剤の粘度(V1)と第2剤の粘度(V2)との比を表す。なお、粘度比の数値に関しては、少数第2位を四捨五入にて算出している。
【0074】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤および第2剤の20℃の条件下における粘度は、好ましくは5,000~50,000mPa・s、より好ましくは10,000~50,000mPa・s、さらに好ましくは15,000~40,000mPa・sがよい。
【0075】
本発明における「粘度」とは、本発明の二重構造エアゾール容器の内袋に充填された第1剤、または本発明の二重構造エアゾール容器の内袋に充填された第2剤を、20℃の条件下において測定した粘度を表している。
【0076】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物の第1剤および第2剤の20℃の条件下における粘度は、常法にて調製して得られた第1剤および第2剤を各々サンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、20℃で2日間放置した後に、B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、M4号ローターを用いて20℃、12rpmで1分間回転させた後に測定したものである。
【0077】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物は、第1剤を充填した第1内装パウチおよび第2剤を充填した第2内装パウチを1つの耐圧容器に収納され、内装パウチと耐圧容器間に圧縮ガスを充填した、第1剤と第2剤とを同時に吐出する機構を有する二重構造エアゾール容器を用いることができる。
【0078】
上記二重構造エアゾール容器としては、例えば、特開2005-231644号公報に記載された二重構造エアゾール容器等を用いることができる。
【0079】
本発明の耐圧容器の材質としては、アルミ、PET 、ポリアクリレート、ナイロン、ポリプロピレン、ブリキ等を用いることができる。
【0080】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチの材質としては、好ましくは最内層をポリオレフィン層、その外側層を少なくともガスバリア層とした複層構造であり、より好ましくは最内層をポリオレフィン層、中間層をAl箔層、外層をPET層とした複層構造である。
【0081】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチの材質の厚さは、ポリオレフィン内層の厚さは好ましくは20~200μm、より好ましくは35~120μm、Al箔中間層の厚さは好ましくは5~15μm、より好ましくは7~12μm、PET外層の厚さは好ましくは10~25μm、より好ましくは10~20μmである。
【0082】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチの全体の厚さは、好ましくは35~240μm、より好ましくは50~200μmである。
【0083】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチの曲げ剛性の値は、好ましくは0.2~3.0gf・cm2/cm、より好ましくは0.3~2.2gf・cm2/cmである。
【0084】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチのヒステリシスの値は、好ましくは1.5gf・cm/cm以下、より好ましくは1.2gf・cm/cm以下である。
【0085】
本発明の第1内装パウチおよび第2内装パウチの曲げ剛性およびヒステリシスは、1内装パウチおよび第2内装パウチの4cm×4cmの試験片を用いてカトーテック社製の曲げ試験機KES-FB2-Sにより25℃で測定したものである。
【0086】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物に使用される圧縮ガスとしては、例えば、ジメチルエーテル、液化石油ガス、窒素ガス、代替フロン等、一般にエアゾール製品に用いられるものや、圧縮空気等を用いることができる。これらの中でも特に安全性の面から、窒素ガスを用いることがよい。
【0087】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物は、第1剤と第2剤にかかる初期内圧は、吐出性の面から好ましくは25℃において0.3~1.0MPa、さらに好ましくは0.4~0.8MPaである。
【0088】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物は、使用性および手を汚さない観点から、ブラシを使用することができる。
【0089】
本発明の二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物に使用するブラシとしては、エアゾール型染毛剤または脱色剤組成物の吐出口より吐出された第1剤と第2剤を留めておく必要があるため、例えば、台のようなものに歯が設置された形状のもの(以下、台型ブラシという)であることが好ましい。歯は、台型ブラシの片面のみ設置されてもよいし、両面に設置されてもよい。さらに、台型ブラシに設置された歯は、台型ブラシの片面に一定の間隔をもって設置されていることが好ましい。
【0090】
上記ブラシとしては、例えば、特開2005-97310号公報に記載されたブラシを用いることができる。
【実施例0091】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0092】
本明細書に示す評価試験において、第1剤および第2剤に含まれる成分、およびその含有量を種々変更しながら実施した。各成分の含有量を示す単位はすべて質量%であり、これを常法にて調製した。なお、表において、「ポリオキシエチレン」は「POE」と表記した。
【0093】
本明細書に示す評価試験において、「第1剤と第2剤との吐出量比」について下記の方法で評価した。
【0094】
「第1剤と第2剤との吐出量比」
本明細書に示す「第1剤と第2剤との吐出量比」に係る評価試験においては、第1剤を充填した第1内装パウチおよび第2剤を充填した第2内装パウチを1つの耐圧容器に収納し、内装パウチと耐圧容器間に圧縮ガスを充填した第1剤と第2剤とを別々の容器に同時に吐出する機構を有する二重構造エアゾール容器を用い、本明細書に示す実施例の第1剤と第2剤を二重構造エアゾール容器内の内袋中に、第1剤の充填量(S1)に対する第2剤の充填量(S2)の比「S2/S1」となるように、第1剤と第2剤を合計100g充填し、内袋と耐圧容器間に第1剤および第2剤にかかる内圧が0.7MPa(25℃)となるように圧縮窒素ガスを充填した二重構造エアゾール容器を用いた染毛剤または脱色剤組成物を調整し、第1剤と第2剤とを別々の容器に同時に5秒間吐出を繰り替えし実施し、5秒毎の第1剤および第2剤の吐出量を繰り返し測定し、下記の測定箇所にて第1剤の吐出量(Q1)に対する第2剤の吐出量(Q2)の比「Q2/Q1」を算出し、第1剤の充填量に対する第2剤の充填量の比「S2/S1」と、第1剤の吐出量に対する第2剤の吐出量の比「Q2/Q1」との差「(S2/S1)-(Q2/Q1)」について評価した。算出された値の絶対値が小さいほど理想の吐出量に近いといえる。
<測定箇所>
(1) 吐出初期:吐出開始時の吐出量を測定
(2) 吐出中期:二重構造エアゾール容器内の第1剤と第2剤の残量の合計が50gから70gとなった範囲での吐出を開始した箇所1点を測定
(3) 吐出終期:二重構造エアゾール容器内の第1剤と第2剤の残量の合計が20gから40gとなった範囲での吐出を開始した箇所1点を測定
<評価基準>
◎:「(S2/S1)-(Q2/Q1)」=-0.05~0.05
〇:「(S2/S1)-(Q2/Q1)」=-0.1~0.1 ※「◎」の範囲は除く
△:「(S2/S1)-(Q2/Q1)」=-0.2~0.2 ※「◎」および「〇」の範囲は除く
×:「◎」、「〇」、「△」の範囲外
【0095】
【表1】
【0096】
表1に記載の実施例1から実施例6および比較例1、比較例2について試験を実施した。実施例1から実施例6は、「第1剤と第2剤との吐出量比」について良好な結果を示した。
【0097】
以下に、表2から表11に第1剤の処方例、表12から表18に第2剤の処方例を列挙する。以下の第1剤および第2剤の処方例を組み合わせて実施し、「第1剤と第2剤との吐出量比」について良好な結果を得た。
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
【表9】
【0106】
【表10】
【0107】
【表11】
【0108】
【表12】
【0109】
【表13】
【0110】
【表14】
【0111】
【表15】
【0112】
【表16】
【0113】
【表17】
【0114】
【表18】
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明により、本発明は二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物であって、第1剤と第2剤の混合比を等量から第1剤を第2剤より多くできることが可能な二重構造エアゾール容器を用いたクリーム状染毛剤または脱色剤組成物が得られる。
図1
図2
図3