(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114216
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】光モジュールおよび光制御装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02255 20210101AFI20240816BHJP
H01S 5/02355 20210101ALI20240816BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01S5/02255
H01S5/02355
G02B26/10 104Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019843
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】中西 裕美
【テーマコード(参考)】
2H045
5F173
【Fターム(参考)】
2H045AB01
2H045BA12
2H045BA24
5F173MA10
5F173MC15
5F173MD59
5F173MD64
5F173ME22
5F173ME33
5F173ME44
5F173ME47
5F173ME85
5F173MF03
5F173MF18
5F173MF27
5F173MF28
(57)【要約】
【課題】レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる光モジュールを提供する。
【解決手段】光モジュールは、第1レーザダイオードと、第1サブマウントと、第1基板と、第1透過窓を有し、第1基板にハーメチックシールされて第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを覆う第1キャップと、第1キャップに固定されて、第1基板と第1キャップとによって取り囲まれる第1空間の外部に配置され、第1透過窓を透過した光を第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ反射する第1反射ミラーと、を備える。第1サブマウントは、第1-1面と、第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含む。第1レーザダイオードは、第1主面に対して第1の光の光軸方向が平行となるように第1-1面に搭載される。第1サブマウントは、第1-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光を出射する第1レーザダイオードと、
前記第1レーザダイオードを搭載する第1サブマウントと、
前記第1サブマウントを搭載する第1主面を有する第1基板と、
前記第1レーザダイオードから出射される前記第1の光を透過する第1透過窓を有し、前記第1基板にハーメチックシールされて前記第1レーザダイオードおよび前記第1サブマウントを覆う第1キャップと、
前記第1キャップに固定されて、前記第1基板と前記第1キャップとによって取り囲まれる第1空間の外部に配置され、前記第1レーザダイオードから出射され、前記第1透過窓を透過した光を前記第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ反射する第1反射ミラーと、を備え、
前記第1サブマウントは、
第1-1面と、
前記第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含み、
前記第1レーザダイオードは、前記第1主面に対して前記第1の光の光軸方向が平行となるように前記第1-1面に搭載され、
前記第1サブマウントは、前記第1-2面と前記第1主面とが対向するように前記第1基板に搭載される、光モジュール。
【請求項2】
前記第1空間の外部に配置され、光の中心波長帯域および偏光方向の少なくともいずれか一つが前記第1の光と異なる第4の光を出射する第4レーザダイオードと、
前記第1空間の外部に配置され、前記第4レーザダイオードを搭載する第4サブマウントと、
前記第1空間の外部に配置され、前記第4サブマウントを搭載する第2主面を有する第2基板と、
前記第4レーザダイオードから出射される前記第4の光を透過する第2透過窓を有し、前記第2基板にハーメチックシールされて前記第4レーザダイオードおよび前記第4サブマウントを覆う第2キャップと、
前記第2キャップに固定されて、前記第1反射ミラーと前記走査ミラーとの間であって、前記第2基板と前記第2キャップとによって取り囲まれる第2空間および前記第1空間の外部に配置され、前記第1の光と前記第4の光とを合波するフィルタと、をさらに備える、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第1の光の中心波長帯域と前記第4の光の中心波長帯域とは、同じであり、
前記第1の光の偏光方向は、前記第4の光の偏光方向と異なる、請求項2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第4サブマウントは、
前記第4レーザダイオードを搭載する第4-1面と、
前記第4-1面と垂直に交差する第4-2面と、
前記第4-2面と垂直に交差し、前記第4-1面と間隔をあけて配置される第4-3面と、を含み、
前記第4サブマウントは、前記第4-3面と前記第2主面とが対向するように、前記第2基板に搭載される、請求項2に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記第1の光の中心波長帯域と前記第4の光の中心波長帯域とは、異なる、請求項2に記載の光モジュール。
【請求項6】
第1の光を出射する第1レーザダイオードと、
前記第1レーザダイオードを搭載する第1サブマウントと、
前記第1サブマウントを搭載する第1主面を有する第1基板と、
前記第1レーザダイオードから出射される前記第1の光を透過する第1透過窓を有し、前記第1基板にハーメチックシールされて前記第1レーザダイオードおよび前記第1サブマウントを覆う第1キャップと、を備え、
前記第1サブマウントは、
第1-1面と、
前記第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含み、
前記第1レーザダイオードは、前記第1主面に対して前記第1の光の光軸方向が傾斜するように前記第1-1面に搭載され、
前記第1サブマウントは、前記第1-2面と前記第1主面とが対向するように前記第1基板に搭載される、光モジュール。
【請求項7】
前記第1レーザダイオードは、
前記第1の光が出射する側の端面である第1端面と、
前記第1端面と前記第1の光の出射方向において反対側に位置する第2端面と、を含み、
前記第1端面は、前記第1端面に垂直な方向から見て、
前記第1レーザダイオードの厚さ方向であり前記第1基板に近い方の第1辺と、
前記第1辺の反対側に位置する第2辺と、を含み、
前記第1-1面に垂直な方向から見て、前記第1辺および前記第2辺のいずれか一方は、前記第1-1面と重なり、前記第1辺および前記第2辺の他方は、前記第1-1面から突出している、請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
光の中心波長帯域が前記第1の光と異なる第2の光を出射する第2レーザダイオードと、
前記第1サブマウントと隣り合って配置され、前記第2レーザダイオードを搭載する第2サブマウントと、をさらに備え、
前記第2サブマウントは、
第2-1面と、
前記第2-1面と垂直に交差する第2-2面と、を含み、
前記第2レーザダイオードは、前記第1主面に対して前記第2の光の光軸方向が傾斜するように前記第2-1面に搭載され、
前記第2サブマウントは、前記第2-2面と前記第1主面とが対向するように前記第1基板に搭載される、請求項6または請求項7に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記第1基板には、前記第1レーザダイオードと電気的に接続される回路パターンが形成されている、請求項1または請求項6に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記第1サブマウントは、前記第1-1面と垂直に交差し、前記第1-2面と間隔をあけて配置される第1-4面を含み、
前記第1サブマウントには、前記第1-1面および前記第1-4面に跨って第1パッドが設けられており、
前記第1レーザダイオードは、前記第1-1面に設けられた前記第1パッドと、第1ワイヤボンディングを介して電気的に接続され、
前記回路パターンは、前記第1-4面に設けられた前記第1パッドと、第2ワイヤボンディングを介して電気的に接続される、請求項9に記載の光モジュール。
【請求項11】
前記第1サブマウントには、前記第1-1面および前記第1-2面に跨って第1パッドが設けられており、
前記第1レーザダイオードは、前記第1-1面に設けられた前記第1パッドと、第1ワイヤボンディングを介して電気的に接続され、
前記回路パターンは、前記第1-2面に設けられた前記第1パッドと導電材料を介して接触することにより電気的に接続される、請求項9に記載の光モジュール。
【請求項12】
請求項1または請求項6に記載の光モジュールと、
前記第1空間の外部に配置され、前記第1の光が入射する走査ミラーを含み、前記走査ミラーを走査するミラー駆動機構と、を含む、光制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光モジュールおよび光制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザダイオードを含む光モジュールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光モジュールは、レーザ光を出射するレーザダイオードを含む。レーザダイオードから出射される光については、所望の出射方向へ出射されることが望ましい。この場合、光の出力に対する影響をできるだけ低減することが望ましい。
【0005】
そこで、レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる光モジュールを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従った光モジュールは、第1の光を出射する第1レーザダイオードと、第1レーザダイオードを搭載する第1サブマウントと、第1サブマウントを搭載する第1主面を有する第1基板と、第1レーザダイオードから出射される第1の光を透過する第1透過窓を有し、第1基板にハーメチックシールされて第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを覆う第1キャップと、第1キャップに固定されて、第1基板と第1キャップとによって取り囲まれる第1空間の外部に配置され、第1レーザダイオードから出射され、第1透過窓を透過した光を第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ反射する第1反射ミラーと、を備える。第1サブマウントは、第1-1面と、第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含む。第1レーザダイオードは、第1主面に対して第1の光の光軸方向が平行となるように第1-1面に搭載される。第1サブマウントは、第1-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載される。
【発明の効果】
【0007】
このような光モジュールによると、レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1における光モジュールを含む光制御装置の概略断面図である。
【
図2】
図2は、それぞれ後述する第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを拡大して示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態2に係る光モジュールを含む光制御装置の概略断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態3に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態4に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態5に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示す光モジュールを含む光制御装置の概略平面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態6に係る光モジュールに含まれる第1サブマウント周辺を拡大して示す概略斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態7に係る光モジュールに含まれる第1サブマウント周辺を拡大して示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、実施の形態8に係る光制御装置に含まれる光モジュールの概略斜視図である。
【
図11】
図11は、
図10に示す光モジュールのキャップを取り除いた状態を示す外観斜視図である。
【
図12】
図12は、
図10に示す光モジュールのキャップを取り除いた状態を示す外観平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係る光モジュールは、
(1)第1の光を出射する第1レーザダイオードと、第1レーザダイオードを搭載する第1サブマウントと、第1サブマウントを搭載する第1主面を有する第1基板と、第1レーザダイオードから出射される第1の光を透過する第1透過窓を有し、第1基板にハーメチックシールされて第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを覆う第1キャップと、第1キャップに固定されて、第1基板と第1キャップとによって取り囲まれる第1空間の外部に配置され、第1レーザダイオードから出射され、第1透過窓を透過した光を第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ反射する第1反射ミラーと、を備える。第1サブマウントは、第1-1面と、第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含む。第1レーザダイオードは、第1主面に対して第1の光の光軸方向が平行となるように第1-1面に搭載される。第1サブマウントは、第1-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載される。
【0010】
このような光モジュールによると、第1レーザダイオードは、第1サブマウントに搭載されているため、第1レーザダイオードの駆動時における発熱を第1サブマウントにより効率的に放熱することができる。第1レーザダイオードは、第1キャップと第1基板とによりハーメチックシールされた第1空間内に配置されているため、第1レーザダイオードから出射されるレーザ光(第1の光)の出力を安定させて高出力とすることができる。第1キャップには、第1透過窓が設けられているため、第1レーザダイオードから出射された第1の光を、第1透過窓を通して第1空間の外部に出射することができる。また、第1空間の外部には、第1キャップに固定されて第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ第1の光を反射する第1反射ミラーが備えられている。したがって、この第1反射ミラーを利用して第1透過窓を透過した第1の光を第1キャップの外部の所望する方向に角度を変えて出射することができる。
【0011】
第1レーザダイオードは、安定した光の出射を実現すべく高精度に位置決めすると共に、放熱や電子回路上の特性を確保する観点から、予め第1基板上の所定の位置に配置した上で第1キャップによりハーメチックシールした後、例えば高温処理を伴うリフローにより第1基板上に固定されることが好ましい。ここで、第1レーザダイオードから出射された第1の光の出射方向を所望の角度に変える際に、ミラーといった光学部品を用いる場合がある。このような光学部品は、固定された第1レーザダイオードの光軸等を考慮して、樹脂製の接合材によりその位置が微調整されて第1基板に取り付けられる。ハーメチックシールされて密封空間となった第1空間内に、光学部品を接合する樹脂製の接合材が存在すると、高温となるリフロー環境に接合剤が耐え切れず、接合材の炭化や光学部品の軸ずれを引き起こすこととなる。そうすると、光学部品の取り付けにおける強度的な問題や精度的な問題等が生ずるおそれがある。また、リフロー温度に曝された樹脂製の接合材において、接合材を構成する分子の一部が第1空間内において気化して第1空間内を汚染し、その結果、第1レーザダイオードの出力の低下を招くおそれがある。
【0012】
しかし、上記構成によると、第1の光を所望する方向に角度を変えて出射する第1反射ミラーが第1空間の外部に備えられているため、ハーメチックシールされた第1空間内に、樹脂製の接合材を用いて光学部品等を取り付ける必要がない。したがって、第1レーザダイオードのリフローによる高精度な位置決めを実現すると共に、ハーメチックシールされた第1空間内の汚染に基づく第1レーザダイオードの出力の低下を防止することができる。この場合、第1キャップに固定された第1反射ミラーにより第1の光を所望する方向に角度を変えて出射することができるため、上記したように透過窓を透過した第1の光を第1キャップの外部の所望する方向に角度を変えて出射することができる。
【0013】
ここで、第1レーザダイオードは、第1の光の光軸方向が平行となるように、第1-1面に搭載され、第1サブマウントは、第1-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載されている。上記光モジュールは、このような用途が求められる場合に、有効に利用される。また、第1レーザダイオードは、搭載される第1サブマウントにより十分に放熱することができる。
【0014】
以上より、このような光モジュールによると、レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる。
【0015】
(2)上記(1)において、光モジュールは、第1空間の外部に配置され、光の中心波長帯域および偏光方向の少なくともいずれか一つが第1の光と異なる第4の光を出射する第4レーザダイオードと、第1空間の外部に配置され、第4レーザダイオードを搭載する第4サブマウントと、第1空間の外部に配置され、第4サブマウントを搭載する第2主面を有する第2基板と、第4レーザダイオードから出射される第4の光を透過する第2透過窓を有し、第2基板にハーメチックシールされて第4レーザダイオードおよび第4サブマウントを覆う第2キャップと、第2キャップに固定されて、第1反射ミラーと走査ミラーとの間であって、第2基板と第2キャップとによって取り囲まれる第2空間および第1空間の外部に配置され、第1の光と第4の光とを合波するフィルタと、をさらに備えてもよい。このようにすることにより、光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる第1レーザダイオードから出射される第1の光と、光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる第4レーザダイオードから出射される第4の光と、を合波して、出力の増大を図ったり、複数の色の光を出射することができる。したがって、よりユーザの利便性の向上を図った光モジュールを得ることができる。ここで、光の中心波長帯域が異なるとは、例えば第1の光の中心波長帯域と第4の光の中心波長帯域との差が、30nmよりも大きいことをいう。
【0016】
(3)上記(2)において、第1の光の中心波長帯域と第4の光の中心波長帯域とは、同じであってもよい。第1の光の偏光方向は、第4の光の偏光方向と異なってもよい。このようにすることにより、光の中心波長帯域が同じであり、偏光方向の異なる第1の光と第4の光とを同じ傾斜の角度で出射して合波することが容易となる。そうすると、偏光方向の異なる第1の光と第4の光とを合波して、光の中心波長帯域が同じ第1の光の出力を高くすることができる。ここで、光の中心波長帯域が同じとは、第1の光の中心波長帯域と第4の光の中心波長帯域との差が、偏光方向が同じであるときに互いに可干渉性を有する程度の波長の差のことをいう。
【0017】
(4)上記(2)または(3)において、第4サブマウントは、第4レーザダイオードを搭載する第4-1面と、第4-1面と垂直に交差する第4-2面と、第4-2面と垂直に交差し、第4-1面と間隔をあけて配置される第4-3面と、を含んでもよい。第4サブマウントは、第4-3面と第2主面とが対向するように、第2基板に搭載されてもよい。上記光モジュールは、第4の光がこのような偏光方向であることをユーザが所望する場合に、容易に対応することができる。
【0018】
(5)上記(2)から(4)のいずれかにおいて、第1の光の中心波長帯域と第4の光の中心波長帯域とは、異なってもよい。このようにすることにより、第1の光に加え、光の中心波長帯域の異なる第4の光を所望の出射方向へ出射することができる。この場合、第1レーザダイオードの傾斜の角度と第4レーザダイオードの傾斜の角度を同じとすることにより、第1の光と第4の光とを同じ角度で出射することができる。そうすると、出射された第1の光と第4の光とを合波することが容易となる。
【0019】
また、本開示に係る光モジュールは、
(6)第1の光を出射する第1レーザダイオードと、第1レーザダイオードを搭載する第1サブマウントと、第1サブマウントを搭載する第1主面を有する第1基板と、第1レーザダイオードから出射される第1の光を透過する第1透過窓を有し、第1基板にハーメチックシールされて第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを覆う第1キャップと、を備える。第1サブマウントは、第1-1面と、第1-1面と垂直に交差する第1-2面と、を含む。第1レーザダイオードは、第1主面に対して第1の光の光軸方向が傾斜するように第1-1面に搭載される。第1サブマウントは、第1-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載される。
【0020】
このような光モジュールによると、第1レーザダイオードは、第1主面に対して第1の光の光軸方向が傾斜するように第1-1面に搭載されるため、第1レーザダイオードを出射したい方向に第1レーザダイオードを傾斜させて、所望する方向に第1の光を出射することができる。そして、第1基板の角度等を調整して、第1透過窓を透過した第1の光を第1キャップの外部の所望する方向に角度を変えて出射することができる。また、ハーメチックシールされた第1空間内に、樹脂製の接合材を用いて光学部品等を取り付ける必要がない。したがって、例えば、第1レーザダイオードのリフローによる高精度な位置決めを実現すると共に、ハーメチックシールされた第1空間内の汚染に基づく第1レーザダイオードの出力の低下を防止することができる。したがって、このような光モジュールによると、レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる。
【0021】
(7)上記(6)において、第1レーザダイオードは、第1の光が出射する側の端面である第1端面と、第1端面と第1の光の出射方向において反対側に位置する第2端面と、を含んでもよい。第1端面は、第1端面21gに垂直な方向から見て、第1レーザダイオードの厚さ方向であり第1基板に近い方の第1辺と、第1辺の反対側に位置する第2辺と、を含んでもよい。第1-1面に垂直な方向から見て、第1辺および第2辺のいずれか一方は、第1-1面と重なり、第1辺および第2辺の他方は、第1-1面から突出していてもよい。このようにすることにより、第1の光が第1-1面に遮られず強い光強度を維持し、かつ、第1レーザダイオードを効率よく放熱することができる。したがって、光の出力の大きさを維持し、かつ、安定させることができる。
【0022】
(8)上記(6)または(7)において、光モジュールは、光の中心波長帯域が第1の光と異なる第2の光を出射する第2レーザダイオードと、第1サブマウントと隣り合って配置され、第2レーザダイオードを搭載する第2サブマウントと、をさらに備えてもよい。第2サブマウントは、第2-1面と、第2-1面と垂直に交差する第2-2面と、を含んでもよい。第2レーザダイオードは、第1主面に対して第2の光の光軸方向が傾斜するように第2-1面に搭載されてもよい。第2サブマウントは、第2-2面と第1主面とが対向するように第1基板に搭載されてもよい。このようにすることにより、光の中心波長帯域が第1の光と異なる第2の光を出射する第2レーザダイオードは、第1主面に対して第2の光の光軸方向が傾斜するように第2-1面に搭載されるため、第2の光を出射したい方向に第2レーザダイオードを傾斜させて、所望する方向に第2の光を出射することができる。そうすると、第1の光に加え、第2の光を所望の出射方向へ出射することができる。この場合、第1レーザダイオードの傾斜の角度と第2レーザダイオードの傾斜の角度を同じとすることにより、第1の光と第2の光とを同じ角度で出射することができる。そうすると、光の中心波長帯域の異なる第1の光と第2の光とを合波して複数の色の光を出射することが容易となる。
【0023】
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、第1基板には、第1レーザダイオードと電気的に接続される回路パターンが形成されていてもよい。このようにすることにより、第1レーザダイオードの動作を制御する配線の取り回しをより簡略化することができる。したがって、装置構成のコンパクト化を図ることが容易となる。
【0024】
(10)上記(9)において、第1サブマウントは、第1-1面と垂直に交差し、第1-2面と間隔をあけて配置される第1-4面を含んでもよい。第1サブマウントには、第1-1面および第1-4面に跨って第1パッドが設けられていてもよい。第1レーザダイオードは、第1-1面に設けられた第1パッドと、第1ワイヤボンディングを介して電気的に接続されてもよい。回路パターンは、第1-4面に設けられた第1パッドと、第2ワイヤボンディングを介して電気的に接続されてもよい。このようにすることにより、第1パッドと第1レーザダイオード、第1レーザダイオードと回路パターンとを接続するそれぞれのワイヤを短くすることができ、ワイヤの配線抵抗の低減を図ることができる。
【0025】
(11)上記(9)または(10)において、第1サブマウントには、第1-1面および第1-2面に跨って第1パッドが設けられていてもよい。第1レーザダイオードは、第1-1面に設けられた第1パッドと、第1ワイヤボンディングを介して電気的に接続されてもよい。回路パターンは、第1-2面に設けられた第1パッドと、導電材料を介して接触することにより電気的に接続されてもよい。このようにすることにより、第1レーザダイオードと第1パッドとをワイヤで電気的に接続しながら、ワイヤを用いることなく回路パターンと第1パッドとを電気的に接続することができ、より配線抵抗の低減を図ることができる。
【0026】
(12)本開示に係る光制御装置は、上記(1)から(11)のいずれかの光モジュールと、第1空間の外部に配置され、第1の光が入射する走査ミラーを含み、走査ミラーを走査するミラー駆動機構と、を含む。
【0027】
このような光制御装置によると、光モジュールから出射された第1の光を走査して、レーザ光による文字や図形を描画することが容易となる。この場合、光制御装置は、レーザダイオードから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる上記構成の光モジュールを含むため、安定して高品質な画像を描画することができる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の光モジュールおよび光制御装置の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0029】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1における光モジュールおよび光制御装置について説明する。
図1は、実施の形態1における光モジュールを含む光制御装置の概略断面図である。
図2は、それぞれ後述する第1レーザダイオードおよび第1サブマウントを拡大して示す概略斜視図である。
図1および
図2において、X方向は、後述する第1レーザダイオードから出射される第1の光の光軸方向を示し、Z方向は、光制御装置の高さ方向を示す。Z方向は、X方向に垂直である。Y方向は、X方向およびZ方向にそれぞれ垂直な方向である。
図1は、X-Z平面で切断した場合の断面図である。理解を容易にする観点から、
図1に示す構成部材の一部およびハッチングを省略して図示している。
【0030】
図1および
図2を参照して、実施の形態1における光制御装置10aは、光モジュール11aと、ミラー駆動機構12aと、を含む。光制御装置10aは、光モジュール11aおよびミラー駆動機構12aを支持する土台部19aを含む。光制御装置10aは、光モジュール11aに含まれる第1レーザダイオード20aから出射される第1の光をミラー駆動機構12aで走査しながら光制御装置10aの外部へ出射し、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光を用いて、文字や図形等の画像13aを描画する。
【0031】
光モジュール11aは、第1レーザダイオード20aと、第1レーザダイオード20aを搭載する第1サブマウント30aと、第1サブマウント30aを搭載する第1基板40aと、第1キャップ50aと、第1反射ミラー60aと、を含む。第1レーザダイオード20aは、第1の光を出射する。第1レーザダイオード20aは、第1の光が出射する側の端面である第1端面21aと、第1端面21aと第1の光の出射方向において反対側に位置する第2端面22aと、を含む。第1端面21aに垂直な方向から見て、第1端面21aは、第1レーザダイオード20aの厚さ方向であり第1基板40aに近い方の第1辺25a(Y方向に平行)と、第1辺25aの反対側に位置する第2辺26aと、(後述する)第1-1面31a側に位置する第3辺27a(第1-1面31aに平行)と、第3辺27aの反対側に位置する第4辺28aと、を含む。第1の光は、第3辺27aから出射される。ここで、第3辺27aから出射されるとは、厳密に第3辺27aのみから出射されることを意味するものではなく、第3辺27a近傍から出射されることを含む(他の実施例も同様の意味である)。第1レーザダイオード20aから出射された第1の光は、第1の光路L1に沿って進行する。第1の光路L1は、第1の光の光軸方向(X方向)に沿って延びている。第1の光としては、例えば、光の中心波長帯域が638nmである赤色の光が挙げられる。
【0032】
第1サブマウント30aの形状は、直方体形状である。第1サブマウント30aは、第1-1面31aと、第1-2面32aと、第1-3面33aと、第1-4面34aと、第1-5面35aと、第1-6面36aと、を含む。第1-2面32a、第1-4面34a、第1-5面35aおよび第1-6面36aはそれぞれ、第1-1面31aと垂直に交差する。第1-5面35aは、第1-2面32aおよび第1-4面34aとそれぞれ垂直に交差する。第1-6面36aは、第1-2面32aおよび第1-4面34aとそれぞれ垂直に交差する。第1-1面31aと第1-3面33aとは、X-Z平面に平行である。第1-2面32aと第1-4面34aとは、X-Y平面に平行である。第1-5面35aと第1-6面36aとは、Y-Z平面に平行である。
【0033】
第1レーザダイオード20aは、第1サブマウント30aにおいて、第1-1面31a上に搭載される。すなわち、第1レーザダイオード20aは、第1サブマウント30aのいわゆる側面に取り付けられる。このように取り付けられることにより、例えば、第1の光の偏光方向は、Z方向(垂直方向)となる。
【0034】
第1レーザダイオード20aは、第1端面21aが第1-5面35a側となるように搭載される。第1レーザダイオード20aは、Y方向から見て、第1端面21aが第1-1面31aから突出するように第1サブマウント30a上に配置される。具体的には、第1レーザダイオード20aは、第1端面21aが第1-5面35a側に突出するように配置される。このように配置することで、第1の光が第1サブマウント30aに遮光されるのを防ぎ、効率よく第1の光を出射することができる。
【0035】
第1基板40aは、平板状であって、Z方向である厚さ方向に位置する第1主面41aを含む。第1主面41a上に第1サブマウント30aが搭載される。第1サブマウント30aは、第1-2面32aが第1主面41aと対向するように第1基板40aに搭載される。この場合、はんだ等の接合材を介して第1主面41a上に第1サブマウント30aが固定される。上記した第1レーザダイオード20aは、第1主面41aに対して第1の光の光軸方向(X方向)が平行となるように、第1-1面31a上に搭載される。
【0036】
第1キャップ50aは、第1基板40aにハーメチックシールされる。第1キャップ50aは、第1レーザダイオード20aおよび第1サブマウント30aを覆う。第1キャップ50aは、第1基板40aとの間に第1空間51aを形成する。すなわち、第1レーザダイオード20aおよび第1サブマウント30aは、第1空間51a内に配置される。第1空間51aは、減圧された空間である。第1キャップ50aは、第1透過窓52aを有する。第1透過窓52aは、例えばガラス製であり、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光を透過する。第1透過窓52aは、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の出射方向に設けられている。
【0037】
第1反射ミラー60aは、第1空間51aの外部に配置される。第1キャップ50aには、第1の光が出射する側に突出する突出部53aが形成されている。突出部53aは、第1空間51aの外部に配置される。第1反射ミラー60aは、第1キャップ50aに固定される。具体的には、第1反射ミラー60aは、突出部53aに取り付けられる。第1反射ミラー60aは、第1反射面61aが第1透過窓52aを透過した第1の光路L1上に配置するように取り付けられる。第1反射ミラー60aは、第1反射面61aが第1の光の光軸方向(X方向)に対して傾斜して配置される。第1反射ミラー60aは、第1透過窓52aを透過した第1の光を、第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ反射する。第1反射ミラー60aによって反射された第1の光は、光路Lrに沿って進行する。
【0038】
第1レーザダイオード20aから出射された第1の光路L1を進行する第1の光は、第1空間51a内を通り、第1透過窓52aを透過して、第1空間51aの外部に出射される。第1空間51aの外部に出射された第1の光は、第1の光路L1に沿って進行し、第1反射ミラー60aの第1反射面61aに到達する。第1反射面61aは、第1の光の光軸方向に対して傾斜しているため、第1反射面61aにより第1の光の光軸に対して角度を変えて光路Lrに沿って反射される。
【0039】
光モジュール11aは、拡散光であるレーザ光を集光する集光レンズ14aを含む。集光レンズ14aは、光路Lr上に配置される。集光レンズ14aにより、光路Lrを進行する第1の光が集光される。集光レンズ14aを通過した第1の光は、光路Lrに沿って進行し、ミラー駆動機構12aに到達する。
【0040】
次に、ミラー駆動機構12aの構成について簡単に説明する。ミラー駆動機構12aは、第1空間51aの外部に配置される。ミラー駆動機構12aは、第1の光が入射する走査ミラー15aと、走査ミラー15aを支持する支持部16aと、を含む。走査ミラー15aは、支持部16aに揺動可能に支持される。ミラー駆動機構12aは、光制御装置10aの動作時においては、走査ミラー15aを高速で揺動運動させる。
【0041】
光路Lrに沿って進行した第1の光は、走査ミラー15aに入射する。走査ミラー15aに入射する際の第1の光の入射の角度θは、例えば45度である。高速で揺動運動する走査ミラー15aにより反射された第1の光は、光路Lsに沿って進行し、光制御装置10aの外部において、レーザ光による画像13aを描画する。
【0042】
ここで、上記した光モジュール11aの製造方法について、簡単に説明する。まず、第1基板40aを準備し、第1基板40aの第1主面41a上に、第1レーザダイオード20aを第1-1面31aに搭載した第1サブマウント30aを搭載する。この場合、第1サブマウント30aの第1-2面32aと第1主面41aとの間にはんだ等の接合材を配置する。その後、第1主面41aに第1キャップ50aを被せる。この時、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光が第1透過窓52aから出射されるように、第1主面41a上において第1キャップ50aを配置する。そして、第1基板40aに第1キャップ50aをハーメチックシールして固定する。その後、はんだを溶融させ、第1基板40aの第1主面41a上に第1レーザダイオード20aを搭載した第1サブマウント30aを固定する。その後、必要に応じて、第1反射ミラー60aの傾斜の角度等、取り付け位置を調整する。
【0043】
なお、このようにして製造された光モジュール11aを用い、光路Lrや画像13aを描画する位置等に応じて、集光レンズ14aおよびミラー駆動機構12aの位置を調整して配置する。このようにして、光制御装置10aが製造される。
【0044】
このような光モジュール11aによると、第1レーザダイオード20aは、第1サブマウント30aに搭載されているため、第1レーザダイオード20aの駆動時における発熱を第1サブマウント30aにより効率的に放熱することができる。第1レーザダイオード20aは、第1キャップ50aと第1基板40aとによりハーメチックシールされた第1空間50a内に配置されているため、第1レーザダイオード20aにより発光され、出射されるレーザ光の出力を安定させて高出力とすることができる。第1キャップ50aには、第1透過窓52aが設けられているため、第1レーザダイオード20aから出射された第1の光を、第1透過窓52aを通して第1空間51aの外部に出射することができる。第1空間51aの外部には、第1キャップ50aに固定されており、第1の光の光軸方向に対して傾斜する方向へ第1の光を反射する第1反射ミラー60aが備えられているため、第1透過窓52aを透過した第1の光を第1キャップ50aの外部の所望する方向に角度を変えて出射することができる。
【0045】
また、第1の光を所望する方向に角度を変えて出射する第1反射ミラー60aが第1空間51aの外部に備えられているため、ハーメチックシールされた第1空間51a内に、樹脂製の接合材を用いて光学部品等を取り付ける必要がない。したがって、第1レーザダイオード20aの高精度な位置決めを実現すると共に、ハーメチックシールされた第1空間51a内の汚染に基づく第1レーザダイオード20aの出力の低下を防止することができる。この場合、第1キャップ50aに固定された第1反射ミラー60aにより第1の光を所望する方向に角度を変えて出射することができるため、上記したように第1透過窓52aを透過した第1の光を第1キャップ50aの外部の所望する方向に角度を変えて出射することができる。
【0046】
また、第1レーザダイオード20aは、第1の光の光軸方向が平行となるように、第1-1面31aに搭載され、第1サブマウント30aは、第1-2面32aと第1主面41aとが対向するように第1基板40aに搭載されている。よって、このような用途が求められる場合に、有効に利用される。また、第1レーザダイオード20aは、搭載される第1サブマウント30aにより十分に放熱することができる。
【0047】
このような光モジュール11aによると、第1レーザダイオード20aから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる。
【0048】
また、このような光制御装置10aによると、上記光モジュール11aから出射された第1の光を走査して、レーザ光による文字や図形を描画することが容易となる。この場合、光制御装置10aは、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる上記構成の光モジュール11aを含むため、安定して高品質な画像を描画することができる。
【0049】
なお、本実施形態において、光モジュール11aは、赤色の第1レーザダイオード20aに加え、緑色の光を出射する第2レーザダイオードおよび青色の光を出射する第3レーザダイオードを含むように構成してもよい。この場合、第2レーザダイオードを搭載する第2サブマウントおよび第3レーザダイオードを搭載する第3サブマウントを、第1サブマウント30aとは別途設けることにしてもよい。すなわち、光モジュール11aは、第1サブマウント30aとは別途設けられ、第2レーザダイオードを搭載する第2サブマウントおよび第1サブマウント30aとは別途設けられ、第3レーザダイオードを搭載する第3サブマウントを含んでもよい。このようにすることにより、光モジュール11aは、各色の光を出射することができる。
【0050】
また、光モジュール11aを含む光制御装置は、ミラー駆動機構12aを含まず、他の構成を含むものであってもよい。例えば、光制御装置は、光モジュール11aから出射される光の単色性、高輝度、可干渉性および直線偏向を利用した表示装置として利用することができる。
【0051】
(実施の形態2)
他の実施の形態である実施の形態2について説明する。
図3は、実施の形態2に係る光モジュールを含む光制御装置の概略断面図である。実施の形態2における光制御装置は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2の光制御装置は、第4レーザダイオード等を含む構成が実施の形態1の場合とは異なっている。
【0052】
図3を参照して、実施の形態2の光制御装置10bは、光モジュール11bと、ミラー駆動機構12aと、を含む。光制御装置10bは、光モジュール11bおよびミラー駆動機構12aを支持する土台部19bを含む。光モジュール11bは、は、第1レーザダイオード20aと、第1レーザダイオード20aを搭載する第1サブマウント30aと、第1サブマウント30aを搭載する第1基板40aと、第1キャップ50aと、第1反射ミラー60aと、を含む。また、光モジュール11bは、第1空間51aの外部に配置され、光の偏光方向が第1の光と異なる第4の光を出射する第4レーザダイオード20dと、第1空間51aの外部に配置され、第4レーザダイオード20dを搭載する第4サブマウント30dと、第1空間51aの外部に配置され、第4サブマウント30dを搭載する第2主面41bを有する第2基板40bと、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光を透過する第2透過窓52bを有し、第2基板40bにハーメチックシールされて第4レーザダイオード20dおよび第4サブマウント30dを覆う第2キャップ50bと、第2キャップ50bに固定されて、第1反射ミラー60aと走査ミラー15aとの間であって、第2基板40bと第2キャップ50bとによって取り囲まれる第2空間51bおよび第1空間51aの外部に配置され、第1の光と第2の光とを合波するフィルタ60bと、含む。第2キャップ50bは、突出部53bを有する。第2基板40bの構成は、第1基板40aの構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
第4レーザダイオード20dは、第4の光を出射する。第4レーザダイオード20dから出射される第4の光の中心波長帯域は、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の中心波長帯域と同じである。第4レーザダイオード20dは、第4の光が出射する側の端面である第1端面21bと、第1端面21bと第2の光の出射方向において反対側に位置する第2端面22bと、を含む。第4レーザダイオード20dから出射された第4の光は、第4の光路L4に沿って進行する。第4の光路L4は、第4の光の光軸方向(X方向)に沿って延びている。
【0054】
第4サブマウント30dは、第1サブマウント30aと同様に、第4-1面31dと、第4-2面32dと、第4-3面33dと、第4-4面と、第4-5面35dと、第4-6面36dと、を含む。
【0055】
第4レーザダイオード20dは、第4サブマウント30dにおいて、第4-1面31d上に搭載される。第4サブマウント30dは、第4-3面33dと第2主面41bとが対向するように第2主面41bに搭載される。この場合、第4レーザダイオード20dは、第4サブマウント30dのいわゆる上面に取り付けられる。このように取り付けられることにより、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光の偏光方向は、Y方向(水平方向)となる。すなわち、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の偏光方向(Z方向)は、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光の偏光方向(y方向)に対して垂直である。
【0056】
フィルタ60bは、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光を透過し、第2反射面61bにおいて、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光を反射する。すなわち、フィルタ60bは、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光を透過し、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光を反射して、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光と第4レーザダイオード20dから出射される第4の光とを合波するように構成されている。
【0057】
光モジュール11bは、合波された光のスポットサイズを変換するコリメートレンズ17aを備える。コリメートレンズ17aを透過した合波光は、コリメート変換される。コリメート変換された合波光が走査ミラー15aに到達する。この合波光を用いて、ミラー駆動機構12aにより、画像13aが描画される。
【0058】
本実施形態によると、光の中心波長帯域が同じであり、偏光方向の異なる第1の光を同じ傾斜の角度で出射して合波することが容易となる。そうすると、偏光方向の異なる第1の光同士を合波して、光の中心波長帯域が同じ第1の光の出力を高くすることができる。
【0059】
なお、上記の実施の形態において、第4レーザダイオード20dおよび第4サブマウント30dの配置を第1レーザダイオード20aおよび第1サブマウント30aの配置と同様にし、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の中心波長帯域と第4レーザダイオード20dから出射される第4の光の中心波長帯域とを異ならせる構成を採用することにしてもよい。そして、フィルタ60bにおいて、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光を透過し、第4レーザダイオード20dから出射される第4の光を反射するようにしてもよい。このような光モジュール11bは、光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができると共に、光の中心波長帯域の異なる光を合波して複数の色の光を出射することが容易となる。
【0060】
(実施の形態3)
他の実施の形態である実施の形態3について説明する。
図4は、実施の形態3に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。実施の形態3における光制御装置は、基本的には実施の形態2の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3の光制御装置は、光の中心波長帯域の異なる複数のレーザダイオードを含む構成が実施の形態2の場合とは異なっている。
【0061】
図4を参照して、実施の形態3の光制御装置10cは、光モジュール11cと、ミラー駆動機構12aと、を含む。光モジュール11cは、赤色の光を出射する第1レーザダイオード20aと、光の中心波長帯域が532nmであり、緑色の光を出射する第2レーザダイオード20bと、光の中心波長帯域が450nmであり、青色の光を出射する第3レーザダイオード20cと、第1レーザダイオード20aを搭載する第1サブマウント30aと、第2レーザダイオード20bを搭載する第2サブマウント30bと、第3レーザダイオード20cを搭載する第3サブマウント30cと、第1サブマウント30a、第2サブマウント30bおよび第3サブマウント30cを搭載する第1基板40aと、第1キャップ50aと、第1反射ミラー60aと、を含む。本実施形態においては、実施の形態2の場合と異なり、第2レーザダイオード20bは、第1レーザダイオード20aと偏光方向が異なるのではなく、光の中心波長帯域が異なるものである。第1サブマウント30a、第2サブマウント30bおよび第3サブマウント30cはそれぞれ、Y方向に並んで隣り合って配置される。また、光モジュール11cは、赤色の光を出射する第4レーザダイオード20dと、緑色の光を出射する第5レーザダイオード20eと、青色の光を出射する第6レーザダイオード20fと、第4レーザダイオード20dを搭載する第4サブマウント30dと、第5レーザダイオード20eを搭載する第5サブマウント30eと、第6レーザダイオード20fを搭載する第6サブマウント30fと、第4サブマウント30d、第5サブマウント30eおよび第6サブマウント30fを搭載する第2基板40bと、第2キャップ50bと、フィルタ60bと、を含む。第4サブマウント30d、第5サブマウント30eおよび第6サブマウント30fはそれぞれ、Y方向に並んで隣り合って配置される。
【0062】
第2レーザダイオード20bおよび第3レーザダイオード20cは、それぞれ第1レーザダイオード20aと光の中心波長帯域が異なるだけで、その他の構成は同様である。第5レーザダイオード20eおよび第6レーザダイオード20fは、それぞれ第4レーザダイオード20dと光の中心波長帯域が異なるだけで、その他の構成は同様である。
【0063】
フィルタ60bは、偏光方向がZ方向であって、赤色の光、緑色の光および青色の光を透過する。フィルタ60bは、偏光方向がY方向であって、赤色の光、緑色の光および青色の光を反射する。
【0064】
このような光モジュール11cを含む光制御装置10cは、各色において偏光方向が垂直に合波された合波光が出力されるため、フルカラーの画像を高出力で描画することができる。
【0065】
(実施の形態4)
他の実施の形態である実施の形態4について説明する。
図5は、実施の形態4に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。実施の形態4における光制御装置は、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4の光制御装置は、第1レーザダイオードが傾斜している点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0066】
図5を参照して、実施の形態4の光制御装置10gは、光モジュール11gと、ミラー駆動機構12aと、を含む。光制御装置10gは、光モジュール11gおよびミラー駆動機構12aを支持する土台部19gを含む。光モジュール11gは、第1レーザダイオード20gと、第1レーザダイオード20gを搭載する第1サブマウント30gと、第1サブマウント30gを搭載する第1基板40gと、第1キャップ50gと、第1反射ミラー60gと、を含む。第1基板40gは、第1主面41gを含む。第1基板40gの構成は、第1基板40aの構成と同様であるため、その説明を省略する。
【0067】
第1サブマウント30gは、第1サブマウント30aと同様に、第1-1面31gと、第1-2面32gと、第1-3面33gと、第1-4面と、第1-5面35gと、第1-6面36gと、を含む。第1レーザダイオード20gは、第1サブマウント30gにおいて、第1-1面31g上に搭載される。すなわち、第1レーザダイオード20gは、第1サブマウント30gのいわゆる側面に取り付けられる。第1サブマウント30gは、第1-2面32gと第1主面41gとが対向するように第1基板40gに搭載される。第1レーザダイオード20gは、第1主面41gに対して第1の光の光軸方向が傾斜するように第1-1面31gに搭載される。
【0068】
第1レーザダイオード20gは、第1の光を出射する。第1レーザダイオード20gは、第1の光が出射する側の端面である第1端面21gと、第1端面21gと第1の光の出射方向において反対側に位置する第2端面22gと、を含む。また、第1端面21gに垂直な方向(Y方向)から見て、第1端面21gは、第1レーザダイオード20gの厚さ方向であり第1基板40aに近い方の第1辺25g(Y方向に平行)と、第1辺25gの反対側に位置する第2辺26g(Y方向に平行)と、第1-1面31g側に位置する第3辺27g(第1-1面31gに平行)と、第3辺27gの反対側に位置する第4辺28g(第1-1面31gに平行)と、を含む。第1の光は、第3辺27gから出射される。第1レーザダイオード20gから出射された第1の光は、第1の光路L1に沿って進行する。第1の光路L1は、第1主面41gに対して傾斜した方向に沿って延びている。Y方向から見て、第1辺25gは、第1-1面31gと重なり、第2辺26gは、第1-1面31gから突出している。
【0069】
本実施形態によると、第1辺25gは、第1-1面31gと重なり、第2辺26gは、第1-1面31gから突出している。この構成により、第1の光が第1-1面31gに遮られず強い光強度を維持し、かつ、第1レーザダイオード20gを効率よく放熱することができる。したがって、光の出力の大きさを維持し、かつ、安定させることができる。
【0070】
第1キャップ50gは、第1基板40gにハーメチックシールされる。第1キャップ50gは、第1レーザダイオード20gおよび第1サブマウント30gを覆う。第1キャップ50gは、第1基板40gとの間に第1空間51gを形成する。すなわち、第1レーザダイオード20gおよび第1サブマウント30gは、第1空間51g内に配置される。第1キャップ50gは、第1透過窓52gを有する。第1透過窓52gは、例えばガラス製であり、第1レーザダイオード20gから出射される第1の光を透過する。第1透過窓52gは、第1レーザダイオード20aから出射される第1の光の出射方向に設けられている。なお、第1キャップ50gは、実施の形態1の第1キャップ50aと異なり、突出部を有していない。また、光モジュール11gは、第1反射ミラーを備えていない。
【0071】
第1レーザダイオード20gから出射された第1の光路L1を進行する第1の光は、第1空間51g内を通り、第1透過窓52gを透過して、第1空間51gの外部に出射される。第1空間51gの外部に出射された第1の光は、第1の光路L1に沿って進行し、ミラー駆動機構12aの走査ミラー15aに到達する。この時の入射の角度は、実施の形態1の場合よりも低い(小さい)角度となる。その後の動作等については、実施の形態1と同様である。
【0072】
本実施形態によると、第1レーザダイオード20gは、第1主面41gに対して第1の光の光軸方向が傾斜するように第1-1面31gに搭載されるため、第1レーザダイオード20gを出射したい方向に第1レーザダイオード20gを傾斜させて、所望する方向に第1の光を出射することができる。したがって、このような光モジュール11gによると、第1レーザダイオード20gから出射される光の出力への影響を低減しながら、所望の出射方向へ光を出射することができる。
【0073】
なお、本実施形態において、緑色の光を出射する第2レーザダイオードおよび青色の光を出射する第3レーザダイオードを含む構成としてもよい。第2レーザダイオードおよび第3レーザダイオードについては、第1レーザダイオード20gと同様に、第1主面41gに対しそれぞれ光の光軸方向が傾斜するように搭載されていてもよい。
【0074】
(実施の形態5)
他の実施の形態である実施の形態5について説明する。
図6は、実施の形態5に係る光モジュールを含む光制御装置の概略斜視図である。
図7は、
図6に示す光モジュールを含む光制御装置の概略平面図である。実施の形態5における光制御装置は、基本的には実施の形態4の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5の光制御装置は、第3レーザダイオード等を含む構成が実施の形態4の場合とは異なっている。
【0075】
図6および
図7を参照して、実施の形態5の光制御装置10hは、光モジュール11hを含む。光モジュール11hは、赤色の光を出射する第1レーザダイオード20hと、緑色の光を出射する第2レーザダイオード20iと、青色の光を出射する第3レーザダイオード20jと、第1レーザダイオード20hを搭載する第1サブマウント30hと、第2レーザダイオード20iを搭載する第2サブマウント30iと、第3レーザダイオード20jを搭載する第3サブマウント30jと、第1サブマウント30h、第2サブマウント30iおよび第3サブマウント30jを搭載する第1基板40hと、第1キャップ50hと、を含む。また、第1基板40hには、第1レーザダイオード20h、第2レーザダイオード20iおよび第3レーザダイオード20jと電気的に接続される回路パターン43hが形成されている。回路パターン43hは、第1主面41hに形成されている。回路パターン43hと、第1レーザダイオード20h、第2レーザダイオード20iおよび第3レーザダイオード20jとを電気的に接続するワイヤの図示は省略している。
【0076】
第1レーザダイオード20hは、第1主面41hに対して第1の光の光軸方向が傾斜するように第1サブマウント30hの第1-1面31hに搭載される。第2レーザダイオード20iは、第1主面41hに対して第2の光の光軸方向が傾斜するように第2サブマウント30iの第3-1面31iに搭載される。第3レーザダイオード20jは、第1主面41hに対して第3の光の光軸方向が傾斜するように第3サブマウント30jの第3-1面31jに搭載される。第1の光の傾斜の角度、第2の光の傾斜の角度および第3の光の傾斜の角度は、同じである。第1の光は、第3辺27hから出射される。Y方向から見て、第1レーザダイオード20hの第2辺26hは、第1-1面31hと重なり、第1基板40hに近い方の第1辺25hは、第1-1面31hから突出している。このように配置することで、第1の光が第1サブマウント30hに遮光されるのを防ぎ、効率よく第1の光を出射することができる。特に温度劣化の大きな赤色の第1レーザダイオード20hについて、第1の光が第1-1面31hに遮られず強い光強度を維持し、かつ、第1レーザダイオード20hを効率よく放熱することができる。したがって、光の出力の大きさを維持し、かつ、安定させることができる。なお、Y方向から見て、第2レーザダイオード20iの第1辺25iおよび第3レーザダイオード20jの第1辺25jは、第1-1面31iおよび第1-1面31jとそれぞれ重なる。つまり、Y方向から見て、第2レーザダイオード20iの第1辺25iと第3辺および第3レーザダイオード20jの第1辺25jと第3辺はそれぞれ、第1-1面31iおよび第1-1面31jと重なる。この配置により、比較的温度劣化の強い緑色の第2レーザダイオード20iと青色の第3レーザダイオード20jについて、効率よく光を出射することができる。
【0077】
このような光モジュール11hによると、第1レーザダイオード20h、第2レーザダイオード20iおよび第3レーザダイオード20jから出射される光の出力への影響を低減しながら、それぞれについて所望の出射方向へ光を出射することができる。この場合、第1レーザダイオード20hから出射される赤色の光、第2レーザダイオード20iから出射される緑色の光および第3レーザダイオード20jから出射される青色の光を合波して、フルカラーのレーザ光による描画を実現することができる。
【0078】
本実施形態においては、第1基板40hには、第1レーザダイオード20h等と電気的に接続される回路パターン43hが形成されている。よって、第1レーザダイオード20h等の動作を制御する配線の取り回しをより簡略化することができる。したがって、装置構成のコンパクト化を図ることが容易となる。
【0079】
(実施の形態6)
他の実施の形態である実施の形態6について説明する。
図8は、実施の形態6に係る光モジュールに含まれる第1サブマウント周辺を拡大して示す概略斜視図である。実施の形態6における光モジュールは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態6の光モジュールは、第1レーザダイオードが回路パターンとワイヤにて接続されている点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0080】
図8を参照して、光モジュール11kは、第1サブマウント30kを含む。第1基板40kの第1主面41k上に搭載された第1サブマウント30kは、第1-1面31kと垂直に交差し、第1-2面32kと間隔をあけて配置される第1-4面34kを含む。第1サブマウント30kには、第1-1面31kおよび第1-4面34kに跨って第1パッド31pが設けられている。また、第1サブマウント30kには、第1-1面31kおよび第1-4面34kに跨って第2パッド32pが設けられている。第1パッド31pは、第1-1面31kと第1レーザダイオード20kとが、ワイヤボンディングを介してワイヤ45kにより電気的に接続されている。第2パッド32pは、第1レーザダイオード20kの下面と電気的に接続されている。回路パターン43kは、第1-4面34kに設けられた第1パッド31pと、ワイヤボンディングを介してワイヤ46kにより電気的に接続されている。回路パターン44kは、第1サブマウント30kの第1-4面34kと、ワイヤボンディングを介してワイヤ47kにより電気的に接続されている。よって、第1パッド31pと第1レーザダイオード20k、第1レーザダイオード20kと回路パターン43kとを接続するそれぞれのワイヤを短くすることができ、ワイヤの配線抵抗の低減を図ることができる。
【0081】
なお、上記の実施の形態において、回路パターン44kをX方向に延ばし、第1サブマウント30kの第1-2面32kと電気的に接触させる構成を採用することにしてもよい。こうすることにより、ワイヤ47kを省略することができ、ワイヤの本数を少なくすることができる。
【0082】
(実施の形態7)
他の実施の形態である実施の形態6について説明する。
図9は、実施の形態7に係る光モジュールに含まれる第1サブマウント周辺を拡大して示す概略斜視図である。実施の形態7における光モジュールは、基本的には実施の形態6の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態7の光モジュールは、第1レーザダイオードが第1パッドとワイヤにて接続されている点において実施の形態6の場合とは異なっている。
【0083】
図9を参照して、光モジュール11mは、第1サブマウント30mを含む。第1基板40mの第1主面41m上に搭載された第1サブマウント30mには、第1-1面31mおよび第1-2面32mに跨って第1パッド33pが設けられている。また、第1サブマウント30mには、第1-1面31mおよび第1-2面32mに跨って第2パッド34pが設けられている。第1パッド33pは、第1-1面31mと第1レーザダイオード20mとが、ワイヤボンディングを介してワイヤ45mにより電気的に接続されている。第2パッド34pは、第1レーザダイオード20mの下面と電気的に接続されている。回路パターン44mは、第1-2面32mに設けられた第1パッド33pと、導電材料を介して接触することにより電気的に接続されている。よって、第1レーザダイオード20mと第1パッド33pとをワイヤ45mで電気的に接続しながら、ワイヤを用いることなく回路パターン44mと第1パッド33pおよび第1サブマウント30mとを電気的に接続することができ、より配線抵抗の低減を図ることができる。
【0084】
(実施の形態8)
他の実施の形態である実施の形態8について説明する。
図10は、実施の形態8に係る光制御装置に含まれる光モジュールの概略斜視図である。
図11は、
図10に示す光モジュールのキャップを取り除いた状態を示す外観斜視図である。
図12は、
図10に示す光モジュールのキャップを取り除いた状態を示す外観平面図である。実施の形態8における光制御装置に含まれる光モジュールは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態8の光制御装置に含まれる光モジュールは、第2レーザダイオード等を含む構成が実施の形態1の場合とは異なっている。なお、理解を容易にする観点から、
図11および
図12において、第1透過窓を図示している。
【0085】
図10、
図11および
図12を参照して、実施の形態8の光制御装置に含まれる光モジュール11qは、赤色の光を出射する第1レーザダイオード20qと、緑色の光を出射する第2レーザダイオード20rと、青色の光を出射する第3レーザダイオード20sと、第1レーザダイオード20qを搭載する第1サブマウント30qと、第2レーザダイオード20rを搭載する第2サブマウント30rと、第3レーザダイオード20sを搭載する第3サブマウント30sと、第1サブマウント30q、第2サブマウント30rおよび第3サブマウント30sを搭載する第1基板40qと、第1キャップ50qと、を含む。第1基板40qの第1主面41q上には、回路パターン44qが設けられている。光モジュール11qは、Z方向に延びるように第1基板40qに取り付けられた複数のリードピン48qを含む。また、第1基板40qには、第1レーザダイオード20q、第2レーザダイオード20rおよび第3レーザダイオード20sと電気的に接続される回路パターン43qが形成されている。回路パターン43qは、第1主面41qに形成されている。第1レーザダイオード20q、第2レーザダイオード20rおよび第3レーザダイオード20sは、複数のワイヤ49qを介して、複数のリードピン48q等と電気的に接続されている。第1レーザダイオード20q、第2レーザダイオード20rおよび第3レーザダイオード20sはそれぞれ、第1主面41qに対して傾斜している。第1キャップ50qには、第1透過窓52qが設けられており、第1透過窓52qを通じて、赤色の光、緑色の光および青色の光が光モジュール11qの外部に出射される。
【0086】
このようにすることにより、複数のリードピン48qを介して外部と電気的に各レーザダイオードを接続して制御することができる。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
10a,10b,10c,10g,10h 光制御装置
11a,11b,11c,11g,11h,11k,11m,11q 光モジュール
12a ミラー駆動機構
13a 画像
14a 集光レンズ
15a 走査ミラー
16a 支持部
17a コリメートレンズ
19a,19b,19g 土台部
20a,20g,20h,20k,20m,20q 第1レーザダイオード
20b,20i,20r 第2レーザダイオード
20c,20j,20s 第3レーザダイオード
20d 第4レーザダイオード
20e 第5レーザダイオード
20f 第6レーザダイオード
21a,21b,21g 第1端面
22a,22b,22g 第2端面
25a,25g,25h,25i,25j 第1辺
26a,26g,26h 第2辺
27a,27g,27h 第3辺
28a,28g 第4辺
30a,30g,30h,30k,30m,30q 第1サブマウント
30b,30i,30r 第2サブマウント
30c,30j,30s 第3サブマウント
30d 第4サブマウント
30e 第5サブマウント
30f 第6サブマウント
31a,31b,31g,31h,31i,31j,31k,31m,32a,32d,32g,32k,32m,33a,33d,33g,34a,34k,35a,35d,35g,36a,36d,36g 面
31p,33p 第1パッド
32p,34p 第2パッド
40a,40g,40h,40k,40m,40q 第1基板
40b 第2基板
41a,41g,41h,41k,41m,41q 第1主面
41b 第2主面
43h,43k,44k,44m,44q 回路パターン
45k,45m,46k,47k,49q ワイヤ
48q リードピン
50a,50g,50h,50q 第1キャップ
50b 第2キャップ
51a,51g 第1空間
51b 第2空間
52a,52g,52q 第1透過窓
52b 第2透過窓
53a,53b 突出部
60a,60g 第1反射ミラー
60b フィルタ
61a 第1反射面
61b 第2反射面
L1 第1の光路
L2 第2の光路
Lr,Ls 光路