IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-建具 図1
  • 特開-建具 図2
  • 特開-建具 図3
  • 特開-建具 図4
  • 特開-建具 図5
  • 特開-建具 図6
  • 特開-建具 図7
  • 特開-建具 図8
  • 特開-建具 図9
  • 特開-建具 図10
  • 特開-建具 図11
  • 特開-建具 図12
  • 特開-建具 図13
  • 特開-建具 図14
  • 特開-建具 図15
  • 特開-建具 図16
  • 特開-建具 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114222
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/82 20060101AFI20240816BHJP
   E05D 5/04 20060101ALI20240816BHJP
   E06B 3/36 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
E06B3/82
E05D5/04 Z
E06B3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019850
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】福永 梨紗
(72)【発明者】
【氏名】井手 隆雄
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014DA00
2E014DB02
2E016HA10
2E016JA11
2E016JC01
2E016LA01
2E016LB03
2E016LB05
2E016LC03
2E016MA06
2E016MA08
2E016MA13
2E016RA01
2E016RA02
2E016RA03
(57)【要約】
【課題】意匠性の向上が図られた建具を提供すること。
【解決手段】建物の開口部に配置される枠体23と、枠体23の内側に配置される戸体本体3と、戸体本体3を開閉可能に枠体23に連結する開閉支持金具25と、を備える建具であって、開閉支持金具25は、戸体本体3に取り付けられる一端側252の部分と、枠体23に取り付けられる他端側253の部分と、一端側252の部分を他端側253の部分に対して回転させる円柱形状の管部254と、を備え、戸体本体3の端部の見込面には、室外側表面材31が係止される小口止め部3622が設けられ、小口止め部3622は、管部254の最も室内側の位置よりも室外側に設けられる建具である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に配置される枠体と、
前記枠体の内側に配置される戸体本体と、
前記戸体本体を開閉可能に前記枠体に連結する開閉支持金具と、を備える建具であって、
前記開閉支持金具は、前記戸体本体に取り付けられる一端側の部分と、前記枠体に取り付けられる他端側の部分と、前記一端側の部分を前記他端側の部分に対して回転させる円柱形状の管部と、を備え、
前記戸体本体の端部の見込面には、室外側表面材が係止される小口止め部が設けられ、
前記小口止め部は、前記管部の最も室内側の位置よりも室外側に設けられる建具。
【請求項2】
前記開閉支持金具は、前記戸体本体の端部から延在して折り返された延在部を構成する前記室外側表面材により覆われている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記小口止め部は、前記戸体本体の吊元側の端部に配置された芯材を覆う樹脂部材に設けられている請求項1又は請求項2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
戸体としてのドアが丁番により開閉可能に支持された建具の構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-040143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の建具においては、丁番やドアの表面材を係止する小口止め部が、室外側に露出す。このため、丁番や小口止め部が視覚的なノイズとなり、戸体本体の見込み面の意匠性の向上が求められていた。本開示は、意匠性の向上が図られた建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
建物の開口部に配置される枠体と、前記枠体の内側に配置される戸体本体と、前記戸体本体を開閉可能に前記枠体に連結する開閉支持金具と、を備える建具であって、前記開閉支持金具は、前記戸体本体に取り付けられる一端側の部分と、前記枠体に取り付けられる他端側の部分と、前記一端側の部分を前記他端側の部分に対して回転させる円柱形状の管部と、を備え、前記戸体本体の端部の見込面には、室外側表面材が係止される小口止め部が設けられ、前記小口止め部は、前記管部の最も室内側の位置よりも室外側に設けられる建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第一実施形態の建具を室外側から見た図である。
図2】第一実施形態の建具を室内側から見た図である。
図3】第一実施形態の建具のドア本体を示す横断面図である。
図4】第一実施形態の建具の子扉を示す横断面図である。
図5】第一実施形態の建具のドア本体の丁番の部分を示す拡大横断面図である。
図6】第一実施形態の建具のドア本体の指挟み防止部材の部分を示す拡大横断面図である。
図7】第一実施形態の建具のドア本体の戸先側の端部を示す拡大横断面図である。
図8】第一実施形態の建具のドア本体の戸先側の端部の第1変形例を示す拡大横断面図である。
図9】第一実施形態の建具のドアの第2変形例を室外側から見た拡大図である。
図10】第一実施形態の建具のドアの第2変形例を示す拡大断面図である。
図11】第一実施形態の建具のドアの第3変形例を室外側から見た拡大図である。
図12】第一実施形態の建具のドアの第3変形例を示す拡大断面図である。
図13】第一実施形態の建具のドアの第4変形例を示す拡大断面図である。
図14】第一実施形態の建具のドアの第5変形例を示す拡大断面図である。
図15】第一実施形態の建具のドアの第6変形例を示す拡大断面図である。
図16】第一実施形態の建具のドアの第7変形例を示す拡大断面図である。
図17】第一実施形態の建具のドアの第8変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。以下の説明においては、ドア本体3及び子扉4の幅方向を「幅方向」とし、ドア本体3、子扉4の戸先側をそれぞれ「戸先側」とし、ドア本体3、子扉4の戸先側と反対側である吊元側を「吊元側」とし、ドア本体3、子扉4が閉じた状態でのドア本体3の厚さ方向を「奥行方向(見込方向)」とし、ドア本体3の長手方向を「上下方向」として説明する。建具1の横方向を左右方向とする。図3図6において、室外側を「Y1」と記載し、室内側を「Y2」と記載する。
【0008】
建具1は建物の開口部に収められて設けられている。図1及び図2に示すように、建具1は、建物に固定される枠体2と、枠体2内に開閉可能に配置されるドア本体3(扉本体、戸体本体)と、枠体2の戸先側に配置される子扉4(戸体本体)と、を備える。建具1は、建物の玄関用として設けられる。建具1は、手動錠装置5及び電気錠装置6により、施解錠を行うことが可能である。
【0009】
枠体2は、図1及び図2に示すように、建物の開口部の四周に沿って設けられる。枠体2は、横枠としての上枠21及び下枠22と、ドア本体3の吊元側の縦枠23と、ドア本体3の戸先側の縦枠24と、により矩形に枠組みされる。枠体2内には、ドア本体3及び子扉4が、幅方向に隣接して配置されている。子扉4は、ドア本体3の幅方向の戸先側に配置されている。
【0010】
ドア本体3は、閉じた状態から室外側Y1に向けて回転する、いわゆる外開きで取り付けられる。ドア本体3は、図3等に示すように、吊元側の縦枠23に設けられる開閉支持金具としての丁番25の回転軸251を中心に回転して開閉可能な開きドアである。
【0011】
丁番25は、図3図5に示すように、ドア本体3の吊元側においてドア本体3を回転可能に支持する。丁番25は、一端側252が、ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301に取り付けられ、他端側253が、吊元側の縦枠23のドア本体3側の面231に取り付けられている。ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301は、ドア本体3の左右方向の吊元側の端部において、左右方向の外側を向いて形成される見込面である。ドア本体3の吊元側の端面301を構成する見込面は、奥行方向(見込方向)に延びる。
【0012】
ドア本体3は、図1及び図2に示すように、上下方向に長い略長方形の板状に形成されている。ドア本体3の室外側Y1の表面には、室外側ハンドル26が設けられている。ドア本体3の室内側Y2の表面には、室内側ハンドル27が設けられている。利用者は、室外側ハンドル26又は室内側ハンドル27を把持して、ドア本体3を押したり引いたりしてドア本体3を開閉することが可能である。
【0013】
室外側ハンドル26(第1ハンドル)は、図1図3に示すように、ドア本体3における室外側Y1の面側に取り付けられている。室内側ハンドル27(第2ハンドル)は、図2図3に示すように、ドア本体3における室内側Y2の面側に取り付けられている。室外側ハンドル26及び室内側ハンドル27は、ドア本体3の戸先側の端部寄りにおいて、上下方向に延びて形成される。
【0014】
室外側ハンドル26は、コの字形状に形成されており、図1図3に示すように、下部261、中部262、上部263を有している。中部262は、上下方向に延びる四角柱形状を有している。下部261は、水平方向に延びる四角柱形状を有しており、中部262の下端部に一体的に接続されている。上部263は、水平方向に延びる四角柱形状を有しており、中部262の上端部に一体的に接続されている。
【0015】
室内側ハンドル27は、コの字形状に形成されており、図2図3に示すように、下部271、中部272、上部273を有している。中部272は、上下方向に延びる四角柱形状を有している。下部271は、水平方向に延びる四角柱形状を有しており、中部272の下端部に一体的に接続されている。上部273は、水平方向に延びる四角柱形状を有しており、中部272の上端部に一体的に接続されている。
【0016】
室外側ハンドル26の下部261と室内側ハンドル27の下部271とは、図3に示すように、ドア本体3を貫通するボルト331により連結される。これにより、室外側ハンドル26と室内側ハンドル27とによりドア本体3を挟むようにして、室外側ハンドル26と室内側ハンドル27とは、ドア本体3に固定されている。室外側ハンドル26と室内側ハンドル27との間の、ドア本体3の内部には、芯材321が設けられている。
【0017】
芯材321は、室外側ハンドル26側の裏板を構成して室外側ハンドル26が固定される表面側部3211と、室内側ハンドル27側の裏板を構成して室内側ハンドル27が固定される裏面側部3212と、表面側部3211と裏面側部3212とを接続する接続部3213と、を有している。これにより、芯材321は、横断面視でコの字形状を有している。
【0018】
表面側部3211の室外側の見付面と、裏面側部3212の室内側の見付面とには、それぞれ断熱シート323が張り付けられて設けられている。ボルト331は、断熱シート323が張り付けられた表面側部3211の部分と、断熱シート323が張り付けられた裏面側部3212の部分と、をそれぞれ貫通する。このため、ボルト331が締め付けられ過ぎた場合であっても、芯材321が設けられているため、ボルト331の締め付けが規制され、後述するドア本体3の室外側の表面に設けられた意匠材31が変形して潰れることを抑えることが可能となる。特に接続部3213が、ボルト331の締め付けを効果的に規制することができる。また、断熱シート323により、芯材321を通じて熱が伝達されることを、抑えることが可能となる。
【0019】
ドア本体3の室外側Y1の表面には、図5及び図6に示すように、鋼板により構成される意匠材31が設けられる。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向及び上下方向に延びて配置される。ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31は、左右方向における吊元側の端部側において、丁番25を覆うように、ドア本体3の左右方向の外側に延在されて形成される延在部31aを有する。
【0020】
延在部31aは、延在端(先端)において折り返されている。これにより、延在部31aの先端部の縁部の処理がなされた延在部31aとすることができる。折り返された内部には、スチールやカーボンや樹脂等の材質により構成された補強材302が設けられており、延在部31aは補強材302により補強された構造とすることができる。特に、補強材302の材質として、カーボンや樹脂を採用した場合には、断熱性能向上に寄与する。丁番25が延在部31aにより覆われるため、室外側Y1からの外観視で、丁番25が見えにくい状態とされている。このため、丁番25が視覚的なノイズとなることが抑えられ、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0021】
ドア本体3の室外側Y1の表面に設けられる意匠材31が、ドア本体3の吊元側の端部側において延在されて、丁番25を覆う延在部31aを構成するため、この部分において意匠材31が途切れずに連続している。このため、ドア本体3の室外側Y1の表面が、同一種類の外観意匠で統一されることが可能となり、延在部31aがドア本体3と一体化された意匠とすることが可能となり、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0022】
意匠材31は、図5等に示すように、ドア本体3の吊元側の端部の見込面に設けられた小口止め部3622に係止されている。具体的には、ドア本体3の吊元側の端部は、横断面視でC字形状の鋼材361を有している。鋼材361の吊元側の表面は、樹脂部材である樹脂カバー362により覆われており、樹脂カバー362には、ドア本体の吊元側へ突出する小口止め部3622が設けられている。
【0023】
小口止め部3622は、図5等に示すように、横断面視でT字形状を有しており、樹脂カバー362の、ドア本体の戸先側の表面との間に意匠材31が差し込まれることにより、意匠材31は、小口止め部3622に係止されている。
【0024】
小口止め部3622は、丁番25の一端側252の部分を他端側253の部分に対して回転させる円柱形状の管部254の、最も室内側の位置Pよりも室外側に位置して設けられている。これにより小口止め部3622は、丁番25との干渉が避けられ、丁番25の取付部分の切欠き加工や小口止め部3622の切り落とし加工等が不要となり、この結果、生産性の向上を図ることが可能となる。また小口止め部3622は、丁番25よりも更に延在部31aに近接しているため、外観からみえにくい状態となる。このため、小口止め部3622が視覚的なノイズとなることが抑えられ、意匠性の向上を図ることが可能となる。また、建具1の製造時に、意匠材31を小口止め部3622に係止させて、樹脂カバー362により覆われた鋼材361を支持できるため、横断面視でC字形状の鋼材361が倒れることを防止できる。
【0025】
丁番25が配置されている、ドア本体3の左右方向の吊元側の端面301と、吊元側の縦枠23のドア本体3側の面と、延在部31aとにより囲まれる空間235は、ドア本体3の上下方向における全体にわたって延びているが、その一部には、図6に示すように、指挟み防止部材236が設けられている。即ち、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下部であって、ドア本体3と縦枠23の見込面との間に配置されている。ここで、「ドア本体3の下部」とは、幼児等が指Fを挿入可能な部分を意味しており、具体的には例えば、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下端縁周辺から上側へ約1mの位置に配置されて固定されている。指挟み防止部材236は、上下方向に長い約1mの長さのアルミ部材により構成されており、その両端には図示しないキャップが設けられて構成されている。当該キャップが、それぞれ空間235を形成するドア本体3に固定されている。
【0026】
指挟み防止部材236を構成するアルミ部材は、図6に示すように、延在部31aの先端部から見込方向へ延びる阻止壁2361を有している。延在部31aの先端部を通過して空間235内に幼児等が指Fを挿入した場合に、挿入した指Fを、図6において二点鎖線で示すように、延在部31aの室内側へ(図6における右側へ)折り曲げることができないように、阻止壁2361は指Fの折り曲げを阻止することが可能である。特に、指挟み防止部材236は、ドア本体3の下端縁から上側へ1m以内の位置に配置されており、このように幼児が指Fを挿入しやすい位置において、挿入した指Fを延在部31aの室内側へ(図6における右側へ)折り曲げることができないように阻止して、指Fが空間235から抜けなくなってしまうことを、効果的に阻止することが可能となる。
【0027】
ドア本体3の戸先側の端部には、図7に示すように、アルミ材により構成されるエッジ材352が設けられている。エッジ材352は、板状部3521と、リブ状部3522と、被係止部3523と、を有している。板状部3521は、ドア本体3の戸先側の端部においてドア本体3の見込面を有する。リブ状部3522は、複数設けられており、板状部3521からドア本体3の吊元側へ延びている。被係止部3523は、複数のリブ状部3522のうちの一つの、ドア本体3の吊元側の端部から室外側へ折れ曲がった部分により構成されている。
【0028】
ドア本体3の戸先側の端部の内部には、横断面視でC字形状の芯材351が設けられている。芯材351には、エッジ材352の室内側寄りの部分がネジ355により固定されている。
【0029】
また、芯材351の中央板状部3511には、固定用部品としての係止部品353と、固定部品としてのリベット354とが設けられている。係止部品353は、リベット354により芯材351に固定されている。係止部品353は、板状の金属部材により構成されており、室内側の端部が、ドア本体3の戸先側へ折り曲げられた形状を有している。当該折り曲げられた部分には、エッジ材352の室外側寄りの部分に設けられた被係止部3523が係止されて固定される。
【0030】
この構成により、エッジ材352は、ドア本体3の幅方向(厚み方向)において複数個所で固定されることになり、エッジ材352がドア本体3から浮いてしまうことを防止することができる。更に、固定用部品としての係止部品353とリベット354とを、芯材351の長手方向(図7における上下方向)に複数配置することにより、ドア本体3からのエッジ材352の浮きを、より抑えることができる。また、エッジ材352の表面に露出するネジ本数を減らすことで、ドア本体3の意匠性向上を図ることができると共に、ネジ固定が不要となり、生産性の向上も図ることができる。
【0031】
子扉4は、図1等に示すように、ドア本体3の戸先側に隣接して枠体2内に配置されている。子扉4は、縦枠24に対して、ドア本体3と同様に、子扉4の吊元側の縦枠24設けられる丁番25の回転軸251(図4等参照)を中心に回転して開閉可能な開き扉である。
【0032】
子扉4の室外側Y1の表面には、図4に示すように、鋼板により構成される意匠材41が設けられる。意匠材41は、ドア本体3の意匠材31と同一種類の外観意匠を有して統一されており、左右方向及び上下方向に延びて配置される。意匠材41は、左右方向における吊元側の端部側において、子扉4の丁番25を覆うように、子扉4の左右方向の外側に延在されて形成される、延在部31aと同様の延在部41aを有する。延在部41aが折り返されて、その内部に補強材402が設けられている構成や、空間245内に指挟み防止部材236と同様の図示しない指挟み防止部材が設けられている構成については、ドア本体3と同様であり、説明を省略する。
【0033】
子扉4の戸先側の端部には、当該端部を覆うように設けられたエッジ材としての先端部材43が、当該端部に固定されている。子扉4の戸先側の端部の内部には、横断面視でC字形状の芯材461が設けられている。芯材461には、先端部材43の室内側寄りの部分がネジ434により固定されている。
【0034】
先端部材43の室外側寄りの部分の内面には、子扉4の吊元側へ向かって開口するC字の係止部品としての樹脂製のクリップ材433が設けられている。クリップ材433に対向する芯材461の部分には、子扉4の戸先側へ突出する被係止部品462が固定されている。被係止部品462がクリップ材433に係止されることにより、この部分において、先端部材43は、芯材461に固定されている。
【0035】
またエッジ材としての先端部材43は、子扉4の幅方向(厚み方向)において複数個所で固定されることになり、子扉4から浮いてしまうことを防止することができる。更に、クリップ材433とネジ434とを、芯材461の長手方向(図4における上下方向)に複数配置することにより、子扉4からの先端部材43の浮きを、より抑えることができる。また、先端部材43の表面に露出するネジ本数を減らすことで、子扉4の意匠性向上を図ることができると共に、ネジ固定が不要となり、生産性の向上も図ることができる。
【0036】
子扉4の戸先側の端部には、気密材451、452が設けられている。気密材451は、当該端部において室内側Y2へ突出する先端部材43の突出部431に固定されて設けられている。気密材451は、ドア本体3が閉じられた状態のときに、ドア本体3の戸先側の室内側の端部材303(図3参照)に当接して、ドア本体3の端部材303と、子扉4の戸先側の室内側の端部の先端部材43の突出部431との間を気密の状態とする。
【0037】
気密材452は、子扉4の戸先側の端部において先端部材43の室内側Y2へ窪んだ凹部432に固定されて設けられている。気密材452は、ドア本体3が閉じられた状態のときに、ドア本体3の戸先側の室外側のL字状端部304(図3参照)に当接して、ドア本体3のL字状端部304と、子扉4の戸先側の室外側の端部の先端部材43の凹部432との間を気密の状態とする。
【0038】
子扉4の戸先側の端部には、気密材451、452が設けられているため、これらに当接するドア本体3の部分には、気密材が設けられていない。このため、ドア本体3を開いた際に室外側から気密材が視認されることなく、気密材が視覚的なノイズとなることを防止できる。この結果、意匠性の向上を図ることが可能となる。
【0039】
子扉4には、図1に示すように、2つの手動錠装置5と、電気錠装置6と、が設けられている。2つの手動錠装置5は、子扉4において、上下に離間して設けられる。2つの手動錠装置5は、室外側Y1においては、利用者が手動錠装置5の図示しないシリンダー部の鍵穴に鍵を挿入して回転させることで、ドア本体3の施解錠を行うことができる。2つの手動錠装置5は、室内側Y2においては、利用者が手動錠装置5の図示しないサムターンを回転させることで、ドア本体3の施解錠を行うことができる。
【0040】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0041】
例えば、本実施形態においては、ドア本体3の戸先側の端部においてエッジ材352の被係止部3523を係止部品353に係止させてエッジ材352を芯材351に固定していたが、この構成に限定されない。例えば、図8に示すように、芯材351Aの中央板状部3511Aに形成された切り起こし部353Aに、エッジ材352の被係止部3523Aを係止させて、エッジ材352を芯材351Aに固定してもよい。
【0042】
具体的には、切り起こし部353Aは、芯材351Aの中央板状部3511Aに切込みが形成され、その部分がドア本体3Aの戸先側へ傾斜して突出するように折り曲げられて構成されている。エッジ材352が、切り起こし部353Aにエッジ材352の被係止部3523を係止させるだけではなく、芯材351Aにエッジ材352がネジ355により固定される構成については、本実施形態と同様である。これにより、芯材351Aに、係止部品353、リベット354等の部品を設けずに、芯材351Aにエッジ材352を固定できる。このため、エッジ材352はドア本体3Aに幅方向(厚み方向)において複数個所で固定されることになり、エッジ材352がドア本体3Aから浮いてしまうことを防止することができる。またエッジ材352の表面に露出するネジ本数を減らすことで、ドア本体3Aの意匠性向上を図ることができると共にネジ固定が不要となり生産性の向上も図ることができる。
【0043】
また、ネジ355に替えて、別の係止部品を用いてエッジ材を固定してもよい、このようにすることで、エッジ材表面に全くネジやビス等を露出させないことも可能である。
【0044】
また、本実施形態においては、意匠材31、41は、折り返されて延在部31a、41aを構成したが、この構成に限定されない。例えば、図9図10に示すように、建具1Bにおいて、ガラス板31B、41Bが補強材402Bに重ねられてドア本体3B、子扉4Bの室外側の見付面を構成して、その吊元側の端部が、ドア本体3Bの図示しない延在部、子扉4Bの延在部41Baをそれぞれ構成してもよい。
【0045】
また、例えば、図11図12に示すように、建具1Cにおいて、木製の板31C、41Cが補強材402Cに重ねられてドア本体3C、子扉4Cの室外側の見付面を構成して、その吊元側の端部が、ドア本体3Cの図示しない延在部、子扉4Cの延在部41Caをそれぞれ構成してもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、ドア本体3の室外側ハンドル26と室内側ハンドル27との間に設けられた芯材321は、横断面視でコの字形状を有していたが、この構成に限定されない。
【0047】
例えば、図13に示すように、芯材321Dは、ドア本体3Dの吊元側へ向けて開口する横断面視でコの字形状を有していてもよい。また、例えば、図14に示すように、芯材321Eは、開口の方向がドア本体3Eの内部において、両端部がそれぞれ室外側ハンドル26の裏板部、室内側ハンドル27の裏板部を構成して、これらの中央部において接続された、H字を横倒しにした形状を有していてもよい。また、例えば、図15に示すように、芯材321Fは、それぞれドア本体3Fの戸先側、吊元側へ向けて開口する、横断面視で一対のコの字を対向させて抱き合わせた形状を有していてもよい。また、例えば、図16に示すように、芯材321Gは、ロの字形状を有していてもよい。また、例えば、図17に示すように、芯材321Hは、室外側ハンドル26のドア本体3H内部の裏板、室内側ハンドル27のドア本体3H内部の裏板により構成されて補強版を構成してもよい。
【0048】
また、例えば、本実施形態では、建具1は、子扉4を備えていたが、これに限定されない。例えば、建具は、開閉可能な子扉4に代えて、枠体2に固定されて開閉不能な袖部を備えていてもよい。この場合であっても、袖部の室内側の端部、室外側の端部には、それぞれ、ドア本体3の戸先側の室内側の端部、室外側の端部に当接する気密材が設けられる。また、指挟み防止部材236は、上下方向に長い約1mの長さのアルミ部材により構成されていたが、これに限定されず、例えば、樹脂部材により構成されてもよいし、また、ドア本体3の上端部から下端部に至るまでのドア本体3の全長にわたって設けられていてもよい。また、開閉支持金具は、丁番25により構成されていたが、これに限定されない。例えば、開閉支持金具は、戸体本体を開閉可能に枠体に連結するものであればよく、例えば、ピボットヒンジ等により構成されてもよい。
【0049】
また、延在部31aは、延在端(先端)において折り返され、折り返された内部には、スチールやカーボンや樹脂等の材質により構成された補強材302が設けられていたが、これに限定されない。例えば、延在部として厚肉材料を使用することで、補強材を用いない構成としてもよい。また、本実施形態では建具はドア本体を有していたが、これに限定されない。建具は、ドア本体等の開き戸に代えて、引戸を有していてもよい。また、エッジ材352はアルミ材により構成されていたが、これに限定されない。エッジ材は、例えば、樹脂材料により構成されていてもよい。また、小口止め部3622は縦断面視でT字形状を有していたが、これに限定されない。例えば、小口止め部は、縦断面視でL字形状を有していてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 建具、2 枠体、3 ドア本体(扉本体、戸体本体)、4 子扉(戸体本体)、25 丁番(開閉支持金具)、26 室外側ハンドル(第1ハンドル)、27 室内側ハンドル(第2ハンドル)、31、41 意匠材(室外側表面材)、31a、41a 延在部、43 先端部材(エッジ材)、236 指挟み防止部材、252 一端側、253 他端側、254 管部、302 補強材、321 芯材、323 断熱シート、351A 芯材、352 エッジ材、353 係止部品(固定用部品)、353A 切り起こし部、354 リベット(固定用部品)、355 ネジ、362 樹脂カバー(樹脂部材)、433 クリップ材(被係止部品)、462 被係止部品(係止部品)、451、452 気密材、3211 表面側部、3212 裏面側部、3213 接続部、3622 小口止め部、P 位置、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17