(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114224
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】振分装置および物品検査システム
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B65G43/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019858
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高柳 光男
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA02
3F027DA12
3F027DA16
3F027EA01
3F027EA04
3F027EA09
3F027FA11
(57)【要約】
【課題】振分動作や物品検査の結果を示すカウンタ表示の信頼性や動作結果の統計管理情報の信頼性を高め得る振分装置および物品検査システムを提供する。
【解決手段】搬送部10と、振分機構部30と、表示操作部21と、停止指令信号が入力されたときに両機構部10、30を停止させる制御部20bとを備えた振分装置で、搬入検知手段15と、検知物品Wが振分位置に達するまでの第1の遅延時間T3、さらに振分機構部30による振分け動作のための第2の遅延時間T4、および振分完了時まで以上に設定されたサイクル時間Tclを記憶する時間記憶部22Mを更に備え、制御部20bは、時間記憶部22Mの記憶情報に基づいて各部を制御し、停止指令信号入力時には、搬入検知済みの全物品Wについてのサイクル時間がすべて経過したことを条件に搬送動作を停止させる一方、そのサイクル時間の経過を条件に表示操作部21の表示出力を更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路(Lp)上の所定搬送区間(Z1、Z2)を順次通過するよう物品(W)を搬送する搬送部(10、110)と、
予め設定された複数の振分け方向のうち、受け取った振分指令信号に対応するいずれかの振分け方向に動作し、搬送中の各物品を所定の振分位置で該いずれかの振分け方向に移動させる振分機構部(30、130)と、
各物品の振分動作の結果を表示出力する表示部(21、71)と、
前記振分指令信号に基づいて前記表示部の表示出力および前記振分機構部の動作を制御するとともに、運転停止を要求する停止指令信号が入力されたときには該停止指令信号に従って前記振分機構部および前記搬送部の動作を停止させる制御部(20b、26、70、116)と、を備えた振分装置であって、
前記物品の所定搬送区間(Z1、Z2)内への搬入を検知する搬入検知手段(15、115)と、
前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品が前記所定搬送区間を通過して前記振分位置に達する時までの第1の遅延時間(T3)、前記振分位置に達した物品を前記振分機構部により該物品の振分指令信号に対応するいずれかの振分け方向に移動させるのに要する第2の遅延時間(T4)、および、各物品の前記搬入検知時から前記第2の遅延時間が経過する振分完了時までの時間以上に設定されたサイクル時間(Tcl)を、それぞれ記憶する時間記憶部(22M、72M)と、をさらに備え、
前記制御部は、前記時間記憶部の記憶情報に基づいて、前記表示部の表示出力と前記振分機構部および前記搬送部の動作とを制御し、前記停止指令信号が入力されたときには、該入力時点で前記搬入検知手段による前記搬入の検知が済んでいる全物品についてそれぞれの前記搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過したことを条件に前記搬送部の動作を停止させる一方、前記搬入の検知が済んでいる全物品のうち各物品の前記搬入検知時から対応するサイクル時間が経過することを条件に前記表示部における該物品の振分動作結果の表示出力を更新することを特徴とする振分装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記停止指令信号が入力されたときには、該入力時点で前記搬入検知手段により前記所定搬送区間内への搬入の開始の検知が済んでいる最後の検知物品について、前記搬入検知手段により該最後の検知物品の前記所定搬送区間内への搬入の完了を検知したことを条件に、前記所定搬送区間の上流側に隣接する前段コンベア(11、111)を停止させることを特徴とする請求項1に記載の振分装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品が前記所定搬送区間を通過するまでの間に、該物品の振分指令信号を取得して、該物品の振分指令信号に対応する振分動作の結果情報を前記時間記憶部に記憶させ、該物品の前記搬入検知時から前記対応するサイクル時間が経過した時に前記時間記憶部から該物品の振分指令信号に対応する振分動作の結果情報を読み出して、前記表示部における該物品の振分動作結果の表示出力を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の振分装置。
【請求項4】
前記複数の振分け方向のうち特定の振分け方向について各物品の前記振分指令信号に対応する該特定の振分け方向への移動が完了したことを検知する動作確認センサを有しており、
前記制御部は、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品の前記振分指令信号に対応する前記特定の振分け方向への移動が完了したことが前記動作確認センサにより検知されたことを条件に、該物品に対応する前記サイクル時間が経過したと判定することを特徴とする請求項3に記載の振分装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記停止指令信号が入力された場合であって、該入力時点で前記搬入検知手段による前記搬入の検知が済んでいる全物品について前記対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過するまでの間に、前記所定搬送区間に上流側から後続物品が入ったときには、前記停止指令信号の入力時点で未検出であった該後続物品について、前記搬送経路上からの手動排除が要求される未処理品であることを報知出力することを特徴とする請求項1または2に記載の振分装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載の振分装置と、
前記所定搬送区間内の物品を検査して該物品の検査結果に対応する振分指令信号を出力する物品検査部(20)と、を備えたことを特徴とする物品検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振分装置および物品検査システムに関し、特に搬送中の物品を振分処理する振分装置および同装置を備えた物品検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の搬送経路で搬送される物品を振分/選別指令信号入力に応じて複数方向に振分け動作する振分装置が、従前より知られている。また、所定の搬送経路で搬送される物品を物品検査装置により各物品の重量やサイズその他の品質に係る検査項目について順次検査し、物品検査装置の下流側に配置された振分/選別装置により物品検査結果に応じて検査済みの物品を選択的に搬送路の外方に排除したり、検査結果に対応する複数の下流側搬送路のいずれかに振り分けたりする物品検査システムも、従前より知られている。
【0003】
このような振分装置および物品検査システムにおいては、物品検査装置の表示部に検査中の物品の検査結果をその検査直後に画面表示等により報知したり、所定の運転時間中の複数の検査済み物品についての検査結果を良品数や不良品数の合計等の形で表示したりすることができるようになっている。
【0004】
従来のこの種の物品検査システムとしては、例えば物品を複数の検査項目について検査して検査項目ごとに良否判定を出力する複数の検査手段を有する検査部と、物品ごとに複数の良否判定に基づいて検査結果を判定するとともに、検査結果のうち少なくとも不良品を表す検査結果と振分け方向とを対応させて予め設定された振分け方向情報に基づいて検査結果に対応する所定の振分け方向を決定し、物品を振り分ける振分け信号を出力する判定部と、判定部により決定された振分け方向ごとの回数積算値を振分け方向と並べて表示する表示部とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、例えば選別搬送区間内に搬入された物品を、検査結果に対応するいずれかの振分け方向を選択して選別搬送区間から搬出するように振分け動作する振分機構と、上位の計量コンベアからの指令信号に従って振分機構の動作を制御するとともに、運転停止が要求される停止指令が入力されたとき、振分機構の動作を停止させる選別駆動制御部と、を備えた選別装置であって、振分機構は、運転停止中、物品を複数の振分け方向のうち特定の振分け方向に搬出可能な停止時待機姿勢に復帰するように構成されており、選別駆動制御部は、停止指令が入力されたとき、選別搬送区間内の未搬出の物品について選択したいずれかの振分け方向を、その未搬出の物品が選別搬送区間外に搬出されるよう所定時間保持する振分け方向保持制御を実行するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-206710号公報
【特許文献2】特開2018-150130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来の振分装置および物品検査システムにあっては、何らかの理由でシステムの運転が急に強制停止されると、搬送経路のうち振分けや検査を行う所定搬送区間への進入がセンサで検知され振分けや検査の対象物品となっていながら、未だ物品検査やその検査結果に応じた振分けによる選別がなされていない未検査/未選別の物品、いわゆるグレーワークが搬送経路上に残る運転停止状態となる可能性があった。
【0008】
そのため、物品検査装置で物品検査対象としてカウントされた物品数が、下流側の選別機等の振分装置で振分け処理された物品数と一致しない状態となり、物品検査に投入された物品数や、良品通過数、不良品発生数等を表示するカウンタ表示の信頼性低下が懸念されていた。
【0009】
また、振分装置や物品検査システムが急に強制停止された直後に、所定搬送区間の上流端に隣接する前段コンベア上で搬送されていた物品が完全に移動停止するまでのいわゆるフリーラン(搬送駆動モータの惰性回転やコンベア上の物品のスリップ等を含み得る)によって物品検査区間や振分け動作による選別区間内に進入して停止したような場合には、前述のグレーワークに加えて、未だ所定搬送区間内への進入がセンサ検知されていない未検知の物品までシステム停止後の搬送経路上に残ってしまう可能性があり、その点でも、物品検査結果の統計管理情報の信頼性低下が懸念されていた。
【0010】
すなわち、従来の振分装置や物品検査システムにあっては、運転中に急に強制停止させると、物品検査や振分け動作の結果を示すカウンタ表示の信頼性や、そのような結果の統計管理情報の信頼性を低下させる可能性があった。
【0011】
本発明は、上述のような従来の課題を解決すべくなされたものであり、振分け動作や物品検査の結果を示すカウンタ表示の信頼性や動作結果の統計管理情報の信頼性を高めることができる振分装置および物品検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る振分装置は、上記目的達成のため、(1)搬送経路上の所定搬送区間を順次通過するよう物品を搬送する搬送部と、予め設定された複数の振分け方向のうち、受け取った振分指令信号に対応するいずれかの振分け方向に動作し、搬送中の各物品を所定の振分位置で該いずれかの振分け方向に移動させる振分機構部と、各物品の振分動作の結果を表示出力する表示部と、前記振分指令信号に基づいて前記表示部の表示出力および前記振分機構部の動作を制御するとともに、運転停止を要求する停止指令信号が入力されたときには該停止指令信号に従って前記振分機構部および前記搬送部の動作を停止させる制御部と、を備えた振分装置であって、前記物品の所定搬送区間内への搬入を検知する搬入検知手段と、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品が前記所定搬送区間を通過して前記振分位置に達する時までの第1の遅延時間、前記振分位置に達した物品を前記振分機構部により該物品の振分指令信号に対応するいずれかの振分け方向に移動させるのに要する第2の遅延時間、および、各物品の前記搬入検知時から前記第2の遅延時間が経過する振分完了時までの時間以上に設定されたサイクル時間を、それぞれ記憶する時間記憶部と、をさらに備え、前記制御部は、前記時間記憶部の記憶情報に基づいて、前記表示部の表示出力と前記振分機構部および前記搬送部の動作とを制御し、前記停止指令信号が入力されたときには、該入力時点で前記搬入検知手段による前記搬入の検知が済んでいる全物品についてそれぞれの前記搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過したことを条件に前記搬送部の動作を停止させる一方、前記搬入の検知が済んでいる全物品のうち各物品の前記搬入検知時から対応するサイクル時間が経過することを条件に前記表示部における該物品の振分動作結果の表示出力を更新することを特徴とするものである。
【0013】
この構成により、本発明の振分装置では、制御部に停止指令信号が入力されると、その入力時点で搬入検知手段による搬入検知が済んでいる全物品について、それぞれの搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過するまで搬送部の動作が継続されることになり、その間、停止指令信号入力時に搬入検知が済んでいた各物品の搬入検知時から対応するサイクル時間が経過することを条件に振分動作結果の表示出力が順次更新されることになる。したがって、何らかの理由で運転が急に強制停止されたとしても、搬送経路のうち物品検査区間への進入が既に検知され振分動作の対象品となっていながら、未だ振分動作がなされていない物品、いわゆるグレーワークが搬送経路上に残ることがなくなる。よって、振分動作結果のカウンタ表示の信頼性や振分動作結果の統計管理情報の信頼性を高めることができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、(2)前記制御部は、前記停止指令信号が入力されたときには、該入力時点で前記搬入検知手段により前記所定搬送区間内への搬入の開始の検知が済んでいる最後の検知物品について、前記搬入検知手段により該最後の検知物品の前記所定搬送区間内への搬入の完了を検知したことを条件に、前記所定搬送区間の上流側に隣接する前段コンベアを停止させる構成とすることができる。この場合、制御部に停止指令信号が入力された時点で既に所定搬送区間内への搬入開始の検知(先端検知)が済んでいる最後の検知物品について、確実に物品検査の処理対象品として取り扱うことができ、物品検査がなされる所定搬送区間内への投入数が明確化されることになる。
【0015】
本発明の好ましい実施形態において、(3)前記制御部は、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品が前記所定搬送区間を通過するまでの間に、該物品の検査を実施し、その結果表示に対応する振分指令信号を取得して、該物品の振分指令信号に対応する振分動作の結果情報を前記時間記憶部に記憶させ、該物品の前記搬入検知時から前記対応するサイクル時間が経過した時に前記時間記憶部から該物品の振分指令信号に対応する振分動作の結果情報を読み出して、前記表示部における該物品の振分動作結果の表示出力を更新する構成とすることができる。この場合、各物品の所定搬送区間内への搬入検知時から対応するサイクル時間が経過した時に時間記憶部からその物品の振分指令信号に対応する振分動作の結果情報が読み出されて、表示部における振分動作結果の表示出力が適時に確実に更新されることになる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態においては、(4)前記複数の振分け方向のうち特定の振分け方向について各物品の前記振分指令信号に対応する該特定の振分け方向への移動が完了したことを検知する動作確認センサを有しており、前記制御部は、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から該物品の前記振分指令信号に対応する前記特定の振分け方向への移動が完了したことが前記動作確認センサにより検知されたことを条件に、該物品に対応する前記サイクル時間が経過したと判定する構成とすることができる。このようにすると、制御部に停止指令信号が入力された時点で既に振分動作済みであった各物品の振分指令信号に対応する振分動作の完了時を動作確認センサにより適時に確実に検知できることになる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、(5)前記制御部は、前記停止指令信号が入力された場合であって、該入力時点で前記搬入検知手段による前記搬入の検知が済んでいる全物品について前記対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過するまでの間に、前記所定搬送区間に上流側から後続物品が入ったときには、前記停止指令信号の入力時点で未検出であった該後続物品について、前記搬送経路上からの手動排除が要求される未処理品であることを報知出力するものとすることができる。この場合、制御部への停止指令信号の入力時点で未検出であった後続物品について、搬送経路上からの手動排除が要求される未処理品であることを管理者や作業者に的確に報知できることになり、未処理品の的確な処理を可能にすることができる。
【0018】
本発明に係る物品検査システムは、上記目的達成のため、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成を有する振分装置と、前記所定搬送区間内の物品を検査して該物品の検査結果に対応する振分指令信号を出力する物品検査部と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成により、本発明の物品検査システムでは、制御部に停止指令信号が入力されると、その入力時点で搬入検知手段による搬入検知が済んでいる全物品について、それぞれの搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間がすべて経過するまで搬送部の動作が継続されることになり、その間、停止指令信号入力時に搬入検知が済んでいた各物品の搬入検知時から対応するサイクル時間が経過することを条件に物品検査結果やそれに対応する振分動作結果の表示出力が順次更新されることになる。したがって、何らかの理由でシステムの運転が急に強制停止されたとしても、搬送経路のうち物品検査区間への進入が既に検知され検査対象品となっていながら、未だ物品検査やその検査結果に応じた振分動作がなされていない未検査/未選別の物品、いわゆるグレーワークが搬送経路上に残ることがなくなる。よって、物品検査結果のカウンタ表示の信頼性や物品検査結果の統計管理情報の信頼性を高めることができる物品検査システムとなる。
【0020】
なお、本発明の好ましい実施形態において、前記振分完了時は、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品が該物品の前記振分指令信号または検査結果信号に対応するいずれかの振分け方向への移動に要する第2の遅延時間が経過する時、または、前記搬入検知手段により前記搬入を検知された物品の該搬入検知時から前記複数の振分け方向に対応するそれぞれの方向の第2の遅延時間のうち最長の遅延時間が経過する時に設定されるものとすることができる。この場合、振分完了時を複数の振分け方向に対応するそれぞれの方向の第2の遅延時間のうち最長の遅延時間が経過する時に設定すると、振分け方向によらず振分動作時間を均一化でき、停止時の制御の容易化を図ることができる一方、振分完了時を特定の振分動作方向に対応する第2の遅延時間の経過時にすれば、振分完了時を相対的に早期に設定可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、振分動作結果のカウンタ表示の信頼性や振分動作結果の統計管理情報の信頼性を高めることができる振分装置および物品検査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る振分装置を備えた物品検査システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおけるプッシャ式の振分機構部の押出動作の説明図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおける表示部の異物混入画像や計量値、判定結果を表示およびカウンタ表示および停止時アラーム状態表示の説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る物品検査システムの処理モード1のサイクル停止の動作手順を示すタイミングチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る物品検査システムの動作手順を
図4に示す処理モード1のサイクル停止の動作手順とは別の即停止のモードに切り替え可能にした場合に従来同様に検査結果判定直後にカウンタ更新する処理モード2を選択したときのタイミングチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る物品検査システムの動作手順を
図4に示す処理モード1のサイクル停止の動作手順とは別の即停止のモードに切り替え可能にした場合にタイマによる通常のサイクル処理を採用するものの停止指令直後にカウンタ更新のサイクル停止処理を中断する処理モード3を選択したときのタイミングチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおける表示部でのカウンタ更新のためのタイマ遅延処理(遅延更新)の手順を示すタイミングチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおける表示部でのカウンタ更新手順を
図6に示す手順とは別の即停止のモードに切り替え可能にした場合に従来同様に検査結果判定直後にカウンタ更新(即更新)する処理モード2を選択したときのタイミングチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおける振分機構部の動作確認をシリンダの伸張側および収縮側の動作位置確認センサで確認する場合の、表示部でのカウンタ更新のためのタイマ遅延処理の手順を示すタイミングチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおける振分機構部の動作確認を選別排出口側の排出物品検知センサで確認する場合の、表示部でのカウンタ更新のためのタイマ遅延処理の手順を示すタイミングチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおけるカウンタ更新処理の手順を示すフローチャートである。
【
図12】
図11に示すカウンタ更新処理中の結合子Aに続く処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る物品検査システムにおけるサイクル停止処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の他の実施形態に係る振分装置の概略構成図である。
【
図15】(a)は、本発明の他の実施形態に係る振分装置におけるキャリア選別方式の振分機構部の斜視図であり、(b)はその振分装置の制御部の表示画面の一例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
(一実施形態)
図1ないし
図13は、本発明の一実施形態に係る振分装置を備えた物品検査システムを示している。
【0025】
まず、その構成について説明する。
【0026】
図1ないし
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る物品検査システム1は、搬送経路Lpを形成するコンベア式の搬送部10と、搬送部10により搬送経路Lpに沿って順次搬送される物品をワークW(被検査物)として所定検査方式で物品検査する検査部20と、所定選別方式、例えばプッシャ式選別機で構成される振分機構部30と、振分機構部30による特定の振分け方向D1、D2およびD3のそれぞれの下流側に配置された複数の排出品受台コンベア45A、45B、45Cとを具備している。なお、振分機構部30は、ここではプッシャ式選別機を例示するが、フリッパ式やドロップもしくはアップアウト式、キャリア式など、他のタイプの振分機構で構成されてもよい。
【0027】
搬送部10は、前段装置のコンベア11(以下、前段コンベア11ともいう)から投入される被検査物品(検査対象の製品)としてのワークWを、
図1中に示す所定の搬送方向D0に搬送する機長Lxの検査コンベア12および機長Lriの振分搬送コンベア13を有している。また、本実施形態において、搬送部10は、検査コンベア12の上流側の前段コンベア11と、振分搬送コンベア13の下流側に位置する後段コンベア14とを含んで構成されている。なお、後段コンベア14は、振分機構部30による通常の振分け方向D0において、振分搬送コンベア13の直後に配置されている。
【0028】
搬送部10の前段コンベア11、検査コンベア12、振分搬送コンベア13および後段コンベア14(以下、搬送部10のコンベア11~14ともいう)は、ここでは略同一の搬送速度であるものとするが、異なる搬送速度設定や加減速がなされてもよい。また、搬送部10のコンベア11~14は、詳細を図示しないが、例えばループ状の搬送ベルトを複数の搬送ローラに掛け渡し、これら搬送ローラ上の搬送ベルトの上走区間によりワークWを
図1中の右方向に順次搬送するベルトコンベアとなっており、図示しない筐体に支持されている。
【0029】
検査部20は、前段コンベア11の直後に続く検査コンベア12上の検査区間Z1内で、ワークWの品質状態をその品種に対応する所定の検査方式および検査条件で検査する物品検査装置となっている。すなわち、検査部20は、検査コンベア12と共に搬送中のワークWに対して所定方式の物品検査を実行する検査装置を構成している。なお、所定検査方式の物品検査とは、ワークWに製品として要求される品質や物理量の適否等、例えば混入異物の有無、欠品の有無、内容物の形状・サイズ・収納状態等の合否、密度・厚さ・体積もしくは質量の分布等のいずれかの検査である。
【0030】
前段コンベア11と検査コンベア12の間には、検査区間Z1内へのワークWの搬入を検知するワーク検知センサ15が設けられている。このワーク検知センサ15は、例えば搬送部10の搬送方向D0に対し略直交する光軸を有し、ワークWによって遮光または反射されることでON/OFFが切り替わる光学式のものであり、各ワークWの先端および後端が搬送方向の所定位置を通過するタイミングを検知可能である。なお、検査コンベア12と振分搬送コンベア13の間に別の物品検知センサを追加設置してもよいし、ワーク検知センサ15をカメラ画像やX線画像から物品検知する手段とすることも考えられる。
【0031】
検査部20は、所定検査方式の検査機構部20aと、表示操作部21、検査処理部22(検査制御部)、統計処理部23、外部入出力制御部24、選別制御部25、搬送制御部27およびメモリ22M(内部メモリMclを含むメモリデバイス)を含んだ制御部20bとで構成されている。なお、本実施形態では、振分機構部30側に、選別制御部25からの制御信号に応じて流体圧制御回路35を制御する選別制御ユニット26が設けられている。ただし、選別制御ユニット26を選別制御部25と一体に構成することも可能である。
【0032】
表示操作部21は、操作入力および表示出力の機能を有するタッチパネルを含んで構成されており、検査対象となるワークWの品種設定の他、物品検査条件に係る各種設定や指示操作を実行できるようになっている。
【0033】
この表示操作部21は、
図3に示すような表示画面60を表示出力するとともに、この表示画面60上の各種ボタンやタブ表示部等の特定の表示領域をタッチ操作することで、必要な操作入力を行うことができるようになっている。
【0034】
表示画面60は、例えば、各ワークWの検査画像等を表示するメイン表示画面領域61と、メイン表示画面領域61の下方にメニューボタン62a、表示モード切換えボタン62b、複数の表示操作タブ62c、62d、62e、機能操作タブ62f、ストップボタン62g、スタートボタン62h等を配置した選択操作バー領域62と、メイン表示画面領域61の上方に検査処理部22の動作状態表示用の表示操作ボタン63aや動作関連情報表示用の装置状態表示63b等を有する運転状態表示操作バー領域63と、メイン表示画面領域61の右側方の上部に検査対象その他の検査条件に係る情報を表示させる検査情報表示領域64と、メイン表示画面領域61の右側方における検査情報表示領域64の下方に、検査対象品種について所定の物品検査が済んだ全ワークWの検査結果およびそれに対応する振分動作結果をその検査項目や良否判定結果、動作確認結果等に基づいて一覧またはヒストグラム等の画像で表示する統計情報表示領域65と、を有している。
【0035】
より具体的には、表示画面60においては、例えばメニューボタン62aをタッチしてメニュー画面を開いたり、複数の表示操作タブ62c、62d、62eのいずれかをタッチして、動作確認画面、生産管理画面、あるいは設定/調整用の画面を開くことができ、機能操作タブ62fを操作して機能選択画面を開くことができる。さらに、例えば設定/調整用の画面を開いた状態下で、品種設定や品種毎の設定パラメータである各種のタイマ、例えば選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4、サイクル搬送時間Tcl、選別動作確認時間T6、選別確認遅延時間T7、選別ワーク通過確認時間T9等の設定と表示を行うことができる。
【0036】
表示画面60の統計情報表示領域65は、例えば
図3に示すように総数カウンタ表示部65aと、不良種別ごとNG品カウンタ表示部65bと、他の不良項目のカウンタ表示部65cとに分割設定されている。この場合、総数カウンタ表示部65aには、例えば検査済みワークWの総数のカウンタ表示(図中では、「総数_123個」)、OK判定品のカウンタ表示(図中では、「OK_100個」)およびNG判定品のカウンタ表示(図中では、「NG_23個」)がされており、不良種別ごとNG品カウンタ表示部65bには、不良種別ごとNG品カウンタ表示が、例えば「異物NG_20個」、「軽量NG_2個」、「過量NG_1個」といった表示形態で表示がされ、他の不良項目のカウンタ表示部65cには、例えばシリンダ伸縮動作の動作確認の不良カウンタ表示(図中では「動作確認不良_0個」)と、選別品の通過確認による選別確認不良のカウンタ表示(図中では「選別確認不良_2個」)とが表示されるようになっている。
【0037】
検査機構部20aは、例えばワークWを透過可能なX線を発生させ、検査コンベア12上のワークWに向けて搬送部10の搬送方向に対し略直交するファンビーム状に照射することができるX線発生器と、検査コンベア12の上走区間の直下に配置されたX線ラインセンサカメラ等のX線検出器とを含んで構成されている。そして、X線検出器は、X線発生器から照射されてワークWを透過したX線を前述の検出素子に対応する所定透過領域ごとに検出し、そのX線の透過量に応じた電気信号に変換して、透過領域ごとのX線検出信号を出力できるようになっている。検査機構部20aは、勿論、他の物品検査装置でもよく、例えば重量測定装置とする場合、検査コンベア12の一部を秤量台にし、その秤量台に係る重力や積載荷重を電磁平衡式はかりやロードセル式はかりによって計測するように構成される。
【0038】
検査処理部22は、例えば、ワーク検知センサ15による物品検知情報を基に、検査機構部20aのX線発生器の出力を制御したりワークWの搬送速度に応じたX線検出器のX線ライン検出周期および検査期間等を制御したりして検査部20における検査を制御する一方、検査機構部20aのX線検出器からの透過領域ごとのX線検出信号をメモリ22Mの内部メモリMclの画像メモリ領域に記憶させて検査画像データを生成したり、その検査画像データを基に所定の検査プログラムによる画像処理および検査判定処理を実行し、その判定結果を検査結果(振分動作結果)としてそのワークWの物品検知時刻と関連付けて内部メモリMclの検査結果メモリ領域に記憶させたりすることができるようになっている。
【0039】
この検査処理部22は、メモリ22Mに格納された検査制御プログラムを実行することで、例えばワークWの重量測定値または質量が許容範囲から外れる過量や軽量の不良あるいはワークWへの異物の混入の有無等に応じて、検査判定信号であるOK信号またはNG信号を生成して内部メモリMclに記憶させたり、表示操作部21、統計処理部23および選別制御部25に検査判定信号を出力することができる。
【0040】
統計処理部23は、内部メモリMclに記憶された所定の表示制御プログラムを実行することで、各検査済みワークWの検査結果情報に基づく検査結果情報、例えば検査数量や検査項目ごとのNG発生数をカウンタ表示させるようになっており、例えば
図3に示す表示画面60の統計情報表示領域65に、設定品種の検査済みの全ワークWについてその検査結果を検査項目や良否判定結果に基づいて一覧またはヒストグラム等の画像で表示するようになっている。
【0041】
外部入出力制御部24は、検査処理部22および搬送制御部27と協働して、前段コンベア11と後段コンベア14のそれぞれの駆動指令を個別に出力するようになっている。また、外部入出力制御部24は、検査処理部22および選別制御部25と協働して、外部の管理用PCにカウンタ更新データを出力したり、管理用PCから要求情報や設定情報(例えば、検査コンベア12の機長Lxや選別コンベア13の機長Lrj、特定のタイマ設定情報等)を取り込んだりすることができるようになっている。なお、選別制御部25および搬送制御部27については、振分機構部30の構成説明後に説明する。
【0042】
検査部20の制御部20bは、表示操作部21へのストップボタン62gの操作入力や外部からの停止入力等を停止指令信号入力として検知すると、あるいは、外部の管理用PCから外部入出力制御部24を介して停止指令の信号を入力すると、後述する所定の停止制御を実行するようになっている。図外の非常停止 ボタンなどの緊急停止の緊急停止指令では、即停止制御を実行するようになっている。
【0043】
振分機構部30は、検査部20の検査結果に応じた特定の振分け方向への振分け排出動作が要求されるワークW、例えば不良品が発生したとき、そのワークWを、振分搬送コンベア13上に形成される選別区間Z2内の複数、例えば3つの搬送位置(振分け方向D1、D2、D3を示す矢印の始点位置)のうち検査結果に対応するいずれかの特定の搬送位置からコンベア12の外側方に向かう振分け方向D1、D2またはD3(搬送路幅員方向の一方側、
図1中の下方側)に押出し動作することで、対応する排出品受台コンベア45A、45Bまたは45Cに不良品のワークを受け渡すことができるようになっている。
【0044】
この振分機構部30は、搬送部10の振分搬送コンベア13と共に搬送中のワークWを検査部20での検査結果に応じて複数の振り分け方向D0、D1、D2およびD3のうちいずれかに振り分ける選別装置を構成しており、例えば検査部20での検査結果が良品判定(OK判定)であったときには、その検査結果(
図1中のOK)に応じた振り分け方向D0を選択し、検査部20での検査結果が不良品判定(NG判定)であったときには、その検査結果(
図1中のNG1、2、3のいずれか)に応じた振り分け方向D1、D2またはD3のいずれかを選択して、その選択した特定の振分け方向への排出動作を対応する振分動作指令信号RJ1、RJ2またはRJ3の出力時に実行させるようになっている。
【0045】
また、振分機構部30は、選別区間Z2(所定搬送区間)内のワークWを検査結果に応じた特定の搬送位置で振分け方向D1、D2またはD3(搬送路幅員方向の一方側、
図1中の下方側)に押出し動作するよう独立して移動する複数の押出部材31A、31B、31Cと、押出部材31A、31B、31Cをそれぞれ独立して選別コンベア13上の両側方側の位置P1、P2(
図2参照)の間で選択的に往復駆動させる複数の駆動機構32A、32B、32Cとを有している。
【0046】
押出部材31は、例えばワークWの搬送方向およびコンベア13上の高さ方向に広がる平坦なあるいは湾曲した板面を有する板状体、例えばステンレス鋼板その他の金属板によって構成されている。この押出部材31は、ワークWに対する摩擦係数が選別コンベア13の搬送面のワークWに対する摩擦係数以上になる摩擦板であってもよい。
【0047】
複数の駆動機構32A、32B、32Cは、ワークWの検査結果に応じて選択的に動作し、検査結果に対応するいずれかの押出部材31A、31Bまたは31Cを振分け方向D1、D2またはD3に移動させて選別コンベア13上の選別区間Z2内に進入させるよう押出動作し、さらに、振分け方向D1、D2またはD3の逆方向に移動させて選別コンベア13上から後退させるよう引込動作することができるアクチュエータ、例えば流体圧作動式のシリンダであるエアシリンダにより構成されている。
【0048】
各駆動機構32A、32Bまたは32Cを構成するエアシリンダは、例えば複動式のもので、シリンダ41にピストン42が摺動可能に収納され、このピストン42によってシリンダ41内が一対の圧力室、例えば一対の圧力室44A、47A、一対の圧力室44B、47B、または一対の圧力室44Cおよび47C(以下、一対の圧力室44A、47A等という)に仕切られている。そして、一対の圧力室44A、47A等を形成するシリンダ41に連通するように、それぞれシリンダ伸張側およびシリンダ収縮側の給排ポート45a、48aが形成されている。また、ピストン42にはピストンロッド43(ロッド)が一体に固定されており、各シリンダ41から外方に突出したピストンロッド43の先端部43aに、対応する押出部材31A、31Bまたは31Cが装着されている。また、各シリンダ41には、ピストン42の後端面が所定の引込待機位置に後退したときにこれを検知してON信号を出力する待機位置センサ54(駆動機構32A、32B、32Cの待機位置センサ54a、54b、54cのそれぞれを示す)と、ピストン42の先端面が所定の押出位置に到達したときにこれを検知してON信号を出力する選別位置センサ55(駆動機構32A、32B、32Cの選別位置センサ55a、55b、55cのそれぞれを示す)とが、装着されている。
【0049】
振分機構部30は、さらに、検査対象ワークWについての検査部20からの検査結果信号(振分指令信号)であるOK信号またはNG信号と、NG信号に対応する振分動作の実行を指令する選別動作信号RJ(振分指令信号)と、各駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55のうちいずれか一方からのON信号またはいずれか他方からのOFF信号とに応じて、複数の駆動機構32A、32B、32Cのいずれかを選択的に伸縮動作させる流体圧制御回路35を有している。
【0050】
ここで、検査部20からのNG信号は、例えば異物混入を示すNG1、許容計量値範囲に達しない軽量の計量値不良を示すNG2、許容計量値範囲を超える過量の計量値不良を示すNG3の3種類のNG信号を選択的に含んでおり、選別動作信号RJは、例えばNG1、NG2、NG3信号に対応するRJ1、RJ2、RJ3信号のいずれかに設定されるようになっている。
【0051】
流体圧制御回路35は、複数の駆動機構32A、32B、32Cを制御するそれぞれの制御弁ユニット33A、33B、33Cと、エアコンプレッサ等を含む外部のエア源50からのエア(圧縮空気)を設定圧に調圧して制御弁ユニット33A、33B、33Cのそれぞれの供給圧ポートに供給することができるフィルタレギュレータ34とを有しており、制御弁ユニット33A、33B、33Cは、詳細は図示しないが、それぞれ駆動機構32A、32B、32Cの伸縮動作用の方向制御弁およびエア給排制御弁を含んで構成されている。
【0052】
そして、振分機構部30は、各ワークWの検査後の搬送経路のうち選別区間Z2から下流側の搬送経路を、押出部材31A、31Bまたは31Cの選択的な押出動作により切り替えて、検査後のワークWを複数の振り分け方向D0、D1、D2およびD3のうち検査結果に応じたいずれかの方向に振り分けることができるようになっている。
【0053】
一方、検査部20の選別制御部25は、内部メモリMclに記憶された各検査済みワークWの判定結果情報(OK/NG)およびそのワークWの物品検知時を特定するタイミング情報と、各駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55の出力信号とに基づいて、各ワークWの物品検知時および判定結果情報(NG信号は、不良の種別により異なるNG1、NG2、NG3)に対応する振分機構部30の特定の振分動作位置にて、対応する駆動機構32A、32Bまたは32Cを選択的に、例えば択一的に伸縮動作させるようになっている。なお、不良が重複する場合は、NG1、NG2、NG3のうち予め設定した優先度の最も高いNG判定結果となる。
【0054】
また、選別制御部25は、ワークWの判定結果情報であるOK/NGと、その検査結果に応じた駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55の出力信号とが一致となった場合に、そのワークWが検査区間Z1を通過して各ワークWの物品検知時および判定結果情報に対応する振分機構部30の特定の振分動作位置(
図1中の矢印D0、D1、D2、D3のいずれかの始点位置)に到達するのに要するサイクル搬送時間Tclの終了時に、内部メモリMclから判定結果を読み出して選別制御部25に出力し、例えばNG1、NG2、NG3のいずれかに対応する振分動作指令信号RJ1、RJ2、RJ3信号のいずれかを振分機構部30側の選別制御ユニット26に出力できるようになっている。
【0055】
さらに、選別制御部25は、検査処理部22と協働して、サイクル搬送時間Tclの終了時に、表示操作部21に対してカウンタ更新に使用し得る判定結果の記憶情報を内部メモリMclから読み出し、表示操作部21に対しカウンタ更新データとして出力することができるようになっている。
【0056】
選別制御部25は、また、選別動作遅延時間T3および選別動作時間T4の各タイマ値に応じた選別制御ユニット26へのOK/NG信号や選別動作指令RJの出力タイミングを制御したり、選別制御ユニット26経由で各駆動機構32A、32B、32Cのシリンダ動作位置確認センサである待機位置センサ54および選別位置センサ55の検知位置情報や、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cの通過検知情報を、検査処理部22にフィードバックしたりする機能を有している。
【0057】
また、検査処理部22、選別制御部25および搬送制御部27は、振分機構部30側の搬送制御部28と協働して、ワーク検知センサ15からの物品検知信号(ワークWの先端検知信号)、内部メモリMclに記憶された各検査済みワークWの検査結果情報、検査コンベ12用の搬送駆動モータ17および選別コンベア13用の搬送駆動モータ18に装着されたロータリーエンコーダ17a、18aの角度検出情報に基づいて、少なくとも検査コンベア12および選別コンベア13を制御するようになっている。
【0058】
選別制御ユニット26は、選別動作確認時間T6、選別確認遅延時間T7、選別ワーク通過確認時間T9等のタイマ値に応じたそれぞれのタイミングで、各駆動機構32A、32B、32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55の検知位置情報に基づくシリンダ動作確認や、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cの通過検知情報に基づく振分動作結果のOK/NGを確認し、その確認結果を内部メモリMclに記憶させるべきフィードバック情報として選別制御部25に出力できるようになっている。
【0059】
振分機構部30の制御弁ユニット33A、33B、33Cは、対応する駆動機構32A、32B、32Cを構成するエアシリンダへのエアの給排方向および流量を制御することができ、選別制御ユニット26からの選別指令が入力されるとき、対応する駆動機構32A、32Bまたは32C(以下、単に駆動機構32ともいう)の片方の給排ポート45aまたは48aを通し一対の圧力室44A、47A等における任意の一方側の圧力室に圧縮空気を供給し、他方側の圧力室から排気させることができる(駆動機構32Aで代表して説明すれば、片方の給排ポート45aまたは48aを通し伸張側の圧力室44Aまたは収縮側の圧力室47Aにエア源50側からの圧縮空気を供給する一方、他の片方の給排ポート48aまたは45aを通し収縮側の圧力室47Cまたは伸張側の圧力室44Aから排気させることができる。そして、一対の給排ポート45a、48aのうち任意の片方、例えば給排ポート45aに圧縮空気が供給され、他の片方である給排ポート48aから排気がなされるとき、押出部材31を選別コンベア13上の選別区間Z2内に進入させて搬送中の排除対象ワークWをコンベア12の外側方に押し出すようピストンロッド43を進退動方向の一方側に移動させる。反対に、駆動機構32の片方の給排ポート48aに圧縮空気が供給され、他の給排ポート45aから排気がなされるときには、押出部材31をコンベア12上の選別区間Z2外に後退させるようピストンロッド43をその進退動方向の他方側(
図1中で上側)に移動させるようになっている。
【0060】
また、各制御弁ユニット33A、33B、33Cにより各駆動機構32へのエアの給排およびその方向を制御することで、駆動機構32は、押出部材31を
図3中に実線で示す押出開始位置P1から同図中に仮想線で示す押出終了位置P2へと押出し方向に移動させる押出動作と、押出部材31を押出終了位置P2から押出開始位置P1に戻るように復帰させる引込動作とを、コンベア12の搬送路幅程度の駆動機構32のシリンダ伸縮動作に伴って実行することができるようになっている。
【0061】
また、排出品受台コンベア45A、45B、45Cは、振分搬送コンベア13および振分機構部30に対して、振分け方向D1、D2およびD3の下流側に配置されており、振分機構部30により振分け方向D1、D2またはD3に振分け排出されたワークWを取り出し可能に受け入れることができるようになっている。
【0062】
検査部20の制御部20bは、具体的なハードウエア構成を図示しないが、選別制御ユニット26と共に、例えばCPU、ROM、RAM、入出力インターフェース回路、駆動回路等を含んで構成されており、ROMや他のメモリデバイスに格納された所定の搬送制御プログラム、検査制御プログラムおよび選別制御プログラム等を実行するコントローラとして機能するようになっている。
【0063】
検査部20の制御部20bは、搬送部10のコンベア12によるワークWの搬送速度Vrj(
図2参照)やワーク搬送間隔に対応する選別遅延時間等を制御する搬送制御機能と、前述のX線発生器の出力を制御したりワークWの搬送速度に応じたX線検出器のX線ライン検出周期および検査期間等を制御したりして検査部20の検査機構部20aにおける検査を制御する一方、ワーク検知センサ15からの物品検知情報や検査部20での検査結果信号を選別制御ユニット26に出力する検査制御機能とを発揮することができる。また、この制御部20bは、検査部20での検査結果(OK/NG)に応じ、例えば検査中のワークWについて異物混入の有無を判定したとき、検査判定信号を生成するとともに、その判定時点から所定時間内に選別動作信号RJを生成して選別制御ユニット26に出力することができる。
【0064】
さらに、検査部20の制御部20bは、選別制御ユニット26と共に、選別制御部25からの選別動作信号RJおよび検査判定(OK/NG)と、ワーク検知センサ15からの物品検知情報とを基に、振分機構部30の動作を制御する選別制御機能を有している。なお、ここでの判定結果は、不良が重複する場合は、NG1、NG2、NG3のうち予め設定した優先度の最も高いNG判定信号に対応するものとなる。
【0065】
この場合、検査部20の制御部20bからの選別動作信号RJおよびNG判定信号を受けた選別制御ユニット26は、例えばそのNG判定信号の立上り時点からワークWが選別区域Z2内の振分け排除位置に達する時点、例えば
図2に示すようにワークWの搬送方向長さLの半分が対応する駆動機構32の押出部材31(待機位置P1にある状態)の前方領域に入る動作開始可能時点までの時間を選別動作遅延時間T3として設定し、その選別動作遅延時間T3中は排出対象のワークWに対する振分機構部30の選別排出動作を実行させないようになっている。
【0066】
また、選別制御ユニット26は、選別動作遅延時間T3が経過する動作開始可能時点を基準として、通常の選別動作の場合には、ワークWの品種に応じた押出し動作速度で、選別対象のワークWをコンベア12の搬送路幅に近いストローク分の押出し動作により選別排出させるように、通常の排出動作設定時間である選別動作時間T4[ms]の間、対応する制御弁ユニット33A、33Bまたは33Cの方向切換弁に排除方向への振分動作指令となる選別動作信号RJを出力することができるようになっている。
【0067】
さらに、通常の選別動作の場合、選別制御ユニット26は、動作開始可能時点から選別動作時間T4が経過した時(例えば
図4中の時間T4(1)、T4(2)、T4(3)の各終了時点)に、対応する押出位置P2への選別動作信号RJの出力を停止する一方で、引込位置P1での待機動作信号の出力を開始し、押出部材31を所定の引込動作速度でコンベア12上の選別区域Z2外に後退させ保持させることができるようになっている。なお、各駆動機構32のエアシリンダを常時引込待機位置側にばね付勢し、選別動作信号RJの出力時に供給されるエアにより押出動作させるようにしてもよく、その場合、選別制御ユニット26は選別動作信号RJを選別動作時間T4の間にのみ出力させればよい。
【0068】
選別制御ユニット26は、このように少なくとも検査結果がNG判定となったワークWの物品検知タイミングおよび不良種別に対応する特定の駆動機構32を選別動作信号RJによって伸縮動作させることで、押出部材31を
図2中に実線で示す押出開始位置P1から同図中に仮想線で示す押出終了位置P2まで移動した後に、再度、押出開始位置P1に戻るまでの往復移動を、ワークWの搬送間隔分の搬送時間未満の所定動作時間中に完了させるようになっている。
【0069】
ここで、通常の選別動作時間T4は、許容される最重量のワークWをシリンダ構成の駆動機構32の待機位置での収縮状態の押出開始位置P1から押出完了位置P2まで伸張させる場合の最短動作時間Ta[ms]より大きい(長い)時間として、ユーザーによる予めの試験運転下でワークWの安定した排出姿勢や排出完了位置となるように、制御弁ユニット33A、33B、33C中の速度制御弁の排出流量の絞り状態等に応じて設定されている。
【0070】
また、ワークWの安定のため、
図2に示すように、排出対象のワークWの重心に近い中心Gが押出部材31の搬送方向長さLgの領域内に到達してから押し始め、ワークWの中心が押出部材31の搬送方向長さ領域を通過する前に押出を完了させる必要がある。したがって、押出動作中のワーク移動距離Lzは、押板長さLg以下(Lg≧Lz)に抑える必要がある。
【0071】
このワーク移動距離Lzは、コンベア速度Vrj×押出動作設定時間Tex × 押出減速率 βとして計算することができ、押出減速率βは、ステンレス鋼板や樹脂板で構成される押出部材31の場合には大きく、高摩擦材を用いたハイグリップタイプの押出部材31の場合には小さくなり得る。
【0072】
選別制御ユニット26は、押出部材31の形状や摩擦係数の大小等のタイプ、ならびに各種ワークWの搬送品タイプ(段ボール、樹脂ケース、トレーなどの別等)に応じて、この押出減速率βを予めメモリに記憶させておき、検査部20での設定品種や振分機構部30での押出部材31の使用タイプ等に応じて押出減速率βを特定するとともに、押出動作中のワーク移動距離Lzが押板長さLg以下(Lg≧Lz)となる必要排出条件が成立するか否かを判定することができるようになっている。また、必要排出条件が成立しないと判定されたときに、表示操作部21への注意喚起の表示や表示操作部21からの試験的な排出動作要求を促す表示等を実行することもできる。
【0073】
また、選別制御ユニット26は、搬送部10の選別コンベア13によるワークWの搬送速度VrjやワークWの搬送間隔に対応する選別動作遅延時間T3等を制御するとともに、前述のように選別動作時間T4を好適な値に設定した上で、選別制御部25からの選別動作信号RJおよび検査判定信号(OK/NG)とワーク検知センサ15からの物品検知のタイミング情報とを基に振分機構部30の動作を制御する。
【0074】
本実施形態の物品検査システム1は、このように、搬送経路Lp中の所定搬送区間である検査区間Z1および選別区間Z2を順次通過するようワークWを搬送する搬送部10と、その所定搬送区間内のワークWを所定検査方式で物品検査してその検査結果信号をOK信号またはNG信号として出力する検査部20の検査機構部20a(物品検査部)と、入力される検査結果信号に基づいて検査済みの各ワークWの検査結果を表示出力する表示操作部21の表示画面60と、予め設定された複数の振分け方向のうち検査結果信号に対応するいずれかの振分け方向に動作し、検査済みの各ワークWを所定搬送区間より下流側の振分位置で該いずれかの振分け方向に移動させる振分機構部30と、検査結果信号に基づいて表示画面60の表示出力および振分機構部30の動作を制御するとともに、運転停止を要求する停止指令信号が入力されたときには該停止指令信号に従って振分機構部30および搬送部10の動作を停止させる制御部20bと、を具備している。
【0075】
また、本実施形態の物品検査システム1は、各ワークWの所定搬送区間内への搬入を検知するワーク検知センサ15(搬入検知手段)と、搬入検知手段により搬入を検知されたワークWの搬入検知時からそのワークWの中心Gが所定搬送区間を通過して対応する振分位置(
図1中の矢印D0、D1、D2、D3の始点のいずれか)に達する時までの第1の遅延時間としての選別動作遅延時間T3、振分位置に達したワークWを振分機構部30によりそのワークWの検査結果信号に対応するいずれかの振分け方向D0、D1、D2またはD3に移動させるのに要する第2の遅延時間としての選別動作時間T4、および、各ワークWの搬入検知時から第2の遅延時間としての選別動作時間T4が経過する振分完了時までの時間以上に設定されたサイクル時間Tclを、それぞれ記憶する時間記憶部としてのメモリ22Mと、をさらに備えている。なお、振分け方向D0の第1の遅延時間としての選別動作遅延時間T3や第2の遅延時間としての選別動作時間T4は、良品の振分け方向の制御のための見かけ上のものであり、実際に振分動作をさせるものではない。
【0076】
そして、物品検査システム1における制御部20bおよび選別制御ユニット26は、時間記憶部としてのメモリ22Mの記憶情報に基づいて、表示操作部21の表示画面60の表示出力と振分機構部30および搬送部10の動作とを制御し、前述の停止指令信号が入力されたときには、その入力時点でワーク検知センサ15による搬入検知が済んでいる未排出の全ワークWについて、それぞれの搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間Tclがすべて経過したことを条件に搬送部10の動作であるコンベア搬送を停止させる一方、搬入検知が済んでいる全ワークWのうち各ワークWの搬入検知時から対応するサイクル時間Tclが経過することを条件に表示操作部21の表示画面60におけるそのワークWの検査結果の表示出力を更新するようになっている。
【0077】
より具体的には、検査部20の制御部20bは、停止指令信号が入力されたときには、その入力時点でワーク検知センサ15により検査区間Z1内への搬入開始の検知(先端検知)が済んでいる最後のワークW(最後の検知物品)について、ワーク検知センサ15によりその最後のワークWの検査区間Z1内への搬入の完了を検知(後端検知)したことを条件に、所定搬送区間に対応する検査コンベア12の上流側に隣接する前段コンベア11を停止させるようになっている。
【0078】
また、検査部20の制御部20bは、ワーク検知センサ15により搬入検知されたワークWのその搬入検知時から検査区間Z1を通過するまでの間に、そのワークWの検査結果を含む検査信号を検査機構部20aから取得して、そのワークWの検査信号に含まれる検査結果情報を時間記憶部である内部メモリ22Mに記憶させ、表示操作部21の表示画面60のメイン画面表示エリア61に異物混入画像や計量値、判定結果を仮表示出力する(
図3-(a))。また、そのワークWの搬入検知時から対応するサイクル時間が経過した時に内部メモリ22MからそのワークWの検査結果信号に対応する検査結果情報(OK/NG)を読み出して、表示操作部21におけるそのワークWの検査結果のメイン画面表示エリア61を正式表示(
図3-(b))し、統計情報表示領域65の表示出力を更新するようになっている。サイクル時間中にワークWの供給が連続する場合、メイン画面表示エリア61は、異物混入画像や計量値、判定結果を連続仮表示出力し、ワーク供給がサイクル時間以上空くと、そのワークの異物混入画像や計量値、判定結果を正式表示出力する。
【0079】
また、検査部20の制御部20bは、停止指令信号が入力された場合であって、その入力時点でワーク検知センサ15による搬入検知が済んでいる全ワークWについて、対応するそれぞれのサイクル時間Tclがすべて経過するまでの間に、所定搬送区間である検査区間Z1に上流側から後続のワークW(後続物品)が入ったときには、停止指令信号の入力時点で未検出であったその後続のワークWについて、搬送経路Lp上からの手動排除が要求される未処理品であることを表示操作部21の表示画面60により報知出力するようになっている。
【0080】
本実施形態の物品検査システム1は、さらに、複数の振分け方向D0、D1、D2、D3のうち各ワークWの検査結果信号に対応するその特定の振分け方向への移動が完了したことを検知する動作確認センサとして、各駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55と、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cとを有している。なお、ここで、各ワークWの検査結果に対応する特定の振分け方向は、各検査項目の検査結果に対応する振分け方向D0、D1、D2またはD3のいずれかに対応するものとなる。
【0081】
よって、検査部20の制御部20bは、搬入検知手段としてのワーク検知センサ15により搬入検知されたワークWのその搬入検知時から検査結果信号に対応する特定の振分け方向D0、D1、D2またはD3への移動が完了したことが、動作確認センサである各駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55により、あるいは、振分け品通過確認センサ16、46A、46Bまたは46Cにより検知されたことを条件に、そのワークWに対応するサイクル時間Tclが経過したと判定するようにすることもできる。
【0082】
なお、本実施形態では、振分完了時は、搬入検知手段としてのワーク検知センサ15により搬入検知された各ワークWについて、そのワークWの搬入検知から検査結果信号(OK信号またはNG信号)に対応するいずれかの振分け方向への移動に要する第2の遅延時間としての選別動作時間T4が経過するまでの期間の経過時となるが、この振分完了時は、ワーク検知センサ15により搬入検知された各ワークWについて、その搬入検知時から複数の振分け方向D0、D1、D2、D3に対応するそれぞれの方向の第2の遅延時間T4のうち最長の遅延時間が経過する時に設定されてもよい。また、
図5、
図6にそれぞれ例示するような動作手順となる処理モード2、3との間で、切り替え可能に構成することができる。その場合、検査部20の制御部20bに、表示画面60上のモード切替えボタン等を操作することで、処理モード1、2、3のうち任意の処理モードに切替え可能とすることができる(詳細は後述する)。なお、振分け方向D0の第2の遅延時間としての選別動作時間T4は、良品の振分け方向の制御のための見かけ上のものであり、実際に振分動作をさせるものではない。
【0083】
次に、動作について説明する。
【0084】
(動作の手順)
上述のように構成された本実施形態の物品検査システム1においては、検査部20での各ワークWの物品検査の結果に応じて、対応する制御弁ユニット33A、33Bまたは33Cの方向切換弁が切り換えられ、検査結果が不良となったいずれかのワークWが振分機構部30の対応する駆動機構32A、32Bまたは32Cのいずれかによって排出品受台コンベア45A、45Bまたは45C上に排出されて、所定の受台領域内にストックされる。
【0085】
また、本実施形態の物品検査システム1では、検査部20の制御部20bに停止指令信号が入力されると、その入力時点でワーク検知センサ15による搬入検知が済んでいる全ワークWについて、それぞれの搬入検知時から対応するそれぞれのサイクル時間Tclがすべて経過するまで搬送部10の動作が継続されることになり、その間、停止指令信号入力時に搬入検知が済んでいた各ワークWの搬入検知時から対応するサイクル時間Tclが経過することを条件に、検査部20の表示操作部21における表示画面60上の物品検査結果(振分動作の結果に相当する)の表示出力内容が順次更新されることになる。
【0086】
(処理モード1)
図4は、そのようなサイクル停止処理がなされる本実施形態の各部の動作タイミングを例示する処理モード1のタイミングチャートである。この図中では、「ワーク」に先行する順にワーク番号(1)から(7)が付されており、ワーク番号(3)の検査中の時刻ts1、ts2において、それぞれ停止指令が入力される場合を例示している。なお、処理モード2、3は、処理モード1を使用しない場合の補助的な処理モードとして付加的に準備されており、通常の処理モードは、処理モード1である。なお、処理モードの説明では、 説明を簡略化するために複数のNGをNGとして扱う。
【0087】
同図中においては、物品検査システム1の運転が開始される運転開始時t0で、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示「総数」、「OK」および「NG」の表示個数は、それぞれ10、8、2となっている。その状態で、運転開始時t0に、前段コンベア11および後段コンベア14の駆動が開始される。
【0088】
次いで、前段コンベア11から検査コンベア12上の検査区間Z1内にワークW(1)が搬入され、ワーク検知センサ15により検知されると、その検知時点t1からワークW(1)に対応する選別動作遅延時間T3(1)およびサイクル搬送時間Tcl(1)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、その検査の判定と異物混入画像や計量値、判定結果の仮表示出力および統計情報用表示時間のタイマが起動される。
【0089】
ワークW(1)の検査判定が済むと、次いで、前段コンベア11から検査コンベア12上の検査区間Z1内に次のワークW(2)が搬入され、最初と同様に、ワーク検知センサ15によりこのワークW(2)が検知されると、その検知時点t2からワークW(2)に対応する選別動作遅延時間T3(2)およびサイクル搬送時間Tcl(2)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、その検査の判定と異物混入画像や計量値、判定結果の仮表示出力および統計情報用表示時間のタイマが起動される。
図4中では、検査の判定結果はNG判定である。
【0090】
ワークW(2)の検査判定が済むと、次いで、前段コンベア11から検査コンベア12上の検査区間Z1内に次のワークW(3)が搬入され、ワーク検知センサ15によりこのワークW(3)が検知されると、その検知時点t3からワークW(3)に対応する選別動作遅延時間T3(3)およびサイクル搬送時間Tcl(3)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、その検査の判定と異物混入画像や計量値、判定結果の仮表示出力および統計情報用表示時間のタイマが起動される。
【0091】
この間、例えばワークW(1)の検知時点t1からワークW(1)に対応する選別動作遅延時間T3(1)が経過すると、選別動作時間T4(1)のタイマが起動される。
【0092】
この選別動作時間T4(1)のタイマが起動されるとき、さらに、選別動作時間T4(1)のタイマがタイムアップする時点でも、ワークW(1)に対応するサイクル搬送時間Tcl(1)のタイマは未だタイムアップしておらず、ワークW(1)がその物品検知時点t1以降の搬送によっては、未だその判定結果情報(OK/NG1、NG2、NG3)に対応する振分機構部30の特定の振分動作位置(
図1中の矢印D0、D1、D2またはD3の始点位置)に到達していない。
【0093】
次いで、ワークW(1)に対応するサイクル搬送時間Tcl(1)のタイマがタイムアップすると、内部メモリMclからワークW(1)に対応する検査結果情報が読み出されて、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が更新される。ここでは、例えば、カウンタ表示「総数」、「OK」および「NG」の表示個数が、総数およびOK判定個数が1つずつ増えた個数(11、9、2)となる。
【0094】
次いで、ワークW(2)の検知時点t2からワークW(2)に対応する選別動作遅延時間T3(2)が経過すると、選別動作時間T4(2)のタイマが順次起動される。
【0095】
この状態においては、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示は一度更新されたままである。
【0096】
次いで、ワークW(3)の検査中の時刻ts1において、停止指令が入力される。
【0097】
このとき、ワーク検知センサ15はワークW(3)による遮光中である。そこで、搬入途中のワークW(3)が検査コンベア12上の検査区間Z1内に完全に搬入されるまで、前段コンベア11の駆動停止のタイミングが遅くされ、完全搬入後に前段コンベア11の駆動が停止される。この間、ワークW(2)に対応する選別動作遅延時間T3(2)後の選別動作時間T4(2)が経過する。
【0098】
次いで、ワークW(2)に対応するサイクル搬送時間Tcl(2)のタイマがタイムアップすると、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が更新され、そのカウンタ表示「総数」、「OK」および「NG」の表示個数は、総数およびNG判定個数が1つずつ増えた個数(12、9、3)となる。
【0099】
次いで、ワークW(3)の検知時点t3からそれぞれのワークW(3)に対応する選別動作遅延時間T3(3)が経過すると、選別動作時間T4(3)のタイマが起動され、ワークW(3)に対応するサイクル搬送時間Tcl(3)のタイマがタイムアップすると、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が更新され、そのカウンタ表示「総数」、「OK」および「NG」の表示個数は、総数およびOK判定個数が1つずつ増えた個数(13、10、3)となる。
【0100】
そして、停止指令入力時点ts1において、搬入検知済みであった全ワークW(1)、W(2)、W(3)のうち最後のワークW(3)についてサイクル搬送時間Tcl(3)のタイマがタイムアップし、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が更新された後に、検査コンベア12および選別コンベア13の運転と、後段コンベア14の駆動出力が停止される。
【0101】
次いで、再起動の運転指令入力がなされると、その入力時点trで、搬送部10の全てのコンベア11~14が駆動される。
【0102】
次いで、前段コンベア11から検査コンベア12上の検査区間Z1内に次のワークW(4)が搬入され、ワーク検知センサ15によりこのワークW(4)が検知されると、その検知時点t4からワークW(4)に対応する選別動作遅延時間T3(4)およびサイクル搬送時間Tcl(4)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、その検査の判定と異物混入画像や計量値、判定結果の仮表示出力および統計情報用表示時間のタイマが起動される。
【0103】
また、先行するワークW(4)の検査判定が済むと、前段コンベア11から検査区間Z1内に次のワークW(5)が搬入され、ワーク検知センサ15によりこのワークW(5)が検知されると、その検知時点t5からワークW(5)に対応する選別動作遅延時間T3(5)およびサイクル搬送時間Tcl(5)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、その検査の判定および表示時間のタイマが起動される。
図4中では、ワークW(5)についての検査の判定結果はNG判定である。
【0104】
以後、ワークW(6)、W(7)についても、同様な搬入検知がなされ、それぞれの検知時点t6、t7から対応する選別動作遅延時間T3(6)、T3(7)およびサイクル搬送時間Tcl(6)、Tcl(7)のタイマがそれぞれ起動されるとともに、それぞれの検査の判定と異物混入画像や計量値、判定結果の仮表示出力および統計情報用表示時間のタイマが起動される。
【0105】
そして、それぞれのワークW(4)、W(5)、W(6)に対応するサイクル搬送時間Tcl(4)、Tcl(5)、Tcl(6)のタイマがそれぞれにタイムアップすると、それぞれの時点で、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が検査判定結果に応じて更新される。
【0106】
次いで、ワークW(7)の検査中の時刻ts2において、停止指令が入力される。
【0107】
このとき、ワーク検知センサ15はワークW(7)の搬入完了後で、遮光されていないため、前段コンベア11は停止指令入力直後に駆動停止される。
【0108】
次いで、ワークW(7)に対応する選別動作遅延時間T3(7)が経過するが、このとき、前段コンベア11を停止する段階でフリーランにより停止指令入力時点ts2より後に検査区間Z1内への後続ワークW(8)の搬入が検知されているので、検査区間Z1からの製品取り除きを要求するアラームを発出する処理が実行される。
【0109】
ここで、停止指令入力時点ts2より後に検査区間Z1内に後続ワークW(8)が入った時点で検査区間Z1からの製品取り除きのためのアラームを発出するが、停止指令前に物品検知済みであった最後のワークW(7)については、Tcl(7)のタイマがタイムアップするまでに振り分け動作部30によるの選別排出動作を実行でき、タイマTcl(7)の終了時点で、検査部20(検査装置)の総数カウンタ表示部のカウンタ表示が検査判定結果に応じて更新される。
【0110】
(処理モード2、3)
次に、
図5に動作手順を例示する処理モード2と、
図6に動作手順を例示する処理モード3について、各図を参照しつつ簡単に説明する。
【0111】
図5に動作手順を例示する処理モード2は、従来と同様に、検査結果の判定直後に異物混入画像や計量値、判定結果の正式表示出力および統計情報表示領域65のカウンタ表示を更新するものであり、停止指令入力時点ts1、ts2の直後に、検査判定、選別動作遅延時間T3および選別動作時間T4のすべてのタイマを停止させるようになっており、サイクル搬送時間Tclを用いるサイクル処理は実行されないモードである。
【0112】
図6に動作手順を例示する処理モード3は、サイクル搬送時間Tclを用いるサイクル処理は実行し、サイクル搬送時間Tclの経過時に統計情報表示領域65のカウンタ表示を更新するものであるが、停止指令入力時点ts1、ts2の直後に、検査判定、選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclのすべてのタイマを停止させるようになっている点で、処理モード1とは相違する。
【0113】
(タイマ遅延処理の有無の比較)
次に、カウンタ表示更新時のタイマ遅延処理の有無による動作の相違について、
図7および
図8を用いて説明する。
【0114】
図7は、処理モード1における表示画面60上の検査結果表示カウンタの更新用のタイマ遅延処理を説明するタイミングチャートであり、各ワークW(1)、W(2)、W(5)の検査区間Z1内への搬入検知時点をt1、t2、t5として、検査判定および表示用のタイマと、選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclの各タイマの動作が制御され、これらのタイマ値に関連付けて、各ワークWの検査判定の確定時に検査結果情報(OK/NG)が内部メモリMclに記憶され、表示操作部21の表示画面60のメイン画面表示エリア61に異物混入画像や計量値、判定結果を仮表示出力する。そのワークWに対応するサイクル搬送時間Tclの経過時に表示操作部21の表示画面60における検査結果表示カウンタが更新される動作が示されている。
【0115】
図8は、処理モード2における表示画面60上の検査結果表示カウンタの更新用のタイマ遅延処理を説明するタイミングチャートであり、各ワークW(1)、W(2)、W(5)の検査区間Z1内への搬入検知時点をt1、t2、t5として検査判定および表示用のタイマと、選別動作遅延時間T3および選別動作時間T4の各タイマの動作が制御されるが、これらのタイマ値とは無関係に、各ワークWの検査判定の確定時に、その検査結果情報(OK/NG)を基に、表示操作部21の表示画面60のメイン画面表示エリア61における異物混入画像や計量値、判定結果の正式表示出力および検査結果表示カウンタが更新される。
【0116】
(段階的な動作確認)
次に、振分機構部30の駆動機構32による振分動作の確認とその振分けにより選別されたワークWの所定の下流側通路での通過確認(以下、この通過確認を選別確認という)とによる段階的な選別動作の確認手順について説明する。
【0117】
図9は、処理モード1における第1の動作確認方法を説明するタイミングチャートである。この場合、各ワークW(1)、W(2)、W(5)の検査区間Z1内への搬入検知時点をt1、t2、t5として、検査判定および表示用のタイマと、選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclの各タイマの動作が制御され、これらのタイマ値に関連付けて、各ワークWの検査判定の確定時に検査結果情報(OK/NG)が内部メモリMclに記憶される。そして、各駆動機構32A、32Bまたは32Cの待機位置センサ54および選別位置センサ55のうち各ワークWの検査結果がOKである場合の動作位置を検出する待機位置センサ54のいずれかの検出(ON)信号であるOK検知、または/および、各ワークWの検査結果がNGである場合の動作位置を検出する選別位置センサ55のいずれかの検出(ON)信号であるNG検知に応じて、選別異常の有無を判定し、その判定後にサイクル搬送時間Tclがタイムアップした時点で、表示操作部21の表示画面60における検査結果表示カウンタが更新される。
【0118】
図10は、処理モード1における第2の動作確認方法を説明するタイミングチャートである。この場合、各ワークW(1)、W(2)、W(5)の検査区間Z1内への搬入検知時点をt1、t2、t5として、検査判定および表示用のタイマと、選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4、サイクル搬送時間Tcl、選別動作遅延時間T3もしくは搬入検知時点を起点として各振分動作後のその下流側の振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cに達するまでの選別確認遅延時間T7、各ワークWの通過時間に対応する選別確認時間T9の各タイマの動作が制御され、これらのタイマ値に関連付けて、各ワークWの検査判定の確定時に検査結果情報(OK/NG)が内部メモリMclに記憶される。そして、各駆動機構32A、32Bまたは32Cの動作確認を振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cにおけるワーク通過検知信号の有無に応じて、選別異常の有無を判定し、その判定後にサイクル搬送時間Tclがタイムアップした時点で、表示操作部21の表示画面60における検査結果表示カウンタが更新されることになる。
【0119】
無論、
図9、
図10の処理については、併用した動作確認方法も利用できる。
【0120】
(カウンタ更新処理の制御の流れ)
次に、
図11ないし
図13に示すフローチャートにより、本実施形態の物品検査システム1における物品検査結果のカウンタ表示の更新処理について説明する。なお、ここでの更新処理は、物品検査システム1に電源が投入されているものの運転は開始されていない停止状態(以下、単に停止状態という)から開始され、複数のうちいずれかのモードに設定される。また、運転中に停止指令の入力操作がなされたとき、停止処理と併せて必要に応じてカウンタ更新処理が実行される。
【0121】
まず、カウンタ表示の遅延更新をモード分けして実行する第1のカウンタ更新処理プログラムについて、
図11および
図12を用いて説明する。
【0122】
この処理プログラムにおいては、まず、停止中の本システムに対し、管理者や作業者によって運転開始を要求する操作(運転操作)が、例えば表示画面60のスタートボタン62hの押下操作により実行されると、この処理が開始されるとともに、本システムが運転状態に移行する(ステップS21)。
【0123】
次いで、カウンタ更新のモードが遅延更新する処理モード1または3に設定されているか、即更新する処理モード2に設定されているかが判定される(ステップS22)。
【0124】
そして、このとき、遅延更新する処理モード1または3に設定されていれば(ステップS22で遅延更新の場合)、次いで、ワーク検知センサ15が遮光されているか否か、すなわち、検査区間Z1内へのワークWの搬入がされているか否かが判定され(ステップS23)、ワークWの搬入が開始されると(ステップS23で遮光の場合)、次いで、ワークWの先端検知時に選別動作遅延時間T3とサイクル搬送時間Tclの各タイマのカウントが開始される(ステップS24)。
【0125】
次いで、検査部20(検査装置)での物品検査の結果判定がなされ、判定結果としてOK信号またはNG信号が生成され(ステップS25)、OKかNGかの判定結果が表示画面60のメイン表示画面領域61等に表示されるとともに(ステップS26)、その判定結果情報が内部メモリMclに記憶される(ステップS27)。
【0126】
次いで、ワーク番号に紐づけられた選別動作遅延時間T3のタイムアップによる終了時に、そのワーク番号の検査結果情報が内部メモリMclから読み出されるとともに、そのワーク番号に紐づけられた選別動作時間T4のタイマのカウントダウンに伴って振分機構部30による選別動作が実行される(ステップS28)。
【0127】
また、その選別動作遅延時間T3のタイマ終了後の動作監視時間T6のタイマが起動され、その監視時間中における振分機構部30(
図11中の選別ユニット)の駆動機構32の動作確認用OK/NGセンサの検知情報として、各駆動機構32の待機位置センサ54および選別位置センサ55のON/OFF出力が内部メモリMclに記憶格納される(ステップS29)。
【0128】
次いで、内部メモリMclに記憶済みの検査判定結果と動作確認用のOK/NGセンサの検知情報に基づく各駆動機構32の動作位置(振分動作方向)を比較することで、選別対象のワークWに対応する駆動機構32の振分動作の方向が正常か否かが判定される(ステップS30)。
【0129】
このとき、判定の結果が不一致、すなわち、動作確認結果が不良であった場合(ステップS30で不一致の場合)、動作確認不良の判定出力と、その異常状態を示すカウンタ表示を更新するための更新情報とを生成して出力した後(ステップS31)、本システムを異常発生により停止させるよう搬送停止させ、今回の処理を終了する。
【0130】
一方、振分動作の方向が正常か否かの判定結果が一致、すなわち、動作確認結果が正常であった場合(ステップS30で一致の場合)、次いで、選別動作遅延時間T3のタイマ終了後の選別確認遅延時間T7のタイマが起動され(ステップS32)、その選別確認遅延時間後における振分機構部30(
図11中の選別ユニット)による選別確認用のOK/NGセンサの検知情報として、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cの通過検知情報(ON/OFF出力)が内部メモリMclに記憶格納される(ステップS33)。
【0131】
次いで、内部メモリMclに記憶済みの検査判定結果と選別確認用のOK/NGセンサの検知情報に基づく振分動作方向を比較することで、選別品の振分け後の通過方向が正常か否かが判定される(ステップS34)。
【0132】
そして、このとき、判定の結果が不一致、すなわち、選別品の振分け後の通過方向が不良であった場合(ステップS34で不一致の場合)、選別確認不良の判定出力と、その異常状態を示すカウンタ表示を更新するための更新情報とを生成して出力した後(ステップS31)、本システムを異常発生により停止させるよう搬送停止させ、今回の処理を終了する。
【0133】
一方、選別確認の判定結果が一致、すなわち、選別品の振分け後の通過方向が正常であった場合(ステップS34で一致の場合)、次いで、内部メモリMclに記憶済みの検査判定結果を読み出して、表示画面60中の検査結果(OK品、NG品等)のカウンタ表示を更新した後(ステップS35)、選別動作および動作/選別確認を伴う今回のカウンタ遅延更新処理を一旦終了して、次のワークWの搬入を待つ状態に戻る(ステップS23)。
【0134】
ここで、あるいは、最初のワークWの搬入を待つ状態下でなされたカウンタ更新のモード判定結果が即更新する処理モード2に設定されていると判定された場合(ステップS22で即更新の場合)には、次いで、
図12に示すように、ワーク検知センサ15が遮光されているか否か、すなわち、検査区間Z1内へのワークWの搬入がされているか否かが判定され(ステップS41)、ワークWの搬入が開始されると(ステップS41で遮光の場合)、次いで、ワークWの先端検知時に選別動作遅延時間T3のタイマのカウントが開始される(ステップS42)。
【0135】
次いで、検査部20(検査装置)での物品検査の結果判定がなされ、判定結果としてOK信号またはNG信号が生成され(ステップS43)、OKかNGかの判定結果が表示画面60のメイン表示画面領域61等に表示されるとともに(ステップS44)、その表示画面60の統計情報表示領域65におけるカウンタ表示が更新され、併せて、今回の判定結果情報が内部メモリMclに記憶される(ステップS45)。
【0136】
次いで、ワーク番号に紐づけられた選別動作遅延時間T3のタイムアップによる終了時に、そのワーク番号の検査結果情報が内部メモリMclから読み出されるとともに、そのワーク番号に紐づけられた選別動作時間T4のタイマのカウントダウンに伴って振分機構部30による選別動作が実行される(ステップS46)。
【0137】
また、その選別動作遅延時間T3のタイマ終了後の動作監視時間T6のタイマが起動され、その監視時間中における振分機構部30(
図12中の選別ユニット)の駆動機構32の動作確認用OK/NGセンサの検知情報として、各駆動機構32の待機位置センサ54および選別位置センサ55のON/OFF出力が内部メモリMclに記憶格納される(ステップS47)。
【0138】
次いで、内部メモリMclに記憶済みの検査判定結果と動作確認用のOK/NGセンサの検知情報に基づく各駆動機構32の動作位置(振分動作方向)を比較することで、選別対象のワークWに対応する駆動機構32の振分動作の方向が正常か否かが判定される(ステップS48)。
【0139】
このとき、判定の結果が不一致、すなわち、動作確認結果が不良であった場合(ステップS48で不一致の場合)、動作確認不良の判定出力と、その異常状態を示すカウンタ表示を更新するための更新情報とを生成して出力した後(ステップS49)、本システムを異常発生により停止させるよう搬送停止させ、今回の処理を終了する。
【0140】
一方、振分動作の方向が正常か否かの判定結果が一致、すなわち、動作確認結果が正常であった場合(ステップS48で一致の場合)、次いで、選別動作遅延時間T3のタイマ終了後の選別確認遅延時間T7のタイマが起動され(ステップS50)、その選別確認遅延時間後における振分機構部30による選別確認用のOK/NGセンサの検知情報として、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cの通過検知情報(ON/OFF出力)が内部メモリMclに記憶格納される(ステップS51)。
【0141】
次いで、内部メモリMclに記憶済みの検査判定結果と選別確認用のOK/NGセンサの検知情報に基づく振分動作方向を比較することで、選別品の振分け後の通過方向が正常か否かが判定される(ステップS52)。
【0142】
そして、このとき、判定の結果が不一致、すなわち、選別品の振分け後の通過方向が不良であった場合(ステップS52で不一致の場合)、選別確認不良の判定出力と、その異常状態を示すカウンタ表示を更新するための更新情報とを生成して出力した後(ステップS49)、本システムを異常発生により停止させるよう搬送停止させ、今回の処理を終了する。
【0143】
一方、選別確認の判定結果が一致、すなわち、選別品の振分け後の通過方向が正常であった場合(ステップS52で一致の場合)、次いで、選別動作および動作/選別確認を伴う今回の処理を一旦終了して、次のワークWの搬入を待つ状態に戻る(ステップS41)。
【0144】
このような制御プログラムの実行により、本実施形態の物品検査システム1の運転中、カウンタ表示更新に関して予め設定された処理モードでのカウンタ表示更新処理が、各ワークWが搬送経路Lp上の検査区間Z1内に搬入されるたびに、繰り返し実行されることになる。
【0145】
図13は、処理モード1、モード3のサイクル停止処理の手中を示しており、このサイクル停止処理は、本実施形態の物品検査システム1が停止指令入力を伴う停止操作に応じて運転状態から停止状態に移行する際の処理である。
【0146】
まず、管理者や作業者による停止操作が、例えば表示画面60のストップボタン62gの押下操作により実行され、あるいは外部からの停止指令入力がされると、このサイクル停止処理が開始される。
【0147】
そして、停止モードが即停止する処理モード3に設定されているか、サイクル停止する処理モード1に設定されているかが判定される(ステップS61)。
【0148】
このとき、停止モードが即停止する処理モード3に設定されている場合(ステップS61で即停止の場合)、動作制御用の選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclの各タイマがクリアされた後(ステップS62)、停止状態に戻って、今回の処理を終了する。
【0149】
一方、停止モードがサイクル停止する処理モード1に設定されている場合(ステップS61でサイクル停止の場合)、次いで、システムの運転停止を指令する停止指令入力時点で、ワーク検知センサ15が遮光されているか否か、すなわち、検査区間Z1内への搬入途中のワークWがあるか否かがチェックされる(ステップS63)。
【0150】
このとき、搬入途中のワークW(例えば
図4中のワークW(3)のts1)があれば(ステップS63で遮光の場合)、搬入検知済みワークと判断する。(ステップS64)。
【0151】
前段コンベア11はワークWの搬入完了(後端検知)を待って停止させる(ステップS65)。一方、搬入途中のワークWがない場合(ステップS61で被遮光の場合)、前段コンベア11を停止令入力に応じて即停止させる。
【0152】
前段コンベア11後に後続するワークWのオーバーランによる搬入検知(先端検知)があったか否かがワーク検知センサ15の遮光状態変化(非遮光から遮光)の有無を基に判定され(ステップS66)、判定結果がオーバーランによる搬入検知あり(ステップS66で遮光)の場合、その後続のワークW(例えば
図4中のワークW(8))に紐づけられた動作制御用の選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclの各タイマの起動は無く(ステップS67)、製品取り除きを要求するアラーム状態とする(ステップS68)。なお、製品取り除きを要求するアラーム状態が発生した場合は、即アラーム発生(ステップS75)に遷移し、停止状態とすることもできる。
【0153】
一方、停止指令入力後に後続するワークWのオーバーランによる搬入検知があったか否かの判定(ステップS66)の結果が、搬入検知なし(ステップS66で非遮光)の場合、停止指令入力時点で既に搬入検知済みであった最後のワークW(例えば
図4中のワークW(7))に紐づけられた動作制御用の選別動作遅延時間T3、選別動作時間T4およびサイクル搬送時間Tclの各タイマが動作継続され(ステップS69)、次いで、選別動作遅延時間T3および選別動作時間T4のタイマを用いて検査判定結果に応じた選別動作が振分機構部30によって実行された後(ステップS70)、ワーク通過による選別確認OKタイマもしくは最後のワークWに紐づけられたサイクル搬送時間Tclのタイマがタイムアップにより終了すると、表示画面60の統計情報表示領域65等におけるカウンタ表示が最後のワークWの検査結果に応じて更新される(ステップS71)。
【0154】
次いで、最後のワークWに紐づけられたサイクル搬送時間Tclのタイマがタイムアップにより終了したか否かが判定され(ステップS72)、未終了であれば(ステップS72でNoの場合)、各タイマの終了を待つようタイマ動作継続状態に戻り(ステップS69)、サイクル搬送時間Tclのタイマが終了していれば(ステップS72でYesの場合)、次いで、停止指令入力に応じて後段コンベア14を停止させた後(ステップS73)、製品取り除きを要求するアラーム状態か否かがチェックされ(ステップS74)、そのアラーム状態であれば(ステップS74でYesの場合)、製品取り出しを要求するアラーム状態が維持され(ステップS75)、製品取り除き後のアラーム解除操作によってアラーム状態でなくなっていれば(ステップS74でNoの場合)、停止状態に戻って、今回の処理を終了する。
【0155】
次に、作用について説明する。
【0156】
前述のような構成と、動作および制御手順となる本実施形態の物品検査システム1においては、何らかの理由で物品検査システム1の運転が急に強制停止されたとしても、搬送経路Lpのうち検査区間Z1への進入が既に検知され検査対象品となっていながら、未だ物品検査やその検査結果に応じた振分動作がなされていない未検査/未選別のワークWが、いわゆるグレーワークとして搬送経路Lp上に残ることがない。
【0157】
したがって、表示画面60上の物品検査結果のカウンタ表示領域、例えば
図3中の総数カウンタ表示部65a、不良種別ごとのNG品カウンタ表示部65bおよび他の不良項目表示部65cにおける物品検査結果のカウンタ表示や統計管理情報の信頼性を高めることができる。
【0158】
また、本実施形態では、検査部20の制御部20bは、停止指令信号が入力されたときには、その入力時点でワーク検知センサ15により検査区間Z1内への搬入開始の検知(先端検知)が済んでいる最後のワークW(3)あるいはワークW(7)について、ワーク検知センサ15により最後の検知物品の検査区間Z1内への搬入の完了(後端検知)を検知したことを条件に、検査区間Z1に対応する検査コンベア12の上流側に隣接する前段コンベア11を停止させる。したがって、検査部20の制御部20bに停止指令信号が入力された時点で既に検査区間Z1内への搬入開始の検知が済んでいる最後のワークW(3)あるいはW(7)について、確実に物品検査の処理対象品として取り扱うことができ、物品検査がなされる所定搬送区間内への投入数が明確化されることになる。
【0159】
さらに、本実施形態では、検査部20の制御部20bは、ワーク検知センサ15により搬入検知されたワークWの搬入検知時からそのワークWが検査区間Z1を通過するまでの間に、ワークWの検査結果信号に対応する検査結果情報(OK/NG)を内部メモリMclに記憶させ、表示操作部21の表示画面60のメイン画面表示エリア61に異物混入画像や計量値、判定結果を仮表示出力する。そして、そのワークWの検査区間Z1内へ搬入検知時から対応するサイクル時間Tclが経過した時に、内部メモリMclから対応する検査結果情報を読み出して、表示操作部21の表示画面65における検査結果の表示のカウンタ出力を更新する。サイクル時間中にワークWの供給が連続する場合、メイン画面表示エリア61は、異物混入画像や計量値、判定結果を連続仮表示出力し、ワーク供給がサイクル時間以上空くと、該ワークの異物混入画像や計量値、判定結果を正式表示出力する。したがって、内部メモリMclから読み出した各ワークWの検査結果情報を基に、表示操作部21の表示画面60における物品検査結果の表示出力が適時に確実に更新されることになる。
【0160】
また、本実施形態では、複数の振分け方向D0、D1、D2、D3のうち各ワークWの検査結果信号に対応する特定の振分け方向D0、D1、D2またはD3への移動が完了したことを検知する動作確認センサとして、各駆動機構32の待機位置センサ54および選別位置センサ55と、振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cとを有しており、これらにより、ワークWの搬入検知時からその検査結果信号に対応する特定の振分け方向D0、D1、D2またはD3への移動が完了したことが動作確認されたことを条件に、そのワークWに対応するサイクル時間Tclが経過したと判定するように構成すると、制御部20bに停止指令信号が入力された時点で既に検査済みであった各ワークWの検査結果信号に対応する振分動作の完了時を動作確認センサである各駆動機構32の待機位置センサ54および選別位置センサ55や振分け品通過確認センサ16、46A、46B、46Cにより適時に確実に検知できることになる。
【0161】
さらに、本実施形態では、検査部20の制御部20bは、停止指令信号が入力された場合であって、その入力時点でワーク検知センサ15による搬入検知(先端検知)が既に済んでいる全ワークWについて対応するそれぞれのサイクル時間Tclがすべて経過するまでの間に、検査区間Z1に上流側から後続ワーク(例えば、
図4中のワークW(8))が入ったときには、停止指令信号の入力時点で搬入未検出であったその後続物品について、搬送経路Lp上からの手動排除が要求される未処理品であることを報知出力する。したがって、停止指令信号の入力時点で搬入前であった後続ワークWについて、搬送経路Lp上からの手動排除が要求される未処理品であることを管理者や作業者に的確に報知できることになり、未処理品の的確な処理を可能にすることができる。
【0162】
また、本実施形態では、サイクル時間Tclを特定する振分完了時が、ワーク検知センサ15により搬入検知されたワークWがその検査結果信号に対応するいずれかの振分け方向D0、D1、D2またはD3への移動に要する第2の遅延時間としての選別動作時間T4が経過する時としたが、ワーク検知センサ15により搬入を検知されたワークWの搬入検知時から複数の振分け方向D0、D1、D2、D3に対応するそれぞれの方向の第2の遅延時間のうち最長の遅延時間(例えば振分け方向D3に対応する搬入検知後の総遅延時間)が経過する時に設定されるものとすることもできる。このようにすると、振分け方向によらず振分動作時間を均一化でき、停止時の制御の容易化を図ることができる一方、振分完了時を各振分動作方向に対応する第2の遅延時間の経過時にすれば、振分完了時を相対的に早期に設定可能となる。
【0163】
このように、本実施形態においては、物品検査結果のカウンタ表示や統計管理情報の信頼性を高めることができる振分装置および物品検査システムを提供することができる。
【0164】
なお、前述の一実施形態では、プッシュ選別タイプの駆動機構32を並列させた振分機構部30を用いる構成としていたが、前述の通り、フリッパ式やドロップもしくはアップアウト式、キャリア式など、他のタイプの振分装置によって、複数の振分方向にワークを振り分けるようにしてもよい。また、本発明は、物品検査システムに限って適用されるものではなく、振分装置単独でも適用可能である。そこで、次に、他のタイプの一例としてキャリア式の振分装置に本発明を適用した他の実施形態について説明する。
【0165】
(他の実施形態)
図14および
図15は、本発明の他の実施形態に係る振分装置を備えた物品検査システムを示している。
【0166】
両図に示すように、本発明の他の実施形態に係る振分装置100は、搬送経路Lpを形成するコンベア式の搬送部110と、搬送部110により搬送経路Lpに沿って順次搬送される物品をワークW(被検査物)として、所定選別方式、例えば公知のキャリア式選別機で構成され所定搬送区間Z2内のワークWに対し振分動作する振分機構部130と、振分機構部130による特定の振分け方向D1、D2およびD3のそれぞれの下流側に配置された並列する複数の振分品搬送経路L1、L2、L3を形成する後段コンベア114とを具備している。
【0167】
なお、振分機構部130を構成するキャリア式選別機は、ここではその詳細な構成説明を割愛するが、例えば特開昭54-131258号公報や特公昭58-39729号公報等に記載されるように、それぞれ物品搬送方向と直交する方向に延在しつつ両端で無端のチェーンにより支持および駆動される複数の平行棒と、複数の平行棒にそれぞれスライド可動に外装された複数の物品搬送板と、前述の左右の無端のチェーンの間の空間領域内に配置され、複数の物品搬送板の内突部位に係合可能な形状で各振分方向に延びる複数のガイドレールと、複数のガイドレールの上流端側に配置され、所定の搬送開始位置(周回方向の所定位置)で各物品搬送板の内突部位を任意のいずれか1つのガイドレールに係合させる可動の選別ゲート部材と、その選別ゲート部材を振分制御ユニット116の振分指令入力信号(前述の物品検査結果OK/NGおよび振分け動作指令信号RJに相当する)に応じて所定の角度位置に割出動作させる駆動機構とを有している。
【0168】
振分装置100は、また、振分機構部130を制御する制御部70を有しており、この制御部70は、表示操作部71と、振分指令信号に対応する振分方向を判定して前述の選別ゲート部材を動作させる振分判定部72と、統計処理部73と、外部入出力制御部74、振分・搬送制御部75と、前述の内部メモリMclに層とするメモリ72Mとを含んで構成されている。
【0169】
本実施形態における制御部70の構成は、一実施形態の制御部20bにおける検査処理部22に代えて振分判定部72を設けた場合に類似するものであり、前述の一実施形態では物品検査信号が振分指令信号となっているので、振分機構部130に対する振分指令入力信号に応じた振分け動作の制御部70による制御は、一実施形態の制御部20bによる振分機構部30の制御と略同様に実行することができ、一実施形態の表示画面60のような表示画面中に
図15(b)に示すような教示画面領域160を設けて、そのカウンタ表示について一実施形態と略同様な更新処理を行うことができる。
【0170】
ただし、一実施形態においては駆動機構32の搬送方向位置(振分位置)に対応する第1の遅延時間T3やサイクル搬送時間Tclが、ワークWの検査結果(例えば、不良種別)やそれに応じた振分方向により異なり得るのに対して、本実施形態では、所定の搬送開始位置までの第1の遅延時間T3や振分完了時までの一定のサイクル搬送時間Tclを設定できることになり、一実施形態の場合よりもサイクル処理やカウンタ更新処理の制御を簡素化できることとなる。
【0171】
本実施形態においても、一実施形態と同様な効果が得られる。
【0172】
なお、上述の各実施形態においては、振分装置による振分動作方向をいずれも3つとしたが、任意の複数の方向に設定することができるのは勿論である。また、検査部20における物品検査は所定検査方式の一種類の検査としていたが、複数種類の検査が同じ検査区間Z1のワークWに対して可能であることはうまでもない。
【0173】
以上説明したように、本発明の振分装置および物品検査システムは、振分動作や物品検査の結果を示すカウンタ表示の信頼性や動作結果の統計管理情報の信頼性を高めることができる振分装置および物品検査システムを提供することができるものであり、搬送中の物品を振分処理する振分装置および同装置を備えた物品検査システム全般に有用である。
【符号の説明】
【0174】
1 物品検査システム
10、110 搬送部
11、111 前段コンベア
12 検査コンベア
13、113 選別コンベア(振分搬送コンベア)
14、114 後段コンベア
15、115 ワーク検知センサ(搬入検知手段)
16、46A、46B、46C 物品通過確認センサ
17、18 搬送駆動モータ
17a、18a ロータリーエンコーダ
20 検査部
20a 検査機構部
20b 制御部
21、71 表示操作部
22 検査処理部(検査制御部)
22M、72M メモリ(時間記憶部)
23 統計処理部
24、74 外部入出力制御部
25 選別制御部(振分制御部)
26、116 選別制御ユニット(振分制御ユニット)
27、28 搬送制御部
30、130 振分機構部(選別機構部)
31、31A、31B、31C 押出部材
32、32A、32B、32C 駆動機構
33A、33B、33C 制御弁ユニット
34 フィルタレギュレータ
35 流体圧制御回路
41 シリンダ
42 ピストン
43 ピストンロッド
43a、43b、43c 先端部
44A、44B、44C 圧力室(伸張側の圧力室)
45A、45B、45C 排出品受台コンベア
45a 給排ポート(一方の給排ポータ、片方の給排ポート)
47A、47B、47C 圧力室(収縮側の圧力室)
48a 給排ポート(他方の給排ポータ、他の片方の給排ポート)
50 エア源
54、54a、54b、54c 待機位置センサ(動作確認センサ)
55、55a、55b、55c 選別位置センサ(動作確認センサ)
60、160 表示画面
61 メイン表示画面領域
62 選択操作バー領域
62a メニューボタン
62c、62d、62e 表示操作タブ
62f 機能操作タブ
62g ストップボタン
62h スタートボタン
63 運転状態表示操作バー領域
63a 表示操作ボタン
63b 装置状態表示
64 検査情報表示領域
65 統計情報表示領域
65a 総数カウンタ表示部
65b NG品カウンタ表示部
65c カウンタ表示部
65c 不良項目表示部
70 制御部
72 振分判定部
73 統計処理部
75 振分・搬送制御部
100 振分装置
123 振分装置ユニット
D0 振分方向(良品の振分方向)
D1、D2、D3 振分方向(不良品の振分方向)
L1、L2、L3 振分品搬送経路
Lg 押板長さ
Lp 搬送経路
Lz ワーク移動距離
Mcl 内部メモリ(時間記憶部)
NG1、NG2、NG3 検査結果信号(振分指令信号、NG信号)
OK/NG 検査結果信号(振分指令信号、OK信号またはNG信号)
P1 引込待機位置(押出開始位置)
P2 押出位置(押出終了位置)
RJ、RJ1、RJ2、RJ3 振分動作指令信号(振分指令信号)
t0 運転開始時
t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7 検知時点(搬入検知時、物品検知時点)
T3 選別動作遅延時間(第1の遅延時間)
T4 選別動作時間(第2の遅延時間)
T6 動作監視時間
T7 選別確認遅延時間
T9 選別ワーク通過確認時間(選別確認時間)
ts1、ts2 時刻(停止指令入力時点)
Vrj 搬送速度(コンベア速度)
W ワーク(物品)
Z1 検査区間(所定搬送区間)
Z2 選別区間(所定搬送区間)