(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114234
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】防水装置及び開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 5/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019876
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(74)【代理人】
【識別番号】100150865
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 司
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 昇
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】開閉体と当該開閉体を設けるための枠体とが設けられている開口部に対して設置される防水装置において、開閉体に対する干渉を低減し、開閉体に傷がつくことを低減することが可能な防水装置の提供。
【解決手段】開口部の少なくとも下部側を塞ぐことで、開口部の少なくとも下部側の防水性を向上する防水本体部11と、防水本体部11の前記開口部に対する取り付け状態を保持するための取付部材であって、枠体3と開閉体2の間で挟持されるように、防水本体部11の下部に設けられ、防水本体部11の幅方向の両側部には設けられていない、取付部材12と、防水本体部11の開閉体2と対向する位置に設けられた、防水本体部11が開閉体2に接触することを防止するための緩衝部材13と、を備える、防水装置1。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体と当該開閉体を設けるための枠体とが設けられている開口部に対して設置される防水装置であって、
前記開口部の少なくとも下部側を塞ぐことで、前記開口部の少なくとも下部側の防水性を向上する防水本体部と、
前記防水本体部の前記開口部に対する取り付け状態を保持するための取付部材であって、前記枠体と前記開閉体の間で挟持されるように、前記防水本体部の下部に設けられ、前記防水本体部の幅方向の両側部には設けられていない、取付部材と、
前記防水本体部の前記開閉体と対向する位置に設けられた、前記防水本体部が前記開閉体に接触することを防止するための緩衝部材と、
を備える、防水装置。
【請求項2】
前記緩衝部材が、前記防水本体部の上部に設けられている、請求項1に記載の防水装置。
【請求項3】
前記緩衝部材が、前記防水本体部の幅方向の両端部に設けられている、請求項1又は2に記載の防水装置。
【請求項4】
前記取付部材が、前記枠体と前記開閉体の間に挟まれる被挟持部と、前記開閉体の下端部と係合して前記防水本体部の上方向への移動を規制する係合部と、を有する、請求項1又は2に記載の防水装置。
【請求項5】
前記係合部が、前記開閉体の下端部と接触することで、下方への圧力を受けるように構成された傾斜面を有する、請求項4に記載の防水装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の防水装置を備えた開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に対して設置される防水装置及び当該防水装置を備えた開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水害時における、建物等の開口部からの浸水を抑止若しくは低減させるための、開口部に設置する防水装置若しくは止水装置(以下「防水装置」という)が用いられている。
特許文献1には、このような防水装置として、扉を開閉可能に設置するための扉枠に設けられる防水装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の防水装置は、扉が存在しない開口部においても設置が可能となるようにしたものであり、その下端部及び両側端部に、取り付けのための係止部(取付部材)を備えているものである。
一方で、扉が存在する場合においては、扉や扉枠の構造の別によって、両側端部の取付部材が扉や扉枠と干渉する場合があった。例えば、扉の意匠性を向上するために、戸先や戸尻にアルミ押出材のエッジを設ける場合があり、
図8(扉の戸尻側の水平断面図)に示されるように、エッジ21と、防水装置200の取付部材201が干渉してしまう場合がある。
図8(a)に示されるように、エッジ21と取付部材201が重なるような関係となると、エッジ21に傷が付いたり、扉2を閉めるのがきつくなる等の問題が生じる場合がある。また、エッジ21と取付部材201が接触し得る関係であると、
図8(b)に示されるように、扉2を開けた際に、両者が接触して(引っかかり)エッジ21が変形してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、開閉体と当該開閉体を設けるための枠体とが設けられている開口部に対して設置される防水装置において、開閉体に対する干渉を低減し、開閉体に傷がつくことを低減させることが可能な防水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)
開閉体と当該開閉体を設けるための枠体とが設けられている開口部に対して設置される防水装置であって、前記開口部の少なくとも下部側を塞ぐことで、前記開口部の少なくとも下部側の防水性を向上する防水本体部と、前記防水本体部の前記開口部に対する取り付け状態を保持するための取付部材であって、前記枠体と前記開閉体の間で挟持されるように、前記防水本体部の下部に設けられ、前記防水本体部の幅方向の両側部には設けられていない、取付部材と、前記防水本体部の前記開閉体と対向する位置に設けられた、前記防水本体部が前記開閉体に接触することを防止するための緩衝部材と、を備える、防水装置。
【0007】
(構成2)
前記緩衝部材が、前記防水本体部の上部に設けられている、構成1に記載の防水装置。
【0008】
(構成3)
前記緩衝部材が、前記防水本体部の幅方向の両端部に設けられている、構成1又は2に記載の防水装置。
【0009】
(構成4)
前記取付部材が、前記枠体と前記開閉体の間に挟まれる被挟持部と、前記開閉体の下端部と係合して前記防水本体部の上方向への移動を規制する係合部と、を有する、構成1から3の何れかに記載の防水装置。
【0010】
(構成5)
前記係合部が、前記開閉体の下端部と接触することで、下方への圧力を受けるように構成された傾斜面を有する、構成4に記載の防水装置。
【0011】
(構成6)
構成1から5の何れかに記載の防水装置を備えた開閉装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の防水装置によれば、開閉体に対する干渉を低減し、開閉体に傷がつくことを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る防水装置をドア装置に設置する状態を示す概略斜視図
【
図4】実施形態の防水装置の緩衝部材が形成された箇所を示す図
【
図5】実施形態の防水装置をドア装置に設置した状態を示す断面図
【
図8】防水装置の両側端部に取付部材がある場合において、ドアの部材と干渉した場合を示す説明図
【
図9】防水装置の両側端部に取付部材がなく、緩衝部材がない場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0015】
図1は、実施形態の防水装置を、ドア装置(開閉装置)に設置する状態を示す概略斜視図(ドアが半開きの状態を屋内側からみた図)である。
本実施形態の防水装置1は、建物等の開口部からの浸水を抑止若しくは低減させるためのものであり、ドア(開閉体)2とこれを設けるためのドア枠(枠体)3とを備えるドア装置(開閉装置)が設けられている開口部OPに対して設置される防水装置である。
図2~4は、本実施形態の防水装置1を示す図であり、それぞれ、
図2(a):側面図、
図2(b):正面図(設置時に屋内側からみた図)、
図2(c):底面図、
図3:正面側の底面側からみた斜視図、
図4(a):緩衝部材が形成された箇所を示す側面図、
図4(b):緩衝部材が形成された箇所を示す背面図、
図4(c):緩衝部材が形成された箇所を示す斜視図、である。
また、
図5は、防水装置をドア装置に設置した状態を示す断面図であり、
図5(a):防水装置が設置されたドア装置の下部付近の垂直断面図、
図5(b):防水装置が設置されたドア装置の下部付近のドア2の戸尻側の水平断面図である。
【0016】
防水装置1は、
開口部の少なくとも下部側を塞ぐことで、開口部の少なくとも下部側の防水性を向上する防水本体部11と、
防水本体部11の開口部に対する取り付け状態を保持するための取付部材であって、ドア枠3とドア2の間で挟持されるように、防水本体部11の下部に設けられ、防水本体部11の幅方向(
図2(b)における左右方向)の両側部には設けられていない、取付部材12と、
防水本体部11の、ドア2と対向する位置に設けられた、防水本体部11がドア2に接触することを防止するための緩衝部材13と、
を備えている。
【0017】
図2,3に示されるように、本実施形態の防水本体部11は、防水板111と、シール部材112と、取っ手113と、を有している。
防水板111は、基本態様が、屋外側に開口した箱状の部材であり、ステンレスの板材をプレス加工して形成されたものである。なお、防水板111は、止水性能及び必要な強度を持った材料(及び構造)で形成されるものであればよい。例えば、金属や樹脂などの材料によって形成され、材料との組み合わせで必要な強度(水圧に堪え得る強度)が得られるように(且つなるべく軽量となるように)、例えば単なる板状の部材や、板状部材に補強リブが形成されているもの、中空のパネル体やこれの内部に補強リブが形成されているもの等として形成される。
シール部材112は、防水板111の両側面及び底面の三方に設けられている。シール部材は遮水性を有しており、また、弾性を有していることが好ましく、例えば、軟質ゴム、発泡ゴムやウレタンなどの樹脂を用いて形成される。また、水膨張材(水を吸うことで膨張して隙間をふさぎ、止水する部材)を用いてもよい。
防水板111の幅方向の寸法は、ドア枠3の内側の幅間隔よりも少し小さく形成され、シール部材112が取り付けられた防水本体部11としての幅寸法は、ドア枠3の内側の幅間隔よりも少し大きく形成される。防水装置1をドア枠3の内側に設置した際には、シール部材112が弾性変形して密着し、両側面における止水機能を良好に発揮することができる。
取っ手113は、ユーザが防水装置1を取り扱う際の利便性のために設けられているものであり、本実施形態では、防水板111に形成された穴に、樹脂部材で形成された取っ手113が設けられている。なお、取っ手はユーザの手掛かりとなり得る任意の構造であってよく、また、取っ手は必須のものでは無い。
【0018】
取付部材12は、防水本体部11の取り付け状態を保持するための部材であり、本実施形態では、防水板111と連続的に形成されている(防水板111と一体的に、ステンレスの板材をプレス加工して形成される)。取付部材12は、防水本体部11の下端側にのみ形成されており、両側部にはない。なお、取付部材12は、下記の機能を有するのに必要な強度をもって形成されるものであればよい。例えばプレス加工に替えてベンダー曲げで形成されるもの等であってよい。また、防水板111と連続的(一体的)に形成されるものに限るものではなく、その材料も例えばスチールで形成される等、ステンレスに限られるものでも無い。
取付部材12は、ドア枠3とドア2の間に挟まれる被挟持部121と(
図5(a)参照)、ドア2の下端部22と係合して防水本体部11の上方向への移動を規制する係合部122と、を有する。
図5(a)に示されるように、被挟持部121は、略垂直方向に延びる部位であり、ドア枠3とドア2の間に挟まれることで、防水本体部11の取り付け状態を保持する。ドア枠には、通常、気密パッキン31等の、気密性向上若しくは戸当たりとしての弾性部材が備えられており、被挟持部121はこれらのドア枠の弾性部材とドアとの間で挟持されるように構成されている。
係合部122は、被挟持部121から延在して設けられている。
図5(a)に示されるように、係合部122は、ドア2の下側に入り込むように構成され、ドア2の下端部22と接触する傾斜面(屋外側へ向かって下がる傾斜面)として構成されている。ドア2が閉められる際(即ち、
図5(a)において、左側(屋外側)からドア2が移動してくる際)に、ドア2の下端部22(ドアの下端の角部)が係合部122と接触すると、傾斜面である係合部122は、屋内側への圧力と下方への圧力を受けることになる。これにより、防水本体部11にも下方へと押し下げる力が働き、これによって、ドア枠3と防水本体部11(シール部材112)の底部との密着力(即ち止水機能)が向上されるものである。
【0019】
緩衝部材13は、防水本体部11のドア2と対向する位置に設けられ、防水装置によってドア2が傷つけられること等を防止するための緩衝部材であり、エラストマー性を有する材料等によって形成される。
図4に、防水本体部11の背面視で(屋外側から見た場合に)左側となる位置の緩衝部材13を示した(なお、
図4では、シール部材112は描いていない)。なお、反対側(背面視で右側)も、同様の構成(左右対称の構成)である。
図4に示されるように、本実施形態の緩衝部材13は、ドア2に対するあたり面において曲面を有するブロック状のゴム部材で形成されている。緩衝部材13は、防水板111と連続的に形成された舌片が折り返されることで背面側の上部でドア2と対向する面を有する支持片1111によって保持されている。
緩衝部材13は、防水本体部11の背面側に突出するように構成され、これにより、緩衝部材13がドア2と接触し、防水本体部11がドア2と接触することを防止する。
本実施形態の緩衝部材13は、防水本体部11の上部に設けられ、且つ、防水本体部11の幅方向の両端部に設けられている。
【0020】
以上の構成を有する本実施形態の防水装置1によれば、防水装置を取り付けるための取付部材が、幅方向の両側端部には無いため、
図8に示したような問題(エッジ21と取付部材201が干渉することにより、エッジ21に傷が付いたり、扉2を閉めるのがきつくなる等の問題や、エッジ21が変形する問題)を解消することができる。
ここで、両側端部に取付部材を設けない構成とすると、
図9(防水装置の両側端部に取付部材がなく、緩衝部材がない防水装置101の縦断面図)に示されるように、ドア2を閉めた際に、防水装置101が、ドア2の方へ傾いてしまう傾向となる。これにより、防水装置101がドア2にぶつかり、ドア2を傷つける等の問題が生じ得る。
これに対し、本実施形態の防水装置1によれば、緩衝部材13を備えていることにより、
図5からも理解されるように、防水本体部11がドア2に接触することが防止され、従って、ドア2を傷つけること等を低減ないし防止することができる。
【0021】
以上のごとく、本実施形態の防水装置1によれば、ドア(開閉体)に対する干渉を低減し、且つ、ドア(開閉体)に傷がつくことを低減することが可能となる。
また、本実施形態の防水装置1によれば、係合部122を有していることにより、防水本体部11の上方向への移動が規制され、防水装置1の下端側の止水性能を向上することができる。さらに、この点に関し、緩衝部材13があることによって相乗的な効果を得ることができる。前述のごとく、緩衝部材13が無い場合、防水装置がドア2の方へ傾いてしまう。この場合、
図9からも理解されるように、防水装置の下端の屋内側が少し浮き上がる結果となる。即ち、この部分での密着性(≒止水性)がやや低下する傾向となるものである。これに対し、本実施形態の防水装置1によれば、緩衝部材13があることによって、防水装置の姿勢が維持されるため、上記のような問題が無く、下端側の止水性能を向上することができるものである。
【0022】
なお、本実施形態では、緩衝部材13が、防水板111と連続的に形成された支持片1111によって保持されるものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、緩衝部材13を防水本体部11の背面側(ドアと対向する位置)に設置できる任意の方法を用いることができる。
図6、7には、緩衝部材を設けるための別の構成の一例を示した。
図6(a):緩衝部材が形成された箇所を示す側面図、
図6(b):緩衝部材が形成された箇所を示す背面図、
図6(c):緩衝部材が形成された箇所を示す斜視図、であり、
図7(a):保持部材1111´を示す背面図、
図7(b):保持部材1111´を示す底面図である。
図6、7の例では、防水板111´とは別体で形成された、緩衝部材13を保持するための保持部材1111´を使用している。
保持部材1111´は底面視で略L字状の部材であり、その一端に、防水板111´の側面に形成された取付穴111hに嵌る係合突起11111を有している。また、緩衝部材13がはめ込まれる嵌め込み穴1111hが形成されている。
図6からも理解されるように、緩衝部材13は、防水板111´に取り付けられた保持部材1111´によって保持されるものである。
なお、前述のごとく、緩衝部材13が防水本体部11の背面側に設置されるものであればよく、例えば、実施形態で示した支持片1111や上記保持部材1111´等の緩衝部材を保持するための部材を特に設けることなく、防水本体部11の背面側に緩衝部材13を接着するようなものであってもよい。
【0023】
本実施形態では、緩衝部材13が、防水本体部11の上部に設けられ、且つ、防水本体部11の幅方向の両端部に設けられているものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、緩衝部材は、防水本体部のドア(開閉体)と対向する位置に設けられることで、防水本体部が開閉体に接触することを防止することができるものであればよい。
また、緩衝部材の機能を他の部材に持たせるようにしてもよい。例えば、本実施形態のような取っ手を設ける場合に、取っ手の背面側(ドアと対向する側)を、防水本体部の背面側に突出するように設けることで、取っ手の背面側をあたり面として、緩衝部材として機能させるものであってもよい。取っ手を樹脂部材で形成している場合には、それそのもので緩衝部材として機能させ得る。取っ手そのものでは柔軟性が足りない場合には、取っ手の裏面にエラストマー性を有する部材を設けるようにしてもよい。
シール部材によって緩衝部材の機能を持たせるようにしてもよい。本実施形態では、
図2、3に示されるように、シール部材112が、防水板111両側面(及び底面)から正面側に回り込むような構成を有しているが、シール部材が背面側に回り込むような構成とすることにより、防水板111とドア2の間にシール部材を位置させ、シール部材を緩衝部材としても機能させるようにしてもよい。
何れも本発明における「防水本体部の開閉体と対向する位置に設けられた、防水本体部が開閉体に接触することを防止するための緩衝部材」に該当するものである。
【0024】
本実施形態では、取付部材12が防水板111と一体的に形成されるものを例としたが、本発明をこれに限るものでは無く、取付部材12が、防水板111とは別体で形成され、防水本体部11に接合(溶接や接着など)されるものであってもよい。
また、本実施形態では、幅方向に分割された3つの取付部材12が形成されるものを例としているが、本発明をこれに限るものでは無く、取付部材12は1つ若しくは2つのみ設けられるものであってよいし、4つ以上設けられるものであってもよい。
【0025】
本実施形態では、取付部材が被挟持部と係合部を備えるもの(全ての取付部材が係合部を備えるもの)を例としているが、本発明をこれに限るものでは無く、一部の取付部材が係合部を備えないものとしてもよいし、全ての取付部材が係合部を備えないものであってもよい(係合部は必須の構成ではない)。ただし、少なくとも一つの係合部を備えることにより、上記のごとく、下端側の止水性を向上することができるため、好適である。
また、本実施形態では、係合部122が、傾斜面として形成されるものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、ドアの下端部と係合して防水本体部の上方向への移動を規制し得るものであればよい。例えば、係合部を本実施形態のような傾斜面ではなく、略水平方向に延びる係合部とし形成してもよい。水平方向に延びる係合部とする場合には、係合部を、防水本体部の底部のシール部材が弾性変形してない状態ではドアの底部よりも高い位置となり、防水装置を下に押し込んで底部のシール部材を弾性変形させた(潰した)状態ではドアの底部よりも低い位置となるように形成する。設置時に防水装置を手で下に押し込んだ状態(シール部材を弾性変形させた(潰した)状態)としてドアを閉めることで、ドアの底部に係合部が係合する。下方への押込みを離すことで、シール部材の弾性変形が戻ろうとするが、ドアの底部に係合部が係合しているため、防水本体部の上方向への移動が規制され、下端側の止水性を向上することができる。
【0026】
本実施形態では、開閉体として、ドア(戸尻側のヒンジを軸として回動する扉)を例としているが、本発明をこれに限るものではなく、開閉体と当該開閉体を設けるための枠体とを有し、枠体と開閉体の間で取付部材を挟持し得るものであれば、本発明の概念を適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1...防水装置
11...防水本体部
12...取付部材
121...被挟持部
122...係合部
13...緩衝部材
2...ドア(開閉体)
22...ドア(開閉体)の下端部
3...ドア枠(枠体)
OP...開口部