(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114260
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240816BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019913
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 泰生
(72)【発明者】
【氏名】島田 叡
(72)【発明者】
【氏名】山口 高央
(72)【発明者】
【氏名】関根 勉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】レンタル車両の引き継ぎ募集に応募する際の引き継ぎ希望者の利便性が高い処理装置を実現する。
【解決手段】本開示の処理装置(4)は、レンタル車両(2)の車両情報を取得する車両情報取得部(4a)と、顧客の個人情報を取得する個人情報取得部(4b)と、引き継ぎ希望情報を取得する引き継ぎ希望情報取得部(4e)と、レンタル車両(2)を一時的に駐車可能な引き継ぎ候補スポットの位置情報を取得する引き継ぎ候補スポット情報取得部(4f)と、レンタル車両(2)を引き継ぐための引き継ぎスポットを選択する第1の選択部(4g)と、引き継ぎ募集情報を生成する募集情報生成部(4h)と、引き継ぎ募集情報を、引き継ぎスポットの位置情報及び航続走行可能情報と共に、顧客に送信する通信部(4i)と、応募情報を取得する応募情報取得部(4j)と、応募情報に基づいて、新たな利用者を選択する第2の選択部(4k)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタル車両の車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記レンタル車両の利用を希望する顧客の個人情報を取得する個人情報取得部と、
前記レンタル車両の第1の利用者が当該レンタル車両を第2の利用者に引き継がせたい引き継ぎ希望場所の位置情報を含む引き継ぎ希望情報を取得する引き継ぎ希望情報取得部と、
前記レンタル車両を前記第2の利用者に引き継ぐために一時的に駐車可能な引き継ぎ候補スポットの位置情報を取得する引き継ぎ候補スポット情報取得部と、
前記引き継ぎ希望情報と、前記引き継ぎ候補スポットの位置情報と、に基づいて、前記引き継ぎ候補スポットから前記レンタル車両を前記第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットを選択する第1の選択部と、
前記引き継ぎスポットで前記レンタル車両を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者を募る引き継ぎ募集情報を生成する募集情報生成部と、
前記引き継ぎ募集情報を、前記引き継ぎスポットの位置情報及び前記レンタル車両の航続走行可能情報を含む車両情報と共に前記顧客に送信する通信部と、
前記引き継ぎ希望者から応募情報を取得する応募情報取得部と、
前記応募情報に基づいて、前記第2の利用者を選択する第2の選択部と、
を備える、処理装置。
【請求項2】
前記応募情報は、引き継ぎ希望時刻を含み、
前記第2の選択部は、前記引き継ぎスポットでの前記レンタル車両の降車予定時刻に対して所定の期間内に引き継ぎ可能な前記引き継ぎ希望時刻を提示した引き継ぎ希望者を前記第2の利用者として選択し、
前記通信部は、前記第1の利用者及び前記第2の利用者に前記引き継ぎスポットの位置情報を含む引き継ぎ決定情報を送信する、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記所定の期間は、前記希望者の応募者数に基づいて変化させる、請求項2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記レンタル車両の乗車予定の駐車スポット及び降車予定の駐車スポットの位置情報を含む予約情報を取得する予約情報取得部を備え、
前記引き継ぎスポットでの前記レンタル車両の降車予定時刻に対して前記所定の期間内に引き継ぎ可能な前記引き継ぎ希望時刻を提示した引き継ぎ希望者が存在しない場合、前記通信部は、前記第1の利用者に前記降車予定の駐車スポットに移動するように指示する指示情報を送信する、請求項2又は3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1の選択部は、前記引き継ぎ希望場所に最も近い引き継ぎ候補スポットを、前記レンタル車両を前記第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットとして選択する、請求項1から3のいずれか1項に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市部を中心として、レンタル電動自転車やレンタル電動キックボード、又はシェアリングカー(乗用車)などのレンタル車両の乗降場所である駐車スペースが急増しており、当該レンタル車両の利便性が向上している。このようなレンタル車両を利用する場合、利用者が乗車予定の駐車スペース及び降車予定の駐車スペースを予約情報として予め入力するが、利用者がレンタル車両に乗車中に立ち寄りたい場所などで当該レンタル車両を新たな利用者に引き継がせたい場合がある。
【0003】
そこで、特許文献1の引き継ぎ管理システムは、現在の利用者がレンタル車両を新たな利用者に引き継がせたい場所及び時刻を含む依頼情報を顧客端末に送信して当該レンタル車両を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者の応募を募り、応募した引き継ぎ希望者を当該引き継がせたい場所からレンタル車両を引き継いで利用する新たな利用者として選択している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の引き継ぎ管理システムは、依頼情報にレンタル車両の航続走行可能情報が含まれていない。そのため、例えば、レンタル車両が電動自転車や電動キックボードなどのマイクロモビリティの場合、走行中に充電できないため、降車予定の駐車スペースまで走行できるか否かを確認できず、引き継ぎ希望者の利便性が低い課題を有する。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を解決するためになされたものであり、レンタル車両の引き継ぎ募集に応募する際の引き継ぎ希望者の利便性が高い処理装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る処理装置は、
レンタル車両の車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記レンタル車両の利用を希望する顧客の個人情報を取得する個人情報取得部と、
前記レンタル車両の第1の利用者が当該レンタル車両を第2の利用者に引き継がせたい引き継ぎ希望場所の位置情報を含む引き継ぎ希望情報を取得する引き継ぎ希望情報取得部と、
前記レンタル車両を前記第2の利用者に引き継ぐために一時的に駐車可能な引き継ぎ候補スポットの位置情報を取得する引き継ぎ候補スポット情報取得部と、
前記引き継ぎ希望情報と、前記引き継ぎ候補スポットの位置情報と、に基づいて、前記引き継ぎ候補スポットから前記レンタル車両を前記第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットを選択する第1の選択部と、
前記引き継ぎスポットで前記レンタル車両を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者を募る引き継ぎ募集情報を生成する募集情報生成部と、
前記引き継ぎ募集情報を、前記引き継ぎスポットの位置情報及び前記レンタル車両の航続走行可能情報を含む車両情報と共に前記顧客に送信する通信部と、
前記引き継ぎ希望者から応募情報を取得する応募情報取得部と、
前記応募情報に基づいて、前記第2の利用者を選択する第2の選択部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、レンタル車両の引き継ぎ募集に応募する際の引き継ぎ希望者の利便性が高い処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態の引き継ぎシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態の引き継ぎシステムのレンタル車両の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態の引き継ぎシステムの顧客端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態の引き継ぎシステムの処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態の引き継ぎ方法を実現するための処理装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0011】
先ず、本実施の形態の引き継ぎシステムの構成を説明する。
図1は、本実施の形態の引き継ぎシステムの構成を示すブロック図である。本実施の形態の引き継ぎシステム1は、例えば、
図1に示すように、レンタル車両2、顧客端末3、処理装置4及びデータベース(DB)5を備えている。
【0012】
これらのレンタル車両2と、顧客端末3と、処理装置4と、DB5と、はネットワーク6を介して接続されている。ここで、ネットワーク6は、有線又は無線の通信回線、例えば、インターネットである。
【0013】
図2は、本実施の形態の引き継ぎシステムのレンタル車両の構成を示すブロック図である。レンタル車両2は、例えば、電動自動車、電動自転車又は電動キックボードなどであり、
図2に示すように、操作部2a、モータ2b、バッテリ2c、位置検出部2d、制御部2e及び通信部2fを備えている。
【0014】
つまり、レンタル車両2は、レンタル車両2の利用者(第1の利用者)による操作部2aの操作に基づいて、制御部2eがモータ2bを制御することで、走行する構成とされている。そして、レンタル車両2は、GPS(Global Positioning System)などの測位システムを用いて位置検出部2dが検出したレンタル車両2の位置情報やバッテリ2cの残量情報を、通信部2fを介してDB5に送信する構成とされている。
【0015】
レンタル車両2は、各エリアに設置された駐車スポットに駐車されている。ここで、駐車スポットは、一般的な駐車場に限らず、店舗や住居などの空きスペースなどに設置されていてもよく、レンタル車両2のバッテリ2cを充電する充電設備を備えている。そのため、レンタル車両2のバッテリ2cは、駐車スポットで充電される。
【0016】
図3は、本実施の形態の引き継ぎシステムの顧客端末の構成を示すブロック図である。顧客端末3は、レンタル車両2の利用を希望する顧客(例えば、レンタル車両2の管理運営を行う会社の顧客)が所有する携帯端末である。顧客端末3は、
図3に示すように、入力部3a、表示部3b、撮像部3c、位置検出部3d、制御部3e及び通信部3fを備えている。
【0017】
つまり、顧客端末3は、顧客による入力部3aの入力に基づいて、制御部3eが通話などを実現したり、表示部3bに画像情報を表示したり、する構成とされている。ここで、入力部3aは、例えば、顧客端末3の表示部3bに表示されるキーボードを介して顧客がキー入力したり、図示を省略したマイクを介して顧客が音声入力したり、する構成とされているとよい。
【0018】
そして、顧客端末3は、GPSなどの測位システムを用いて位置検出部3dが検出した顧客端末3の位置情報や顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で顧客によって入力部3aから入力された予約情報や引き継ぎ希望情報などを、通信部3fを介してDB5に送信する構成とされている。
【0019】
また、顧客端末3は、例えば、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で、レンタル車両2に設けられた当該レンタル車両2を識別するためのQRコード(登録商標)などを撮像部3cが撮像して取得した画像情報を、通信部3fを介して処理装置4に送信する構成とされている。
【0020】
図4は、本実施の形態の引き継ぎシステムの処理装置の構成を示すブロック図である。処理装置4は、
図4に示すように、車両情報取得部4a、個人情報取得部4b、予約情報取得部4c、認証部4d、引き継ぎ希望情報取得部4e、引き継ぎ候補スポット情報取得部4f、第1の選択部4g、募集情報生成部4h、通信部4i、応募情報取得部4j及び第2の選択部4kを備えている。
【0021】
車両情報取得部4aは、各々のレンタル車両2の車両情報を取得する。車両情報は、例えば、レンタル車両2の識別情報、レンタル車両2が駐車されている駐車スポット情報、第1の利用者の会員番号情報、レンタル車両2の現在の位置情報、及びレンタル車両2の航続走行可能情報の代表例である当該レンタル車両2の現在のバッテリ残量情報などを含む。
【0022】
個人情報取得部4bは、レンタル車両2の利用を希望する顧客の個人情報を取得する。個人情報は、例えば、顧客の氏名情報、住所情報、性別情報、年齢情報、連絡先情報、会員番号情報、メールアドレス情報及びクレジットカード情報などを含む。
【0023】
予約情報取得部4cは、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で顧客によって入力部3aから入力された予約情報を取得する。予約情報は、予約した顧客の会員番号情報、利用を希望するレンタル車両2の識別情報、利用を希望するレンタル車両2が駐車されている駐車スポット情報(即ち、乗車予定の駐車スポット情報)、乗車予定時刻情報、降車予定時刻情報、及び降車予定の駐車スポット情報などを含む。
【0024】
認証部4dは、例えば、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で撮像部3cがレンタル車両2に設けられたQRコードなどを撮像して取得した画像情報に基づいて、第1の利用者の認証を行い、レンタル車両2の利用を予約した顧客と当該顧客端末3の所有者とが一致する場合、レンタル車両2を利用可能な状態にする。
【0025】
引き継ぎ希望情報取得部4eは、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で第1の利用者によって入力部3aから入力された引き継ぎ希望情報を取得する。引き継ぎ希望情報は、第1の利用者が当該レンタル車両を新たな利用者(第2の利用者)に引き継がせたい引き継ぎ希望場所の位置情報及び第1の引き継ぎ希望時刻情報などを含む。
【0026】
引き継ぎ候補スポット情報取得部4fは、レンタル車両2を第2の利用者に引き継ぎ可能な引き継ぎ候補スポットの位置情報を取得する。引き継ぎ候補スポットは、レンタル車両2を一時的に駐車可能なスペースである。駐車可能なスペースとは、例えばコンビニエンスストアやスーパーなどの商業施設の駐車場でもよい。例えば銀行や公共施設などの駐車場でもよい。例えばコインパーキングでもよい。
【0027】
このとき、引き継ぎ候補スポットは、レンタル車両2を第2の利用者に引き継ぐために予め設定される一時的なスポットの候補地であるため、レンタル車両2の充電設備を備えている必要はない。但し、引き継ぎ候補スポットに駐車スポットが含められてもよい。
【0028】
第1の選択部4gは、詳細は後述するが、引き継ぎ希望情報及び引き継ぎ候補スポットの位置情報に基づいて、引き継ぎ候補スポットからレンタル車両2を第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットを選択する。
【0029】
募集情報生成部4hは、選択した引き継ぎスポットでレンタル車両2を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者を募る引き継ぎ募集情報を生成する。通信部4iは、引き継ぎ募集情報を、選択した引き継ぎスポットの位置情報、第1の引き継ぎ希望時刻情報及びレンタル車両2の航続走行可能情報の代表例である当該レンタル車両2のバッテリ残量情報と共に、顧客端末3に送信したり、顧客端末3から後述の応募情報を受信したり、する。
【0030】
応募情報取得部4jは、当該引き継ぎ募集情報に対して、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で引き継ぎ希望者によって入力部3aから入力された応募情報を取得する。応募情報は、引き継ぎ希望者の会員番号情報、引き継ぎ希望者がレンタル車両2を引き継いで利用を開始する乗車予定時刻情報(即ち、第2の引き継ぎ希望時刻情報)、及び降車予定の駐車スポット情報などを含む。
【0031】
第2の選択部4kは、詳細は後述するが、応募情報に基づいて引き継ぎ希望者の中から第2の利用者を選択する。そして、レンタル車両2の車両情報、顧客の個人情報、予約情報、引き継ぎ希望情報、駐車スポットの位置情報、引き継ぎ候補スポットの位置情報、引き継ぎスポットの位置情報及び応募情報などを
図1に記載したDB5に格納する。
【0032】
次に、本実施の形態の引き継ぎ方法を実現するための処理装置4の処理の流れを説明する。
図5は、本実施の形態の引き継ぎ方法を実現するための処理装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0033】
ここで、本実施の形態では、第1の利用者がレンタル車両2を利用している最中に当該レンタル車両2の引き継ぎを希望する場合を説明する。そのため、車両情報取得部4aがレンタル車両2の車両情報を取得し、個人情報取得部4bが顧客の個人情報を取得し、予約情報取得部4cが予約情報を既に取得しているものとする。
【0034】
先ず、引き継ぎ希望情報取得部4eは、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で第1の利用者によって入力部3aから入力された引き継ぎ希望情報を取得する(S1)。
【0035】
次に、引き継ぎ候補スポット情報取得部4fは、引き継ぎ候補スポットの位置情報を取得する(S2)。そして、第1の選択部4gは、引き継ぎ希望情報及び引き継ぎ候補スポットの位置情報に基づいて、引き継ぎ候補スポットからレンタル車両2を第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットを選択する(S3)。
【0036】
このとき、第1の選択部4gは、例えば、引き継ぎ希望場所に最も近い引き継ぎ候補スポットを、レンタル車両2を第2の利用者に引き継ぐための引き継ぎスポットとして選択するとよい。
【0037】
なお、第1の選択部4gは、レンタル車両2のバッテリ残量も考慮して引き継ぎスポットを選択する場合、レンタル車両2のバッテリ残量で到達可能な引き継ぎ候補スポットのうち、引き継ぎ希望場所に最も近い引き継ぎ候補スポットを引き継ぎスポットとして選択するとよい。
【0038】
次に、募集情報生成部4hは、選択した引き継ぎスポットでレンタル車両2を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者を募る引き継ぎ募集情報を生成する(S4)。そして、通信部4iは、引き継ぎ募集情報を、選択した引き継ぎスポットの位置情報、第1の引き継ぎ希望時刻情報及びレンタル車両2のバッテリ残量情報と共に、顧客端末3に送信する(S5)。
【0039】
このとき、通信部4iは、例えば、顧客端末3の位置情報に基づいて、選択した引き継ぎスポットを中心とする予め設定された半径内に存在する顧客端末3に引き継ぎ募集情報を送信するとよい。これにより、全ての顧客端末3に引き継ぎ募集情報を送信する場合に比べて、通信部4iの通信量を抑制することができる。
【0040】
次に、応募情報取得部4jは、当該引き継ぎ募集情報に対して、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で引き継ぎ希望者によって入力部3aから入力された応募情報を取得したか否かを判定する(S6)。応募情報を取得した場合(S6のYES)、第2の選択部4kは、応募情報に基づいて引き継ぎ希望者の中から第2の利用者を選択する(S7)。
【0041】
このとき、第2の選択部4kは、例えば、引き継ぎ希望情報の第1の引き継ぎ希望時刻(即ち、選択した引き継ぎスポットでのレンタル車両2の降車予定時刻)情報及び応募情報の第2の引き継ぎ希望時刻情報に基づいて、第1の引き継ぎ希望時刻に対して所定の第1の期間(例えば、15分)内に引き継ぎ可能な第2の引き継ぎ希望時刻を提示した引き継ぎ希望者を第2の利用者に選択するとよい。
【0042】
但し、第2の選択部4kは、例えば、車両情報のレンタル車両2の位置情報及び選択した引き継ぎスポットの位置情報に基づいて、選択した引き継ぎスポットでのレンタル車両2の降車予定時刻を推定し、推定した降車予定時刻に対して第1の期間内の第2の引き継ぎ希望時刻を提示した引き継ぎ希望者を第2の利用者に選択してもよい。
【0043】
ここで、第1の期間は、例えば、引き継ぎ希望者の応募者数に基づいて変化させるとよい。このとき、例えば、引き継ぎ希望者の応募者数が所定の応募者数(例えば、2、3人)に対して多くなるのに従って第1の期間を短くし、引き継ぎ希望者の応募者数が所定の応募者数に対して少なくなるのに従って第1の期間を長くするとよい。
【0044】
これにより、引き継ぎ希望者の応募者数が多いほど、第2の利用者に決定した引き継ぎ希望者がキャンセルなどした場合、新たな引き継ぎ希望者を募集しやすくなる。また、引き継ぎ希望者の応募者数が少ない場合、引き継ぎ希望者の応募を受け付けやすくなる。その結果、レンタル車両2を引き継ぎスポットから駐車スポットに移動させることができる可能性を向上させることができる。
【0045】
なお、引き継ぎ希望者が複数人の場合、第2の選択部4kは、例えば、第1の引き継ぎ希望時刻に最も近い第2の引き継ぎ希望時刻を提示した引き継ぎ希望者を第2の利用者に選択するとよい。
【0046】
次に、通信部4iは、選択された第2の利用者の顧客端末3及び第1の利用者の顧客端末3に選択した引き継ぎスポットの位置情報を含む引き継ぎ決定情報を送信する(S8)。その後、第1の利用者が選択された引き継ぎスポットに到着し、顧客端末3にインストールされたアプリを起動させた状態で入力部3aから終了情報を入力すると、車両情報取得部4aは、レンタル車両2の利用者を第1の利用者の会員番号情報から第2の利用者の会員番号情報に更新する。
【0047】
これにより、レンタル車両2の引き継ぎが完了する(S9)。つまり、レンタル車両2の管理責任が第1の利用者から第2の利用者に引き継がれる。そして、処理装置4は、第1の利用者の個人情報のクレジットカード情報に基づいて、決済を実行する。このように第1の利用者がレンタル車両2の引き継ぎを希望する場合、利用料を引き上げてもよい。
【0048】
また、第2の利用者が降車予定の駐車スポットに到着して決済を行う場合、処理装置4は、例えば、利用料を減額したり、次回利用できるクーポンを発行したり、するとよい。これにより、第1の利用者によるレンタル車両2の安易な引き継ぎ希望を抑制しつつ、引き継ぎ募集への応募を促進することができる。
【0049】
また、例えば、レンタル車両2の位置情報や第2の利用者の位置情報に基づいて、第2の利用者がレンタル車両2を引き継いでいない場合、つまり、第2の利用者がレンタル車両2の管理責任を果たしていない場合、処理装置4は、第2の利用者の顧客端末3にレンタル車両2の引き継ぎを促す督促情報を送信するとよい。
【0050】
そして、督促情報を送信してから所定の第2の期間が経過しても、第2の利用者がレンタル車両2を引き継いでいない場合、処理装置4は、第2の利用者にペナルティーとして、所定の第3の期限が経過するまで次回の予約を受け付けなかったり、ペナルティー料金を徴収したり、するとよい。
【0051】
その後、第2の利用者は顧客端末3を用いて認証を行い、レンタル車両2を引き継いで利用することができる。一方、応募情報を取得しなかった場合(S6のNO)、通信部4iは、第1の利用者の顧客端末3に降車予定の駐車スポットに移動するように指示する指示情報を送信する(S10)。
【0052】
つまり、レンタル車両2の管理責任を第1の利用者から第2の利用者に引き継ぐことができないため、第1の利用者が予約時に設定した降車予定の駐車スポットまでレンタル車両2を移動させるように、第1の利用者に指示する。これにより、レンタル車両2の管理責任が誰にも帰属しない状態で、レンタル車両2が引き継ぎスポットに放置されることを抑制できる。
【0053】
このように本実施の形態の処理装置4は、選択した引き継ぎスポットでレンタル車両2を引き継いで利用することを希望する引き継ぎ希望者を募る引き継ぎ募集情報を生成し、引き継ぎ募集情報をレンタル車両2の航続走行可能情報の代表例である当該レンタル車両2のバッテリ残量情報と共に、顧客端末3に送信する。これにより、応募を検討する顧客がレンタル車両2のバッテリ残量を確認して、当該レンタル車両2を引き継ぐか否かを検討することができる。そのため、レンタル車両2の引き継ぎ募集に応募する際の引き継ぎ希望者の利便性を向上させることができる。
【0054】
ここで、引き継ぎ希望情報や引き継ぎスポットの位置情報を収集することで、例えば、引き継ぎ希望場所や引き継ぎスポットが集中するエリアに新たな駐車スポットを設置することができる。つまり、引き継ぎ希望情報をビックデータとして収集することができる。
【0055】
なお、上記処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。つまり、処理装置を構成する制御コンピュータがプログラムを実行することで、上記の処理装置の制御が実行される。上述したプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施の形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random access memory(RAM)、read only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0056】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、引き継ぎ募集情報と共にレンタル車両2の航続走行可能情報として当該レンタル車両2のバッテリ残量情報を顧客端末3に送信しているが、引き継ぎ募集情報と共にレンタル車両2の航続走行可能情報としてレンタル車両2のバッテリ残量に基づいて算出した当該レンタル車両2の航続走行が可能な時間や距離などを示す情報を顧客端末3に送信してもよい。ここで、レンタル車両2の航続走行が可能な距離は、例えば、バッテリ残量及び一般的な標準体型の体重などに基づいて算出するとよい。
なお、引き継ぎスポットと応募情報が示す降車予定の駐車スポットとの間の距離がレンタル車両2の航続走行が可能な距離より長い場合、第2の選択部4kは、当該応募情報を送信した顧客端末3を所有する顧客を第2の利用者に選択しないとよい。但し、第2の選択部4kは、例えば、利用料を減額したり、次回利用できるクーポンを発行したり、して、当該顧客を第2の利用者に選択してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 引き継ぎシステム
2 レンタル車両、2a 操作部、2b モータ、2c バッテリ、2d 位置検出部、2e 制御部、2f 通信部
3 顧客端末、3a 入力部、3b 表示部、3c 撮像部、3d 位置検出部、3e 制御部、3f 通信部
4 処理装置、4a 車両情報取得部、4b 個人情報取得部、4c 予約情報取得部、4d 認証部、4e 引き継ぎ希望情報取得部、4f 引き継ぎ候補スポット情報取得部、4g 第1の選択部、4h 募集情報生成部、4i 通信部、4j 応募情報取得部、4k 第2の選択部
5 データベース
6 ネットワーク