(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114280
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】角度検出装置、角度検出用コンピュータプログラム及び角度検出方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/26 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
G01B11/26 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023019945
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100135976
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】川端 真広
(72)【発明者】
【氏名】田邊 健
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA32
2F065CC11
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ31
(57)【要約】
【課題】牽引車両に対する被牽引車両の角度を容易に求めることができる角度検出装置を提供する。
【解決手段】角度検出装置は、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点及び第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を検出し、第1点から第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、第1点から第4点に対応する、第5点から第8点を求め、投影平面内において、第5点及び第6点を結んだ第1直線と、第7点及び第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出装置であって、
牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、前記第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、前記第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第3点と同じである第4点を検出する検出部と、
前記検出部により検出された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求める投影部と、
前記投影平面内において、前記第5点及び前記第6点を結んだ第1直線と、前記第7点及び前記第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める角度算出部と、
を有する、ことを特徴とする角度検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な前記第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す前記第1点、前記第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第1点と同じである前記第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す前記第3点、及び、前記第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第3点と同じである前記第4点を識別するように学習した識別器を用いて、前記画像から前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を検出する、請求項1に記載の角度検出装置。
【請求項3】
前記第1点及び前記第2点は、牽引車両の後方の下端の位置を表しており、
前記投影部は、画像座標系で表された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、牽引車両の後方の下端の位置の高さを用いて、カメラ座標系で表された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点に変換し、カメラ座標系で表された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、世界座標系で表された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点に変換した後、世界座標系で表された前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、前記投影平面上に投影して、前記第5点、前記第6点、前記第7点、及び、前記第8点を求める、請求項1又は2に記載の角度検出装置。
【請求項4】
牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出用コンピュータプログラムであって、
牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、前記第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、前記第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第3点と同じである第4点を検出し、
前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求め、
前記投影平面内において、前記第5点及び前記第6点を結んだ第1直線と、前記第7点及び前記第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める、
ことを含む処理をプロセッサに実行させる、ことを特徴とする角度検出用コンピュータプログラム。
【請求項5】
牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出方法であって、
角度検出装置が、
牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、前記第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、前記第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが前記第3点と同じである第4点を検出し、
前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、前記第1点、前記第2点、前記第3点、及び、前記第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求め、
前記投影平面内において、前記第5点及び前記第6点を結んだ第1直線と、前記第7点及び前記第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める、
ことを実行する、ことを特徴とする角度検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、角度検出装置、角度検出用コンピュータプログラム及び角度検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動制御システムは、牽引車両(乗用車)に搭載される場合がある。牽引車両は、牽引車両(トレーラ)が連結されて、この被牽引車両を牽引して走行する。
【0003】
牽引車両に搭載される自動制御システムは、牽引車両に対する被牽引車両の位置関係を検出して、被牽引車両の位置関係に基づいて牽引車両を制御する。
【0004】
牽引車両に対する被牽引車両の位置関係を表す情報として、牽引車両に対する被牽引車両の角度がある。自動制御システムは、牽引車両に対する被牽引車両の角度に基づいて、カーブした道路を走行する時の牽引車両の動作を制御する。また、自動制御システムは、後退しながら駐車する時、牽引車両に対する被牽引車両の角度に基づいて、牽引車両の動作を制御する。
【0005】
例えば、特許文献1報は、ステレオカメラで撮影した撮影した2つの画像に基づいて、牽引車両に対する被牽引車両の角度を求めることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、2つの画像を用いて牽引車両に対する被牽引車両の角度が求められるので、この角度を求める処理が複雑になるという問題があった。
【0008】
そこで、本開示は、牽引車両に対する被牽引車両の角度を容易に求めることができる角度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)一の実施形態によれば、角度検出装置が提供される。この角度検出装置は、牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出装置であって、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を検出する検出部と、検出部により検出された第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、第1点、第2点、第3点、及び、第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求める投影部と、投影平面内において、第5点及び第6点を結んだ第1直線と、第7点及び第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める角度算出部と、を有する、ことを特徴とする。
【0010】
(2)(1)の角度検出装置では、検出部は、画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を識別するように学習した識別器を用いて、画像から第1点、第2点、第3点、及び、第4点を検出することが好ましい。
【0011】
(3)(1)又は(2)の角度検出装置では、第1点及び第2点は、牽引車両の後方の下端の位置を表しており、
投影部は、画像座標系で表された第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、牽引車両の後方の下端の位置の高さを用いて、カメラ座標系で表された第1点、第2点、第3点、及び、第4点に変換し、カメラ座標系で表された第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、世界座標系で表された第1点、第2点、第3点、及び、第4点に変換した後、世界座標系で表された第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、投影平面上に投影して、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求めることが好ましい。
【0012】
(4)他の実施形態によれば、角度検出用コンピュータプログラムが提供される。この角度検出用コンピュータプログラムは、牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出用コンピュータプログラムであって、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を検出し、第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、第1点、第2点、第3点、及び、第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求め、投影平面内において、第5点及び第6点を結んだ第1直線と、第7点及び第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める、ことを含む処理をプロセッサに実行させる、ことを特徴とする。
【0013】
(5)また他の実施形態によれば、角度検出方法が提供される。この角度検出方法は、牽引車両に配置された連結部を介して回動自在に連結される被牽引車両と、牽引車両との相対角度を求める角度検出方法であって、角度検出装置が、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、牽引車両の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する牽引車両の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両の前方の一部を示す第3点、及び、第2平面内に存在する被牽引車両の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を検出し、第1点、第2点、第3点、及び、第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、第1点、第2点、第3点、及び、第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求め、投影平面内において、第5点及び第6点を結んだ第1直線と、第7点及び第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度として求める、ことを実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る角度検出装置は、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む一枚の画像に基づいて、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の角度検出装置の動作の概要を説明しており、(A)は、牽引車両及び被牽引車両の平面図であり、(B)は、後方画像の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の角度検出装置の動作の概要を説明しており、角度を求めることを説明する図である。
【
図3】本実施形態の角度検出装置が実装される車両のハードウエア構成図である。
【
図4】本実施形態の角度検出装置の角度検出処理に関する動作フローチャートの一例である。
【
図5】本実施形態の角度検出装置の座標変換処理に関する動作フローチャートの一例である。
【
図6】本実施形態の角度検出装置の投影処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1(A)、
図1(B)及び
図2は、本実施形態の角度検出装置の動作の概要を説明する図である。
図1(A)は、車両10及び被牽引車両30の平面図であり、
図1(B)は、後方画像の一例を示す図である。
図2は、角度を求めることを説明する図である。以下、
図1(A)、
図1(B)及び
図2を参照しながら、本明細書に開示する角度検出装置12の角度検出処理に関する動作の概要を説明する。
【0017】
牽引車両10(以下、単に車両10ともいう)は、被牽引車両30を牽引する。被牽引車両30は、所定の方向に伸びる連結部40を介して、車両10に回動自在に連結される。
【0018】
車両10は、自動制御装置11及び角度検出装置12を有する。角度検出装置12は、被牽引車両30の車両10に対する相対角度を検出する。自動制御装置11は、この相対角度に基づいて、被牽引車両30を牽引して走行するように車両10の動作を制御する。車両10は、自動運転車両であってもよい。
【0019】
連結部40は、全体として棒状の形状を有する。連結部40は、車両10の後面10aの下端における幅方向の中央と、被牽引車両30の前面30aの下端における幅方向の中央とを連結する。幅方向は、それぞれの車両の前後方向に対して垂直な方向である。車両10が被牽引車両30を牽引して直進している場合、車両10の前後方向と、被牽引車両30の前後方向とは一致する。また、車両10が被牽引車両30を牽引して直進している場合、連結部40の長手方向は、車両10及び被牽引車両30の前後方向と一致する。
【0020】
連結部40の一方の端部は、例えば中空の半球形状であり、車両10の球状の嵌合部(図示せず)に回転可能に嵌合する。連結部40の他方の端部は、被牽引車両30に固定される。連結部40は、被牽引車両30の前面30aに対して垂直に伸びている。なお、連結部40は、所定の方向に伸びる異方形状を有していれば棒形状でなくてもよい。
【0021】
地面と平行な平面内において、牽引車両10の後面10aに垂直な方向に対して、連結部40のなす角度θが、被牽引車両30の車両10に対する相対角度となる。車両10が直進する時には、相対角度はほぼゼロである。以下、この相対角度を、単に、牽引車両10に対する被牽引車両30の相対角度ともいう。
【0022】
図1(A)に示す例では、車両10は左側へ旋回している。車両10の旋回にともなって、被牽引車両30は、車両10に対して相対的な角度θを有して牽引される。
【0023】
自動制御装置11は、牽引車両10に対する被牽引車両30の相対角度に基づいて、カーブした道路を走行する時に、被牽引車両30が安全に牽引されるように車両10の動作を制御する。また、自動制御装置11は、後退しながら駐車区画に駐車する時、牽引車両10に対する被牽引車両30の相対角度に基づいて、被牽引車両30が駐車区画におさまるように車両10の動作を制御する。
【0024】
カメラ3は、車両10の後方及び被牽引車両30の前方を含む後方画像を撮影する。例えば、
図1(B)に示すように、後方画像100は、車両10の後面10aの下端及び被牽引車両30の前面30aの下端を含むように撮影される。
【0025】
角度検出装置12は、後方画像100から、牽引車両10の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する牽引車両10の後方の一部を示す第1点P1、第1平面内に存在する牽引車両10の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点P1と同じである第2点P2を検出する。
【0026】
また、角度検出装置12は、後方画像100から、連結部40の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の一部を示す第3点P3、及び、第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点P3と同じである第4点P4を検出する。
【0027】
図1(B)に示す例では、第1面は、車両10の後面10aに対応する。第1点P1及び第2点P2は、後面10aの下端の左右の端の位置に対応する。また、第2面は、被牽引車両30の前面30aに対応する。第3点P3及び第4点P4は、前面30aの左右の端の位置に対応する。第1点P1、第2点P2、第3点P3、及び、第4点P4は、例えば、カメラ3の撮像面に原点を有するカメラ座標系で表される。
【0028】
図2に示すように、角度検出装置12は、第1点P1、第2点P2、第3点P3、及び、第4点P4を、地面に対して平行な投影平面W上に投影して、第1点P1、第2点P2、第3点P3、及び、第4点P4に対応する、第5点P5、第6点P6、第7点P7、及び、第8点P8を求める。第5点P5、第6点P6、第7点P7、及び、第8点P8は、例えば、実空間における所定の基準位置を原点とする世界座標系で表される。
【0029】
角度検出装置12は、投影平面W内において、第5点P5及び第6点P6を結んだ第1直線L1と、第7点P7及び第8点P8を結んだ第2直線L2とがなす角度θを、被牽引車両30の車両10に対する相対角度として求める。相対角度θは、連結部40が、車両10の後面10aから伸びる方向と一致する。
【0030】
角度検出装置12は、相対角度θを自動制御装置11へ通知する。自動制御装置11は、この相対角度θに基づいて、被牽引車両30を牽引して走行するように車両10の動作を制御する。
【0031】
以上詳述したように、角度検出装置12は、車両10の後方及び被牽引車両30の前方を含む一枚の後方画像100に基づいて、被牽引車両30の車両10に対する相対角度を容易に求めることができる。
【0032】
図3は、本実施形態の角度検出装置12が実装される車両10のハードウエア構成図である。車両10は、前方カメラ2と、後方カメラ3と、自動制御装置11と、角度検出装置12等とを有する。更に、車両10は、LiDARセンサといった、車両10の周囲の物体までの距離等を測定するための他の測距センサ(図示せず)を有してもよい。
【0033】
前方カメラ2と、後方カメラ3と、自動制御装置11と、角度検出装置12とは、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク13を介して通信可能に接続される。
【0034】
前方カメラ2は、車両10の前方を向くように、車両10に取り付けられる。前方カメラ2は、例えば所定の周期で、車両10の前方の所定の領域の環境が表された前方画像を撮影する。前方画像には、車両10の前方の所定の領域内に含まれる道路と、その路面上の車線区画線等の道路特徴物が表わされ得る。前方カメラ2により撮影される前方画像には、車両10の前方に位置する他車両が表され得る。前方カメラ2は、CCDあるいはC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。
【0035】
前方カメラ2は、前方画像を撮影する度に、前方画像及び前方画像が撮影されたカメラ画像撮影時刻を、車内ネットワーク13を介して、自動制御装置11へ出力する。カメラ画像は、自動制御装置11において、車両10の周囲の物体を検出する処理に使用される。
【0036】
後方カメラ3は、車両10の後方を向くように、車両10に取り付けられる。後方カメラ3は、例えば所定の周期で、車両10の前方の所定の領域の環境が表された後方画像を撮影する。後方画像には、車両10の後方の所定の領域内に含まれる環境が表わされる。
【0037】
後方カメラ3は、車両10の後面10aの上端において、被牽引車両30の前面30aを向くように、車両10に取り付けられることが好ましい。また、後方カメラ3は、その視野に車両10の後面10aの下端及び被牽引車両30の前面30aの下端が含まれるように、車両10に取り付けられることが好ましい。
【0038】
後方カメラ3は、CCDあるいはC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。後方カメラ3は、魚眼画像を撮影可能な魚眼カメラであることが、広い視野の後方画像を撮影する観点から好ましい。
【0039】
後方カメラ3は、後方画像を撮影する度に、後方画像及び後方画像が撮影された後方画像撮影時刻を、車内ネットワーク13を介して、角度検出装置12等へ出力する。後方画像は、角度検出装置12において、被牽引車両30の車両10に対する相対角度として求める処理に使用される。
【0040】
自動制御装置11は、車両10の走行を含む動作を制御する。自動制御装置11は、前方カメラ2により撮影された前方画像に基づいて、車両10の周囲の環境を認識する。また、自動制御装置11は、認識された車両10の周囲の環境、及び、車両10に対する被牽引車両30の相対角度等に基づいて、操舵、駆動、制動等の動作を制御する運転計画を生成する。ここで、自動制御装置11は、角度検出装置12から出力される、車両10に対する被牽引車両30の相対角度に基づいて、車両10の走行にともなって被牽引車両30に生じる状態に対する制限の範囲内で、運転計画を生成する。車両10の走行にともなって被牽引車両30に生じる状態に対する制限として、加速度、減速度、ヨーレート、角加速度等が挙げられる。自動制御装置11は、この運転計画に基づいた自動制御信号を、車内ネットワーク13を介して、操舵輪を制御するアクチュエータ(図示せず)、駆動装置(図示せず)又はブレーキ(図示せず)へ出力する。
【0041】
角度検出装置12は、検出処理と、変換処理と、投影処理と、算出処理とを実行する。そのために、角度検出装置12は、通信インターフェース(IF)21と、メモリ22と、プロセッサ23とを有する。通信インターフェース21と、メモリ22と、プロセッサ23とは、信号線24を介して接続されている。通信インターフェース21は、角度検出装置12を車内ネットワーク13に接続するためのインターフェース回路を有する。
【0042】
メモリ22は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ22は、プロセッサ23により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。また、メモリ22は、後方カメラ3の光軸方向、撮像光学系の焦点距離及び画角といった内部パラメータ及び後方カメラ3の取り付け位置及び姿勢といった外部パラメータ等を記憶する。
【0043】
角度検出装置12が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。プロセッサ23は、検出部231と、変換部232と、投影部233と、算出部234とを有する。あるいは、プロセッサ23が有する機能モジュールは、プロセッサ23に設けられる、専用の演算回路であってもよい。プロセッサ23は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。角度検出装置12は、例えば、電子制御装置(Electronic Contorol Unit:ECU)である。角度検出装置12の動作の詳細については、後述する。
【0044】
図3では、自動制御装置11と、角度検出装置12とは、別々の装置として説明されているが、これらの装置の全て又は一部は、一つの装置として構成されていてもよい。
【0045】
図4は、本実施形態の角度検出装置12の角度検出処理に関する動作フローチャートの一例である。以下、
図4を参照しながら、角度検出装置12の角度検出処理について説明する。角度検出装置12は、所定の周期で設定される角度検出時刻に、
図4に示される動作フローチャートに従って角度検出処理を実行する。
【0046】
まず、検出部231は、後方カメラ3により撮影された後方画像を取得する(ステップS101)。後方画像には、車両10の後面10aの下端及び被牽引車両30の前面30aの下端が含まれることが好ましい。
【0047】
次に、検出部231は、後方画像から、車両10の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する車両10の後方の一部を示す第1点P1、第1平面内に存在する車両10の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点P1と同じである第2点P2、連結部40の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の一部を示す第3点P3、及び、第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点P3と同じである第4点P4を検出する(ステップS102)。
【0048】
第1点、第2点、第3点及び第4点は、後方画像内の位置を表す画像座標系で表される。この画像座標系は、後方画像の左上の端を原点として、直交する2つの軸上の位置を表す座標で表される。
【0049】
検出部231は、後方画像から、牽引車両10の前後方向に対して垂直な第1平面内に存在する車両10の後方の一部を示す第1点、第1平面内に存在する車両10の後方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第1点と同じである第2点、連結部40の長手方向に対して垂直な第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の一部を示す第3点、及び、第2平面内に存在する被牽引車両30の前方の他の一部を示し且つ地上からの高さが第3点と同じである第4点を識別するように学習した識別器を有する。
【0050】
検出部231は、後方画像を、この識別器に入力することにより、第1点P1、第2点P2、第3点P3及び第4点P4を検出する。
【0051】
この識別器として、例えば、入力された画像から、その画像に表された第1点、第2点、第3点及び第4点を検出するように予め学習されたディープニューラルネットワーク(DNN)を用いることができる。
【0052】
識別器を学習するための教師画像として、牽引車両の後面下端の左の端の位置、牽引車両の後面下端の右の端の位置、又は、牽引車両の後面下端の中央の位置を、第1点及び第2点として含み、被牽引車両の前面下端の左の端の位置、被牽引車両の前面下端の右の端の位置、又は、被牽引車両の前面下端の中央の位置を、第3点及び第4点として含む画像を用いることができる。また、教師画像として、被牽引車両の前面上端の左の端の位置、被牽引車両の前面上端の右の端の位置、又は、被牽引車両の前面上端の中央の位置を、第3点及び第4点として含む画像を用いることができる。なお、第1点及び第2点は、地上からの高さが同じであれば、幅方向の中央から対称な位置でなくてもよい。同様に、第3点及び第4点は、地上からの高さが同じであれば、幅方向の中央から対称な位置でなくてもよい。
【0053】
また、検出部231が第1点、第2点、第3点及び第4点を検出する方法は、これに限定されない。例えば、後方画像は、高さ方向において、上側、中側、下側の領域に分割され、第1点及び第2点は、下側の領域に含まれており、第3点及び第4点は、中側の領域に含まれているとする。
【0054】
検出部231は、後方画像の下側の領域からエッジを抽出して、エッジが形成する直線を検出する。検出部231は、エッジが形成する2つの直線が90度の角度で交差している交差位置を検出する。そして、検出部231は、交差位置を形成する2つの直線のうちの一つの直線を共有する一対の交差位置を、第1点及び第2点として検出してもよい。
【0055】
同様にして、検出部231は、後方画像の中側の領域からエッジを抽出して、エッジが形成する直線を検出する。検出部231は、エッジが形成する2つの直線が90度の角度で交差している交差位置を検出する。そして、検出部231は、交差位置を形成する2つの直線のうちの一つの直線を共有する一対の交差位置を、第3点及び第4点として検出してもよい。
【0056】
次に、変換部232は、画像座標系で表された第1点、第2点、第3点及び第4点の位置を、実空間における所定の基準位置を原点とする世界座標系の位置に変換する(ステップS103)。この座標変換処理については、
図5を参照して後述する。
【0057】
次に、投影部233は、世界座標系で表された第1点、第2点、第3点及び第4点を、地面に対して平行な投影平面上に投影して、第1点、第2点、第3点、及び、第4点に対応する、第5点、第6点、第7点、及び、第8点を求める(ステップS104)。世界座標系は、空間における所定の基準位置を原点とし、地面に対して垂直な方向をz軸として、z軸と直交する2つの方向をx軸及びy軸とする。例えば、原点として、車両10の先端の位置を用いてもよい。
【0058】
ここで、後方カメラ3が取り付けられる車両10は、水平な地面上に位置すると仮定して、投影部233は、投影平面を求めてもよい。この場合、地面に対して平行な投影平面は、z軸に垂直な面が選択される。また、車両10が水平度を測定するセンサを備えている場合には、測定された車両10の水平度に基づいて、投影部233は、投影平面を求めてもよい。
【0059】
また、投影平面は、車両10の前後方向に垂直な面に垂直であり、且つ、車両10の前後方向を含む面に垂直な面であってもよい。このような投影面は、後方カメラ3の外部パラメータ等に基づいて設定され得る。
【0060】
次に、算出部234は、投影平面内において、第5点及び第6点を結んだ第1直線と、第7点及び第8点を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両30の車両10に対する相対角度として求めて(ステップS105)、一連の処理を終了する。算出部234は、角度算出部の一例である。算出部234は、相対角度を、自動制御装置11へ出力する。自動制御装置11は、この相対角度に基づいて、被牽引車両30を牽引して走行するように車両10の動作を制御する。
【0061】
次に、
図5を参照して、ステップS103の座標変換処理について、以下に説明する。
図5は、本実施形態の角度検出装置12の座標変換処理に関する動作フローチャートの一例である。
【0062】
まず、変換部232は、魚眼画像である後方画像を、平面画像へ変換する(ステップS201)。魚眼画像を平面画像に変換する技術として、公知の技術を用いることができる。この変換に用いられる魚眼レンズの設計情報等は、メモリ22に記憶されている。なお、後方カメラ3が魚眼カメラではない場合、この処理は省略される。
【0063】
次に、変換部232は、画像座標系で表される、平面画像上の第1点、第2点、第3点及び第4点の位置を、カメラ座標系の位置に変換する(ステップS202)。カメラ座標系は、後方カメラ3の位置を原点とし、後方カメラ3の光軸方向を一つの軸方向とする。画像座標系は、後方カメラ3の光軸方向に対して垂直な面内に配置される。そのような変換式は、後方カメラ3の内部パラメータと、投影を表す投影行列とにより得られる。また、この変換は、2次元から3次元への変換になるので、カメラ座標系では、高さを表す座標として、車両10の後面10aの下端の地面からの高さ、又は、被牽引車両30の前面30aの下端の地面からの高さの位置を用いることが好ましい。これらの高さは、後方カメラ3の内部パラメータ及び外部パラメータを用いて、カメラ座標系で表すことができる。なお、画像座標系からカメラ座標系への変換では、平面画像上の位置を、画像座標系から正規化画像系へ変換した後、カメラ座標系へ変換してもよい。
【0064】
次に、変換部232は、カメラ座標系で表される第1点、第2点、第3点及び第4点の位置を、世界座標系の位置に変換して(ステップS203)、一連の処理を終了する。そのような変換は、座標系間の回転を表す回転行列と座標系間の平行移動を表す並進ベクトルとの組み合わせで表される。この変換式は、車両10の現在位置及び外部パラメータ等に基づいて得られる。なお、カメラ座標系から世界座標系への変換では、カメラ座標系の位置を、カメラ座標系から車両座標系へ変換した後、世界座標系へ変換してもよい。
【0065】
以下、上述した角度検出処理について、
図1(B)、
図2及び
図6を参照しながら、以下に説明する。
【0066】
図1(B)は、後方画像の一例を示す。後方画像100は、車両10の後面10aの下端及び被牽引車両30の前面30aの下端を表している。
【0067】
車両10の後面10aは、牽引車両10の前後方向に対して垂直な第1平面の一例である。第1点P1及び第2点P2は、後面10aの下端の左右の端の位置として検出される。後面10aの下端の左右の端は、後面10a内に存在する。後面10aの下端の左右の端は、地上からの高さが同じである。
【0068】
被牽引車両30の前面30aは、連結部40の長手方向に対して垂直な第2平面の一例である。第3点P3及び第4点P4は、前面30aの下端の左右の端の位置として検出される。前面30aの下端の左右の端は、前面30a内に存在する。前面30aの下端の左右の端は、地上からの高さが同じである。
【0069】
図6は、本実施形態の角度検出装置12の投影処理を説明する図である。第1点P1、第2点P2、第3点P3及び第4点P4は、世界座標系で表されている。第1点P1及び第2点P2は、車両10の後面10aの下端の左右の端の位置を示す。第3点P3及び第4点P4は、被牽引車両30の前面30aの下端の左右の端の位置を示す。
【0070】
図6では、第5点P5、第6点P6、第7点P7、及び、第8点P8は、世界座標系で表された第1点P1、第2点P2、第3点P3及び第4点P4が、地面に対して平行な投影平面W上に投影された点を示す。第5点P5、第6点P6、第7点P7、及び、第8点P8は、第1点P1、第2点P2、第3点P3、及び、第4点P4に対応する。
【0071】
図2に示すように、算出部234は、投影平面W内において、第5点P5及び第6点P6を結んだ第1直線L1を得る。また、算出部234は、投影平面W内において、第7点P7及び第8点P8を結んだ第2直線L2を得る。
【0072】
算出部234は、第1直線L1と、第2直線L2との交点Cにおいて、第1直線L1と、第2直線L2とがなす内角θを、被牽引車両30の車両10に対する相対角度として求める。
【0073】
内角θが、被牽引車両30の車両10に対する相対角度となることを、以下に説明する。まず、
図2において、第5点P5と第6点P6とを結ぶ線分P5P6の中点を、点Qとする。また、線分P5P6に垂直に、点Qから伸びる直線が、第7点P7と第8点P8とを結ぶ線分P7P8と交差する点を点Sとする。また、点Cから線分P7P8に下ろした垂線の足を点Rとする。ここで、点Qと点Rとを結んだ線分QRの向きは、連結部40の長手方向と一致する。
【0074】
三角形SCQ及び三角形SQRは直角三角形であり、三角形SCQの∠QSCと三角形SQRの∠RSQとは同じであるので、三角形SCQと三角形SQRとは相似の関係にある。従って、三角形SCQの∠SCQと、三角形SQRの∠SQRとは等しい。
【0075】
∠SQRは、被牽引車両30の車両10に対する相対角度であり、上述した∠SCQは内角θを表す。従って、∠SCQである内角θは、被牽引車両30の車両10に対する相対角度となる
【0076】
以上、詳述したように、本実施形態の角度検出装置は、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む一枚の画像に基づいて、被牽引車両の牽引車両に対する相対角度を容易に求めることができる。
【0077】
本開示では、上述した実施形態の角度検出装置、角度検出用コンピュータプログラム及び角度検出方法は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本開示の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0078】
例えば、上述した実施形態では、第1点P1及び第2点P2は、牽引車両の後方下端の左右の端の位置であったが、第1点P1及び第2点P2は、牽引車両の後方下端の左右の端の位置、及び、牽引車両の後方下端の中央の位置(例えば、連結部の位置)のうちの2点であってもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、第3点P3及び第4点P4は、被牽引車両の前方下端の左右の端の位置であったが、第3点P3及び第4点P4は、被牽引車両の前方下端の左右の端の位置、及び、被牽引車両の前方下端の中央の位置(例えば、連結部の位置)のうちの2点であってもよい。
【0080】
また、検出部は、牽引車両の後方及び被牽引車両の前方を含む画像から、第1平面内で地上からの高さが同じ牽引車両の3つ以上の位置、並びに、第2平面内で、地上からの高さが同じ被牽引車両の3つ以上の位置を検出して、算出部は、投影平面内において、3つ以上の位置を結んだ第1直線と、3つ以上の位置を結んだ第2直線とがなす角度を、被牽引車両の牽引車両に対する角度として求めてもよい。これにより、角度検出装置は、相対角度を精度よく求めることができる。
【符号の説明】
【0081】
2 前方カメラ
3 後方カメラ
10 牽引車両
11 自動制御装置
12 角度検出装置
21 通信インターフェース
22 メモリ
23 プロセッサ
231 検出部
232 変換部
233 投影部
234 算出部
13 車内ネットワーク
30 被牽引車両
40 連結部