(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114317
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】情報隠蔽カード
(51)【国際特許分類】
B42D 25/29 20140101AFI20240816BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B42D25/29
B42D15/00 341B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020001
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンインフォメディア
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】田中 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝洋
【テーマコード(参考)】
2C005
【Fターム(参考)】
2C005HA01
2C005HB04
2C005HB10
2C005JA09
2C005JB22
2C005KA02
2C005KA08
2C005KA11
2C005KA38
(57)【要約】
【課題】隠蔽された第一情報が不正に使用されることを効果的に抑制又は防止できる情報隠蔽カードを提供する。
【解決手段】本発明の情報隠蔽カードは、シート状の第一基材2と、第一基材2の第一面21に設けられて第一情報を表示する第一印刷層3と、第一基材2の第一面21に重ねて設けられ、少なくとも第一印刷層3を覆って隠蔽するシート状の第二基材4と、外側に露出する第二基材4の外側面41に設けられて第一情報を有効化するための第二情報を表示する第二印刷層5と、を備える。第二印刷層5の少なくとも一部が、第一印刷層3の少なくとも一部と重なる。第二基材4のうち少なくとも第一印刷層3を覆う印刷隠蔽部分は、第一基材2の第一面21から離れた後に再び第一印刷層3を覆うことができない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の第一基材と、
前記第一基材の第一面に設けられて第一情報を表示する第一印刷層と、
前記第一基材の第一面に重ねて設けられ、少なくとも前記第一印刷層を覆って隠蔽するシート状の第二基材と、
外側に露出する前記第二基材の外側面に設けられて前記第一情報を有効化するための第二情報を表示する第二印刷層と、を備え、
前記第二印刷層の少なくとも一部が、前記第一印刷層の少なくとも一部と重なり、
前記第二基材のうち少なくとも前記第一印刷層を覆う印刷隠蔽部分は、前記第一基材の第一面から離れた後に再び前記第一印刷層を覆うことができない情報隠蔽カード。
【請求項2】
前記印刷隠蔽部分は、一度剥がしたら再び接着できない疑似接着糊によって前記第一基材の第一面に接着されている請求項1に記載の情報隠蔽カード。
【請求項3】
前記第一基材の第一面は、前記第一印刷層が設けられる印刷領域と、前記印刷領域を囲む周囲領域と、を含み、
前記第二基材は、前記印刷領域に重なる前記印刷隠蔽部分と、接着剤によって前記周囲領域に重ねて接着される周囲被覆部分と、を含み、
前記第二基材のうち、前記印刷隠蔽部分と前記周囲被覆部分との境界には、前記印刷隠蔽部分と前記周囲被覆部分とを断続的に接続するミシン目が形成されている請求項1に記載の情報隠蔽カード。
【請求項4】
前記第二印刷層は、前記第二基材のうち前記印刷隠蔽部分と前記周囲被覆部分とにわたって設けられ、前記ミシン目を跨ぐ請求項3に記載の情報隠蔽カード。
【請求項5】
前記第一基材の第一面に対向する前記第二基材の対向面のうち前記第一印刷層に対向する対向領域には、光を透過しない遮光印刷層が設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報隠蔽カード。
【請求項6】
前記第二印刷層が、前記第二基材のうち前記第一基材の第一面から離れた後に再び前記第一面を覆うことができない部分に設けられている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報隠蔽カード。
【請求項7】
シート状の第一基材と、
前記第一基材の第一面に設けられて第一情報を表示する第一印刷層と、
前記第一基材の第一面に重ねて設けられ、少なくとも前記第一印刷層を覆って隠蔽するシート状の第二基材と、
外側に露出する前記第二基材の外側面に設けられて前記第一情報を有効化するための第二情報を表示する第二印刷層と、を備え、
前記第一基材の第一面に対向する前記第二基材の対向面のうち前記第一印刷層に対向する対向領域には、光を透過しない遮光印刷層が設けられている情報隠蔽カード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報隠蔽カードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表面に印刷された第一情報(暗証番号などの秘匿情報)をスクラッチ印刷により隠蔽すると共に、裏面に第一情報を有効化するための第二情報(バーコード)を印刷したプリペイドカードが開示されている。特許文献1に記載のプリペイドカードでは、購入時に第二情報をPOS(販売時点情報管理)システムによって読み取ることで、プリペイドカードの残高が有効になる、すなわち第一情報(秘匿情報)が有効となり、使用することができる。このため、仮に、第三者が何らかの方法で第一情報を不正に取得できたとしても、第一情報が不正に使用されることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したプリペイドカードなどの情報隠蔽カードにおいては、例えば、第三者が第一情報を予め不正に取得しておき、情報隠蔽カードが購入されることで第二情報がPOSシステムによって読み取られた直後(すなわち第一情報が有効化した直後)に、第三者が第一情報を不正に使用してしまう可能性がある。
【0005】
上記事情を踏まえ、本発明は、第一情報が不正に使用されることをより効果的に抑制又は防止できる情報隠蔽カードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シート状の第一基材と、前記第一基材の第一面に設けられて第一情報を表示する第一印刷層と、前記第一基材の第一面に重ねて設けられ、少なくとも前記第一印刷層を覆って隠蔽するシート状の第二基材と、外側に露出する前記第二基材の外側面に設けられて前記第一情報を有効化するための第二情報を表示する第二印刷層と、を備える情報隠蔽カードである。前記第二印刷層の少なくとも一部が、前記第一印刷層の少なくとも一部と重なる。前記第二基材のうち少なくとも前記第一印刷層を覆う印刷隠蔽部分は、前記第一基材の第一面から離れた後に再び前記第一印刷層を覆うことができない。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報隠蔽カードによれば、情報隠蔽カードの第一情報が不正に使用されることをより効果的に抑制又は防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る情報隠蔽カードを模式的に示す断面図である。
【
図2】
図1の情報隠蔽カードにおいて、第二基材が第一基材から離れた後の状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の第二実施形態に係る情報隠蔽カードを模式的に示す断面図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係る情報隠蔽カードの変形例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第一実施形態〕
以下、
図1、
図2を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1に示すように、情報隠蔽カード1は、第一基材2と、第一印刷層3と、第二基材4と、第二印刷層5と、を備える。
【0010】
第一基材2は、シート状に形成されている。第一基材2の材質は、特に制限されることはなく、例えば樹脂や紙などであってよい。
【0011】
第一印刷層3は、第一基材2の第一面21(
図1において上面)に設けられて第一情報を表示している。第一情報は、暗証番号、金銭情報(例えば1000円、2000円など金額を表す情報)などの秘匿情報である。第一情報は、文字、数字、バーコードなどで表示されてよい。
【0012】
前述した第一基材2の第一面21には、上記した第一印刷層3が設けられた印刷領域21aと、第一印刷層3が設けられていない非印刷領域21bと、がある。
【0013】
第二基材4は、シート状に形成されている。第二基材4の材質は、例えば第一基材2と同じ樹脂や紙などであってよい。
第二基材4は、第一基材2の第一面21に重ねて設けられる。第二基材4は、第一印刷層3を覆って隠蔽する。
図1において、第二基材4は、第一基材2の第一面21全体に重なっているが、少なくとも第一面21の印刷領域21aに重なっていればよい。
【0014】
第一基材2の第一面21に対向する第二基材4の対向面42(
図1において下面)には、遮光印刷層6が設けられている。遮光印刷層6は、光を透過しない層である。遮光印刷層6は、例えば可視光線、赤外線などの光を吸収するインキを印刷することで構成されてよい。
遮光印刷層6は、第二基材4の対向面42のうち少なくとも第一印刷層3に対向する対向領域に設けられればよい。
図1において、遮光印刷層6は第二基材4の対向面42全体に設けられている。
【0015】
第一実施形態の第二基材4は、その全体が第一基材2の第一面21から離れた後再び第一面21を覆うことができないように構成されている。具体的に、第二基材4は、一度剥がしたら再び接着できない疑似接着糊7によって第一基材2の第一面21に接着されている。疑似接着糊7は、例えばシリコン粘着剤であってよい。
【0016】
疑似接着糊7は、例えば第一基材2の第一面21及び第一印刷層3に直接接触してよい。本実施形態では、第一印刷層3を疑似接着糊7から保護すること、また、疑似接着糊7を第一基材2の第一面21側に安定に設けること、を目的として、疑似接着糊7が第一薄膜フィルム11を介して第一基材2の第一面21及び第一印刷層3に設けられる。第一薄膜フィルム11は、接着剤15(あるいは粘着剤)によって第一基材2の第一面21及び第一印刷層3に対して剥離不能に接着される。疑似接着糊7、第一薄膜フィルム11及び接着剤15は、光透過性に優れていることが好ましい。
図1において、接着剤15は、第一基材2の第一面21に対して間隔をあけて位置しているが、実際には第一面21に接触する。
【0017】
疑似接着糊7は、例えば第二基材4の対向面42の全体に設けられた遮光印刷層6に直接接触してよい。本実施形態では、疑似接着糊7を遮光印刷層6に安定に設けることを目的として、疑似接着糊7が第二薄膜フィルム12を介して遮光印刷層6に設けられる。第二薄膜フィルム12は、接着剤16(あるいは粘着剤)によって遮光印刷層6に対して剥離不能に接着される。
なお、遮光印刷層6が第二基材4の対向面42の一部(対向領域)だけに設けられる場合、疑似接着糊7は、例えば第二基材4の対向面42及び遮光印刷層6の両方に直接接触してよい。また、疑似接着糊7を第二基材4及び遮光印刷層6に安定に設けることを目的として、疑似接着糊7が第二薄膜フィルム12を介して第二基材4の対向面42及び遮光印刷層6に設けられてもよい。
【0018】
第二印刷層5は、外側に露出する第二基材4の外側面41(
図1において上面)に設けられている。第二印刷層5は、第一情報を有効化するための第二情報を表示する。第二情報は、文字、数字、バーコードなどで表示されてよい。第二情報は、例えば情報隠蔽カード1の購入時にPOSシステムなどの所定のシステムで読み取られることで、第一情報を使用することができる。「第一情報を使用する」ことは、例えば第一情報が金銭情報である場合に、第一情報を所定の装置で読み取ることで所定金額の金銭として使用することに相当する。
【0019】
第一実施形態において、第二印刷層5は、第二基材4のうち主に第一印刷層3と重なる部分に設けられている。なお、第二印刷層5は、第二基材4の外側面41の任意の領域に設けられてよい。第一実施形態では、第二基材4全体が第一基材2に対して剥離可能となっている。このため、第二印刷層5は、第二基材4を第一基材2から剥離することで、第二基材4と共に第一基材2から離れる。
【0020】
以上のように構成される第一実施形態の情報隠蔽カード1では、
図2に示すように疑似接着糊7が分断される等することで、第二基材4が第一基材2の第一面21から剥離される。これにより、第一印刷層3が露出し、第一印刷層3に表示された第一情報を視認したり所定の装置で読み取ったりすることができる。
【0021】
以上説明したように、本実施形態の情報隠蔽カード1では、第一基材2の第一面21に第一情報を表示する第一印刷層3が設けられている。また、第一基材2の第一面21側に重なる第二基材4の外側面41に、第一情報を有効化するための第二情報を表示する第二印刷層5が設けられている。さらに、第一印刷層3を覆う第二基材4は、第一基材2から離れた後に再び第一印刷層3を覆うことができない。このため、第三者が、他の人に知られることなく、第二基材4を一時的に第一基材2から離して第一情報を取得した後、再び第二基材4によって第一印刷層3を覆うことができない。すなわち、第三者が第一情報を不正に取得することが難しくなる。これにより、第二情報がPOSシステムなどの所定のシステムで読み取られた後に、第一情報が第三者によって不正に使用されることを抑制又は防止することができる。すなわち、第一情報が不正に使用されることをより効果的に抑制又は防止できる。
【0022】
また、本実施形態の情報隠蔽カード1では、第一印刷層3を覆う第二基材4が、一度剥がしたら再び接着できない疑似接着糊7によって第一基材2の第一面21に接着されている。このため、第二基材4が第一基材2の第一面21から剥離した状態では、第二基材4を再度第一基材2の第一面21に接着することはできない。したがって、第二基材4が、第一基材2の第一面21から離れた後に、再度第一基材2の第一印刷層3を覆うことを確実に防止できる。
【0023】
また、本実施形態の情報隠蔽カード1では、第一印刷層3に対向する第二基材4の対向面42の対向領域に、光を透過しない遮光印刷層6が設けられている。このため、第三者が、情報隠蔽カード1を光に透かすことで第一情報を視認することを防止できる。すなわち、第三者が、他の人に知られることなく、第一情報を不正に取得することが難しくなる。これにより、第二情報がPOSシステムなどの所定のシステムで読み取られた後に、第一情報が第三者によって不正に使用されることを抑制又は防止することができる。すなわち、第一情報が不正に使用されることをより効果的に抑制又は防止できる。
【0024】
また、本実施形態の情報隠蔽カード1では、第二基材4に設けられた第二印刷層5が、第一基材2に設けられた第一印刷層3と重なる。これにより、仮に情報隠蔽カード1を光に透かすことができたとしても(遮光印刷層6が無くても)、第一、第二印刷層3,5が重なって見えるため、第一情報を正しく視認することが難しくなる。したがって、第一情報を不正に取得することが難しくなる。
【0025】
第一実施形態においては、例えば、第二基材4のうち第一基材2の印刷領域21aに重なって第一印刷層3を覆う印刷隠蔽部分だけが、第一基材2の第一面21から離れた後に再び第一印刷層3を覆うことができないように構成されてもよい。この場合、第二基材4の印刷隠蔽部分が、疑似接着糊7によって第一基材2に対して剥離可能に接着されればよい。また、第二基材4のうち第一基材2の非印刷領域21bに重なる非印刷隠蔽部分が、接着剤等によって第一基材2に対して剥離不能に接着されてよい。そして、第二基材4の印刷隠蔽部分と非印刷隠蔽部分との境界に、印刷隠蔽部分と非印刷隠蔽部分とを完全に分離する切断線が形成されていればよい。
【0026】
第一実施形態においては、例えば、第二基材4の対向面42に遮光印刷層6が設けられなくてもよい。この場合、疑似接着糊7は、第二薄膜フィルム12を介して第二基材4の対向面42に設けられてもよいし、第二薄膜フィルム12を介さずに第二基材4の対向面42に直接設けられてもよい。
【0027】
第一実施形態において、第二基材4が第一基材2の第一面21から離れた後再び第一面21を覆うことができないようにする具体的な手法は、疑似接着糊7に限らない。例えば、第一基材2に設けられる第一薄膜フィルム11と、第二基材4に設けられる第二薄膜フィルム12とを共押出成形により重ねて製膜すると同時にラミネートしてもよい。これにより、第一基材2のフィルムと第二基材4のフィルムとが接着される。また、このように接着された第一基材2のフィルムと第二基材4のフィルムとは、一度剥がした後に再度接着できない。
【0028】
第一実施形態においては、第二印刷層5の一部が第一印刷層3の全体と重なるが、これに限ることはない。例えば、第二印刷層5の一部が、第一印刷層3の一部と重なってもよい。また、例えば、第二印刷層5の全体が、第一印刷層3の一部又は全体と重なってもよい。このような構成であっても、第一、第二印刷層3,5の一部が重なって見えるため、第一情報を正しく視認することが難しくなる。したがって、第一情報を不正に取得することが難しくなる。
【0029】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について、
図3を参照して説明する。以降の説明において、既に説明したものと共通する構成については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0030】
図3に示すように、第二実施形態の情報隠蔽カード1Dにおいて、第一基材2の第一面21は、第一実施形態と同様の印刷領域21a及び非印刷領域21bを含む。ただし、非印刷領域21bは、印刷領域21aを囲む周囲領域21bである。
第二基材4は、第一基材2の印刷領域21aに重なる印刷隠蔽部分45と、周囲領域21bに重なる周囲被覆部分46と、を含む。第二基材4の周囲被覆部分46は、接着剤17(あるいは粘着剤)によって第一基材2の周囲領域21bに接着される。一方、第二基材4の印刷隠蔽部分45は、第一基材2の印刷領域21aに接着されない。
【0031】
第二実施形態においては、第二基材4のうち印刷隠蔽部分45が、第一基材2の第一面21から離れた後に再び第一面21を覆うことができないように構成されている。具体的に、第二基材4の印刷隠蔽部分45と周囲被覆部分46との境界には、印刷隠蔽部分45と周囲被覆部分46とを断続的に接続するミシン目47が形成されている。これにより、印刷隠蔽部分45が疑似接着糊7などによって第一基材2に接着されなくても、印刷隠蔽部分45によって第一印刷層3を隠蔽した状態を維持できる。
【0032】
ミシン目47の具体的な態様は、任意であってよい。ミシン目47は、例えば、第二基材4に形成された切れ目が単純にその長手方向に間隔をあけて並んだものであってよい。この場合、切れ目の長さと切れ目同士の間隔とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、ミシン目47は、例えば、切れ目がジグザグ状に配置されたものであってもよい。また、ミシン目47は、ジッパー加工されたものであってもよい。
【0033】
第二基材4の印刷隠蔽部分45は、ミシン目47を切断することで周囲被覆部分46から切り離して第一基材2の第一面21から離すことができる。また、周囲被覆部分46から切り離された印刷隠蔽部分45を、再度周囲被覆部分46に接続するとはできない。すなわち、印刷隠蔽部分45によって再び第一印刷層3を覆うことはできない。
【0034】
第二実施形態において、第二印刷層5は、第二基材4の印刷隠蔽部分45に設けられている。このため、第二印刷層5は、印刷隠蔽部分45を第一基材2から剥離することで、印刷隠蔽部分45と共に第一基材2から離れる。
【0035】
第二実施形態の情報隠蔽カード1Dによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態の情報隠蔽カード1Dでは、第二基材4の印刷隠蔽部分45がミシン目47によって第一基材2の第一面21に剥離不能に接着された周囲被覆部分46に接続されている。このため、一度周囲被覆部分46から切り離された印刷隠蔽部分45によって再度第一印刷層3を覆うことはできない。すなわち、第二基材4の印刷隠蔽部分45が、第一基材2の第一面21から離れた後に、再度第一基材2の第一印刷層3を覆うことを確実に防止できる。
【0036】
第二実施形態において、第二印刷層5は、例えば
図4に示すように、第二基材4のうち印刷隠蔽部分45と周囲被覆部分46とにわたって設けられてよい。すなわち、第二印刷層5がミシン目47を跨いでもよい。
このような構成では、第二基材4の印刷隠蔽部分45を周囲被覆部分46から一度切り離すと、第二印刷層5がミシン目47において分断される。この状態では、第二印刷層5に、印刷隠蔽部分45と周囲被覆部分46とが切断された箇所が現れる。このため、仮に、周囲被覆部分46から切り離された印刷隠蔽部分45を、不正に第一基材2の印刷領域21a上に貼り付けたとしても、第二印刷層5が分断された部分が目立つため、印刷隠蔽部分45が周囲被覆部分46から一度切り離されたことを簡単に発見することができる。
【0037】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0038】
本発明の情報隠蔽カードは、第二印刷層5の少なくとも一部が第一印刷層3の少なくとも一部と重なり、かつ、第一印刷層3を覆う第二基材4の部分が第一基材2の第一面21から離れた後に再び第一印刷層3を覆うことができない構成、及び、遮光印刷層6、のうち少なくとも一方を備えていればよい。例えば第二基材4の対向面42に遮光印刷層6が設けられている場合、例えば第二基材4が第一基材2から離れた後に再び第一印刷層3を覆うことができてもよいし、第二印刷層5が第一印刷層3と重ならなくてもよい。このような構成であっても、第一、第二実施形態で記載した効果を奏する。
【符号の説明】
【0039】
1,1D 情報隠蔽カード
2 第一基材
3 第一印刷層
4 第二基材
5 第二印刷層
6 遮光印刷層
7 疑似接着糊
11 第一薄膜フィルム
12 第二薄膜フィルム
21 第一面
21a 印刷領域
21b 非印刷領域(周囲領域)
41 外側面
42 対向面
45 印刷隠蔽部分
46 周囲被覆部分
47 ミシン目