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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114328
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】バグフィルタ装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/02 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
B01D46/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020014
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 悟
(72)【発明者】
【氏名】笠田 正明
【テーマコード(参考)】
4D058
【Fターム(参考)】
4D058JA04
4D058JB22
4D058KB02
4D058KC24
4D058KC34
4D058KC74
4D058KC81
4D058SA20
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】濾布の脱着作業を行い易くして、作業者の作業性を向上させるとともに、濾布の濾布取付管への取り付け状態を確認し易くしたバグフィルタ装置を提供する。
【解決手段】筐体2の内部を区画壁11により上下に区画し、下部を濾過室R1、上部を清浄室R2となし、区画壁11には、区画壁11を貫通して濾過室R1と清浄室R2とを連通させる複数の濾布取付孔12を設けるとともに、区画壁11に取り付けられ、各濾布取付孔12の周縁から濾過室R1側に延設された濾布取付管13とを具備したバグフィルタ装置1であって、区画壁11には、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる複数種の濾布取付管13を配設した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部を区画壁により上下に区画し、下部を濾過室、上部を清浄室となし、前記区画壁には、該区画壁を貫通して前記濾過室と前記清浄室とを連通させる複数の濾布取付孔を設けるとともに、前記区画壁に取り付けられ、前記各濾布取付孔の周縁から濾過室側に延設された濾布取付管とを具備したバグフィルタ装置であって、
前記区画壁には、前記濾布取付孔の配置箇所によって管路長の異なる複数種の濾布取付管を配設したことを特徴とするバグフィルタ装置。
【請求項2】
前記区画壁には、前記区画壁の中心付近に設置した濾布取付孔に、管路長が標準的な長さの第一の濾布取付管を配設する一方、前記区画壁の外周縁付近に設置した濾布取付孔に、前記第一の濾布取付管よりも短い管路長の第二の濾布取付管を配設してなる請求項1記載のバグフィルタ装置。
【請求項3】
前記第一の濾布取付管の管路長をLとしたときに、前記第二の濾布取付管の管路長を0.6L~0.8Lとしてなる請求項2記載のバグフィルタ装置。
【請求項4】
前記区画壁には、前記筐体に設けた点検口から奥側に向かって順に管路長が短い第三の濾布取付管、管路長が中間の第二の濾布取付管、管路長が長い第一の濾布取付管を配設してなる請求項1記載のバグフィルタ装置。
【請求項5】
前記第一の濾布取付管の管路長をLとしたときに、前記第二の濾布取付管の管路長を0.6L~0.8Lとなし、前記第三の濾布取付管の管路長を0.3L~0.5Lとしてなる請求項4記載のバグフィルタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バグフィルタ装置に係り、特に、作業者による濾布の脱着作業の際の作業性を向上させる取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバグフィルタ装置の濾布の取り付け構造について言及すれば、以下の仕様となっている。
【0003】
一般的なバグフィルタ装置101(特許文献1の段落0013及び図9(本願)参照)は、筐体102の内部を区画壁103により上下に区画し、下部を含塵空気導入室104、上部を浄化空気室105とし、含塵空気導入室104は塵埃発生源(図示省略)に接続する一方、浄化空気室105は吸引装置Fに接続されている。上記区画壁103には多数の有底筒状の濾布107を垂下して取り付け、各濾布107には、各列毎にそれぞれクリーニング用のパルス空気供給管108を配備し、それぞれの濾布107に対して噴射ノズル109を取付けた構造となっている。
【0004】
このようなバグフィルタ装置101の各濾布107の取り付け構造について、特許文献2及び図10(本願)を参照して説明する。バグフィルタ装置101において、下部の含塵空気導入室104と上部の浄化空気室105とに区画する区画壁103には、濾布取付管110が具備されている。この濾布取付管110は筒状に形成されており、フランジ110aと取付管部110bとベンチュリ管111とにより構成される。区画壁103上には、フランジ110aを載置させ、ビス113等によって固定されている。この濾布取付管110は、区画壁103に多数設けられており、例えば、区画壁103が矩形状である場合、碁盤の目のように複数列、複数行で整然と並んで配設されている。
【0005】
次に、濾布取付管110に濾布107を取り付ける構造を説明する。濾布107は筒状であって、中に円筒形の保持枠(リテーナ)114を内包させた(固定状に垂下した保持枠(リテーナ)114下端から濾布107の開口部を被せる)状態で下から上に向かってずり上げ、濾布107の上端開口部を濾布取付管110の取付管部110bの外側に嵌め込んでおく。そして、取付管部110bの外周囲には溝状の窪み110cを設けているから、濾布107の外側から伸縮可能な締付バンド(別名、クランプバンド、ホースバンド、ワイヤバンドともいう。)115により窪み110cに沿って締付け保持する。これにより、濾布取付管110からの濾布107の脱落防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-167565号公報
【特許文献2】登録実用新案第3000497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、バグフィルタ装置101の区画壁103には、多数の濾布107が垂下して取り付けられ(図9)、濾布107の取り付け・取り外しなどの脱着作業は、作業者による手作業で行われるために、以下のような問題点が生じていた。
【0008】
(1)区画壁103に対して濾布取付管110が互いに狭いピッチで多数配設されているので、濾布107を保持する締付バンド115用のねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具が入りにくい(作業性が悪い)。
(2)濾布取付管110への濾布107の取り付けや、締付バンド115による締め付け保持の状態が確認しにくい。これにより、濾布107の濾布取付管110への装着ミスによる集塵機能の低下といったトラブルが発生する可能性がある。
【0009】
本発明は上記問題点にかんがみ、濾布の脱着作業を行い易くして、作業者の作業性を向上させるとともに、濾布の濾布取付管への取り付け状態を確認し易くしたバグフィルタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明では、筐体の内部を区画壁により上下に区画し、下部を濾過室、上部を清浄室となし、前記区画壁には、該区画壁を貫通して前記濾過室と前記清浄室とを連通させる複数の濾布取付孔を設けるとともに、前記区画壁に取り付けられ、前記各濾布取付孔の周縁から濾過室側に延設された濾布取付管とを具備したバグフィルタ装置であって、
前記区画壁には、前記濾布取付孔の配置箇所によって管路長の異なる複数種の濾布取付管を配設する、という技術的手段を講じた。
【0011】
請求項2記載の発明では、前記区画壁には、前記区画壁の中心付近に設置した濾布取付孔に、管路長が標準的な長さの第一の濾布取付管を配設する一方、前記区画壁の外周縁付近に設置した濾布取付孔に、前記第一の濾布取付管よりも短い管路長の第二の濾布取付管を配設するとよい。
【0012】
請求項3記載の発明では、前記第一の濾布取付管の管路長をLとしたときに、第二の濾布取付管の管路長を0.6L~0.8Lとするとよい。
【0013】
請求項4記載の発明では、前記区画壁には、筐体に設けた点検口から奥側に向かって順に管路長が短い第三の濾布取付管、管路長が中間の第二の濾布取付管、管路長が長い第一の濾布取付管を配設するとよい。
【0014】
請求項5記載の発明では、前記第一の濾布取付管の管路長をLとしたときに、第二の濾布取付管の管路長を0.6L~0.8Lとなし、第三の濾布取付管の管路長を0.3L~0.5Lとするのがよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバグフィルタ装置によれば、筐体の内部を区画壁により上下に区画し、下部を濾過室、上部を清浄室となし、前記区画壁には、該区画壁を貫通して前記濾過室と前記清浄室とを連通させる複数の濾布取付孔を設けるとともに、前記区画壁に取り付けられ、前記各濾布取付孔の周縁から濾過室側に延設された濾布取付管とを具備したバグフィルタ装置であって、前記区画壁には、前記濾布取付孔の配置箇所によって管路長の異なる複数種の濾布取付管を配設しているので、濾布の脱着の際の作業性が向上する。
【0016】
例えば、筐体に設けた点検口から奥側に向かって手を伸ばしたとき、作業者の手の届き難い(点検口からアクセスし難い)箇所を作業する際、手前側の濾布取付管は、管路長が短くカットされているから、濾布取付管どうしが干渉せず作業者の手が届きやすくなる。
【0017】
作業者の手が届きやすいため、ねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具も入り易くなる。手動の工具のほか、電動工具などヘッド部が大きな工具であっても入り易いため、作業性が向上する。加えて、濾布の濾布取付管への取り付け状態も確認し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るバグフィルタ装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るバグフィルタ装置の内部構成を示す斜視図である。
図3】バグフィルタ装置の内部空間を仕切る仕切り板、濾布取付孔及び濾布取付管を示す拡大斜視図である。
図4】バグフィルタ装置の内部空間の保持枠(リテーナ)を示す拡大斜視図である。
図5】仕切り板本体を平面視したときに、仕切り板本体に穿設される多数の濾布取付孔をXY座標で表した模式図である。
図6】濾布取付管に濾布を取り付ける際の模式図である。
図7】濾布取付管の管路長を比較したときの概略図である。
図8】濾布取付孔の配置箇所によって管路長の異なる3種類の濾布取付管を採用した実施例である。
図9】従来のバグフィルタ装置の一部破断正面図である。
図10】従来の濾布の取付の際の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るバグフィルタ装置1を示す斜視図であり、図2は内部構成を示す斜視図である。本実施形態のバグフィルタ装置1は、外面濾過方式(含塵空気を取り込んで濾布の外面に粉塵層を吸着・付着させ、濾過された清浄な空気は濾布の内面側から浄化空気室(清浄室)へ流入させる方式)であって、本体部2と、前記本体部2上部に配設した吸引ファン3と、前記本体部2下方に配設した支持部4と、前記本体部2下部に連設したホッパー形状をなす塵芥回収部5とが設けられている。
【0021】
支持部4は、複数の脚部4aを備え、その下端部分が地面に接するようになっている。支持部4の内方には、ホッパー形状をなす塵芥回収部5が配置される。塵埃回収部5は、三角形状をなす側板が正面、背面、右側面及び左側面にそれぞれ設けられ、下方に向かって漏斗状に傾斜配置される。塵芥回収部5の下端には、ロータリーバルブ(図示せず)を介して塵埃排出口(図示せず)が設けられ、塵埃排出口には塵埃を機外に容易に排出できるよう、傾斜状に配置された搬送コンベア6が接続されている。符号6aは前記搬送コンベア6を駆動するためのモータであり、符号6bは搬送コンベア6の排出口である。回収された塵埃は、ロータリーバルブ、塵埃排出口、搬送コンベア6及び排出口6bを介して機外に排出される。
【0022】
前記支持部4の外面には、前記吸引ファン3、モータ6a又はロータリーバルブなどの起動・停止、間欠運転などバッグフィルタ装置1を運転・制御するための制御盤7が設けられている。制御盤7には、後述の仕切り板本体11の昇降動作を自動で制御する制御回路を内蔵していてもよい。
【0023】
本体部2は、平面視で略四角形状をなす上板8と、該上板8の各辺に対応する幅寸法を有する略矩形状の側板9とを備えており、上板8が本体部2の天井壁、側板9が本体部2の側壁をそれぞれ構成するようになっている。側板9の下部には塵埃発生源からの塵埃空気を取り込む塵埃空気取入口(図示せず)が設けられ、この塵埃空気取入口に集塵用ダクト(図示せず)が接続される。また、正面側に配設された側板9の下部領域には、点検口9aが設けられ、該点検口9aには、開閉可能な点検扉9bが設けられている。点検口9aは1箇所に限らず、背面側、左側面側、右側面側の複数箇所設けることとしてもよい。
【0024】
次に、図2図5を参照して、バグフィルタ装置1の内部構成について説明する。図2に示すように、本体部2は、その内部空間が仕切り板10により、濾過室R1と清浄室R2とに仕切られている。該濾過室R1は、仕切り板10の下方空間、つまり、本体部2の側板9及び仕切り板10で囲まれた空間であって、仕切り板10が天井壁に、側板9が側壁にそれぞれ構成される。一方、清浄室R2は、仕切り板10の上方空間、つまり、上板8、側板9及び仕切り板10で囲まれた空間であって、上板8が天井壁、側板9が側壁、仕切り板10が底壁にそれぞれ構成される。
【0025】
図2及び図3に示すように、バグフィルタ装置1の内部空間を仕切る壁形状の仕切り板10は、仕切り板本体11が備えられている。すなわち、仕切り板10は、仕切り板本体11と、仕切り板本体11を貫通し、濾過室R1と清浄室R2とを連通させる複数の濾布取付孔12と、仕切り板本体11に取り付けられ、各濾布取付孔12の周縁から濾過室R1側に延設された濾布取付管13と、濾布の形状を維持する保持枠(リテーナ)14(図4参照)と、から構成される。仕切り板本体11は、本出願人が先に出願した特願2022-137601のように、仕切り板10から分離して上下方向(図3のZ方向)に可動可能に形成することもできる。
【0026】
濾布取付孔12は、図2に示すように、仕切り板本体11に多数設けられており、仕切り板本体11が矩形状である場合、例えば、碁盤の目のように複数列、複数行で整然と並んで配設される。
【0027】
図5は、図2の仕切り板本体11を平面視したときに、仕切り板本体11に穿設される多数の濾布取付孔12をXY座標で表した模式図である。また、図7図5のA-A線で破断したときの概略縦断面図である。図5を参照すると、仕切り板本体11には濾布取付孔12がX方向に4列、Y方向に4列で並設されている(符号12(x1,y1)から符号12(x4,y4)までの16個)。ここで、符号12(x2,y2)、符号12(x3,y2)、符号12(x2,y3)、符号12(x3,y3)の4個は、仕切り板本体11の中心G付近の濾布取付孔12として形成され、その他の12個は、仕切り板本体11の外周縁付近の濾布取付孔12として形成される。このように、濾布取付孔12はその設置箇所によって二種類に区別される。そして、各濾布取付孔12の周縁には、濾過室R1側(図3のZ方向)に突出した濾布取付管13が延設される。
【0028】
図5をすれば、前述の仕切り板本体11の中心G付近に設置した4個の濾布取付孔12(x2,y2)、濾布取付孔12(x3,y2)、濾布取付孔12(x2,y3)、濾布取付孔12(x3,y3)は、管路長が標準的な長さの第一の濾布取付管13aが配設される。一方で、仕切り板本体11の外周縁付近に設置した12個の濾布取付孔12(x1,y1)…12(x4,y4)は、第一の濾布取付管13aよりも管路長が短い第二の濾布取付管13bが配設される。
【0029】
図7を参照すれば、第一の濾布取付管13aの管路長をLとすれば、第二の濾布取付管13bの管路長は0.6L~0.8Lとするのがよい。これにより、濾布取付管13どうしが干渉せず作業者の手が届きやすく、ねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具が入り易くなる。また、上記の数値範囲とすることで、レンチなどの手動での工具のほか、電動工具などヘッド部が大きな工具であっても入り易くなる。
【0030】
以上のように、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる2種の濾布取付管13a,13bを適宜選択して配設することにより、濾布15の脱着の際の作業性が向上することとなる。例えば、図1図2を参照すれば、点検口9aから手を伸ばしたとき、仕切り板本体11の中心G付近(図5参照)の作業者の手の届き難い(点検口9aからアクセスし難い)箇所を作業する際に、手前側の仕切り板本体11の外周縁付近の濾布取付管13bは、管路長が短くカットされているから、濾布取付管13どうしが干渉せず作業者の手が届きやすくなる。
【0031】
符号15(図2図6参照)は有底筒状の濾布であり、保持枠(リテーナ)14(図4参照)の外形よりも大きな内部空間を有している。濾布15は、その上端開口周縁が濾布取付管13に内挿され、濾布15の外周面から締め付けバンドなどのバンド部材16(図6)によって着脱可能に取り付けられる。また、各濾布15の内部空間には、仕切り板本体11の上方に配設されたエアノズル(図示せず)から圧縮空気が供給されるようになっていて、この圧縮空気により、濾布15の外面に付着した塵埃が払い落とされて、塵埃回収部5の内側に回収されるようになっている。
【0032】
次に、濾布16の交換作業方法について説明する。
【0033】
濾布15が交換前の状態、つまり、バグフィルタ装置1の稼働状態では、図2に示すように、濾布15が取付完了位置に位置している。そして、作業者が濾布15を交換するために、バグフィルタ装置1を停止させた後、特願2022-137601のように、仕切り板本体11を下降させると、濾布15が取付完了位置から交換作業位置まで下降し、濾布15が保持枠(リテーナ)14から自動的に取り外される。
【0034】
次に、作業者は、交換作業位置にある使用後の濾布15を濾布取付管13から取り外す。この濾布15の取り外しの際は、仕切り板本体11の外周縁付近にある手前側の濾布取付管13bからバンド部材16のねじを螺脱する。濾布取付管13bは、標準的な長さよりも管路長が短く形成されているが、仕切り板本体11の外周縁付近に位置しているために、作業者の手が届きやすく、簡単に螺脱できる。濾布15の取り外しも簡単にできる。
【0035】
次いで、仕切り板本体11の中心付近にある奥側の濾布取付管13aからバンド部材16のねじを螺脱する。濾布取付管13aは、濾布取付管13bよりも管路長が長い標準的な長さに形成されている。すなわち、濾布取付管13aのバンド部材16の固定位置は、濾布取付管13bのバンド部材16の固定位置から下方にずらした位置にあるため、濾布取付管13どうしが干渉せず作業者の手が届きやすく、ねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具が入り易くなる。したがって、仕切り板本体11の中心付近であっても簡単に螺脱できて濾布15の取り外しができる。
【0036】
使用後の濾布15を濾布取付管13から取り外した後は、使用前の濾布15を濾布取付管13に装着することとなる。
【0037】
濾布15の装着は、まず、仕切り板本体11の中心付近(奥側)の濾布取付管13aから取り付けることとなる。濾布取付管13aは、濾布取付管13bよりも管路長が長い標準的な長さに形成されている。これにより、バンド部材16の固定位置が濾布取付管13bよりも若干下方にずらした位置にあるため、濾布取付管13どうしが干渉せず作業者の手が届きやすくなる。また、レンチなどの工具も入り易くなる。したがって、仕切り板本体11の中心付近(奥側)であっても簡単にバンド部材16による螺着ができて濾布15の装着ができる。
【0038】
次いで、仕切り板本体11の外周縁付近(外側)の手前側の濾布取付管13bに濾布を取り付けることとなる。濾布取付管13bは、外周側に配置されているので、作業者の手が届きやすく、ねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具も入り易くなる。したがって、仕切り板本体11の外周縁付近(外側)で簡単にバンド部材16による螺着ができて濾布15の装着ができる。
【0039】
しかる後、特願2022-137601のように、作業者が仕切り板本体11を上昇させると、濾布取付管13に取り付けられた使用前の濾布15が交換作業位置から取付完了位置まで上昇しながら濾布15が保持枠(リテーナ)14に自動的に取り付けられて、濾布15の交換作業が完了する。
【0040】
以上により、本実施形態では、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる濾布取付管13aと濾布取付管13bとを適宜選択して配設することにより、濾布15の脱着の際の作業性が向上することとなる。例えば、製粉工場内の比較的狭いスペースにバグフィルタ装置1が設置された場合であっても濾布16の交換を適切に実施することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、特願2022-137601のように、仕切り板本体が可動するバグフィルタ装置について言及したが、これに限定されず、従来の仕切り板本体が固定したままの従来のバグフィルタ装置にも適用することができる。
【0042】
また、図3図5及び図7のように、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる2種類の濾布取付管13aと濾布取付管13bとを採用したが、これに限定されるものではない。
(別実施例)
【0043】
図8は、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる3種類の濾布取付管13を採用した実施例である。
【0044】
図8の実施例では、本体部2の正面側の側板9に、点検口9aが一箇所のみ設けられていることが前提である。図8に示すように、図面左側を点検口9a側(前側)となし、図面左側を反点検口側(奥側)となす。
【0045】
そして、濾布取付孔12の配置箇所によって管路長の異なる3種の濾布取付管13a,13b,13cを適宜選択して配設する。これにより、濾布15の脱着の際の作業性が向上することとなる。例えば、図8を参照すれば、点検口9aから手を伸ばしたとき、奥側の作業者の手の届き難い(点検口9aから遠くアクセスし難い)箇所を作業する際に簡便に作業ができる。すなわち、点検口9a側(前側)の濾布取付管13cでは、管路長が短くカットされ、点検口9a側と奥側との間の中間部の濾布取付管13bでは、管路長がある程度カットされ、奥側の濾布取付管13aでは、標準の長さの管路長のものを適宜選択して(点検口9aから奥側に向かって階段の様相を呈している)採用しているから、前側と中間部の濾布取付管13c,13bどうしが干渉せず、奥側の濾布取付管13aに作業者の手が届きやすくなる。
【0046】
図8を参照すれば、第一の濾布取付管13aの管路長がLとすれば、第二の濾布取付管13bの管路長は0.6L~0.8Lとし、第三の濾布取付管13cの管路長は0.3L~0.5Lとするのがよい。これにより、濾布取付管13どうしが干渉せず作業者の手が届きやすく、ねじ回し(ドライバ)、スパナ又はレンチなどの工具が入り易くなる。また、上記の数値範囲とすることで、レンチなどの手動での工具のほか、電動工具などヘッド部が大きな工具であっても入り易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、外面濾過方式のバグフィルタ装置に適している。また、本発明は仕切り板本体が可動するバグフィルタ装置、仕切り板本体が固定したままのバグフィルタ装置のいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 バグフィルタ装置
2 本体部
3 吸引ファン
4 支持部
4a 脚部
5 塵芥回収部
6 搬送コンベア
6a モータ
6b 排出口
7 制御盤
8 上板
9 側板
9a 点検口
9b 点検扉
10 仕切り板
11 仕切り板本体
12 濾布取付孔
13 濾布取付管
13a 第一の濾布取付管
13b 第二の濾布取付管
13c 第三の濾布取付管
14 保持枠(リテーナ)
15 濾布
16 バンド部材
R1 濾過室
R2 清浄室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10