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特開2024-114346電子ゲーム提供システム、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法
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  • 特開-電子ゲーム提供システム、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114346
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】電子ゲーム提供システム、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240816BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240816BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240816BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/80 B
A63F13/79
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020050
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 誠
(72)【発明者】
【氏名】浅井 俊介
(72)【発明者】
【氏名】守重 恒仁
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 郁雄
(72)【発明者】
【氏名】岩城 惇
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽
(72)【発明者】
【氏名】野上 雄介
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 廉功
(72)【発明者】
【氏名】辻川 亮
(57)【要約】
【課題】プレイヤに割り当てられたパラメータに応じて電子ゲーム上の効果が異なるデッキを用いた電子ゲーム提供システムを提供する。
【解決手段】プレイヤがデッキを選択し、デッキに含まれる複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供システムであって、デッキに対して電子ゲーム上の効果が予め設定されており、プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて効果が発揮される電子ゲーム提供システムとする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに含まれる複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供システムであって、
前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮されることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記効果は、前記デッキに含まれる前記オブジェクトのパラメータを変更することであることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記プレイヤパラメータは、前記プレイヤの前記オブジェクトの収集状況に応じて変動することを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項4】
請求項3に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記オブジェクトの収集状況は、前記プレイヤが所有する前記オブジェクトの枚数、前記プレイヤが所有する前記オブジェクトの種類の少なくとも1つであることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記デッキ毎に、前記電子ゲーム上の効果が複数設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記プレイヤが選択できる前記効果が変更されることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記効果は、前記デッキに配置された前記オブジェクトの種類又は属性に応じて異なることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記デッキに配置される前記オブジェクトは、前記デッキ毎に予め定められていることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記効果は、前記プレイヤとコンピュータとの対戦モードにて有効となることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の電子ゲーム提供システムであって、
前記効果は、前記オブジェクトを用いた電子ゲームにおいて自動的に発揮されることを特徴とする電子ゲーム提供システム。
【請求項10】
プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに配置された複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供プログラムであって、
コンピュータを、前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮するように機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラム。
【請求項11】
プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに配置された複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供方法であって、
コンピュータを、前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮するように機能させることを特徴とする電子ゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ゲーム提供システム、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤにプレイングカード等の電子ゲーム上のオブジェクトが与えられ、オブジェクトをデッキに配置することでプレイヤ同士が対戦する電子ゲームが知られている(特許文献1)。このとき、プレイヤがデッキに配置したオブジェクトに応じて攻撃力、防御力、体力等の電子ゲーム上のパラメータを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-46875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子ゲームでは、カード等のオブジェクトを取得する機会が限定的であった。また、デッキと当該デッキに配置されたオブジェクトとの関係によって電子ゲーム上の効果を与える処理において、電子ゲームにおけるプレイヤの経験やオブジェクトの収集状況等は考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに含まれる複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供システムであって、前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮されることを特徴とする電子ゲーム提供システムである。
【0006】
ここで、前記効果は、前記デッキに含まれる前記オブジェクトのパラメータを変更することが好適である。
【0007】
また、前記プレイヤパラメータは、前記プレイヤの前記オブジェクトの収集状況に応じて変動することが好適である。
【0008】
また、前記オブジェクトの収集状況は、前記プレイヤが所有する前記オブジェクトの枚数、前記プレイヤが所有する前記オブジェクトの種類の少なくとも1つであることが好適である。
【0009】
また、前記デッキ毎に、前記電子ゲーム上の効果が複数設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記プレイヤが選択できる前記効果が変更されることが好適である。
【0010】
また、前記効果は、前記デッキに配置された前記オブジェクトの種類又は属性に応じて異なることが好適である。
【0011】
また、前記デッキに配置される前記オブジェクトは、前記デッキ毎に予め定められていることが好適である。
【0012】
また、前記効果は、前記プレイヤとコンピュータとの対戦モードにて有効となることが好適である。
【0013】
また、前記効果は、前記オブジェクトを用いた電子ゲームにおいて自動的に発揮されることが好適である。
【0014】
本発明の別の態様は、プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに配置された複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供プログラムであって、コンピュータを、前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮するように機能させることを特徴とする電子ゲーム提供プログラムである。
【0015】
本発明の別の態様は、プレイヤがデッキを選択し、前記デッキに配置された複数のオブジェクトを用いて進行される電子ゲームを提供する電子ゲーム提供方法であって、コンピュータを、前記デッキに対して前記電子ゲーム上の効果が予め設定されており、前記プレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて前記効果が発揮するように機能させることを特徴とする電子ゲーム提供方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プレイヤに割り当てられたパラメータに応じて電子ゲーム上の効果が異なるデッキを用いた電子ゲーム提供システム、電子ゲーム提供プログラム及び電子ゲーム提供方法を提供することができる。本発明の実施の形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態における電子ゲーム提供システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるサーバの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるクライアントの構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるオブジェクトデータベースの例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態におけるゲーム画面の表示例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるデッキデータベースの例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態におけるゲーム画面の表示例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態におけるスタジアムカード選択画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[システム構成]
本発明の実施の形態における電子ゲーム提供システム100は、図1に示すように、サーバ102及び複数のクライアント104(104a,104b)を含んで構成される。サーバ102及び複数のクライアント104は、インターネット等の情報通信網106を介して相互に情報交換可能に接続される。
【0019】
なお、情報通信網106は、インターネットに限定されるものではなく、サーバ102及びクライアント104の間を通信可能に相互に接続できるものであればよい。例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(LocalAreaNetwork)、無線LAN等であってもよく、又はインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0020】
サーバ102は、図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。処理部10は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部10は、記憶部12に記憶されている電子ゲーム提供サーバプログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲーム提供システム100においてクライアント104に対して電子ゲームを提供するための機能を実現する。記憶部12は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部12は、処理部10とアクセス可能に接続され、電子ゲーム提供サーバプログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部14は、情報を入力する手段を含む。入力部14は、例えば、管理者からの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン等を備える。出力部16は、管理者から入力情報を受け付けるためのユーザインターフェース画面(UI)等のサーバ102での処理結果を出力する手段を含む。出力部16は、例えば、管理者に対して画像を呈示するディスプレイを備える。通信部18は、情報通信網106を介して、クライアント104との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部18による通信は有線及び無線を問わない。
【0021】
サーバ102は、ゲームサービスを受ける各ユーザのクライアント104からの情報通信網106を介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報をデータベース等の記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザに情報通信網106を介したゲームサービスを提供する。
【0022】
クライアント104は、図3に示すように、処理部20、記憶部22、入力部24、出力部26及び通信部28を含んで構成される。クライアント104は、通信端末とも称される。処理部20は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部20は、記憶部22に記憶されている電子ゲーム提供クライアントプログラムを実行することによって、本実施の形態における電子ゲーム提供システム100における電子ゲームの端末としての機能を実現する。例えば、電子ゲーム提供クライアントプログラムは、クライアント104において提供されるゲームにおける入力処理や画像表示処理を実現する。記憶部22は、半導体メモリやメモリカード等の記憶手段を含む。記憶部22は、処理部20とアクセス可能に接続され、電子ゲーム提供クライアントプログラム、その処理に必要な情報を記憶する。入力部24は、情報を入力する手段を含む。入力部24は、例えば、ユーザからの入力を受けるキーボード、タッチパネル、ボタン、モーションセンサー等を備える。出力部26は、ユーザから入力情報を受け付けるためのゲーム画面やユーザインターフェース画面(UI)等の画像情報を表示するディスプレイ、ゲーム進行時の効果音や音楽を出力する音声出力部等、クライアント104での処理に必要な情報を出力する手段を含む。通信部28は、情報通信網106を介して、サーバ102との情報の通信を行うインターフェースを含んで構成される。通信部28による通信は有線及び無線を問わない。
【0023】
クライアント104は、電子ゲームを提供するためのクライアントプログラムを実行可能な情報処理装置であれば様々なものを適用できる。例えば、クライアント104としては、据置型または携帯型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(PersonalHandy-phoneSystem)端末、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等が適用できる。
【0024】
なお、クライアント104は、オンラインモードおよびオフラインモードの何れでもゲームを実行することが可能としてもよい。
【0025】
[ゲームの概要]
本実施の形態における電子ゲームでは、プレイヤの各々が、オブジェクトを用いて、複数のプレイヤ間又はプレイヤとコンピュータ間における対戦ゲームを進行させることができる。オブジェクトは、例えば、プレイングカード(以下、単にカードという)とすることができる。カードには様々な種類があり、例えば、対戦パラメータを有するキャラクタカード、対戦ゲーム中にキャラクタカードを支援するサポートカード、デッキに所定の効果を付与するスタジアムカード等が含まれる。ただし、オブジェクトは、カードに限定されるものではなく、メダル、フィギュア、キャラクタ、アイテム等としてもよい。
【0026】
また、プレイヤは、電子ゲーム上のキャラクタカードを選択し、当該キャラクタカードに割り当てられた電子ゲーム上のパラメータに基づいて対戦を行う。電子ゲーム上のパラメータには、例えば、攻撃力、防御力、体力(HP)等の電子ゲームの進行に影響を与えるパラメータが含まれる。プレイヤの各々が使用するキャラクタカード及びパラメータの初期値等の情報は、図4に示すように、サーバ102の記憶部12又はクライアント104の入力部24にオブジェクトデータベースとして記憶される。
【0027】
なお、キャラクタカードは、プレイヤが選択するものではなく、プレイヤ毎に予め与えられているものとしてもよい。
【0028】
電子ゲームでは、例えば、味方のキャラクタカードの攻撃力及び対戦相手のキャラクタカードの防御力に応じて対戦相手のキャラクタカードの体力に与えるダメージが決定され、味方のキャラクタカードと対戦相手のキャラクタカードの体力に応じて勝敗が決定される。ただし、電子ゲームの進行方法は、これに限定されるものではなく、電子ゲーム上のパラメータを用いて対戦が行われるものであればよい。電子ゲームの対戦処理は、既存の方法を適用すればよい。
【0029】
[オブジェクトの使用及びその効果]
プレイヤには、単数又は複数のカードが与えられる。例えば、電子ゲームの進行状況や結果、課金、抽選等によってプレイヤに与えられ、与えられたカードをプレイヤは所有することになる。プレイヤの各々が所有するカードは、図4に示すように、サーバ102の記憶部12又はクライアント104の入力部24にプレイヤ毎にオブジェクトデータベースとして記憶される。オブジェクトデータベースには、各プレイヤが所有するカードを特定するためのオブジェクトID、カードの属性を示すオブジェクト属性、攻撃力、防御力、体力(HP)等の電子ゲームの進行に影響を与えるパラメータ、カードを使用した際に得られる電子ゲーム上の効果等が関連付けて記憶される。オブジェクトデータベースは、サーバ102の記憶部12に記憶される。また、電子ゲームをプレイする際には、プレイヤが使用するクライアント104に対してオブジェクトデータベースに含まれる当該プレイヤか所有するカードの情報が送信される。
【0030】
なお、カードの各々が与える電子ゲーム上の効果は特に限定されるものではない。図4のオブジェクトデータベースの例では、カードAについて「味方キャラクタカードの攻撃力を10%向上」、カードBについて「敵キャラクタカードの防御力を10%低下」、カードCについて「味方キャラクタカードのパラメータを5%向上」・・・としている。このように、電子ゲーム上の効果は、例えば、味方キャラクタカードのパラメータを変更する効果、敵キャラクタカードのパラメータを変更する効果、対戦で使用されている味方キャラクタカードのパラメータを変更する効果、対戦で使用されている敵キャラクタカードのパラメータを変更する効果等が挙げられる。また、1つのカードをデッキに配置することによって電子ゲームにおける複数のパラメータが変更されるようにしてもよい。また、カードの属性と味方キャラクタの属性や敵キャラクタの属性が一致又は不一致することを条件に電子ゲーム上のパラメータが変更されるようにしてもよい。
【0031】
また、1つのカードに対して電子ゲーム上の効果を複数割り当ててもよいし、電子ゲーム上の効果を割り当てなくてもよい。
【0032】
[デッキの効果]
本実施の形態では、デッキを構成するカードが、プレイヤの選択によらず、予め定められている。プレイヤは、予め設定された複数のデッキの中から、対戦ゲームに使用する1のデッキを選択する。図5は、プレイヤが選択したデッキを構成するカードを表示するゲーム画面200の表示例を示す。ゲーム画面200は、スタジアムカード表示領域202、デッキ表示領域204を含んで構成される。スタジアムカード表示領域202には、後述するようにデッキに対して所定の効果を付与するスタジアムカードのカード画像が表示される。デッキ表示領域204には、プレイヤが所有するカードを配置するカード表示部204aが設けられている。ゲーム画面200では、デッキ表示領域204には6つのカードが設定される例を示している。
【0033】
なお、プレイヤは、自らが所有するカードから選択したカードをカード表示部204aに配置することによって、自らデッキを編成することができるようにしてもよい。
【0034】
図6は、デッキデータベースの例を示す。デッキデータベースには、デッキID、デッキ使用条件、プレイヤパラメータに応じてデッキが与える電子ゲーム上の効果(スタジアムカード)が関連付けられて記憶されている。デッキデータベースは、サーバ102の記憶部12に記憶される。
【0035】
プレイヤが所有するカードが所定の組み合わせの条件を満たすと、当該プレイヤは当該カードの組み合わせに適したデッキを使用することが可能になる。サーバ102は、オブジェクトデータベースを参照して、電子ゲームに参加しているプレイヤが所有するカードが予め定められた組み合わせの条件を満たす場合、当該組み合わせの条件を満たしたデッキをプレイヤが選択できるようにする。一例として、プレイヤがデッキを構成する全てのカードを保有している場合、そのデッキが使用可能となる。
【0036】
なお、プレイヤがデッキを選択せず、プレイヤが所有するカードの組み合わせに適したデッキをサーバ102において自動的に選択するようにしてもよい。プレイヤが所有するカードの組み合わせが複数のデッキに設定された条件を満たす場合、予め設定されたデッキの優先度に応じてデッキを自動的に選択するようにすればよい。
【0037】
図6のデッキデータベースの例では、デッキXには、デッキの使用条件としてプレイヤが少なくともカードA及びカードBを所有していることが設定されている。当該デッキXを使用することによって、デッキが与える電子ゲーム上の効果として設定されているスタジアムカードの「火の属性のカードの攻撃パラメータを向上」という効果を得ることができる。
【0038】
このとき、プレイヤに割り当てられているプレイヤパラメータに応じて、スタジアムカードの効果を変化させることが好適である。すなわち、デッキ毎に、スタジアムカードの効果についてプレイヤに割り当てられたプレイヤパラメータの値に応じて効果を複数設定することが好適である。
【0039】
例えば、デッキXの場合、火の属性のカードの攻撃パラメータをどの程度向上させるかをプレイヤパラメータに応じて変化させる。プレイヤパラメータの値が0以上10未満では当該デッキに配置されている火の属性のカードの攻撃パラメータを10%向上させ、プレイヤパラメータの値が10以上20未満では攻撃パラメータを20%向上させ、プレイヤパラメータの値が20以上30未満では攻撃パラメータを30%向上させる。このように、デッキXによって与えられる効果は、デッキに配置されたカードの属性に応じて設定される。
【0040】
具体的には、スタジアムカードが「火」の属性を有し、味方キャラクタカードの攻撃力を向上させるという効果を与える場合、プレイヤパラメータの値が0以上10未満では火属性の味方キャラクタカードの攻撃力が10%向上し、プレイヤパラメータの値が10以上20未満では火属性の味方キャラクタカードの攻撃力が20%向上し、プレイヤパラメータの値が20以上30未満では火属性の味方キャラクタカードの攻撃力が30%向上する。
【0041】
同様に、デッキYには、デッキの使用条件としてプレイヤが少なくともカードC及びカードDを所有していることが設定されている。当該デッキYを使用することによって、デッキが与える電子ゲーム上の効果として設定されている「全ての味方キャラクタカードの攻撃パラメータを向上」という効果を得ることができる。このとき、プレイヤパラメータの値が0以上10未満では味方キャラクタカードの攻撃パラメータを5%向上させ、プレイヤパラメータの値が10以上20未満では攻撃パラメータを10%向上させ、プレイヤパラメータの値が20以上30未満では攻撃パラメータを20%向上させる。
【0042】
また、デッキZには、デッキの使用条件としてプレイヤが少なくともカードE、カードF・・・を所有していることが設定されている。当該デッキZを使用することによって、デッキが与える電子ゲーム上の効果として設定されている「カードFの防御パラメータを向上」という効果を得ることができる。このとき、プレイヤパラメータの値が0以上10未満ではカードFの防御パラメータを10%向上させ、プレイヤパラメータの値が10以上20未満では防御パラメータを30%向上させ、プレイヤパラメータの値が20以上30未満では防御パラメータを50%向上させる。
【0043】
なお、デッキによって得られる電子ゲーム上の効果は、上記例に限定されるものではない。例えば、デッキに配置されている味方キャラクタカードのパラメータを変更する効果、対戦ゲーム中に敵キャラクタカードのパラメータを変更する効果等が挙げられる。また、1つのデッキに対して電子ゲーム上の効果を複数割り当ててもよいし、電子ゲーム上の効果を割り当てなくてもよい。
【0044】
ここで、プレイヤパラメータは、プレイヤのカードの収集状況に応じて変動するパラメートとすることが好適である。例えば、プレイヤが所有するカードの枚数、プレイヤが所有するカードの種類の少なくとも1つに応じてプレイヤパラメータを変動させる。具体的には、プレイヤが所有するカードの枚数が多いほど電子ゲームにおいて当該プレイヤが有利になるようにプレイヤパラメータの値を変動させることが好適である。また、プレイヤが所有するカードの種類が多いほど電子ゲームにおいて当該プレイヤが有利になるようにプレイヤパラメータの値を変動させることが好適である。また、これらを組み合わせてもよい。一例としては、プレイヤパラメータは、プレイヤが所有するカードの枚数が所定枚数以上となった場合に上昇するカード収集レベルである。
【0045】
また、プレイヤパラメータは、プレイヤの電子ゲームにおける経験に応じて変動するパラメータとしてもよい。例えば、プレイヤが電子ゲームにおいてプレイした時間に応じてプレイヤパラメータを変動させてもよい。具体的には、プレイヤのプレイ時間が長いほど電子ゲームにおいて当該プレイヤが有利になるようにプレイヤパラメータの値を変動させることが好適である。
【0046】
図7は、ゲーム画面200のデッキ表示領域204に設けられたカード表示部204aにカードA及びカードBが配置される例を示す。カードが配置されたカード表示部204aには、配置されたカードを示す画像が表示される。また、カードを配置することによって得られる電子ゲーム上の効果を示す情報等を併せて表示させることが好適である。
【0047】
また、スタジアムカード表示領域202には、デッキに関連付けられたスタジアムカードが表示される。スタジアムカードは、各デッキの特徴を表すオブジェクトである。スタジアムカードは、デッキによって与えられる電子ゲーム上の効果に合わせて設定される。例えば、デッキXのスタジアムカードは、火の属性のカードの攻撃パラメータを向上させるという電子ゲーム上の効果があるので、デッキXのスタジアムカードは当該効果を示すに相応しい画像を有するものとする。
【0048】
なお、各デッキに対して設定されている複数のスタジアムカードをプレイヤが選択することによって、当該デッキにおいて得られる電子ゲーム上の効果をプレイヤが選択できるようにしてもよい。すなわち、プレイヤパラメータが複数の条件を満たしている場合、図8のスタジアムカード選択画面300に示すように、プレイヤパラメータが条件を満たしているスタジアムカード302から1つをプレイヤが選択できるようにしてもよい。プレイヤは、クライアント104の入力部24を用いてスタジアムカード選択画面300に表示された選択可能なスタジアムカード302から1つを選択することで、選択された電子ゲーム上の効果を得ることができる。
【0049】
このとき、プレイヤパラメータが条件を満たしておらず、未だ選択ができないスタジアムカードが存在する場合、スタジアムカード選択画面300のスタジアムカード304に示すように選択が可能であるスタジアムカード302と異なる態様で表示させてもよい。図8では、未だ選択ができないスタジアムカード304を網掛けして表示した例を示している。このように、現状では選択ができないスタジアムカードであってもスタジアムカード選択画面300に表示させることによって、プレイヤパラメータをさらに向上させてより効果が高いスタジアムカードが選択できるようにすることに対してプレイヤを動機付けることができる。
【0050】
なお、デッキによる電子ゲーム上の効果は、プレイヤとコンピュータとの対戦モードにおいて有効としてもよい。また、デッキによる電子ゲーム上の効果は、電子ゲームにおいて自動的に発揮されるようにしてもよい。
【0051】
本実施の形態における電子ゲーム提供システム100によれば、電子ゲームにおけるプレイヤの経験やオブジェクトの収集状況を考慮してデッキと当該デッキに配置されたオブジェクトとの関係によって電子ゲーム上の効果を与えることができる。これに伴って、カード等の電子ゲーム上のオブジェクトを取得することについてプレイヤを動機付けすることができる。
【0052】
本発明の他の実施の形態では、プレイヤは、自らが所有するカードから選択したカードをデッキ204aに配置することによって、デッキ204aに配置されたカードの種類に応じて対戦に関わる電子ゲーム上のパラメータの変更等の電子ゲーム上の効果を享受することができる。例えば、カードAをデッキに配置することによって味方のキャラクタの攻撃力を所定の割合だけ増加させたり、カードBをデッキに配置することによって味方のキャラクタの防御力を所定の割合だけ増加させたり、カードCをデッキに配置することによって味方のキャラクタの体力(HP)を所定の割合だけ増加させたりできる。
【0053】
また、デッキに複数のカードが配置された場合、当該複数のカードの効果がそれぞれ発揮されるようにしてもよい。このように、デッキZによって与えられる効果は、デッキに配置されたカードの種類に応じて設定される。
【0054】
また、プレイヤパラメータに応じた電子ゲーム上の効果の度合いに応じてスタジアムカードも変更することが好適である。例えば、デッキXの場合、プレイヤパラメータの値が0以上10未満では当該デッキに配置されている火の属性のカードの攻撃パラメータを10%向上させ、プレイヤパラメータの値が10以上20未満では攻撃パラメータを20%向上させ、プレイヤパラメータの値が20以上30未満では攻撃パラメータを30%向上させる。このように、プレイヤパラメータによって与えられる効果は変化するので、当該変化に応じてデッキに複数のスタジアムカードを設定しておいてもよい。これによって、プレイヤパラメータによって与えられる効果が高まるにつれて、スタジアムカードもそれに相応しい画像に変化し、プレイヤがプレイヤパラメータを向上させることへ動機付けすることができる。
【0055】
他のデッキについても同様にプレイヤパラメータに応じた電子ゲーム上の効果の度合いに応じてスタジアムカードを変更してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、28 通信部、100 電子ゲーム提供システム、102 サーバ、104(104a,104b・・・) クライアント、106 情報通信網、200 ゲーム画面、202 スタジアムカード表示領域、204 デッキ表示領域、204a デッキ、300 スタジアムカード選択画面、302 スタジアムカード、304 スタジアムカード。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8