IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECトーキン株式会社の特許一覧

特開2024-114348圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法
<>
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図1
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図2
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図3
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図4
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図5
  • 特開-圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114348
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 1/26 20060101AFI20240816BHJP
   H01F 1/24 20060101ALI20240816BHJP
   H01F 27/255 20060101ALI20240816BHJP
   H01F 41/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01F1/26 ZNM
H01F1/24
H01F27/255
H01F41/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020052
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】今野 陽介
(72)【発明者】
【氏名】松澤 覚
【テーマコード(参考)】
5E041
【Fターム(参考)】
5E041BB05
5E041BC01
5E041NN05
(57)【要約】
【課題】インダクタの信頼性を向上させることが可能な圧粉磁心を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様にかかる圧粉磁心1は、磁性粉末11が絶縁層12を介して結着された圧粉磁心1である。絶縁層12は、リン酸系絶縁材13と、樹脂材料15と、カルシウムを含む吸湿抑制剤14と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粉末が絶縁層を介して結着された圧粉磁心であって、
前記絶縁層は、リン酸系絶縁材と、樹脂材料と、カルシウムを含む吸湿抑制剤と、を含む、
圧粉磁心。
【請求項2】
前記吸湿抑制剤に含まれるカルシウムと前記リン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.10以上である、請求項1に記載の圧粉磁心。
圧粉磁心。
【請求項3】
前記吸湿抑制剤に含まれるカルシウムと前記リン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.44以上である、請求項1に記載の圧粉磁心。
【請求項4】
前記カルシウムを含む吸湿抑制剤が炭酸カルシウムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
【請求項5】
前記リン酸系絶縁材がリン酸塩系ガラスである、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
【請求項6】
前記樹脂材料は熱硬化性樹脂である、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
【請求項7】
前記リン酸系絶縁材に対する前記吸湿抑制剤の体積比が7%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
【請求項8】
前記磁性粉末の表面は前記リン酸系絶縁材によってコーティングされており、
前記磁性粉末をコーティングしている前記リン酸系絶縁材の厚さが10nm以上100nm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載の圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタ。
【請求項10】
磁性粉末の表面にリン酸系絶縁材をコーティングする工程と、
前記コーティング後の磁性粉末にカルシウムを含む吸湿抑制剤をコーティングする工程と、
前記吸湿抑制剤をコーティングした後の磁性粉末に樹脂材料を添加して造粒する工程と、
前記造粒後の磁性粉末を成形・熱硬化する工程と、を備える、
圧粉磁心の製造方法。
【請求項11】
磁性粉末の表面にリン酸系絶縁材をコーティングする工程と、
前記コーティング後の磁性粉末に、カルシウムを含む吸湿抑制剤と樹脂材料とを添加して造粒する工程と、
前記造粒後の磁性粉末を成形・熱硬化する工程と、を備える、
圧粉磁心の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インダクタは様々な電子機器に用いられている。このため電子機器の信頼性を向上させるためには、インダクタの信頼性を向上させることが重要である。特許文献1には、高周波領域における透磁率の低下が少ない非晶質軟磁性合金の圧粉成形体の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-212503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、インダクタは様々な電子機器に用いられている。このような電子機器は様々な環境下で用いられることが想定されている。このため、電子機器の信頼性を向上させるためには、様々な環境下で用いた場合であっても特性が劣化しないインダクタ、すなわち信頼性が高いインダクタを用いることが重要である。
【0005】
上記課題に鑑み本開示の目的は、インダクタの信頼性を向上させることが可能な圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる圧粉磁心は、磁性粉末が絶縁層を介して結着された圧粉磁心であって、前記絶縁層は、リン酸系絶縁材と、樹脂材料と、カルシウムを含む吸湿抑制剤と、を含む。
【0007】
本開示の一態様にかかるインダクタは、上述の圧粉磁心とコイルとを備えるインダクタである。
【0008】
本開示の一態様にかかる圧粉磁心の製造方法は、磁性粉末の表面にリン酸系絶縁材をコーティングする工程と、前記コーティング後の磁性粉末にカルシウムを含む吸湿抑制剤をコーティングする工程と、前記吸湿抑制剤をコーティングした後の磁性粉末に樹脂材料を添加して造粒する工程と、前記造粒後の磁性粉末を成形・熱硬化する工程と、を備える。
【0009】
本開示の他の態様にかかる圧粉磁心の製造方法は、磁性粉末の表面にリン酸系絶縁材をコーティングする工程と、前記コーティング後の磁性粉末に、カルシウムを含む吸湿抑制剤と樹脂材料とを添加して造粒する工程と、前記造粒後の磁性粉末を成形・熱硬化する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、インダクタの信頼性を向上させることが可能な圧粉磁心、インダクタ、及び圧粉磁心の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態にかかる圧粉磁心の第1の態様を説明するための模式図である。
図2】実施の形態にかかる圧粉磁心の第2の態様を説明するための模式図である。
図3】第1の態様にかかる圧粉磁心の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図4】第2の態様にかかる圧粉磁心の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図5】炭酸カルシウムを磁性粉末にコーティングした場合における、Ca/Pと重量増加率との関係を示すグラフである。
図6】炭酸カルシウムを磁性粉末に添加した場合における、Ca/Pと重量増加率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について説明する。
本実施の形態にかかる圧粉磁心は、磁性粉末が絶縁層を介して結着された圧粉磁心である。絶縁層は、リン酸系絶縁材と、樹脂材料と、カルシウムを含む吸湿抑制剤と、を含む。本実施の形態にかかる圧粉磁心は、このような構成を備えることで、インダクタの信頼性を向上させることが可能な圧粉磁心を実現できる。また、本実施の形態にかかるインダクタは、上述の圧粉磁心とコイルとを用いて構成できる。以下、本実施の形態にかかる圧粉磁心について詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態にかかる圧粉磁心の第1の態様を説明するための模式図であり、圧粉磁心の一部を拡大した模式図である。図1に示すように、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1は、磁性粉末11が絶縁層12_1を介して結着された圧粉磁心である。絶縁層12_1は、リン酸系絶縁材13と、樹脂材料15と、カルシウムを含む吸湿抑制剤14と、を含む。
【0014】
第1の態様にかかる圧粉磁心1_1では、磁性粉末11の表面にリン酸系絶縁材13がコーティングされ、更にその表面に吸湿抑制剤14がコーティングされている。そして、リン酸系絶縁材13および吸湿抑制剤14がコーティングされた磁性粉末11が、樹脂材料15を用いて結着されている。なお、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1では、吸湿抑制剤14が磁性粉末11の表面にコーティングされるともに、樹脂材料15中にも吸湿抑制剤14が含まれていてもよい。
【0015】
図2は、本実施の形態にかかる圧粉磁心の第2の態様を説明するための模式図であり、圧粉磁心の一部を拡大した模式図である。図2に示すように、第2の態様にかかる圧粉磁心1_2は、磁性粉末11が絶縁層12_2を介して結着された圧粉磁心である。絶縁層12_2は、リン酸系絶縁材13と、樹脂材料15と、カルシウムを含む吸湿抑制剤14と、を含む。
【0016】
第2の態様にかかる圧粉磁心1_2では、磁性粉末11の表面にリン酸系絶縁材13がコーティングされている。そして、リン酸系絶縁材13がコーティングされた磁性粉末11が、吸湿抑制剤14を含む樹脂材料15を用いて結着されている。換言すると、第2の態様にかかる圧粉磁心1_2では、樹脂材料15中に吸湿抑制剤14が分散されている。
【0017】
第1の態様にかかる圧粉磁心1_1および第2の態様にかかる圧粉磁心1_2では、絶縁層12_1、12_2中に吸湿抑制剤14を含めている。したがって、圧粉磁心1_1、1_2が水分を吸収することを抑制できる。具体的には、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムは、圧粉磁心1_1、1_2に含まれるリンが、雰囲気中の水分を吸収することを抑制する。従って、インダクタの信頼性を向上させることができる。なお、以下では、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1および第2の態様にかかる圧粉磁心1_2を総称して、実施の形態にかかる圧粉磁心1と記載する。また、絶縁層12_1および絶縁層12_2を総称して絶縁層12と記載する。
【0018】
軟磁性粉は、軟磁性を示す材料の中から適宜選択して用いることができる。磁気特性の点からは、鉄を含むものが好ましく、鉄単体であっても、鉄と他の元素とを含む合金であってもよい。軟磁性粉としては、カルボニル鉄、Fe-Si合金、Fe-Ni合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al合金、少なくともFe-Bを含むFe基非晶質合金粉末、少なくともFe-B-P-Cuを含むFe基ナノ結晶合金などの鉄合金粉を含むことが好ましい。ここで、前記Fe基非晶質合金とは、Fe基合金の内、結晶組織を持たない非晶質(アモルファス)な合金をいう。また、Fe基ナノ結晶合金とは、前記Fe基非晶質合金に熱処理を実施し、非晶質相中に微細なα-Fe結晶を析出させた合金をいう。軟磁性粉は1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
本実施の形態において磁性粉末11の粒子形状は球状に近いほど好ましい。粒子の球状度が低いと、粒子表面に突起が生じ、成形圧力を印加した際に該突起に周囲の粒子からの応力が集中して被覆が破壊され、絶縁性が十分に保たれず、その結果、得られる圧粉磁心の磁気特性(特に損失)が悪化する場合がある。なお、粒子の球状度は、磁性粉末の製造条件、例えば水アトマイズ法であればアトマイズに用いる高圧水ジェットの水量や水圧、溶融原料の温度及び供給速度などの調整によって、好適な範囲に制御可能である。具体的な製造条件は、製造する磁性粉末の組成や、所望の生産性によって変化する。例えば、磁性粉末11の粒径は5μm以上30μm以下(メジアン径D50)とすることができる。
【0020】
リン酸系絶縁材13はリン酸塩を含む絶縁材であり、例えばリン酸塩系ガラスを用いることができる。換言すると、本実施の形態で用いられるリン酸系絶縁材13は、リン酸塩を含む低融点ガラスである。リン酸系絶縁材13は柔らかい性質を有するため、例えばメカノケミカル法による絶縁処理等を用いて、磁性粉末11の表面にリン酸系絶縁材13をコーティングすることで、磁性粉末11の表面に高機能な絶縁被膜を形成することができる。磁性粉末11をコーティングしているリン酸系絶縁材13の厚さは、10nm以上100nm以下が好ましく、10nm以上60nm以下がより好ましい。
【0021】
吸湿抑制剤14は、カルシウムを含む吸湿抑制剤であり、例えば炭酸カルシウムを用いることができる。吸湿抑制剤14は、圧粉磁心1が水分を吸収することを抑制する機能を備える。なお、本実施の形態において吸湿抑制剤14は、圧粉磁心1中に水分が吸収されることを抑制できる材料であればどのような材料を用いてもよい。
【0022】
樹脂材料15は、例えば熱硬化性樹脂である。例えば、樹脂材料15として、シリコン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。
【0023】
本実施の形態では、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとの重量比(Ca/P)は、0.10以上、好ましくは0.29以上、更に好ましくは0.44以上、更により好ましくは0.69以上としてもよい。吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとの重量比(Ca/P)をこの範囲とすることで、圧粉磁心1が水分を吸収することを効果的に抑制でき、インダクタの信頼性を向上させることができる。
【0024】
また、本実施の形態では、リン酸系絶縁材13に対する吸湿抑制剤14の体積比は、7%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%、更に好ましくは50%以上である。リン酸系絶縁材13に対する吸湿抑制剤14の体積比をこの範囲とすることで、圧粉磁心1が水分を吸収することを効果的に抑制でき、インダクタの信頼性を向上させることができる。
【0025】
本実施の形態にかかる圧粉磁心1では、リン酸系絶縁材13を用いて磁性粉末11の表面をコーティングしている。ここで、リン酸系絶縁材13は柔らかい性質を有するため、リン酸系絶縁材13を用いて磁性粉末11の表面をコーティングすることで、磁性粉末11の表面に高機能な絶縁被膜を形成することができる。しかしながら、リン酸系絶縁材13は吸湿性が高いため、圧粉磁心が高温多湿の環境に置かれると、圧粉磁心が空気中の水分を吸収し、圧粉磁心の耐久性が低下してインダクタの信頼性が低下するという問題があった。すなわち、圧粉磁心が空気中の水分を吸収すると、圧粉磁心が加熱された際に圧粉磁心に含まれる水分が膨張し、圧粉磁心が割れる場合があった。このため、圧粉磁心の特性が低下してインダクタの信頼性が低下するという問題があった。
【0026】
そこで本実施の形態では、圧粉磁心1の絶縁層12に吸湿抑制剤14を含めている。このように、絶縁層12に吸湿抑制剤14を含めることで、圧粉磁心1(リン酸系絶縁材13)が水分を吸収することを抑制でき、インダクタの信頼性を向上させることができる。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる圧粉磁心の製造方法について説明する。まず、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1(図1参照)の製造方法について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0028】
図3に示すように、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1を製造する際は、まず、磁性粉末11を準備する(ステップS1)。磁性粉末11には上述した磁性粉末を用いることができる。次に、磁性粉末11にリン酸系絶縁材13をコーティングする(ステップS2)。例えば、リン酸系絶縁材13としてリン酸塩系ガラスを用いることができる。磁性粉末11にリン酸系絶縁材13をコーティングする方法は、例えば、粉末混合法、メカノケミカル法、浸漬法、ゾルゲル法、CVD法、PVD法、又は前記以外の公知の様々な方法の中から適宜選択することができる。リン酸系絶縁材13の平均厚みは絶縁抵抗を確保し、樹脂硬化物の酸化を抑制する点から、10~100nmが好ましく、10~60nmがより好ましい。
【0029】
次に、リン酸系絶縁材13をコーティングした後の磁性粉末11に吸湿抑制剤14をコーティングする(ステップS3)。例えば、吸湿抑制剤14として炭酸カルシウムを用いることができる。磁性粉末11に吸湿抑制剤14をコーティングする際は、粉末混合法、メカノケミカル法、浸漬法、ゾルゲル法、CVD法、PVD法、又は前記以外の公知の様々な方法の中から適宜選択することができる。例えば、吸湿抑制剤14をバインダに分散させて乾かしながら磁性粉末11の表面に付着させることができる。
【0030】
次に、吸湿抑制剤14をコーティングした後の磁性粉末11に樹脂材料15を添加して造粒する(ステップS4)。樹脂材料15には上述した樹脂材料を用いることができる。樹脂材料15には、100℃程度で軟化するとともに、熱硬化後に絶縁材、結着材として働く材料を用いることが好ましい。樹脂材料をコーティング(造粒)する際は、転動造粒法やスプレードライ法などを用いることができる。具体的には、有機溶剤で溶解した樹脂材料と、吸湿抑制剤14がコーティングされた磁性粉末11とを混合して乾燥させることで、吸湿抑制剤14がコーティングされた磁性粉末11の表面に樹脂材料15を含む樹脂層を形成できる。
【0031】
なお、本実施の形態では、樹脂材料15が被覆されていない磁性粉末が一部に混在していてもよい。また、本実施の形態では、樹脂材料15として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
次に、造粒後の磁性粉末を成形する(ステップS5)。例えば成形は、造粒後の磁性粉末を金型に投入して加圧することで実施できる。
【0033】
次に、成形後の成形体を熱硬化する(ステップS6)。例えば、成形体を150℃~250℃で2時間加熱して、樹脂材料(バインダ)を熱硬化させる。なお、本実施の形態では造粒後の磁性粉末を予備成形し、予備成形後の中間成形体を熱間成形してもよい。熱間成形は、金型に予備成形後の中間成形体を入れた状態で加圧しながら加熱することで実施できる。
【0034】
以上で説明した製造方法を用いることで、第1の態様にかかる圧粉磁心1_1(図1参照)を製造することができる。第1の態様にかかる圧粉磁心1_1を製造する際は、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.10%以上、好ましくは0.29以上、更に好ましくは0.44以上、更により好ましくは0.69以上となるようにしてもよい。
【0035】
次に、第2の態様にかかる圧粉磁心1_2(図2参照)の製造方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0036】
図4に示すように、第2の態様にかかる圧粉磁心1_2を製造する際は、まず、磁性粉末11を準備する(ステップS11)。磁性粉末11には上述した磁性粉末を用いることができる。次に、磁性粉末11にリン酸系絶縁材13をコーティングする(ステップS12)。例えば、リン酸系絶縁材13としてリン酸塩系ガラスを用いることができる。磁性粉末11にリン酸系絶縁材13をコーティングする方法は、例えば、粉末混合法、メカノケミカル法、浸漬法、ゾルゲル法、CVD法、PVD法、又は前記以外の公知の様々な方法の中から適宜選択することができる。リン酸系絶縁材13の平均厚みは絶縁抵抗を確保し、樹脂硬化物の酸化を抑制する点から、10~100nmが好ましく、10~60nmがより好ましい。
【0037】
次に、リン酸系絶縁材13をコーティングした後の磁性粉末11に、吸湿抑制剤14と樹脂材料15とを添加して造粒する(ステップS13)。例えば、吸湿抑制剤14には炭酸カルシウムを用いることができる。樹脂材料15には上述した樹脂材料を用いることができる。樹脂材料15には、100℃程度で軟化するとともに、熱硬化後に絶縁材、結着材として働く材料を用いることが好ましい。吸湿抑制剤14と樹脂材料15をコーティング(造粒)する際は、転動造粒法やスプレードライ法などを用いることができる。具体的には、有機溶剤と吸湿抑制剤14と樹脂材料15と、リン酸系絶縁材13がコーティングされた磁性粉末11とを混合して乾燥させることで、リン酸系絶縁材13がコーティングされた磁性粉末11の表面に、吸湿抑制剤14と樹脂材料15とを含む樹脂層を形成できる。
【0038】
なお、本実施の形態では、吸湿抑制剤14と樹脂材料15とが被覆されていない磁性粉末が一部に混在していてもよい。また、本実施の形態では、樹脂材料15として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0039】
次に、造粒後の磁性粉末を成形する(ステップS14)。例えば成形は、造粒後の磁性粉末を金型に投入して加圧することで実施できる。
【0040】
次に、成形後の成形体を熱硬化する(ステップS15)。例えば、成形体を150℃~250℃で2時間加熱して、樹脂材料(バインダ)を熱硬化させる。なお、本実施の形態では造粒後の磁性粉末を予備成形し、予備成形後の中間成形体を熱間成形してもよい。熱間成形は、金型に予備成形後の中間成形体を入れた状態で加圧しながら加熱することで実施できる。
【0041】
以上で説明した製造方法を用いることで、第2の態様にかかる圧粉磁心1_2(図2参照)を製造することができる。第2の態様にかかる圧粉磁心1_2を製造する際は、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.10%以上、好ましくは0.29以上、更に好ましくは0.44以上、更により好ましくは0.69以上となるようにしてもよい。
【0042】
なお、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとの重量比(Ca/P)は、例えば、圧粉磁心1の組成分析を行うことで求めることができる。例えば、圧粉磁心1全体をエネルギー分散型X線分光法(EDS:Energy dispersive X-ray spectroscopy)を用いて組成分析してもよい。この際、磁性粉末11にリンが含まれる場合は、予め磁性粉末11に含まれるリンの量を求めておき、圧粉磁心1全体に含まれるリンの量から磁性粉末11に含まれるリンの量を差し引くことで、リン酸系絶縁材13に含まれるリンの量を求めることができる。また、原料であるリン酸系絶縁材13に含まれるリンの量を予め求めておき、計算を用いてカルシウムとリンの重量比(Ca/P)を求めてもよい。
【0043】
また、圧粉磁心1を走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて観察し、吸湿抑制剤14に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材13に含まれるリンとを、EDSを用いて分析することで求めてもよい。
【実施例0044】
次に、実施例について説明する。
【0045】
<実験1>
(サンプルの作製)
吸湿抑制剤(炭酸カルシウム)の効果を確認するために、以下の実験を行った。
図4に示した第2の態様にかかる圧粉磁心1_2の製造方法を用いて、サンプル1-1にかかる圧粉磁心を作製した。具体的には、まず、磁性粉末を準備した。磁性粉末には、粒径が10μm(メジアン径D50)のFe-Si-Cr合金の粉末を用いた。次に、磁性粉末とリン酸系絶縁材Aとを混合し、メカノケミカル法を用いて磁性粉末にリン酸系絶縁材Aをコーティングした。リン酸系絶縁材Aは、表2のサンプル2-1に示す組成を備えるものを用いた。
【0046】
その後、リン酸系絶縁材Aがコーティングされた磁性粉末に、吸湿抑制剤(炭酸カルシウム)と樹脂材料とを添加して造粒した。樹脂材料には、シリコン樹脂を用いた。このとき、リン酸系絶縁材Aと炭酸カルシウムと樹脂材料の体積比はそれぞれ、2.0vol%、2.0vol%、32.0vol%とした(表1参照)。なお、リン酸系絶縁材Aと炭酸カルシウムと樹脂材料の体積比は、磁性粉末に対する体積比である。
【0047】
次に、造粒後の磁性粉末を金型に投入して加圧して成形した。その後、成形後の成形体を200℃で2時間加熱して熱硬化した。
【0048】
以上で説明した方法を用いて、サンプル1-1にかかる圧粉磁心を作製した。また、炭酸カルシウムの代わりに雲母を添加したサンプル1-2を作製した。また、炭酸カルシウムの代わりにタルクを添加したサンプル1-3を作製した。また、炭酸カルシウム等の添加剤を添加しないサンプル1-4を作製した。なお、サンプル1-2~サンプル1-4の製造方法は、添加剤を変えた点以外は、サンプル1-1の製造方法と同様である。
【0049】
(環境試験)
作製した各々のサンプルに対して、以下に示す環境試験を実施した。
まず、各々のサンプルの環境試験前の重量を測定した。その後、温度85℃、湿度85%の環境に1週間放置して環境試験を実施した。そして、環境試験後の各々のサンプルの重量を測定した。表1に、サンプル1-1~サンプル1-4の環境試験後の重量増加率を示す。
【0050】
表1に示すように、炭酸カルシウムを添加したサンプル1-1では、環境試験後の重量増加率は0%であった。一方、炭酸カルシウムの代わりに雲母を添加したサンプル1-2では、環境試験後の重量増加率は0.14%であった。また、炭酸カルシウムの代わりにタルクを添加したサンプル1-3では、環境試験後の重量増加率は0.13%であった。また、添加剤を添加しなかったサンプル1-4では、環境試験後の重量増加率は0.32%であった。このように、サンプル1-2~サンプル1-4では環境試験によって圧粉磁心が水分を吸収したため重量が増加した。一方、炭酸カルシウムを添加したサンプル1-1では環境試験後の重量増加率は0%となり、圧粉磁心が水分を吸収することを抑制できた。よって、添加剤として炭酸カルシウムを添加することで、圧粉磁心が水分を吸収することを抑制できることがわかった。
【0051】
【表1】
【0052】
<実験2>
次に、リン酸系絶縁材の違いによる吸湿抑制剤(炭酸カルシウム)の効果を確認するために、以下の実験を行った。
【0053】
(サンプルの作製)
まず、リン酸系絶縁材Aとリン酸系絶縁材Bをそれぞれ1.0g準備した。リン酸系絶縁材Aおよびリン酸系絶縁材Bの組成をEDSを用いて分析したところ、表2に示す組成であった。そして、リン酸系絶縁材Aをサンプル2-1とした。このとき、炭酸カルシウムを添加したサンプルと炭酸カルシウムを添加しないサンプルの2種類を作製した。炭酸カルシウムを添加したサンプルでは、リン酸系絶縁材Aと炭酸カルシウムの体積比が1:1となるようにした。これらのサンプルをそれぞれ、サンプル2-1(炭酸カルシウムあり)、サンプル2-1(炭酸カルシウムなし)と表記する。
【0054】
また、リン酸系絶縁材Bをサンプル2-2とした。このとき、炭酸カルシウムを添加したサンプルと炭酸カルシウムを添加しないサンプルの2種類を作製した。炭酸カルシウムを添加したサンプルでは、リン酸系絶縁材Bと炭酸カルシウムの体積比が1:1となるようにした。これらのサンプルをそれぞれ、サンプル2-2(炭酸カルシウムあり)、サンプル2-2(炭酸カルシウムなし)と表記する。
【0055】
そして、作製した各々のサンプルをシャーレに入れて125℃で乾燥した後、各々のサンプルが入ったシャーレを秤量した(このときの重量を重量Aとする)。その後、各々のサンプルが入ったシャーレと、別途準備した水が入ったシャーレとを同じ容器に収容して密閉した。そして、300時間経過した後、各々のサンプルが入ったシャーレを秤量し(このときの重量を重量Bとする)、各々のサンプルの重量増加率を下記の式を用いて求めた。
重量増加率(%)={(重量B-重量A)/重量A}×100
【0056】
このようにして求めた重量増加率を表2に示す。表2に示すように、サンプル2-1(炭酸カルシウムなし)では重量増加率が高い値を示したが、サンプル2-1(炭酸カルシウムあり)では重量増加率が低い値を示した。よって、炭酸カルシウムを添加したサンプル2-1(炭酸カルシウムあり)では、水分を吸収することを抑制できた。また、サンプル2-2(炭酸カルシウムなし)では重量増加率が高い値を示したが、サンプル2-2(炭酸カルシウムあり)では重量増加率が低い値を示した。よって、炭酸カルシウムを添加したサンプル2-2(炭酸カルシウムあり)では、水分を吸収することを抑制できた。
【0057】
実験2の実験結果から、リン酸系絶縁材Aとリン酸系絶縁材Bの両方において、炭酸カルシウムを添加することによる吸湿抑制の効果が確認された。
【0058】
【表2】
【0059】
<実験3>
(サンプルの作製)
図3に示した第1の態様にかかる圧粉磁心1_1の製造方法を用いて、サンプル3-1~サンプル3-4にかかる圧粉磁心を作製した。具体的には、まず、磁性粉末を準備した。磁性粉末には、粒径が10μm(メジアン径D50)のFe-Si-Cr合金の粉末を用いた。次に、磁性粉末とリン酸系絶縁材Aとを混合し、メカノケミカル法を用いて磁性粉末にリン酸系絶縁材Aをコーティングした。
【0060】
次に、リン酸系絶縁材Aをコーティングした後の磁性粉末に吸湿抑制剤(炭酸カルシウム)をコーティングした。その後、リン酸系絶縁材Aと炭酸カルシウムがコーティングされた磁性粉末に樹脂材料を添加して造粒した。樹脂材料には、シリコン樹脂を用いた。サンプル3-1~サンプル3-4におけるリン酸系絶縁材A、炭酸カルシウム、磁性粉末、及び樹脂材料の量は、表3に示す量とした。
【0061】
なお、表3に示すリン酸系絶縁材Aおよび炭酸カルシウムの体積比はそれぞれ、磁性粉末に対する体積比である。すなわち、リン酸系絶縁材Aの体積比(vol%)は、磁性粉末に対するリン酸系絶縁材Aの体積比である。また、炭酸カルシウムの体積比(vol%)は、磁性粉末に対する炭酸カルシウムの体積比である。また、表3に示す磁性粉末、リン酸系絶縁材A、炭酸カルシウム、及び樹脂材料の重量(g)は、圧粉磁心2.5g中に含まれる各材料の含有量である。
【0062】
次に、造粒後の磁性粉末を金型に投入して5000kgf/cmの条件で加圧して成形した。その後、成形体を温度200℃で2時間加熱して熱硬化した。
【0063】
以上で説明した方法を用いて、サンプル3-1~サンプル3-4にかかる圧粉磁心を作製した。サンプル3-1は、炭酸カルシウムを添加しなかったサンプルである。サンプル3-2は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.10であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.14のサンプルである。サンプル3-3は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.50であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.69のサンプルである。サンプル3-4は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.75であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が1.03のサンプルである。
【0064】
(環境試験)
作製した各々のサンプルに対して、以下に示す環境試験を実施した。
まず、各々のサンプルの環境試験前の重量を測定した。その後、温度85℃、湿度85%の環境に1週間放置して環境試験を実施した。そして、環境試験後の各々のサンプルの重量を測定した。表3に、サンプル3-1~サンプル3-4の環境試験後の重量増加率を示す。また、図5のグラフにCa/Pと重量増加率との関係を示す。
【0065】
表3、図5に示すように、炭酸カルシウムを添加しなかったサンプル3-1では、環境試験後の重量増加率が0.31%であった。また、炭酸カルシウムを添加したサンプル3-2~サンプル3-4では、環境試験後の重量増加率がそれぞれ、0.15%、0.01%、-0.01%であった。これらの結果から、炭酸カルシウムの添加量が多いほど、環境試験後の重量増加率が低下することがわかった。
【0066】
【表3】
【0067】
<実験4>
(サンプルの作製)
図4に示した第2の態様にかかる圧粉磁心1_2の製造方法を用いて、サンプル4-1~サンプル4-5にかかる圧粉磁心を作製した。具体的には、まず、磁性粉末を準備した。磁性粉末には、粒径が10μm(メジアン径D50)のFe-Si-Cr合金の粉末を用いた。次に、磁性粉末とリン酸系絶縁材Aとを混合し、メカノケミカル法を用いて磁性粉末にリン酸系絶縁材Aをコーティングした。
【0068】
その後、リン酸系絶縁材Aがコーティングされた磁性粉末に、吸湿抑制剤(炭酸カルシウム)と樹脂材料とを添加して造粒した。樹脂材料には、シリコン樹脂を用いた。サンプル4-1~サンプル4-5におけるリン酸系絶縁材A、炭酸カルシウム、磁性粉末、及び樹脂材料の量は、表4に示す量とした。
【0069】
なお、表4に示すリン酸系絶縁材Aおよび炭酸カルシウムの体積比はそれぞれ、磁性粉末に対する体積比である。また、表4に示す磁性粉末、リン酸系絶縁材A、炭酸カルシウム、及び樹脂材料の重量(g)は、圧粉磁心2.5g中に含まれる各材料の含有量である。
【0070】
次に、造粒後の磁性粉末を金型に投入して5000kgf/cmの条件で加圧して成形した。その後、成形体を温度200℃で2時間加熱して熱硬化した。
【0071】
以上で説明した方法を用いて、サンプル4-1~サンプル4-5にかかる圧粉磁心を作製した。サンプル4-1は、炭酸カルシウムを添加しなかったサンプルである。サンプル4-2は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.07であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.10のサンプルである。サンプル4-3は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.20であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.29のサンプルである。サンプル4-4は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.30であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.44のサンプルである。サンプル4-5は、リン酸系絶縁材Aに対する炭酸カルシウムの体積比が0.68であり、吸湿抑制剤に含まれるカルシウムとリン酸系絶縁材に含まれるリンとの重量比(Ca/P)が0.97のサンプルである。
【0072】
(環境試験)
作製した各々のサンプルに対して、以下に示す環境試験を実施した。
まず、各々のサンプルの環境試験前の重量を測定した。その後、温度85℃、湿度85%の環境に1週間放置して環境試験を実施した。そして、環境試験後の各々のサンプルの重量を測定した。表4に、サンプル4-1~サンプル4-5の環境試験後の重量増加率を示す。また、図6のグラフにCa/Pと重量増加率との関係を示す。
【0073】
表4、図6に示すように、炭酸カルシウムを添加しなかったサンプル4-1では、環境試験後の重量増加率が0.31%であった。また、炭酸カルシウムを添加したサンプル4-2~サンプル4-5では、環境試験後の重量増加率がそれぞれ、0.22%、0.10%、0.02%、-0.03%であった。これらの結果から、炭酸カルシウムの添加量が多いほど、環境試験後の重量増加率が低下することがわかった。
【0074】
【表4】
【0075】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0076】
1、1_1、1_2 圧粉磁心
11 磁性粉末
12、12_1、12_2 絶縁層
13 リン酸系絶縁材
14 吸湿抑制剤
15 樹脂材料
図1
図2
図3
図4
図5
図6