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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114399
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】コンテナ移載装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20240816BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20240816BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
B25J15/00 B
B25J15/08 A
B65G47/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020148
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】古賀 直幸
(72)【発明者】
【氏名】林 功二
(72)【発明者】
【氏名】小役丸 翔次
(72)【発明者】
【氏名】中島 匠
【テーマコード(参考)】
3C707
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707BS02
3C707CS04
3C707DS03
3C707EW07
3C707FS01
3C707FS07
3C707HS14
3C707HS26
3C707KS31
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT05
3C707KW05
3C707KX07
3C707NS19
3F072AA09
3F072GA10
3F072KD01
3F072KD03
(57)【要約】
【課題】コンテナの一の側壁のみに接触してコンテナを持ち上げることが可能でコンテナの破損を抑制できるコンテナ移載装置を提供する。
【解決手段】側壁W1、W2、W3、W4を有する上部開放型のコンテナWを保持して移動させるコンテナ移載装置10において、コンテナWの内側から一の側壁W1に接触する内側押圧部11と、内側押圧部11を鉛直方向及び水平方向に移動させる移動手段と、一の側壁W1にコンテナWの外側から接近して接触し、内側押圧部11と共に側壁W1を挟む外側押圧部12と、一の側壁W1にコンテナWの外側から接触してコンテナWに上向きの力を作用させる支持手段13とを備え、移動手段は、内側押圧部11をコンテナW内に上方から進入させ水平移動させて一の側壁W1に接近させ側壁W1に接触させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁を有する上部開放型のコンテナを保持して移動させるコンテナ移載装置において、
前記コンテナの内側から一の前記側壁に接触する内側押圧部と、
前記内側押圧部を鉛直方向及び水平方向に移動させる移動手段と、
前記一の側壁に前記コンテナの外側から接近して接触し、前記内側押圧部と共に該側壁を挟む外側押圧部と、
前記一の側壁に前記コンテナの外側から接触して該コンテナに上向きの力を作用させる支持手段とを備え、
前記移動手段は、前記内側押圧部を前記コンテナ内に上方から進入させ水平移動させて前記一の側壁に接近させ該側壁に接触させることを特徴とするコンテナ移載装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンテナ移載装置において、前記内側押圧部と一体となって移動し、該内側押圧部が前記コンテナの上方に配された状態で前記一の側壁の上方に配されて、該側壁の上端部までの距離を計測する距離センサAと、前記距離センサAの計測値を基に前記内側押圧部を前記コンテナの内側の所定高さに配するための該内側押圧部の下降距離を決定する制御手段とを更に備えることを特徴とするコンテナ移載装置。
【請求項3】
請求項1記載のコンテナ移載装置において、前記内側押圧部が前記一の側壁に接触する際に前記コンテナの外側の該側壁まで距離を有する位置に配されて、該側壁までの距離を計測する距離センサBと、前記距離センサBの計測値を基にして、前記内側押圧部が前記一の側壁に接触する際に前記コンテナの外側の該側壁まで距離を有する位置に配された前記外側押圧部を該側壁に接触させるための該外側押圧部の移動距離を決定する制御手段とを更に備えることを特徴とするコンテナ移載装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンテナ移載装置において、前記支持手段は、前記一の側面を前記コンテナの外側から吸着する吸着パッドを有することを特徴とするコンテナ移載装置。
【請求項5】
請求項4記載のコンテナ移載装置において、前記吸着パッドは、前記内側押圧部が前記一の側壁に接触する位置及び前記外側押圧部が該側壁に接触する位置より低い位置で該側壁を吸着することを特徴とするコンテナ移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部開放型のコンテナを保持して移動させるコンテナ移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前後左右にそれぞれ側壁を有するコンテナが複数パレット等に積み付けられた状態では、隣り合うコンテナ間にアーム等を差し込むための十分な間隔が存在しない。そのため、コンテナのデパレタイズを行う装置に対して、隣り合うコンテナ間にアーム等を差し込めない。また、コンテナのパレタイズを行う装置は、コンテナをパレット上等に積み付ける際に既に積み付けられている他のコンテナ近くに側壁が配される予定のコンテナを、当該側壁を外側から接触した状態で保持できない。
【0003】
この点、特許文献1に開示された装置は、対向する側壁の一方の側壁の取手部分にコンテナの外側から一方側フック体を引っ掛けてコンテナを水平移動させ、隣り合って配されている他のコンテナとの間に十分な間隔を設けた後、他方側フック体を対向する側壁の他方の取手部分に引っ掛けコンテナを持ち上げるように設計されている。
また、特許文献2に開示された装置は、コンテナの一の側壁を内側及び外側から挟んで(即ち、一の側壁のみに接触した状態で)コンテナを支持する。
従って、特許文献1、2に開示された装置はいずれもコンテナのデパレタイズやパレタイズを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-124064号公報
【特許文献2】実公昭51-57483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の装置は、一方側フック体を引っ掛けたコンテナを、その下側のコンテナに載った状態で水平移動させることから、水平移動させているコンテナとその下側のコンテナとの間に摩擦が生じ下側のコンテナが移動するおそれがあった。また、特許文献2の装置は、コンテナの一の側壁を内側及び外側から挟んでいる機構のみでコンテナを持ち上げるので、大きな力で側壁を挟む必要があり、側壁を破損させる可能性があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、上部開放型のコンテナの一の側壁のみに接触してコンテナを持ち上げることが可能でコンテナの破損を抑制できるコンテナ移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う本発明に係るコンテナ移載装置は、側壁を有する上部開放型のコンテナを保持して移動させるコンテナ移載装置において、前記コンテナの内側から一の前記側壁に接触する内側押圧部と、前記内側押圧部を鉛直方向及び水平方向に移動させる移動手段と、前記一の側壁に前記コンテナの外側から接近して接触し、前記内側押圧部と共に該側壁を挟む外側押圧部と、前記一の側壁に前記コンテナの外側から接触して該コンテナに上向きの力を作用させる支持手段とを備え、前記移動手段は、前記内側押圧部を前記コンテナ内に上方から進入させ水平移動させて前記一の側壁に接近させ該側壁に接触させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコンテナ移載装置は、コンテナの内側から一の側壁に接触する内側押圧部と、内側押圧部を鉛直方向及び水平方向に移動させる移動手段と、一の側壁にコンテナの外側から接近して接触し、内側押圧部と共に側壁を挟む外側押圧部と、一の側壁にコンテナの外側から接触してコンテナに上向きの力を作用させる支持手段とを備え、移動手段は、内側押圧部をコンテナ内に上方から進入させ水平移動させて一の側壁に接近させ側壁に接触させるので、上部開放型のコンテナの一の側壁のみに接触してコンテナを持ち上げることができコンテナの破損を抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係るコンテナ移載装置によって移動させられるコンテナが積み付けられた様子を示す説明図である。
図2】(A)、(B)はそれぞれ、コンテナの側面図及び縦断面図である。
図3】本発明の一実施の形態に係るコンテナ移載装置の説明図である。
図4】同コンテナ移載装置がコンテナを保持する様子を示す説明図である。
図5】同コンテナ移載装置がコンテナを保持する様子を示す説明図である。
図6】同コンテナ移載装置がコンテナを保持する様子を示す説明図である。
図7】同コンテナ移載装置がコンテナを保持する様子を示す説明図である。
図8】同コンテナ移載装置がコンテナを持ち上げる様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2(A)、(B)、図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るコンテナ移載装置10は、側壁W1、W2、W3、W4を有する上部開放型のコンテナWを保持して移動させる装置であって、側壁W1、W2、W3又はW4にコンテナWの内側及び外側からそれぞれ接触する内側押圧部11及び外側押圧部12と、内側押圧部11及び外側押圧部12が接触している側壁W1、W2、W3又はW4にコンテナWの外側から接触してコンテナWを支持する支持手段13を備えている。以下、詳細に説明する。
【0011】
本実施の形態において、コンテナWは、図1図2(A)、(B)に示すように、前後左右にそれぞれ側壁W1、W2、W3、W4(即ち、複数の側壁)を有し、上部が解放された容器であり、パレットPに積み付けられている。コンテナWの側壁W1、W2、W3、W4及び底部はそれぞれ矩形状であり、側壁W1、W2、W3、W4には、図2(A)、(B)に示すように、コンテナWの外側にリブW5が設けられている。なお、図1ではリブW5の記載を省略している。本実施の形態では、側壁W1に、側壁W1の左側端部から右側端部まで達する水平方向に長いリブW5が複数本(具体的には4本)と水平方向に長い当該リブW5の上側2本を連結する鉛直方向に長い1本のリブW5と側壁W1の上側端部から下側端部まで達する鉛直方向に長いリブW5が複数本(具体的には4本)形成されている。これは、側壁W2、W3、W4についても同様である。
【0012】
コンテナ移載装置10は、図3に示すように、ロボット本体14及びロボット本体14に連結されたロボットハンド15を具備している。ロボット本体14は、自走台車16と、自走台車16に固定され、ロボットハンド15を鉛直方向及び水平方向に移動させることができる駆動機構17を有している。
【0013】
ロボットハンド15は、駆動機構17に連結されたベース部材18、ベース部材18に取り付けられたエアシリンダ19、20、エアシリンダ19に固定されたセンサ装着部材21に取り付けられた距離センサ22(距離センサB)、エアシリンダ19に固定されたアーム23及びアーム23に取り付けられた距離センサ24(距離センサA)を備えている。
【0014】
エアシリンダ19は、ベース部材18に取り付けられたケース25、水平に配されケース25に進退自在に装着されたロッド26及びロッド26を固定する図示しないロック機構を有し、エアシリンダ20の上方に配されている。ロッド26の先端部には円柱状の外側押圧部12が連結されている。エアシリンダ19に対する給気や排気によって、外側押圧部12及びロッド26は一体となって水平に移動する。以下、外側押圧部12及びロッド26が前進する方向を前側、後退する方向を後側とする。
【0015】
センサ装着部材21は、棒状であり、ケース25の下部に固定されて鉛直に配されている。ロボットハンド15を正面視して(前側から見て)、距離センサ22は外側押圧部12の真下に位置している。距離センサ22は距離センサ22から距離センサ22の前方に配されている物体までの距離を計測することができる。
アーム23は、基端部がケース25の上部に固定され、先端側に板状(板状には限定されない)の内側押圧部11を具備している。内側押圧部11は、ケース25より前方に位置し、鉛直に配されている。
【0016】
距離センサ24は、内側押圧部11の近傍でアーム23に固定され、距離センサ24から距離センサ24の下方に位置する物体までの距離を計測可能である。よって、距離センサ24は内側押圧部11と一体となって移動する。
エアシリンダ20は、ベース部材18に取り付けられたケース27、ロッド26に対して平行に配されケース27に進退自在に装着されたロッド28及びロッド28を固定する図示しないロック機構を有している。
【0017】
ロッド28の先端部には円柱状の吸着パッド29が連結されている。エアシリンダ20に対する給気や排気によってロッド28及び吸着パッド29は一体となって進退する。外側押圧部12及び吸着パッド29は円柱状でなくてもよいことは言うまでもない。
吸着パッド29は、吸着パッド29に接触した物体を負圧によって吸着することや物体の吸着を大気開放又は正圧によって解除することができる。本実施の形態では、エアシリンダ20及び吸着パッド29によって支持手段13が構成されている。
【0018】
ケース25、27は連結部材30によって連結され、アーム23は連結部材30に固定されている。
ロボット本体14には、距離センサ22、24の各計測値の取得や、自走台車16、駆動機構17、エアシリンダ19、20及び吸着パッド29の各制御を行う制御手段32が搭載されている。制御手段32はCPUや各種ICチップ等によって構成でき、コンテナWが積み付けられたパレットPを搬送する搬送装置等を制御する中央制御装置から送信される指令信号に従って制御手段32は自走台車16及び駆動機構17等を制御する。なお、制御手段32はロボット本体14外に設けてもよい。
【0019】
次に、上側にコンテナWが載せられていないコンテナWをコンテナ移載装置10によって保持する処理について説明する。ここでは、ロボットハンド15が側壁W1(一の側壁の一例)に接触してコンテナWを保持する処理について説明するが、側壁W2、W3又はW4に接触してコンテナWを保持することもでき、その処理はロボットハンド15が側壁W1に接触してコンテナWを保持する処理と同様である。なお、コンテナ移載装置10は上側にコンテナWが載せられているコンテナWを保持できない。
【0020】
まず、自走台車16及び駆動機構17は制御手段32に制御されてロボットハンド15を保持対象のコンテナW(以下、単に「コンテナW」とも言う)に近づけ、コンテナWの側壁W1の近傍にロボットハンド15を配置する。ロボットハンド15は、図4に示すように、ロッド26、28が後退位置に配され、内側押圧部11及び距離センサ24がコンテナWより高い位置に配され、外側押圧部12及び吸着パッド29が側壁W1に対向して(側壁W1の後方で側壁W1の高さ位置に)配されて、側壁W1の近傍に配置される。
【0021】
なお、図4では、距離センサ24が側壁W1の真上に配されているが、第1段階で、平面視して距離センサ24が側壁W1の後方に配され、第2段階で、ロボットハンド15は自走台車16及び駆動機構17の作動(あるいは自走台車16のみの作動又は駆動機構17のみの作動)によって前進させられる(コンテナWに接近する方向に水平移動させられる)。
【0022】
ロボットハンド15が前進している際に、制御手段32は、距離センサ22、24の各計測値を基に距離センサ24が側壁W1の真上に配されたことを検出すると、自走台車16及び駆動機構17を停止しロボットハンド15を静止する。静止したロボットハンド15は、内側押圧部11が側壁W1より高い位置でコンテナWの内側空間の上方(平面視して側壁W1の前側で側壁W1まで距離を有する位置)に配され、外側押圧部12及び吸着パッド29が側壁W1まで距離を有する位置に配置されている。
【0023】
自走台車16及び駆動機構17が停止した際、距離センサ24は距離センサ24から側壁W1の上端部までの距離を計測し、制御手段32は距離センサ24の計測値を基にして距離センサ24から側壁W1の上端部までの距離を検知している。よって、内側押圧部11がコンテナWの上方に配された状態で距離センサ24は側壁W1の上方に配される。
【0024】
その後、制御手段32は距離センサ24の計測値を基に内側押圧部11をコンテナWの内側の所定高さ(コンテナWの底部まで所定の距離がある高さ位置)に配するために必要なロボットハンド15(内側押圧部11)の下降距離を決定し、駆動機構17を作動させロボットハンド15を決定した距離だけ下降させる。このロボットハンド15の下降により、内側押圧部11は、図5に示すように、コンテナW内に上方から進入する。ロボットハンド15が決定した距離の下降を終えると、制御手段32は駆動機構17を停止しロボットハンド15を静止させる。
【0025】
ロボットハンド15が静止した際、内側押圧部11は側壁W1に非接触であり、外側押圧部12及び吸着パッド29は側壁W1のリブW5が設けられていない領域に対向配置される。制御手段32は距離センサ22の計測値を基に内側押圧部11と側壁W1間の距離を検知し、検知した当該距離を基に、内側押圧部11を側壁W1に接触させるためにロボットハンド15(内側押圧部11)を水平に後退させる距離を決定する。
【0026】
そして、制御手段32は駆動機構17を作動させロボットハンド15を決定した距離だけ水平に後退させる。これによって、内側押圧部11は後方に水平移動して側壁W1に接近し、図6に示すように、コンテナWの内側から側壁W1(本実施の形態では、側壁W1の上端部)に接触し、側壁W1に対して後ろ向きの力を作用させるようになる。本実施の形態では、内側押圧部11を鉛直方向及び水平方向に移動させる移動手段が自走台車16及び駆動機構17によって構成されている。
【0027】
内側押圧部11が側壁W1に接触した際、距離センサ22は、コンテナWの後方(外側)の側壁W1まで距離を有する位置で側壁W1のリブW5の無い領域に対向して配されて、距離センサ22から側壁W1までの距離を計測する状態となる。制御手段32は、距離センサ22の計測値を基にして、側壁W1の後方(内側押圧部11が側壁W1に接触した際にコンテナWの外側の側壁W1まで距離を有する位置)に配された外側押圧部12を側壁W1に接触させるための外側押圧部12の前進距離(移動距離)と、側壁W1の後方に配された吸着パッド29を側壁W1に接触させるための吸着パッド29の前進距離とを決定する。
【0028】
制御手段32は、エアシリンダ19に対する給気や排気の開始及び停止を切り替える電磁弁等を制御して外側押圧部12をロッド26と共に決定した距離だけ水平に前進させると共に、エアシリンダ20に対する給気や排気の開始及び停止を切り替える電磁弁等を制御して吸着パッド29をロッド28と共に決定した距離だけ水平に前進させて、外側押圧部12及び吸着パッド29を側壁W1のリブW5が無い部分にコンテナWの外側(後方)から接近させ、図7に示すように、外側押圧部12及び吸着パッド29を側壁W1に接触させる。
【0029】
外側押圧部12が側壁W1にコンテナWの外側から接触した状態で、ロッド26はロック機構により固定され、側壁W1にコンテナWの内側から力を作用させている内側押圧部11と共に側壁W1を挟む。本実施の形態において、外側押圧部12は、内側押圧部11が側壁W1に接触している高さ位置より低い位置で側壁W1に接触しているが、これには限定されない。外側押圧部と内側押圧部が同一高さで側壁W1に接触してもよいし、内側押圧部が側壁W1の上端部より下位置で側壁W1に接触するように設計する場合、内側押圧部が側壁W1に接触する高さ位置より高い位置で外側押圧部を側壁W1に接触させてもよい。
【0030】
吸着パッド29が側壁W1にコンテナWの外側から接触した状態で、ロッド28はロック機構により固定され、吸着パッド29は側壁W1に接触している接触面が制御手段32による制御により負圧となって、側壁W1(本実施の形態では)をコンテナWの外側から吸着する。これによって、ロボットハンド15はコンテナWを保持した状態となる。
その後、制御手段32は駆動機構17を制御して、図8に示すように、ロボットハンド15を上昇させ、コンテナ移載装置10がコンテナWを持ち上げる。
【0031】
ここで、本実施の形態では、内側押圧部11がベース部材18に対して移動せず、外側押圧部12がベース部材18に対して移動して、内側押圧部11及び外側押圧部12でコンテナWの側壁W1を挟むようにしているが、これには限定されない。内側押圧部11がベース部材18に対し移動し、外側押圧部12がベース部材18に対し移動しないようにして、あるいは、内側押圧部11及び外側押圧部12の双方がベース部材18に対し移動するようにして、内側押圧部11及び外側押圧部12でコンテナWの側壁W1を挟む設計を採用可能である。
【0032】
側壁W1を吸着している吸着パッド29(支持手段13)は、持ち上げられたコンテナWに上向きの力を作用させ、コンテナWの荷重を受ける。よって、吸着パッド29(支持手段13)は、側壁W1にコンテナの外側から接触してコンテナWに上向きの力を作用させる。
本実施の形態では、内側押圧部11が側壁W1に接触する位置及び外側押圧部12が側壁W1に接触する位置より低い位置、かつ、側壁W1の鉛直方向中心より低い位置で、吸着パッド29が側壁W1を吸着することから、ロボットハンド15は持ち上げられたコンテナWを安定して保持(固定)できる。
【0033】
ここで、吸着パッド29を備える支持部材13の代わりに、側壁W1の水平方向に長いリブW5の下部に接触して当該リブW5に上向きの力を作用させる支持部材(側壁W1を吸着しない支持部材)を採用することができる。その場合、リブW5は一定以上の大きさの強度を有する必要がある。
また、側壁に強磁性体を備えさせ、支持部材に電磁石を具備させてコンテナを磁力によって固定してコンテナに上向きの力を作用させるようにしてもよいし、側壁に支持部材が固定可能なアダプタを設けて支持部材をアダプタに固定して支持部材がコンテナに上向きの力を作用させるようにしてもよい。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、距離センサA、Bを設ける代わりに、カメラを設け、カメラの撮像画像を基にしてコンテナ移載装置の各部位からコンテナの各部位までの距離を導出するようにしてもよい。
【0035】
また、外側押圧部はエアシリンダに取り付ける必要はなく、例えば、外側押圧部を電動シリンダに取り付けてもよい。更に、支持手段はエアシリンダを備える必要はなく、例えば、エアシリンダの代わりに電動シリンダを具備する支持手段を用いてもよい。これらの電動シリンダとしてトルクセンサを搭載した電動シリンダを用いれば、トルクセンサの検出値から外側押圧部や支持手段のコンテナの側壁への接触を検出して電動シリンダを静止するようできる。その場合、距離センサBを省略可能である。
【0036】
また、支持手段はコンテナの側壁の鉛直方向中心より高い位置で側壁に接触してもよい。
内側押圧部、外側押圧部及び支持手段をそれぞれ複数設けることができる。
外側押圧部の形状を調整すれば、外側押圧部をコンテナの側壁のリブに接触させて内側押圧部と外側押圧部で側壁を挟むことが可能である。
更に、コンテナは前後左右のうち2か所又は3か所のみに側壁を有するもの(例えば、後及び左右のみに側壁を有するもの)であってもよく、側壁にリブが設けられていないものであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10:コンテナ移載装置、11:内側押圧部、12:外側押圧部、13:支持手段、14:ロボット本体、15:ロボットハンド、16:自走台車、17:駆動機構、18:ベース部材、19、20:エアシリンダ、21:センサ装着部材、22:距離センサ、23:アーム、24:距離センサ、25:ケース、26:ロッド、27:ケース、28:ロッド、29:吸着パッド、30:連結部材、32:制御手段、P:パレット、W:コンテナ、W1、W2、W3、W4:側壁、W5:リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8