(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114415
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/377 20060101AFI20240816BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240816BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20240816BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240816BHJP
G09G 5/18 20060101ALI20240816BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20240816BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240816BHJP
H04N 5/262 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G09G5/377 100
G09G5/37 320
G09G5/14 C
G09G5/00 550B
G09G5/18
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G5/00 530D
G09G5/37 110
G09G5/00 530M
G09G5/00 530T
B60R11/02 C
B60K35/00 Z
H04N5/262 040
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020169
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 淳一
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5C023
5C182
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD05
3D020BE03
3D344AA19
3D344AB01
3D344AD01
5C023AA11
5C023AA38
5C023BA12
5C023CA03
5C023EA03
5C182AA03
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC13
5C182AC33
5C182AC35
5C182AC43
5C182BA29
5C182CA21
5C182CA51
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB44
5C182CB47
5C182CB55
5C182CC03
5C182CC22
5C182DA65
5C182DA70
(57)【要約】
【課題】高品位な表示、および表示の即応性の両方の条件を満たすことが容易な表示装置を提供すること。
【解決手段】プリクラッシュ警報を表示する場合は、色数の少ないキャラクタ(プリクラッシュ画像iA)をOSDで描画して先に表示する。ほぼ同時にリッチOSで高品位キャラクタ(プリクラッシュ画像iB)の描画を開始し、描画終了時に2つのキャラクタ(プリクラッシュ画像iA2,iB)を透過処理を用いて合成して画面表示に反映する。OSD描画処理により表示の即応性を確保し、リッチOSの描画により高品位画像の表示を可能にする。バーグラフ等を表示する場合は、高品位キャラクタを先に描画して表示し、高品位キャラクタの領域の一部をマスク画像でマスクして視認可能なバーのサイズを周期的に更新する。サイズが可変のマスク画像をOSDで描画して即応性を確保する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画指示に基づいて、第1画像を生成する第1描画部と、
前記描画指示に基づいて、画素あたりのデータ量が前記第1画像よりも多い第2画像を生成する第2描画部と、
前記描画指示に応じた共通の像を表示するために、所定の表示領域に対する前記第1画像の表示と前記第2画像の表示とを互いにずれたタイミングで制御すると共に、前記第1画像と前記第2画像とを少なくとも一部分の領域が重なる状態で重畳表示する画像処理部と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記第1描画部および前記第2描画部は、共通の前記描画指示をトリガとしてほぼ同時に描画処理を開始する機能を有し、
前記画像処理部は、前記描画指示に従って前記第1画像を前記表示領域に表示した後、前記第2描画部の処理が完了したことを検知すると、前記第2画像を前記表示領域に重畳表示する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
即応性を必要とする所定の警報情報が車両上で発生した場合に、前記警報情報の入力に応じて、前記描画指示を前記第1描画部および前記第2描画部に与える制御部を備える、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記第2画像を前記表示領域に表示した後で、少なくとも一部分の領域が前記第2画像と重なる状態で、前記第1画像を前記表示領域で重畳表示する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1描画部は、前記描画指示が入力される度に、前記第2画像の少なくとも一部分の表示をマスク可能なマスク画像を前記第1画像として生成すると共に、少なくとも前記マスク画像のサイズを前記描画指示に応じて変更する、
請求項4に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両においては様々な表示機能が必要とされる。例えば、プリクラッシュセーフティと呼ばれる衝突警報機能の表示を行う場合には、車両上の機器が警報すべき事象を検知した場合に即座に警報の表示を実行し運転者に警報を伝える必要がある。したがって、そのような機能を実現する表示装置を設計する場合には、表示動作に遅延が生じないことを優先的に考慮しなければならない。
【0003】
一方、車両上の表示装置においては、車両のユーザに対して高級感を演出したり乗員に満足感を与えることも重要である。具体的には、表示する様々なキャラクタ、図形、画像などを色数の多い高品位かつ高精細の像として表示することが望まれている。
【0004】
例えば特許文献1は、車載用表示システムにおいて、表示部自体に故障が発生した場合に、その故障発生を通知するための表示手段を別途設けることなく、ドライバに対して通知を行うための技術を開示している。また、特許文献2は動画コンテンツ、静止画コンテンツ、地物アイコン等の重畳データ(段落0046参照)を地図上の位置に対応付けて、地図と重畳データとを重畳して表示部で表示する技術を開示している。また、特許文献3は1つの表示画面の描画処理を複数の処理装置で行う場合に、起動時にユーザに与える違和感を少なくするための技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-111028号公報
【特許文献2】特開2010-152114号公報
【特許文献3】特開2016-85528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばOSD (On-Screen Display) と呼ばれる機能を実現するディスプレイの場合は、基本的には画素あたり4ビットのデータで表示を制御するので、必要とするメモリの記憶容量が少ない。しかし、各画素を4ビットのデータで表現するので色数は16色に限定される。また、メモリとして通常はフラッシュROMを用いるので、記憶装置のビット単価が高くなる。また、ソフトウェアとしてリアルタイムOSを使用するので、短時間で、例えば1フレームの時間周期で描画処理を完了できる。
【0007】
一方、リッチOSと呼ばれるソフトウェアシステムにより制御されるディスプレイの場合は、画素あたり32ビットのデータで表示を制御できるので、16万色の色を使い分けることで高品位の画像を表示できる。また、例えばメモリとしてeMMC(embedded Multi Media Card)を利用できるので、記憶装置のビット単価は比較的安くなる。しかし、リッチOSでキャラクタ等を描画する場合には、ベストエフォートの動作になるので、描画処理の結果を表示するまでの時間が変動し、表示が遅れる可能性がある。特に、OS上の動作において描画以外の処理負荷が増大すると、描画処理が遅延しその結果が表示に反映されるまでの待ち時間が増大する。
【0008】
したがって、車両用のディスプレイにおいて、例えばプリクラッシュセーフティの警報表示を行う場合には、OSDに属する形式のディスプレイを採用することで、表示の即応性について要求される条件を満たすことができる。しかしながら、画素あたり4ビットのデータでは16色しか使えないのでそのままでは高品位なキャラクタや画像を表示できない。
【0009】
また、OSDのディスプレイに例えば特別な回路を付加して画素あたりのビット数を増やす場合には、ビット単価が高いフラッシュROMの部品数を増やすことになるため、装置のコストが大幅に上昇することが懸念される。
【0010】
一方、リッチOSで制御されるディスプレイを採用する場合には、高品位のキャラクタや画像を表示することは容易であるが、処理負荷が増大した場合に発生する表示の遅延が課題になる。
【0011】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品位な表示、および表示の即応性の両方の条件を満たすことが容易な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、下記を特徴としている。
描画指示に基づいて、第1画像を生成する第1描画部と、
前記描画指示に基づいて、画素あたりのデータ量が前記第1画像よりも多い第2画像を生成する第2描画部と、
前記描画指示に応じた共通の像を表示するために、所定の表示領域に対する前記第1画像の表示と前記第2画像の表示とを互いにずれたタイミングで制御すると共に、前記第1画像と前記第2画像とを少なくとも一部分の領域が重なる状態で重畳表示する画像処理部と、
を備えた表示装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の表示装置によれば、高品位な表示、および表示の即応性の両方の条件を満たすことが容易になる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態における表示装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、複数の処理で生成するプリクラッシュ画像の例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、重畳する複数のプリクラッシュ画像の相対的な位置関係の例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、プリクラッシュ画像の表示例を示す正面図である。
【
図5】
図5は、プリクラッシュ画像を表示する場合の表示装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、プリクラッシュ画像を表示する場合の表示装置の動作例を示すタイムチャートである。
【
図7】
図7は、プリクラッシュ画像を表示する場合の表示装置のマシン状態遷移例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、コンビネーションメータの像を表示する場合の複数の像の位置関係例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、コンビネーションメータの像を表示する場合の表示装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、コンビネーションメータの像を表示する場合の表示装置の動作例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<表示装置の構成>
本発明の実施形態における表示装置の主要部の構成例を
図1に示す。
図1に示した表示装置は1つの表示用ECU(電子制御ユニット)10として構成されている。この表示装置は、車両のインストルメントパネルの部位に搭載され、運転者等の乗員が必要とする様々な車両の情報を可視情報として表示するために利用できる。
【0017】
代表例としては、プリクラッシュセーフティの警報表示を行う機能や、コンビネーションメータの表示機能を
図1の表示用ECU10を用いて実現できる。本発明の表示装置は車両以外の用途で利用することも可能である。
【0018】
また、
図1に示した表示用ECU10を複数のモジュールに分割することもできる。例えば、
図1中の破線で囲んで示される表示制御部10Aを表示用ECU10から独立した1つのモジュールとして構成し、その他の構成要素と電気的に接続して使用することも考えられる。
【0019】
図1の表示用ECU10は、アプリケーションプロセッサ(Application Processor)11、メモリ12、OSD画面合成部13、メモリ14、CANマイコン15、CANインタフェース16、インタフェース17、およびディスプレイ20を備える。なお、ディスプレイ20は、表示用ECU10と一体に構成しても良いし、表示用ECU10の外側に接続しても良い。
【0020】
アプリケーションプロセッサ11は、リッチOSに区分される組み込みソフトウェアを実装したプロセッサ(コンピュータ)の集積回路として構成されている。アプリケーションプロセッサ11は、それ自身に組み込まれたソフトウェアを実行することで、表示用ECU10に必要とされる様々な機能の一部分の処理を実現できる。
【0021】
本実施形態では、高品位キャラクタの像を描画する機能がアプリケーションプロセッサ11に備わっている。また、アプリケーションプロセッサ11は描画以外の様々な処理も必要に応じて実行できる。
【0022】
メモリ12は、eMMC(embedded Multi Media Card)デバイスにより構成され、アプリケーションプロセッサ11がアクセスできるように接続されている。このメモリ12は、アプリケーションプロセッサ11が描画可能な1種類以上の高品位キャラクタのデータを予め保持している。メモリ12が保持する表示用のキャラクタは、例えば縦方向256画素、横方向256画素で構成され、画素毎に32ビットの色を表すデータを有している。したがって、16万種類(32ビット)の色を使い分けて高品位のキャラクタを表現することができる。
【0023】
アプリケーションプロセッサ11は、メモリ12に保持されているデータを利用して高品位キャラクタの像を描画し、この像を映像信号SG1として出力することができる。アプリケーションプロセッサ11は、例えば、背景や、アニメーション等の、表現力が求められる物を描画する。なお、アプリケーションプロセッサ11はリッチOS上で処理を実行するので、キャラクタの描画処理を開始してからそれが完了するまでの所要時間は一定ではない。すなわち、リッチOS上の動作はベストエフォートの処理になるので、例えばアプリケーションプロセッサ11上で描画以外の処理負荷が増大すると、その影響を受けて描画処理の実行に遅延が生じる場合がある。
【0024】
OSD(On-Screen Display)画面合成部13は、OSDの機能を処理するプロセッサにより構成されている。また、リアルタイムOSの組み込みソフトウェアがこのプロセッサに実装されている。OSD画面合成部13は、OSD用のキャラクタであって色数が少ないキャラクタを描画する機能、およびOSD用のキャラクタの画面と映像信号SG1の画面とを重畳するように合成する機能を有している。OSD画面合成部13は、警報や、法規要件等の即応性又は信頼性が求められる物を描画する。また、OSD画面合成部13が2つの画面を合成する際には、例えばアルファブレンド等の透過処理により、透過表示を可能にして2つの画面の両方の内容を同時に視認できるように表示することもできる。
【0025】
メモリ14は、フラッシュメモリ(FROM)デバイスにより構成され、OSD画面合成部13がアクセスできるように接続されている。このメモリ14は、OSD画面合成部13のプロセッサが描画可能な1種類以上の低品位キャラクタのデータを予め保持している。メモリ14が保持する表示用のキャラクタは、例えば縦方向256画素、横方向256画素で構成され、画素毎に4ビットの色を表すデータを有している。したがって、メモリ14を使用するOSD画面合成部13自体は16種類(4ビット)の色で表現可能な低品位のキャラクタの像だけしか描画できない。
【0026】
OSD画面合成部13のプロセッサは、メモリ14に保持されているデータを利用して低品位キャラクタの像を描画し、この像を映像信号SG2としてディスプレイ20に出力することができる。また、OSD画面合成部13が描画した低品位キャラクタの像を、映像信号SG1の像に重畳した結果として映像信号SG2を出力することもできる。
【0027】
また、OSD画面合成部13のプロセッサはリアルタイムOS上で処理を実行するので、キャラクタの描画処理を開始してからそれが完了するまでの所要時間はほぼ一定になる。例えば、表示画面の1フレーム周期の時間内で1つのキャラクタの1回の描画処理を完了できる。
【0028】
CAN(Controller Area Network)インタフェース16は、車両側に用意されているCANの通信網と接続し、車両側と表示用ECU10との間で通信する機能を提供する。例えば、車両側で発生したプリクラッシュ警報の情報、車速(km/h)、エンジン回転速度(rpm)などの情報をCANインタフェース16を経由して車両側から取得できる。
【0029】
CANマイコン15は、CANインタフェース16から入力される信号を処理する機能を備えたコンピュータデバイスである。また、CANマイコン15は、入力されるプリクラッシュ情報SG4などに従い、キャラクタ描画などを制御信号SG3でOSD画面合成部13に指示する。また、CANマイコン15は、インタフェース17を介してキャラクタ描画などを制御信号SG5でアプリケーションプロセッサ11に指示する。したがって、CANマイコン15は、OSD画面合成部13とアプリケーションプロセッサ11の連携を制御できる。
【0030】
ディスプレイ20は、例えばTFT(Thin Film Transistor)液晶パネルとして構成された表示デバイスである。ディスプレイ20は、例えば画面の平面上で縦方向256、横方向256の表示画素を有し、画素毎に16万色の色の表現が可能な表示能力を有している。
【0031】
また、本実施形態では、アプリケーションプロセッサ11が描画するキャラクタと、OSD画面合成部13が描画するキャラクタとは少なくとも一部分に共通性を有している。例えば、車体外観などを模擬したキャラクタを表示する場合には、画素毎の色数のみが異なりそれ以外の全てが共通のキャラクタをアプリケーションプロセッサ11とOSD画面合成部13がそれぞれ描画するように設計する。その場合、色数の少ないキャラクタではグラデーションをほとんど表現できないため低品位の表示になるが、色数の多いキャラクタを用いることで高品位の表示が可能になる。
【0032】
また、バーグラフなどのキャラクタを表示する場合には、バーグラフの表示長さがエンジン回転速度等を表すので、表示長さを調整するためのマスク画像と高品位のバーグラフとを共通の要素として組み合わせることで高品位かつ即応性の高い表示が可能になる。
【0033】
<車両においてプリクラッシュの警報を表示する表示装置:第1の実施形態>
-<プリクラッシュ画像の例>
複数の処理で生成するプリクラッシュ画像の例を
図2に示す。
図1に示した表示用ECU10は、例えば車両側からプリクラッシュ情報SG4が入力された時に、OSD画面合成部13でプリクラッシュ画像iAを描画することができる。OSD画面合成部13の描画処理は短時間で終了し、プリクラッシュ画像iAの内容は映像信号SG2としてディスプレイ20がその画面に表示するプリクラッシュ画像iCに直ちに反映される。
【0034】
また、表示用ECU10のアプリケーションプロセッサ11は、プリクラッシュ情報SG4の入力をトリガとしてプリクラッシュ画像iBの描画処理を開始できる。アプリケーションプロセッサ11における描画処理の所要時間は一定ではなく、OSD画面合成部13の描画処理よりも遅い。
【0035】
OSD画面合成部13が描画するプリクラッシュ画像iAは画素毎の色数が少ない低品位の画像であり、アプリケーションプロセッサ11が描画するプリクラッシュ画像iBは画素毎の色数が多い高品位の画像である。但し、
図2に示すように2つのプリクラッシュ画像iA、iBはほぼ同じ共通の内容を表している。
【0036】
アプリケーションプロセッサ11によるプリクラッシュ画像iBの描画処理が完了すると、OSD画面合成部13上で既に生成されているプリクラッシュ画像iAに、映像信号SG1のプリクラッシュ画像iBが重畳される。また、2つのプリクラッシュ画像iA、iBを重畳する際に、上側レイヤの画像密度を下げて透過するプリクラッシュ画像iA2を生成する。下側レイヤのプリクラッシュ画像iBの内容は、密度の低いプリクラッシュ画像iA2を透過する。したがって、これらが重畳されたプリクラッシュ画像iCにおいては、上方からプリクラッシュ画像iA2と共にプリクラッシュ画像iBの内容を視認することができる。
【0037】
ここで、短時間で描画できるプリクラッシュ画像iAを先にディスプレイ20上のプリクラッシュ画像iCに反映することで、プリクラッシュの警報表示に必要とされる即応性の条件を満たすことができる。すなわち、表示用ECU10によれば、ディスプレイ20の画面上に、プリクラッシュの警報を示すテルテールとして表示することができる。また、プリクラッシュ画像iAにプリクラッシュ画像iBを重畳することで、ディスプレイ20の画面上で高品位の画像を再現できる。また、内容がほぼ同じ共通のプリクラッシュ画像iA、iBを透過処理を利用して重畳することで、違和感の生じにくい表示を実現できる。
【0038】
-<複数のプリクラッシュ画像の位置関係>
重畳する複数のプリクラッシュ画像の相対的な位置関係の例を
図3に示す。
OSD画面合成部13は、
図3に示すように、プリクラッシュ画像iBを下レイヤLLに配置し、プリクラッシュ画像iA、iA2を上レイヤLUに配置した構成で、合成画像を描画する。
【0039】
2つのレイヤLU、LLを単純に上下に重ねた場合は、下レイヤLLのプリクラッシュ画像iBは上レイヤLUに隠れて見えなくなる。しかし、上レイヤLUのプリクラッシュ画像iA2のアルファ値を下げることにより透過させて、下レイヤLLのプリクラッシュ画像iBが、上側から視認できる状態になる。また、2つのプリクラッシュ画像iA、iBは共通の内容なので、両者を同じ位置に揃えて重ねることで違和感のない画像を表示できる。また、OSD画面合成部13は、上レイヤLUのプリクラッシュ画像iAを即座に表示させた後、下レイヤLLのプリクラッシュ画像iBの描画が完了すると、2つの上レイヤLU、LLを合成する。OSD画面合成部13は、CANマイコン15の指示に応じて、プリクラッシュ画像iAの透過度を徐々に上げながら、順次、合成画像を生成し、ディスプレイ20上のプリクラッシュ画像iCに反映する。すなわち、表示用ECU10によれば、ディスプレイ20上に、即座に低品位のプリクラッシュ画像iAを表示した後、次第に、高品位のプリクラッシュ画像iBに変化するように、表示することができる。
【0040】
-<プリクラッシュ画像の表示例>
プリクラッシュ画像の表示例を
図4に示す。
例えば
図4に示すように、プリクラッシュ画像は、自車両の車体の一部分の外観や、センサの作動状況や位置関係を表現した像や、状況を説明する文字列などを含む像である。このような像を、運転者の視認が容易な部位(例えばインストルメントパネル上)に表示することで、衝突の危険性がある状況を運転者に分かり易く知らせることができる。
【0041】
-<表示装置の動作例>
プリクラッシュ画像を表示する場合の表示装置の動作例を
図5および
図6に示す。まず
図5に示した動作について説明する。
【0042】
表示用ECU10のCANマイコン15は、CANインタフェース16を介して車両側から入力されるプリクラッシュ情報SG4に基づき、プリクラッシュ警報の有無をS10で識別する。そして、プリクラッシュ警報有を検知するとS11の処理に進む。
【0043】
CANマイコン15は、プリクラッシュ警報用のキャラクタ(或いは図形、画像等)について、OSD画面合成部13が描画および表示を実行するように制御信号SG3で指示する(S11)。この指示に従い、OSD画面合成部13は指定されたキャラクタの描画処理を実行する。
【0044】
CANマイコン15は、プリクラッシュ警報用のキャラクタについて、アプリケーションプロセッサ11が描画を実行するように制御信号SG5で指示する(S12)。この指示に従い、アプリケーションプロセッサ11は指定されたキャラクタ(OSD画面合成部13が描画するキャラクタと共通で高品位のもの)の描画処理を開始する。
【0045】
OSD画面合成部13は、それ自身の描画処理の結果をS13で映像信号SG2に出力してディスプレイ20の画面表示に直ちに(例えば1フレーム周期後に)反映する。
OSD画面合成部13は、アプリケーションプロセッサ11が出力する映像信号SG1をS14Aで監視してアプリケーションプロセッサ11(リッチOS)における描画処理完了の有無を識別する。そして、アプリケーションプロセッサ11の描画処理が完了すると、OSD画面合成部13はS14AからS14Bの処理に進む。
【0046】
OSD画面合成部13は、アプリケーションプロセッサ11が描画した映像信号SG1の内容と、OSD画面合成部13自身がS11で描画した映像とを重畳した結果を、映像信号SG2として出力しS14Bでディスプレイ20の画面表示に反映する。
【0047】
ここで、OSD画面合成部13は、例えば
図2を参照して説明した2つのプリクラッシュ画像iA2、iBのように、上レイヤのプリクラッシュ画像iA2の透過度を変化させながら、下レイヤのプリクラッシュ画像iBに重畳した状態で表示して、2つのプリクラッシュ画像iA2、iBの両方が同時に視認できるように表示する。
【0048】
次に、
図6に示した動作タイミングについて以下に説明する。
プリクラッシュ情報SG4の入力により時刻t11でCANマイコン15が警報のトリガを検知すると、このトリガに同期して、CANマイコン15がOSD画面合成部13およびアプリケーションプロセッサ11の双方に描画開始の指示を与える(S11、S12)。
【0049】
OSD画面合成部13の描画処理P11は瞬時に完了し、その描画内容がディスプレイ20の画面表示P13に直ちに(時刻t13)反映される(S13)。
アプリケーションプロセッサ11が時刻t12で描画処理を開始してから、ある程度の時間(長さは一定ではない)を経過すると描画処理が完了する。アプリケーションプロセッサ11における描画処理P12の完了を時刻t14でOSD画面合成部13が検知すると、OSD画面合成部13は2つの画像を重畳して時刻t15でディスプレイ20の画面表示に反映する(S14)。
【0050】
-<状態遷移の例>
プリクラッシュ画像を表示する場合の表示装置のマシン状態遷移を
図7に示す。
図7に示した動作について以下に説明する。
【0051】
アイドル(IDLE)状態のマシン状態C01でプリクラッシュ警報などの描画イベントが発生すると、CANマイコン15はマシン状態C02に遷移する。このマシン状態C02では、CANマイコン15がOSD画面合成部13に対して色数の少ないキャラクタの描画を指示する。
【0052】
CANマイコン15は次にマシン状態C02からC03に遷移して、アプリケーションプロセッサ11に対して色数の多いキャラクタの描画開始を指示する。その後、マシン状態C04に遷移して、OSD画面合成部13又はCANマイコン15はアプリケーションプロセッサ11が描画処理を完了するまで待機する。
【0053】
アプリケーションプロセッサ11の描画処理完了を検知すると、OSD画面合成部13又はCANマイコン15はマシン状態C05に遷移して、OSD画面合成部13が描画した上レイヤの像のアルファ透過表示を指示する。これにより、上レイヤの像と下レイヤの像とが重畳されて両方が視認できるようにディスプレイ20の画面表示に反映される。
【0054】
<車両のコンビネーションメータの像を表示する表示装置:第2の実施形態>
-<複数の像の位置関係>
第2の実施形態における複数の像の位置関係を
図8に示す。
【0055】
図8に示した高品位画像i21は、タコメータ表示部31、目盛り部32、およびスピードメータ表示部33を含む車両用のコンビネーションメータの表示として利用可能である。
但し、車両用のコンビネーションメータにおいては実際の車両の状態を正しく反映するように、車両の状態変化に反応して瞬時に表示内容を更新できることが求められる。
【0056】
一方、
図1に示した表示用ECU10のアプリケーションプロセッサ11を利用して
図8中に示した高品位画像i21を描画するだけの場合には、描画処理の所要時間が処理負荷に応じて変動する。このため、高品位画像i21を車両用のコンビネーションメータとして利用する場合には表示全体の即応性に難点がある。
【0057】
そこで、第2の実施形態でコンビネーションメータの画面を表示する場合には、第1の実施形態と同じように、アプリケーションプロセッサ11が描画した像と、OSD画面合成部13が描画した像との両方を組み合わせることで、実用的な表示を実現する。
【0058】
すなわち、
図8に示した高品位画像i21と、OSDマスク画像i11、i12、i13等とを重畳することで
図8に示した表示画像i3を形成する。各OSDマスク画像i11、i12、i13はOSD画面合成部13で描画することで、瞬時に描画できる。
また、OSDマスク画像i11~i13のマスク領域幅Wmを可変とし、車両の状況に応じてマスク領域幅Wmを更新する。
【0059】
表示画像i3中に示したように、タコメータ表示部31のバーグラフの一部分をマスク領域AMとし、このマスク領域AMの上側のレイヤにOSDマスク画像i11~i13を重畳することで下側の高品位画像i21の一部分が視認できないように覆い隠すことができる。OSDマスク画像i11~i13のマスク領域幅Wmを調整することで、先に描画した高品位画像i21に変更を加えることなく、タコメータ表示部31の視認可能なバーグラフの長さを変更することができる。
【0060】
高品位画像i21は、画素あたりのビット数(色数)が多いキャラクタとしてアプリケーションプロセッサ11で描画できるので、例えば多色のグラデーションなどの表現を用いた高級感のある表示を実現できる。したがって、高品位画像i21とOSDマスク画像i11~i13とを重畳することで、高品位画像i21を用いた高品位の画像表示と、応答性に優れたバーグラフ表示との両方の条件を満たす表示装置を実現できる。
なお、バーグラフを表示する場合だけでなく、円形や円弧状のグラフを表示する場合にも、本実施形態の技術を適用できる。
【0061】
-<表示装置の動作>
コンビネーションメータの像を表示する場合の表示装置の動作例を
図9および
図10に示す。まず
図9に示した動作について以下に説明する。
【0062】
表示用ECU10のCANマイコン15は、タコバー、すなわちタコメータ表示部31のバーグラフを含む
図8の表示画像i3のような画面の表示指示が上位ECU等から入力されたか否かをS20で識別する。そして、タコバー画面の表示指示があった場合は次のS21に進む。
【0063】
CANマイコン15は、
図8に示した高品位画像i21のようなキャラクタをアプリケーションプロセッサ11(リッチOS)で描画開始するための指示を制御信号SG5によりアプリケーションプロセッサ11に与える(S21)。
【0064】
CANマイコン15、又はOSD画面合成部13は、映像信号SG1を監視してアプリケーションプロセッサ11の描画処理が完了するまでS22で待機する。そして、アプリケーションプロセッサ11の描画処理が完了するとS23Aに進む。
【0065】
CANマイコン15は、車両側のエンジン回転速度(回転数)の最新の情報がCANインタフェース16を介して入力されたか否かをS23Aで例えば定期的に監視する。そして、エンジン回転速度の入力を検知した場合は次のS23Bに進む。
【0066】
CANマイコン15は、描画すべきタコバー用のマスク画像のサイズ(マスク領域幅Wm)を、最新のエンジン回転速度に応じて決定する。例えば、エンジン回転速度が0に近い場合はマスク領域幅Wmを最大値に決定し、エンジン回転速度の上昇に伴ってマスク領域幅Wmを減らす。
【0067】
CANマイコン15は、S23Bで決定したマスク領域幅Wmの情報と共に、OSDマスク画像i11の描画を制御信号SG3でOSD画面合成部13に指示する(S23C)。OSD画面合成部13は、この指示に従いOSDマスク画像i11を描画する。
【0068】
OSD画面合成部13は、アプリケーションプロセッサ11が先に描画した
図8中の高品位画像i21のような映像と、OSD画面合成部13自身がS23Cで描画した映像とを重畳し、その結果をS24でディスプレイ20の画面表示に反映する。
【0069】
ここで、高品位画像i21は下側のレイヤに配置し、OSDマスク画像i11は上側のレイヤに配置する。このため、高品位画像i21とOSDマスク画像i11とを重畳することで、
図8に示した表示画像i3のマスク領域AMをOSDマスク画像i11で覆い隠すことができる。覆い隠すマスク領域AMの幅は、マスク領域幅Wmに応じて定まる。
【0070】
したがって、運転者がディスプレイ20の画面上で視認できるタコバーの長さ、すなわち表示される現在のエンジン回転速度(rpm)は、マスク領域幅Wmにより変化する。また、OSDマスク画像i11の描画はOSD画面合成部13で瞬時に処理できるので、マスク領域幅Wmの大きさ、すなわち視認できるタコバーの長さは実際の車両におけるエンジン回転速度の変化に高速で追従するように更新される。
【0071】
次に、
図10に示した動作タイミングについて説明する。
図8中の表示画像i3のようなコンビネーションメータの表示開始指示SG21が時刻t21で例えば上位ECUから入力されると、CANマイコン15は、制御信号SG5でアプリケーションプロセッサ11に高品位画像i21の描画開始を指示する(S21)。
【0072】
アプリケーションプロセッサ11における高品位画像i21の描画処理P21が時刻t22で完了すると、この高品位画像i21をOSD画面合成部13はディスプレイ20の画面表示P23に反映できる。
【0073】
また、アプリケーションプロセッサ11における高品位画像i21の描画処理P21が完了した後で、CANマイコン15はエンジンの回転数情報SG22の更新入力を監視する。そして、回転数情報SG22の入力を検知すると、CANマイコン15はOSD画面合成部13にOSDマスク画像i11の描画を指示する(t23、S23)。
【0074】
OSD画面合成部13は、それ自身が描画処理したOSDマスク画像i11を高品位画像i21に重畳し、ディスプレイ20の画面表示内容を更新する(S24、t24~t27)。
【0075】
<各実施形態の表示装置の利点>
例えば表示装置が
図1に示した表示用ECU10を利用して
図5及び
図6に示したような動作を実行する場合には、例えば
図4に示したプリクラッシュ画像iC2などを色数の多い高品位の画像として表示することができる。しかも、警報を検知した直後にOSD画面合成部13で描画した
図2のようなプリクラッシュ画像iAをディスプレイ20の画面表示に瞬時に反映できるので、車両におけるプリクラッシュ警報のように即応性を必要とする用途でも利用できる。更に、内容がほぼ共通の2つのプリクラッシュ画像iA2、iBを
図2のように重畳して一方のレイヤを透過表示することで、違和感の生じにくい表示を実現できる。
【0076】
また、例えば表示装置が
図1に示した表示用ECU10を利用して
図9及び
図10に示したような動作を実行する場合には、例えば
図8のような高品位画像i21とOSDマスク画像i11とを組み合わせることで、高品位かつ応答性の良好な表示を実現できる。すなわち、高品位画像i21については描画を繰り返す必要がないので、アプリケーションプロセッサ11で描画する場合の描画所要時間が長くなっても応答性の問題は生じにくい。また、OSDマスク画像(i11~i13)をOSD画面合成部13で描画することで、マスク領域幅Wmを瞬時に更新することが可能であり、運転者が視認可能なタコバーの長さを実際の車両の状態と一致するように表示できる。
【0077】
また、高品位画像を表示するために色数の多いキャラクタをOSD画面合成部13で描画する必要がないので、OSD画面合成部13が使用するメモリ(FROM)14、すなわちビット単価が高いメモリの容量を増やす必要がなく、部品コストの上昇を抑制できる。
【0078】
<補足説明>
ここで、上述した本発明に係る表示装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 描画指示に基づいて、第1画像を生成する第1描画部(OSD画面合成部13)と、
前記描画指示に基づいて、画素あたりのデータ量が前記第1画像よりも多い第2画像を生成する第2描画部(アプリケーションプロセッサ11)と、
前記描画指示に応じた共通の像を表示するために、所定の表示領域に対する前記第1画像の表示と前記第2画像の表示とを互いにずれたタイミングで制御すると共に、前記第1画像と前記第2画像とを少なくとも一部分の領域が重なる状態で重畳表示する画像処理部(CANマイコン15)と、
を備えた表示装置(表示用ECU10)。
【0079】
上記[1]の構成の表示装置によれば、第1描画部が描画した第1画像と第2描画部が描画した第2画像とを組み合わせて、目的とする表示を実現するので、第1描画部および第2描画部のそれぞれの描画特性の利点を有効に活用できる。したがって、表示の即応性と高品位画像の表示との両方の条件を満たすことが可能になる。言い換えれば、目的とする共通の像を表示するために、第1画像と第2画像との組み合わせを利用できるので、第1描画部および第2描画部のそれぞれの特性を活かし、表示装置全体の表示性能を向上できる。更に、第1画像の表示と第2画像の表示とのタイミングをずらすことで、表示に違和感が発生するのを防止できる。
【0080】
[2] 前記第1描画部および前記第2描画部は、共通の前記描画指示をトリガとしてほぼ同時に描画処理を開始する機能(S11、S12)を有し、
前記画像処理部は、前記描画指示に従って前記第1画像を前記表示領域に表示(S13)した後、前記第2描画部の処理が完了したことを検知すると(S14A)、前記第2画像を前記表示領域に重畳表示する(S14B)、
上記[1]に記載の表示装置。
【0081】
上記[2]の構成の表示装置によれば、前記第1画像を先に表示するので、より即応性の高い表示を実現できる。また、前記第2描画部の描画処理が完了した後で前記第2画像を前記表示領域に重畳表示するので、違和感が生じにくい状態で高品位の画像を表示できる。
【0082】
[3] 即応性を必要とする所定の警報情報(プリクラッシュ情報SG4)が車両上で発生した場合に、前記警報情報の入力に応じて、前記描画指示を前記第1描画部および前記第2描画部に与える制御部(CANマイコン15)を備える、
上記[2]に記載の表示装置。
【0083】
上記[3]の構成の表示装置によれば、車両において警報すべき事象が発生した場合にその警報を直ちに表示することができる。しかも、前記第1描画部および前記第2描画部がそれぞれ描画した像を重畳できるので、高品位の画像を用いて警報を表示できる。
【0084】
[4] 前記画像処理部は、前記第2画像(高品位画像i21)を前記表示領域に表示した後で、少なくとも一部分の領域が前記第2画像と重なる状態で、前記第1画像(OSDマスク画像i11)を前記表示領域(マスク領域AM)で重畳表示する、
上記[1]に記載の表示装置。
【0085】
上記[4]の構成の表示装置によれば、前記第2画像を先に描画して表示するので、前記第2画像の描画所要時間が変動する場合でも、その影響を受けにくい表示を実現できる。また、前記第1画像を前記第2画像に重畳表示することで、前記第2画像の領域の一部分の表示をマスクできるので、ユーザが視認可能な前記第2画像の大きさを前記第1画像を用いて可変にすることができる。
【0086】
[5] 前記第1描画部は、前記描画指示が入力される度に(S23A,S23)、前記第2画像の少なくとも一部分の表示をマスク可能なマスク画像(OSDマスク画像i11)を前記第1画像として生成すると共に、少なくとも前記マスク画像のサイズ(マスク領域幅Wm)を前記描画指示に応じて変更する(S23A、S23B、S23C、S24)、
上記[4]に記載の表示装置。
【0087】
上記[5]の構成の表示装置によれば、前記描画指示が入力される度に前記マスク画像を生成して前記第2画像の一部分の表示をマスクするので、ユーザが視認可能な前記第2画像の大きさを短い周期で更新できる。したがって、即応性が高い表示と高品位画像の表示との両方の条件を満たすことが容易になる。
【符号の説明】
【0088】
10 表示用ECU
10A 表示制御部
11 アプリケーションプロセッサ
12 メモリ
13 OSD画面合成部
14 メモリ
15 CANマイコン
16 CANインタフェース
17 インタフェース
20 ディスプレイ
31 タコメータ表示部
32 目盛り部
33 スピードメータ表示部
AM マスク領域
C01,C02,C03,C04,C05 マシン状態
i11,i12,i13 OSDマスク画像
i21 高品位画像
i3 表示画像
iA,iA2,iB,iC,iC2 プリクラッシュ画像
LL 下レイヤ
LU 上レイヤ
SG1,SG2 映像信号
SG3,SG5 制御信号
SG4 プリクラッシュ情報
Wm マスク領域幅