IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小川(池田) 寛の特許一覧

<>
  • 特開-ページホルダー 図1
  • 特開-ページホルダー 図2
  • 特開-ページホルダー 図3
  • 特開-ページホルダー 図4
  • 特開-ページホルダー 図5
  • 特開-ページホルダー 図6
  • 特開-ページホルダー 図7
  • 特開-ページホルダー 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011443
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】ページホルダー
(51)【国際特許分類】
   B42D 9/00 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
B42D9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113408
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】722008364
【氏名又は名称】小川(池田) 寛
(72)【発明者】
【氏名】小川 寛
(57)【要約】
【課題】 書籍の開かれた箇所にセットするだけで、開かれた状態を容易かつ確実に保持することができ、読み進む際の操作性および小型・軽量であるため持ち運びの携帯性にも優れ、尚且つ、構造が単純で、種々の材料で容易に製造することができる、ページホルダーを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明のページホルダーは、置かれた書籍のページが開かれた状態を保持するためのページホルダーであって、書籍の表紙の幅よりも長い第一支柱と、閉じようとするページを押さえるページの幅より短い第二支柱と、前記第一支柱と前記第二支柱を繋ぎ、ページを挟む空間をつくる第三支柱とを有することを特徴とする。


【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
置かれた書籍のページが開かれた状態を保持するためのページホルダーであって、書籍の表紙の幅よりも長い第一支柱(1)と、閉じようとするページを押さえるページの幅より短い第二支柱(2)と、前記第一支柱(1)と前記第二支柱(2)を繋ぎ、ページを挟む空間をつくる第三支柱(3)とを有することを特徴とするページホルダー(4)。

【請求項2】
前記第一支柱(1)の先端を支点(イ)とし、前記第二支柱(2)が閉じようとするページから受ける力(ロ)と前記支点(イ)から前記力(ロ)の作用点(ニ)までの距離との積である力のモーメントをM1とし、また前記第一支柱(1)が書籍の背、背の角、あるいは表紙を介して受ける書籍の自重による力(ハ)と前記支点(イ)から前記力(ハ)の作用点(ホ)までの距離との積である力のモーメントをM2としたときに、前記第一支柱(1)の長さが、前記力のモーメント(M2)が前記力のモーメント(M1)よりも大きくなるように定められることを特徴とする、請求項1に記載のページホルダー。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍のページが開かれた状態を保持するための、持ち運びが容易な小型・軽量のページホルダーに関する。
【0002】
本明細書及び特許請求の範囲において、「書籍」とは、単行本や文庫本や教科書等の書物、論文、カタログ、パンフレット、楽譜等の一冊に製本されたものに限られず、例えば、複数枚の書類がルーズリーフやバインダに着脱可能にまとめられたファイル等の、製本されていないものも含まれる。
【背景技術】
【0003】
書籍のページを開かれた状態に保持するためのページ押さえ具(以下ページホルダーという)として、様々な形態のものが知られている。例えば、特許文献1に記載されたページキャッチャーは、ページを挟み込むU字型の構造を有し、ページを開かれた状態に保持する能力を持ちつつ、ページめくりの操作性に優れているとしている。
【0004】
しかしながら、このページキャッチャーは片側のページを挟み込むだけで、書籍自体がページを閉じようとする力を確実に押さえ込むことが難しく、ページが開かれた状態を保持する安定性に欠く。安定性を担保するには、重しやマグネット等でページキャッチャーを固定する追加の機構が必要となると特許文献1に記載されている。
【0005】
また、特許文献2に記載された書籍ページホルダーは、本体の頂面と挟持蓋でページを挟み込み、そこにゴム等の弾性力を利用してページを固定することでページがめくれる問題を解決している。
【0006】
しかしながら、この書籍ページホルダーは、ゴムの弾性力を利用してページを挟み込んでいるため、ページをめくる際に挟持蓋を持ち上げる、あるいはゴムを外すといった行為が必要となりページをめくることが容易ではない。また、本体が比較的大きくかつ厚みも有しているため、持ち運びが容易でないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3226229号
【特許文献2】実用新案登録第3210114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記した通り、従来のページホルダーは、見開きページを保持する安定性と、ページをめくる操作性および携帯性の全てを兼ね備えることが困難であった。
【0009】
本発明は、このようなページホルダーの欠点に鑑みなされたもので、書籍の開かれた箇所にセットするだけで、開かれた状態を容易かつ確実に保持することができ、読み進む際の操作性および小型・軽量であるため持ち運びの携帯性にも優れ、尚且つ、構造が単純で、種々の材料で容易に製造することができる、ページホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るページホルダー4は、置かれた書籍のページが開かれた状態を保持するためのページホルダーであって、書籍の表紙の幅よりも長い前記第一支柱1と、閉じようとするページを押さえるページの幅より短い前記第二支柱2と、前記第一支柱1と前記第二支柱2を繋ぎ、ページを挟む空間をつくる前記第三支柱3とを有することを特徴とするページホルダー4。
【0011】
さらに前記第一支柱1の先端を支点イとし、前記第二支柱2が閉じようとするページから受ける力ロと前記支点イから前記力ロの作用点ニまでの距離との積である力のモーメントをM1とし、また前記第一支柱1が書籍の背、背の角、あるいは表紙を介して受ける書籍の自重による力ハと前記支点イから前記力ハの作用点ホまでの距離との積である力のモーメントをM2としたときに、前記第一支柱1の長さが、前記力のモーメントM2が前記力のモーメントM1よりも大きくなるように定められることを特徴とするページホルダー4。
【0012】
図2図3図4に示すように前記第一支柱1を下面つまり土台とし、前記第二支柱2との間の空間に書籍の閉じようとするページおよび表紙を挟み込み、前記第二支柱2で書籍の閉じようとするページを押さえる形で使用され、前記力のモーメントM2が前記力のモーメントM1より大きくなるため、確実にページが開かれた状態を保持することができる。
【0013】
前記第二支柱2の先端は、前記第一支柱1に対して平行よりも上向きの曲線あるいは直線構造を有しているため、ページを抜き差しするための開口部が広がっており、ページめくりの操作性が高い。
【0014】
本発明のページホルダー4は単純な構造で構成されるため、安価に製造でき、かつ小型・軽量であるため持ち運びの携帯性に優れる。
【発明の効果】
【0015】
本構成では、ページホルダーに書籍の表紙の幅よりも長い前記第一支柱1を設け、書籍が閉じようとする際の新たな回転軸となる支点を前記第一支柱1の先端に設けたことで、書籍の閉じようとするページおよび表紙から受ける前記力のモーメントM1を、書籍の自重によるより大きな前記力のモーメントM2で押さえ込むことで、重しや磁石等の力に頼らず、確実に見開いたページを保持することができる。
【0016】
また、本構成では、前記第二支柱2の先端に、前記第一支柱1に対して平行よりも上向きの曲線あるいは直線構造を設けたことにより、書籍を読み進める際の容易なページの抜き差しができる。
【0017】
また、単純な構造で小型・軽量であるため、図5に示すように、前記第二支柱2をページ間に挟み込むことでしおりの役割を果たすことができる。
【0018】
さらに、単純な構造で小型・軽量であるため、携帯性に優れる。
【0019】
本発明によるページホルダー4は極めて単純な構造であるため、安価に製造でき、かつ多様で装飾性に優れたデザインにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態によるページホルダーの全体斜視図
図2】書籍の上辺部から見たページホルダーの使用状態説明図
図3】見開きページから見たページホルダーの使用状態説明図
図4】書籍の背部側から見たページホルダーの使用状態説明図
図5】書籍を閉じた状態で正面から見たページホルダーの使用状態説明図
図6】書籍を閉じた状態で背から見たページホルダーの使用状態図
図7】本実施形態によるページホルダーの側面図
図8】本実施形態によるページホルダーの実施例の側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係わるページホルダー4は、前記第一支柱1と前記第二支柱2と前記第三支柱3が、図2で示した前記力のモーメントM1とM2により大きく変形せず、閉じようとするページを押さえるのに十分な強度を有する材料であれば、金属、樹脂および金属と樹脂の混合部材等、あらゆる材料を使用してもよい。
【0022】
なお、本発明に係わるページホルダー4の基本的な構成は前記第一支柱1と前記第二支柱2と前記第三支柱3からなるが、前記第一支柱1と前記第二支柱2で閉じようとするページを挟み込み、閉じようとするページと確実に接触し、押さえ込む構造が成り立つのであれば、前記第三支柱3は、図8に数例示す通り、どのような形態であってもよい。
【0023】
図7に示すように、前記第一支柱1と前記第二支柱2で囲まれたページを挟み込む空間の前記第一支柱1に平行な最大空間長さIは、前記第二支柱2と閉じようとするページとが確実に接触する長さを有することが好ましい。
【0024】
図7に示すように、前記第一支柱1と前記第二支柱2で形成されるページを挟み込む空間の前記第一支柱1に垂直な最大空間高さIIは、書籍がちょうど半分に見開いているときでも閉じようとするページを確実に挟み込むために、最短でも図6に示す書籍の厚みAtの半分の長さ以上であることが好ましい。
【0025】
前記第一支柱1、前記第二支柱2および前記第三支柱3は、スライドや折りたたみ等の様々な長さ調整機構を用いて書籍の大きさに合わせて長さを調整可能であってもよい。
【0026】
前記第二支柱2は、書籍を閉じる際に、ページ間に挟まれてしおりの役割を果たすため、ページを傷つけないように、ページ面に対して平面で角がなく、図2で示した前記力のモーメントM1とM2の応力に耐えうる強度を有した上で、できるだけ薄い形態であることが好ましい。
【0027】
また、前記第一支柱1は、しおりとして使用する際に、背表紙と向かい合う状態となり、背表紙から前記第一支柱1がはみ出すことを避けるため、図6で示すように前記第一支柱1の幅tは書籍の厚みAtよりも小さい方が好ましい。
【0028】
金属を使用する場合は、金属板もしくは金属棒を打ち抜き成形あるいはプレス成形等で成形することができる。
【0029】
軽量化するために樹脂やプラスチック等を使用する場合は、射出成形を用いて成形することができる。
【0030】
複数の部材を用いる場合は、樹脂の中に金属を入れて一体成形をすることもできる。
【0031】
複数の部材をジョイントさせ一つの物体とみなせる連結した形態をとる場合は、接着剤や物理的に圧着あるいはボルト等を用いてジョイントさせ、図2で示した前記力のモーメントM1とM2の応力に耐えうる形態および強度を有すること。



【符号の説明】
【0032】
1 第一支柱
2 第二支柱
3 第三支柱
4 本体部
A 書籍
At 書籍の厚み
B 書籍ののど
C 書籍の端部
D 書籍の背
E 書籍を置いている台
イ 支点
ロ 閉じようとするページから受ける力
ハ 書籍の自重から受ける力
ニ 閉じようとするページから受ける力の作用点
ホ 書籍の自重から受ける力の作用点
M1 閉じようとするページから受ける力のモーメント
M2 書籍の自重から受ける力のモーメント
I 空間長さ
II 空間高さ
t 第一支柱1の幅


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8