(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011448
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】清掃具及び電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20240118BHJP
A47L 5/30 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L5/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113416
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】大津 育弘
(72)【発明者】
【氏名】内藤 順司
(72)【発明者】
【氏名】江部 清
(72)【発明者】
【氏名】大島 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 章義
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AD05
3B061AE02
3B061AE12
(57)【要約】
【課題】伝達体を駆動力受け部から取り外しやすい清掃具及びこれを備えた電気掃除機を提供する。
【解決手段】駆動力受け部1223は、伝達体13が外周に巻き掛けられる受け部本体部12230と、受け部本体部12230に対し回転清掃体12の他端部側に位置し、伝達体13の位置を規制するための規制部12231と、を備える。規制部12231は、受け部本体部12230よりも径方向に大きい部分と、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さい部分と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転により駆動力を出力する駆動力出力部を有する駆動源と、
一端部側に駆動力受け部を有し、両端部が回転可能に支持される回転清掃体と、
前記駆動力出力部の回転を前記駆動力受け部に伝達して前記駆動力受け部を介して前記回転清掃体を回転させる無端状の伝達体と、を備え、
前記駆動力受け部は、
前記伝達体が外周に巻き掛けられる受け部本体部と、
前記受け部本体部に対し前記回転清掃体の他端部側に位置し、前記伝達体の位置を規制するための規制部と、を備え、
前記規制部は、前記受け部本体部よりも径方向に大きい部分と、前記受け部本体部に巻き掛けられた前記伝達体よりも径方向に小さい部分と、を有する
ことを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記規制部は、前記受け部本体部よりも径方向に大きく、かつ、前記受け部本体部に巻き掛けられた前記伝達体よりも径方向に小さく形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記規制部は、前記受け部本体部よりも径方向に大きい第一部分と、前記受け部本体部に巻き掛けられた前記伝達体よりも径方向に小さく径方向に対し交差する方向に延びる第二部分と、を有する
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記第二部分は、前記規制部において、周方向に複数等配されている
ことを特徴とする請求項3記載の清掃具。
【請求項5】
前記駆動力出力部は、
前記伝達体が外周に巻き掛けられる出力部本体部と、
前記出力本体部に形成され、前記伝達体の位置を規制するための伝達体規制部と、を有し、
前記規制部と前記伝達体規制部とは、前記伝達体を基準として互いに反対側に位置する
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか一記載の清掃具を備える
ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駆動源の駆動力が伝達体により伝達されて回転する回転清掃体を有する清掃具及びこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機に用いられる清掃具として、電動機により回転清掃体を回転させることで絨毯等の被掃除部から塵埃を掻き出し、その掻き出した塵埃を吸い込んで掃除する吸込口体が知られている。この構成では、回転清掃体の一端部のプーリと電動機の出力軸に取り付けられたプーリとに亘り無端状のベルトが巻き掛けられ、電動機の回転がベルトを介して回転清掃体に伝達されることで回転清掃体が回転される。この回転清掃体には、経時的に塵埃が付着したり絡み付いたりする場合があるため、本体から回転清掃体を取り外し、その取り外した回転清掃体をクリーニングできるようにすることが望ましい。その場合、ベルトを回転清掃体のプーリから取り外す必要がある。通常、ベルトは回転清掃体の一端部のプーリの円筒状の本体部に巻き掛けられているとともに、本体部から軸方向にずれないように、本体部の端部からベルトの厚みよりも大きく径方向に突出するフランジ部によってその位置が規制されている。そのため、ベルトをプーリから取り外す際にプーリの本体部に対してベルトを軸方向にずらすことがフランジ部によって妨げられる構造となっており、ベルトを摘んでプーリから持ち上げて取り外す必要がある等、プーリからのベルトの取り外しが困難で、メンテナンス性を低下させる要因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、伝達体を駆動力受け部から取り外しやすい清掃具及びこれを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の清掃具は、回転により駆動力を出力する駆動力出力部を有する駆動源と、一端部側に駆動力受け部を有し、両端部が回転可能に支持される回転清掃体と、駆動力出力部の回転を駆動力受け部に伝達して駆動力受け部を介して回転清掃体を回転させる無端状の伝達体と、を備える。駆動力受け部は、伝達体が外周に巻き掛けられる受け部本体部と、受け部本体部に対し回転清掃体の他端部側に位置し、伝達体の位置を規制するための規制部と、を備える。規制部は、受け部本体部よりも径方向に大きい部分と、受け部本体部に巻き掛けられた伝達体よりも径方向に小さい部分と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は第1の実施形態の清掃具の回転清掃体の駆動力受け部と伝達体とを模式的に示す側面図、(b)は同上回転清掃体の駆動力受け部と伝達体とを下方から模式的に示す平面図である。
【
図3】同上清掃具の内部構造を下方から示す斜視図である。
【
図5】(a)は同上清掃具の蓋体を上方から示す斜視図、(b)は同上蓋体を下方から示す斜視図である。
【
図6】同上清掃具の伝達体の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図7】同上清掃具を備える電気掃除機を示す斜視図である。
【
図8】第2の実施形態の清掃具の回転清掃体の駆動力受け部と伝達体とを模式的に示す側面図である。
【
図9】第3の実施形態の清掃具の回転清掃体の駆動力受け部と伝達体とを模式的に示す側面図である。
【
図10】第4の実施形態の清掃具の回転清掃体の駆動力受け部と伝達体とを模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図2及び
図3において、1は清掃具を示す。清掃具1は、本体10を有する。本体10には、駆動源11が配置されている。駆動源11の駆動力が本体10に回転可能に配置された回転清掃体12に対して伝達体13により伝達されて、回転清掃体12が回転される。回転清掃体12は、本体10に対し着脱可能となっている。清掃具1は、回転清掃体12の回転により床面等の被掃除部から塵埃を掻き出すように構成されている。以下、清掃具1を水平な被掃除部上に載置した状態を基準として、前後、左右、及び、上下の方向を規定する。図中において、矢印FR方向を前方向、矢印RR方向を後方向とし、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向とし、矢印U方向を上方向、矢印D方向を下方向とする。
【0009】
本体10は、例えば合成樹脂により形成されたケース体である。本実施形態では、本体10は複数のケース部に分割されており、それらケース部が組み合わせられて構成されている。図示される例では、本体10は、前後方向に短く、左右方向に長手状に形成されている。つまり、本体10は、横長である。本体10には、駆動源11の一部が位置する駆動源配置部100が形成されている。本実施形態において、駆動源配置部100は、本体10の内部に位置し、本体10の後部に形成されている。また、駆動源配置部100は、左右方向に長手状に形成されている。図示される例では、駆動源配置部100は、本体10の左右方向の一側、例えば左側に位置する。駆動源配置部100は、左右方向の寸法が本体10の半分程度に設定されている。駆動源配置部100には、外気取込口1000が形成されている。外気取込口1000は、例えば本体10の後部に開口されている。外気取込口1000から駆動源配置部100に取り込まれた外気により駆動源11が冷却されるように構成されている。
【0010】
また、本体10には、回転清掃体配置部101が形成されている。本実施形態において、回転清掃体配置部101は、本体10の前部に形成されている。図示される例では、回転清掃体配置部101は、本体10の最前部に位置する。回転清掃体配置部101は、前後方向において、本体10の最前部から、中央部よりも後部の位置に亘り形成されている。また、回転清掃体配置部101は、左右方向に長手状に形成されている。回転清掃体配置部101は、本体10の左右方向の中央部に位置し、中央部から左右に延びている。回転清掃体配置部101は、左右方向の寸法が本体10より僅かに小さい。本実施形態では、回転清掃体配置部101は、駆動源配置部100に隔壁1010を介して前後に隣接し、駆動源配置部100とは独立して形成されている。本実施形態では、隔壁1010には、回転清掃体配置部101と駆動源配置部100とを連通する連通口10100が形成されている。連通口10100は、外気取込口1000から駆動源配置部100に取り込まれた外気が駆動源配置部100から回転清掃体配置部101へと排気される開口部である。
【0011】
また、回転清掃体配置部101には、主開口部1011が形成されている。主開口部1011は、本体10及び回転清掃体配置部101の少なくとも下部に位置する。主開口部1011から回転清掃体12の一部が本体10の少なくとも下部に露出して、被掃除部に載置された状態で本体10の少なくとも下部の位置で被掃除部に接触可能となっている。主開口部1011は、左右方向に長手状に形成されている。また、主開口部1011は、前後方向において、本体10の最前部から、中央部よりも後部の位置に亘り形成されている。主開口部1011は、回転清掃体配置部101の左右方向及び前後方向の全体又は略全体に亘り開口されている。
【0012】
また、本体10には、軸受配置部102が形成されている。この軸受配置部102は、本実施形態において、少なくとも伝達体13が配置される伝達体配置部である。軸受配置部102は、本体10の一側、例えば左側に形成されている。図示される例では、軸受配置部102は、本体10の左側の端部に位置する。軸受配置部102は、前後方向に長手状に形成されている。つまり、軸受配置部102は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きい。軸受配置部102は、駆動源配置部100及び回転清掃体配置部101の一側に隔壁1020を介して左右方向に隣接している。隔壁1020は、駆動源配置部100の位置と回転清掃体配置部101の位置とで、別個に形成されていてもよいし、一体的に形成されていてもよい。
【0013】
また、
図4に示すように、軸受配置部102の下部には、開口部1021が形成されている。開口部1021は、回転清掃体12の一端部及び伝達体13の一部を露出させるものである。開口部1021は、主開口部1011とともに、回転清掃体12を本体10から取り外す際に利用されるメンテナンス用開口部又は底面開放空間である。本実施形態において、開口部1021は、主開口部1011と連なって形成されている。開口部1021は、蓋体103によって開閉可能となっている。
【0014】
図2、
図4、
図5(a)及び
図5(b)に示す蓋体103は、本体10の一部を構成するケース部である。蓋体103は、左右方向に狭く、前後方向に長手状に形成されている。蓋体103は、平面視で長方形状となっている。蓋体103には、開口部1021を覆った状態で蓋体103を本体10に係止するための係止部1030,1031が前後に形成されている。例えば、係止部1030,1031の一方は固定爪であり、他方は可動爪である。本実施形態において、前側の係止部1030は固定爪であり、後側の係止部1031は前後方向に弾性的な可動爪である。係止部1030を本体10に形成された係止受け部に係止し、係止部1031を本体10に形成された穴部である取付部104に押し込むことで、係止部1031が前方に弾性的に変形した後、復帰変形することにより取付部104の縁部に係止される。また、取付部104から露出する係止部1031を前方に押し込むことで、取付部104に対する係止部1031の係止が外れて、蓋体103が本体10から取り外し可能となる。
【0015】
また、蓋体103には、被掃除部での本体10の前後移動を補助する滑り部材1032と車輪1033とが前後に離れて配置されている。図示される例では、滑り部材1032は、蓋体103の前端部に位置し、車輪1033は蓋体103の後部寄りに位置して係止部1031に近接する。滑り部材1032は、被掃除部との摺動抵抗又は摩擦を低減するものである。滑り部材1032としては、例えば不織布が用いられる。車輪1033は、前後方向に回動可能となっている。
【0016】
さらに、
図2に示すように、本体10には、軸受配置部105が形成されている。図示される例では、軸受配置部105は、本体10の他側、例えば右側に形成されている。例えば、軸受配置部105は、本体10の右側の端部に位置する。すなわち、軸受配置部105は、回転清掃体配置部101を基準として、軸受配置部102とは反対側に位置する。軸受配置部105は、前後方向に長手状に形成されている。つまり、軸受配置部105は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きい。軸受配置部105は、回転清掃体配置部101の他側に隔壁を介して左右方向に隣接している。したがって、回転清掃体配置部101の両側に軸受け配置部102,105が隣接する。この隔壁に形成された連通開口部を介して、軸受配置部105は回転清掃体配置部101と連通されている。軸受配置部105は、底壁部106により下部が覆われている。底壁部106は、回転清掃体配置部101と軸受配置部105との間の隔壁と一体的に形成されている。底壁部106は、前後方向に長手状に形成されている。底壁部106は、蓋体103と左右方向に略対称な形状となっている。底壁部106には、蓋体103の滑り部材1032及び車輪1033と同様の、滑り部材1060及び車輪1061が前後に取り付けられている。
【0017】
図3に示すように、本体10の駆動源配置部100から軸受配置部102に亘り収容される駆動源11は、本実施形態において、給電により動作する電動部又はアクチュエータである。例えば、駆動源11は、電動機である。駆動源11は、駆動源本体部110を備える。駆動源本体部110は、円柱状の外観を有する。駆動源本体部110の内部に、ロータ及びステータが配置される。駆動源本体部110は、駆動源配置部100に配置されている。本実施形態において、駆動源本体部110は、軸方向を左右方向に沿わせて配置されている。また、駆動源本体部110は、駆動源配置部100において、支持部1001により支持されている。支持部1001は、例えば駆動源配置部100の長手方向と交差して前後方向に延びるリブ状に形成されている。
【0018】
駆動源本体部110の一端部は、駆動源配置部100と軸受配置部102との間の隔壁1020に隣接又は近接して位置する。本実施形態では、駆動源本体部110の一端部が、隔壁1020に形成された切り欠き部10200に嵌合されて支持されている。この駆動源本体部110の一端部から回転軸111が突出している。回転軸111は、ロータと一体的に形成され、駆動源本体部110と同軸状に位置する。回転軸111は、切り欠き部10200から軸受配置部102内に突出している。回転軸111の回転により、駆動力出力部112が回転される。
【0019】
駆動力出力部112は、軸受配置部102に位置する。図示される例では、駆動力出力部112は、回転軸111に同軸状に取り付けられたプーリである。本実施形態において、駆動力出力部112は、原動ギヤである。駆動力出力部112は、伝達体13が巻き掛けられる出力部本体部1120を有する。出力部本体部1120は、円筒状に形成されている。出力部本体部1120の外周部には、伝達体13と歯合されるギヤ歯部である歯合部11200が形成されている。歯合部11200は、出力部本体部1120の全周に亘り形成されている。歯合部11200により、出力部本体部1120の外周が平歯車状となっている。
【0020】
好ましくは、駆動力出力部112には、伝達体規制部1121が形成されている。伝達体規制部1121は、出力部本体部1120の外周に巻き掛けられた伝達体13の出力部本体部1120の軸方向の位置を規制し、駆動力出力部112に対する伝達体13のずれを防止する。伝達体規制部1121は、出力部本体部1120の外周面、本実施形態では歯合部11200よりも径方向に突出して形成されたフランジ部である。伝達体規制部1121は、少なくとも一部、本実施形態では全部が、歯合部11200の先端部つまり歯先よりも径方向に大きく形成されている。本実施形態において、伝達体規制部1121は、駆動力出力部112の全周に亘り連なる円環状である。また、伝達体規制部1121は、出力部本体部1120に隣接して、出力部本体部1120の一端部に形成されている。図示される例では、伝達体規制部1121は、駆動力出力部112において、駆動源配置部100又は駆動源本体部110から遠い側、本実施形態では左側の端部に位置する。伝達体規制部1121は、軸受配置部102の隔壁1020とは反対側、本実施形態では左側の壁部1022に近接する。
【0021】
また、
図2に示すように、本体10の回転清掃体配置部101から軸受配置部102及び軸受配置部105に亘り収容される回転清掃体12は、長手状に形成され、長手方向を左右方向に沿わせて配置されている。回転清掃体12は、長尺の基台120を有する。基台120は、主開口部1011の長手寸法と略等しい長さを有する。基台120には、被掃除部から塵埃を掻き出す清掃部材121が配置されている。清掃部材121は、基台120から径方向に放射状に突出している。清掃部材121は、基台120の周方向に複数、互いに離れて配置されている。清掃部材121は、基台120の一端部から他端部に亘り連なる壁状に配置されている。清掃部材121は、全長が回転清掃体配置101に位置する。下部に位置する清掃部材121の先端部が、主開口部1011から本体10の少なくとも下方に突出するように配置される。図示される例では、清掃部材121は、基台120の一端部から他端部に亘り、周方向にねじれている。清掃部材121は、例えば毛ブラシでもよいし、弾性を有する部材により形成されたブレードでもよいし、それらを組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、清掃部材121は、基端部がまとめられて、基台120の外周面に形成された保持溝1200に保持されている。基台120及び清掃部材121からなる回転清掃体12の清掃体本体部が、主開口部1011に臨んで回転清掃体配置部101に位置する。清掃部材121は、少なくとも下部が主開口部1011から本体10の下面に対して下方に突出し、下部で被掃除部に接地可能となっている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、基台120の両端部には、受け板部である支軸部122,123が取り付けられている。すなわち、清掃部材121の両端部に支軸部122,123が位置する。支軸部122,123は、軸受124,125を介して本体10に支持される。図示される例では、支軸部122,123は、少なくとも一部が軸受配置部102,105に配置される。本実施形態では、支軸部122,123は、保持溝1200の端部を閉塞することで清掃部材121の保持溝1200からの脱落を防止して清掃部材121を保持溝1200に保持する清掃部材ストッパの機能を有する。
【0023】
支軸部122は、ガード部1220を有する。ガード部1220は、清掃部材121側から支軸部122への塵埃をガードする端板部である。ガード部1220は、例えば円形板状に形成されたフランジ部である。ガード部1220は、基台120の端面に当接し、基台120の軸方向に対して交差する方向に面状に配置される。ガード部1220と清掃部材121との間には、左右方向に僅かに隙間がある。ガード部1220には、突起部1221が形成されている。突起部1221は、保持溝1200の端部に挿入されて保持溝1200の端部を閉塞している。突起部1221の保持溝1200への挿入により、支軸部122が基台120の端部に一体的に固定される。突起部1221は、例えば複数形成され、ガード部1220の周方向に互いに離れて位置する。ガード部1220に対し、突起部1221と反対側に、連結部1222を介して、駆動力受け部1223が同軸状に一体的に形成されている。ガード部1220と駆動力受け部1223と連結部1222の外周との間に、空間部が形成されている。本実施形態では、この空間部の位置が、隔壁1020に形成された切り欠き部10201に位置する。そのため、支軸部122は、空間部よりもガード部1220側が回転清掃体配置部101に位置し、空間部よりも駆動力受け部1223側が軸受配置部102に位置する。
【0024】
駆動力受け部1223は、基台120と同軸状に配置されたプーリである。本実施形態において、駆動力受け部1223は、従動ギヤである。駆動力受け部1223は、軸受配置部102において、駆動源11の駆動力出力部112に対して前方に離れて位置する。駆動力受け部1223は、軸方向が駆動力出力部112と平行又は略平行となるように位置する。
【0025】
駆動力受け部1223は、伝達体13が巻き掛けられる受け部本体部12230を有する。受け部本体部12230は、円筒状に形成され、基台120又はガード部1220又は連結部1222とは反対側の端部が開口されている。受け部本体部12230の外周部には、伝達体13と歯合されるギヤ歯部である歯合部122300が形成されている。歯合部122300は、受け部本体部12230の全周に亘り形成されている。歯合部122300により、受け部本体部12230の外周が平歯車状となっている。歯合部122300は、駆動源11の出力部本体部1120の外周の歯合部11200と、基本的に同形状の歯を有する。歯合部122300を含む受け部本体部12230の径寸法は、駆動源11の駆動力出力部112の歯合部11200を含む出力部本体部1120の径寸法よりも大きい。そのため、駆動源11の駆動力出力部112の回転数よりも駆動力受け部1223の回転数すなわち回転清掃体12の回転数が小さく設定される。受け部本体部12230の歯合部122300は、出力部本体部1120の歯合部11200と、左右方向に伝達体13の幅以上の所定幅でオーバーラップしている。
【0026】
また、駆動力受け部1223は、規制部12231を有する。規制部12231は、受け部本体部12230の外周に巻き掛けられた伝達体13の受け部本体部12230の軸方向の位置を規制し、駆動力受け部1223に対する伝達体13のずれを防止する。規制部12231は、受け部本体部12230に隣接して、受け部本体部12230の一端部に形成されている。図示される例では、規制部12231は、駆動力受け部1223において、回転清掃体配置部101又は基台120又は清掃部材121に近い側、本実施形態では右側の端部に位置する。規制部12231は、回転清掃体配置部101と軸受配置部102との間の隔壁1020に近接する。規制部12231は、左右方向において、伝達体13を基準として伝達体規制部1121とは反対側に位置する。本実施形態において、伝達体13に対して、伝達体規制部1121が一側である左側に位置し、規制部12231が他側である右側に位置する。
【0027】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、規制部12231は、受け部本体部12230の外周面、本実施形態では歯合部122300よりも径方向に大きい部分と、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13より径方向に小さい部分と、を有する。本実施形態において、規制部12231は、受け部本体部12230よりも径方向に大きい第一部分122310と、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さく径方向に対し交差する方向に延びる第二部分122311と、を有する。図示される例では、規制部12231は、第一部分122310と第二部分122311とのみを有するものとするが、これに限らず、第一部分122310及び第二部分122311とは径方向の寸法が異なる第三部分を一部に有していてもよい。なお、以下、「受け部本体部12230より径方向に大きい」、「受け部本体部12230より径方向に小さい」とは、それぞれ「受け部本体部12230の外周面又は歯合部122300の先端部すなわち歯先よりも径方向に大きい」、「受け部本体部12230の外周面又は歯合部122300の先端部すなわち歯先よりも径方向に小さい」ことを意味するものとする。
【0028】
第一部分122310は、回転清掃体12の回転軸線Aを中心とする仮想円Cの周に沿って形成されている。第一部分122310は、歯合部122300の先端部つまり歯先よりも径方向に大きく形成されている。つまり、第一部分122310は、回転清掃体12の回転軸線Aから先端部までの距離r1が、回転清掃体12の回転軸線Aから受け部本体部12230の外周面又は歯合部122300の先端部までの距離r2よりも大きい。さらに、第一部分122310は、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13より全体が径方向に大きくても小さくてもよいし、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に大きい部分や小さい部分を一部に有していてもよい。すなわち、距離r1と回転清掃体12の回転軸線Aから受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13の外面までの距離r3との大小関係は問わない。本実施形態では、第一部分122310は、全体が受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13より径方向に大きく形成されている。本実施形態では、距離r1が距離r3以上である。そのため、本実施形態において、第一部分122310は、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13の側部を覆う部分となっている。
【0029】
第二部分122311は、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13の側部を露出させる部分である。第二部分122311は、回転清掃体12の回転軸線Aを中心とする仮想円Cを径方向と交差又は直交する方向にカットしたカット部として形成されている。図示される例では、第二部分122311は、所定長さを有する直線状に延びている。そのため、本実施形態の第二部分122311は、両端部間の中央部が、回転清掃体12の回転軸線Aからの距離が最も小さい部分となっている。これに限らず、第二部分122311は、曲線状、円弧状等に延びていてもよい。第二部分122311は、回転清掃体12の回転軸線Aから先端部までの最短距離r4が回転清掃体12の回転軸線Aから受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13の外面までの距離r3よりも小さい。好ましくは、第二部分122311は、少なくとも一部が、伝達体13の側部を、伝達体13の厚みの半分以上に亘り露出させるように形成されている。図示される例では、伝達体13の最大厚みをtとしたとき、最短距離r4は距離r3と最大厚みtの1/2との和以下に設定される。なお、第二部分122311は、受け部本体部12230よりも径方向に全体が大きくても小さくてもよいし、受け部本体部12230よりも径方向に大きい部分や小さい部分を一部に有していてもよい。すなわち、最短距離r4と距離r1,r2との大小関係は問わない。本実施形態では、第二部分122311は、一部が受け部本体部12230よりも径方向に大きく、残りの他部が受け部本体部12230よりも径方向に小さく形成されている。すなわち、本実施形態では、最短距離r4が距離r2よりも小さい。
【0030】
本実施形態において、規制部12231には、第二部分122311が周方向すなわち回転清掃体12の回転方向に複数、等配されている。第二部分122311の数は特に限定されないが、図示される例では、第二部分122311は四つ形成され、第二部分122311間に第一部分122310が位置する。そのため、規制部12231は、第一部分122310と第二部分122311とが周方向に交互に位置する形状となっている。本実施形態では、第一部分122310と第二部分122311とは、周方向に滑らかに連なっている。規制部12231は、回転清掃体12の軸方向に見て、角部となる第一部分122310が円弧状に湾曲した四角形状又は正方形状となっている。図示される例では、規制部12231は、軸方向に見て、回転清掃体12の回転軸線Aを通る任意の径方向の仮想線に対して対称又は略対称な形状となっている。つまり、規制部12231は、軸方向に見て、方向性がない形状となっている。
【0031】
また、駆動力受け部1223は、受け部本体部12230の他端部、本実施形態では左側に、受け部本体部12230よりも径方向に大きい部分を有していない。さらに、
図3に示すように、駆動力受け部1223には、支持軸1224が同軸状に取り付けられている。支持軸1224の中心軸が、回転清掃体12の回転軸線をなす。支持軸1224は、基端部が連結部1222に固定され、先端部が受け部本体部12230の端部の開口から突出している。
図4に示すように、支持軸1224は、受け部本体部12230の内部に嵌合された軸受124に回転可能に保持されている。軸受124は、受け部本体部12230の端部の開口から突出する部分が本体10の軸受配置部102に形成された保持部1023により保持される被保持部1240となっている。被保持部1240が保持部1023により前後及び/又は上下に挟み込まれて保持されることにより、軸受124が回り止めされた状態で本体10に保持される。保持部1023は、軸受配置部102内にて駆動力受け部1223と対向する位置にある。保持部1023は、軸受配置部102の壁部1022から本体10の内側つまり左右方向の中央部に向かって突出している。保持部1023と、回転清掃体配置部101と軸受配置部102との間の隔壁1020と、の間に、駆動力受け部1223が位置する。保持部1023又は壁部1022に対し、駆動力受け部1223の受け部本体部12230の端部が近接して位置する。また、保持部1023は、蓋体103により下部が開閉可能に覆われている。保持部1023の一部が蓋体103に形成されていてもよい。
【0032】
また、
図3に示す支軸部123は、軸受配置部105に配置される。支軸部123は、ガード部1230を有する。ガード部1230は、清掃部材121側から支軸部123への塵埃をガードする端板部である。ガード部1230は、例えば円形板状に形成されたフランジ部である。ガード部1230は、例えば円形板状に形成されている。ガード部1230は、基台120の端面に当接し、基台120の軸方向に対して交差する方向に面状に配置される。ガード部1230には、突起部1231が形成されている。突起部1231は、保持溝1200の端部に挿入されて保持溝1200の端部を閉塞している。突起部1231の保持溝1200への挿入により、支軸部123が基台120の端部に一体的に固定される。突起部1231は、複数形成され、ガード部1230の周方向に互いに離れて位置する。ガード部1230に対し、突起部1231と反対側に、円筒部1232が同軸状に一体的に形成されている。
【0033】
円筒部1232は、基台120又はガード部1230とは反対側の端部が開口されている。円筒部1232には、支持軸1233が同軸状に取り付けられている。支持軸1233の中心軸が、回転清掃体12の回転軸線をなす。すなわち、支持軸1233は、支持軸1224と同軸又は略同軸に配置されている。なお、支持軸1233と支持軸1224とは、別体でもよいし、一体に形成されて基台120の両端部に亘り挿通されていてもよい。本実施形態では、支持軸1233は、基端部が円筒部1232に固定され、先端部が円筒部1232の端部の開口から突出している。支持軸1233は、円筒部1232の内部に嵌合された軸受125に回転可能に保持されている。軸受125は、円筒部1232から突出する部分が、本体10にて
図2に示す軸受配置部105内に形成された保持部により回り止めされた状態で保持される被保持部1250となっている。被保持部1250が保持部より前後及び/又は上下に挟み込まれて保持されることにより、軸受125が回り止めされた状態で本体10に保持される。保持部は、軸受配置部105と回転清掃体配置部101との間の隔壁に形成された切り欠き部を介して回転清掃体配置部101又は主開口部1011側からアクセス可能となっている。
【0034】
図3及び
図4に示すように、本体10の軸受配置部102に収容される伝達体13は、所定幅及び所定厚みの帯状に形成された伝達体本体部130を有する。伝達体本体部130は、円環状に形成されている。伝達体本体部130は、例えばウレタン等の弾性及び/又は可撓性を有する部材により形成されている。伝達体本体部130の内面側又は裏面側に、歯合部1300が形成されている。歯合部1300は、駆動源11の駆動力出力部112の出力部1120に形成された歯合部11200及び回転清掃体12の駆動力受け部1223の受け部本体部12230に形成された歯合部122300とそれぞれ歯合される。
【0035】
図6に示すように、伝達体本体部130には、心線131が埋め込まれている。心線131は、伝達体本体部130を伸びに対し補強するものである。心線131は、伝達体本体部130の全周に亘り連なって環状に配置されている。本実施形態では、心線131は伝達体本体部130の幅方向に複数、互いに離れて埋め込まれている。心線131は、例えば金属線が用いられる。好ましくは、心線131は、撚り線が用いられる。心線131の撚り方向、例えば右撚り又はS撚り、あるいは、左撚り又はZ撚りに応じて、伝達体13の回転時の幅方向への偏りが設定される。本実施形態では、伝達体13が回転により右側、つまり
図3に示す規制部12231に接近する方向に偏るように心線131の撚り方向が設定されている。
【0036】
また、
図2及び
図4に示すように、本体10には、回転清掃体12の支軸部122,123の少なくともいずれかに対して、回転時に髪の毛等の糸状ごみが絡み付くことを阻止するための絡み阻止部14が配置されている。絡み阻止部14は、回転清掃体12の少なくともいずれか一方の支軸部、本実施形態では支軸部122の下方に位置し、回転清掃体配置部101の内部へと突出されている。図示される例では、絡み阻止部14は、蓋体103と一体的に形成され、蓋体103とともに本体10に対し着脱可能となっている。本実施形態では、絡み阻止部14は、蓋体103の回転清掃体配置部101側の縁部に一体的に形成されている。絡み阻止部14は、支軸部122のガード部1220に対して交差する位置まで回転清掃体配置部101に突出している。
【0037】
そして、本体10は、操作部接続部15により、操作部と接続されて電気掃除機2(
図7に示す)に用いられる。操作部接続部15は、本体10の後部の左右方向の中央部に接続されている。好ましくは、操作部接続部15は、本体10に対して回動可能に接続されている。本体10の後部には、操作部接続部15の下方に、後方へと突出する突出部16が形成されている。突出部16の後端部には、車輪160が前後方向に回転可能に取り付けられている。
【0038】
本実施形態において、清掃具1は、吸込口体である。
図7に示す例では、操作部接続部15は、長尺の風路体である延長管を介して吸引源と流体的に連通する接続管である。すなわち、本実施形態では、延長管が操作部接続部15に接続される操作部20であって、操作部接続部15が操作部20を介して吸引源21と流体的に連通する。
図2に示すように、本体10には、操作部接続部15と流体的に連通する連通部107が形成されている。連通部107は、本体10の下部において、回転清掃体配置部101の後部に隣接して位置する。連通部107は駆動源配置部100の下方にあり、駆動源配置部100の底部により駆動源配置部100とは上下に仕切られている。連通部107は、左右方向に長手状に形成されている。また、連通部107は、回転清掃体配置部101よりも前後に短く形成されている。本実施形態では、連通部107は、左右両側部が本体10の左右両側部に開口されている。図示される例では、連通部107は、蓋体103に左右方向に形成された溝部1034及び底壁部106に左右方向に形成された溝部1062を介して、本体10の左右両側部の外方と流体的に連通している。溝部1034は、車輪1033の後方、かつ、係止部1031の前方にある。溝部1062は、車輪1061の後方にある。
【0039】
また、連通部107は、回転清掃体配置部101に対し、左右方向に延びる仕切り部1070によって前後に仕切られている。仕切り部1070は、主開口部1011の後縁部をなしている。本実施形態において、仕切り部1070には、回転清掃体12を本体10から取り外す際の回転清掃体12との干渉を避けるための凹部10700が形成されている。凹部10700は、仕切り部1070の左側の前部、すなわち回転清掃体配置部101内に形成されている。凹部10700は、回転清掃体12の支軸部122のガード部1220の後方に位置する。
【0040】
仕切り部1070の下端部は、本体10の下面に対して上方に離れている。そのため、連通部107の下部から回転清掃体配置部101の下部に亘り繋がる空間として、塵埃を集めるための集塵口108が形成されている。本実施形態において、集塵口108は、空気とともに塵埃を吸い込む吸込口である。集塵口108は、少なくとも主開口部1011を含む開放空間である。集塵口108は、左右方向に長手状に形成されている。
【0041】
集塵口108の後部に沿って、シール部材109が配置される。シール部材109は、本体10又は清掃具1が被掃除部に載置された状態で、下端部が被掃除部に密着して集塵口108の後部を被掃除部に対してシールする。シール部材109は、例えば毛ブラシが左右方向に延びる壁状にまとめられて形成されている。
【0042】
なお、連通部107に代えて、回転清掃体配置部101が直接操作部接続部15と流体的に連通する吸込溝として形成されていてもよい。その場合、主開口部1011が吸込口として機能する。
【0043】
本実施形態において、
図7に示す電気掃除機2は、吸引源21により発生させた負圧によって生じる吸引力により被掃除部から吸い込んだ塵埃を集塵部22に集積する、吸引型の掃除機である。吸引源21の動作、つまり電気掃除機2の運転のオンオフ等は、操作スイッチ23により操作される。操作スイッチ23は、制御部である本体制御手段24と電気的に接続されている。本体制御手段24としては、マイクロコンピュータが好適に用いられる。本体制御手段24は、例えば中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されて構成されている。そして、操作スイッチ23の操作により吸引源21の動作のオンオフ等が本体制御手段24に設定され、その設定に応じて本体制御手段24が吸引源21等を制御する。つまり、操作スイッチ23の操作に応じて、電気掃除機2の運転の開始及び終了、又は、掃除の開始及び終了が設定される。本実施形態では、電気掃除機2の運転中において、操作スイッチ23の操作に応じて、回転清掃体12の駆動のオンオフも設定され、その設定に応じて本体制御手段24が駆動源11を制御する。これに限らず、例えば操作スイッチ23とは別途の回転清掃体12の駆動のオンオフ用の操作スイッチを備えていてもよいし、清掃具1に駆動源11の制御用の制御部が本体制御手段24とは別途配置されていてもよい。
【0044】
集塵部22は、吸引源21の吸気側と連通し、吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離捕集する分離部である。集塵部22は、フィルタ等の濾過手段でもよいし、サイクロン分離部や慣性分離部等でもよい。
【0045】
図示される例では、電気掃除機2は、スティック型掃除機である。電気掃除機2は、掃除機本体25を有する。本実施形態では、掃除機本体25に吸引源21、集塵部22、操作スイッチ23、及び、本体制御手段24が配置されている。
【0046】
掃除機本体25には、使用者が把持可能な把持部250が形成されている。本実施形態において、掃除機本体25は、長手状に形成され、把持部250が掃除機本体25の長手方向に沿って配置されている。好ましくは、把持部250に操作スイッチ23が配置され、把持部250を把持した手で使用者が操作スイッチ23を操作可能となっている。
【0047】
また、掃除機本体25には、集塵部22と流体的に連通する接続口である本体吸込口251が形成されている。本体吸込口251に、操作部20である直管状の延長管が接続されている。本体吸込口251に接続された操作部20を介して、清掃具1が把持部250によって被掃除部上で操作される。なお、清掃具1の操作部接続部15は、本体吸込口251に直接着脱可能でもよい。
【0048】
また、掃除機本体25には、吸引源21の排気側と流体的に連通する本体排気口252が形成されている。集塵部22で塵埃が分離された空気が本体排気口252から排出される。
【0049】
吸引源21、本体制御手段24、及び、駆動源11等の被給電部は、掃除機本体25に配置された電源部26から給電を受ける。本実施形態において、電気掃除機2は、電源部26として例えば電池が用いられるコードレス式のものを例に挙げるが、これに限らず、商用電源から電力を取るコードリール装置等が電源部26として用いられてもよい。
【0050】
次に、第1の実施形態の電気掃除機2による掃除動作を説明する。
【0051】
ユーザが吸引源21の駆動用すなわち運転開始用の操作スイッチ23を操作すると、その操作スイッチ23の操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に応じて、吸引源21を動作させる信号を生成し、電源部26から供給される電力を制御して吸引源21を動作させる。
【0052】
ユーザは、把持部250を把持して電気掃除機2を操作し、所望の被掃除部から塵埃を掃除する。例えば清掃具1を床面等の被掃除部上で前後等に移動させ、吸引源21の動作により生じた負圧によって、床面等の被掃除部から集塵口108を介して塵埃を空気とともに吸い込む。吸い込まれた含塵空気は、操作部20から本体吸込口251を介して集塵部22へと吸い込まれ、集塵部22で塵埃が分離捕集される。塵埃が分離された空気は、吸引源21を通過して吸引源21を冷却した後、本体排気口252から掃除機本体25の外部へと排出される。
【0053】
特に絨毯等の毛足が長い被掃除部の場合、内部に入り込んだ塵埃をより効率よく描き出すために、ユーザは、駆動源11又は回転清掃体12の駆動用の操作スイッチ23を操作して清掃具1の回転清掃体12を回転駆動させ、塵埃を被掃除部から掻き上げることで、除塵を補助することが可能である。
【0054】
具体的に、ユーザが駆動源11又は回転清掃体12の駆動用の操作スイッチ23を操作すると、その操作スイッチ23の操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に応じて、駆動源11を動作させる信号を生成し、電源部26から供給される電力を制御して駆動源11を動作させる。駆動源11では、入力された信号に応じた回転数で回転軸111が回転することにより、回転軸111に同軸状に取り付けられた駆動力出力部112も一体的に回転する。そのため、駆動源11の駆動力出力部112の出力部本体部1120と回転清掃体12の駆動力受け部1223の受け部本体部12230とに亘り巻き掛けられた伝達体13が、駆動力出力部112の回転に伴い歯合部11200,1300の歯合によって回転することにより、歯合部1300,122300の歯合によって駆動力受け部1223が回転する。すなわち、駆動源11の駆動力が伝達体13によって回転清掃体12へと伝達されて、回転清掃体12が回転する。回転清掃体12が回転することで、被掃除部に接触した清掃部材121が被掃除部に入り込んだ塵埃を掻き上げる。掻き上げられた塵埃は、主開口部1011及び集塵口108に作用する吸引源21の負圧の作用によって、操作部接続部15から操作部20を介して集塵部22へと運ばれる。
【0055】
この回転清掃体12の回転時、絡み阻止部14により、回転清掃体12の清掃部材121に付着した糸状ごみ等の塵埃が支軸部122へと入り込むことが抑制される。また、絡み阻止部14は、清掃部材121と当接することで回転清掃体12の回転に伴い清掃部材121に付着した塵埃を落とす。
【0056】
回転清掃体12の回転を停止する際には、ユーザが駆動源11又は回転清掃体12の停止用の操作スイッチ23を操作することで、その操作に応じた信号が本体制御手段24に入力され、本体制御手段24において、入力された信号に基づき、駆動源11を停止させる信号を生成し、その信号により駆動源11が停止することで、回転清掃体12の回転が停止する。
【0057】
また、掃除を終了する際には、ユーザが吸引源21の停止用すなわち運転停止用の操作スイッチ23を操作することで、その操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に基づき、吸引源21を停止させる信号を生成し、その信号により吸引源21が停止する。なお、回転清掃体12を駆動したままユーザが吸引源21の停止用すなわち運転停止用の操作スイッチ23を操作した場合には、本体制御手段24において、入力された信号に基づき、駆動源11を停止させる信号を生成し、その信号により駆動源11が停止することで、回転清掃体12の回転も停止する。
【0058】
清掃具1のメンテナンスの際には、蓋体103を本体10から取り外し、回転清掃体12を本体10から取り外して、回転清掃体12に付着した塵埃を除去する。本体10から取り外した回転清掃体12は、取り外したときと逆順で本体10に取り付けることができる。
【0059】
回転清掃体12を取り外す際、具体的に、ユーザは、取付部104から露出する蓋体103の係止部1031を付勢に抗して前方に押し込むことにより、取付部104に対する係止部1031の係止を解除し、そのまま係止部1030を支点として蓋体103の後部を本体10から離れる方向に回動させることで、蓋体103を本体10から取り外す。この蓋体103の取り外しにより、開口部1021が開放され、本体10に対し保持部1023によって回転可能に保持されている回転清掃体12の駆動力受け部1223が露出する。ユーザは、駆動力受け部1223の受け部本体部12230に巻き掛けられている伝達体13を受け部本体部12230に対して規制部12231から離れる軸方向の外方、本実施形態では左側にずらして取り外すことで、回転清掃体12の支軸部122を本体10から取り外すことが可能になる。そこで、回転清掃体12の支軸部122側を軸受配置部102の保持部1023から外して本体10から持ち上げ、支軸部123側を支軸部122側にずらして軸受配置部105の保持部から外すことで、回転清掃体12を本体10から取り外すことができる。
【0060】
このとき、本実施形態によれば、駆動力受け部1223に形成されている規制部12231に、受け部本体部12230よりも径方向に大きい部分と、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さい部分と、を有することで、ユーザが伝達体13を受け部本体部12230に対してずらす際に、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さい部分において、露出している伝達体13の側部に指の腹を当てることができる。そのため、伝達体13の側部に当てた指によって伝達体13を規制部12231から離れる方向に押すことによって、伝達体13を受け部本体部12230から容易に軸方向にずらすことができるので、ユーザの指や伝達体13に過大な負荷をかけることなく、伝達体13を駆動力受け部1223から取り外しやすい。したがって、回転清掃体12を本体10から容易に取り外すことが可能となり、メンテナンス性が向上する。
【0061】
また、駆動力受け部1223から伝達体13を取り外す際に、伝達体13を受け部本体部12230から持ち上げる必要がないので、伝達体13において、駆動力受け部1223からの取り外しを容易にするための遊びを最小限とすることができる。そのため、伝達体13の遊びに起因する回転時の歯合部1300と歯合部122300,11200との回転方向へのずれ、いわゆる歯飛びを抑制でき、駆動源11の駆動力を回転清掃体12に確実に伝達可能となる。
【0062】
本実施形態では、規制部12231が、受け部本体部12230よりも径方向に大きい第一部分122310と、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さく径方向に対し交差する方向に延びる第二部分122311と、を有することで、第二部分122311を規制部12231の周方向に対して長く取ることができ、第二部分122311の位置でユーザが伝達体13の側部に指の腹の広い面積を容易に当てることができる。
【0063】
第一部分122310の少なくとも一部は、伝達体13の側部を、伝達体13の厚みの半分以上に亘り露出させるように形成されているため、伝達体13を受け部本体部12230から軸方向にずらす際にユーザが伝達体13に対して力を加えやすい。
【0064】
また、図示される例では、第一部分122310が、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に大きいため、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13の位置を、第一部分122310によって確実に規制することが可能となるとともに、伝達体13を受け部本体部12230から規制部12231側に外れにくくできる。
【0065】
さらに、伝達体13の取り外しに利用する第二部分122311を、規制部12231において周方向に複数等配することにより、規制部12231の形状に回転方向の方向性がなくなるので、ユーザが回転清掃体12を回転させて第二部分122311を探すことなく第二部分122311を容易に見つけることができ、伝達体13の駆動力受け部1223からの取り外しがより容易になるとともに、回転清掃体12の回転時のバランスに偏りが生じにくい。
【0066】
また、駆動源11において、駆動力出力部112の出力部本体部1120に巻き掛けられた伝達体13の位置を規制する伝達体規制部1121が、回転清掃体12の駆動力受け部1223の規制部12231に対して、伝達体13を基準として反対側に位置するため、使用時の回転に伴い伝達体13がその幅方向つまり左右方向のいずれの側にずれようとしても、伝達体規制部1121と規制部12231とのいずれか一方が伝達体13のずれを規制するので、使用時には伝達体13が駆動力出力部112の出力部本体部1120及び駆動力受け部1223の受け部本体部12230から外れにくい。そのため、製造時に伝達体13を駆動力出力部112の出力部本体部1220及び駆動力受け部1223の受け部本体部12230に亘り巻き掛ける際に、伝達体13の方向性に注意をする必要がないので、製造性も良好になる。
【0067】
しかも、伝達体13は、心線131の撚り方向によって、回転により規制部12231に接近する方向に偏るように構成することで、駆動力受け部1223の受け部本体部12230の軸方向において規制部12231とは反対側に伝達体13のずれを規制するための規制部が不要となるので、伝達体13の位置を規制部12231とは反対側の位置で規制する箇所がない。そのため、伝達体13を駆動力受け部1223から取り外す際には、規制部12231から離れる方向に伝達体13を押すだけで、伝達体13を駆動力受け部1223から容易に取り外すことができる。
【0068】
特に、伝達体13を取り外す際に駆動力受け部1223から持ち上げる必要がなく、限られたスペースであっても伝達体13を容易に駆動力受け部1223から取り外すことができるので、本体10の側部に位置する軸受配置部102を左右方向に大きく取る必要がない。そのため、清掃具1の小型化及び/又は本体10の左右方向の幅に対する回転清掃体12の長さ及び/又は集塵口108の左右方向の幅の比率を大きくすることが可能になり、清掃具1において掃除に有効な部分の範囲及び/又は割合を増やすことができる。
【0069】
このようにメンテナンス性が良好な清掃具1を備えることで、容易に掃除性能を維持でき、使い勝手がよい電気掃除機2を提供できる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について
図8を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
本実施形態の回転清掃体12は、駆動力受け部1223の規制部12231に、第二部分122311が周方向の一箇所のみに形成され、残りの他部が第一部分122310となっているものである。そのため、規制部12231は、軸方向に見て、D字状に形成されている。
【0072】
このように、規制部12231において、少なくとも一箇所に第二部分122311を形成することにより、第二部分122311の位置でユーザが伝達体13の側部に指の腹の広い面積を容易に当てて伝達体13を駆動力受け部1223の受け部本体部12230から容易にずらして取り外すことができる等、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について
図9を参照して説明する。なお、各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0074】
本実施形態の回転清掃体12は、第2の実施形態において、駆動力受け部1223の規制部12231の第二部分122311の少なくとも一部が受け部本体部12230よりも径方向に小さくなるように凹んでいるものである。
【0075】
このように、第二部分122311の少なくとも一部が受け部本体部12230よりも径方向に小さくなるように形成することで、第二部分122311の位置で、伝達体13の側部全体を露出させることができる。そのため、第二部分122311の位置でユーザが伝達体13の側部に指の腹の広い面積を容易に当てて伝達体13を駆動力受け部1223の受け部本体部12230から容易にずらして取り外すことができる等、各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0076】
なお、第3の実施形態の第二部分122311は、第1の実施形態に適用して、規制部12231の周方向に複数等配されていてもよい。
【0077】
また、上記の各実施形態において、第一部分122310は、受け部本体部12230より径方向に大きければ、径方向の大きさすなわち回転軸線Aからの距離が一定である必要はない。同様に、第二部分122311についても、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さければ、径方向の大きさすなわち回転軸線Aからの距離が一定である必要はない。
【0078】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について
図10を参照して説明する。なお、各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
本実施形態の回転清掃体12は、駆動力受け部1223の規制部12231の外縁部全体が、受け部本体部12230よりも径方向に大きく、かつ、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さく形成されているものである。好ましくは、規制部12231の外縁部は、少なくとも一部において、伝達体13の側部を、伝達体13の厚みの半分以上に亘り露出させるように形成されている。図示される例では、規制部12231の外縁部の全体が、伝達体13の側部を、伝達体13の厚みの半分又は略半分に亘り露出させるように形成されている。
【0080】
このように、規制部12231の全体を、受け部本体部12230よりも径方向に大きく、かつ、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さく形成することで、規制部12231の全周の任意の位置で、伝達体13の側部を露出させることができるため、規制部12231の形状に回転方向の方向性がなくなるので、伝達体13を任意の位置で駆動力受け部1223の受け部本体部12230から容易にずらして取り外すことができる等、各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0081】
また、規制部12231の形状に回転方向の方向性がないので、回転清掃体12の回転時のバランスに偏りが生じにくい。
【0082】
さらに、規制部12231の外縁部の全体が、伝達体13の側部を、伝達体13の厚みの半分又は略半分に亘り露出させるように形成されているため、伝達体13を受け部本体部12230から軸方向にずらす際にユーザが伝達体13に対して力を加えやすいとともに、伝達体13の回転時の位置を十分に規制できる。
【0083】
なお、第4の実施形態において、規制部12231は、受け部本体部12230よりも径方向に大きく、かつ、受け部本体部12230に巻き掛けられた伝達体13よりも径方向に小さく形成されていれば、その外縁部の径方向の大きさすなわち回転軸線Aからの距離が一定である必要はない。
【0084】
また、第4の実施形態に対し、径方向に対し交差する方向に延びる第2の実施形態及び/又は第3の実施形態の第二部分122311を任意に組み合わせてもよい。
【0085】
さらに、上記の各実施形態において、電気掃除機2は、スティック型のものに限らず、床走行型又はキャニスタ型のものや、ハンディ型のもの等でもよい。キャニスタ型の電気掃除機2の場合、清掃具1の操作部接続部15には、延長管及びホース体からなる風路管の延長管の端部が装着され、ホース体等に配置された把持部を使用者が把持して清掃具1を操作可能となる。また、ハンディ型の電気掃除機2の場合、清掃具1の操作部接続部15には、把持部を有する掃除機本体が装着され、掃除機本体の把持部を使用者が把持して清掃具1を操作可能となる。
【0086】
また、駆動源11は、電動機に限らず、負圧により生じる吸引力を駆動力に変換するエアタービン等、回転清掃体12を回転させる駆動力を生じる任意のものを用いてよい。
【0087】
さらに、電気掃除機2は、吸引源21により負圧又は吸引力を生じさせるものに限らず、回転清掃体12の回転により塵埃を集塵部22に掻き上げて集積するものでもよい。この場合、操作部接続部15に接続される操作部は、単なる棒体、あるいは工具等でもよい。
【0088】
また、清掃具1は、自走式電気掃除機に適用してもよい。その場合、本体10が自律走行可能な掃除機本体と一体的に形成されていることで、操作部接続部が不要となる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1 清掃具
2 電気掃除機
11 駆動源
12 回転清掃体
13 伝達体
112 駆動力出力部
1120 出力部本体部
1121 伝達体規制部
1223 駆動力受け部
12230 受け部本体部
12231 規制部
122310 第一部分
122311 第二部分