(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011449
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】清掃具及び電気掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20240118BHJP
A47L 5/30 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A47L9/04 A
A47L5/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113417
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】田中 章義
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AD05
3B061AD17
3B061AE02
(57)【要約】
【課題】回転清掃体の支軸部への塵埃の絡み付きを抑制できる清掃具及びこれを備えた電気掃除機を提供する。
【解決手段】清掃具1は、本体10と、回転清掃体12と、絡み阻止部14と、を備える。本体10は、下部が開口された回転清掃体配置部101と、軸受配置部102と、を有する。回転清掃体12は、清掃部材121と、清掃部材121の両端部に位置する支軸部122と、を有し、支軸部122が軸受配置部102に回転可能に支持されて清掃部材121が下部で接地可能に回転清掃体配置部101に位置する。絡み阻止部14は、回転清掃体配置部101内であって支軸部122の少なくとも一部の下方に位置し、清掃部材121側からの塵埃の支軸部122への絡み付きを阻止するためのものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が開口された回転清掃体配置部と、軸受配置部と、を有する本体と、
清掃部材と、前記清掃部材の両端部に位置する支軸部と、を有し、前記支軸部が前記軸受配置部に回転可能に支持されて前記清掃部材が下部で接地可能に前記回転清掃体配置部に位置する回転清掃体と、
前記回転清掃体配置部内であって少なくともいずれかの前記支軸部の少なくとも一部の下方に位置し、前記清掃部材側からの塵埃の前記支軸部への絡み付きを阻止するための絡み阻止部と、
を備えることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記支軸部は、前記回転清掃体の径方向に延びて前記清掃部材側からの塵埃をガードするためのガード部を備え、
前記絡み阻止部は、前記ガード部に対して交差する位置で前記回転清掃体配置部内に突出する
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記絡み阻止部は、前記清掃部材に対し接触可能である
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記絡み阻止部は、少なくとも一部が前記清掃部材の仮想外周円の最下点よりも前記回転清掃体の回転方向の前側に位置する
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項5】
前記支軸部は、前記回転清掃体の径方向に延びて前記清掃部材側からの塵埃をガードするためのガード部を備え、
前記絡み阻止部は、前記ガード部に沿って形成された側壁を有する
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項6】
前記絡み阻止部は、前記側壁と連なり下部を覆うカバー部を有する
ことを特徴とする請求項5記載の清掃具。
【請求項7】
前記カバー部は、前記本体の前後方向において下方に凸状に湾曲している
ことを特徴とする請求項6記載の清掃具。
【請求項8】
少なくともいずれかの前記軸受配置部の下部を開閉可能な蓋体を備え、
前記絡み阻止部は、前記蓋体と一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の清掃具。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれか一記載の清掃具を備える
ことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、本体に回転可能に配置された回転清掃体を有する清掃具及びこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機に用いられる清掃具として、電動機により回転清掃体を回転させることで絨毯等の被掃除部から塵埃を掻き出し、その掻き出した塵埃を吸い込んで掃除する吸込口体が知られている。回転清掃体の清掃部材に付着した塵埃が回転清掃体を本体に回転可能に支持する支軸部に絡み付くと、回転清掃体の円滑な回転を妨げるため、支軸部への塵埃の絡み付きを抑制することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、回転清掃体の支軸部への塵埃の絡み付きを抑制できる清掃具及びこれを備えた電気掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の清掃具は、本体と、回転清掃体と、絡み阻止部と、を備える。本体は、下部が開口された回転清掃体配置部と、軸受配置部と、を有する。回転清掃体は、清掃部材と、清掃部材の両端部に位置する支軸部と、を有し、支軸部が軸受配置部に回転可能に支持されて清掃部材が下部で接地可能に回転清掃体配置部に位置する。絡み阻止部は、回転清掃体配置部内であって少なくともいずれかの支軸部の少なくとも一部の下方に位置し、掃部材側からの塵埃の支軸部への絡み付きを阻止するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)は一実施形態の清掃具の
図5のI-I相当位置の断面図、(b)は
図5のII-II相当位置の断面図である。
【
図2】
図5のIII-III相当位置の断面図である。
【
図3】(a)は同上清掃具の蓋体を上方から示す斜視図、(b)は同上蓋体を下方から示す斜視図である。
【
図4】同上清掃具の回転清掃体を示す斜視図である。
【
図7】同上清掃具の内部構造を下方から示す斜視図である。
【
図8】同上清掃具を備える電気掃除機を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
図5及び
図7において、1は清掃具を示す。清掃具1は、本体10を有する。本体10には、駆動源11が配置されている。駆動源11の駆動力が本体10に回転可能に配置された回転清掃体12に対して伝達体13により伝達されて、回転清掃体12が回転される。回転清掃体12は、本体10に対し着脱可能となっている。清掃具1は、回転清掃体12の回転により床面等の被掃除部から塵埃を掻き出すように構成されている。以下、清掃具1を水平な被掃除部上に載置した状態を基準として、前後、左右、及び、上下の方向を規定する。図中において、矢印FR方向を前方向、矢印RR方向を後方向とし、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向とし、矢印U方向を上方向、矢印D方向を下方向とする。
【0009】
本体10は、例えば合成樹脂により形成されたケース体である。本実施形態では、本体10は複数のケース部に分割されており、それらケース部が組み合わせられて構成されている。図示される例では、本体10は、前後方向に短く、左右方向に長手状に形成されている。つまり、本体10は、横長である。本体10には、駆動源11の一部が位置する駆動源配置部100が形成されている。本実施形態において、駆動源配置部100は、本体10の内部に位置し、本体10の後部に形成されている。また、駆動源配置部100は、左右方向に長手状に形成されている。図示される例では、駆動源配置部100は、本体10の左右方向の一側、例えば左側に位置する。駆動源配置部100は、左右方向の寸法が本体10の半分程度に設定されている。駆動源配置部100には、外気取込口1000が形成されている。外気取込口1000は、例えば本体10の後部に開口されている。外気取込口1000から駆動源配置部100に取り込まれた外気により駆動源11が冷却されるように構成されている。
【0010】
また、本体10には、回転清掃体配置部101が形成されている。本実施形態において、回転清掃体配置部101は、本体10の前部に形成されている。図示される例では、回転清掃体配置部101は、本体10の最前部に位置する。回転清掃体配置部101は、前後方向において、本体10の最前部から、中央部よりも後部の位置に亘り形成されている。また、回転清掃体配置部101は、左右方向に長手状に形成されている。回転清掃体配置部101は、本体10の左右方向の中央部に位置し、中央部から左右に延びている。回転清掃体配置部101は、左右方向の寸法が本体10より僅かに小さい。本実施形態では、回転清掃体配置部101は、駆動源配置部100に隔壁1010を介して前後に隣接し、駆動源配置部100とは独立して形成されている。本実施形態では、隔壁1010には、回転清掃体配置部101と駆動源配置部100とを連通する連通口10100が形成されている。連通口10100は、外気取込口1000から駆動源配置部100に取り込まれた外気が駆動源配置部100から回転清掃体配置部101へと排気される開口部である。
【0011】
また、回転清掃体配置部101には、主開口部1011が形成されている。主開口部1011は、本体10及び回転清掃体配置部101の少なくとも下部に位置する。主開口部1011から回転清掃体12の一部が本体10の少なくとも下部に露出して、被掃除部に載置された状態で本体10の少なくとも下部の位置で被掃除部に接触可能となっている。主開口部1011は、左右方向に長手状に形成されている。また、主開口部1011は、前後方向において、本体10の最前部から、中央部よりも後部の位置に亘り形成されている。主開口部1011は、回転清掃体配置部101の左右方向及び前後方向の全体又は略全体に亘り開口されている。
【0012】
また、本体10には、軸受配置部102が形成されている。この軸受配置部102は、本実施形態において、少なくとも伝達体13が配置される伝達体配置部である。軸受配置部102は、本体10の一側、例えば左側に形成されている。図示される例では、軸受配置部102は、本体10の左側の端部に位置する。軸受配置部102は、前後方向に長手状に形成されている。つまり、軸受配置部102は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きい。軸受配置部102は、駆動源配置部100及び回転清掃体配置部101の一側に隔壁1020を介して左右方向に隣接している。隔壁1020は、駆動源配置部100の位置と回転清掃体配置部101の位置とで、別個に形成されていてもよいし、一体的に形成されていてもよい。
【0013】
また、
図6に示すように、軸受配置部102の下部には、開口部1021が形成されている。開口部1021は、回転清掃体12の一端部及び伝達体13の一部を露出させるものである。開口部1021は、主開口部1011とともに、回転清掃体12を本体10から取り外す際に利用されるメンテナンス用開口部又は底面開放空間である。本実施形態において、開口部1021は、主開口部1011と連なって形成されている。開口部1021は、蓋体103によって開閉可能となっている。
【0014】
図3(a)、
図3(b)、
図5及び
図6に示す蓋体103は、本体10の一部を構成するケース部である。蓋体103は、左右方向に狭く、前後方向に長手状に形成されている。蓋体103は、平面視で長方形状となっている。蓋体103には、開口部1021を覆った状態で蓋体103を本体10に係止するための係止部1030,1031が前後に形成されている。例えば、係止部1030,1031の一方は固定爪であり、他方は可動爪である。本実施形態において、前側の係止部1030は固定爪であり、後側の係止部1031は前後方向に弾性的な可動爪である。係止部1030を本体10に形成された係止受け部に係止し、係止部1031を本体10に形成された穴部である取付部104に押し込むことで、係止部1031が前方に弾性的に変形した後、復帰変形することにより取付部104の縁部に係止される。また、取付部104から露出する係止部1031を前方に押し込むことで、取付部104に対する係止部1031の係止が外れて、蓋体103が本体10から取り外し可能となる。
【0015】
また、蓋体103には、被掃除部での本体10の前後移動を補助する滑り部材1032と車輪1033とが前後に離れて配置されている。図示される例では、滑り部材1032は、蓋体103の前端部に位置し、車輪1033は蓋体103の後部寄りに位置して係止部1031に近接する。滑り部材1032は、被掃除部との摺動抵抗又は摩擦を低減するものである。滑り部材1032としては、例えば不織布が用いられる。車輪1033は、前後方向に回動可能となっている。
【0016】
さらに、
図5に示すように、本体10には、軸受配置部105が形成されている。図示される例では、軸受配置部105は、本体10の他側、例えば右側に形成されている。例えば、軸受配置部105は、本体10の右側の端部に位置する。すなわち、軸受配置部105は、回転清掃体配置部101を基準として、軸受配置部102とは反対側に位置する。軸受配置部105は、前後方向に長手状に形成されている。つまり、軸受配置部105は、左右方向の寸法よりも前後方向の寸法が大きい。軸受配置部105は、回転清掃体配置部101の他側に隔壁を介して左右方向に隣接している。したがって、回転清掃体配置部101の両側に軸受け配置部102,105が隣接する。この隔壁に形成された連通開口部を介して、軸受配置部105は回転清掃体配置部101と連通されている。軸受配置部105は、底壁部106により下部が覆われている。底壁部106は、回転清掃体配置部101と軸受配置部105との間の隔壁と一体的に形成されている。底壁部106は、前後方向に長手状に形成されている。底壁部106は、蓋体103と左右方向に略対称な形状となっている。底壁部106には、蓋体103の滑り部材1032及び車輪1033と同様の、滑り部材1060及び車輪1061が前後に取り付けられている。
【0017】
図6及び
図7に示すように、本体10の駆動源配置部100から軸受配置部102に亘り収容される駆動源11は、本実施形態において、給電により動作する電動部又はアクチュエータである。例えば、駆動源11は、電動機である。駆動源11は、駆動源本体部110を備える。駆動源本体部110は、円柱状の外観を有する。駆動源本体部110の内部に、ロータ及びステータが配置される。駆動源本体部110は、駆動源配置部100に配置されている。本実施形態において、駆動源本体部110は、軸方向を左右方向に沿わせて配置されている。また、駆動源本体部110は、駆動源配置部100において、支持部1001により支持されている。支持部1001は、例えば駆動源配置部100の長手方向と交差して前後方向に延びるリブ状に形成されている。
【0018】
駆動源本体部110の一端部は、駆動源配置部100と軸受配置部102との間の隔壁1020に隣接又は近接して位置する。本実施形態では、駆動源本体部110の一端部が、隔壁1020に形成された切り欠き部10200に嵌合されて支持されている。この駆動源本体部110の一端部から回転軸111が突出している。回転軸111は、ロータと一体的に形成され、駆動源本体部110と同軸状に位置する。回転軸111は、切り欠き部10200から軸受配置部102内に突出している。回転軸111の回転により、駆動力出力部112が回転される。
【0019】
駆動力出力部112は、軸受配置部102に位置する。図示される例では、駆動力出力部112は、回転軸111に同軸状に取り付けられたプーリである。本実施形態において、駆動力出力部112は、原動ギヤである。駆動力出力部112の外周部には、伝達体13と歯合されるギヤ歯部である歯合部1120が形成されている。歯合部1120は、駆動力出力部112の全周に亘り形成されている。歯合部1120により、駆動力出力部112の外周が平歯車状となっている。駆動力出力部112の外周に伝達体13が巻き掛けられている。
【0020】
また、
図6、
図7に示すように、本体10の回転清掃体配置部101から軸受配置部102及び軸受配置部105に亘り収容される回転清掃体12は、長手状に形成され、長手方向を左右方向に沿わせて配置されている。回転清掃体12は、長尺の基台120を有する。基台120は、主開口部1011の長手寸法と略等しい長さを有する。基台120には、被掃除部から塵埃を掻き出す清掃部材121が配置されている。清掃部材121は、基台120から径方向に放射状に突出している。清掃部材121は、基台120の周方向に複数、互いに離れて配置されている。清掃部材121は、基台120の一端部から他端部に亘り連なる壁状に配置されている。清掃部材121は、全長が回転清掃体配置部101に位置する。下部に位置する清掃部材121の先端部が、主開口部1011から本体10の少なくとも下方に突出するように配置される。図示される例では、清掃部材121は、基台120の一端部から他端部に亘り、周方向にねじれている。清掃部材121は、例えば毛ブラシでもよいし、弾性を有する部材により形成されたブレードでもよいし、それらを組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、清掃部材121は、基端部がまとめられて、基台120の外周面に形成された保持溝1200に保持されている。基台120及び清掃部材121からなる回転清掃体12の清掃体本体部が、主開口部1011に臨んで回転清掃体配置部101に位置する。清掃部材121は、少なくとも下部が主開口部1011から本体10の下面に対して下方に突出し、下部で被掃除部に接地可能となっている。
【0021】
図4に示すように、清掃部材121は、第一清掃部材121aと第二清掃部材121bとを有する。本実施形態において、第一清掃部材121aは、基台120からの径方向への突出長さが第二清掃部材121bよりも僅かに長く設定されている。図示される例では、回転清掃体12の周方向に、第一清掃部材121a、第一清掃部材121a、第二清掃部材121b、の順に並んでいる。すなわち、第一清掃部材121aと第二清掃部材121bとは回転清掃体12の周方向に交互配置されているとともに、第一清掃部材121aが第二清掃部材121bよりも多く配置されている。本実施形態において、第二清掃部材121bは、清掃部材121の先端部に付着した糸状ごみ等の塵埃DUが回転清掃体12の回転に伴い基台120側へ入り込むことを抑制する毛絡み抑制部材としての機能を有する。
【0022】
また、基台120の両端部には、受け板部である支軸部122,123が取り付けられている。すなわち、清掃部材121の両端部に支軸部122,123が位置する。
図7に示すように、支軸部122,123は、軸受124,125を介して本体10に支持される。図示される例では、支軸部122,123は、少なくとも一部が軸受配置部102,105に配置される。本実施形態では、支軸部122,123は、保持溝1200の端部を閉塞することで清掃部材121の保持溝1200からの脱落を防止して清掃部材121を保持溝1200に保持する清掃部材ストッパの機能を有する。
【0023】
支軸部122は、ガード部1220と、突起部1221と、連結部1222と、駆動力受け部1223と、支持軸1224と、を有する。ガード部1220は、清掃部材121側から支軸部122側への塵埃をガードする端板部である。ガード部1220は、例えば円形板状に形成されたフランジ部である。ガード部1220は、回転清掃体11の径方向、すなわち回動軸線Aに対して交差又は直交する方向に延びている。ガード部1220は、基台120の端面に当接し、基台120の軸方向に対して交差する方向に面状に配置される。ガード部1220と清掃部材121との間には、左右方向に僅かに隙間がある。ガード部1220には、突起部1221が形成されている。突起部1221は、保持溝1200の端部に挿入されて保持溝1200の端部を閉塞している。突起部1221の保持溝1200への挿入により、支軸部122が基台120の端部に一体的に固定される。突起部1221は、例えば複数形成され、ガード部1220の周方向に互いに離れて位置する。ガード部1220に対し、突起部1221と反対側に、連結部1222を介して、駆動力受け部1223が同軸状に一体的に形成されている。ガード部1220と駆動力受け部1223と連結部1222の外周との間に、空間部が形成されている。本実施形態では、この空間部の位置が、隔壁1020に形成された切り欠き部10201に位置する。そのため、支軸部122は、空間部よりもガード部1220側が回転清掃体配置部101に位置し、空間部よりも駆動力受け部1223側が軸受配置部102に位置する。
【0024】
駆動力受け部1223は、基台120と同軸状に配置されたプーリである。本実施形態において、駆動力受け部1223は、従動ギヤである。駆動力受け部1223は、円筒状に形成され、基台120又はガード部1220又は連結部1222とは反対側の端部が開口されている。駆動力受け部1223の外周部には、伝達体13と歯合されるギヤ歯部である歯合部12230が形成されている。歯合部12230は、駆動力受け部1223の全周に亘り形成されている。歯合部12230により、駆動力受け部1223の外周が平歯車状となっている。歯合部12230は、駆動源11の駆動力出力部112の外周の歯合部1120と、基本的に同形状の歯を有する。駆動力受け部1223の外周に伝達体13が巻き掛けられる。駆動力受け部1223は、軸受配置部102において、駆動源11の駆動力出力部112に対して前方に離れて位置する。駆動力受け部1223は、軸方向が駆動力出力部112と平行又は略平行となるように位置する。駆動力受け部1223の歯合部12230は、駆動力出力部112の歯合部1120と、左右方向に伝達体13の幅以上の所定幅でオーバーラップしている。
【0025】
また、
図7に示すように、駆動力受け部1223には、支持軸1224が同軸状に取り付けられている。支持軸1224の中心軸が、回転清掃体12の回転軸線Aをなす。支持軸1224は、基端部が連結部1222に固定され、先端部が駆動力受け部1223の端部の開口から突出している。
図6に示すように、支持軸1224は、駆動力受け部1223の内部に嵌合された軸受124に回転可能に保持されている。軸受124は、駆動力受け部1223の端部の開口から突出する部分が本体10の軸受配置部102に形成された保持部1023により保持される被保持部1240となっている。被保持部1240が保持部1023により前後及び/又は上下に挟み込まれて保持されることにより、軸受124が回り止めされた状態で本体10に保持される。保持部1023は、蓋体103により下部が開閉可能に覆われている。保持部1023の一部が蓋体103に形成されていてもよい。
【0026】
また、
図7に示す支軸部123は、ガード部1230と、突起部1231と、円筒部1232と、支持軸1233と、を有する。ガード部1230は、清掃部材121側から支軸部123への塵埃をガードする端板部である。ガード部1230は、例えば円形板状に形成されたフランジ部である。ガード部1230は、回転清掃体11の径方向、すなわち回動軸線Aに対して交差又は直交する方向に延びている。ガード部1230は、例えば円形板状に形成されている。ガード部1230は、基台120の端面に当接し、基台120の軸方向に対して交差する方向に面状に配置される。ガード部1230には、突起部1231が形成されている。突起部1231は、保持溝1200の端部に挿入されて保持溝1200の端部を閉塞している。突起部1231の保持溝1200への挿入により、支軸部123が基台120の端部に一体的に固定される。突起部1231は、複数形成され、ガード部1230の周方向に互いに離れて位置する。ガード部1230に対し、突起部1231と反対側に、円筒部1232が同軸状に一体的に形成されている。
【0027】
円筒部1232は、基台120又はガード部1230とは反対側の端部が開口されている。円筒部1232には、支持軸1233が同軸状に取り付けられている。支持軸1233の中心軸が、回転清掃体12の回転軸線Aをなす。すなわち、支持軸1233は、支持軸1224と同軸又は略同軸に配置されている。なお、支持軸1233と支持軸1224とは、別体でもよいし、一体に形成されて基台120の両端部に亘り挿通されていてもよい。本実施形態では、支持軸1233は、基端部が円筒部1232に固定され、先端部が円筒部1232の端部の開口から突出している。支持軸1233は、円筒部1232の内部に嵌合された軸受125に回転可能に保持されている。軸受125は、円筒部1232から突出する部分が、本体10にて
図2に示す軸受配置部105内に形成された保持部により回り止めされた状態で保持される被保持部1250となっている。被保持部1250が保持部より前後及び/又は上下に挟み込まれて保持されることにより、軸受125が回り止めされた状態で本体10に保持される。保持部は、軸受配置部105と回転清掃体配置部101との間の隔壁に形成された切り欠き部を介して回転清掃体配置部101又は主開口部1011側からアクセス可能となっている。
【0028】
図6及び
図7に示すように、本体10の軸受配置部102に収容される伝達体13は、所定幅及び所定厚みの帯状に形成されている。伝達体13の内面側又は裏面側に、歯合部130が形成されている。歯合部130は、駆動源11の駆動力出力部112に形成された歯合部1120及び回転清掃体12の駆動力受け部1223に形成された歯合部12230とそれぞれ歯合される。
【0029】
また、
図1ないし
図5に示すように、回転清掃体12の支軸部122,123の少なくともいずれかに対して、回転時に髪の毛等の糸状ごみが絡み付くことを阻止するための絡み阻止部14が配置されている。絡み阻止部14は、回転清掃体12の少なくともいずれか一方の支軸部、本実施形態では支軸部122の下方に位置し、回転清掃体配置部101の内部へと突出されて、支軸部122への塵埃の絡み付きを抑制する。絡み阻止部14は、下部が本体10の下面近傍に位置して、主開口部1011内に位置する。したがって、絡み阻止部14は、清掃具1又は本体10が被掃除部上に載置された状態で被掃除部に近接対向する位置にある。また、図示される例では、絡み阻止部14は、支軸部122のガード部1220に対して交差する位置まで回転清掃体配置部101に突出している。
【0030】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、絡み阻止部14は、端壁140を有する。端壁140は、前後方向に厚みを有する板状の除塵部である。
図2に示すように、端壁140は、回転清掃体12の清掃部材121に対して左右方向に当接している。つまり、端壁140は、清掃部材121の左右方向の端面、本実施形態では左側の端面に当接している。したがって、端壁140は、蓋体103の右側の縁部と支軸部122のガード部1220との間に亘り位置する。端壁140は、正面から見て、ガード部1220の外縁部を一側面と他側面とに亘り囲むようにコ字状又は凹字状をなし、ガード部1220の一側面及び他側面と近接している。すなわち、端壁140は、支軸部122のガード部1220と対向する上部が開口されて形成されている。
【0031】
さらに、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、端壁140は、回転清掃体12の清掃部材121の仮想外周円Cの最下点Pに対し、回転清掃体12の回転方向の前側に位置する。ここで、仮想外周円Cとは、回転軸線Aを中心として回転した回転清掃体12の清掃部材121の先端部が描く軌跡を軸方向に見た仮想円である。最下点Pは、仮想外周円Cの中心、すなわち回転清掃体12の回転軸線Aを通る仮想鉛直面と仮想外周円Cとが交差する位置である。したがって、最下点Pは、回転清掃体12の回転軸線Aの直下にある。端壁140において、回転清掃体12の回転方向の前側とは、回転清掃体12の最下点Pを通る仮想鉛直面すなわち最下点Pと回動軸線Aとを含む仮想面に対し、被掃除部に向かう方向に回転する側に位置することを言う。本実施形態においては、回転清掃体12が例えば矢印X方向に回転される例を挙げる。この場合、端壁140は、少なくとも最下点Pに対して図中の左側に位置する。図示される例では、端壁140は、最下点Pに対して回転清掃体12の回転方向の前側及び後側にそれぞれ形成されている。これに限らず、回転清掃体12は、矢印Xとは反対方向に回転されてもよいし、清掃具1又は本体10の被掃除部上での前進及び後進に応じて、回転清掃体12の回転方向が変更されてもよい。端壁140は、回転清掃体12の回転方向のそれぞれに応じて、最下点Pに対し回転方向の少なくとも前側に配置されていればよい。本実施形態では、絡み阻止部14全体が、回転清掃体12の軸方向に見て、仮想外周円Cの内側に位置する。
【0032】
また、
図2、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、絡み阻止部14は、端壁140に連なる側壁141を有する。側壁141は、端壁140の端部から支軸部のガード部、本実施形態では、支軸部122のガード部1220に沿って形成されている。側壁141は、ガード部1220に対して清掃部材121側に位置し、前後方向に延びて、ガード部1220と平行又は略平行に位置する。側壁141は、清掃部材121の端面と当接可能となっている。
図1(a)に示すように、側壁141は、仮想外周円Cの最下点Pよりも前方から後方まで延びている。本実施形態では、側壁141は、前後方向又は回転清掃体12の回転方向において、清掃部材121が被掃除部に接触する範囲すなわち接地範囲に延びている。側壁141の上端部は、ガード部1220の下端部よりも上方に位置している。側壁141は、軸方向に見て、ガード部1220の外縁部と径方向にオーバーラップしている。そのため、
図2に示すように、側壁141とガード部1220とにより、回転清掃体12又は支軸部122の軸方向に、径方向に蛇行するように入り組んだラビリンス状の構造が構成されている。また、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、側壁141は、前後方向に湾曲して形成されている。図示される例では、側壁141は、回転清掃体12の回転方向に沿って円弧状に湾曲している。
【0033】
さらに、絡み阻止部14は、端壁140と側壁141との下部を覆うカバー部142を有する。カバー部142は、前後方向に延びて位置する。本実施形態において、カバー部142は、本体10の前後方向において下方に凸状に湾曲して形成されている。図示される例では、カバー部142は、回転清掃体12の回転方向に沿って円弧状に湾曲する円筒面状となっている。すなわち、カバー部142は、前後両端部が前後方向の中央部よりも上方に位置する。カバー部142は、絡み阻止部14の最下部を構成している。本実施形態において、カバー部142は、前後方向の中央部である最下部が、軸方向に見て仮想外周円Cの最下点Pにある。また、カバー部142は、蓋体103の下面又は本体10の下面に対して、下方に突出しない位置にある。
【0034】
好ましくは、絡み阻止部14は、清掃具1の使用状態では、回転清掃体配置部101内であって少なくともいずれかの支軸部、本実施形態では回転清掃体12の支軸部122の少なくとも一部の下方に位置しつつ、回転清掃体12を本体10から取り外す等のメンテナンス時には、回転清掃体12の少なくともいずれかの支軸部、本実施形態では回転清掃体12の支軸部122の少なくとも一部の下方から、少なくとも本体10から回転清掃体12を取り外し可能となる位置又は回転清掃体12の少なくともいずれかの支軸部、本実施形態では回転清掃体12の支軸部122を露出させる位置に移動可能となるように構成されている。本実施形態では、絡み阻止部14は、本体10に対し着脱可能となっている。
図6に示すように、絡み阻止部14は、蓋体103と一体的に形成され、蓋体103とともに本体10に対し着脱可能となっている。絡み阻止部14の本体10からの取り外しにより、絡み阻止部14が、少なくとも本体10から回転清掃体12を取り外し可能となる位置にまで移動する。
【0035】
本実施形態では、絡み阻止部14は、蓋体103の回転清掃体配置部101側の縁部に端壁140とカバー部142とが連なって一体的に形成され、側壁141が蓋体103の回転清掃体配置部101側の縁部から左右方向に離れている。また、絡み阻止部14は、蓋体103の前後方向において、滑り部材1032と車輪1033との間に位置する。これに限らず、絡み阻止部14は、蓋体103とは別個に本体10から取り外すことで回転清掃体12の支軸部122の少なくとも一部の下方から回転清掃体12の支軸部122を露出させる位置へと移動可能となっていてもよいし、ヒンジやスライド機構等の接続部により本体10又は蓋体103に接続されて、接続部により回転清掃体12の支軸部122の少なくとも一部の下方から支軸部122に対向しない又は支軸部122を露出させる位置へと移動可能としてもよい。
【0036】
そして、本体10は、
図5に示す操作部接続部15により、操作部と接続されて電気掃除機2(
図8に示す)に用いられる。操作部接続部15は、本体10の後部の左右方向の中央部に接続されている。好ましくは、操作部接続部15は、本体10に対して回動可能に接続されている。本体10の後部には、操作部接続部15の下方に、後方へと突出する突出部16が形成されている。突出部16の後端部には、車輪160が前後方向に回転可能に取り付けられている。
【0037】
本実施形態において、清掃具1は、吸込口体である。
図8に示す例では、操作部接続部15は、長尺の風路体である延長管を介して吸引源と流体的に連通する接続管である。すなわち、本実施形態では、延長管が操作部接続部15に接続される操作部20であって、操作部接続部15が操作部20を介して吸引源21と流体的に連通する。
図5に示すように、本体10には、操作部接続部15と流体的に連通する連通部107が形成されている。連通部107は、本体10の下部において、回転清掃体配置部101の後部に隣接して位置する。連通部107は駆動源配置部100の下方にあり、駆動源配置部100の底部により駆動源配置部100とは上下に仕切られている。連通部107は、左右方向に長手状に形成されている。また、連通部107は、回転清掃体配置部101よりも前後に短く形成されている。本実施形態では、連通部107は、左右両側部が本体10の左右両側部に開口されている。図示される例では、連通部107は、蓋体103に左右方向に形成された溝部1034及び底壁部106に左右方向に形成された溝部1062を介して、本体10の左右両側部の外方と流体的に連通している。溝部1034は、車輪1033の後方、かつ、係止部1031の前方にある。溝部1062は、車輪1061の後方にある。
【0038】
また、連通部107は、回転清掃体配置部101に対し、左右方向に延びる仕切り部1070によって前後に仕切られている。仕切り部1070は、主開口部1011の後縁部をなしている。本実施形態において、仕切り部1070には、回転清掃体12を本体10から取り外す際の回転清掃体12との干渉を避けるための凹部10700が形成されている。凹部10700は、仕切り部1070の左側の前部、すなわち回転清掃体配置部101内に形成されている。凹部10700は、回転清掃体12の支軸部122のガード部1220の後方に位置する。
【0039】
仕切り部1070の下端部は、本体10の下面に対して上方に離れている。そのため、連通部107の下部から回転清掃体配置部101の下部に亘り繋がる空間として、塵埃を集めるための集塵口108が形成されている。本実施形態において、集塵口108は、空気とともに塵埃を吸い込む吸込口である。集塵口108は、少なくとも主開口部1011を含む開放空間である。集塵口108は、左右方向に長手状に形成されている。
【0040】
集塵口108の後部に沿って、シール部材109が配置される。シール部材109は、本体10又は清掃具1が被掃除部に載置された状態で、下端部が被掃除部に密着して集塵口108の後部を被掃除部に対してシールする。シール部材109は、例えば毛ブラシが左右方向に延びる壁状にまとめられて形成されている。
【0041】
なお、連通部107に代えて、回転清掃体配置部101が直接操作部接続部15と流体的に連通する吸込溝として形成されていてもよい。その場合、主開口部1011が吸込口として機能する。
【0042】
本実施形態において、
図8に示す電気掃除機2は、吸引源21により発生させた負圧によって生じる吸引力により被掃除部から吸い込んだ塵埃を集塵部22に集積する、吸引型の掃除機である。吸引源21の動作、つまり電気掃除機2の運転のオンオフ等は、操作スイッチ23により操作される。操作スイッチ23は、制御部である本体制御手段24と電気的に接続されている。本体制御手段24としては、マイクロコンピュータが好適に用いられる。本体制御手段24は、例えば中央処理装置としてのCPUや、一時記憶装置としてのRAM、記憶装置としてのEEPROM、ROMや、入出力インタフェース等がバスを介して接続されて構成されている。そして、操作スイッチ23の操作により吸引源21の動作のオンオフ等が本体制御手段24に設定され、その設定に応じて本体制御手段24が吸引源21等を制御する。つまり、操作スイッチ23の操作に応じて、電気掃除機2の運転の開始及び終了、又は、掃除の開始及び終了が設定される。本実施形態では、電気掃除機2の運転中において、操作スイッチ23の操作に応じて、回転清掃体12の駆動のオンオフも設定され、その設定に応じて本体制御手段24が駆動源11を制御する。これに限らず、例えば操作スイッチ23とは別途の回転清掃体12の駆動のオンオフ用の操作スイッチを備えていてもよいし、清掃具1に駆動源11の制御用の制御部が本体制御手段24とは別途配置されていてもよい。
【0043】
集塵部22は、吸引源21の吸気側と連通し、吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離捕集する分離部である。集塵部22は、フィルタ等の濾過手段でもよいし、サイクロン分離部や慣性分離部等でもよい。
【0044】
図示される例では、電気掃除機2は、スティック型掃除機である。電気掃除機2は、掃除機本体25を有する。本実施形態では、掃除機本体25に吸引源21、集塵部22、操作スイッチ23、及び、本体制御手段24が配置されている。
【0045】
掃除機本体25には、使用者が把持可能な把持部250が形成されている。本実施形態において、掃除機本体25は、長手状に形成され、把持部250が掃除機本体25の長手方向に沿って配置されている。好ましくは、把持部250に操作スイッチ23が配置され、把持部250を把持した手で使用者が操作スイッチ23を操作可能となっている。
【0046】
また、掃除機本体25には、集塵部22と流体的に連通する接続口である本体吸込口251が形成されている。本体吸込口251に、操作部20である直管状の延長管が接続されている。本体吸込口251に接続された操作部20を介して、清掃具1が把持部250によって被掃除部上で操作される。なお、清掃具1の操作部接続部15は、本体吸込口251に直接着脱可能でもよい。
【0047】
また、掃除機本体25には、吸引源21の排気側と流体的に連通する本体排気口252が形成されている。集塵部22で塵埃が分離された空気が本体排気口252から排出される。
【0048】
吸引源21、本体制御手段24、及び、駆動源11等の被給電部は、掃除機本体25に配置された電源部26から給電を受ける。本実施形態において、電気掃除機2は、電源部26として例えば電池が用いられるコードレス式のものを例に挙げるが、これに限らず、商用電源から電力を取るコードリール装置等が電源部26として用いられてもよい。
【0049】
次に、一実施形態の電気掃除機2による掃除動作を説明する。
【0050】
ユーザが吸引源21の駆動用すなわち運転開始用の操作スイッチ23を操作すると、その操作スイッチ23の操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に応じて、吸引源21を動作させる信号を生成し、電源部26から供給される電力を制御して吸引源21を動作させる。
【0051】
ユーザは、把持部250を把持して電気掃除機2を操作し、所望の被掃除部から塵埃を掃除する。例えば清掃具1を床面等の被掃除部上で前後等に移動させ、吸引源21の動作により生じた負圧によって、床面等の被掃除部から集塵口108を介して塵埃を空気とともに吸い込む。吸い込まれた含塵空気は、操作部20から本体吸込口251を介して集塵部22へと吸い込まれ、集塵部22で塵埃が分離捕集される。塵埃が分離された空気は、吸引源21を通過して吸引源21を冷却した後、本体排気口252から掃除機本体25の外部へと排出される。
【0052】
特に絨毯等の毛足が長い被掃除部の場合、内部に入り込んだ塵埃をより効率よく描き出すために、ユーザは、駆動源11又は回転清掃体12の駆動用の操作スイッチ23を操作して清掃具1の回転清掃体12を回転駆動させ、塵埃を被掃除部から掻き上げることで、除塵を補助することが可能である。
【0053】
具体的に、ユーザが駆動源11又は回転清掃体12の駆動用の操作スイッチ23を操作すると、その操作スイッチ23の操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に応じて、駆動源11を動作させる信号を生成し、電源部26から供給される電力を制御して駆動源11を動作させる。駆動源11では、入力された信号に応じた回転数で回転軸111が回転することにより、回転軸111に同軸状に取り付けられた駆動力出力部112も一体的に回転する。そのため、駆動源11の駆動力出力部112と回転清掃体12の駆動力受け部1223とに亘り巻き掛けられた伝達体13が、駆動力出力部112の回転に伴い歯合部1120,130の歯合によって回転することにより、歯合部130,12230の歯合によって駆動力受け部1223が回転する。すなわち、駆動源11の駆動力が伝達体13によって回転清掃体12へと伝達されて、回転清掃体12が回転する。回転清掃体12が回転することで、被掃除部に接触した清掃部材121が被掃除部に入り込んだ塵埃を掻き上げる。掻き上げられた塵埃は、主開口部1011及び集塵口108に作用する吸引源21の負圧の作用によって、操作部接続部15から操作部20を介して集塵部22へと運ばれる。
【0054】
このとき、
図4に示すように、回転清掃体12の清掃部材121には、被掃除部から掻き上げた糸状ごみ等の塵埃DUが先端部に付着する場合がある。回転清掃体12の回転に伴い、塵埃DUは回転清掃体12に螺旋状に絡み付き、清掃部材121の端部側へと移動しようとするとともに、回転清掃体12の中心側、すなわち基台120側である清掃部材121の根元へと入り込もうとする。特に、清掃部材121が螺旋状に配置されている場合には、被掃除部と清掃部材121の先端部との接触位置が回転清掃体12の回転に伴い一端部側から他端部側へと徐々に移動するため、塵埃DUが端部側へと移動しやすい構造となっている。また、本実施形態のように、清掃部材121に絡み抑制部材の機能を有する第二清掃部材121bが設定されている場合、塵埃が清掃部材121の根元へと入り込む以上に清掃部材121の端部に向かって移動しようとする傾向が強い。清掃部材121の端部へと移動した塵埃DUは、清掃部材121の端部よりも外方まで移動すると、清掃部材121の端部に位置する支軸部122又は支軸部123へと巻き付こうとする。
【0055】
そこで、本実施形態では、回転清掃体配置部101内であって少なくともいずれかの支軸部、例えば支軸部122の少なくとも一部の下方に、清掃部材121側からの塵埃の支軸部122への絡み付きを阻止するための絡み阻止部14を備えることで、清掃部材121により被掃除部から掻き上げた塵埃が回転清掃体12の回転に伴い清掃部材121の端部の支軸部122側へと移動したときに、絡み阻止部14がこの塵埃を堰き止め、巻き付こうとするきっかけ又は発端を阻害するため、回転清掃体12の支軸部122への塵埃の絡み付きを抑制できる。
【0056】
また、支軸部122が、回転清掃体11の径方向に延びて清掃部材121側からの塵埃をガードするためのガード部1220を備えていることで、塵埃が支軸部122に絡み付きにくくなっているだけでなく、絡み阻止部14が、ガード部1220に対して交差する位置で回転清掃体配置部101内に突出することで、清掃部材121側から塵埃がさらにガード部1220を超えて支軸部122に絡み付こうとするきっかけ又は発端を阻害できる。
【0057】
絡み阻止部14が清掃部材121に対し接触可能であるため、回転清掃体12の回転に伴い、絡み阻止部14と清掃部材121との接触によって清掃部材121から絡み阻止部14が塵埃を除去し、塵埃の絡み付きをより確実に抑制できる。
【0058】
絡み阻止部14の少なくとも一部、本実施形態では端壁140が清掃部材121の仮想外周円の最下点よりも回転清掃体12の回転方向の前側に位置するため、回転清掃体12の回転に伴い清掃部材121が最下点の前側の位置で被掃除部に接触して被掃除部から塵埃を掻き取った直後の位置で、清掃部材121に付着した塵埃DUを絡み阻止部14が除塵できる。したがって、絡み阻止部14により、清掃部材121に付着した塵埃が支軸部122側へと移動する猶予を与えることなく、塵埃の支軸部122への絡み付きを効果的に抑制できる。
【0059】
絡み阻止部14を、清掃部材121の接地範囲に亘り配置することで、回転清掃体12の清掃部材121に付着した塵埃が被掃除部と清掃部材121との接触によって支軸部122側へと移動することを確実に阻止できる。
【0060】
絡み阻止部14に、支軸部122のガード部1220に沿って側壁141を形成することで、ガード部1220の清掃部材121側を側壁141の一部によって覆い、広い面積で清掃部材121側から支軸部122側への塵埃の入り込みを阻止できるとともに、絡み阻止部14によって清掃部材121から掻き落とした塵埃が絡み阻止部14の内側から支軸部122側に侵入することを抑制できる。
【0061】
また、絡み阻止部14に側壁141と連なり下部を覆うカバー部142を形成することで、絡み阻止部14によって清掃部材121から掻き落とした塵埃が絡み阻止部14の下方から直接入り込むことを阻止できる。
【0062】
端壁140を、ガード部1220の外形に沿うコ字状又は凹字状とすることで、端壁140とガード部1220との隙間を狭くして、絡み阻止部14の外側から内側へと塵埃が入り込むことを阻止できる。
【0063】
したがって、塵埃が支軸部122に絡み付くことで回転清掃体12の円滑な回転を妨げたり回転清掃体12の回転を強制停止つまりロックしたりすることを、絡み阻止部14によって抑制できる。
【0064】
また、カバー部142が本体10の前後方向において下方に凸状に湾曲していることで、カバー部142を橇面として作用させ、清掃具1又は本体10を被掃除部上で前後に移動させたときの被掃除部との摺動抵抗を抑制し、清掃具1又は本体10を被掃除部上で円滑に移動させることが可能になるとともに、清掃具1又は本体10を被掃除部上で前後に移動させたときにカバー部142の前後端部の位置に被掃除部の塵埃が引っ掛かったりその塵埃が絡み阻止部14の内部に入り込んだりすることを防止できる。
【0065】
回転清掃体12の回転を停止する際には、ユーザが駆動源11又は回転清掃体12の停止用の操作スイッチ23を操作することで、その操作に応じた信号が本体制御手段24に入力され、本体制御手段24において、入力された信号に基づき、駆動源11を停止させる信号を生成し、その信号により駆動源11が停止することで、回転清掃体12の回転が停止する。
【0066】
また、掃除を終了する際には、ユーザが吸引源21の停止用すなわち運転停止用の操作スイッチ23を操作することで、その操作に応じた信号が本体制御手段24に入力される。本体制御手段24では、入力された信号に基づき、吸引源21を停止させる信号を生成し、その信号により吸引源21が停止する。なお、回転清掃体12を駆動したままユーザが吸引源21の停止用すなわち運転停止用の操作スイッチ23を操作した場合には、本体制御手段24において、入力された信号に基づき、駆動源11を停止させる信号を生成し、その信号により駆動源11が停止することで、回転清掃体12の回転も停止する。
【0067】
清掃具1のメンテナンスの際には、回転清掃体12を本体10から取り外し可能な位置へと絡み阻止部14を移動させて、回転清掃体12を本体10から取り外すことができる。本実施形態の場合、少なくともいずれかの軸受配置部、本実施形態では軸受配置部102の下部を開閉可能な蓋体103と一体的に絡み阻止部14を形成することで、蓋体103を本体10から取り外して軸受配置部102を開放すると同時に絡み阻止部14を、支軸部122を露出させて回転清掃体12を取り外し可能な位置へと移動させることができるため、本体10からの回転清掃体12の取り外しを簡素な構成で容易に実現可能となる。しかも、絡み阻止部14を蓋体103とは別個に形成する場合と比較して、取り外した絡み阻止部14を紛失しにくくなる。
【0068】
具体的に、ユーザは、取付部104から露出する蓋体103の係止部1031を付勢に抗して前方に押し込むことにより、取付部104に対する係止部1031の係止を解除し、そのまま係止部1030を支点として蓋体103の後部を本体10から離れる方向に回動させることで、蓋体103を本体10から取り外す。この蓋体103の取り外しにより、蓋体103と一体的に形成された絡み阻止部14も本体10から取り外されて開口部1021が開放され、本体10に対し保持部1023によって回転可能に保持されている回転清掃体12の駆動力受け部1223が露出する。ユーザは、駆動力受け部1223に巻き掛けられている伝達体13を駆動力受け部1223に対して軸方向の外方、本実施形態では左側にずらして取り外すことで、回転清掃体12の支軸部122を本体10から取り外すことが可能になる。そこで、回転清掃体12の支軸部122側を軸受配置部102の保持部1023から外して本体10から持ち上げ、支軸部123側を支軸部122側にずらして軸受配置部105の保持部から外すことで、回転清掃体12を本体10から取り外すことができる。
【0069】
本体10から取り外した回転清掃体12は、付着した塵埃を除去し、取り外したときと逆順で本体10に取り付けることができる。
【0070】
そして、このように回転清掃体12の円滑な回転が塵埃によって妨げられにくく、メンテナンス性が良好な清掃具1を備えることで、高い除塵性能を有し使い勝手が良好な電気掃除機2を提供できる。
【0071】
なお、上記の一実施形態において、電気掃除機2は、スティック型のものに限らず、床走行型又はキャニスタ型のものや、ハンディ型のもの等でもよい。キャニスタ型の電気掃除機2の場合、清掃具1の操作部接続部15には、延長管及びホース体からなる風路管の延長管の端部が装着され、ホース体等に配置された把持部を使用者が把持して清掃具1を操作可能となる。また、ハンディ型の電気掃除機2の場合、清掃具1の操作部接続部15には、把持部を有する掃除機本体が装着され、掃除機本体の把持部を使用者が把持して清掃具1を操作可能となる。
【0072】
また、絡み阻止部14は、支軸部122の下方に配置されているものに限らず、支軸部123の下方に配置されていてもよいし、支軸部122,123のそれぞれの下方に配置されていてもよい。
【0073】
さらに、駆動源11は、電動機に限らず、負圧により生じる吸引力を駆動力に変換するエアタービン等、回転清掃体12を回転させる駆動力を生じる任意のものを用いてよい。
【0074】
また、電気掃除機2は、吸引源21により負圧又は吸引力を生じさせるものに限らず、回転清掃体12の回転により塵埃を集塵部22に掻き上げて集積するものでもよい。この場合、操作部接続部15に接続される操作部は、単なる棒体、あるいは工具等でもよい。
【0075】
さらに、清掃具1は、自走式電気掃除機に適用してもよい。その場合、本体10が自律走行可能な掃除機本体と一体的に形成されていることで、操作部接続部が不要となる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1 清掃具
2 電気掃除機
10 本体
12 回転清掃体
14 絡み阻止部
101 回転清掃体配置部
102,105 軸受配置部
103 蓋体
121 清掃部材
122,123 支軸部
141 側壁
142 カバー部
1220,1230 ガード部
C 仮想外周円
P 最下点