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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024114494
(43)【公開日】2024-08-23
(54)【発明の名称】光増幅装置および光増幅方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240816BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023020297
(22)【出願日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】澤 卓
(72)【発明者】
【氏名】向井 進
(72)【発明者】
【氏名】神田 修
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AM08
5F172BB35
5F172BB46
5F172BB48
5F172BB58
5F172BB84
5F172BB86
5F172BB87
5F172BB88
5F172BB94
5F172ZA02
(57)【要約】
【課題】励起光から信号光への変換効率を向上可能な光増幅装置及び光増幅方法を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る光増幅装置は、入力ポートから入力された信号光を増幅して出力ポートに向けて出力する光増幅ファイバと、光増幅ファイバに入力する励起光を出力するレーザダイオードと、光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出器と、光検出器の検出結果が所定範囲内になるようにレーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御部と、レーザダイオードを駆動している駆動電流をモニタする電流モニタ部と、電流モニタ部のモニタ結果に応じて光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整するための偏波調整部と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ポートから入力された信号光を増幅して出力ポートに向けて出力する光増幅ファイバと、
前記光増幅ファイバに入力する励起光を出力するレーザダイオードと、
前記光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出器と、
前記光検出器の検出結果が所定範囲内になるように前記レーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御部と、
前記レーザダイオードを駆動している前記駆動電流をモニタする電流モニタ部と、
前記電流モニタ部のモニタ結果に応じて前記光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整するための偏波調整部と、
を備える、
光増幅装置。
【請求項2】
前記電流モニタ部は、前記レーザダイオードを駆動している前記駆動電流が基準値より上昇しているか否かを判定し、
前記偏波調整部は、前記駆動電流が基準値より上昇している場合に、前記信号光の偏波状態を調整する、
請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
警告を出力する警告部を更に備え、
前記電流モニタ部は、前記駆動電流が上限値を超えているか否かを判定し、
前記警告部は、前記電流モニタ部において、前記駆動電流が上限値を超えていると判定された場合に、警告を出力する、
請求項1または2に記載の光増幅装置。
【請求項4】
入力ポートからの信号光とレーザダイオードからの励起光を光増幅ファイバに入力することによって前記信号光を増幅する光増幅工程と、
前記光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出工程と、
前記光検出工程の検出結果に基づいて、前記出力光の光出力レベルが所定範囲内か否かを判定する光出力レベル判定工程と、
前記光出力レベル判定工程において、前記光出力レベルが前記所定範囲外であると判定された場合、前記光出力レベルが前記所定範囲内になるように前記レーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御工程と、
前記レーザダイオードを駆動している駆動電流を検出する電流検出工程と、
前記検出結果に応じて、前記光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整する調整工程と、
を備える、
光増幅方法。
【請求項5】
前記信号光を前記入力ポートに供給する信号光伝送部が前記入力ポートに接続された際に、前記調整工程を実施する、
請求項4に記載の光増幅方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置および光増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルテレビ等のための光通信ネットワークでは、信号光を増幅する光増幅装置が用いられている。このような光増幅装置の一例は、特許文献1に開示されているように、光増幅ファイバを用いた装置である。光増幅ファイバを用いた光増幅装置は、光増幅ファイバに信号光と励起光を入力することによって信号光を増幅する。特許文献1に開示されているように、光増幅ファイバから出力される増幅光の光出力レベルが一定になるように、増幅光の光出力レベルはモニタされており、モニタ結果に応じて励起光を出力するレーザダイオードの駆動電流が制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-114628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光増幅装置では、上記のように光出力レベルをモニタしながら駆動電流をフィードバック制御することにより、一定の光出力レベルを実現可能である。このように、一定の光出力レベルを維持できていても、励起光から信号光への変換効率が低下している場合があった。
【0005】
そこで、本開示は、励起光から信号光への変換効率を向上可能な光増幅装置及び光増幅方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る光増幅装置は、入力ポートから入力された信号光を増幅して出力ポートに向けて出力する光増幅ファイバと、前記光増幅ファイバに入力する励起光を出力するレーザダイオードと、前記光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出器と、前記光検出器の検出結果が所定範囲内になるように前記レーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御部と、前記レーザダイオードを駆動している前記駆動電流をモニタする電流モニタ部と、前記電流モニタ部のモニタ結果に応じて前記光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整するための偏波調整部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、励起光から信号光への変換効率を向上可能な光増幅装置及び光増幅方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る光増幅装置の概略構成を説明するための模式図である。
図2図2は、図1に示した光増幅装置が有する光増幅ファイバの構成の一例を説明するための断面図である。
図3図3は、図1に示した光増幅装置が有する光増幅ファイバの構成の他の例を説明するための断面図である。
図4図4は、図1に示した光増幅装置が有する光増幅ファイバの構成の更に他の例を説明するための断面図である。
図5図5は、一実施形態に係る光増幅方法で実施される駆動電流を調整するための工程を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、一実施形態に係る光増幅方法で実施される信号光の偏波を調整するための工程を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、光増幅装置の変形例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0010】
[1]本開示の一側面に係る光増幅装置は、入力ポートから入力された信号光を増幅して出力ポートに向けて出力する光増幅ファイバと、前記光増幅ファイバに入力する励起光を出力するレーザダイオードと、前記光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出器と、前記光検出器の検出結果が所定範囲内になるように前記レーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御部と、前記レーザダイオードを駆動している前記駆動電流をモニタする電流モニタ部と、前記電流モニタ部のモニタ結果に応じて前記光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整するための偏波調整部と、を備える。
【0011】
上記[1]に記載の光増幅装置では、ダイオードレーザから励起光を出力した状態において、入力ポートに信号光が入力された場合、信号光と励起光とが光増幅ファイバに入力される。これによって、光増幅ファイバによって増幅された信号光が光増幅ファイバから出力される。光増幅ファイバからの出力光の一部は、光検出器によって検出される。電流制御部は、光検出器の検出結果が所定範囲内になるようにダイオードレーザを駆動する駆動電流を制御する。そのため、上記光増幅ファイバから一定の光出力レベルの増幅光を出力できる。上記[1]に記載の光増幅装置は、電流モニタ部を備えている。電流モニタ部は、レーザダイオードを駆動している駆動電流をモニタする。上記[1]に記載の光増幅装置は偏波調整部を備えていることから、電流モニタ部のモニタ結果に応じて光増幅ファイバに入力する信号光の偏波状態を調整できる。信号光の偏波状態は、光増幅ファイバにおける励起光から信号光への変換効率に影響を与えることから、信号光の偏波状態を調整可能な上記光増幅装置では、励起光から信号光への変換効率の向上を実現可能である。
【0012】
[2]上記[1]に記載に光増幅装置において、前記電流モニタ部は、前記レーザダイオードを駆動している前記駆動電流が基準値より上昇しているか否かを判定し、前記偏波調整部は、前記駆動電流が基準値より上昇している場合に、前記信号光の偏波状態を調整してもよい。駆動電流が基準値より上昇している場合、励起光から信号光への変換効率は低下していると考えられる。そのため、駆動電流が基準値より上昇している場合に信号光の偏波状態を調整することによって、励起光から信号光への変換効率を維持し易い。
【0013】
[3]上記[1]または[2]に記載の光増幅装置は、警告を出力する警告部を更に備え、 前記電流モニタ部は、前記駆動電流が上限値を超えているか否かを判定し、前記警告部は、前記電流モニタ部において、前記駆動電流が上限値を超えていると判定された場合に、警告を出力してもよい。駆動電流が上記上限値を超えている場合、上記偏波調整部による信号光の偏波状態で調整できない程度の不具合が光増幅ファイバに生じている可能性がある。上記[3]に記載の光増幅装置では、駆動電流が上記上限値を超えている場合に警告を出力できるので、光増幅ファイバの交換などの処置を迅速に実施可能である。
【0014】
[4]本開示の他の側面に係る光増幅方法は、入力ポートからの信号光とレーザダイオードからの励起光を光増幅ファイバに入力することによって前記信号光を増幅する光増幅工程と、前記光増幅ファイバからの出力光の一部を検出する光検出工程と、前記光検出工程の検出結果に基づいて、前記出力光の光出力レベルが所定範囲内か否かを判定する光出力レベル判定工程と、前記出力レベル判定工程において、前記光出力レベルが前記所定範囲外であると判定された場合、前記光出力レベルが前記所定範囲内になるように前記レーザダイオードを駆動する駆動電流を制御する電流制御工程と、前記レーザダイオードを駆動している駆動電流を検出する電流検出工程と、前記検出結果に応じて、前記光増幅ファイバに入力される前記信号光の偏波状態を調整する調整工程と、を備える。
【0015】
上記[4]に記載の光増幅方法では、上記光増幅工程、上記光検出工程、上記出力レベル判定工程および電流制御工程を備えていることから、上記所定範囲内の光出力レベルを有するように、光増幅ファイバによって信号光を増幅できる。上記[4]に記載の光増幅方法は、上記電流検出工程および上記調整工程を備えていることから、電流検出工程における検出結果に応じて光増幅ファイバに入力される信号光の偏波状態を調整できる。信号光の偏波状態は、光増幅ファイバにおける励起光から信号光への変換効率に影響を与えることから、信号光の偏波状態を調整可能な上記光増幅装置では、励起光から信号光への変換効率の向上を実現可能である。
【0016】
[5]上記[4]に記載の光増幅方法において、前記信号光を前記入力ポートに供給する信号光伝送部が前記入力ポートに接続された際に、前記調整工程を実施してもよい。この場合、信号光伝送部が入力ポートに接続されたときから、励起光を効率的に信号光に変換できる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1は、一実施形態に係る光増幅装置の概略構成を示す模式図である。図1に示された光増幅装置10は、入力ポート12aに入力された信号光を増幅し、この増幅光を出力ポート12bから出力する。光増幅装置10は、光ファイバを用いた光通信ネットワークに用いられる。
【0019】
本実施形態に係る光増幅装置10は、入力ポート12aから出力ポート12bへ向かって順に配置された偏波コントローラ(偏波制御部)14、光分配器16a、光アイソレータ18a、光合波器20、光増幅ファイバ22、残留光放出ファイバ24、光アイソレータ18b及び光分配器16bを備える。光増幅装置10は、光検出器26a、光検出器26b、励起光源28、制御部30および警告部32を更に有する。
【0020】
本実施形態では、光増幅ファイバ22は、希土類元素イオンとしてエルビウム(Er)イオンが添加された希土類ドープファイバである。この場合、光増幅装置10は、エルビウムドープ光ファイバアンプ(EDFA:Erbium Doped optical Fiber Amplifier)である。光アイソレータ18aおよび光アイソレータ18bは、入力ポート12aから出力ポート12bに向かう順方向に光を伝播させる一方、逆方向には光を伝播させないための部品である。光増幅装置10が有する各要素における光の伝播には光ファイバが用いられている。図1中の黒丸は、光増幅装置10が有する要素間の接続箇所を示している。各要素の接続には、コネクタが用いられる。
【0021】
入力ポート12aは、信号光を受け付ける部分である。本実施形態において、入力ポート12aはコネクタである。入力ポート12aには、信号光を伝播する入力用光ファイバ(またはファイバケーブル)を含む信号光伝送部34aが接続される。具体的には、信号光伝送部34aが有するコネクタ341aが入力ポート12aに接続される。本実施形態において、入力ポート12aと信号光伝送部34aとの接続が維持された状態では、入力ポート12aから偏波コントローラ14に伝播される信号光の偏波状態は一定である。
【0022】
信号光は信号成分(たとえばテレビ信号成分)が重畳された光である。本実施形態では、信号光は、レーザダイオード(LD:Laser Diode)から出力され且つ信号成分を含むように変調されたレーザ光である。光増幅ファイバ22にはErイオンが添加されていることから、信号光の波長の例は、Cバンド帯(1.5μm帯)の波長である。
【0023】
偏波コントローラ14は、後述する電流モニタ部303のモニタ結果(判定結果)に応じて信号光の偏波状態を調整するための偏波調整部である。光増幅ファイバ22に入力される前の信号光の偏波状態を調整可能な位置に配置されている。信号光の偏波状態を選択的に調整する観点から、偏波コントローラ14は、入力ポート12aと光合波器20の間に配置され得る。図1に示すように、本実施形態では、偏波コントローラ14は、入力ポート12aと光分配器16aとの間に配置されている。偏波状態を調整することは、偏波軸を調整することを意味する。
【0024】
偏波コントローラ14の構成は、信号光の偏波状態を調整できれば限定されない。偏波コントローラ14は、例えば、信号光の伝播方向に沿って同軸に配置された1つ又は複数の波長板と、1つ又は複数の波長板を信号光の伝播方向の周りに回転駆動する駆動部とを有する。1つの波長板を用いる場合、波長板は、半波長板でよい。複数の波長板を用いる場合、半波長板と、1/4波長板とが組み合わされてよい。以下では、断らない限り、波長板を備えた偏波コントローラ14の形態を説明する。
【0025】
光分配器16aは、偏波コントローラ14と光アイソレータ18aの間に配置されている。光分配器16aは、入力された信号光の一部を分岐し、光検出器26aに導くとともに、残りの部分を光アイソレータ18aに導く。光分配器16aは、例えば、信号光の1%を光検出器26aに導き、残りの99%を光アイソレータ18aに導く。光分配器16aは、例えば光ファイバカプラである。
【0026】
光検出器26aは信号光を検出する。光検出器26aは、例えばフォトダイオード(PD:Photo Diode)である。光検出器26aは、光検出結果を制御部30に入力する。
【0027】
光合波器20は、光アイソレータ18aと光増幅ファイバ22の間に配置されている。光合波器20は、光アイソレータ18aからの信号光と励起光源28からの励起光を合波する。光合波器20は、信号光と励起光の合波光を光増幅ファイバ22に入力する。光合波器20は、例えば光ファイバ型波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)カプラである。
【0028】
励起光源28は、光増幅ファイバ22へ供給すべき励起光を出力する。励起光源28は、励起レーザダイオード(励起LD)281とそれを駆動する駆動回路282を含む。光増幅ファイバ22にはErイオンが添加されていることから、励起光の波長の例は、0.98μmまた1.48μmである。
【0029】
光増幅ファイバ22は、光合波器20と残留光放出ファイバ24の間に配置されている。光増幅ファイバ22は、光合波器20から入力される合波光を伝播しながら合波光に含まれる信号光を増幅する。光増幅ファイバ22は、ホスト材料であるガラスに、希土類イオンとしてErがドープされたファイバである。光増幅ファイバ22からの出力光を「増幅光」とも称す。
【0030】
図2から図4は、光増幅ファイバ22の断面構成の例を示す図面である。図2から図4に示したように、光増幅ファイバ22は、Erイオンが添加されるとともに信号光が伝播するコア221(屈折率n1)と、コア221を取り囲むクラッド領域222を備える。クラッド領域222は、励起光源28からの励起光が伝播する内側クラッド222a(屈折率n2(<n1))と、内側クラッド222aを取り囲む外側クラッド222b(屈折率n3(<n2))から構成されている。
【0031】
コア221の中心部における励起光の電界強度を高めたり、コア221の周りを周回するスキュー成分の発生を抑制したりする観点から、図2から図4に示したように、内側クラッド222aは非円形状に形成される傾向にある。図2は、内側クラッド222aの形状が矩形である場合の例を示している。図3は、内側クラッド222aの形状が、D型形状(直線部と直線部の両端を繋ぐ曲線部によって構成される形状)である場合の例を示している。図4は、内側クラッド222aの形状が、四角形の四辺が内側に湾曲しているとともに角部が丸めれた形状である場合の例を示している。
【0032】
図1に戻って光増幅装置10を更に説明する。残留光放出ファイバ24は、光増幅ファイバ22と光アイソレータ18bの間に配置されている。残留光放出ファイバ24は、光増幅ファイバ22から出力された増幅光に残留している励起光を除去するための光ファイバである。残留光放出ファイバ24は、例えば、信号光を伝播させる一方、励起光が漏れ出るように構成されている。
【0033】
光分配器16bは、光アイソレータ18aと出力ポート12bの間に配置されている。光分配器16bは、入力された増幅光の一部を分岐し、光検出器26bに導くとともに、残りの部分を出力ポート12bに導く。光分配器16bは、例えば、増幅光の1%を光検出器26bに導き、残りの99%を出力ポート12bに導く。光分配器16bは、例えば光ファイバカプラである。
【0034】
光検出器26bは増幅光を検出する。光検出器26bは、例えばフォトダイオード(PD)である。光検出器26bは、光検出結果を制御部30に入力する。
【0035】
出力ポート12bは、出力光を光増幅装置10の外部に出力するための部分である。本実施形態において、出力ポート12bはコネクタである。出力ポート12bには、増幅光を伝播する光ファイバを含む増幅光伝送部34bが接続される。具体的には、増幅光伝送部34bが有するコネクタ341bが出力ポート12bに接続される。
【0036】
制御部30は、偏波コントローラ14、光検出器26a、励起光源28および光検出器26bに電気的に接続されている。制御部30は、信号光モニタ部301と、電流制御部302と、電流モニタ部303とを有する。
【0037】
信号光モニタ部301は、光検出器26aの光検出結果をモニタするモニタ回路を有する。一実施形態において、信号光モニタ部301は、信号光が入力ポート12aに入力されたか否か、入力された信号光が所定レベルか否かを判定する。入力された信号光の信号レベル(強さ)が所定レベルに達していない場合、たとえば、警告部32を介してユーザに信号光が所定レベルでない点を提示してもよい。
【0038】
電流制御部302は、光検出器26bからの受信結果をモニタするとともに、モニタ結果に応じて光検出器26bの光検出結果が所定範囲(すなわち、増幅光の光出力レベルが所定範囲)内になるように励起光源28における駆動電流を制御する。電流制御部302は、上記光検出結果が所定範囲内か否かを判定する判定回路と、判定回路の判定結果(モニタ結果)に応じて駆動電流をフィードバック制御する電流制御回路とによって構成され得る。
【0039】
電流モニタ部303は、励起光源28が有する励起LD281に実際に流れている駆動電流をモニタする。具体的には、電流モニタ部303は、上記励起LD281に流れている駆動電流が基準値から上昇しているか否かを判定する。駆動電流が基準値から上昇していると判定された場合、電流モニタ部303は、信号光の偏波状態を制御する旨の制御信号を偏波コントローラ14に出力する。本実施形態では、電流モニタ部303は、上記駆動電流が、予め設定している上限値を超えているか否かも判定する。駆動電流が予め設定している上限値を超えていると判定された場合、電流モニタ部303は、光増幅ファイバの交換を提示する旨の制御信号を警告部32に出力する。
【0040】
警告部32は、光増幅装置10に異常が生じた場合に、その旨をユーザに提示する警告を出力する。たとえば、警告部32は、電流モニタ部303において、予め設定している上限値を上記駆動電流が超えていると判定された場合、光増幅ファイバ22の交換を提示する旨の警告を出力する。警告部32は、信号光モニタ部301において、入力された信号光のレベルが所定レベル未満であると判定された場合、その旨を提示する警告を出力してもよい。警告部32は、たとえば、各種警告を音声または電子的な通知(メールなど)でユーザに対して出力してよいし、LED等によって警告を表示してもよい。
【0041】
次に、光増幅装置10を利用した信号光の光増幅方法を説明する。本実施形態に係る光増幅方法では、信号光を光増幅しながら、駆動電流のフィードバック制御を実施するとともに、信号光の偏波状態野フィードバック制御を実施する。まず、図5を利用して、光増幅方法における駆動電流のフィードバック制御に関する各工程を説明する。図5は、光増幅方法における駆動電流の調整に関する各工程を示すフローチャートである。
【0042】
入力ポート12aを通して光増幅装置10に信号光が入力される(入力工程S11)。光増幅装置10の駆動開始時には、信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続されることによって、入力工程S11が実施される。信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続された後は、信号光が信号光伝送部34aを伝播している限り、入力工程S11が定常的に実施されている。
【0043】
励起LD281を駆動することによって励起LD281から励起光を出力する(励起光出力工程S12)。図5では、便宜的に、励起光出力工程S12を入力工程S11の後に図示しているが、励起光出力工程S12と入力工程S11の順番は限定されない。
【0044】
入力ポート12aに入力された信号光と、励起LD281から出力された励起光は光増幅ファイバ22に入力される。これによって、信号光が光増幅される(光増幅工程S13)。具体的には、入力ポート12aに入力された信号光は、偏波コントローラ14、光分配器16aおよび光アイソレータ18aを通って光合波器20に入力される。光合波器20には、励起光源28からの励起光も入力される。光合波器20に入力された信号光と励起光は光合波器20で合波される。光合波器20から出力された信号光と励起光の合波光は、光増幅ファイバ22に入力される。上記合波光の光増幅ファイバ22内における伝播中に励起光が信号光に変換され、信号光が増幅される。具体的には、合波光が有する励起光によって希土類元素イオン(本実施形態ではErイオン)が励起され、励起された希土類元素イオンからの誘導放出によって信号光が増幅される。
【0045】
光増幅ファイバ22から出力された増幅光の一部(たとえば、増幅光の1%)は光分配器16bによって分岐された後、光検出器26bに入力される。これによって、増幅光の一部は、光検出器26bによって検出される(光検出工程S14)。光分配器16bに入力された増幅光のうち光検出器26bに向けて分岐された部分以外の増幅光(たとえば、光分配器16bに入力された増幅光の99%)は、出力ポート12bに伝播され、光増幅装置10から出力される。
【0046】
光検出器26bでの光検出結果は、制御部30が有する電流制御部302に入力される。電流制御部302は、光検出結果である増幅光の光出力レベルが所定範囲内か否かを判定する(光出力レベル判定工程S15)。
【0047】
光出力レベル判定工程S15において、光出力レベルが所定範囲外である場合(光出力判定工程S15において「NO」)、光出力レベルが所定範囲内になるように、電流制御部302が、駆動回路282から励起LD281に供給される駆動電流を調整する(調整工程S16)。光出力レベルが所定範囲内である場合(光出力判定工程S15において「YES」)、現状の駆動電流を維持しながら光増幅工程S13が実施される。
【0048】
次に、信号光の偏波状態のフィードバック制御を、図6を利用して説明する。図6は、光増幅方法における信号光の偏波状態を制御する工程を説明するための図面である。信号光の偏波状態の制御は、光増幅装置10が稼働されている間(すなわち、光増幅工程S13が実施されている間)、実施されている。
【0049】
光増幅工程S13の実施のために励起LD281が駆動されている状態では、電流モニタ部303が、励起LD281に流れている駆動電流を検出する(電流検出工程S21)。電流モニタ部303は、電流検出工程S21で検出された駆動電流が予め設定されている上限値を超えているか否かを判定する(警告要否判定工程S22)。
【0050】
警告要否判定工程S22によって上記駆動電流が上限値を超えていると判定された場合(警告要否判定工程S22において「YES」)、警告部32がユーザに向けて光増幅ファイバ22を交換すべきである旨の警告を出力する(警告工程S23)。
【0051】
警告要否判定工程S22によって上記駆動電流が上限値を超えていないと判定された場合(警告要否判定工程S22において「NO」)、電流モニタ部303は、電流検出工程S21で検出された駆動電流が基準値より上昇しているか否かを更に判定する(電流変化判定工程S24)。上記駆動電流が基準値より上昇していないと判定された場合(電流変化判定工程S24において「NO」)、現状での信号光の偏波状態で光増幅工程S13を継続する。一方、上記駆動電流が基準値より上昇していると判定された場合(電流変化判定工程S24において「YES」)、偏波コントローラ14が、偏波コントローラ14に入力される信号光の偏波状態を調整する(偏波状態調整工程S25)。
【0052】
上記信号光の偏波状態のフィードバック制御は、信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続された際(より具体的には、光増幅装置10が稼働を開始時)から実施される。そして、光増幅装置10が稼働中、すなわち、光増幅工程S13が実施されている場合には、上記警告工程S23が実施されない限り、電流検出工程S21、警告要否判定工程S22、電流変化判定工程S24及び偏波状態調整工程S25が繰り返されてよい。
【0053】
上記電流変化判定工程S24における「基準値」は、予め設定されている値(固定値)でよい。基準値は、所望の光出力レベルを実現するための最小の駆動電流でよい。基準値は、光出力レベルを一定にするためにフィードバック制御される駆動電流において想定される変動幅の上限またはその近傍の値でよい。或いは、前述したように、電流検出工程S21、警告要否判定工程S22、電流変化判定工程S24及び偏波状態調整工程S25を繰り返すことから、前回の電流検出工程S21で検出された駆動電流を比較のための基準値として採用してもよい。
【0054】
偏波状態調整工程S25において、偏波コントローラ14は、波長板を回転させることによって信号光の偏波状態を調整する。偏波コントローラ14は、駆動電流を下げるように、信号光の偏波状態を調整する。偏波コントローラ14の制御(波長板の回転方向など)は、偏波状態調整工程S25を複数回実施して、駆動電流を下げるように実施されればよい。たとえば、偏波コントローラ14による信号光の偏波状態の調整によっても駆動電流の上昇が止まっていない場合、前回の偏波コントローラ14による信号光の偏波状態の調整と逆の調整を実施するというように、偏波コントローラ14による信号光の偏波状態の調整方法もフィードバック制御されてもよい。
【0055】
上記のように、光増幅装置10および光増幅装置10を用いた信号光の光増幅方法では、光増幅ファイバ22を用いて信号光を光増幅しながら、増幅光のモニタ結果に基づいて駆動電流をフィードバック制御していることから、所望の光出力レベルの増幅光を出力ポート12bから出力することができる。
【0056】
光増幅装置10が残留光放出ファイバ24を備える形態では、光増幅ファイバ22から出力された増幅光は、残留光放出ファイバ24内を伝播する。そのため、残留光放出ファイバ24に入力される前の増幅光に含まれている励起光は、残留光放出ファイバ24によって除去される。したがって、出力ポート12bから増幅光伝送部34bに励起光を含まない増幅光を出力できる。
【0057】
光増幅装置10および上記光増幅方法では、励起LD281を駆動している駆動電流の検出結果に応じて、光増幅ファイバ22に入力される信号光の偏波状態を調整している。信号光の偏波状態は、光増幅ファイバにおける励起光から信号光への変換効率に影響を与えることから、信号光の偏波状態を調整可能な上記光増幅装置では、励起光から信号光への変換効率の向上を実現可能である。
【0058】
前述したように、一定の光出力レベルの増幅光を出力するために、駆動電流はフィードバック制御されている。このような状態において励起光から信号光への変換効率が低下した場合、一定の光出力レベルの出力光を光増幅ファイバから出力するためには、励起光の出力レベルを上げる必要があり、その結果、駆動電流が増加する。そのため、駆動電流の増加は変換効率の低下を示している。よって、駆動電流が基準値から上昇している場合に、光増幅ファイバ22に入力される信号光の偏波状態を調整する形態では、変換効率の低下を適切に検知できるとともに、発光効率が低下した場合に、信号光の偏波状態を調整することによって変換効率を回復させることができる。
【0059】
図2から図4に示したように、光増幅ファイバ22の構成が周方向(図2から図4において、光増幅ファイバ22の中心周りの方向)において均一ではない場合、光増幅ファイバ22に入力される信号光の偏波面と、光増幅ファイバ22との上記周方向に関する相対的な角度が、励起光から信号光への変換効率に関係することがある。そのため、前述したように、信号光の偏波状態は、光増幅ファイバにおける励起光から信号光への変換効率に影響を与える場合がある。光増幅装置10では、信号光の偏波状態を調整可能であることから、非円形状の内側クラッド222aを有する光増幅ファイバ22を用いられていても、励起光から信号光への変換効率の向上を実現可能である。
【0060】
光増幅装置10および上記光増幅方法では、信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続された際に、上記偏波状態調整工程S25を実施できる。信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続した際に偏波状態調整工程S25を複数回実施して、所望の変換効率を実現可能な信号光の偏波状態を選択することができる。そのため、光増幅装置10をその使用場所に設置し、信号光伝送部34aを光増幅装置10に接続した段階から、所望の変換効率で信号光を光増幅できる。上記「所望の変換効率」は、最適な若しくは好適な変換効率または設計値により近い変換効率を含む意味である。上記「信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続された際」は、信号光伝送部34aと入力ポート12aの接続が解除された後に同じまたは異なる信号光伝送部が入力ポート12aに改めて接続された場合も含む意味である。
【0061】
、前述したように、光増幅ファイバ22の構成が周方向において均一ではない場合、光増幅ファイバ22に入力される信号光の偏波面と、光増幅ファイバ22との上記相対的な角度が、上記変換効率に関係することがある。そして、信号光の偏波面と、光増幅ファイバ22との上記相対的な角度は、経時変化の影響を受けることがあった。そのため、光増幅装置10の稼働開始時に上記所望の変換効率を実現していても光増幅装置10を長期間稼働させていると変換効率が低下するおそれがある。
【0062】
これに対して、上記光増幅装置10および光増幅方法では、駆動電流の検出結果に応じて(例えば、駆動電流が基準値から上昇している場合)、光増幅ファイバ22に入力される信号光の偏波状態を調整することによって、所望の変換効率を再度実現できる。光増幅装置10を使用しながら上記信号光の偏波状態の調整を実施するため、より長い期間、励起光から信号光への高い変換効率を維持できる。
【0063】
信号光に変換されない励起光の偏波成分は、自然放射増幅光(ASE:Amplified Spontaneous Emission)として熱に消費され易い。励起光を信号光に効率的に変換可能な上記光増幅装置10および光増幅方法では、信号光に変換されない励起光の偏波成分が低減されるので、上記ASEを抑制できる。その結果、光増幅ファイバが、設計段階において想定している以上に発熱することも防止きる。
【0064】
駆動電流の検出結果が予め設定している上限値以上である場合、光増幅ファイバ22に許容レベルを超えた不具合が生じた可能性が高い。そのため、駆動電流の検出結果が予め設定している上限値以上である場合に、警告を出力する形態では、上記のような不具合が光増幅ファイバ22に生じた場合に、早期に光増幅ファイバ22の交換を実施することが可能である。その結果、前述したような光増幅ファイバ22の発熱を防止できる。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0066】
光増幅装置は、図7に示した光増幅装置10Aのように、後方励起型の光増幅装置でもよい。光増幅装置10Aでは、光増幅ファイバ22と光アイソレータ18aの間に設けられた光合波器20を有しない代わりに、光増幅ファイバ22と光アイソレータ18bの間に光合波器20Aを有する。光合波器20Aには、励起光源28が接続されている。光合波器20Aは、励起光源28から出力された励起光を、光増幅ファイバ22に入力するとともに、光増幅ファイバ22からの出力光(増幅光)を光アイソレータ18bに向けて出力する。光合波器20Aの例は、光ファイバ型WDMカプラである。光増幅装置10Aでは、励起光は、信号光の伝播方向と反対方向(すなわち、出力ポート12bから入力ポート12aに向かう方向)に沿って光増幅ファイバ22内を伝播する。光増幅装置10Aは、図1に示した残留光放出ファイバ24を有しなくてよい。
【0067】
光増幅装置10Aを用いた信号光の光増幅方法は、光増幅ファイバ22における光アイソレータ18a寄りの端部から信号光が入力される一方、光増幅ファイバ22における光アイソレータ18b寄りの端部から励起光が入力される点で相違する点以外は、光増幅装置10を用いた信号光の光増幅方法と同じである。光増幅装置10Aおよび光増幅装置10Aを用いた光増幅方法では、光増幅装置10の場合と同様に、駆動電流のフィードバック制御および信号光の偏波状態のフィードバック制御が実施される。そのため、光増幅装置10Aおよび光増幅装置10を用いた光増幅方法は、光増幅装置10および光増幅装置10を用いた光増幅方法と同じ作用効果を有する。
【0068】
偏波コントローラを用いた信号光の偏波状態の調整は、手動で実施されてもよい。たとえば、信号光伝送部34aが入力ポート12aに接続された際には、駆動電流の検出結果に応じて偏波コントローラを手動で操作しながら、信号光の偏波状態を調整してもよい。光増幅装置を稼働した後においても、たとえば、光増幅装置の定期点検の際に、上記変換効率が所望の値から低下している場合には、偏波コントローラを手動で操作しながら、信号光の偏波状態を調整してもよい。
【0069】
偏波調整部は、波長板を用いた偏波コントローラに限定されない。偏波調整部は、たとえば入力された信号光の偏波状態をファイバ内部では維持しながら伝播可能な偏波保持ファイバであって、偏波保持ファイバの入力コネクタおよび出力コネクタが、対応する接続先コネクタに複数の角度のうちから角度を選択して接続可能な構成を有する、偏波保持ファイバであってもよい。この場合、偏波保持ファイバの入力コネクタと接続先コネクタとの接続角度と、出力コネクタと接続先コネクタとの接続角度とを変更することによって、偏波保持ファイバは、入力コネクタから出力コネクタに向けて信号光の伝播方向周りに捩れる。これにより、偏波保持ファイバに入力された信号光の偏波状態に対して、出力される信号光の偏波状態を調整できる。上記のように偏波保持ファイバを捩ることによって信号光の偏波状態を調整する形態では、上記接続先コネクタも、入力コネクタおよび出力コネクタに対応したコネクタで構成されている。図1に示した形態のように、偏波調整部が、入力ポート12aと光分配器16bの間に配置されている場合、偏波保持ファイバの入力コネクタと接続される接続先コネクタは入力ポート12aであり、偏波保持ファイバの出力コネクタと接続される接続先コネクタは光分配器16aの入力コネクタである。
【0070】
偏波調整部は、たとえば液晶を利用して偏波状態を調整する(偏波軸を回転する)構成を有してもよい。このような偏波調整部の例は、偏波ローテータである。
【0071】
図1を利用した実施形態の説明では、光分配器16a、光アイソレータ18a、残留光放出ファイバ24、光アイソレータ18bおよび警告部32を備えた形態を説明した。しかしながら、光増幅装置は、光分配器16a、光アイソレータ18a、残留光放出ファイバ24、光アイソレータ18bおよび警告部32それぞれを有しなくてもよい。図7に示した形態においても、光増幅装置は、光分配器16a、光アイソレータ18a、光アイソレータ18bおよび警告部32それぞれを有しなくてもよい。
【0072】
信号光の波長帯は、例示した1.5μm帯に限定されない。光増幅ファイバは、Erイオン以外の希土類元素イオンが添加された光ファイバであってよい。希土類元素イオンは、光通信用の光増幅ファイバに使用されるイオンでよい。励起光の波長は、信号光の波長帯および光増幅ファイバに添加された希土類元素イオンに応じて設定されていればよい。また、光増幅装置は、複数の出力ポートを有してもよい。この場合、光増幅ファイバからの増幅光を光分配器で、複数の出力ポートに出力すればよい。
【符号の説明】
【0073】
10…光増幅装置
12a…入力ポート
12b…出力ポート
14…偏波コントローラ(偏波調整部)
16a,16b…光分配器
18a,18b…光アイソレータ
20,20A…光合波器
22…光増幅ファイバ
221…コア
222…クラッド領域
222a…内側クラッド
222b…外側クラッド
24…残留光放出ファイバ
26a,26b…光検出器
28…励起光源
281…励起レーザダイオード
282…駆動回路
30…制御部
301…信号光モニタ部
302…電流制御部
303…電流モニタ部
32…警告部
34a…信号光伝送部
341a…コネクタ
34b…増幅光伝送部
341b…コネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7